説明

目的物のための支持部材とこの支持部材を有する装置

本発明は、目的物のための支持部材に関わる。この支持部材は、第1の脚部材(22)と第2の脚部材(20)とを有している。前記第1の脚部材は、前記支持部材を軸方向に伸長するように、前記第2の脚部材に対して軸方向に移動可能である。前記第1の脚部材は、前記第2の脚部材を摺動可能に受けるハウジング(32)を有している。前記ハウジングは、前記第1の脚部材の前記第2の脚部材に対する相対的な軸方向の移動をロックするためのロック位置と、前記2つの脚部材の相対的な軸方向の移動を可能にするための解放位置とを有するロック部材(30)を有している。キャッチ部(34)が、前記ロック部材に設けられ得る。前記キャッチ部は、前記ロック部材のロック位置と解放位置とを交互に得るように、前記ハウジング中で回動可能であり得る。前記キャッチ部は、第2の脚部を受けるキャビティ(40)を有し得、このキャビティは、前記ロック部材のロック位置で、少なくとも前記第2の脚部材の対向する周縁部分に係合する停止面を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の脚部材と第2の脚部材とを有している、目的物のための支持部材に関わる。この第1の脚部材は、この支持部材を軸方向に伸長するように、前記第2の脚部材に対して軸方向に移動可能である。
【0002】
また、本発明は、前述の形式の支持部材を各々備えた少なくとも2つの脚部を有するフレームを具備する装置に関わる。
【背景技術】
【0003】
前述のような形式の支持部材と、装置と、ロック部材とが、従来技術によって周知である。この支持部材は、例えば、テーブルもしくははしご用の伸長可能な脚部材であり得る。前記伸長可能な脚部材は、はしごもしくはテーブルを、平らでない面上に位置付ける場合に、安定させるために使用され得る。このような目的物の少なくとも1つの脚部を伸長させることによって、この目的物を、所望のように慎重に配置することが可能である。更に、この伸長可能な脚部材は、(テーブルトップもしくはバケットトレーのような)目的物の面を、水平な位置に位置付けるために、使用され得る。
【0004】
一例では、従来技術の支持部材は、互いに摺動可能に接続され得る2つの脚部材を有している。固定即ちロック機構が、前記伸長可能な脚部材が所望の長さで固定され得るように、前記2つの脚部材を互いに固定するために設けられ得る。この固定は、脚部材の一方もしくは双方に設けられている孔中に入れられるピンもしくはねじによって、為され得る。
【0005】
また、更に、少なくとも1つの伸長可能な脚部を有するテーブルもしくははしごが、従来技術によって知られている。少なくとも1つの脚部の長さを調整することによって、前記はしごは、所望の形態に位置付けられ得る。
【0006】
従来技術の脚部の欠点は、脚部の長さの調整が、面倒であり且つ時間がかかることである。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、従来技術に係る支持部材に関する少なくとも1つの欠点を解消した、脚部のような支持部材を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、少なくとも1つの周知の欠点を解消した、調整可能な脚部のような支持部材を有する目的物を提供することである。
【0009】
このために、本発明は、目的物のための支持部材を提供する。前記支持部材は、第1の脚部材と第2の脚部材とを有している。前記第1の脚部材は、前記支持部材を軸方向に伸長させるように、前記第2の脚部材に対して軸方向に移動可能である。前記第1の脚部材は、前記第2の脚部材を摺動可能に受けるように配置されているハウジングを有している。前記ハウジングは、前記第2の脚部材に対して前記第1の脚部材の相対的な軸方向の移動をロックするためのロック位置と、前記2つの部材の相対的な軸方向の移動を可能にするための解放位置とを有するロック部材を有している。前記ロック部材をハウジング中に配置することによって、前記ロック部材は、汚れにくくなり、比較的清潔に保たれ得る。従って、前記ロック部材は、磨耗しにくくなり、前記ロック部材の安定した機能を確実にする。
【0010】
一実施形態では、前記ロック部材は、前記ロック部材のロック位置と解放位置とを交互に得るように、前記ハウジング中で回動可能なキャッチ部を有し得る。前記キャッチ部は、比較的に平坦なプレートであり得る。前記キャッチ部は、前記第2の脚部を受けるキャビティを有し得る。前記キャッチ部は、前記キャビティの周縁の少なくとも一部を囲んでいる停止面を有している。前記キャビティは、前記キャッチ部中の孔、もしくは、前記キャッチ部中の開いたキャビティであり得る。前記キャビティを囲んでいる前記キャッチ部の表面の一部が、前記停止面であり得る。前記停止面は、比較的小さく、前記キャビティの端部のような、前記キャビティの面の比較的小さい部分から成り得る。前記開いたキャビティは、U字形状であり得る。前記ロック部材の解放位置では、前記停止面は、前記第2の脚部材が前記ハウジング中で自由に摺動し得るように、前記第2の脚部材に接しない。前記キャッチ部は、前記ロック部材のロック位置で、前記停止面が前記第2の脚部材の少なくとも対向した周縁部分に係合するように配置され得る。対向した周縁部分に係合することによって、前記第2の脚部材は、前記キャビティ中で固定される。ロック位置で前記停止面が前記第2の脚部材の対向した部分に係合するように前記キャビティを回動させることによって、力のモーメントが、前記第2の脚部材に与えられる。このモーメントは、前記第2の脚部材を、前記ハウジングと前記キャッチ部の前記停止面(例えば端部)とに強く押圧する。前記第2の脚部材と、前記ハウジングと前記キャッチ部の前記停止面との両方との間に結果として生じる静止摩擦が、前記第2の脚部材のしっかりとした安全な固定が可能であることを確実にする。本発明の更なる効果は、前記支持部材が、制限がなく調整可能であり、即ち、支持部材が、支持部材の個々の位置付けのための設定の必要がなく、所望の位置で固定され得ることである。
【0011】
一実施形態に従えば、前記脚部材は、軸方向に伸ばされた位置へと前記支持部材を付勢する付勢部材を有している。この付勢部材は、前記支持部材の脚部を、軸方向に伸ばされた位置に、押圧し得る。前記ロック部材案内ル状態(即ち解放位置)である時、この付勢部材は、前記第2の脚部材を、外方に移動させ得る。前記支持部材が、前記付勢部材によって与えられた力の結果として、最大限に伸ばされた位置に移動することが、可能であり得る。
【0012】
代わって、前記付勢部材は、前記支持部材が支持するように設定されている所定の重量とのバランスを保つように配置されることが、可能であり得る。かくして、前記ロック部材が解放位置にある時、前記支持部材は、伸長も縮小もし得ない。このことによって、使用者は、支持する脚部を、所望の位置に比較的簡単に位置付けることが可能となる。使用者は、前記ロック部材をロック解除し得、わずかな力のみが、前記支持部材の長さを調整するために、必要とされる。
【0013】
一実施形態では、前記付勢する力は、前記支持部材によって支持される質量に近い強さである。装置が複数の支持部材即ち脚部を有する場合、前記複数の支持部材の組み合わされた付勢力は、前記支持される質量に相当する。このことは、質量が付勢力によって支持されながら、前記支持部/装置が地面の上に位置付けられ、前記ロック機構が前記脚部を伸長もしくは縮小し得るように前記解放位置であるとき、前記支持部材/装置に、「浮いている感じ(floating sensation)」を与える。使用者は、抵抗をほとんどもしくは全く感じずに、装置を上方もしくは下方に移動させ得る。
【0014】
一実施形態では、前記停止面は、比較的小さく、前記キャビティの一端部から成る。この一端部は、ロック位置で前記一端部が前記第2の脚部材中に圧入されるように、比較的尖っている(sharp)。前記一端部は、前記第2の脚部材に食い込み(cut into)得る。このことは、前記2つの脚部材の相対的な移動に対する良好な抵抗を生じさせる高いロック圧力が得られることを、確実にする。
【0015】
一実施形態では、前記キャビティの長軸が、解放位置の前記第2の脚部材に対して平行に延びている。前記キャッチ部は、前記キャッチ部中のキャビティが前記第2の脚部に対して平行になるように、解放位置の前記第2の脚部に直交するように、位置付けられ得る。かくして、前記第2の脚部を自由に移動させるために必要な空間が、設けられる。また、かくして、ロック位置と解放位置との間では、わずかな回動のみが、前記キャッチ部に必要とされる。かくして、前記支持部材は、比較的小型に設計され得る。
【0016】
一実施形態では、前記ロック部材、特に前記キャッチ部は、ロック位置へと付勢される。前記ロック部材をロック位置へと付勢することによって、比較的大きな力が、前記ロック位置の前記第2の脚部材に与えられる。従って、結果として生じる静止摩擦も大きくなり、前記第2の脚部材をしっかりと固定する。ばねもしくは他の付勢部材が、前記ハウジング中に設けられることが、可能であり得る。複数のばね、即ち付勢部材も、当然可能である。前記ばねは、前記キャッチ部をロック位置へと押圧するように、また、前記キャッチ部の前記停止面を前記第2の脚部材の外面に強く押圧して、静止摩擦を大きくするように、配置されている。これによって、安全な取着を与えるしっかりとしたロック部材を有する支持部材が、得られる。
【0017】
前記キャッチ部の少なくとも一部、及び/もしくは、前記第2の脚部材の少なくとも一部は、硬化鋼によって形成され得る。好ましくは、前記キャッチ部の、少なくとも前記第2の脚部材に係合する部分と、前記第2の脚部材の、前記キャッチ部によって係合される部分とは、硬化鋼によって形成されている。硬化鋼によって形成されている2つの面間では、摩擦係数が、比較的高い。特に、乾燥静止摩擦(dry static friction)のための摩擦係数が、この場合に比較的高く、しっかりとした安全な取着を生じさせる。
【0018】
一実施形態では、前記ロック部材は、このロック部材の前記ロック位置と前記解放位置とを交互に得るために、前記ハウジング中で回動可能な更なるキャッチ部を有している。前記更なるキャッチ部は、前記第2の脚部を受けるキャビティを有している。前記更なるキャッチ部は、前記キャビティの周縁の一部を囲んでいる停止面を有している。前記停止面は、前記第1のキャッチ部と比較すると、前記第2の脚部材の更なる部分を囲み得る。前記停止面は、前記ロック部材のロック位置で、前記第2の脚部材の少なくとも対向する周縁部分に係合するように、配置され得る。更なるキャッチ部は、前記2つの脚部材の、更にしっかりとした固定を与え得る。前記キャッチ部は、前記第2の脚部材の異なる縦方向の部分を囲むことが、可能である。例えば、前記第2の脚部材は、2つの異なる軸方向の位置に固定され得、前記脚部材のしっかりとした安全な取着を可能にする。
【0019】
一実施形態では、前記キャッチ部と前記更なるキャッチ部とは、対向する方向でロック位置へ回動するように、配置され得る。かくして、比較的小型の設計が、可能であり得る。更に、これらキャッチ部は、前記第2の脚部材に、互いに異なる角度で係合することが、可能であり得る。かくして、前記第2の脚部材は、よりしっかりと固定され、前記第2の脚部材の軸方向の移動が、防がれる。
【0020】
一実施形態では、ばねのような付勢部材が、前記キャッチ部と前記更なるキャッチ部との間に配置される。前記付勢部材が両キャッチ部に係合すると、前記キャッチ部を互いに離間させるように付勢する付勢力が、得られる。好ましくは、前記キャッチ部を互いに離間させるように回動させることは、前記キャッチ部を、ロック位置に回動させることに対応する。従って、このような配置では、前記付勢部材は、前記ロック機構を、ロック位置へと付勢する。
【0021】
更に、前記付勢部材は、好ましくは、コイルばねである。前記ロック部材をロック位置へと付勢する前記付勢部材は、脚部材の周りに配置されているコイルばねであり得る。このことが、構造を単純にし、特にコイルばねが使用される場合に、前記支持部材の組み立てを、簡単にする。
【0022】
前記ロック部材は、前記ハウジング中に設けられているカムを有することが、可能である。一実施形態では、前記ハウジングは、前記キャッチ部をロック位置から解放位置へと操作するように前記キャッチ部に係合しているカムを、有している。
【0023】
一実施形態では、前記カムの対向する両側面が、前記2つのキャッチ部に係合し得る。このカムは、前記2つのキャッチ部をロック位置から解放位置へと同時に回動させるように、配置され得る。前記カムは、前記2つのキャッチ部が同時に操作されることを、可能にする。このことによって、前記脚部材のしっかりとした固定が、比較的簡単に果たされ得る。
【0024】
一実施形態では、前記支持部材は、前記ロック部材に接続されており、前記脚部材の外側の端部に延びている伝達部材を有している。前記伝達部材は、前記ロック部材を操作するために前記脚部材に設けられている操作部材に、接続され得る。かくして、前記ロック部材の操作は、前記ロック部材の実際の位置から所定の距離で離れたところで為され得る。前記操作部材は、使用者によって人間工学的に到達可能(ergonomically reachable)な位置に、前記支持部材の小型化を損なうことなく、設けられ得る。前記操作部材の人間工学的な位置は、前記支持部材が簡単に且つ安全に調整され得ることを、確実にする。
【0025】
好ましい実施形態では、前記伝達部材が、前記カムに接続されている。前記伝達部材は、ヒンジによって、前記カムに接続され得る。バー、ロッド、ケーブルなどのような前記伝達部材は、前記操作部材を操作することが前記カムの所望の動作となり、更に、少なくとも1つのキャッチ部の回動を生じさせるように、配置され得る。前記伝達部材は、前記ハウジングに摺動可能に接続され得る。前記伝達部材は、この伝達部材が、前記ロック部材を操作するために前記第1の脚部材に対して平行に移動するように、配置され得る。前記伝達部材の軸方向の移動は、前記カムによって、少なくとも1つのキャッチ部の回動に変えられ得る。かくして、比較的小型の支持部材が、設けられ得る。
【0026】
好ましくは、前記伝達部材は、バーもしくはロッドのような硬性の部材である。硬性の部材は、動きを、前記操作機構から前記ロック部材へと、非常に正確に伝達し得る。硬性の部材に作用する力は、ケーブルが使用された場合にケーブルに生じるような変形を、硬性の部材に生じさせない。ケーブルが繰り返し緊張及び変形すると、結果的に故障に至り得る。このことによって、前記支持部材の安全が制限され、望ましくない。硬性の伝達部材は、より安全であり、より正確な支持部材であり得る。
【0027】
本発明の一態様に従えば、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの脚部を備えたフレームを有する装置が、提供される。少なくとも1つの脚部は、本発明に係る支持部材を有することが、可能である。この装置は、はしごもしくはテーブルであり得る。前記支持部材は、前の説明から明らかであるように、簡単且つ安全に調整され得る。かくして、この装置を所望の位置に位置付けることが、比較的簡単である。また、相当の重量が、このようなはしごによって支持され得る。150kgを超える重量が、本発明に係る支持部材を有するこのような装置によって、簡単に支持され得る。
【0028】
一実施形態では、この装置は、少なくとも3つの脚部を有しており、前記少なくとも3つの脚部は、これら少なくとも3つの脚部の各々の長さを調整するために、本発明に係る軸方向に伸長可能な支持部材を有している。前記少なくとも3つの脚部は、前記フレームを水平面に対して位置付けるために、互いに、個々に、選択的に、軸方向に伸長可能であり得る。各支持部材は、支持部材の前記ロック部材に接続されている伝達部材を有し得る。各伝達部材は、前記装置のフレームへと延びており、各ロック部材を活性化もしくは不活性化するための中央の操作機構に接続されている。前記操作機構は、各ロック部材を同時に活性化もしくは不活性化させるように、配置されている。このようにして、はしご、テーブル、三脚のような装置が、得られ、各伸長可能な脚部の各ロック部材は、中央の操作部材のみを使用して、同時にロック解除され得る。
【0029】
前記中央の操作部材は、複数の脚部を所望の長さにロックする1つの操作を可能にする。
【0030】
更に、各脚部は、個々に伸長され得、即ち、支持部材の各々の長さが、使用者によって恣意的に選択され得る。一方の支持部材の長さは、他方の支持部材の長さに、依存しない。このことによって、前記中央の操作部材と組み合わせて、使用者は、この装置を、比較的簡単に且つ迅速に、所望の位置に位置付けることができる。例えば、これは、テーブルもしくは三脚を水平な位置に位置付けるために、もしくは、はしごを平らでない地面で安定した位置に位置付けるために、使用され得る。
【0031】
前記操作機構は、ロッドに接続されている操作ハンドルを有することが可能である。前記ロッドは、前記フレームに回動可能に取着され得る。前記ロッドは、ベアリングによって前記フレームに取着され得る。前記ロッドは、互いに所定の距離で離間している少なくとも2つの押圧ブロックを有し得る。各押圧ブロックは、前記伝達部材の1つに係合するように、配置されている。前記操作機構は、前記操作ハンドルを回動させることによる前記ロッドの回動が、前記押圧ブロックの押圧によって前記伝達部材の並進運動を生じさせるように、配置されている。前記伝達部材は、前記伝達部材の並進運動が前記ロック部材のキャッチ部の回動になるように、配置されている。かくして、確実で安全な硬性の操作部材及びロック部材が、得られる。
【0032】
この装置は、これから少なくとも3つの脚部が下方に延びている支持台を有することが、可能である。この支持台は、目的物をこの支持台に配置するために、使用され得る。前記調整可能な複数の支持部材によって、前記支持台を所定のレベルに位置付けることが、比較的簡単である。
【0033】
一実施形態では、この装置は、はしごである。このはしごは、2つか、3つか、4つの本発明に係る支持部材を有し得る。前記はしごは、平らでない地面に簡単に配置され得る。中央の操作部材が使用されると、前記はしごは、比較的迅速に且つ簡単に位置付けられ得る。
【0034】
一実施形態に従えば、この装置は、互いに対して回動可能に接続されている少なくとも2つの脚部を有している。更に、前記少なくとも2つの脚部の各々は、本発明に係るロックシステムを有する少なくとも1つの支持部材を有している。個々に回動可能な前記脚部の支持部材は、前記中央の操作機構に接続されており、この中央の操作機構は、回動可能な各々の脚部のロック部材を同時に操作することを、可能にする。
【0035】
本発明が開示され、好ましい実施形態に関して開示されるが、本発明の範囲内では、複数の異なる実施形態が可能であることが、明らかである。この出願の目的は、開示される実施形態と、請求項によって示される実施形態と、同等のものとを保護することである。この分野の当業者は、(本発明の効果が周知であるので、)異なる実施形態を構成し得る。発明者の意図は、これら実施形態を本出願によって保護することである。
【0036】
前述の、及び後述の説明で、本発明の態様が、開示され、この手段の効果が、開示される。本発明者は、本発明が有する言及される効果と言及されない効果とを、従来技術に対して、本出願及び/もしくは分割出願によって、保護することを意図する。
【0037】
本発明は、添付の図面に関連して為される以下の説明を参照して、開示される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、はしごの斜視図である。
【図2】図2は、ロック部材と操作機構とを有している支持部材のより詳細な実施形態を示している、はしごの分解斜視図である。
【図3a】図3aは、本発明の実施形態に係るロック部材の側面図である。
【図3b】図3bは、本発明の実施形態に係るロック部材の側面図である。
【図4a】図4aは、ロック位置の図3の支持部材の側面図である。
【図4b】図4bは、図4aのロック機構の詳細を示す図である。
【図5a】図5aは、ロック位置の図3aの支持部材の側面図である。
【図5b】図5bは、図5aのロック機構の詳細を示す図である。
【図6】図6は、ロック部材を操作するための操作機構の斜視図である。
【図7】図7は、図6の操作機構の側面図である。
【図8a】図8aは、ロック位置のロック機構の他の実施形態の側面図である。
【図8b】図8bは、ロック解除された位置の図8aにかかる実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、はしご1を斜視図で示している。このはしご1は、2つの前脚部5a、5bと、2つの後脚部5c、5dとを有している。前記前脚部5a、5bは、長手方向に一定の間隔で互いに離間して配置され得る複数の段部6によって、互いに水平方向に離間している。前記2つの前脚部5a、5bの上端部には、バケットトレー9が、設けられている。前記前脚部5a、5bと、前記段部6と、前記バケットトレー9とは、前側のフレームの一部である。前記後脚部5c、5dは、2つの接続バー13によって互いに水平方向に離間している。前記後脚部5c、5dと前記接続バー13とは、後ろ側のフレームの一部である。前記前側のフレームと後ろ側のフレームとは、回動点8によって、互いに回動可能に接続されている。頂部7が、前記前側のフレームを前記後ろ側のフレームに接続し、前記前側のフレームと前記後ろ側のフレームとの間に、安定した一定の角度の位置付け(a stable and fixed angular position)を果たしている。このために、2つの離間部材14が、前記前側のフレームと前記後ろ側のフレームとの間に設けられている。前記頂部7は、本分野の当業者に周知の方法によって、前記後ろ側のフレームに回動可能に接続され得る。この頂部7は、前記後ろ側のフレームが、回動点8を中心として、前記前側のフレームに回動可能に取着されることができるように、前記前側のフレームから取り外され得る。かくして、前記はしごは、折畳まれた位置に、即ち、前記後脚部が、前記前脚部に対して比較的近接して離間されており、また前脚部に対して平行な位置に、位置付けられ得る。
【0040】
図1に示されているように、各脚部5a乃至5dは、伸長可能な脚部分10a乃至10dを備えている。脚部5a乃至5dと、伸長可能な脚部分10a乃至10dとの各システムが、支持部材2を形成している。前記脚部は、第1の脚部材として見なされ得、そして前記伸長可能な脚部分は、第2の脚部材として見なされ得る。前記2つの脚部材は、前記支持部材2の一部である。各脚部分10a乃至10dは、足部分11a乃至11dを有している。前記伸長可能な脚部分10a乃至10dは、前記脚部5a乃至5dに対して軸方向に移動し得る。前脚部5bの一側面には、操作ハンドル3が設けられている。後に説明されるように、ロック機構200が、前記伸長可能な脚部分と前記脚部との軸方向の移動をロックするように、設けられている。このロック機構は、ロック部材を有している。前記操作ハンドル3は、前記ロック機構200をロック及びロック解除するために使用される。ロック位置では、前記伸長可能な脚部分は、前記脚部に対して移動することができない。ロック解除された位置即ち解放位置では、前記脚部と前記伸長可能な脚部分との間の相対的な移動が、可能である。前記伸長可能な脚部分は、前記脚部に対して所定の長さだけ移動し得る。この移動が可能な長さは、例えば20cmである。他の長さも、可能である。
【0041】
他の実施形態では、少なくとも1つの脚部を有するテーブル、特に、テーブルに接続されている少なくとも1つの回動可能な脚部を有するテーブルが、設けられる。中央の操作機構が、フレームもしくはテーブルトップに、接続され得る。
【0042】
図2は、図1のはしご1の分解図である。同じ部材は、同じ参照符号によって示されている。この図では、頂部7と前脚部5bとが、取り除かれており、従って、はしご1の操作機構21とロック機構200とが、詳細に示されている。各伸長可能な脚部分10a乃至10dは、前記ロック機構200中に摺動可能に受けられているスライディングバー16を有している。ばね17が、前記ロック機構200のハウジングと前記伸長可能な脚部分10a乃至10dの下側の部分との間に、接続されている。他のバー15が、前記ロック機構200に摺動可能に受けられており、このはしご1の上側の部分へと延びている。この位置で、前記バー15は、操作機構21に係合している。この操作機構21は、2つのロッド18を有している。各ロッド18が、前記前側の脚部間と後ろ側の脚部間とに、回動可能に接続されている。一例として、前記ロッドは、ベアリングによってフレームに取着され得る。前記2つのロッドは、互いに平行になるように位置付けられており、接続ロッド19によって互いに接続されている。これらロッド18のうち1つは、一端部にハンドル3を有している。このハンドル3は、後に説明されるように、ロック機構200をロック及び解放するために、使用され得る。
【0043】
図3a、3bは、ロック部材34、35を有するロック機構30を備えた支持部材の一部の一実施形態の側面図を示している。図4a、4bと図5a、5bとは、図3の支持部材2の更なる詳細を示している。図4a、4bは、ロック位置のロック機構30を示している。図5a、5bは、ロック解除された位置のロック機構30を示している。同じ部材が、同じ参照符号によって示されている。前記ロック機構30は、ハウジング32を有している。これら図は、前記ロック機構と他の部材とを概略的に示していることが明らかである。これら図は、一定の比例に拡大されているのではない。図示されている実施形態では、前記ハウジング32は、図4a、4bと図5a、5bとから判るように、第1の脚部材22に取着されている。前記第1の脚部材22と第2の脚部材20とは、前記支持部材2の一部である。前記ハウジング32の一端部では、スライディングバー33が、摺動可能に受けられている。このスライディングバー33は、軸方向に摺動し得る。前記スライディングバーの上端部には、前記スライディングバーの伸長(即ち下側への移動)に制限を与えるように、ストッパが設けられている。前記スライディングバー33は、下側の脚部分41に接続されている。このスライディングバー33と前記下側の脚部分41とは、第2の脚部材20の一部分である。前記下側の脚部分41は、このはしごを、あるいは、支持部材2が設けられている他の目的物を、使用位置に安定して配置するために、足部分42を有している。前記スライディングバー33の周りには、ばね44が、配置されている。このばね44は、前記ハウジング32と前記下側の脚部分41の上側の部分との間に、延びている。前記ハウジング32の他方の端部では、伝達部材31、例えば伝達ロッド31が、摺動可能に受けられている。前記ハウジング中には、ばね43が、前記伝達ロッド31の一方の端部に接触するように、設けられている。より上側では、前記伝達ロッドは、また、案内ブロック46中に、摺動可能に受けられている。前記伝達ロッド31の上端部が、回動バー48に接続されている押圧ブロック50に係合している。この押圧ブロック50と回動バー48とは、回動バー48の中心線を中心として、回動し得る。前記押圧ブロック50の1つの角部が、ロック位置の前記ロック機構30の一面に、当接することが可能である。例えば、ロック位置の前記ロック機構30に対して、前記押圧ブロック50の右下側の角部が、前記案内ブロック46の一面に当接し得、及び/もしくは、前記右上側の角部が、前記第1の脚部材22の内側部分の一面に当接し得ることが、可能である。かくして、前記押圧ブロックの回動が、一方向で妨げられる。このことは、前記押圧ブロックのわずかな回動運動、かくして前記操作ハンドル3のわずかな回動運動だけで、前記ロック機構の係合が十分に解かれることを、確実にする。
【0044】
前記ハウジングでは、カム36が、回動点51のところで、前記伝達ロッド31に接続されている。前記カム36は、2つのキャッチ部34、35に係合し得る。一方のキャッチ部34は、前記カム36の上端部に設けられており、もう一方のキャッチ部35は、前記カム36の下端部に設けられている。前記カム36の上部142が、キャッチ部34に係合し、前記カム36の下部141がキャッチ部35に係合する。前記カムは、即ち前記スライディングバー33の周りに延びている2つの脚部を有する形状、即ち蝶形状に形成され得る。各キャッチ部34、35は、前記ハウジングの溝52、53中に位置付けられている側面を有している。前記キャッチ部34、35は、縦に並んでいる前記溝52、53によって形成されている回動軸を中心として、前記ハウジング中で、傾斜即ち回動し得る。示されている実施形態では、前記キャッチ部34、35は、前記ハウジング中に、固定の回動軸を有していない。前記キャッチ部34、35は、前記ハウジングに接続されておらず、しかし、前記ハウジング32中、及び前記溝52、53中で、自由に移動し得る。これによって、より少ない部品だけが必要であり、かくして、前記ロック機構は、前記2つの脚部材のしっかりとした安全なロックを損なうことなく、単純化され得る。
【0045】
前記キャッチ部34の一実施形態の斜視図が、図3bに示されている。前記キャッチ部は、これに形成されているキャビティ40を有している。第2の脚部材41のスライディングバー33は、前記キャッチ部34の前記キャビティ40中に、摺動可能に受けられる(図3a参照)。前記キャビティ40は、他の形状も可能であるが、円筒形の形状であり得る。前記キャッチ部は、停止面47を有している。前記停止面47は、前記キャビティ40の内側のシェルを有し得る。好ましくは、前記停止面47は、前記キャッチ部34の外側の面54を有する前記キャビティ40の端部45を含む。前記キャッチ部34の底面には、同様の端部がある。更に、他のキャビティ49が、特に、U字形状の第2のキャビティ49が、前記キャッチ部34中に設けられ得る。
【0046】
前記ロック機構30の動作が、次に説明される。ロック位置では、図4a、4bに示されているように、前記伝達ロッド31が、上側の位置にあり、即ち前記カム36の回動点51が、上側に上げられている。前記カムの外側の面が、前記キャッチ部34、35を、前記ハウジング32の中心に向かって回動即ち傾斜させることができるように、設定されている。回動されると、前記キャッチ部34、35のそれぞれのキャビティ40の停止面47の異なる部分が、スライディングバー33に係合する。特に、前記それぞれのキャビティ40の少なくとも2つの端部45が、前記スライディングバー33に係合する。従って、前記それぞれのキャビティ40の両側の前記2つの端部45の一部が、前記スライディングバー33に当接し得る。前記端部45は、前記スライディングバー33を押圧し得る。このことは、高いロック圧力が与えられ、この圧力が前記2つの脚部材の相対的な移動を防ぐことを、確実にする。上側の端部45と、下側の端部45とは、互いに対向する部分に係合する。従って、前記第2の脚部材41の対向する周辺部分、即ち、前記スライディングバー33に、係合される。これによって、前記スライディングバー33に力のモーメントが課される。この結果、前記スライディングバー33は、前記ハウジング32と前記両停止面47との両方に、押圧される。かくして、前記スライディングバー33は、前記キャッチ部34と前記ハウジング32とによって、はさまれる。各接点が、静止摩擦を生じさせ、この静止摩擦が、前記スライディングバー33が前記ハウジング32中で摺動するのを防ぐ。従って、前記スライディングバー33は、移動することが不可能になり、かくして、前記脚部の伸長が、不可能になる。
【0047】
1つのキャッチ部34だけで、前記スライディングバー33を固定するのに十分であり得ることが、判っている。前記更なるキャッチ部35は、前記第1のキャッチ部34から縦方向に離間して配置されている。この更なるキャッチ部は、前記第1のキャッチ部と組み合わされて、しっかりとした固定を確実にする。前記キャッチ部34、35は、異なる方向に回動し得ることが、図3aから判る。このことによって、両方向の移動が防がれることが、確実となる。また、しっかりとした固定が、果たされる。
【0048】
また、前記両キャッチ部34、35にそれぞれ隣接して設けられているばね38、39が、前記キャッチ部34、35を前記ハウジング32の中心に向かって回動即ち傾斜させることを、確実にする。これらばね38、39は、前記キャッチ部34、45を、ロック位置へ押圧することを、確実にする。また、前記ばね38、39は、前記スライディングバー33への前記停止面47の係合を、更に確実にする。このことによって、前記ロック機構の前記スライディングバー33のしっかりとした安全な固定が、果たされる。図示されている実施形態では、前記両ばね38、39は、平行で、前記第2の脚部材20の前記スライディングバー33の周りに、配置される。この配置は、小型且つ便利であり、前記支持部材の簡単な組み立てを可能にする。しかしながら、他の配置が、可能である。前記キャッチ部をロック位置へと付勢する他の手段も、可能である。例えば、前記伝達バー31に近接して位置されており、前記キャッチ部34、35の両方に接続されている1つのばねが、前記2つのキャッチ部34、35を互いの方向に引っ張って、前記2つのキャッチ部34、35をロック位置へと付勢するために、使用され得る。
【0049】
前記ロック機構30のロック解除は、以下のようにして為される。前記押圧ブロック50を、回動軸を中心として回動させることによって、前記伝達バー31は、下方に移動される。この結果、前記カム36の回動点51もまた、下方に移動し得る。前記カムとハウジングとは、前記下方への移動が、前記回動点51を中心とした前記カム36の回動を生じさせるように、配置されている。前記カム36は、これら移動の組み合わせによって、前記2つのキャッチ部が、ロック位置から解放位置へと同時に回動されるように、配置されている。前記カム36の移動は、前記カム36の上面及び下面の移動となり、この結果、前記両キャッチ部34、35の、前記ハウジング32の外側への回動を生じさせる。結果的に、前記キャビティの停止面が、前記スライディングバー33から所定の距離だけ離間して位置され、前記スライディングバー33の前記ハウジング32中での移動を可能にする。かくして、はしごの前記脚部は、軸方向に伸長もしくは縮小され得る。
【0050】
前記ロック機構のロック位置では、前記カム36は、前記回動点51を中心として自由に回動し得ることが、判る。前記カムの外面は、前記キャッチ部34、35に直接に当接しないことが、可能である。この場合、前記伝達バー31の移動は、前記カムの外面を前記キャッチ部に当接させ、前記キャッチ部の解放位置への移動を可能にすることが、必要であり得る。かくして、前記ロック機構は、前記伝達バーの実際の移動によって、解放位置にされ得る。このことは、使用者が、前記ロック機構を意図して開き、前記ロック機構が不意に開くのを防ぐことを、確実にする。
【0051】
ロック解除された位置では、前記キャビティ40の長軸が、前記スライディングバー33に対して平行に延びている。このことは、前記スライディングバー33が通って摺動される領域が、最大であること、即ち、前記スライディングバー33のための最大の開口部があることを、確実にする。これによって、不意にロックされることが、防がれる。
【0052】
ロック解除された位置では、前記スライディングバー33の周りのばね44は、前記伸長可能な脚部分41を、伸ばされた位置へと付勢する。好ましくは、前記ばねの力は、支持される目的物の重力とバランスを保つように設定されている。かくして、前記ロック機構30を解放することは、前記伸長可能な脚部を、前記ハウジング32中で実際は摺動させないで、伸長可能にするだけであり得る。従って、前記ロック機構を解放することが、重力による、前記伸長可能な脚部の実際の縮小を生じさせない。複数の脚部が使用されると、各ばねの力は、これらばねの組み合わされた力が、支持される目的物の重力のバランスを保つように、選択される。前記複数のばねは、前記支持される目的物の重力分布に応じて、異なるばね力を各々有し得る。この実施形態に係る複数の支持部材が設けられている目的物、例えば、はしごは、所望の形態で、比較的簡単に配置され得る。前記目的物は、前記付勢されたばねによって多かれ少なかれ自動的に支持されるので、前記目的物の方向付けを変えるために必要な力は、比較的小さい。
【0053】
前記押圧ブロック50の回動力が除かれると、前記キャッチ部34、35に近接している前記ばね38、39の作用と、前記伝達ロッド31に近接しているばね43の作用とが、前記伝達ロッド31を上方に移動させて、前記ロック機構30をロックする。
【0054】
はしごのような、複数の伸長可能な脚部を有している目的物は、中央の操作機構によって操作され得ることが、望ましい。図6、及び図7は、この目的のために適した操作機構60の例を示している。この操作機構60は、互いに一定の距離で離間して配置されている2つの回動ロッド68を有している。これら回動ロッド68は、図6に示されているように、一平面内で、主に平行に、位置付けられ得る。前記回動ロッド68は、接続ロッド64、65によって、互いに接続されている。これら接続ロッド64、65は、隆起部66、67によって、各回動ロッド68に接続されている。これら回動ロッド68の各外端部のところに、押圧ブロック62が、位置されている。前記押圧ブロック62は、前記回動ロッド68にしっかりと接続されている。各押圧ブロック62の下面には、伝達バー63が、設けられている。図示されている実施形態では、この伝達バー63が、前記押圧ブロック62の下面に、係合しており、これら前記伝達バー63と前記押圧ブロック62との間には、固定の接続が無い。前記伝達バー63は、前述されているように、前記ロック機構に接続され得る。1つの回動ロッド68の一端部には、ハンドル61が、設けられている。このハンドル61は、複数の伸長可能な脚部分のロック機構を同時に操作するために、使用され得る。図6に示されている操作機構が、支持部材に使用されるロック機構の種類に関係なく、いかなる支持部材とも組み合わされて使用され得ることが、判る。
【0055】
矢印A1の方向に前記ハンドル61を回動させることによって、一方の回動ロッド68が、回動される。しっかりと接続するロッド64、65によって形成されている前記2つの回動ロッド68間のしっかりとした接続部が、矢印A2の方向に移動し得る。この結果、他方のロッド68の同様の回動が、生じる。かくして、前記ロッド68の両方は、同じ角度だけ回動し得る。また、すべての押圧ブロック62が、同様に回動して、各伝達バー63を下方に押圧する。前述されたように、前記伝達バー63の下方への移動は、ロック機構をアイドル状態にすることが可能であり得る。これによって、伸長可能な脚部が、所望の形態で、位置付けられ得る。
【0056】
前記脚部の伸長部が、いかなる方法によっても、前記伝達バー63に結合されていないことが、指摘される。図2から判るように、前記伝達バー63は、伸長可能な各脚部のロック機構をロック及びロック解除するためにのみ、使用され得る。従って、すべての前記脚部材は、互いに独立して伸長され得ることが、判る。言い換えると、前記脚部材の各々の長さが、任意に選択され得る。一方の脚部の長さは、他方の脚部の長さへの制限を与えない。かくして、使用者は、目的物の伸長可能な脚部の各々を、いかなる方法でも、所望のように適合させ得る。これら自由度によって、使用者は、(前記伸長可能な脚部の制約の範囲内で、)所望の高さのところに、前記目的物を位置付けることが可能であり、また、前記目的物が上に立っているベースに対して、所定の角度で、前記目的物を位置付けることが可能である。更なる効果は、各伸長可能な脚部のロック機構が、中央の操作機構によって操作され得、使用者に、目的物を簡単に設置することを可能にさせることである。前記目的物は、テーブル、もしくははしご、もしくは伸長可能な脚部の使用の恩恵を受けるいかなる他の目的物、例えば三脚であり得る。
【0057】
前記支持部材は、比較的迅速且つ簡単な方法で、組み立てられ得る。組み立ては、図4及び図5を参照して、説明され得る。第1に、前記第2の脚部材20が、用意され得る。前記スライディングバー33は、前記スライディングバーの下端部を、前記ハウジング32の上側の開口部を通って摺動させることによって、前記ハウジング32中に配置され得る。この行程の間に、前記2つのキャッチ部34、35と、前記2つのばね38、39とが、取り付けられ得る。前記スライディングバーが所定位置に配置されると、前記ばね44が、前記スライディングバーに取着され得る。次に、前記第2の脚部材20の下側の部分41が、取着され得る。そして、前記伝達バー31は、伝達バー31を前記ハウジング32の意図された上側の開口部中に摺動させることによって、前記ハウジング中に取り付けられ得る。前記バー31とばね43とが所定位置に配置されると、前記カム36は、回動点51に接続及び取着され得る。更に、前記案内ブロック46が、取り付けられ得る。この分野の当業者には、前記スライディングバー33と前記伝達バー31との位置付けが、異なる順番で為され得ることが、明らかである。前記ロック機構30と、前記第2の脚部材20と、前記案内ブロック46を有する前記伝達バー31との組み合わせが、中空の前記第1の脚部材22中に、摺動され得る。この中空の第1の脚部材は、押し出し成形された成形物であり得る。前記ハウジング32と他の部分とは、当業者に知られている方法で並べられ得、そして、リベットのような取着部材によって、前記第2の脚部材に取着され得る。
【0058】
図8aは、ロック機構101を有する脚部、もしくは支持部材100の更なる実施形態を示している。ハウジング102が、第1の脚部材103中に設けられている。伝達部材104が、ロッドによって形成されている。伝達部材104が、前記ロック機構から所定の距離で離間して、中央の操作機構に接続され得る。前記ロッドが硬性であることによって、操作機構での動きが、前記ロック機構101に伝達され得る。前記伝達部材104は、矢印105に従って、脚部100中を軸方向に移動可能である。この移動は、前記伝達部材104を受ける適切なボアを有するハウジング102によって、案内され得る。
【0059】
付勢部材109が、前記伝達部材104に対して、矢印110の方向に、付勢力を与える。
【0060】
前記伝達部材104は、第1のピン106を有している。更に、カム108に接続されているヒンジ107が、設けられている。カム108は、ハウジングの一部分112に配置される。
【0061】
図8aに示されている位置から、伝達部材104は、図8bに示されている位置へと、矢印110の方向に移動し得る。図8aは、前記ロック機構101のロック位置を示しており、図8bは、ロックされていない位置を示している。
【0062】
前記伝達部材104が移動されると、カム108は、ヒンジ107を中心として、矢印113に従って回動し得る。カム108の先端部114が、キャッチ部120に係合する。同時に、ピン106は、キャッチ部121に係合し得る。キャッチ部120、121は、図3bと同様の形態であり得る。
【0063】
前記キャッチ部120、121の端部123、124が、前記ハウジング102のキャビティ中に受けられており、これら端部123、124が、前記キャッチ部の矢印125、126に従った回動を可能にする。
【0064】
前記キャッチ部120、121は、第2の脚部材130を受けるキャビティを有している。付勢部材131、例えばばねが、前記ハウジング102と前記第2の脚部材130とに係合しており、前記脚部もしくは支持部材100に、軸方向に付勢力を与える。第2の脚部材130は、入れ子式に前記第1の脚部材103中に受けられ、軸方向105に摺動可能である。
【0065】
図8aの位置では、前記キャッチ部120、121中のキャビティは、回動されており、前記キャビティの周縁が、前記第2の脚部材130の外面に係合し得る。十分に回動されると、係合する力が、前記第2の脚部材130を、ロック位置にロックし、前記脚部即ち支持部材100が、一定の長さを有し得る。
【0066】
更なる付勢部材140、即ちこの例のばねが、この例の前記第2の脚部材130を囲んでいる。付勢部材140は、両キャッチ部120、121に係合し、前記キャッチ部を互いに離すように、力を軸方向に与える。
【0067】
図8bに係るロック解除の位置に移動されると、前記第2の脚部材130は、前記第1の脚部材103もしくはハウジング102に対して自由に移動し得、前記脚部100の長さが、軸方向に適合され得る。前記付勢部材131は、伸長方向に付勢する。
【0068】
伸長方向への付勢力は、例えば前記支持部材100の質量に近くされ得る。一実施形態では、この付勢力は、前記脚部100の均衡位置/長さに近い質量とほぼ同じであり得る。これは、前記脚部100が接続されている装置が地面に配置された時に、「浮いている感じ(floating sensation)」を与える。
【0069】
前記第2の脚部材130は、軸方向の伸長の長さを制限するように、ハウジング101に係合し得るストッパ133を有している。
【0070】
前記ロック機構は、図8bに係るロック解除位置から、前記伝達部材を、前記キャッチ部が前記付勢部材140によって付勢されて矢印125、126に従って互いから離間するように傾斜するように、軸方向に回動させることによって、ロック位置になることが可能である。
【0071】
ロック解除の結果として、前記脚部材130は、矢印136によって示されている距離だけ、上方に移動された。前記脚部材130の、前記脚部材に直接に接続されている部分135が、前記第1の脚部材103のフレーム中で、摺動によって、同じ距離136だけ案内された。
【0072】
距離136だけ上方に移動させることによって、前記コイルばね131からの付勢力が、克服され、仕事負荷(a work load)Wを生じさせた。この仕事は、前記支持部100を支持するはしご/テーブルの質量/重量によって、与えられ得る。前記はしご/テーブルの重量は、前記支持部100、特にばね131によって支持され、前記第1の脚部材101を押圧する使用者に、浮いている感じを与える。
【0073】
一実施形態では、更なるピンが、前記伝達部材に、キャッチ部121の他方のところで、配置され得る。
【0074】
他の実施形態では、更なる付勢部材が、前記キャッチ部120、121間で、伝達部材104の周りに配置され得、前記キャッチ部120、121を、図8aに係る回動された位置で、付勢する。
【0075】
示されている実施形態の変形例が、本発明の主要な概念から逸脱しないで、考えられ得る。本発明は、好ましい実施形態によって説明されることが、明らかである。本発明は、これら実施形態を、制限することを意図しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的物のための支持部材であって、この支持部材(2)は、第1の脚部材(22)と第2の脚部材(20)とを具備し、
前記第1の脚部材(22)は、前記支持部材(2)を軸方向に伸長するように、前記第2の脚部材(20)に対して軸方向に移動可能であり、
前記第1の脚部材(22)は、前記第2の脚部材を摺動可能に受けるように配置されているハウジング(32)を有しており、
このハウジング(32)は、前記第1の脚部材(22)の相対的な軸方向の移動をロックするためのロック位置と、前記2つの脚部材(20、22)の相対的な軸方向の移動を可能にするための解放位置とを有するロック部材(30)を有しており、このロック部材(30)は、ロック部材(30)の前記ロック位置と前記解放位置とを交互に得るように、前記ハウジング(32)中で回動可能であるキャッチ部(34)を有しており、
このキャッチ部(34)は、前記第2の脚部材(20)を受けるキャビティ(40)を有しており、
また、このキャッチ部(34)は、前記キャビティ(40)の周縁を囲んでいる停止面(47)を有しており、
この停止面(47)は、前記ロック部材(30)のロック位置で、前記第2の脚部材(20)の少なくとも2つの対向した周縁部分に係合するように、配置されており、
この支持部材は、この支持部材(2)を軸方向に伸ばされた位置へと付勢する付勢手段(44)を更に具備している、支持部材。
【請求項2】
前記キャビティ(40)の長軸が、解放位置の前記第2の脚部材(20)に対して平行に延びている、請求項1に記載の支持部材。
【請求項3】
更なる付勢部材(38、39)が、前記ロック部材(30)を、前記ロック位置へと付勢している、請求項1又は2に記載の支持部材。
【請求項4】
前記キャッチ部(34)は、前記ロック位置へと付勢される、請求項3に記載の支持部材。
【請求項5】
前記ロック部材(30)は、ロック部材(30)の前記ロック位置と前記解放位置とを交互に得るように、前記ハウジング(32)中で回動可能な更なるキャッチ部(35)を有しており、
この更なるキャッチ部(35)は、前記第2の脚部材(20)を受けるキャビティ(40)を有しており、
前記キャッチ部(35)は、これのキャビティ(40)の周縁を囲んでいる停止面(47)有しており、
この停止面(47)は、前記ロック部材(30)のロック位置で、前記第2の脚部材(20)の少なくとも2つの対向した周縁部分に係合するように、配置されており、
前記両キャッチ部(34、35)の停止面(47)は、前記第2の脚部材(20)の異なる縦方向の一部分を囲んでいる、請求項1乃至4のいずれか1に記載の支持部材。
【請求項6】
前記キャッチ部(34)と前記更なるキャッチ部(35)とは、ロック位置へと互いに異なる方向に回動するように配置され得る、請求項5に記載の支持部材。
【請求項7】
付勢部材が、前記キャッチ部(34)と前記更なるキャッチ部(35)との間で、これらキャッチ部(34、35)を離間させるように付勢するように、配置されている、請求項6に記載の支持部材。
【請求項8】
前記付勢部材は、前記脚部材(20、22)の周りに配置されている、請求項7に記載の支持部材。
【請求項9】
前記ロック部材(30)は、前記ハウジング(32)中に設けられているカム(36)を有しており、
前記カム(36)の対向する側面(141、142)が、前記2つのキャッチ部(34、35)に係合し、
前記カム(36)は、ロック位置から解放位置へと、前記2つのキャッチ部(34、35)を同時に回動させるように配置されている、請求項5乃至8のいずれか1に記載の支持部材。
【請求項10】
前記ロック部材(30)に接続されている伝達部材(31)を具備しており、この伝達部材(31)は、前記ロック部材(30)を操作するように前記脚部材(22)に設けられている操作部材(3)に接続されている、請求項1乃至9のいずれか1に記載の支持部材。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記キャッチ部(34)をロック位置から解放位置へと操作するように前記キャッチ部(34)に係合しているカム(36)を、更に有している、請求項1乃至10のいずれか1に記載の支持部材。
【請求項12】
前記伝達部材(31)は、前記カム(36)に接続されている、請求項10又は11に記載の支持部材。
【請求項13】
前記少なくとも1つの脚部(5)を備えたフレームを具備する装置であって、前記少なくとも1つの脚部(5)は、請求項1乃至12のいずれか1に記載の支持部材(2)を有している、装置。
【請求項14】
この装置(1)は、装置を水平面に対して位置付けるように、互いに対して、個々に、選択的に、軸方向に、伸長するように、軸方向に伸長可能な前記支持部材(2)を各々有している少なくとも3つの脚部(5)を具備しており、各支持部材(2)は、支持部材(2)のロック部材(30)に接続されている伝達部材(31)を有しており、各伝達部材(31)は、各ロック部材(30)を同時に活性化及び不活性化するように中央の操作機構(21)に接続されている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記操作機構(21、68)は、前記フレームに回動可能に取着されているロッド(18、68)に接続されている操作ハンドル(3、61)を有しており、前記ロッド(18、68)は、互いに一定の距離で離間している少なくとも2つの押圧ブロック(62)を有しており、
各押圧ブロック(62)は、前記伝達部材(63)の1つに係合するように配置されており、
前記操作機構(21、60)は、前記操作ハンドル(3、61)を回動させることによる前記ロッド(18)の回動が、前記押圧ブロック(62)の押圧による前記伝達部材(63)の並進運動を生じさせるように、配置されており、
前記伝達部材(63)は、伝達部材(63)の並進運動が前記ロック部材(30)のキャッチ部(34)の回動を生じさせるように、配置されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも2つの脚部が、互いに対して回動可能に接続されており、
前記中央の操作機構(21)は、前記ロック部材(30)を活性化及び不活性化するように、互いに回動可能に接続されている前記少なくとも2つの脚部に配置されている、請求項14又は15に記載の装置。
【請求項17】
この装置(1)は、支持台(7)を具備し、この支持台(7)から、前記少なくとも3つの脚部が、下方に延びている、請求項13乃至16のいずれか1に記載の装置。
【請求項18】
この装置は、はしご(1)である、請求項12乃至17のいずれか1に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【公表番号】特表2012−517546(P2012−517546A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550078(P2011−550078)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050064
【国際公開番号】WO2010/093241
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(511196607)スマート・レベル・カンパニー・ビー.ブイ. (2)
【氏名又は名称原語表記】Smart Level Company B.V.
【住所又は居所原語表記】De Voorde 12, 5807 EZ Oostrum, The Netherlands
【Fターム(参考)】