説明

研削加工状態の良否判定方法

【課題】研削加工が良好に施されたか否かを、容易に判定することのできる方法を提供する。
【解決手段】メインブラシ41と、メインブラシ41よりも先端部を後退させたチェックブラシ42とを有し、先端部に段差51を形成し、その段差量を、所定回数の研削加工を良好に施した場合のメインブラシ41の推定摩耗量以下とした研削ブラシ20を用いて研削加工を施した後、研削ブラシ20の先端部の段差51の有無を確認することにより、被加工物の研削不足の有無を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリ取り加工や表面研磨等の研削加工を施すにあたり、被加工物の研削加工状態の良否を判定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被加工物にバリ取り加工や表面研磨等の研削加工を施す方法として、研削ブラシを用いた方法が公知である(例えば、特許文献1参照)。例えば図4に示す研削装置(バリ取り装置)100は、回転軸110を有するスピンドル111と、回転軸110に接続された研削ブラシ120とを有する。研削ブラシ120は、円盤状のブラシボディ130と、ブラシボディ130から下方に延びたブラシ素線群140とを有する。この研削装置100のスピンドル111を回転駆動して研削ブラシ120を回転させた状態で、研削ブラシ120を、ブラシ素線群140を被加工物Wの角部に生じたバリBに接触させながら、被加工物W上を通過させることにより、バリBが除去される。
【0003】
この場合、図5(a)に示すように、ブラシ素線群140と被加工物Wとの当接量Tが小さすぎると(最悪の場合、研削ブラシ120が空振りすると)、研削が十分に(あるいは全く)施されず、被加工物WにバリBが残る恐れがある(図5(b)参照)。一方、図6(a)に示すように当接量Tが大きすぎると、被加工物WのバリB以外の部分が過剰に研削されて、被加工物Wの寸法精度が低下する恐れがある(図6(b)参照)。図7(a)に示すように、当接量Tを適正範囲内に設定すれば、被加工物Wの寸法精度を低下させることなく、バリBを完全に除去することができる(図7(b)参照)。
【0004】
しかし、研削加工の開始当初は当接量Tが適正範囲内に設定されていても、研削加工を繰り返すことによりブラシ素線群140が摩耗して短くなるため(図8(a)参照)、ブラシ素線群140と被加工物Wとの当接量Tが過小となり、加工不足を生じる恐れがある。このため、所定回数の研削加工ごとに摩耗した分だけ研削ブラシ120を下方へ送り、ブラシ素線群140と被加工物Wとの当接量Tを補う必要がある(図8(b)参照)。
【0005】
このとき、研削ブラシの送り量が適正でないと、ブラシ素線群140と被加工物Wとの当接量Tが適正範囲外となり、研削不足(図5(b)参照)や過研削(図6(b)参照)等の研削不良を生じる恐れがある。このため、被加工物の加工状態を適宜確認し、研削加工状態が不良であれば研削ブラシの送り量を補正する必要がある。
【0006】
被加工物の研削状態を確認する方法として、例えば、特許文献2では、被加工物(工作物W)及び研削工具(砥石車60)のそれぞれの半径寸法から研削残量を算出し、この研削残量が適正範囲内であるか否かによって研削状態の良否を判別している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−142837号公報
【特許文献2】特開平5−274025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献2のような方法で被加工物の研削状態の良否を確認する場合、被加工物及び研削工具の研削による微小な寸法変化を測定可能な装置が必要となり、研削装置の大型化及びコスト高を招く。
【0009】
また、上記特許文献2の方法で「研削不良」と判別された場合でも、その不良が研削加工に起因するものかどうかを判別することはできない。例えば、研削工程より前の加工工程で加工不良が発生し、被加工物が所定の寸法精度で加工されなかった場合でも、「研削不良」と判別されてしまい、研削ブラシの送り量を適切に補正することができない恐れがある。
【0010】
本発明の解決すべき課題は、被加工物に研削不良が生じているか否かを容易に判定することができ、かつ、その判定結果が研削加工に起因するものである研削加工状態の良否判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明は、メインブラシと、メインブラシよりも先端部を後退させたチェックブラシとを有し、メインブラシの先端部とチェックブラシの先端部との間に段差を形成し、その段差量を、所定回数の研削加工を良好に施した場合のメインブラシの推定摩耗量以下とした研削ブラシを用いて、被加工物の研削状態の良否を判定するための方法であって、前記研削ブラシで被加工物に所定回数の研削加工を施した後、研削ブラシの先端部の前記段差の有無を確認することにより、研削不足の有無を判定する研削加工状態の良否判定方法を提供する。
【0012】
例えば、研削加工を行う際に研削ブラシと被加工物とが接触せず、研削ブラシが空振りする状態であれば、研削加工終了後もメインブラシは摩耗せず、研削ブラシの先端部に段差が残る。一方、研削ブラシが被加工物に十分に接触し、正常な研削が繰り返されると、メインブラシが摩耗してチェックブラシの先端部との差が小さくなり、ついには研削ブラシの先端部の段差が無くなる。さらに摩耗が進むと、メインブラシと共にチェックブラシも摩耗し、所定回数の研削加工終了後は研削ブラシの先端部の段差が無くなった状態となっている。すなわち、研削ブラシの先端部の段差が残っていれば研削不足が生じているとみなすことができ、段差が無くなっていれば研削不足は生じていないとみなすことができる。研削ブラシの先端部の段差の有無は目視等により容易に確認することができるため、例えば別途の測定装置で摩耗量を測定する場合と比べてはるかに簡単に良否判定を行うことができる。また、研削ブラシの状態(段差の有無)で加工状態の良否を判定するため、たとえ研削加工以外の工程で加工不良が生じても判定結果に影響せず、判定結果は必ず研削ブラシによる研削加工に起因するものとみなすことができる。
【0013】
前記研削ブラシに、被加工物にマーキング可能なマーキング手段をさらに設け、該マーキング手段を、メインブラシの先端部から、メインブラシと被加工物との当接量の適正範囲の上限値の分だけ後退した位置に配すれば、前記研削ブラシで被加工物に研削加工を施した後、被加工物にマーキング手段によるマークが付いているか否かを確認することにより、過研削の有無を判定することができる。すなわち、研削ブラシと被加工物との当接量が適正範囲内である場合は、研削ブラシのうち、メインブラシのみ(あるいはメインブラシ及びチェックブラシ)が被加工物に接触し、マーキング手段は被加工物に接触せず、被加工物にマーキング手段によるマークは付けられない。一方、研削ブラシと被加工物との当接量が適正範囲の上限値より大きい場合は、マーキング手段が被加工物に接触し、研削加工後の被加工物にマークが付けられる。従って、研削加工後の被加工物のマークの有無を確認することにより、被加工物が過研削されたか否かを簡単に確認することができる。また、マークは研削ブラシのマーキング手段によって付けられるものであるため、研削加工以外の工程での加工不良は判定結果に影響せず、判定結果は必ず研削ブラシによる研削加工に起因するものとみなすことができる。
【0014】
また、上記のように、チェックブラシによる研削不足の有無の判定と、マーキング手段による過研削の有無の判定とを組み合わせ、研削不足及び過研削の何れも発生していないとの判定結果が得られれば、その結果から研削ブラシと被加工物との当接量が適正範囲内であることが確認され、研削ブラシの送り量が適正であることが確認できる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、被加工物に研削不良が生じているか否かを容易に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は研削ブラシの断面図、(b)は同下面図である。
【図2】(a)は第2ブラシ束の断面図、(b)は良好な研削加工を所定回数施した後の第2ブラシ束の断面図である。
【図3】第3ブラシ束の断面図である。
【図4】研削装置の側面図である。
【図5】(a)は研削ブラシと被加工物との当接量が過小である場合の断面図であり、(b)はその状態で研削を施した被加工物の断面図である。
【図6】(a)は研削ブラシと被加工物との当接量が過大である場合の断面図であり、(b)はその状態で研削を施した被加工物の断面図である。
【図7】(a)は研削ブラシと被加工物との当接量が適正である場合の断面図であり、(b)はその状態で研削を施した被加工物の断面図である。
【図8】(a)は研削ブラシが摩耗により短くなった場合の断面図であり、(b)は研削ブラシを下方に送って摩耗量を補う様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1に示す研削装置は、図示しない回転駆動手段(例えばスピンドル)の回転軸10と、回転軸10の先端に取り付けられた研削ブラシ20とを有する。研削ブラシ20は図示しない移動手段により、被加工物に対して任意の位置に配置可能とされる。この研削装置による研削加工(例えばバリ取り加工)は、回転駆動装置で回転軸10を介して研削ブラシ20を回転させ、この状態で移動手段により研削ブラシ20を被加工物に接触させることにより行われる。尚、以下では、説明の便宜上、回転軸10が延びる方向を上下方向と言い、回転軸10に研削ブラシ20が取り付けられている側を下方、その反対側を上方と言う。
【0019】
研削ブラシ20は、ブラシボディ30と、ブラシボディ30から下方に延びた多数のブラシ素線群40とを備える。本実施形態では、ブラシボディ30が円盤形状を成し、その軸心に回転軸10が取り付けられる。
【0020】
ブラシ素線群40は、ブラシ素線の上端部を所定量ずつまとめた複数のブラシ束で構成され、図示例では、8個のブラシ束40a〜40cがブラシボディ30の下側端面の円周方向等間隔位置に固定される。具体的には、ブラシ素線群40が、メインブラシ41のみからなる第1ブラシ束40aと、メインブラシ41及びチェックブラシ42からなる第2ブラシ束40bと、メインブラシ41及びマーキングブラシ43からなる第3ブラシ束40cとで構成される。本実施形態では、6個の第1ブラシ束40aと、1個の第2ブラシ束40bと、1個の第3ブラシ束40cとが設けられ、第2ブラシ束40bと第3ブラシ束40cとがブラシボディ30の直径方向で対向した位置に配される。尚、図1(a)の断面図では、図の煩雑化を避けるため、チェックブラシ42やマーキングブラシ43の奥側に見えるはずのメインブラシ41を省略している(図2(a)及び図3においても同様)。
【0021】
メインブラシ41は、例えばスチール等の金属材料で形成されたブラシ素線群からなり、先端部(下端部)が同一平面上に配されるように長さを揃えて形成される。このメインブラシ41により、被加工物の研削が行われる。
【0022】
チェックブラシ42は、メインブラシ41と同種の材料からなり、メインブラシ41と同じ太さのブラシ素線群からなり、第2ブラシ束40bの中央部に配され、その外周を囲むようにメインブラシ41が配されている。チェックブラシ42は、先端部がメインブラシ41の先端部よりも基端側(上方)に後退しており、これにより第2ブラシ束40bの先端部には段差51が形成される。段差51の段差量L、すなわち、メインブラシ41の先端部に対するチェックブラシ42の先端部の後退量は、研削装置で正常な研削を所定回数行ったと仮定した場合におけるメインブラシ41の推定摩耗量L0よりも小さく設定され(図2参照)、例えば、段差51を目視可能な範囲で可及的に小さく設定される。
【0023】
マーキング手段は、被加工物にマーキング可能な構成を成し、本実施形態では、被加工物よりも硬い材料で形成されたブラシ素線群からなるマーキングブラシ43(図1に太線で示す)で構成される。例えば、被加工物がナイロン等の樹脂製であれば、スチール等の金属製のブラシ素線でマーキングブラシ43を形成すればよい。あるいは、メインブラシ41と同種の材料からなり、メインブラシ41のブラシ素線よりも太いブラシ素線でマーキングブラシ43を形成してもよい。このマーキングブラシ43が被加工物に接触すると、被加工物が傷つけられ、この接触傷がマークとなる。マーキングブラシ43は、第3ブラシ束40cのメインブラシ41の中央部に配され、その外周を囲むようにメインブラシ41が配されている。マーキングブラシ43の先端部はメインブラシ41及びチェックブラシ42の先端部よりも基端側に後退しており、これにより第3ブラシ束40cの先端部には穴52が形成される。穴52の深さD(図3参照)、すなわち、メインブラシ41の先端部に対するマーキングブラシ43の先端部の後退量は、メインブラシ41と被加工物との当接量の適正範囲の上限値と等しくなるように設定される。
【0024】
次に、上記構成の研削装置による研削方法、及び被加工物の研削加工状態の良否判定方法を説明する。図示例では、上記構成の研削装置で、前工程(例えばフライス加工工程)で被加工物に生じたバリを除去する工程を示す。
【0025】
この研削加工(バリ取り加工)では、回転駆動装置により研削ブラシ20を回転駆動し、この状態で移動手段により研削ブラシを被加工物に接近させ、メインブラシ41の先端部を被加工物(図示省略)のバリが発生している箇所に接触させることにより、バリが除去される(図4参照)。バリの除去が完了したら、移動手段により研削ブラシ20を次の被加工物(あるいは同じ被加工物の別のバリ発生箇所)に移動させ、上記と同様にバリ取り加工を行う。
【0026】
所定回数の研削加工が行われたら、メインブラシ41が摩耗した分だけ研削ブラシ20を被加工物側(下方)に送り、これによりメインブラシ41と被加工物との当接量を適正範囲内に維持する。また、被加工物の研削加工状態の良否を適宜確認し、その結果研削不良があった場合には研削ブラシ20の送り量が補正される。このとき、研削加工状態の良否、すなわち研削不足や過研削の有無は、以下の方法で判定される。
【0027】
(1)研削不足の有無の判定方法
研削装置による研削加工が所定回数行われたら、研削ブラシ20の第2ブラシ束40bの先端部に段差51が残っているか否かを確認する。もし、研削ブラシ20が空振りしている場合や、研削ブラシ20と被加工物との当接量が小さすぎる場合には、第2ブラシ束40bのメインブラシ41が全く(あるいはほとんど)摩耗せず、研削ブラシ20の先端部に段差51が残る(図2(a)参照)。一方、研削ブラシ20と被加工物との当接量が十分である場合は、メインブラシ41が推定摩耗量L0の分だけ摩耗し、これに合わせてチェックブラシ42も摩耗し、段差51が無くなる(図2(b)参照)。従って、段差51が残っていれば研削不足が生じていると判定でき、段差51が無くなってメインブラシ41とチェックブラシ42の先端部が揃っていれば、研削不足は生じていないと判定することができる。段差51の有無は簡単に確認することができるため、大掛かりな装置等を用いることなく研削不足の有無を容易に判定することができる。
【0028】
(2)過研削の有無の判定方法
過研削の有無の判定は、被加工物にマーキングブラシ43によるマークが付いているか否かを確認することによって行われる。もし、研削ブラシ20と被加工物との当接量(図3にT’で示す)が過大であり、適正範囲の上限値を超えていたら(すなわち過研削が施されていたら)、マーキングブラシ43が被加工物に接触し、被加工物にマークが付けられる。一方、研削ブラシ20と被加工物との当接量Tが適正範囲内である場合(図3の実線参照)には、マーキングブラシ43と被加工物とが接触することはなく、被加工物にマーキングブラシ43によるマークが付くことはない。従って、被加工物にマークがついていれば過研削が生じていると判定でき、マークが付いていなければ過研削は生じていないと判定することができる。マークの有無は簡単に確認することができるため、研削加工後の被加工物の寸法精度を精密に測定することなく、過研削の有無を容易に判定することができる。
【0029】
上記のように、チェックブラシ42及びマーキングブラシ43の双方を有する研削ブラシ20で研削を行うことで、研削ブラシ20と被加工物との当接量が適正範囲内であるか否か、すなわち研削ブラシ20の送り量が適切であるか否かを判定することができる。すなわち、第2ブラシ束40bの先端部の段差51が無くなっており、且つ、被加工物にマーキングブラシ43によるマークが付いていなければ、研削不足及び過研削の何れも生じておらず、研削ブラシと被加工物との当接量が適正範囲内であることを確認することができる。
【0030】
また、上記の判定方法では、研削不足及び過研削の判定を、何れも研削ブラシに起因する要因に基づいて行っている。すなわち、研削不足の判定は、研削ブラシ20の第2ブラシ束40bの先端部における段差51の有無に基づいて行われ、過研削の判定は、研削ブラシ20のマーキングブラシ43によるマークの有無に基づいて行われる。従って、研削加工工程よりも前の工程で被加工物に何らかの加工不良が生じていたとしても、その加工不良が上記方法による研削状態の判定結果に影響を及ぼすことはない。従って、前工程における加工不良に起因して研削不良と判定される事態を回避することができるため、上記の方法で研削不足あるいは過研削と判定されれば、それは必ず研削加工に起因するものであるとみなすことができる。
【0031】
上記方法による判定結果に基づいて、研削ブラシ20の被加工物への送り量が補正される。具体的には、研削不足が発生しているとの判定結果が得られれば、研削ブラシ20と被加工物との当接量が大きくなるように送り量を補正し、過研削が発生しているとの判定結果が得られれば、研削ブラシ20と被加工物との当接量が小さくなるように送り量を補正する。これにより、その後の研削加工を良好な状態で行うことができる。
【0032】
本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記の実施形態では、マーキング手段としてマーキングブラシが設けられているが、これに限らず、例えばチョーク等の着色部材を設けても良い。この場合、過研削が生じていれば、着色部材が被加工物に接触し、被加工物の表面にマーク(色)が付く。このように着色部材でマーキング手段を構成すれば、被加工物の硬さによらず被加工物にマーキングできる。
【0033】
また、上記の実施形態では、ブラシボディが円盤形状である場合を示しているが、これに限らず、例えばブラシボディを円筒形状とし、その外周面に外径向きに延びた多数のブラシ素線を設けても良い。
【符号の説明】
【0034】
10 回転軸
20 研削ブラシ
30 ブラシボディ
40 ブラシ素線群
40a 第1ブラシ束
40b 第2ブラシ束
40c 第3ブラシ束
41 メインブラシ
42 チェックブラシ
43 マーキングブラシ
51 段差
52 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインブラシと、メインブラシよりも先端部を後退させたチェックブラシとを有し、メインブラシの先端部とチェックブラシの先端部との間に段差を形成し、その段差量を、所定回数の研削加工を良好に施した場合のメインブラシの推定摩耗量以下とした研削ブラシを用いて、被加工物の研削状態の良否を判定するための方法であって、
前記研削ブラシで被加工物に所定回数の研削加工を施した後、研削ブラシの先端部の前記段差の有無を確認することにより、研削不足の有無を判定する研削加工状態の良否判定方法。
【請求項2】
前記研削ブラシに、被加工物にマーキング可能なマーキング手段をさらに設け、該マーキング手段を、メインブラシの先端部から、メインブラシと被加工物との当接量の適正範囲の上限値の分だけ後退した位置に配し、
前記研削ブラシで被加工物に研削加工を施した後、被加工物にマーキング手段によるマークが付いているか否かを確認することにより、過研削の有無を判定する請求項1記載の研削加工状態の良否判定方法。
【請求項3】
メインブラシと、メインブラシよりも先端部を後退させ、メインブラシの先端部との間に段差を形成し、その段差量を、所定回数の研削加工を良好に施した場合のメインブラシの推定摩耗量以下としたチェックブラシと、メインブラシの先端部から、メインブラシと被加工物との当接量の適正範囲の上限値の分だけ後退した位置に配され、被加工物にマーキング可能なマーキング手段とを有する研削ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−274372(P2010−274372A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129370(P2009−129370)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】