説明

筐体検査治具

【課題】 簡単な構造でありながら、画像形成装置の筐体の上下左右方向の変形を簡単かつ迅速に検査できる筐体検査治具を提供する。
【解決手段】 筐体2の前側板23及び後側板24の上部に取り付けられた一対の取付部材を備え、これら取付部材の左右方向における相対的な位置関係に基づいて、前側板23と後側板24との左右方向の位置ずれを検出する第1検出部11と、これらの取付部材上に載置され、これらの取付部材の上下方向における相対的な位置関係に基づいて、前側板23及び後側板24の上縁部の上下方向の捻じれを検出する第2検出部12とを備えるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置の枠組を構成する筐体に生じた捻じれ、歪み等の変形を検査する治具に関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置の枠組となる筐体として、例えば、板金をプレス加工により打ち抜いたものを前後面の側板として組み立てた筐体が提案されている。このような筐体は、筐体の前後のフレームに左右方向の位置ずれが生じたり、前後フレームの上縁部に上下方向の捻じれが生じたりすることがあるため、組み立てた後の筐体について、左右方向の位置ずれ及び上下方向の捻じれの有無を検査する必要がある。このような筐体の変形検査には、一般に、上下方向及び左右方向の両方の変形を検出可能な検査装置が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の検査装置の場合、上下左右方向の変形を測定可能にするために複雑な機構が必要であり、そのためにコストも高いものとなっている。更に、上下左右方向の変形を測定するためには複雑な処理を行わなければならないため、変形検査を迅速に行うことが困難であった。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、簡単な構造でありながら、画像形成装置の筐体の上下左右方向の変形を簡単かつ迅速に検査することができる筐体検査治具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、画像形成装置の外枠を構成する筐体の変形を検査する治具であって、前記筐体の前面部及び後面部の上部に取り付けられた一対の取付部材を備え、当該一対の取付部材の左右方向における相対的な位置関係に基づいて、前面部と後面部の左右方向の位置ずれを検出する第1検出手段と、前記一対の取付部材上に載置され、前記一対の取付部材の上下方向における相対的な位置関係に基づいて、前記前面部及び後面部の上縁部の上下方向における捻じれを検出する第2検出手段とを備えたものである。
【0006】この構成によれば、第1及び第2検出手段によって筐体の前面部と後面部の上下左右方向における位置ずれが検出されるので、画像形成装置の筐体の上下左右方向の変形を簡単かつ迅速に検査することができる。さらに、第2検出手段は、一対の取付部材の上下方向における位置関係に基づいて、筐体の前面部及び後面部の上縁部の捻じれを検出するものであり、第2検出手段は第1検出手段の機構の一部を利用して上下方向の捻じれを検出する構成であるので、当該治具の構成を簡単にすることができ、治具のコストも低減される。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の筐体検査治具であって、前記第2検出手段は、前記各々の取付部材の両端部で支持されることによって、前記取付部材上の4点の支持部で支持される構成とされ、前記4点の支持部のうちのいずれか1点の支持部と、他の3点の支持部との上下方向における相対的な位置関係に基づいて、前記前面部及び後面部の上縁部の捻じれを検出する検出部を有するものである。
【0008】この構成によれば、第2検出手段は、取付部材上の上記4点で支持されているので、筐体の前面部及び後面部の上縁部に上下方向の捻じれがある場合には、当該4点の支持部のうちのいずれか1点の支持部と、他の3点の支持部とは、上下方向における位置が相対的に相違することになる。よって、この1点の支持部と、他の3点の支持部との相対的な位置関係に基づいて、簡単に筐体の上下方向の変形を検出することができる。
【0009】また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の筐体検査治具であって、前記第1検出手段は、前記一対の取付部材のいずれか一方に取り付けられるアーム部に位置ずれ検出部が備えられ、この位置ずれ検出部が、他方側の取付部材と接触することによって、一対の取付部材の左右方向における相対的な位置関係を検出して、前記前面部及び後面部の左右方向の位置ずれを検出するものである。
【0010】この構成によれば、第1検出手段の筐体への取り付けは、筐体の前面部及び後面部に取付部材を取り付けた後に、位置ずれ検出部を備えるアーム部を取付部材に取り付けることができるので、筐体に第1検出手段を取り付ける際に、位置ずれ検出部が破損することを極力避けることができる。また、位置ずれ検出部が、他方側の取付部材との接触により、一対の取付部材の左右方向における相対的な位置関係を検出して、前記前面部及び後面部の左右方向の位置ずれを検出するので、筐体の左右方向の位置ずれを簡易な構造でもって検出することが可能である。
【0011】また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の筐体検査治具であって、前記各検出部をダイヤルゲージとしたものである。
【0012】この構成では、汎用のダイヤルゲージを用いて、筐体の前面部と後面部の左右方向における位置ずれ及び上下方向における捻じれを検出するため、当該治具を安価に製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る筐体検査治具について図面を参照して説明する。図1は本発明に係る筐体検査治具及び筐体を示す斜視図、図2は当該治具を筐体に取り付けた状態を示す斜視図である。本発明の筐体検査治具(以下、治具という)1は、コピー機,プリンタ等の画像形成装置の枠組となる筐体の上下左右方向における変形を検査するためのものである。画像形成装置の枠組を構成する筐体は、前後のフレームが左右方向における位置ずれを生じたり、前後フレームの上縁部が上下方向の捻じれを生じる事態を招くことがあり、特に、上記筐体2のように、前後のフレームを板金で構成した場合には、前側板23及び後側板24が左右方向の位置ずれを生じやすい。本発明に係る治具1は、このような場合に、簡単且つ迅速に筐体の上下左右方向の変形を検査するものである。よって、本実施形態では、主に板金からなる部材が接合されてなる筐体2を例にして説明する。
【0014】まず、筐体2について説明する。筐体2は、その土台となるベース部材22と、ベース部材22に垂直な状態で接合され、下部がベース部材22に支持されている前側板23と、前側板23に並列させた状態でベース部材22に垂直に取り付けられ、下部がベース部材22に支持されている後側板24と、前側板23及び後側板24の上部及び高さ方向略中央部に、前側板23及び後側板24の間に懸架されるようにして接合されたステイ(懸架部材)261,262,263とからなる。前側板3及び後側板4は板金からなり、その上部、下部及び側部は約90度の角度で前方向に折り曲げられて接合代231,232,233,234,241,242等が形成されている。
【0015】治具1は、前側板23と後側板24のX方向(左右方向)における位置ずれを検出する第1検出部11と、筐体2の前側板23と後側板24のZ方向(上下方向)における捻じれを検出する第2検出部12とからなる。第1検出部11は、筐体2の前側板23及び後側板24の上部に取り付けられ、第2測部12は、第1検出部11上に載置されている。
【0016】図3は第1検出部11の斜視図、図4(a)(b)は第1検出部11の構成部品を示す斜視図、図5(a)は前側板23の第1検出部11が取り付けられる部分を示す図、(b)は後側板24の第1検出部11が取り付けられる部分を示す図である。第1検出部11は、筐体2の前側板23の上端部内側に取り付けられる測定部材111と、後側板24の上端部内側に取り付けられる測定部材112と、測定部材111と測定部材112との相対的な位置関係を検出するダイヤルゲージ113を有し、測定部材111に取り付けられる測定部材114とからなる。
【0017】測定部材111の前側板23に当接する面には、前側板23に形成された穴部23aに嵌合する突出部111aと、前側板23に形成された穴部23bに嵌合する突出部111bが設けられている。また、測定部材112の後側板に対向する面にも、後側板24に形成された穴部24aに嵌合する突出部と、後側板24に形成された穴部24bに嵌合する突出部とが設けられている(図外)。これら測定部材111及び測定部材112に設けられた突出部が、前側板23及び後側板24に設けられた穴部23a,23b,24a,24bに嵌入されることによって、前側板23及び後側板24に対する測定部材111及び測定部材112の位置決め及び取り付けが行われる。これら前側板23の穴部23aと23b、後側板24の穴部24aと24bは、また、前側板23の穴部23b及び後側板24の穴部24bは長穴形状とされており、これにより、前側板23及び後側板24に捻じれ等による変形が生じている場合であっても、穴部23b及び穴部24b内で、前側板23及び後側板24の突出部が移動可能となり、前側板23及び後側板24に測定部材111及び112を取り付けることができるようになっている。
【0018】測定部材114は、測定部材112に沿わせて取り付けられる取付部114aと、この取付部114aに直交する姿勢で、測定部材111(前側板23)方向に延びるようにして取り付けられている突出部114bと、X方向における測定部材111と測定部材112との相対位置の検出が可能となる姿勢で、突出部114bの先端部に取り付けられたダイヤルゲージ113とからなり、突出部114bは補強部材114dによって取付部114aへの取り付けが強化されている。
【0019】測定部材112には、測定部材111に対向する側面に、測定部材114を載置するための載置部112aが2つ設けられており、各載置部112aには穴部112bが形成されている。一方、測定部材114の取付部114a下部には、上記穴部112bに対応する位置に突起114eが2つ設けられている。この取付部114aの突起114eが穴部112bに嵌入され、取り付け部114aが載置部112aに載置されることによって、測定部材114が測定部材112に取り付けられるようになっている。
【0020】また、測定部材111には、測定部材112に対向する側面に平板111cが設けられている。ダイヤルゲージ113は、この平板111cに当接する測定棒113aと、測定棒113aが平板111cに当接したときに生ずるわずかな動きを歯車機構で拡大して指針の回転に変換する計器113bとからなる。測定部材112の載置部112aとダイヤルゲージ113との位置関係は、穴部112bに突起114eを嵌入させたときに、ダイヤルゲージ113の測定棒113aが平板111cに接触するように設定されている。平板111cとの接触による測定棒113aの動きは、X方向における測定部材111及び測定部材112(前側板23及び後側板24)のずれ量に応じて変化するため、計器113bによって当該ずれ量が数値化されることによって、前側板23と後側板24のX方向のずれ量(測定部材111と測定部材112との相対的な位置関係)を検出できるようになっている。
【0021】さらに、測定部材111及び測定部材112上部の長さ方向端部には、第2検出部12が載置され、第2検出部12を支持するための支持部11a,11b,11c,11dが設けられている。
【0022】図6は第1測定部11を筐体2に取り付けた状態を示す斜視図である。第1検出部11の筐体2への取り付けは次のように行う。まず、前側板23上部の穴部23a及び23bに、測定部材111の突出部111a及び111bを嵌合し、前側板23の内面に沿わせるようにして測定部材111を取り付ける。次に、後側板24上部の穴部24a及び24bに、測定部材112の2つの突出部を嵌合し、後側板24の内面に沿わせるようにして測定部材112を取り付ける。そして、後側板24に取り付けられた状態の測定部材112の穴部112bに、測定部材114下部の突起114eを嵌入させ、載置部112aに測定部材114を載置する。この状態において、ダイヤルゲージ113の計器113bが示す値に基づいて、前側板23と後側板24とのX方向のずれ量を検出することができる。
【0023】図7は第2検出部12の斜視図、図8は第2検出部12を含む治具1を取り付けた筐体部分を示す正面図、(b)は同背面図である。第2検出部12は、その四辺が角型の中空材(以下、角パイプ)121を接合して組み合わせたものからなり、角パイプ121で囲まれた部分には、補強材122が取り付けられ、補強材122上には取手123が設けられている。この第2検出部12は、その4つの隅部の下部に設けられた当たり部12a,12b,12c,12dが、第1検出部11の支持部11a,11b,11c,11d上に支持されるようになっており、そのうちの1つの隅部に、ダイヤルゲージ124が設けられている。ダイヤルゲージ124も、第1検出部11のダイヤルゲージ113と同様に、測定棒及び計器を有している。この測定棒は、支持部11aと、他の3点の支持部11b,11c,11dとの相対的な位置関係を検出できるように設定されている。
【0024】上記のように第2検出部12が第1検出部11に4つの支持部11a,11b,11c,11dで支持される構成とすることによって、前側板23及び後側板24にZ方向(上下方向)にずれがある場合は、当該4点の支持部のうちのいずれか1点の支持部と、他の3点の支持部とは、上下方向における位置が相対的に相違することになる。よって、この1点の支持部11aと、他の3点の支持部11a,11b,11c,11dとの相対的な位置関係を、ダイヤルゲージ124の測定棒の動きに基づいて検出することで、Z方向(上下方向)における前側板23及び後側板24の捻じれを検出することができる。例えば、第2検出部12を第1検出部11上に載置したときに、当該測定棒が支持部11aに接触して押し込まれる量に基づいて、支持部11aが、他の3点の支持部11b,11c,11dで形成される仮想的な平面上にあるか、或いは、当該平面に対する支持部11aの上下方向におけるずれ量を検出する。支持部11aが当該平面上にないと検出されたことを持って、前側板23と後側板24の上縁部にZ方向における捻じれが生じていると判断することができる。
【0025】第2検出部12の筐体2への取り付けは、第1検出部11を筐体2に取り付けた後、第2検出部12の取手123を持って、第2検出部12の当たり部12a,12b,12c,12dが第1検出部11の各支持部11a,11b,11c,11dに載置し、第2検出部12を第1検出部11上に載置することによって行う。この状態において、ダイヤルゲージ124の計器が示す値を測定することによって、前側板23と後側板24の上縁部のZ方向における捻じれ、すなわち、ずれ量を検出することができる。
【0026】次に、本発明に係る筐体検査治具1の他の実施形態について説明する。図9(a)は他の実施形態に係る筐体検査治具の第1検出部の斜視図、(b)は同平面図、図10は当該第1検出部を筐体2に取り付けた状態を示す平面図である。本発明の他の実施形態に係る筐体検査治具(以下、治具という)は、筐体2の前側板23及び後側板24の上部に取り付けられ、前側板23と後側板24のX方向(左右方向)における位置ずれを検出する第1検出部11´と、第1検出部11´上に載置され、筐体2の前側板23と後側板24のZ方向(上下方向)における位置ずれを検出する第2検出部12とからなる。ここで、第2検出部12は、上記治具1と同様の構成であるので、図示及び説明を省略する。
【0027】当該治具に適用される第1検出部11´は、筐体2の前側板23の上端部内側に取り付けられる測定部材111´と、後側板24の上端部内側に取り付けられる測定部材112´とからなる。
【0028】測定部材111´の前側板23に当接する面には、前側板23に形成された穴部23aに嵌合する突出部111a´と、前側板23に形成された穴部23bに嵌合する突出部111b´が設けられている。また、測定部材112´の後側板に対向する面にも、後側板24に形成された穴部24aに嵌合する突出部と、後側板24に形成された穴部24bに嵌合する突出部とが設けられている(図外)。これら測定部材111´及び測定部材112´に設けられた突出部が、前側板23及び後側板24に設けられた穴部23a,23b,24a,24bに嵌合されることによって、前側板23及び後側板24に対する測定部材111及び測定部材112の位置決め及び取り付けが行われる。なお、前側板23の穴部23a,23b及び後側板24の穴部23a,24bは、上述した構成と同様である。
【0029】また、測定部材111´は、測定部材112´に対向する側面に、ダイヤルゲージ113を固定するための平板111c´が設けられており、このダイヤルゲージ113の測定棒113aに当接させるための突出部118が測定部材111´に設けられている。突出部118は、測定部材112´に直交する姿勢で、測定部材111´のダイヤルゲージ113方向に延びるように設けられている。そして、ダイヤルゲージ113は、前側板23の穴部23a,23b及び後側板24の穴部24a,24bに、測定部材111´の突出部及び測定部材112´の突出部を嵌入したときに、ダイヤルゲージ113の測定棒113aが突出部118に接触するように設定されている。これにより、ダイヤルケージ113が示す値に基づいて、前側板23及び後側板24のX方向のずれ量が検出されるようになっている。
【0030】当該治具は、測定部材111及び´測定部材112´の2部材だけで第1検出部11´が構成されているので、治具1の第1検出部11よりも簡単な構造でもって治具を構成することができる。なお、当該治具による筐体2の変形検査方法は、治具1の場合と同様である。
【0031】以上のように、本実施形態の治具によれば、第1検出部11(又は第1検出部11´)及び第2検出部12を筐体2に取り付けることによって、筐体2の前側板22と後側板23の左右方向における位置ずれ、及び上下方向における捻じれが検出されるので、筐体2の上下左右方向の変形を簡単かつ迅速に検査することができる。さらに、第2検出部12は、第1検出部11,11´の上に載置される構造とされ、第1検出部11,11´の上下方向における相対的な位置関係を利用して、筐体2の上下方向の位置ずれを検出するようになっているため、簡単な構造でもって、筐体2の上下左右方向の変形を検査することができる。
【0032】なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、前側板23及び後側板24のずれ量をダイヤルゲージ113,124によって検出するようにしているが、かかるずれ量を検出することができる装置であれば、他の装置(例えば、光センサ等)であっても構わない。また、上記実施形態では、本発明に係る治具を、板金フレームを使用した筐体2の変形の検出に適用する場合について説明しているが、例えば、角パイプ等からなる筐体の変形の検出に、当該治具を適用することも可能である。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、第1及び第2検出手段によって筐体の前面部と後面部の上下左右方向における位置ずれが検出されるので、画像形成装置の筐体の上下左右方向の変形を簡単かつ迅速に検査することができる。さらに、第2検出手段は、一対の取付部材の上下方向における位置関係に基づいて、筐体の前面部及び後面部の上縁部の捻じれを検出するものであり、第2検出手段は第1検出手段の機構の一部を利用して上下方向の捻じれを検出する構成であるので、当該治具の構成を簡単にすることができ、治具のコストを低減することができる。
【0034】また、第2検出手段が、第1検出手段の取付部材上の4点の支持部で支持される構成とし、4点の支持部のうちのいずれか1点の支持部と、他の3点の支持部との上下方向における相対的な位置関係に基づいて、筐体の前面部及び後面部の上縁部の捻じれを検出する検出部を有するようにすれば、上記1点の支持部と、他の3点の支持部との相対的な位置関係に基づいて、簡単に筐体の上下方向の捻じれを検出することができる。
【0035】また、第1検出手段を、一対の取付部材のいずれか一方に取り付けられるアーム部に位置ずれ検出部が備えられた構成とすれば、第1検出手段の筐体への取り付けは、筐体の前面部及び後面部に取付部材を取り付けた後に、位置ずれ検出部を備えるアーム部を取付部材に取り付けることができるので、筐体に第1検出手段を取り付ける際に、位置ずれ検出部が破損することを極力避けることができる。さらに、位置ずれ検出部が、他方側の取付部材との接触により、一対の取付部材の左右方向における相対的な位置関係を検出して、前記前面部及び後面部の左右方向の位置ずれを検出する構成により、筐体の左右方向の位置ずれを簡易な構造でもって検出することが可能となる。
【0036】また、上記の各検出部を汎用のダイヤルゲージとすることによって、当該治具を安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筐体検査治具及び筐体を示す斜視図である。
【図2】上記治具を筐体に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図3】第1検出部の斜視図である。
【図4】(a)(b)は第1検出部の構成部品を示す斜視図である。
【図5】(a)は前側板の第1検出部が取り付けられる部分を示す図、(b)は後側板の第1検出部が取り付けられる部分を示す図である。
【図6】第1測定部を筐体に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図7】第2検出部の斜視図である。
【図8】本発明に係る筐体検査治具を取り付けた筐体部分を示す正面図、(b)は同背面図である。
【図9】他の実施形態に係る筐体検査治具の第1検出部の斜視図、(b)は同平面図である。
【図10】上記第1検出部を筐体に取り付けた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 筐体検査治具
2 筐体
23 前側板
24 後側板
11,11´ 第1検出部
11a,11b,11c,11d 支持部
111,112,114 測定部材
111c 平板(当接部)
113,124 ダイヤルゲージ
114b 突出部
12 第2検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像形成装置の外枠を構成する筐体の変形を検査する治具であって、前記筐体の前面部及び後面部の上部に取り付けられた一対の取付部材を備え、当該一対の取付部材の左右方向における相対的な位置関係に基づいて、前面部と後面部の左右方向の位置ずれを検出する第1検出手段と、前記一対の取付部材上に載置され、前記一対の取付部材の上下方向における相対的な位置関係に基づいて、前記前面部及び後面部の上縁部の上下方向における捻じれを検出する第2検出手段とを備えたことを特徴とする筐体検査治具。
【請求項2】 前記第2検出手段は、前記各々の取付部材の両端部で支持されることによって、前記取付部材上の4点の支持部で支持される構成とされ、前記4点の支持部のうちのいずれか1点の支持部と、他の3点の支持部との上下方向における相対的な位置関係に基づいて、前記前面部及び後面部の上縁部の捻じれを検出する検出部を有することを特徴とする請求項1に記載の筐体検査治具。
【請求項3】 前記第1検出手段は、前記一対の取付部材のいずれか一方に取り付けられるアーム部に位置ずれ検出部が備えられ、この位置ずれ検出部は、他方側の取付部材との左右方向における相対的な位置関係に基づいて、前記前面部及び後面部の左右方向の位置ずれを検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の筐体検査治具。
【請求項4】 前記各検出部は、ダイヤルゲージであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の筐体検査治具。

【図1】
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【図2】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図10】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2003−75105(P2003−75105A)
【公開日】平成15年3月12日(2003.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−264873(P2001−264873)
【出願日】平成13年8月31日(2001.8.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】