説明

納豆容器、容器入り納豆の製造方法

【課題】蓋開け時に容器本体から蓋体を比較的容易に分離できるため利便性に優れる一方で、容器製造過程で分離加工部が不用意に切れないため歩留まりが高い食品容器を提供すること。
【解決手段】本発明の食品容器1は、容器本体2と蓋体3とヒンジ部6とを有する発泡樹脂製の一体成形品からなる。容器本体2は開口5にフランジ部7を有する。蓋体3は開口5を塞ぐ。ヒンジ部6はフランジ部7の一辺8aに対して蓋体3を連結する。食品容器1におけるヒンジ部6またはヒンジ部近傍位置には、容器本体2と蓋体3とを分離するための分離加工部11が形成される。分離加工部11は溝部12とミシン目13とにより構成される。溝部12は容器外面側S1にて連続的に形成されている。ミシン目13は、容器内面側S1にて断続的に形成され内部で溝部12に連通する複数の貫通孔14からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体と蓋体とヒンジ部とを有する食品容器、容器入り食品の製造方法、食品容器製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品を収納するための容器としては、紙製食品容器や発泡樹脂製食品容器などが知られているが、そのなかでも発泡樹脂製食品容器は、軽く、形状の自由度が高く、安価である等のメリットがあるため、広く用いられている。このような発泡樹脂製食品容器は、例えば、凹状の断面形状を有するとともに開口にフランジ部を有する容器本体、容器本体の開口を塞ぐための蓋体などを備えている。蓋体はフランジ部の一辺に対してヒンジ部を介して連結されている。そして、容器本体内に例えば納豆などの食品を収納し、この状態で蓋体を回動させて容器本体に重ね合わせることにより、食品容器が蓋閉めされるとともに蓋体がフランジ部に溶着されるようになっている。
【0003】
ところで、喫食時において食品容器から納豆などの食品を取り出す際には、溶着部を剥がして蓋を開けることになるが、蓋体を残したままの状態であると食品の攪拌作業を行う場合に蓋体が邪魔になることがある。また、この状態であると、食品容器をテーブルに置いたときに容器本体が傾いて不安定になりやすい。そこで、食品容器の所定箇所に容器本体と蓋体とを容易に分離するたに、例えばミシン目などの分離加工部をあらかじめ形成しておくことが従来行われている(例えば、特許文献1、2参照)。このようなミシン目は、例えば先端が刃103になっている複数の歯102を持つ回転刃101を用いて食品容器を切削加工することにより形成可能である(図10参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−136353号公報
【特許文献2】特許第3720165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来技術の発泡樹脂製食品容器の場合、分離加工部であるミシン目に適度な機械的強度を付与することが難しく、そのためには非常に狭い好適範囲内にて切削加工の条件設定をする必要があり、製造が煩雑であった。従って、ミシン目の部分の機械的強度が弱くなりすぎることもあり、この場合には、容器製造過程でミシン目が不用意に切れやすくなって不良品が発生しやすくなり、それに起因して高い歩留まりが達成しにくくなるという問題があった。これとは逆に、ミシン目の部分の強度が強くなりすぎた場合には、容器本体から蓋体を分離するのに大きな力が必要になるため、蓋体が分離しにくくなる。よって、無理矢理分離しようとすると、食品容器が不規則に割れることで綺麗に分離できなくなるばかりでなく、容器本体から食品がこぼれたり、容器の破片が食品上に乗ってしまったりする等の問題があった。なお、容器本体と蓋体とを超音波溶着にて強固に固定してあるような場合には、とりわけ蓋開け時においてこのような問題が顕著になると予想されるため、容易に蓋開けできる食品容器の開発が望まれていた。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓋開け時に容器本体から蓋体を比較的容易に分離できるため利便性に優れる一方で、容器製造過程で分離加工部が不用意に切れないため歩留まりが高い食品容器を提供することにある。本発明の別の目的は、利便性に優れた上記の食品容器を高歩留まりで製造しつつ食品を効率よく製造することができる容器入り食品の製造方法を提供することにある。本発明のさらに別の目的は、上記の優れた食品容器を製造するのに好適な食品容器製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、上記課題を解決すべく本願発明者が鋭意研究を行ったところ、容器本体と蓋体とを分離するための分離加工部に注目し、その改良を試みた。そして試行錯誤の末、単なるミシン目からなる分離加工部を形成するのではなく、溝部とミシン目とにより構成された分離加工部を形成することで好結果が得られることを新規に知見し、さらにこの知見を発展させて下記の課題解決手段[1]〜[15]を想到するに至ったのである。ここにそれらを列挙する。
【0008】
[1]開口にフランジ部を有する容器本体と、前記開口を塞ぐための蓋体と、前記フランジ部の一辺に対して前記蓋体を連結するヒンジ部とを有する発泡樹脂製の一体成形品からなり、前記容器本体と前記蓋体とを分離するための分離加工部が形成されている食品容器において、前記分離加工部は、前記ヒンジ部またはヒンジ部近傍位置に形成されるとともに、容器外面側にて連続的に形成された溝部と、容器内面側にて断続的に形成され内部で前記溝部に連通する複数の貫通孔からなるミシン目とにより構成されていることを特徴とする食品容器。
【0009】
[2]前記溝部の深さが0.1mm以上であり、前記溝部を形成せずに残す部分の厚さが0.4mm以上であることを特徴とする手段1に記載の食品容器。
【0010】
[3]前記ミシン目における前記複数の貫通孔の間隔が、1mm以上10mm以下であることを特徴とする手段1または2に記載の食品容器。
【0011】
[4]前記蓋体は4辺を有する平面視矩形状であって、前記蓋体におけるヒンジ部配置側の辺以外の3辺のうち少なくとも2辺の一部が、前記容器本体の前記フランジ部に対して溶着されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれか1項に記載の食品容器。
【0012】
[5]前記分離加工部は、前記蓋体におけるヒンジ部配置側の辺に形成されていることを特徴とする手段1乃至4のいずれか1項に記載の食品容器。
【0013】
[6]前記食品容器は納豆容器であることを特徴とする手段1乃至5のいずれか1項に記載の食品容器。
【0014】
[7]開口にフランジ部を有する容器本体と、前記開口を塞ぐための蓋体と、前記フランジ部の一辺に対して前記蓋体を連結するヒンジ部とを有する発泡樹脂製の一体成形品からなる食品容器に食品を収納する収納工程と、前記収納工程の後、前記蓋体を閉じて前記容器本体の前記開口を塞ぐようにする蓋閉じ工程と、前記蓋閉じ工程の後、容器外面側にて連続的に形成された溝部と、容器内面側にて断続的に形成され内部で前記溝部に連通する複数の貫通孔からなるミシン目とにより構成される分離加工部を、前記ヒンジ部またはヒンジ部近傍位置に形成する分離加工部形成工程とを含むことを特徴とする容器入り食品の製造方法。
【0015】
[8]前記分離加工部形成工程では、前記溝部の深さが0.1mm以上、前記溝部を形成せずに残す部分の厚さが0.4mm以上となるように前記分離加工部を形成することを特徴とする手段7に記載の容器入り食品の製造方法。
【0016】
[9]前記分離加工部形成工程では、前記ミシン目における前記複数の貫通孔の間隔が、1mm以上10mm以下となるように前記分離加工部を形成することを特徴とする手段7または8に記載の容器入り食品の製造方法。
【0017】
[10]前記分離加工部形成工程では、前記食品容器の形成材料である発泡樹脂材料を熱変性させずに機械加工することで前記分離加工部を形成することを特徴とする手段7乃至9のいずれか1項に記載の容器入り食品の製造方法。
【0018】
[11]前記分離加工部形成工程では、外周部の全周にわたって連設された複数の歯を有しかつ前記歯の縁部全体が刃になっている回転刃を用いて切削加工することで、前記溝部及び前記ミシン目を同時形成することを特徴とする手段10に記載の容器入り食品の製造方法。
【0019】
[12]前記蓋体は4辺を有する平面視矩形状であって、前記蓋閉じ工程の後かつ前記分離加工部形成工程の前に、前記蓋体におけるヒンジ部配置側の辺以外の3辺のうち少なくとも2辺の一部が、前記容器本体の前記フランジ部に対して溶着する溶着工程を行うことを特徴とする手段7乃至11のいずれか1項に記載の容器入り食品の製造方法。
【0020】
[13]前記分離加工部を、前記蓋体におけるヒンジ部配置側の辺に形成することを特徴とする手段7乃至12のいずれか1項に記載の食品容器。
【0021】
[14]前記食品容器は納豆容器であり、前記食品は納豆であることを特徴とする手段7乃至13のいずれか1項に記載の容器入り食品の製造方法。
【0022】
[15]手段1乃至6のいずれか1項に記載の食品容器を製造するための装置であって、外周部の全周にわたって連設された複数の歯を有しかつ前記歯の縁部全体が刃になっている回転刃を備えたことを特徴とする食品容器製造装置。
【発明の効果】
【0023】
従って、請求項1〜6に記載の発明によれば、蓋開け時に容器本体から蓋体を比較的容易に分離できるため利便性に優れる一方で、容器製造過程で分離加工部が不用意に切れないため歩留まりが高い食品容器を提供することができる。請求項7〜14に記載の発明によれば、利便性に優れた上記の食品容器を高歩留まりで製造しつつ食品を効率よく製造することができる容器入り食品の製造方法を提供することができる。請求項15に記載の発明によれば、上記の優れた食品容器を製造するのに好適な食品容器製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態の蓋閉めした状態の食品容器を示す正面図。
【図2】蓋閉めした状態の上記食品容器を示す平面図。
【図3】蓋開け状態の上記食品容器において、(a)は容器外面側を示す図、(b)は容器内面側を示す図。
【図4】図1の食品容器のA−A線における拡大断面図。
【図5】(a)は図4のB−B線における断面図、(b)は図4のC−C線における断面図。
【図6】(a)〜(e)は本実施形態の容器入り食品の製造方法を手順に沿って説明するための概略図。
【図7】本実施形態の食品容器製造装置を説明するための概略図。
【図8】上記装置が備える回転刃を示す部分拡大図。
【図9】実施例の試験方法を説明するための図。
【図10】従来技術の食品容器の加工に用いる回転刃を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図9に基づき詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明の食品容器を納豆容器に具体化するとともに、本発明の容器入り食品の製造方法を容器入り納豆の製造方法に具体化した例を示す。
【0026】
まず納豆容器1について説明する。図1,図2は食品である納豆2を収納して蓋閉めした状態の納豆容器1を示し、本実施形態ではこの状態のものを容器入り納豆(容器入り食品)と定義する。なお、図3(a),(b)は、説明の便宜のため、容器入り納豆における納豆容器1を展開し、かつ納豆2を省略した状態で示している。詳細には、図3(a)は蓋開け状態の納豆容器1における容器外面側S1を示すものであり、図3(b)は蓋開け状態の納豆容器1における容器内面側S2を示すものである。
【0027】
本実施形態の納豆容器1は、容器本体2と蓋体3とヒンジ部6とを有する発泡樹脂製であって、金型を用いて作製された一体成形品である。発泡樹脂としては例えば発泡ポリスチレン等が選択される。本実施形態の容器本体2は4辺を有する平面視正方形状を呈しており、上部に正方形状の開口5を有している。また、この容器本体2は全体として凹状の断面形状を有しており、その凹状の部分が納豆21を収納するための収納部4となっている。容器本体2の開口5には、外側に向って水平に延びるフランジ部7が一体形成されている。本実施形態の蓋体3は開口5を覆って塞ぐための部位であって、容器本体2と同じく4辺を有する平面視正方形状を呈し、容器本体2とほぼ等しい外形寸法を有している。容器本体3の有するフランジ部7の1辺に対しては、蓋体3を開閉可能とするためのヒンジ部6を介して蓋体3の1辺(即ちヒンジ部配置側の辺8a)が連結されている。ヒンジ部6は、変形が起こりやすいように容器本体2及び蓋体3の部分よりも材料の肉厚が薄くなるように形成されている。例えば、本実施形態においては、容器本体2及び蓋体3の部分の肉厚が1.9mmに設定され、ヒンジ部6の肉厚が0.7mm〜1.3mm程度に設定されている。
【0028】
図2に示されるように、蓋体3は、当該ヒンジ部配置側の辺8aのほかに3つの辺8b,8c,8dを備えている。ヒンジ部配置側の辺8aを基準とすると、自由端側に位置する(言い換えると反対側に位置する)辺8bは辺8aと平行な位置関係にあり、他の2つの辺8c,8dはそれらと直交する位置関係にある。
【0029】
本実施形態の納豆入り容器では、蓋体3におけるヒンジ部配置側の辺8a以外の3辺8b,8c,8dのうち少なくとも2辺の一部が、容器本体2のフランジ部7に対して溶着されている。より具体的に言うと、蓋体3における1辺8bが2箇所の溶着部16でフランジ部7に対して熱溶着されるとともに、蓋体3における別の2辺8c,8dがそれぞれ1箇所の溶着部16でフランジ部7に対して超音波溶着されている(図2参照)。よって、本実施形態の納豆入り容器では、蓋体3が容器本体2に対して比較的強固に固定されている。
【0030】
本実施形態の納豆容器1においては、蓋体3におけるヒンジ部配置側の辺8aに、容器本体2と蓋体3とを分離するための分離加工部11が形成されている。この離加工部11は、蓋体3におけるヒンジ部近傍位置(具体的にはヒンジ部6から1mm〜5mm程度離れた箇所)において、ヒンジ部6の延びる方向に沿って直線的に形成されている(図2〜図5を参照)。この分離加工部11は、容器外面側S1にて連続的に形成された1条の溝部12と、容器内面側S2にて断続的に形成され内部で溝部12に連通する複数のスリット状の貫通孔14からなるミシン目13とにより構成されている。つまり、本実施形態の分離加工部11は、単なるミシン目のみからなる分離加工部とは構造的に異なるものとなっている。
【0031】
図4,図5に示されるように、溝部12の深さD1及び溝部12を形成せずに残す部分15の厚さD2は特に限定されないが、強いて言えば溝部12の深さD1が0.1mm以上、残す部分15の厚さD2が0.4mm以上であることが好ましい。深さD1が0.1mm未満であると、溝部12が浅くなりすぎる結果、従来におけるミシン目のみを有する納豆容器と性能が何ら変わらないものとなる。つまり、加工条件の好適範囲が非常に狭くなることで、例えばミシン目の箇所の機械的強度が強くなりすぎてしまい、この場合には容器本体2から蓋体3を分離するのに大きな力が必要になり、蓋体3が分離しにくくなってしまう。厚さD2が0.4mm未満であると、蓋体3とヒンジ部6とを連結する箇所の面積が少なくなり、その箇所の機械的強度が弱くなりすぎてしまう結果、分離加工部11の加工段階で切れてしまう可能性が高くなる。よって、この場合には高い歩留まりを達成しにくくなるおそれがある。
【0032】
ミシン目13における複数の貫通孔14の間隔L1は特に限定されないが、強いて言えば1mm以上10mm以下であることが好ましい。間隔L1が10mm超であると、分離加工部11の箇所の機械的強度が強くなりすぎてしまい、容器本体2から蓋体3を分離するのに大きな力が必要になり、蓋体3が分離しにくくなってしまう。間隔L1が1mm未満であると、分離加工部11の箇所の機械的強度が弱くなりすぎてしまう結果、分離加工部11の加工段階で切れてしまう可能性が高くなる。よって、この場合には高い歩留まりを達成しにくくなるおそれがある。
【0033】
ちなみに、ミシン目13における複数の貫通孔14の長手方向の寸法(即ち溝部12に平行な方向の寸法)は特に限定されず、例えば1mm以上20mm以下に設定される。また、複数の貫通孔14の幅(即ち短手方向の寸法)は特に限定されず任意であるが、例えば1mm以下(好ましくは0.1mm以上0.8mm以下)に設定される。この場合、複数の貫通孔14は溝部12の幅とほぼ等しい寸法に設定しておけば、例えば共通の工具を用いて両者を加工形成できる等、製造工程上都合がよいものとなる。
【0034】
次に、図6に基づいて、本実施形態における容器入り納豆を製造する方法について説明する。
【0035】
容器入り納豆の製造方法にあたっては、まず、分離加工部11を形成する前の納豆容器1を用意するとともに(図6(a)参照)、蓋体3を開いて全体を水平にした状態で水平方向に搬送し、その搬送途中の所定位置にて収納部4に納豆21を収納する(収納工程:図6(b)参照)。この段階の納豆21は、菌の植え付けがなされているものの、まだ発酵が進んでいない。
【0036】
次に、収納工程を経た納豆容器1の蓋体3を約180度回動させて蓋体3を容器本体2の開口5を覆う位置まで移動させることにより、納豆容器1を閉じるようにする(蓋閉じ工程:図6(c)参照)。なお、この段階では納豆容器1はまだ完全に閉じられていない。このような蓋閉じ工程は、納豆容器1を水平方向に搬送する最中に行うこと、言い換えると搬送中の納豆容器1を停止させることなく連続的に(例えばガイドレール等を用いて)行うことが、生産効率向上の観点から好ましい。
【0037】
次に、蓋閉じ状態の納豆容器1に対する溶着を行って、蓋体3におけるヒンジ部配置側の辺8a以外の3辺8b,8c,8dの一部をそれぞれ容器本体2のフランジ部7に対して固定する(溶着工程:図6(d)参照)。具体的にいうと、まず、蓋体3における1辺8bを2箇所の溶着部16でフランジ部7に対して熱溶着する。続いて、蓋体3における別の2辺8c,8dをそれぞれ1箇所の溶着部16でフランジ部7に対して超音波溶着する。
【0038】
次に、下記の装置31を用いて分離加工部形成工程を行うことにより、蓋閉じ状態の納豆容器1に分離加工部11を形成する(図6(e)参照)。図7は本実施形態の納豆容器加工装置31(食品容器製造装置)を説明するための概略図であり、図8は上記装置31が備える回転刃32を示す部分拡大図である。
【0039】
この納豆容器加工装置31は、装置本体35、容器搬送手段、容器上部押さえ手段、これら手段を同期して駆動するモータ(図示略)、これら手段とモータとを駆動連結する伝達構造(図示略)、モータの駆動を制御する制御装置(図示略)等を備えている。
【0040】
容器搬送手段は、蓋閉じ状態の納豆容器1を水平方向に搬送するためのものであって、装置本体35上に配置されている。この容器搬送手段は、例えば一対のロール間に無端状の下部搬送ベルト36を周回可能に巻き付けることで構成されている。下部搬送ベルト36において上側となる面には、蓋閉じ状態の納豆容器1における容器本体2の底面が載置される。なお、図7において下部搬送ベルト36に付した横向き矢印は、下部搬送ベルト36の移動方向を意味している。また、下部搬送ベルト36は、容器本体2の底面ではなくフランジ部7の下面に対して接触するように構成されてもよい。この場合には、下部搬送ベルト36と後述する押さえベルト37とによってフランジ部7を上下方向から挟んだ状態で、納豆容器1を搬送することが可能となり、加工部が安定する。
【0041】
容器上部押さえ手段は、容器搬送手段の上方に配置されている。例えば一対のロール間に無端状の押さえベルト37を周回可能に巻き付けることで構成されている。この押さえベルト37において下側となる面は、蓋閉じ状態の納豆容器1における蓋体3が接触するようになっている。そして、この押さえベルト37は、蓋体3を上方向から押さえつつ、納豆容器1を容器搬送手段と同期して水平方向に搬送するようになっている。よって、下部搬送ベルト36と押さえベルト37との間に納豆容器1が挟み込まれた状態となるため、納豆容器1の位置ずれを防止しつつ比較的速い速度で納豆容器1を確実に搬送することができるようになっている。なお、図7において押さえベルト37に付した横向き矢印は、押さえベルト37の移動方向を意味している。
【0042】
本実施形態の納豆容器加工装置31は、さらに回転刃32を有する切断加工手段を備えている。この回転刃32は、支軸38に取り付けられるとともに、下部搬送ベルト36の上方において押さえベルト37を避ける位置において、搬送方向に沿って平行な状態で配置されている。支軸38は回転刃32を回転可能に支持するものの駆動手段に連結されているわけではなく、それゆえ回転刃32は納豆容器1の搬送に伴って追従回転するようになっている。また、回転刃32の最下部は、水平方向に搬送されてくる納豆容器1の容器外側面S1(即ち蓋体3の上面)に接触する高さ位置となるように設定されている。
【0043】
図7,図8に示されるように、この回転刃32は、厚さ1mmの円盤状をなすとともに、外周部の全周にわたって等ピッチで連設された複数(本実施形態では30枚)の歯33を有している。各々の歯33の縁部全体が刃34(即ち板厚が徐々に薄くなるエッジ部)になっている。つまり、略台形状をなす本実施形態の歯33においては、刃34の先端縁のみならず両側縁についてもエッジ部となっている。
【0044】
そして、このような回転刃32がある箇所を納豆容器1が通過すると、その際に蓋体3の上面におけるヒンジ部近傍位置に回転刃32が接触し、その接触した部分が直線状に切削される。その結果、分離加工部11を構成する溝部12及びミシン目13が同時形成されるようになっている。なお、この回転刃32の場合、蓋体3内に深く入り込んで発泡樹脂材料を貫通する歯33の先端縁によって複数の貫通孔14が形成され、容器内面側にてミシン目13となる。一方、歯33の間におけるV字状の切れ込みのある箇所については、歯33の先端縁が発泡樹脂材料を貫通しないため、発泡樹脂材料における対応部分が貫通孔14の非形成部位(即ち残す部分15)となる。また、発泡樹脂材料における浅い部分については、刃34となっている歯33の縁部全体が作用することから、全体にわたって切削されることになり、所望の溝部12が容器外面側S1にて連続的にかつ好適な形状で加工形成される。このように、回転刃32による切削加工を行う本実施形態の場合、納豆容器1の形成材料である発泡樹脂材料を熱変性させずに分離加工部11を形成することができる。
【0045】
以上のような分離加工部形成工程を経た容器入り納豆は、発酵を進行させるための所定の保存期間を経て最終製品となり、出荷されるようになっている。このように製造された容器入り納豆は、通常どおり自由端側の辺8bから蓋開けしてもよいが、その反対側にあるヒンジ部配置側の辺8aから蓋開けしてもよい。即ち、蓋体3における辺8c,8dのうちの少なくとも一方においてヒンジ部配置側の辺8aに近接した位置に指先を入り込ませ、ヒンジ部配置側の辺8aを引き剥がすような上向きの力を作用させて、分離加工部11に破断を生じさせ、蓋体3におけるヒンジ部配置側の辺8aを容器本体2から分離する。さらに、溶着されている部分を引き剥がして、蓋体3を容器本体2から完全に分離する。
【0046】
この場合、蓋体3における辺8c,8dのうちの少なくとも一方において、ヒンジ部配置側の辺8aに近接した位置に、ノッチを形成しておくと、そこに指先を入り込ませることができ、ヒンジ部配置側の辺8aを引き剥がす作業を容易に行うことができる。ノッチの形状は特に限定されず、例えばV字状、U字状、I字状、円弧状等にすることができる。なお、ノッチを形成することによって、蓋開けのための引き剥がし作業を開始すべき部位を明確化することができる。また、蓋開位置を示す目印を蓋体3の上面に形成しておいてもよい。
【0047】
以下、本発明をより具体化した実施例を示すが、本発明は勿論これに限定されるわけではない。
【実施例】
【0048】
本実施例では、溝部12の深さD1、溝部12を形成せずに残す部分15の厚さD2、ミシン目13における貫通孔の間隔L1を変更して切削加工を行い、蓋体3におけるヒンジ部配置側の辺8aに分離加工部11を有する複数種類のサンプル品を実際に作製した。なお、切削加工する部分の発泡樹脂材料の板厚はいずれも1.9mmとし、複数の貫通孔14の長手方向の寸法はいずれも約3mmとし、複数の貫通孔14の幅及び溝部12の幅はいずれも約0.8mmとした。
【0049】
そして、得られた各サンプル品について、図9に示すように引張強度測定器41(SHIMPO社製、「FGN−2 デジタルフォースゲージ」)を用いて評価試験を行った。
【0050】
まず、蓋体3の中心部から偏心した位置に矩形状の穴42を開けておき、その穴42に引張強度測定器41から突出するフック部43を引っ掛けるようにして配置した。この状態で、容器本体2を図9の左方向に手で引っ張るとともに、引張強度測定器41を図9の右方向に手で引っ張った。そして、蓋体3が完全に切り取られて分離するまでに要した力のピーク値を測定し、この値を「蓋体3の分離に必要な力」とした。なお、各試験区においてはサンプル品を5つ用意し、それらの測定ピーク値の平均値を用いた。ここで用いた引張強度測定器41は測定限界が2.0kgであるため、かかる測定限界を超えたものや、分離加工部11の位置で切れずに明らかに別の箇所で破損したものについては、「測定不能」とした。以下、表1にその結果を示す。表中、「○」は切れ味良好、「△」は切れにくい、「×」は切れない、ということを意味している。
【表1】

【0051】
表1から明らかなように、ミシン目13があるにもかかわらず溝部12がない試験区については、評価が「○」になる部分が皆無であり、唯一、貫通孔13の間隔L1が1mmのあたりで評価が「△」となるにすぎず、それ以外では評価が「×」となった。つまり、従来技術に相当するこれらの試験区では、分離加工部であるミシン目13に適度な機械的強度を付与することが難しく、そのためには非常に狭い好適範囲内にて切削加工の条件設定をする必要があり、製造が煩雑になるという欠点があることが明白であった。
【0052】
一方、ミシン目13のみならず溝部12も形成した試験区においては、表1に示すように概して好適な結果が得られた。特に、溝部12の深さD1を0.1mm〜1.3mmとし、残す部分15の厚さD2を0.6mm〜1.8mmとし、貫通孔13の間隔L1の値を1mm〜5mmとした場合、加工段階で切れてしまうことがなく、また、蓋開け時に割れてしまうこともないため、この範囲が非常に好適な条件であると結論付けられた。かかる好適範囲の広さは、ミシン目13があるにもかかわらず溝部12がない上記の試験区に比べるとかなり広いものとなっている。ちなみに、溝部12の深さD1を1.5mmとし、残す部分15の厚さD2を0.4mmとし、貫通孔13の間隔L1の値を1mm以上とした場合については、後工程で不具合が生じるリスクが若干あるものの、これについても上記の場合に準じて好適であった。ただし、溝部12の深さD1を1.8mmとした場合や、残す部分15の厚さD2を0.1mmとした場合や、貫通孔13の間隔L1の値を0.5mmとした場合については、分離加工部11の加工段階で切れてしまうものがあり、実際の製品として採用しにくいものであった。
【0053】
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0054】
(1)本実施形態によると、容器外面側S1にて連続的に形成された溝部12と、容器内面側S2にて断続的に形成され内部で溝部12に連通する複数の貫通孔14からなるミシン目13とにより構成された分離加工部11を有している。また、ここでは分離加工部11が蓋体3におけるヒンジ部近傍位置に形成されている。このため、分離加工部11に極めて好適な機械的強度、即ち、蓋開け時に容器本体2から蓋体3を比較的容易に分離できる一方で、容器製造過程で不用意に切れてしまわない程度の機械的強度を付与することが可能である。よって、蓋開け時の利便性に優れるとともに歩留まりが高い納豆容器1を提供することができる。
【0055】
(2)本実施形態では、溝部12の深さD1、残す部分15の厚さD2及び貫通孔13の間隔L1の値をそれぞれ上記の好適範囲内にて設定しているため、分離加工部11に極めて好適な機械的強度を確実に付与することができる。また、このような好適範囲は従来例に比較してそれほど狭いものではないため、かかる好適な機械的強度を比較的容易に付与することができ、納豆容器1の製造が煩雑になるということもない。
【0056】
(3)本実施形態では、蓋体3におけるヒンジ部配置側の辺8aを除く他の3辺8b,8c,8dの一部がフランジ部7に対して溶着されているため、蓋体3が容器本体2に強固に固定され、収納した納豆2が漏れにくい構造となっている。その反面、ヒンジ部配置側の辺8aに比べて自由端側の辺8bの固定強度が強いことから、自由端側を引き剥がして蓋開けを行うことが通常は困難である。しかし、ヒンジ部配置側の辺8aに分離加工部11を形成しておき、その分離加工部11から引き剥がしを行うことで、蓋開けを容易に行うことができる。よって、収納物の漏れ防止という食品容器に要求される基本的性能を担保しつつ利便性を向上させることができる。
【0057】
(4)本実施形態では、回転刃32を用いた切削加工を行う分離加工部形成工程によって分離加工部11を形成しているが、この方法によれば発泡樹脂材料の熱変性を伴わないという利点がある。また、発泡樹脂材料の熱変性を伴う加工方法を採用した場合には、ヒートツールやそのための温度制御手段や駆動制御手段などが必要になる。ゆえに、製造設備が大型になりかつ設備コストが高騰する可能性があるばかりでなく、ヒートツール等のメンテナンスが煩雑になる可能性があり、結果的に製品の高コスト化につながるおそれがある。これに対して、本実施形態のような納豆容器加工装置31であれば、追従回転可能な回転刃32を接触させるだけでよいので、比較的シンプルな設備構成とすることができる。このため、設備コストの低減を図ることができるとともに、それほど煩雑なメンテナンスを要求されることもなく、結果的に製品の低コスト化を図りやすくなる。
【0058】
(5)本実施形態では、上記の納豆容器加工装置31を用いた分離加工部形成工程を蓋閉じ工程前ではなく敢えて蓋閉じ工程後に行っていることから、納豆容器1を蓋閉じした状態で連続的かつ比較的早い速度で搬送しながら所望とする切削加工を行うことができる。このため、容器入り納豆の生産性を確実に向上させることができる。
【0059】
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、本発明を容器本体2が1つの収納部を有するものに具体化したが、例えば容器本体2の内部に仕切り部を設けて複数の収納部を区画形成したものに具体化してもよい。その具体例を挙げると、例えば容器本体2に大小2つの収納部を設け、大きい収納部に納豆を収納し、小さい収納部に調味料を収納するようにすること等が挙げられる。
【0060】
・上記実施形態では、本発明を容器入り納豆の製造方法として具体化したが、発泡樹脂製の容器に納豆以外の食品を入れたものの製造方法として具体化することもできる。
【0061】
・上記実施形態では、溝部12とミシン目13とにより構成される分離加工部11を蓋体3におけるヒンジ部近傍位置に形成したが、例えばこれを容器本体2におけるヒンジ部近傍位置に形成したり、あるいはヒンジ部6自体に形成したりすることも許容される。ここで、食品を収納した状態で分離加工部形成工程を行うことを考えると、食品容器を傾けたり上下反転させたりすることはあまり好ましくなく、そうすると水平配置状態のままで加工することが要求される。先に列挙した方法において、蓋体3におけるヒンジ部近傍位置に形成する場合には、回転刃32を食品容器の上方にて垂直に配置して上方から切削を行うことになる。また、容器本体2におけるヒンジ部近傍位置に形成する場合には、回転刃32を食品容器の下方にて垂直に配置して下方から切削を行うことになる。また、ヒンジ部6自体に形成する場合には、回転刃32を食品容器の側方にて水平に配置して横方向から切削を行うことになる。これら3つの加工態様を比較すると、分離加工部11を蓋体3におけるヒンジ部近傍位置に形成する方法(即ち上記実施形態の方法)が有利である。上記実施形態の方法によれば、切削加工により形成される分離加工部11が食品容器1における上面に位置するため、加工部分の外観検査が行いやすく、工程管理が楽であるという利点があるからである。また、このような位置に回転刃32を設置することは構造上無理がなく、例えば、下部搬送ベルト36と押さえベルト37とによってフランジ部7を上下方向から挟んだ状態で搬送するような構造も比較的容易に実現できるからである。また、装置の調整作業やメイテナンス作業も比較的容易に行うことができて好ましいからである。また、傾け動作や反転動作が不要になることから、生産性低下を回避できるとともに、設備コストの高騰も回避できる。また、ヒンジ部6に比べて材料の板厚が厚い蓋体3であれば、溝部12とミシン目13とにより構成される分離加工部11を精度よく形成できるという利点もある。
【0062】
・上記実施形態では、分離加工部11を1条のみ設けたが、2条以上設けてもよい。
【0063】
・上記実施形態では、容器本体2及び蓋体3をともに平面視正方形状としたが、これに限定されることはなく、例えば平面視長方形状、平面視三角形状、平面視六角形状、平面視円形状等にしてもよい。
【0064】
・上記実施形態では、蓋体3における3辺8b,8c,8dの一部をフランジ部7に対して溶着したが、これに限定されない。例えば、蓋体3における2辺(8bと8c、8bと8d、あるいは8cと8d)の一部をフランジ部7に対して溶着してもよく、また、蓋体3における1辺のみ(8b、8cあるいは8b)の一部をフランジ部7に対して溶着してもよい。この場合、熱溶着、超音波溶着のいずれの方法を用いてもよい。
【0065】
・上記実施形態では、外周部の全周にわたって略台形状をなす歯33を連設した回転刃32を用いて分離加工部11の形成のための切削加工を行ったが、縁部全体が刃34になっているものであれば必ずしも略台形状でなくてもよく、例えば三角形状をなす歯(いわゆる鋸歯)を連設した回転刃を用いることもできる。また、回転刃32による切削加工のみに限定されず、例えば複数の歯34に相当する部分を有する金型を用いて切削加工を行うことも可能である。
次に、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0066】
(1)手段1乃至6のいずれか1項において、前記分離加工部は、前記蓋体におけるヒンジ部配置側の辺から引き剥がして蓋開けを行うためのものであることを特徴とする食品容器。
【0067】
(2)手段1乃至6のいずれか1項に記載の食品容器を製造するための装置であって、食品を収納して蓋閉じした状態の食品容器を載せて水平方向に搬送する容器搬送手段と、前記容器搬送手段の上方に位置し、前記食品容器の上面を抑える容器上部押さえ手段と、外周部の全周にわたって連設された複数の歯を有しかつ前記歯の縁部全体が刃になっている回転刃とを備え、前記回転刃は前記食品容器の上面に接触するよう配置されるとともに、前記食品容器の搬送に伴って追従回転して切削を行うことを特徴とする食品容器製造装置。
【符号の説明】
【0068】
1…食品容器としての納豆容器
2…容器本体
3…蓋体
4…収納部
5…開口
6…ヒンジ部
7…フランジ部
8a…ヒンジ部配置側の辺
11…分離加工部
12…溝部
13…ミシン目
14…貫通孔
31…食品容器製造装置としての納豆容器加工装置
32…回転刃
33…歯
34…刃
S1…容器外面側
S2…容器内面側
D1…溝部の深さ
D2…残す部分の厚さ
L1…貫通孔の間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口にフランジ部を有する容器本体と、前記開口を塞ぐための蓋体と、前記フランジ部の一辺に対して前記蓋体を連結するヒンジ部とを有する発泡樹脂製の一体成形品からなり、前記容器本体と前記蓋体とを分離するための分離加工部が形成されている食品容器において、
前記分離加工部は、前記ヒンジ部またはヒンジ部近傍位置に形成されるとともに、容器外面側にて連続的に形成された溝部と、容器内面側にて断続的に形成され内部で前記溝部に連通する複数の貫通孔からなるミシン目とにより構成されていることを特徴とする食品容器。
【請求項2】
前記溝部の深さが0.1mm以上であり、前記溝部を形成せずに残す部分の厚さが0.4mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の食品容器。
【請求項3】
前記ミシン目における前記複数の貫通孔の間隔が、1mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の食品容器。
【請求項4】
前記蓋体は4辺を有する平面視矩形状であって、前記蓋体におけるヒンジ部配置側の辺以外の3辺のうち少なくとも2辺の一部が、前記容器本体の前記フランジ部に対して溶着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の食品容器。
【請求項5】
前記分離加工部は、前記蓋体におけるヒンジ部配置側の辺に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の食品容器。
【請求項6】
前記食品容器は納豆容器であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の食品容器。
【請求項7】
開口にフランジ部を有する容器本体と、前記開口を塞ぐための蓋体と、前記フランジ部の一辺に対して前記蓋体を連結するヒンジ部とを有する発泡樹脂製の一体成形品からなる食品容器に食品を収納する収納工程と、
前記収納工程の後、前記蓋体を閉じて前記容器本体の前記開口を塞ぐようにする蓋閉じ工程と、
前記蓋閉じ工程の後、容器外面側にて連続的に形成された溝部と、容器内面側にて断続的に形成され内部で前記溝部に連通する複数の貫通孔からなるミシン目とにより構成される分離加工部を、前記ヒンジ部またはヒンジ部近傍位置に形成する分離加工部形成工程と
を含むことを特徴とする容器入り食品の製造方法。
【請求項8】
前記分離加工部形成工程では、前記溝部の深さが0.1mm以上、前記溝部を形成せずに残す部分の厚さが0.4mm以上となるように前記分離加工部を形成することを特徴とする請求項7に記載の容器入り食品の製造方法。
【請求項9】
前記分離加工部形成工程では、前記ミシン目における前記複数の貫通孔の間隔が、1mm以上10mm以下となるように前記分離加工部を形成することを特徴とする請求項7または8に記載の容器入り食品の製造方法。
【請求項10】
前記分離加工部形成工程では、前記食品容器の形成材料である発泡樹脂材料を熱変性させずに機械加工することで前記分離加工部を形成することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の容器入り食品の製造方法。
【請求項11】
前記分離加工部形成工程では、外周部の全周にわたって連設された複数の歯を有しかつ前記歯の縁部全体が刃になっている回転刃を用いて切削加工することで、前記溝部及び前記ミシン目を同時形成することを特徴とする請求項10に記載の容器入り食品の製造方法。
【請求項12】
前記蓋体は4辺を有する平面視矩形状であって、
前記蓋閉じ工程の後かつ前記分離加工部形成工程の前に、前記蓋体におけるヒンジ部配置側の辺以外の3辺のうち少なくとも2辺の一部が、前記容器本体の前記フランジ部に対して溶着する溶着工程を行う
ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の容器入り食品の製造方法。
【請求項13】
前記分離加工部は、前記蓋体におけるヒンジ部配置側の辺に形成されていることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか1項に記載の容器入り食品の製造方法。
【請求項14】
前記食品容器は納豆容器であり、前記食品は納豆であることを特徴とする請求項7乃至13のいずれか1項に記載の容器入り食品の製造方法。
【請求項15】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の食品容器を製造するための装置であって、外周部の全周にわたって連設された複数の歯を有しかつ前記歯の縁部全体が刃になっている回転刃を備えたことを特徴とする食品容器製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−241487(P2010−241487A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−94576(P2009−94576)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【特許番号】特許第4486151号(P4486151)
【特許公報発行日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(506239474)有限会社フォース (6)
【出願人】(301058333)株式会社ミツカンサンミ (13)
【出願人】(398065531)株式会社ミツカングループ本社 (157)
【Fターム(参考)】