組立て家具ユニット
【課題】 軽量、低コスト、且つ、単一の部材でも現実的に家具として使用することができ、さらに、子どもが大きくなった際にも家具として使用することができる組立て家具ユニットを提供する。
【解決手段】 同じ幅を有し、その長さの比が2対1である薄板状のペーパーハニカムから成る長方形状の横材と正方形状の縦材とがコの字型となるように該横材の両端に該縦材を直角に固定し、且つ、前記横材の四隅部及び前記縦材の開放側の二隅部に結合穴を形成したことを特徴とする組立て家具。
【解決手段】 同じ幅を有し、その長さの比が2対1である薄板状のペーパーハニカムから成る長方形状の横材と正方形状の縦材とがコの字型となるように該横材の両端に該縦材を直角に固定し、且つ、前記横材の四隅部及び前記縦材の開放側の二隅部に結合穴を形成したことを特徴とする組立て家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多種多様な用途に対応可能な子ども用の組立て家具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、子どもの発育を促す玩具としては、積木等の複数の部材を組み合わせて多種多様な形状を作り上げるものがある。しかし、これらの玩具は、子どもの発育と共に、使用頻度が減り、ついには使用されなくなる。そのため、子どもの発育を促すような玩具においても、各部材を組み合わせることにより、家具となり得るものも考案されている。
【0003】
例えば、従来の組立て玩具は、図26に示すように、複数の雄部材20と複数の雌部材21とから成って、雄部材20及び雌部材21は全体を一定の厚さとしている。雄部材20は、長方形の板状に形成して厚さの3倍の寸法の幅とした中央部22の両端面の中央からそれぞれ外側へ向け、雄部材20及び雌部材21の板厚の3倍の長さとした突起23をそれぞれ設けたものである。また、雌部材21は、雄部材20及び雌部材21の板厚の3倍の寸法の幅とした長方形の板状に形成して両端面の中央からそれぞれ内側へ向け、雄部材20及び雌部材21の板厚の3倍の寸法の奥行きとした切込み24をそれぞれ設け、該切込み24の無い部分を中央部25としたものとしたものである(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−98667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、図26に示すような、従来の組立て玩具は、合成樹脂等から形成された多数の部材から構成され、また形状の異なる複数の部材を組み合わせて形成されているため、使用し難いのに加えて、応用範囲が狭いという問題がある。
【0005】
この発明は上記のような種々の課題を解決することを目的としてなされたものであって、軽量で、低コストで、さらに、単一の部材でも現実的に家具として使用することができ、さらに、子どもが玩具として使用するのみならず成長しても家具として使用することができる組立て家具ユニットに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の組立て家具は、同じ幅を有し、その長さの比が2対1である薄板状のペーパーハニカムから成る長方形状の横材と、正方形状の縦材とがコの字型となるように該横材の両端に該縦材を直角に固定し、且つ、前記横材の四隅部及び前記縦材の開放側の二隅部に結合穴を形成したことを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の組立て家具ユニットは、請求項1の組立て家具ユニットにおいて、前記縦材の横材との固定側の二隅部にも結合穴を形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の組立て家具ユニットによれば、材質がペーパーハニカムであるので、重量が軽量となり、単独であるいは複数を組立てることによって、子どもの玩具としても好適であり、生産コストも削減することができ、経済的である。また、隅部に形成されている結合穴を利用して、同一の部材を組み合わせることで、多種多様な家具や、遊具を構成することができる。また、子どもの玩具として使用した際には、その組立てを工夫することにより、子どもの知育の発育を促すことができる。
【0009】
請求項2記載の組立て家具ユニットは、請求項1の組立て家具ユニットにおいて、前記縦材の横材との固定側の二隅部にも結合穴を形成している。そのため、当該家具ユニットを組み合わせて構成することのできる玩具や、遊具あるいは家具の種類が増え、子どもの玩具として、更には、家具等への使用用途が多様になるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明における実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る組立て家具ユニット1の一例を示す斜視図である。
【0011】
組立て家具ユニット1は、図1に示すように、同じ幅を有し、その長さの比が2対1である薄板状のペーパーハニカムからなる長方形状の横材2と正方形状の縦材3とがコの字型となるように該横材2の両端の同じ側に該縦材3を直角に固定し、且つ、前記横材2の四隅部及び前記縦材3の開放側の二隅部に結合穴4を形成したものである。
【0012】
この組立て家具ユニット1の素材であるペーパーハニカムは、図1の断面部分に示しているように、紙を原料とした6角形状のハニカム構造をしている。これにより、軽量(密度30〜50kg/m3程度)且つ丈夫(せん断強度2〜5kg・f/cm2程度)なユニットとなるのに加えて、ハニカム構造のために湿度が内部へ侵入し難く、湿度や温度変化に対しても反りが発生し難いという利点がある。又、該ペーパーハニカムの6角形状のセル内に不燃、吸音、断熱性能を備えた発泡体を充填することにより、耐候、難熱化、防音を図ることや板状部材の表面に防水加工等を施すことも可能である。更に又、加工が容易で、しかも原料及び加工が低コストであるために安価であり、使用済のものは、紙の原料としてリサイクルできるので、環境にも優しいものである。
【0013】
前記横材2と縦材3の幅は同じであるので、当然のことながらコの字型に固定した場合であっても全体として段差のない同じ幅を有し、しかも、横材2と縦材3の長さの比が2対1であることから、この組立て家具ユニット1の複数個を種々の連結の仕方によっても組立て易くなる構成となっている。又、横材2の四隅部と縦材3の開放側13、すなわち、横材2と固定した反対側の二隅部には、これら組立て家具ユニット1を組立てる際にボルト5を挿通させるための結合穴4が形成されている。そして、これら結合穴4を形成している横材2及び縦材3の内側面の結合穴4の周囲にはボルト5の一端を係止するための止め板6を嵌め込むことができる凹部7が形成されている。更に結合穴4を形成している横材2及び縦材3の外側面側の結合穴4はナット8や安全のためのキャップ9が挿入係止できるように大径部10を形成しており、この大径部10と結合穴4の段差部11にナット8が係止することによって、前記止め板6の挿入穴12に挿入係止されているボルト5が締め付けられた際に止め板6を横材2や縦材3に密着固定するようにしている。該止め板6は前記凹部7の2倍の面積を有しているので、連結する2つの組立て家具ユニット1の隣り合う横材2や縦材3の双方に跨って挿入できるようになっている。
【0014】
上記構成から成る組立て家具ユニット1を、図2に示すように、2つ横方向に連結固定して横長なU字型空間を形成する場合には、図3に示すように、2つの組立て家具ユニット1を2つ並べてから、それぞれの横材2の相隣接する2つの結合穴4と縦材3の相隣接する結合穴4の周囲に形成されている凹部7にそれぞれ跨ぐようにして、止め板6を嵌め込んでから、結合穴4及び挿入穴12にボルト5を差し込んでナット8で締め付けて固定する。この場合、図4に示す断面図によく現れているように、ボルト5は組立て家具ユニット1の内側から止め板6の挿入穴12、結合穴4の順に挿入し、横材2、縦材3の外側面にある段差部11にあらかじめセットしてあるナット8にねじ込んでゆく。これによって、相隣接する2つの組立て家具ユニット1は横方向に連結固定されるが、しかしこのままでは外側面にはボルト5とナット8の端面が露出しているので、安全のためにキャップ9を被せて結合穴4の大径部10に嵌め込み固定しておく。この実施形態では、2つの組立て家具ユニット1を横方向に連結固定する場合について説明したが、3つ以上でも同様である。
【0015】
次に図5に示すように、2つの組立て家具ユニット1の開放側13同士を連結固定して中空の箱型とする場合には、図6に示すように、相対向する縦材3の開放側13の端同士を合わせることにより対向する4組の上下2つの結合穴4の周囲の4つの凹部7内に止め板6をそれぞれ挿入してから、ボルト5を組立て家具ユニット1の内側から止め板6の挿入穴12及び結合穴4を挿通させて、あらかじめ縦材3の外側面の大径部10に嵌められ段差部11に係止されているナット8にねじ込むことによって、連結固定する。この連結状態の断面を図7に示している。この場合にも、縦材3の外側面からキャップ9を被せて安全を図っておくことが望ましい。
【0016】
また、図8に示すように、2つの組立て家具ユニット1の横材2同士を背中合わせに工字型に連結固定する場合には、図9,図10に示すように、相対向する横材2の四隅部にある結合穴4を重ね合わせて、一方の横材2の結合穴4の出口にナット8を当てて、他方の横材2の内側からボルト5を挿入して、ねじ込んでナット8と固定することによって、連結固定する。この場合には、止め板6は不要であるので、ナット8及び前述と同じ目的で使用するキャップ9は一方の横材2の凹部7内に納まり、且つ、ボルト5の頭部も他方の横材2の凹部7内に納まる。大径部10及び段差部11は重なった外側面の間に向い合って隠れて存在することになる。
【0017】
次に、図11乃至図20に基づいて、この組立て家具ユニット1の使用例について説明する。図11乃至図13は、単体で使用する場合であり、この内、図11は横材2を下方に向けて床上に置いてその内部に人が入って、横材2の内側面に載って、縦材3の内側面に背中をもたれてくつろぐ使用例である。図12は2つの縦材3を床上に置いて横材2を支え、椅子として利用する使用例である。図13は横材2の上面に載って、脚立として利用する使用例である。
【0018】
図14は、前記図8に示す横材2を背中合わせに連結固定した組立て家具ユニット1を一方の2つの縦材3が床上に載るようにして置くことにより、他方の2つの縦材3の表面を机若しくはテーブルとして利用する使用例である。
【0019】
図15は、前記図8に示す横材2を背中合わせに連結した組立て家具ユニット1を2つ横方向に並べて縦材3同士をボルト5とナット8で固定し、キャップ9を被せて安全を図るようにしたもので、座って使用する机、テーブル、物置台などとして利用できる使用例である。
【0020】
図16は、前記図5に示す中空の箱型とした組立て家具ユニット1を上下に2つ連結固定して深中空箱としたものである。上下の連結は、使用していない四隅部に形成してある相対向隣接している2つの結合穴4同士を前述のようにボルト5、ナット8、止め板6及びキャップ9を利用することによって行えば、一体型とすることができる。物入れや子どもの隠れ家としての使用例がある。
【0021】
図17は、前記図2に示す横方向に2つ並べて連結固定した組立て家具ユニット1の1つの横材2の上方に更にもう1つの組立て家具ユニット1を重ねて連結固定して積み重ねたものである。この積み重ねの連結固定は、上方に位置する組立て家具ユニット1の開放側13の4つの結合穴4と下方に位置する組立て家具ユニット1の横材2の四隅部に位置する結合穴4をL字型部材14を用いて、ボルト5、ナット8及びキャップ9で、連結固定したものである。この場合は、本立て、物入れ付机、テーブル、物置台などに利用できる使用例である。
【0022】
図18は、組立て家具ユニット1を3つ横方向に連結固定して、横材2が床上に位置するように載置して形成される横長の空間内部に子どもが寝ている状態の利用例である。
【0023】
図19は、組立て家具ユニット1を上下2枚に重ねて連結固定したもので、前述のように、L字型部材14を用いて、上方に位置する組立て家具ユニット1の開放側13にある結合穴4と下方に位置する組立て家具ユニット1の横材2の四隅部にある結合穴4とをボルト5、ナット8及びキャップ9で連結したものである。物置台などに使用できる。
【0024】
図20は、図16に示す使用例のものを横方向に倒したもので、子どものトンネルや隠れ家として利用する使用例である。
【0025】
図21乃至図23は組立てユニット1の他の連結固定の仕方を示す。この内、図21は、組立て家具ユニット1の横材2と縦材3の側面に磁石15を嵌め込んでおくことによって、これらを磁力によって連結固定するようにしたものである。この場合には、隣接する2つの組立てユニット1を同じ向きにした場合において、相隣接する磁石15が異極となるようにしておく。磁石15は上下面にも設置すれば、上下方向の連結固定も磁力によって、着脱自在に組立てることができる。結合穴4にボルト5とナット8を使用して連結する場合に比べて、簡単に組立てできるが、瞬間的な力がかかると連結が外れ易いものとなる。
【0026】
又、図22は、組立て家具ユニット1を万力16を用いて、連結固定する例を示し、これによって相隣接する2つの組立て家具ユニット1の境界端部を万力16で固定するだけでよい。この場合には、万力16が載置する際や使用する際に邪魔にならないような位置で使用することとなる。
【0027】
更に又、図23は、2つの組立て家具ユニット1を横方向に並べてこれらの横材2の両端をバンド17で連結固定したものである。図示していないが、更に縦材3同士をバンド17で連結固定してもよい。
【0028】
尚、図24に示すように、組立て家具ユニット1の安全を更に高めるために横材2と縦材3が交わる部分の角を除去して、丸みを形成するようにしてもよい。
【0029】
図25は、この組立て家具ユニット1の他の実施形態を示し、縦材3の横材2の固定側の二隅にも2つの結合穴4を形成した実施形態である。この結合穴4を形成することによって、例えば、組立て家具ユニット1を長手方向に連結固定する場合には、縦材3の四隅部で連結固定できるので、強固な連結を得ることができる。
【0030】
尚、上記各実施形態で使用しているボルト5やナット8更にはキャップ9は合成樹脂製とし、ボルト5を締付回転させるドライバーも同様の材質のものを使用すれば、子どもであっても安全に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る組立て家具ユニットの斜視図である。
【図2】組立て家具ユニットの結合例を示す斜視図である。
【図3】図2における結合の仕方を示す斜視図である。
【図4】図2における断面A−Aを示す拡大断面図である。
【図5】組立て家具ユニットの他の結合例を示す斜視図である。
【図6】図5における結合の仕方を示す斜視図である。
【図7】図5における断面B−Bを示す拡大断面図である。
【図8】組立て家具ユニットのさらに他の結合例を示す斜視図である。
【図9】図8における結合の仕方を示す斜視図である。
【図10】図8における断面C−Cを示す拡大断面図である。
【図11】くつろぎスペース等としての使用例の斜視図である。
【図12】椅子としての使用例の斜視図である。
【図13】脚立としての使用例の斜視図である。
【図14】テーブル等としての使用例の斜視図である。
【図15】座って使用する机等としての使用例の斜視図である。
【図16】物入れ等としての使用例の斜視図である。
【図17】物置台等としての使用例の斜視図である。
【図18】お昼寝用ベッドとしての使用例の斜視図である。
【図19】物置台としての使用例の斜視図である。
【図20】子どもの隠れ家等としての使用例の斜視図である。
【図21】結合の仕方として磁石を使用する場合の斜視図である。
【図22】結合の仕方として万力を使用する場合の斜視図である。
【図23】結合の仕方としてバンドを使用する場合の斜視図である。
【図24】他の組立て家具ユニットの例を示す斜視図である。
【図25】さらに他の組立て家具ユニットの例を示す斜視図である。
【図26】従来技術の斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
1 組立て家具ユニット
2 横材
3 縦材
4 結合穴
13 開放側
【技術分野】
【0001】
本発明は、多種多様な用途に対応可能な子ども用の組立て家具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、子どもの発育を促す玩具としては、積木等の複数の部材を組み合わせて多種多様な形状を作り上げるものがある。しかし、これらの玩具は、子どもの発育と共に、使用頻度が減り、ついには使用されなくなる。そのため、子どもの発育を促すような玩具においても、各部材を組み合わせることにより、家具となり得るものも考案されている。
【0003】
例えば、従来の組立て玩具は、図26に示すように、複数の雄部材20と複数の雌部材21とから成って、雄部材20及び雌部材21は全体を一定の厚さとしている。雄部材20は、長方形の板状に形成して厚さの3倍の寸法の幅とした中央部22の両端面の中央からそれぞれ外側へ向け、雄部材20及び雌部材21の板厚の3倍の長さとした突起23をそれぞれ設けたものである。また、雌部材21は、雄部材20及び雌部材21の板厚の3倍の寸法の幅とした長方形の板状に形成して両端面の中央からそれぞれ内側へ向け、雄部材20及び雌部材21の板厚の3倍の寸法の奥行きとした切込み24をそれぞれ設け、該切込み24の無い部分を中央部25としたものとしたものである(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−98667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、図26に示すような、従来の組立て玩具は、合成樹脂等から形成された多数の部材から構成され、また形状の異なる複数の部材を組み合わせて形成されているため、使用し難いのに加えて、応用範囲が狭いという問題がある。
【0005】
この発明は上記のような種々の課題を解決することを目的としてなされたものであって、軽量で、低コストで、さらに、単一の部材でも現実的に家具として使用することができ、さらに、子どもが玩具として使用するのみならず成長しても家具として使用することができる組立て家具ユニットに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の組立て家具は、同じ幅を有し、その長さの比が2対1である薄板状のペーパーハニカムから成る長方形状の横材と、正方形状の縦材とがコの字型となるように該横材の両端に該縦材を直角に固定し、且つ、前記横材の四隅部及び前記縦材の開放側の二隅部に結合穴を形成したことを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の組立て家具ユニットは、請求項1の組立て家具ユニットにおいて、前記縦材の横材との固定側の二隅部にも結合穴を形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の組立て家具ユニットによれば、材質がペーパーハニカムであるので、重量が軽量となり、単独であるいは複数を組立てることによって、子どもの玩具としても好適であり、生産コストも削減することができ、経済的である。また、隅部に形成されている結合穴を利用して、同一の部材を組み合わせることで、多種多様な家具や、遊具を構成することができる。また、子どもの玩具として使用した際には、その組立てを工夫することにより、子どもの知育の発育を促すことができる。
【0009】
請求項2記載の組立て家具ユニットは、請求項1の組立て家具ユニットにおいて、前記縦材の横材との固定側の二隅部にも結合穴を形成している。そのため、当該家具ユニットを組み合わせて構成することのできる玩具や、遊具あるいは家具の種類が増え、子どもの玩具として、更には、家具等への使用用途が多様になるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明における実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る組立て家具ユニット1の一例を示す斜視図である。
【0011】
組立て家具ユニット1は、図1に示すように、同じ幅を有し、その長さの比が2対1である薄板状のペーパーハニカムからなる長方形状の横材2と正方形状の縦材3とがコの字型となるように該横材2の両端の同じ側に該縦材3を直角に固定し、且つ、前記横材2の四隅部及び前記縦材3の開放側の二隅部に結合穴4を形成したものである。
【0012】
この組立て家具ユニット1の素材であるペーパーハニカムは、図1の断面部分に示しているように、紙を原料とした6角形状のハニカム構造をしている。これにより、軽量(密度30〜50kg/m3程度)且つ丈夫(せん断強度2〜5kg・f/cm2程度)なユニットとなるのに加えて、ハニカム構造のために湿度が内部へ侵入し難く、湿度や温度変化に対しても反りが発生し難いという利点がある。又、該ペーパーハニカムの6角形状のセル内に不燃、吸音、断熱性能を備えた発泡体を充填することにより、耐候、難熱化、防音を図ることや板状部材の表面に防水加工等を施すことも可能である。更に又、加工が容易で、しかも原料及び加工が低コストであるために安価であり、使用済のものは、紙の原料としてリサイクルできるので、環境にも優しいものである。
【0013】
前記横材2と縦材3の幅は同じであるので、当然のことながらコの字型に固定した場合であっても全体として段差のない同じ幅を有し、しかも、横材2と縦材3の長さの比が2対1であることから、この組立て家具ユニット1の複数個を種々の連結の仕方によっても組立て易くなる構成となっている。又、横材2の四隅部と縦材3の開放側13、すなわち、横材2と固定した反対側の二隅部には、これら組立て家具ユニット1を組立てる際にボルト5を挿通させるための結合穴4が形成されている。そして、これら結合穴4を形成している横材2及び縦材3の内側面の結合穴4の周囲にはボルト5の一端を係止するための止め板6を嵌め込むことができる凹部7が形成されている。更に結合穴4を形成している横材2及び縦材3の外側面側の結合穴4はナット8や安全のためのキャップ9が挿入係止できるように大径部10を形成しており、この大径部10と結合穴4の段差部11にナット8が係止することによって、前記止め板6の挿入穴12に挿入係止されているボルト5が締め付けられた際に止め板6を横材2や縦材3に密着固定するようにしている。該止め板6は前記凹部7の2倍の面積を有しているので、連結する2つの組立て家具ユニット1の隣り合う横材2や縦材3の双方に跨って挿入できるようになっている。
【0014】
上記構成から成る組立て家具ユニット1を、図2に示すように、2つ横方向に連結固定して横長なU字型空間を形成する場合には、図3に示すように、2つの組立て家具ユニット1を2つ並べてから、それぞれの横材2の相隣接する2つの結合穴4と縦材3の相隣接する結合穴4の周囲に形成されている凹部7にそれぞれ跨ぐようにして、止め板6を嵌め込んでから、結合穴4及び挿入穴12にボルト5を差し込んでナット8で締め付けて固定する。この場合、図4に示す断面図によく現れているように、ボルト5は組立て家具ユニット1の内側から止め板6の挿入穴12、結合穴4の順に挿入し、横材2、縦材3の外側面にある段差部11にあらかじめセットしてあるナット8にねじ込んでゆく。これによって、相隣接する2つの組立て家具ユニット1は横方向に連結固定されるが、しかしこのままでは外側面にはボルト5とナット8の端面が露出しているので、安全のためにキャップ9を被せて結合穴4の大径部10に嵌め込み固定しておく。この実施形態では、2つの組立て家具ユニット1を横方向に連結固定する場合について説明したが、3つ以上でも同様である。
【0015】
次に図5に示すように、2つの組立て家具ユニット1の開放側13同士を連結固定して中空の箱型とする場合には、図6に示すように、相対向する縦材3の開放側13の端同士を合わせることにより対向する4組の上下2つの結合穴4の周囲の4つの凹部7内に止め板6をそれぞれ挿入してから、ボルト5を組立て家具ユニット1の内側から止め板6の挿入穴12及び結合穴4を挿通させて、あらかじめ縦材3の外側面の大径部10に嵌められ段差部11に係止されているナット8にねじ込むことによって、連結固定する。この連結状態の断面を図7に示している。この場合にも、縦材3の外側面からキャップ9を被せて安全を図っておくことが望ましい。
【0016】
また、図8に示すように、2つの組立て家具ユニット1の横材2同士を背中合わせに工字型に連結固定する場合には、図9,図10に示すように、相対向する横材2の四隅部にある結合穴4を重ね合わせて、一方の横材2の結合穴4の出口にナット8を当てて、他方の横材2の内側からボルト5を挿入して、ねじ込んでナット8と固定することによって、連結固定する。この場合には、止め板6は不要であるので、ナット8及び前述と同じ目的で使用するキャップ9は一方の横材2の凹部7内に納まり、且つ、ボルト5の頭部も他方の横材2の凹部7内に納まる。大径部10及び段差部11は重なった外側面の間に向い合って隠れて存在することになる。
【0017】
次に、図11乃至図20に基づいて、この組立て家具ユニット1の使用例について説明する。図11乃至図13は、単体で使用する場合であり、この内、図11は横材2を下方に向けて床上に置いてその内部に人が入って、横材2の内側面に載って、縦材3の内側面に背中をもたれてくつろぐ使用例である。図12は2つの縦材3を床上に置いて横材2を支え、椅子として利用する使用例である。図13は横材2の上面に載って、脚立として利用する使用例である。
【0018】
図14は、前記図8に示す横材2を背中合わせに連結固定した組立て家具ユニット1を一方の2つの縦材3が床上に載るようにして置くことにより、他方の2つの縦材3の表面を机若しくはテーブルとして利用する使用例である。
【0019】
図15は、前記図8に示す横材2を背中合わせに連結した組立て家具ユニット1を2つ横方向に並べて縦材3同士をボルト5とナット8で固定し、キャップ9を被せて安全を図るようにしたもので、座って使用する机、テーブル、物置台などとして利用できる使用例である。
【0020】
図16は、前記図5に示す中空の箱型とした組立て家具ユニット1を上下に2つ連結固定して深中空箱としたものである。上下の連結は、使用していない四隅部に形成してある相対向隣接している2つの結合穴4同士を前述のようにボルト5、ナット8、止め板6及びキャップ9を利用することによって行えば、一体型とすることができる。物入れや子どもの隠れ家としての使用例がある。
【0021】
図17は、前記図2に示す横方向に2つ並べて連結固定した組立て家具ユニット1の1つの横材2の上方に更にもう1つの組立て家具ユニット1を重ねて連結固定して積み重ねたものである。この積み重ねの連結固定は、上方に位置する組立て家具ユニット1の開放側13の4つの結合穴4と下方に位置する組立て家具ユニット1の横材2の四隅部に位置する結合穴4をL字型部材14を用いて、ボルト5、ナット8及びキャップ9で、連結固定したものである。この場合は、本立て、物入れ付机、テーブル、物置台などに利用できる使用例である。
【0022】
図18は、組立て家具ユニット1を3つ横方向に連結固定して、横材2が床上に位置するように載置して形成される横長の空間内部に子どもが寝ている状態の利用例である。
【0023】
図19は、組立て家具ユニット1を上下2枚に重ねて連結固定したもので、前述のように、L字型部材14を用いて、上方に位置する組立て家具ユニット1の開放側13にある結合穴4と下方に位置する組立て家具ユニット1の横材2の四隅部にある結合穴4とをボルト5、ナット8及びキャップ9で連結したものである。物置台などに使用できる。
【0024】
図20は、図16に示す使用例のものを横方向に倒したもので、子どものトンネルや隠れ家として利用する使用例である。
【0025】
図21乃至図23は組立てユニット1の他の連結固定の仕方を示す。この内、図21は、組立て家具ユニット1の横材2と縦材3の側面に磁石15を嵌め込んでおくことによって、これらを磁力によって連結固定するようにしたものである。この場合には、隣接する2つの組立てユニット1を同じ向きにした場合において、相隣接する磁石15が異極となるようにしておく。磁石15は上下面にも設置すれば、上下方向の連結固定も磁力によって、着脱自在に組立てることができる。結合穴4にボルト5とナット8を使用して連結する場合に比べて、簡単に組立てできるが、瞬間的な力がかかると連結が外れ易いものとなる。
【0026】
又、図22は、組立て家具ユニット1を万力16を用いて、連結固定する例を示し、これによって相隣接する2つの組立て家具ユニット1の境界端部を万力16で固定するだけでよい。この場合には、万力16が載置する際や使用する際に邪魔にならないような位置で使用することとなる。
【0027】
更に又、図23は、2つの組立て家具ユニット1を横方向に並べてこれらの横材2の両端をバンド17で連結固定したものである。図示していないが、更に縦材3同士をバンド17で連結固定してもよい。
【0028】
尚、図24に示すように、組立て家具ユニット1の安全を更に高めるために横材2と縦材3が交わる部分の角を除去して、丸みを形成するようにしてもよい。
【0029】
図25は、この組立て家具ユニット1の他の実施形態を示し、縦材3の横材2の固定側の二隅にも2つの結合穴4を形成した実施形態である。この結合穴4を形成することによって、例えば、組立て家具ユニット1を長手方向に連結固定する場合には、縦材3の四隅部で連結固定できるので、強固な連結を得ることができる。
【0030】
尚、上記各実施形態で使用しているボルト5やナット8更にはキャップ9は合成樹脂製とし、ボルト5を締付回転させるドライバーも同様の材質のものを使用すれば、子どもであっても安全に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る組立て家具ユニットの斜視図である。
【図2】組立て家具ユニットの結合例を示す斜視図である。
【図3】図2における結合の仕方を示す斜視図である。
【図4】図2における断面A−Aを示す拡大断面図である。
【図5】組立て家具ユニットの他の結合例を示す斜視図である。
【図6】図5における結合の仕方を示す斜視図である。
【図7】図5における断面B−Bを示す拡大断面図である。
【図8】組立て家具ユニットのさらに他の結合例を示す斜視図である。
【図9】図8における結合の仕方を示す斜視図である。
【図10】図8における断面C−Cを示す拡大断面図である。
【図11】くつろぎスペース等としての使用例の斜視図である。
【図12】椅子としての使用例の斜視図である。
【図13】脚立としての使用例の斜視図である。
【図14】テーブル等としての使用例の斜視図である。
【図15】座って使用する机等としての使用例の斜視図である。
【図16】物入れ等としての使用例の斜視図である。
【図17】物置台等としての使用例の斜視図である。
【図18】お昼寝用ベッドとしての使用例の斜視図である。
【図19】物置台としての使用例の斜視図である。
【図20】子どもの隠れ家等としての使用例の斜視図である。
【図21】結合の仕方として磁石を使用する場合の斜視図である。
【図22】結合の仕方として万力を使用する場合の斜視図である。
【図23】結合の仕方としてバンドを使用する場合の斜視図である。
【図24】他の組立て家具ユニットの例を示す斜視図である。
【図25】さらに他の組立て家具ユニットの例を示す斜視図である。
【図26】従来技術の斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
1 組立て家具ユニット
2 横材
3 縦材
4 結合穴
13 開放側
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ幅を有し、その長さの比が2対1である薄板状のペーパーハニカムから成る長方形状の横材と正方形状の縦材とがコの字型となるように該横材の両端に該縦材を直角に固定し、且つ、前記横材の四隅部及び前記縦材の開放側の二隅部に結合穴を形成したことを特徴とする組立て家具。
【請求項2】
請求項1の組立て家具において、前記縦材の横材との固定側の二隅部にも結合穴を形成したことを特徴とする組立て家具。
【請求項1】
同じ幅を有し、その長さの比が2対1である薄板状のペーパーハニカムから成る長方形状の横材と正方形状の縦材とがコの字型となるように該横材の両端に該縦材を直角に固定し、且つ、前記横材の四隅部及び前記縦材の開放側の二隅部に結合穴を形成したことを特徴とする組立て家具。
【請求項2】
請求項1の組立て家具において、前記縦材の横材との固定側の二隅部にも結合穴を形成したことを特徴とする組立て家具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2008−289634(P2008−289634A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137568(P2007−137568)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】
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