説明

繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置

【課題】糸の速度を上昇させても均一に樹脂を含浸させ生産性を向上させることができるFRP用樹脂塗布装置を提供する。
【解決手段】ヤーン25が伸延する方向に直交するように、2組のしごき棒19,21が配置される。第1組のしごき棒19は、ボールネジ11により上下に移動可能な可動15にプレートに取り付けられ、第2組のしごき棒21は、固定プレート17に取り付けられている。可動プレートは、2組のしごき棒19,21が互いに入り組む位置である運転状態の位置と、2組のしごき棒19,21が互いに入り組まない位置である準備状態の位置との間を移動可能である。運転状態の位置では、ヤーン25は、交互にしごき棒の上下を走行経路とする。樹脂塗布部31,51,71は、しごき棒19と21との間のヤーン25にエポキシ樹脂を噴射して塗布する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、強化用繊維の糸にエポキシ樹脂等の樹脂を塗布してヤーンプリプレグを製造する繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ファイバによる高速・大容量の伝送を一般家庭に提供するFTTH(Fiber to the Home )がブロードバンド市場の主役として普及率を高めている。幹線ケーブルから光ファイバを宅内へ引き込むためのドロップケーブルは、光ファイバ心線と、テンションメンバとしてのケブラー(登録商標、一般的にはアラミド)繊維強化プラスチック(Kevlar Fiber Reinforced Plastics,KFRP)と、自重を支える支持線(鋼線)とを黒色ポリエチレンでモールドして形成される。
【0003】
このKFRPの製造には、例えば、特許文献1に記載のヤーンプリプレグ製造方法を利用することができる。この製造方法は、回転する溝付きローラの上部に溶融樹脂を一定量ずつ供給し、溝付きローラの下部の溝に走行する糸(ヤーン)を接触させて、糸に樹脂を含浸させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−81770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の製造方法では、糸の速度を上昇させると、樹脂の含浸が不均一となるので、生産性の向上が見込めないという問題点があった。
【0006】
以上の問題点に鑑み本発明の目的は、糸の速度を上昇させても均一に樹脂を含浸させ生産性を向上させることができる繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、強化用繊維の糸が伸延する方向に直交するように、且つ前記方向に所定間隔で複数のしごき棒を配置し、互いに隣接する2本のしごき棒の一方のしごき棒の上方を前記糸が通過するとともに他方のしごき棒の下方を前記糸が通過するような前記糸の走行位置とし、前記糸の上に流動性樹脂を噴射して前記糸に該流動性樹脂を含浸させることを要旨とする繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置である。
【0008】
また本発明においては、前記複数のしごき棒を前記糸の伸延方向に交互に2つの組に組分けし、一方の組のしごき棒を他方の組のしごき棒に対して相対的に移動させる可動機構を備えることができる。
【0009】
また本発明においては、前記可動機構は、前記所定間隔の2倍の間隔で他方の組のしごき棒が立設された固定プレートと、該固定プレートに対して相対的に移動可能に配置され、前記所定間隔の2倍の間隔で一方の組のしごき棒が立設された可動プレートと、を有し、前記可動プレートは、2組のしごき棒が互いに入り組む位置である運転状態の位置と、2組のしごき棒が互いに入り組まない位置である準備状態の位置との間を移動可能とすることができる。
【0010】
また本発明においては、前記しごき棒を20本備えることができる。
【0011】
また本発明においては、前記糸に前記流動性樹脂を噴射する樹脂塗布部を3箇所設けることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、交互にしごき棒の上下を縫うように強化用繊維の糸を伸延方向に走行させながら、前記糸の上に流動性樹脂を噴射して該流動性樹脂を糸に含浸させるので、糸の走行速度を高速化しても流動性樹脂が繊維間に確実に入り込み、生産性を向上させた繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置を提供することができるという効果がある。
【0013】
また本発明によれば、可動プレートの準備状態の位置で糸の経路を設定し、可動プレートを運転状態の位置へ移動させるだけで、多数のしごき棒の間に上下互い違いに糸を通すことが可能となり、装置運転のための準備時間を短縮することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置の第1の実施の形態の構成を説明する斜視図である。
【図2】(a)第1の実施の形態の準備状態を説明する要部正面図、(b)第1の実施の形態の運転状態を説明する要部正面図である。
【図3】本発明に係る繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置の第2の実施の形態の構成を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。尚、以下に説明する各実施形態は、強化用繊維としてアラミド繊維(パラ系全芳香族ポリアミド繊維)、プラスチックとしてエポキシ樹脂を用いた例を説明するが、強化用繊維とプラスチックとは、これらに限定されない。例えば、強化用繊維として、ガラス繊維、炭素繊維等、プラスチックとして、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が利用可能である。
【0016】
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置(以下、FRP用樹脂塗布装置と略す)の第1の実施形態の概要を示す斜視図である。FRP用樹脂塗布装置1は、図示しない作業台に基底部が固定される略直方体のフレーム3を備える。フレーム3の両端部に平行なガイドレール5,7が水平面に対して鉛直に設けられている。フレーム3の上部には、正逆両方に回転可能なハンドル9が設けられ、ハンドル9には、ボールネジ11が接続されている。ボールネジ11は、ハンドル9により正逆回転されることで、ガイドレール5,7に沿ってスライダ13を上下に移動可能となっている。スライダ13には、略長方形の板状の可動プレート15がその長辺がアラミド繊維のヤーン(糸)25の伸延方向に沿うように板面を立てて固定され、またフレーム3には、略長方形の板状の固定プレート17がその長辺がヤーン25の伸延方向に沿うように板面を立てて固定されている。
【0017】
ヤーン25は、図中右下から図中左上へ向かう方向に伸延している。そして、FRP用樹脂塗布装置1の運転時には、ヤーン25は、その伸延方向に走行するように、図外の線条体送出装置から繰り出され、FRP用樹脂塗布装置1によりエポキシ樹脂が塗布されて、図外の絞りダイスにより断面形状が円形に成形されるものとする。
【0018】
可動プレート15には、10本の第1組のしごき棒19が所定間隔の2倍の間隔で、長辺方向に直線状に板面に垂直に設けられている。固定プレート17には、10本の第2組のしごき棒21が所定間隔の2倍の間隔で、長辺方向に直線状に板面に垂直に設けられている。本実施形態では、所定間隔は、50[mm]としている。しごき棒19,21は、それぞれ直径6[mm]、長さ60[mm]である。
【0019】
可動プレート15には、しごき棒19、19の間の位置、及び最も右端のしごき棒19の右側に、それぞれU字型の切り欠き部27が設けられ、可動プレート15の上昇時に、固定プレート17のしごき棒21との干渉を避けることができるようになっている。
【0020】
可動プレート15は、ハンドル9を正逆回転させることにより、ボールネジ11を介して上下に移動可能となっているが、図1では、可動プレート15が上昇した運転状態の位置を示している。可動プレート15が下降した位置は、準備状態の位置であり、運転状態の位置と準備状態の位置との可動プレート15の移動距離は、20[mm]としている。
【0021】
尚、固定レバー23は、ハンドル9の回転をロックするためのレバーであり、ハンドル9を自由に回転させる位置と、ハンドル9の回転を阻止させる位置とがある。
【0022】
可動プレート15が上昇した運転状態の位置では、第1組のしごき棒19と第2組のしごき棒21とが互いに入り組み、両方の組を合わせたしごき棒19と21との間隔は、所定間隔である50[mm]となる。そして、強化用繊維の糸25は、第1組のしごき棒19の上方を通過するとともに第2組のしごき棒21の下方を通過する経路となる。
【0023】
樹脂塗布部31は、しごき棒間を走行するヤーン25の上にエポキシ樹脂を噴射することにより、ヤーン25に樹脂を塗布するものである。このため、樹脂塗布部31は、関節33a,33bと、アーム35a,35b,35cと、アーム35cの先端部にホルダ37を介して取り付けられたノズル39と、ノズル39に流動性樹脂であるエポキシ樹脂を供給する可撓性の樹脂供給チューブ41とを備えている。
【0024】
アーム35aの下端は、図示しない作業台にアーム35aの軸周りに回動自在に設置されている。関節33aは、アーム35aの上端とアーム35bの一端とを回動可能に接続する。関節33bは、アーム35bの他端とアーム35bc一端とを回動可能に接続する。アーム35cの他端である先端には、バンド37により先端部が下向きの円錐状のノズル39が固定されている。ノズル39の先端部には、エポキシ樹脂を噴射する孔が設けられ、ヤーン25の直上0.5〜1.0[mm]に開口している。ノズル39の基底部には、可撓性の樹脂供給チューブ41が接続され、図外の樹脂溜からエポキシ樹脂が供給可能となっている。尚、本実施形態では、樹脂塗布部は、図2に示すように、正確には3箇所設けているが、図面が煩雑になるので、1箇所の樹脂塗布部31のみを図1に示した。
【0025】
図2は、FRP用樹脂塗布装置1の状態を詳しく説明する模式図である。図2(a)の準備状態では、可動プレート15は、下方へ移動した状態である。この準備状態では、可動プレート15に設けられた第1組のしごき棒19a,19b,…,19jと、固定プレート17に設けられた第2組のしごき棒21a,21b,…,21jとは、互いに入り組まずに離れている。従って、ヤーン25の経路を固定プレート17に設けられた第2組のしごき棒21a,21b,…,21jの下部に接するように容易に設定することができる。
【0026】
本実施形態では、3箇所の樹脂塗布部31,51,71が設けられている。樹脂塗布部51,71は、それぞれ図1で説明した樹脂塗布部31と同様の構成を有するが、樹脂塗布位置が異なる。樹脂塗布部31は、ヤーン25の伸延方向(走行方向)では、3箇所の樹脂塗布部の間で最も上流側の位置である、しごき棒19aとしごき棒21bとの間に配置されている。樹脂塗布部51は、ヤーン25の伸延方向では、樹脂塗布部31の次に位置し、しごき棒19bとしごき棒21cとの間に配置されている。樹脂塗布部71は、ヤーン25の伸延方向では、3箇所の樹脂塗布部の間で最も下流側に位置し、しごき棒19dとしごき棒21eとの間に配置されている。
【0027】
図2(b)の運転状態は、図2(a)の準備状態からハンドル9を正回転させ可動プレート15を上昇させた状態である。この運転状態では、固定プレート17に設けられた第2組のしごき棒21a,21b,…,21jの各下部の高さより、可動プレート10に設けられた第1組のしごき棒19a,19b,…,19jの各上部が2〜3[mm]高くなるように、言い換えれば、第2組のしごき棒21a,21b,…,21jの各中心の高さより、第1組のしごき棒19a,19b,…,19jの各中心の高さが、4〜3[mm]低くなるように設定する。
【0028】
このように、可動プレート15を上昇させるだけで、ヤーン25の伸延方向に並んだ複数のしごき棒の上下を交互にヤーン25が通過するようにヤーン25の経路を設定することができる。この結果、交互にしごき棒の上下をヤーン25の走行位置として設定する運転準備時間を短縮することができる。
【0029】
そして、ヤーン25は、その伸延方向に走行するように、図外の線条体送出装置から繰り出され、FRP用樹脂塗布装置1によりエポキシ樹脂が塗布されて、図外の絞りダイスにより断面形状が円形に成形される。
【0030】
運転状態では、樹脂塗布部31,51,71により、ヤーン25の上にエポキシ樹脂43を噴射する。樹脂塗布部31は、しごき棒19aとしごき棒21bとの間の位置のヤーン25にエポキシ樹脂43を噴射し、樹脂塗布部51は、しごき棒19bとしごき棒21cとの間の位置のヤーン25にエポキシ樹脂43を噴射し、樹脂塗布部71は、しごき棒19dとしごき棒21eとの間の位置のヤーン25にエポキシ樹脂43を噴射する。
【0031】
ヤーン25は、樹脂塗布部31によりエポキシ樹脂が噴射された後、しごき棒21bにより上方から押さえられるので、エポキシ樹脂がヤーン25を構成する各フィラメントの間に浸透するとともに、一部は、ヤーン25の下方の表面上に溢れ出す。そして、ヤーン25は、しごき棒19bにより下方から押さえられるので、下方から再びヤーン25の内部へエポキシ樹脂がヤーン25を構成する各フィラメントの間に浸透する。
【0032】
次いでヤーン25は、樹脂塗布部51によりエポキシ樹脂が噴射された後、しごき棒21cにより上方から押さえられるので、エポキシ樹脂がヤーン25を構成する各フィラメントの間に浸透するとともに、一部は、ヤーン25の下方の表面上に溢れ出す。さらにヤーン25は、しごき棒19c、21d、19dにより下方、上方、下方から交互に押さえられるので、エポキシ樹脂がヤーン25を構成する各フィラメントの間にさらに浸透する。さらに、ヤーン25は、樹脂塗布部71によりエポキシ樹脂が噴射された後、しごき棒21e、19e、…、19jにより、交互に上方と下方から押さえられるので、ヤーン25の各フィラメント間には、十分にエポキシ樹脂が浸透する。
【0033】
尚、ヤーン25にエポキシ樹脂の塗布が終了すると、ハンドル9を逆回転させて、可動プレート15を下降させる。これにより、図2(a)の準備状態へ戻ることができ、容易にヤーン25をFRP用樹脂塗布装置1から取り外すことができる。
【0034】
以上説明した本実施形態では、しごき棒の数を20とし、樹脂塗布部の数を3箇所としたので、ヤーンの走行速度を100[m/min]まで高速化しても安定した樹脂塗布特性が得られ、高い生産性を有するFRP用樹脂塗布装置を提供することができる。
【0035】
[第2の実施形態]
図3は、本発明に係るFRP用樹脂塗布装置の第2の実施形態の概要を示す斜視図である。本実施形態は、複数のしごき棒をヤーンの伸延方向に交互に2組に組分けした一方の組のしごき棒を他方の組のしごき棒に対して相対的に移動可能とする可動機構を省略し、しごき棒の数を4本として、樹脂塗布部の数を1とした実施形態である。本実施形態は、要求されるヤーン走行速度が第1の実施形態ほどの高くない場合、例えば、40[m/min]に適合し、装置構成が簡単となる。
【0036】
FRP用樹脂塗布装置101は、アラミド繊維のヤーン25の伸延方向に沿う方向に長辺が配置された長方形の固定プレート81と、この固定プレート81にヤーン25の伸延方向におよそ等間隔に直線状に設けられた4本のしごき棒85a,85b,85c,85dを備えている。
【0037】
ヤーン25は、図中右下から図中左上へ向かう方向に伸延している。そして、FRP用樹脂塗布装置101の運転時には、ヤーン25は、その伸延方向に走行するように、図外の線条体送出装置から繰り出され、FRP用樹脂塗布装置101によりエポキシ樹脂が塗布されて、図外の絞りダイスにより断面形状が円形に成形されるものとする。
【0038】
しごき棒85a,85b,85c,85dは、それぞれブラケット83により固定プレート81の面と垂直に、且つヤーン25の伸延方向と直交する方向に固定されている。また固定プレート81には、樹脂塗布部91が設けられている。
【0039】
FRP用樹脂塗布装置101の運転準備時に、ヤーン25の経路は、以下のように設定される。ヤーン25から見て、最初のしごき棒85aの上部を通り、2番目のしごき棒85bの下部を通り、3番目のしごき棒85cの上部を通り、最後の4番目のしごき棒85dの下部を通る経路である。
【0040】
樹脂塗布部91は、逆L字型のホルダ93により固定プレート81に固定され、先端部がヤーン25の直上0.5〜1.0[mm]に開口し、エポキシ樹脂99を噴射可能なノズル95を備えている。ノズル95は、ヤーン25の走行方向の位置としては、最初のしごき棒85aと2番目のしごき棒85bとの間の位置に設定されている。ノズル95には、図外の樹脂容器から流動性樹脂である硬化前のエポキシ樹脂がシリコン樹脂等を用いた可撓性の樹脂供給チューブ97により供給可能となっている。
【0041】
そして運転時には、ヤーン25は、その伸延方向に走行するように、図外の線条体送出装置から繰り出され、FRP用樹脂塗布装置101によりエポキシ樹脂が塗布されて、図外の絞りダイスにより断面形状が円形に成形される。この運転時に、ノズル95は、最初のしごき棒85aと2番目のしごき棒85bとの間のヤーン25の上にエポキシ樹脂99を噴射する。ヤーン25は、2番目のしごき棒85bにより上方から押さえられるので、エポキシ樹脂がヤーン25を構成する各フィラメントの間に浸透するとともに、一部は、ヤーン25の下方の表面上に溢れ出す。そして、ヤーン25は、3番目のしごき棒85cにより下方から押さえられるので、下方から再びヤーン25の内部へエポキシ樹脂がヤーン25を構成する各フィラメントの間に浸透する。さらにヤーン25は、4番目のしごき棒85dにより上方から押さえられるので、エポキシ樹脂がヤーン25を構成する各フィラメントの間にさらに浸透する。
【0042】
以上、実施形態を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明は本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及び特許請求の範囲の記載と均等の範囲により決定されるものである。
【符号の説明】
【0043】
1 FRP用樹脂塗布装置
3 フレーム
5,7 ガイドレール
9 ハンドル
11 ボールネジ
13 スライダ
15 可動プレート
17 固定プレート
19 しごき棒
21 しごき棒
23 ロックレバー
25 ヤーン(糸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化用繊維の糸が伸延する方向に直交するように、且つ前記方向に所定間隔で複数のしごき棒を配置し、互いに隣接する2本のしごき棒の一方のしごき棒の上方を前記糸が通過するとともに他方のしごき棒の下方を前記糸が通過するような前記糸の走行位置とし、前記糸の上に流動性樹脂を噴射して前記糸に該流動性樹脂を含浸させることを特徴とする繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置。
【請求項2】
前記複数のしごき棒を前記糸の伸延方向に交互に2つの組に組分けし、一方の組のしごき棒を他方の組のしごき棒に対して相対的に移動させる可動機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置。
【請求項3】
前記可動機構は、
前記所定間隔の2倍の間隔で他方の組のしごき棒が立設された固定プレートと、
該固定プレートに対して相対的に移動可能に配置され、前記所定間隔の2倍の間隔で一方の組のしごき棒が立設された可動プレートと、を有し、
前記可動プレートは、2組のしごき棒が互いに入り組む位置である運転状態の位置と、
2組のしごき棒が互いに入り組まない位置である準備状態の位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置。
【請求項4】
前記しごき棒を20本備えたことを特徴とする請求項3に記載の繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置。
【請求項5】
前記糸に前記流動性樹脂を噴射する樹脂塗布部を3箇所設けたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の繊維強化プラスチック用樹脂塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−20476(P2012−20476A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159862(P2010−159862)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】