説明

義手および力伝達手段

本発明は、本体(2)を有する義手(1)であって、この本体には、少なくとも1本の義指(3,4,5)が関節式に取り付けられており、この義指は、力伝達手段(10)を介して義指(3,4,5)に結合されている駆動装置(6)によって、少なくとも1つの回動軸(15)を中心として可動であってなる義手に関する。力伝達手段(10)は、駆動装置と義指(3,4,5)との間で、引っ張り強くおよび圧力弾性的に、特に曲げ弾性的に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体を有する義手であって、この本体には、少なくとも1本の義指が関節式に取り付けられており、この義指は、力伝達手段を介して義指に結合されている駆動装置によって、少なくとも1つの回動軸を中心として可動であってなる義手ならびに力伝達手段自体に関する。
【背景技術】
【0002】
手を切断する必要があったとき、あるいは事故によって原状回復できずに手を腕から切り離されたとき、手の外観および部分的に機能を、義手によって代替することができる。この目的のために、義手は、指の模造として形成されている複数の把持手段を、物体を把持することができるために、相対して動かすことができなければならない。
【0003】
US 2004/0015240 A1から公知である2指グリッパのほかに、かさ歯車によって手の本体としっかり結合されている駆動装置を有する義手が意図される。ここでは、駆動装置の回転方向に従って、複数の義指を互いに向かってまたは互いに離れるように動かす。この駆動装置を、筋電信号によって制御することができる。このような義手は、US2005/0021154 A1に記載されている。このような義手の感じは、余り自然ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、手の自然の姿に近い構成および機能を準備するために用いる義手および力伝達手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に基づき、上記課題は、請求項1の特徴を有する義手ならびに請求項9に記載の特徴を有する力伝達手段によって解決される。本発明の好都合な実施の形態は、従属請求項に記載されている。
【0006】
本体を有する、本発明に係わる義手であって、この本体には、少なくとも1本の義指が関節式に取り付けられており、この義指は、力伝達手段を介して義指に結合されている駆動装置によって、少なくとも1つの回動軸を中心として可動であってなる義手は、力伝達手段が、駆動装置と義指との間で、圧力弾性的にまたは曲げ弾性的におよび引っ張り強く形成されていることを意図する。従来の義手は、駆動装置と義指との間に剛性の連結手段を有する。これに対し、駆動装置を義指と圧力弾性的にまたは曲げ弾性的に連結することによって、力伝達手段の圧力負荷を受けて、従って、手を閉じることすなわち義指と手の本体との間の角度を縮小する力の作用の際に、義指が撓み、自然な感じのほかに、機械的な構成要素の保護も引き起こすことが保証されている。構成要素の保護は、義指が物体に偶然ぶつかる際に生じる時々かなりの力が、力伝達手段を介して間接的に駆動装置に伝達されることによって、基づいている。むしろ、力伝達手段の、曲げ弾性的な、好ましくは跳ね返り性の構造に基づき、義指の移動と、義指に作用する力の、動きへの変換とが可能となる。この動きは、義指の最大限の屈曲角度までなされることができる。
【0007】
これに対し、開いた基本位置から始まって、義指の、スムーズなかつ確実性のおよび正確な閉じ運動を保証するために、力伝達手段は、引っ張り強く形成されており、すなわち、引っ張り力は、出来る限り力伝達手段の伸びなしに伝達されるのである。この目的のために、力伝達手段が、好ましくは、引っ張り力を伝達するために用いるロープ部材、ストランド部材または繊維部材を有することが意図されている。このようなロープ部材、ストランド部材または繊維部材は、ワイヤロープまたは強力な繊維例えば炭素繊維、アラミドまたはガラス繊維から製造されていることが可能である。このほかに、他のプラスチック繊維または天然繊維が用いられる。高い引っ張り力を駆動装置から義指に伝達することができるように、ロープ部材、ストランド部材または繊維部材は、閉じたループとして形成されている。この代わりに、開いたループのまたはねじれたループの使用が考えられる。2つの開いたロープ端部またはストランド端部の結合、あるいは、他の部材の材料でのまたは駆動装置でのまたは義指でのロープ端部またはストランド端部の取着を、ねじれ、添え継ぎまたは貼着によって行なうことができる。以下、ロープ部材のみを述べるとき、繊維部材またはストランド部材も含まれている。
【0008】
本発明の実施の形態は、力伝達手段が、エラストマ部材を有し、このエラストマ部材によって、力伝達手段の曲げ弾性を、広い範囲に亘って調整することが可能であることを意図する。好ましくはロープ部材を少なくとも部分的に取り囲んでおりまたは完全に保持するエラストマ材料の適切な選択によって、一方では、挿入されたロープ部材に基づいて、非常に高い引っ張り力を有し、他方では、エラストマ部材に基づいて、所望の曲げ弾性的なおよび圧力弾性的な特性を有する、静止位置で形状安定的な物体を、製造することが可能である。
【0009】
この代わりに、力伝達手段は、ばね・ダンパユニットとして、特に、空気圧式ユニットとして形成されていてもよい。ばね・ダンパユニットでは、圧力負荷を受けて空気の嵩が圧縮され、この空気の嵩は、圧縮力の中止後に緩和され、空気圧式ピストンの従ってまた義指の戻りを引き起こす。この代わりに、力伝達手段は、場合によっては予め緊張されているばねとして、形成されていてもよい。
【0010】
力伝達手段を駆動装置および義指に関節結合するためには、力伝達手段に埋設されている軸受ブシュが設けられている。これらの軸受ブシュが、エラストマ要素またはエラストマ部材によって取り囲まれており、ロープ部材または繊維部材の内部に、好ましくはロープループまたは繊維ループの内部にある。
【0011】
手の本体の内側の方向に屈曲された義指の戻りの動きを実現化することができるために、力伝達手段は、ばね弾性的に形成されている。それ故に、義指は、駆動装置によるまたは駆動装置と連結されている伝達要素による引っ張り力を加えることなく出発位置に戻される。この出発位置が、僅かに開いた手に対応することは好ましい。従って、力伝達手段は、限定された圧縮力を伝達することができる。力伝達手段の適切な関節結合または形成によって、基本位置から出発して義指を僅かに過伸展することが可能となる。力伝達手段のばね定数は、力伝達手段に圧縮力を負荷する際に、従って、義指を手の本体の内側の方向に回動させる際に、義指の、出発位置への戻りが引き起こされるように、定められている。従って、復元力は、義手の内部の保持力または摩擦力を克服するほどに大きくなければならない。
【0012】
本発明の実施の形態は、複数の力伝達手段が、共通の取付点に取り付けられており、この取付点は、義指の屈曲を引き起こすために、義指の回動軸に対し可動であることを意図する。共通の取付点は、駆動装置にまたは歯車装置の出力要素に直接設けられていてよい。共通の取付によって、屈曲の運動の同期を容易にすることができる。
【0013】
同様に、2つの力伝達手段は、共通のロープ部材、繊維部材またはストランド部材によって、互いに結合されていることができる。共通のロープ部材、繊維部材またはストランド部材が、共通の取付点および異なった義指に取り付けられていることは好ましい。次に、ロープ部材、繊維部材またはストランド部材は、駆動装置によって共通の取付点を介して義指の回動軸に対して相対的な移動に基づいて発生する引っ張り力を、義指に伝達し、義指の屈曲を引き起こす。この場合、ロープ部材、繊維部材またはストランド部材は、取付点に沿って摺動し、かくて、互いに結合されている2本の義指の均等な屈曲を保証することができる。
【0014】
複数の力伝達手段は、共通の取付点に取り付けられているロッカーに取着されていることができる。これらの力伝達手段は、共通の取付点からの異なった間隔をあけてロッカーに取着されていることができる。その目的は、義手内部の形状的な条件にまたは使用条件に適合して、各々の義指を動かすことができるためである。
【0015】
力伝達手段は、複数の方向で、ばね弾性的に形成されていることが可能である。それ故に、縦軸の方向における圧力負荷の際に、複数の取付点は相対して可動である。全方向に曲げ可能な力伝達手段は、玉継手のように作用し、理想的な軸位置からのずれを補償する。場合によっては、軸を中心とした回転可能な取付を省略することができる。
【0016】
義手の駆動装置からの力を、手の本体に関節式に取り付けられた義指に伝達させるための力伝達手段は、上記のように形成されており、駆動装置および義指の容易なかつ安価な連結ならびに引っ張り力の有効な伝達を可能にする。更に、望ましくない負荷に抗して可撓性のある取付および簡単な戻りが、力伝達手段によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施に形態を詳述する。異なった図面での同一の参照符号は同一の要素を示す。図1には、手の本体2と、この本体2に関節式に取り付けられている少なくとも3つの義指3,4,5とからなる義手1が示されている。義指3,4,5は、自然の手の親指、人差し指および中指に対応する。これらの3本の義指3,4,5の、可動なおよび駆動装置6によって作動可能な取着は、手の、多数の把持機能を実行することができるためには、十分である。2本の残りの指、薬指および小指は、パッシブに共に動かされ、エラストマ材料からなることができる。その目的は、出来る限り自然な感じを得るためである。手の本体2の内部には、関連の歯車装置を有する電動機の形態をとる駆動装置6が取り付けられている。同様に、駆動装置6のための図示しないエネルギ源が、手の本体2の内部に設けられていてもよい。駆動装置6の制御は、同様に手の本体2に設けられていることができる制御装置によってなされる。適切な信号は、遠隔制御によって発生され、あるいは、筋電信号として形成されていてもよい。
【0018】
図2には、義手1の機能方法の略図が示されている。手の本体2には、3本の義指3,4,5が、関節軸15を中心として回動可能に取り付けられている。義指3,4,5は、下記に詳述する構造を有する力伝達手段10によって、回転ディスク7に結合されている。回転ディスクは、電動機6によって駆動される。力伝達手段10は、軸16上に、回転ディスク7に直接またはロッカー8を介して取り付けられている。人差し指4および薬指5は、回転自在に回転ディスク7に取り付けられているロッカー8によって、互いに連結されている。回転ディスク7自体は、駆動装置6の出力軸にまたは歯車装置の出力軸に直接に取り付けられている。駆動装置6が作動されるとき、回転ディスク7は相応の回転角度だけ回転される。このことによって、軸16が、義指3の回動軸15に対し相対的に動かされる。このことは、力伝達手段10の引っ張り強い構造の故におよび力伝達手段10を、回転軸15から間隔をあけて、義指3,4,5に関節結合することの故に、義指3,4,5の回動をもたらす。駆動装置6が逆転され、回転ディスク7が、軸16が義指3,4,5の回動軸15への最小限の距離を有するときの位置へ、動かされるとき、開いた出発位置が得られる。そのとき、力伝達手段10の弾性特性によって、義指3,4,5が、義指の開いた出発位置に動かされる。この場合、力伝達手段10が、圧縮力より著しく高い引っ張り力を伝達することが意図されている。このことは、手を閉じる際には開く際よりも著しく大きな力を加えることができる自然な手の、身体的な条件(physiologische Gegebenheiten)に対応する。明瞭さという理由から、薬指および小指は示されていない。これらの指は、パッシブに中指5に関節結合されて、このことによって、共に動かされることができる。
【0019】
図3には、力伝達手段10が断面図で示されている。この力伝達手段は、ここではループとして形成されているロープ部材または繊維部材11からなる。ロープ部材11は、複数のストランドまたは単独ループからなり、および、スチールロープまたはプラスチックロープまたは他の強力な繊維材料からなってもよい。ロープ部材11は、エラストマ要素12に埋設されている。このことによって、力伝達手段10は、形状安定的な、しかし曲げ弾性的な形状を得る。エラストマ部材12は、シリコン、ゴムまたは他の弾性材料からなってもよい。形状安定性にも拘わらず、ロープ部材または繊維部材11の撓み性によっておよびエラストマ要素12の圧力弾性的なまたは曲げ弾性的な特性によって、力伝達手段10に作用する圧縮力に基づく変形、特に撓みが可能である。このことによって、力伝達手段10を介して駆動装置6または回転ディスク7と連結されている義指3,4,5を、手の本体の内側の方向に動かすことができる。力伝達手段10のばね弾性的な特性に基づいて戻りを行なうのは、対応の反力がないときである。
【0020】
ループとして形成されているロープ部材または繊維部材11の内部に、2つの軸受ブシュ13,14が設けられている。これらの軸受ブシュは、同様に、エラストマ要素12、例えばシリコン材料部分に埋設されている。軸受ブシュ13,14は、対応の軸上で、義指3,4,5に取り付けられており、軸16上で、回転ディスク7またはブリッジ8に取り付けられている。軸受ブシュ13,14は、例えば、青銅からなる。その目的は、対応の軸16を有するすべり軸受を形成するためである。一目瞭然という理由から、義指3,4,5に設けられた連結軸は示されていない。このような連結軸は、回転軸15から間隔をあけて位置している。その結果、力伝達手段10を介して引っ張り力を加えることによって、回転軸15を中心としてトルクが発生される。このことは、義指3,4,5の、トルクに応じた動きをもたらす。
【0021】
図3bおよび3cには、軸受ブシュ13,14の回転軸が直交していることが認められる。このことは、回転ディスク7と、この回転ディスク上に設けられまたは回転ディスクに関連して設けられた軸16とを実際に設けることに基づいている。軸受ブシュ13,14の回転軸は、互いに平行にまたは他の角度で向けられていてもよい。
【0022】
同様に、図3aないし3cには、ロープ部材または繊維部材11が完全にエラストマ要素12に埋設されており、このことによって、一方では、ロープ部材または繊維部材11が外側からの影響に対し保護され、他方では、力伝達手段10の形状安定性が高められることが認められる。図3dは、長手方向に圧力を受けてかつ曲がった力伝達手段10の変形した形状を示す。軸受ブシュ14は、図3aないし3cに示すのとは異なって、軸受ブシュ13と直交していない。むしろ、変形によって、軸受ブシュ13,14同士の従ってまた回転軸15,16の曲がった配置が引き起こされる。力伝達手段10は、複数の方向づけでの弾性変形が可能である故に、玉継手として作用し、例えば製造公差に基づいて誤り軸位置も補償することができる。
【0023】
図示した実施の形態の代わりに、力伝達手段10は、圧力弾性の、例えばばね弾性のおよび引っ張り強い他の要素、例えば、弾性的な屈曲棒(Knickstab)または偏向棒または相応に構成されたワイヤループから製造されていてもよい。
【0024】
圧力弾性的な取着によって、衝撃力が、義指3,4,5から駆動装置6または回転ディスク7に直接伝達されない。むしろ、思いがけない衝撃運動がばねで受け止められかつ緩和される。このことは、義手1の自然な感じのほかに、例えば転倒の際の、軸受および駆動構成要素の寿命を伸ばす。
【0025】
図示した実施の形態の代わりに、力伝達手段10は、適切な制御を有する適切なばね・ダンパユニットとして構成されていてもよい。この制御は、例えば、適切な弁制御手段を有し、引っ張り力を有効に伝達することができるが、圧縮力の際には弾性可撓性を発生させる空気圧式のまたは液圧式のシリンダによってなされる。空気圧式の構造によって、内側へ曲げられた義指の戻りが引き起こされる。
【0026】
ロープ部材の構造が十分に曲げ弾性的であるとき、エラストマ部材を省略することができる。エラストマ部材の引っ張り強さが十分であるとき、エラストマ部材が、只1つの力伝達手段として形成されていてもよい。
【0027】
図4には、ロッカー8が、単独拡大図で示されている。ロッカー8は、ブシュの形態の共通の取付点18を有する。このブシュは、図示しない回転ディスク7上の対応の軸に装着されることができる。ロッカー8は、この軸に、共通の取付点18を中心として回転自在に取り付けられており、回転軸16には、図示しない力伝達手段10のための取着点を有する。回転軸16または取着点と、共通の取付点18の回転中心点との距離a,bは、異なって形成されていることが可能である。その目的は、義手の内部の形状的なまたは機械的な条件を考慮することができるためである。
【0028】
図5には、図2の部分が、拡大した尺度で示されている。同一の参照符号は同一の構成部材を示す。図5から読み取れるように、別個にデザインされている2つの力伝達手段10が、ロッカー8を介して、共通の取付点18に取り付けられている。図5に示す実施の形態の代わりに、力伝達手段10が、回転ディスク7に設けられたロッカー8なしでも、共通の取付点または共通の軸に取り付けられていることができる。義指4,5に関連して設けられた軸受ブシュ14は、ロッカー8に設けられた回転軸16に対し実質的に直交しているが、人差し指4において示すように、回転軸に対し斜めに向けられていることも可能である。
【0029】
図6では、図5の実施の形態の変形例が示されている。この変形例では、ロープ部材11が、開いたループとして形成されている。このループは、例えば接合または貼着によって軸受ブシュ14に取着されている。ロープ部材11は、人差し指の義指および中指の義指4,5の2つの軸受ブシュ14を結合している。ロープ部材は、部分的に、力伝達手段10のエラストマ部材に埋設されている。ロッカー8の領域には、ロープ部材11が、共通の取付点18の後方に、あるいは回転ディスク7上の回転軸を回って案内されており、共通の取付点18の、回転軸15に対して相対的な移動の故に、引っ張り力を受け入れる。このような引っ張り力は、ロープ部材11によって、軸受ブシュ14に伝達され、軸受ブシュ14を回転軸15に対し間隔をあけて取り付けていることによって、回転軸15を中心としたトルクを引き起こす。このことによって、義指4,5が屈曲される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】義手の略図を示す。
【図2】義手の機能構成の部分略図を示す。
【図3a】力伝達手段の図を示す。
【図3b】力伝達手段の他の図を示す。
【図3c】力伝達手段の更に他の図を示す。
【図3d】力伝達手段の更に他の図を示す。
【図4】ロッカーの詳細図を示す。
【図5】図2の詳細図を示す。
【図6】図5の変形例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体を有する義手であって、この本体には、少なくとも1本の義指が関節式に取り付けられており、この義指は、力伝達手段を介して前記義指に結合されている駆動装置によって、少なくとも1つの回動軸を中心として可動であってなる義手において、
前記力伝達手段(10)は、前記駆動装置(6)と前記義指(3,4,5)との間で、引っ張り強く、そして圧力弾性的にまたは曲げ弾性的に形成されていることを特徴とする義手。
【請求項2】
前記力伝達手段(10)は、ロープ部材または繊維部材(11)またはストランドを有することを特徴とする請求項1に記載の義手。
【請求項3】
前記ロープ部材または繊維部材(11)またはストランドは、閉じた、開いたまたはねじれたループとして形成されていることを特徴とする請求項2に記載の義手。
【請求項4】
前記力伝達手段(10)は、エラストマ部材(12)を有することを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の義手。
【請求項5】
前記エラストマ部材(12)は、前記ロープ部材または繊維部材(11)あるいはストランドを少なくとも部分的に取り囲んでいることを特徴とする請求項4に記載の義手。
【請求項6】
前記力伝達手段(10)は、ばね弾性的に形成されていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の義手。
【請求項7】
前記力伝達手段(10)のばね定数は、前記力伝達手段(10)に圧縮力を負荷する際に、前記義指(3,4,5)の、出発位置への戻りが引き起こされるように、定められていることを特徴とする請求項6に記載の義手。
【請求項8】
前記力伝達手段(10)は、ばね・ダンパユニットとして、特に、空気圧式ユニットまたは液圧式ユニットとして、あるいはばねとして形成されていることを特徴とする請求項1に記載の義手。
【請求項9】
前記力伝達手段(10)は、前記本体(2)および前記義指(3,4,5)に関連して設けられている軸(15,16)を保持する軸受ブシュ(13,14)を有することを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の義手。
【請求項10】
複数の力伝達手段(10)が、共通の取付点(18)に取り付けられており、この取付点(18)は、前記義指(3,4,5)の前記回動軸(15)に対し可動であることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の義手。
【請求項11】
2つの力伝達手段(10)は、共通のロープ部材、繊維部材またはストランド部材(11)によって、互いに結合されていることを特徴とする請求項10に記載の義手。
【請求項12】
前記共通のロープ部材、繊維部材またはストランド部材(11)は、前記共通の取付点(18)におよび異なった義指(3,4,5)に取り付けられていることを特徴とする請求項11に記載の義手。
【請求項13】
前記複数の力伝達手段(10)は、前記共通の取付点(18)に取り付けられているロッカー(8)に取着されていることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1に記載の義手。
【請求項14】
前記複数の力伝達手段(10)は、前記共通の取付点(18)から異なった間隔(a,b)をあけて前記ロッカー(8)に取着されていることを特徴とする請求項13に記載の義手。
【請求項15】
前記力伝達手段(10)は、複数の方向で、ばね弾性的に形成されていることを特徴とする前記すべての請求項のいずれか1に記載の義手。
【請求項16】
義手(1)の駆動装置(6)からの力を、手の本体(2)に関節式に取り付けられた義指(3,4,5)に伝達するための、請求項1ないし15のいずれか1に記載の力伝達手段(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−519795(P2009−519795A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546103(P2008−546103)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際出願番号】PCT/DE2006/002175
【国際公開番号】WO2007/076763
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(505307895)オットー・ボック・ヘルスケア・アイピー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー (29)
【Fターム(参考)】