脱穀扱胴
【課題】 扱胴周方向に並ぶ複数の扱胴前後向きの桟部材と、前記複数の桟部材に支持されたバー形の扱歯とを備えた脱穀扱胴において、脱穀負荷の異常な増大も、脱穀不足の発生も抑制することができるようにする。
【解決手段】 桟部材18の両端側に姿勢変更手段30を設けてある。姿勢変更手段30は、扱歯19を後退角θが付いた後退取付け姿勢と、後退角の無い非後退取付け姿勢とに切り換える。
【解決手段】 桟部材18の両端側に姿勢変更手段30を設けてある。姿勢変更手段30は、扱歯19を後退角θが付いた後退取付け姿勢と、後退角の無い非後退取付け姿勢とに切り換える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扱胴周方向に並ぶ複数の扱胴前後向きの桟部材と、前記複数の桟部材に支持されたバー形の扱歯とを備えた脱穀扱胴に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の脱穀扱胴は、脱穀処理物の供給量が多くても、稈屑を桟部材の間から脱穀扱胴内に入り込ませて負荷増大を抑制させながら脱穀処理を行なわせることが可能となったものである。
この種の脱穀扱胴としては、従来、たとえば特許文献1に記載されたものがあった。
特許文献1に記載された脱穀扱胴では、桟部材としての丸パイプ材と、丸棒鋼材で構成された扱歯とを備えている。
また、特許文献1に記載された脱穀扱胴では、扱胴の中間部に位置する扱歯は、一直線状に形成され、かつ扱胴支軸の中心と丸パイプ材の中心とを結ぶ線上に位置する状態で丸パイプ材に固定されている。扱胴の後端部に位置する扱歯は、後退角を有する状態でパイプ材に固定されている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−20450号公報(段落〔0042〕、〔0043〕、〔0058〕、〔0059〕、図2−5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の脱穀扱胴では、扱歯を後退角が付いた取り付け姿勢で固定されるか、あるいは後退角が無い取り付け姿勢で固定されており、穀稈の性質や供給量によっては、扱歯が後退角を備えていることにより、駆動負荷の異常な増大を抑制することができても脱穀不足が発生しがちになるか、あるいは扱歯が後退角を備えていないことにより、脱穀不足が発生しにくくても駆動負荷の異常な増大が発生しがちになる場合があった。
【0005】
本発明の目的は、脱穀負荷の異常な増大も、脱穀不足の発生も抑制することができる脱穀扱胴を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明は、扱胴周方向に並ぶ複数の扱胴前後向きの桟部材と、前記複数の桟部材に支持されたバー形の扱歯とを備えた脱穀扱胴において、
前記扱歯を後退角が付いた後退取付け姿勢と、後退角の無い非後退取付け姿勢とに切り換える姿勢変更手段を設けてあることにある。
【0007】
本第1発明の構成によると、姿勢変更手段によって扱歯を後退取り付け姿勢に切り換えると、扱歯が後退角の付いた状態となり、穀稈の扱歯に対する引っ掛かりを回避しやすくなって脱穀負荷の増大を抑制しやすい。一方、姿勢変更手段によって扱歯を非後退角取り付け姿勢に切り換えると、扱歯が後退角の無い状態となり、扱歯が穀稈に係止しやすくなって脱穀を不足なく行なわせやすい。
【0008】
したがって、扱歯を後退取り付け姿勢と非後退取り付け姿勢とに適切に切り換えることにより、脱穀穀稈の性質や供給量にかかわらず脱穀負荷の増大や脱穀不足を抑制して能率よくかつ精度よく脱穀処理を行わせられる脱穀扱胴を得ることができる。
【0009】
本第2発明では、前記姿勢変更手段は、前記桟部材の支持プレートに対する取り付け角を変更する手段である。
【0010】
本第2発明によると、桟部材の取り付け角を変更し、桟部材に支持される扱歯を一挙に後退取り付け姿勢と非後退取り付け姿勢とに切り換えるものである。
【0011】
したがって、脱穀負荷の増大や脱穀不足を抑制して脱穀処理できるのみならず、そのための扱歯の取り付け姿勢の切り換えを迅速に行える高品質の脱穀扱胴を得ることができる。
【0012】
本第3発明では、前記姿勢変更手段を前記複数の桟部材それぞれに設けてある。
【0013】
本第3発明の構成によると、扱歯の後退取り付け姿勢と非後退取り付け姿勢との切り換えを桟部材毎に行ない、扱歯に後退角が付いた桟部材と、扱歯に後退角が付いていない桟部材とを混在させることができる。
【0014】
したがって、後退角が付いた扱歯と後退角が無い扱歯とが脱穀扱胴周方向に交互に入れ替るなど、後退角が付いた扱歯と後退角が無い扱歯とを各種の配列で備えて各種の脱穀性能を発揮する脱穀扱胴を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る脱穀扱胴が装備された全稈投入型脱穀機の縦断側面図である。図2は、本発明の実施例に係る脱穀扱胴が装備された全稈投入型脱穀機の正面図である。これらの図に示すように、この全稈投入型脱穀機は、脱穀機体1の機体内上部に設けた扱室2およびこの扱室2に設けた本発明の実施例に係る脱穀扱胴10を有した脱穀部Aと、前記脱穀機体1の機体内下部に設けた選別室3を有した選別部Bとを備えている。
【0016】
この全稈投入型脱穀機は、自走機体(図示せず)に搭載されて稲、麦などの収穫作業を行うコンバインを構成する。
【0017】
前記脱穀部Aは、前記扱室2と前記脱穀扱胴10とを備える他、前記扱室2の下部に前記脱穀扱胴10の前後方向と周方向とに沿わせて設けた受網4と、脱穀機体1の天板部1aの内面側に脱穀扱胴10の前後方向に並べて設けた送塵弁5とを備えている。
【0018】
すなわち、脱穀部Aは、自走機体が備えるエンジン(図示せず)からの駆動力を、伝動ベルトを利用した伝動機構6によって脱穀扱胴10の回転支軸11に伝達して、脱穀扱胴10を脱穀機体前後向きの回転軸芯Pまわりに図2に示す回転方向Fに回転駆動し、フィーダコンベヤ7によって刈り取り部(図示せず)からの刈り取り穀稈を投入口8から扱室2の前部に、刈り取り穀稈の株元から穂先までの稈身全体にわたって投入させる。
【0019】
脱穀部Aは、扱室2の前部に投入された刈り取り穀稈を、脱穀扱胴10の前端部に位置する掻き込み胴部12によって脱穀扱胴10の後部側に掻き込み供給し、脱穀扱胴10の後部側に流入した刈り取り穀稈を、脱穀扱胴10による旋回流動と、前記送塵弁5による案内作用とによって扱室後方側に移送しながら、脱穀扱胴10と受網4とによる扱き作用によって脱穀処理する。脱穀処理によって発生した脱穀粒を受網4の目合から落下させる。脱穀処理によって発生した脱穀排ワラなどの塵埃を、扱室2の後端部に位置する送塵口13から脱穀機体1の排出口9に落下させ、この排出口9から機体外に排出する。
【0020】
前記受網4は、脱穀扱胴10の周方向に沿った丸棒材の複数本を脱穀扱胴前後方向に並べて備え、脱穀扱胴10の前後方向に沿った帯板で成る格子の複数本を脱穀扱胴周方向に並べて備えて構成してあり、横格子網になっている。
【0021】
前記選別部Bは、前記選別室3を備える他、この選別室3の上部に駆動揺動自在に設けた揺動選別装置20と、この揺動選別装置20の前端部の下方に駆動回転自在に設けた唐箕21と、選別室3の下部に脱穀機体前後方向に並べて設けた一番スクリューコンベヤ22と二番スクリューコンベヤ23とを備えている。
【0022】
選別部Bは、受網4から落下した脱穀処理物を揺動選別装置20によって受け止め、この揺動選別装置20が備える粗選別グレンパン24とチャフシーブ25とストローラック26と精選別グレンパン27とグレンシーブ28とによる揺動選別と、唐箕21によって供給される脱穀機体後方向きの選別風とによって穀粒と塵埃とに選別する。選別した穀粒のうちの一番処理物を、一番スクリューコンベヤ22に落下させ、この一番スクリューコンベヤ22によって機体外に搬出する。選別した穀粒のうちの二番処理物を、二番スクリューコンベヤ23に落下させ、この二番スクリューコンベヤ23とこの二番スクリューコンベヤ23に接続した還元装置(図示せず)とによって揺動選別装置20の始端部に還元する。選別した塵埃を前記排出口9に移送して選別風と共に機体外に排出する。
【0023】
図3は、前記脱穀扱胴10の前端側部分の側面図である。図4は、前記脱穀扱胴10の後端側部分の側面図である。これらの図と図2とに示すように、前記脱穀扱胴10は、前記回転支軸11と前記掻き込み胴部12とを備える他、前記掻き込み胴部12よりも脱穀扱胴後方側に設けた脱穀処理部14とを備えている。
【0024】
前記掻き込み胴部12は、前記回転支軸11に一体回転自在に支持されたドラム12aと、このドラム12aの外周面に一体回転自在に設けた二枚の螺旋プレートで成る掻き込み歯12bとを備えている。
【0025】
前記脱穀処理部14は、前記回転支軸11に脱穀扱胴前後方向に並べて一体回転自在に支持させた三枚の支持プレート15,16,17と、脱穀扱胴周方向に等間隔を隔てて並ぶ配置で前記三枚の支持プレート15,16,17に支持させた脱穀扱胴前後向きの六つの桟部材18と、前記六つの桟部材18それぞれに脱穀扱胴前後方に並べて支持させた扱歯19とを備えて構成してある。
【0026】
前記各桟部材18は、円形の鋼管材によって構成してある。前記各扱歯19は、前記桟部材18から脱穀扱胴外側に延出させた丸棒材によってバー形に構成してある。前記各扱歯19は、脱穀扱胴全体としての扱歯19が螺旋状に並ぶ配置になっている。
【0027】
つまり、脱穀扱胴10は、前記投入口8から扱室2の前端部に投入された刈り取り穀稈を前記二枚の掻き込み歯12bによって前記脱穀処理部14に掻き込み供給し、脱穀処理部14に入った刈り取り穀稈を扱歯19と受網4とによる扱き作用によって脱穀する。このとき、脱穀扱胴10は、稈屑を扱歯19によって旋回流動させ、この旋回流動と前記送塵弁5による流動案内とによって前記送塵口13に向けて移送する。脱穀扱胴10は、穀稈量の増大に伴って稈屑を桟部材18の間から脱穀扱胴内に入り込ませて脱穀負荷の増大を抑制する。
【0028】
前記各扱歯19は、桟部材18から脱穀扱胴内側に突出した延長歯部19bを備えている。つまり、脱穀処理部14は、脱穀扱胴10の内部に入り込んだ穀稈や稈屑を延長歯部19bによる打撃と梳き作用とによって脱粒およびほぐし処理する。
【0029】
前記脱穀扱胴10は、前記六つの桟部材18それぞれの両端側に設けた姿勢変更手段30を備えている。
【0030】
以下において、前記三枚の支持プレート15,16,17のうちの最も脱穀扱胴前端側に位置する端支持プレート15を前端支持プレート15と称する。前記三枚の支持プレート15,16,17のうちの最も脱穀扱胴後端側に位置する端支持プレート17を後端支持プレート17と称する。前記三枚の支持プレート15,16,17のうちの前記後端支持プレート17よりも脱穀扱胴前端側に位置する支持プレート16を内支持プレート16と称して説明する。前記前端支持プレート15と、前記ドラム12aの後プレートとは、同一のプレートになっている。
【0031】
図5,6,7に示すように、前記姿勢変更手段30は、桟部材18の前端部または後端部に固設された連結プレート31を備え、この連結プレート31に設けた一対の第一ボルト孔32,32と一対の第二ボルト孔33,33と一つの第三ボルト孔34とを備え、前記連結プレート31を前記前端支持プレート15または前記後端支持プレート17に締め付け連結する一対の連結ボルト35,35を備えて構成してある。
【0032】
図5は、前記姿勢変更手段30の後退取り付け調節状態での正面図である。この図に示すように、一対の連結ボルト35,35を前記第二ボルト孔33と、前端支持プレート15または後端支持プレート17のボルト孔36とに装着すると、前記姿勢変更手段30は、後退取り付け調節状態になる。すると、姿勢変更手段30は、桟部材18の前端支持プレート15と後端支持プレート17とに対する取り付け角を桟部材18の軸芯18aまわりに変更し、これによって扱歯19を後退取り付け姿勢に切り換えて扱歯19に後退角θを備えさせる。
【0033】
図6は、前記姿勢変更手段30の伸長調節および後退解消調節状態での正面図である。この図に示すように、前記一対の連結ボルト35,35を前記第一ボルト孔32と、前端支持プレート15または後端支持プレート17のボルト孔36とに装着すると、前記姿勢変更手段30は、伸長調節および後退解消調節状態になる。すると、姿勢変更手段30は、桟部材18の前端支持プレート15と後端支持プレート17とに対する取り付け位置を脱穀扱胴外側に変更し、かつ桟部材18の前端支持プレート15と後端支持プレート17とに対する取り付け角を桟部材18の軸芯18aまわりに変更し、これによって扱歯19を伸長状態での非後退取り付け姿勢に切り換えて扱歯19の先端19aの脱穀扱胴10の回転軸芯Pからの距離を大距離L1にするとともに扱歯19の後退角を無くす。
【0034】
図7は、前記姿勢変更手段30の短縮調節および後退解消調節状態での正面図である。この図に示すように、前記一対の連結ボルト35,35を一方の第二ボルト孔33または前記第三ボルト孔34と、前端支持プレート15または後端支持プレート17のボルト孔37とに装着すると、前記姿勢変更手段30は、短縮調節および後退解消調節状態になる。すると、姿勢変更手段30は、桟部材18の前端支持プレート15と後端支持プレート17とに対する取り付け位置を脱穀扱胴内側に変更し、かつ桟部材18の前端支持プレート15と後端支持プレート17とに対する取り付け角を桟部材18の軸芯18aまわりに変更し、これによって扱歯19を短縮状態での非後退取り付け姿勢に切り換えて扱歯19の先端19aの脱穀扱胴10の回転軸芯Pからの距離を小距離L2にするとともに扱歯19の後退角を無くす。
【0035】
図8は、前記内支持プレート16の桟部材支持構造の正面図である。この図に示すように、内支持プレート16は、内支持プレート16の一側面に連結ボルト40によって連結された係止部材41が備える切り欠き凹部42によって桟部材18を回転自在に支持し、前記姿勢変更手段30による桟部材18の取り付け角変更を許容する。
【0036】
内支持プレート16は、前記係止部材41が備えるボルト孔43の長孔による作用によって係止部材41の取り付け位置を脱穀扱胴内外方向に変更することにより、前記姿勢変更手段30による桟部材18の取り付け位置変更を許容する。
【0037】
脱穀扱胴は、前記姿勢手段30を操作することにより、脱穀処理形態が種々異なった状態になる。
すなわち、図9に示すように、全ての桟部材18の前記姿勢変更手段30を伸長調節および後退解消調節状態に操作することにより、全ての扱歯19が伸長状態での非後退取り付け姿勢になり、脱穀扱胴10は、全ての扱歯19の後退角が無くて全ての扱歯19を穀稈に係止しやすくした状態で、かつ全ての扱歯19の先端19aの受網4との間隔が小になって受網4の上に処理物を残しにくくした状態で脱穀処理する。
【0038】
図10に示すように、全ての桟部材18の前記姿勢変更手段30を短縮調節および後退解消調節状態に操作することにより、全ての扱歯19が短縮状態での非後退取り付け姿勢になり、脱穀扱胴10は、全ての扱歯19の後退角がなくて全ての扱歯19を穀稈に係止しやすくした状態で、かつ全ての扱歯19の先端19aの受網4との間隔が大になって受網上での処理物の流れを容易にした状態で脱穀処理する。
【0039】
図11に示すように、全ての桟部材18の前記姿勢変更手段30を後退取り付け調節状態に操作することにより、全ての扱歯19が後退取り付け姿勢になり、脱穀扱胴10は、全ての扱歯19が後退角θを備えて全ての扱歯19に対する穀稈の絡み付きを発生しにくくした状態で脱穀処理する。
【0040】
図12に示すように、一部の桟部材18の前記姿勢変更手段30を後退解消調節状態に操作し、一部の桟部材18の前記姿勢変更手段30を後退取り付け調節状態に操作することにより、一部の扱歯19が非後退取り付け姿勢になり、一部の扱歯19が後退取り付け姿勢になり、脱穀扱胴10は、一部の扱歯19の後退角が無くて一部の扱歯19を穀稈に係止しやすくした状態で、かつ一部の扱歯19に後退角θを備えさせて一部の扱歯19に対する穀稈の絡み付きを発生しにくくした状態で脱穀処理する。
【0041】
図2,3に示すように、脱穀部Aは、扱室2の上部に脱穀扱胴前後方向に並べて設けた稈切り刃50を備えている。
【0042】
前記複数の稈切り刃50は、前記内支持プレート16よりも脱穀扱胴前端側の前記内支持プレート16の近くに脱穀扱胴前後方向に並べて機体フレーム51に支持させてある。
つまり、前記複数の稈切り刃50は、内支持プレート16の脱穀扱胴前方側近くに脱穀前後方向に並んで位置する複数本の扱歯19に各別に対応し、稈屑が前記内支持プレート16に受け止められて内支持プレート16の前付近に滞留しても、この稈屑を対応する扱歯19との協働によって切断処理して扱室後方側に流れやすくする。
【0043】
図13は、別の実施構造を備えた姿勢変更手段60の正面図である。この図に示すように、この姿勢変更手段60は、桟部材18を挟んだ配置で扱歯19に装着された位置決めねじ61を備えている。
この姿勢変更手段60は、前記位置決めねじ61を回転操作し、扱歯19を桟部材18に対して脱穀扱胴内外方向に移動操作することにより、扱歯19を扱歯先端19aの脱穀扱胴回転軸芯からの距離Lが大となった伸長取り付け姿勢と、扱歯先端19aの脱穀扱胴回転軸芯からの距離Lが小となった短縮取り付け姿勢とに姿勢変更する。
【0044】
この姿勢変更手段60によると、各桟部材18において、一部の扱歯19の先端19aの脱穀扱胴回転軸芯からの距離Lを大にし、一部の扱歯19の先端19aの脱穀扱胴回転軸芯からの距離Lを小にするといる扱歯調節を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】全稈投入型脱穀機の縦断側面図
【図2】全稈投入型脱穀機の正面図
【図3】脱穀扱胴の前端側部分の側面図
【図4】脱穀扱胴の後端側部分の側面図
【図5】姿勢変更手段の後退取り付け調節状態での正面図
【図6】姿勢変更手段の伸長調節および後退解消調節状態での正面図
【図7】姿勢変更手段の短縮調節および後退解消調節状態での正面図
【図8】内支持プレートの桟部材支持構造の正面図
【図9】脱穀扱胴の正面図
【図10】脱穀扱胴の正面図
【図11】脱穀扱胴の正面図
【図12】脱穀扱胴の正面図
【図13】別実施例の姿勢変更手段の正面図
【符号の説明】
【0046】
15,17 支持プレート
18 桟部材
19 扱歯
30 姿勢変更手段
θ 後退角
【技術分野】
【0001】
本発明は、扱胴周方向に並ぶ複数の扱胴前後向きの桟部材と、前記複数の桟部材に支持されたバー形の扱歯とを備えた脱穀扱胴に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の脱穀扱胴は、脱穀処理物の供給量が多くても、稈屑を桟部材の間から脱穀扱胴内に入り込ませて負荷増大を抑制させながら脱穀処理を行なわせることが可能となったものである。
この種の脱穀扱胴としては、従来、たとえば特許文献1に記載されたものがあった。
特許文献1に記載された脱穀扱胴では、桟部材としての丸パイプ材と、丸棒鋼材で構成された扱歯とを備えている。
また、特許文献1に記載された脱穀扱胴では、扱胴の中間部に位置する扱歯は、一直線状に形成され、かつ扱胴支軸の中心と丸パイプ材の中心とを結ぶ線上に位置する状態で丸パイプ材に固定されている。扱胴の後端部に位置する扱歯は、後退角を有する状態でパイプ材に固定されている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−20450号公報(段落〔0042〕、〔0043〕、〔0058〕、〔0059〕、図2−5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の脱穀扱胴では、扱歯を後退角が付いた取り付け姿勢で固定されるか、あるいは後退角が無い取り付け姿勢で固定されており、穀稈の性質や供給量によっては、扱歯が後退角を備えていることにより、駆動負荷の異常な増大を抑制することができても脱穀不足が発生しがちになるか、あるいは扱歯が後退角を備えていないことにより、脱穀不足が発生しにくくても駆動負荷の異常な増大が発生しがちになる場合があった。
【0005】
本発明の目的は、脱穀負荷の異常な増大も、脱穀不足の発生も抑制することができる脱穀扱胴を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明は、扱胴周方向に並ぶ複数の扱胴前後向きの桟部材と、前記複数の桟部材に支持されたバー形の扱歯とを備えた脱穀扱胴において、
前記扱歯を後退角が付いた後退取付け姿勢と、後退角の無い非後退取付け姿勢とに切り換える姿勢変更手段を設けてあることにある。
【0007】
本第1発明の構成によると、姿勢変更手段によって扱歯を後退取り付け姿勢に切り換えると、扱歯が後退角の付いた状態となり、穀稈の扱歯に対する引っ掛かりを回避しやすくなって脱穀負荷の増大を抑制しやすい。一方、姿勢変更手段によって扱歯を非後退角取り付け姿勢に切り換えると、扱歯が後退角の無い状態となり、扱歯が穀稈に係止しやすくなって脱穀を不足なく行なわせやすい。
【0008】
したがって、扱歯を後退取り付け姿勢と非後退取り付け姿勢とに適切に切り換えることにより、脱穀穀稈の性質や供給量にかかわらず脱穀負荷の増大や脱穀不足を抑制して能率よくかつ精度よく脱穀処理を行わせられる脱穀扱胴を得ることができる。
【0009】
本第2発明では、前記姿勢変更手段は、前記桟部材の支持プレートに対する取り付け角を変更する手段である。
【0010】
本第2発明によると、桟部材の取り付け角を変更し、桟部材に支持される扱歯を一挙に後退取り付け姿勢と非後退取り付け姿勢とに切り換えるものである。
【0011】
したがって、脱穀負荷の増大や脱穀不足を抑制して脱穀処理できるのみならず、そのための扱歯の取り付け姿勢の切り換えを迅速に行える高品質の脱穀扱胴を得ることができる。
【0012】
本第3発明では、前記姿勢変更手段を前記複数の桟部材それぞれに設けてある。
【0013】
本第3発明の構成によると、扱歯の後退取り付け姿勢と非後退取り付け姿勢との切り換えを桟部材毎に行ない、扱歯に後退角が付いた桟部材と、扱歯に後退角が付いていない桟部材とを混在させることができる。
【0014】
したがって、後退角が付いた扱歯と後退角が無い扱歯とが脱穀扱胴周方向に交互に入れ替るなど、後退角が付いた扱歯と後退角が無い扱歯とを各種の配列で備えて各種の脱穀性能を発揮する脱穀扱胴を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る脱穀扱胴が装備された全稈投入型脱穀機の縦断側面図である。図2は、本発明の実施例に係る脱穀扱胴が装備された全稈投入型脱穀機の正面図である。これらの図に示すように、この全稈投入型脱穀機は、脱穀機体1の機体内上部に設けた扱室2およびこの扱室2に設けた本発明の実施例に係る脱穀扱胴10を有した脱穀部Aと、前記脱穀機体1の機体内下部に設けた選別室3を有した選別部Bとを備えている。
【0016】
この全稈投入型脱穀機は、自走機体(図示せず)に搭載されて稲、麦などの収穫作業を行うコンバインを構成する。
【0017】
前記脱穀部Aは、前記扱室2と前記脱穀扱胴10とを備える他、前記扱室2の下部に前記脱穀扱胴10の前後方向と周方向とに沿わせて設けた受網4と、脱穀機体1の天板部1aの内面側に脱穀扱胴10の前後方向に並べて設けた送塵弁5とを備えている。
【0018】
すなわち、脱穀部Aは、自走機体が備えるエンジン(図示せず)からの駆動力を、伝動ベルトを利用した伝動機構6によって脱穀扱胴10の回転支軸11に伝達して、脱穀扱胴10を脱穀機体前後向きの回転軸芯Pまわりに図2に示す回転方向Fに回転駆動し、フィーダコンベヤ7によって刈り取り部(図示せず)からの刈り取り穀稈を投入口8から扱室2の前部に、刈り取り穀稈の株元から穂先までの稈身全体にわたって投入させる。
【0019】
脱穀部Aは、扱室2の前部に投入された刈り取り穀稈を、脱穀扱胴10の前端部に位置する掻き込み胴部12によって脱穀扱胴10の後部側に掻き込み供給し、脱穀扱胴10の後部側に流入した刈り取り穀稈を、脱穀扱胴10による旋回流動と、前記送塵弁5による案内作用とによって扱室後方側に移送しながら、脱穀扱胴10と受網4とによる扱き作用によって脱穀処理する。脱穀処理によって発生した脱穀粒を受網4の目合から落下させる。脱穀処理によって発生した脱穀排ワラなどの塵埃を、扱室2の後端部に位置する送塵口13から脱穀機体1の排出口9に落下させ、この排出口9から機体外に排出する。
【0020】
前記受網4は、脱穀扱胴10の周方向に沿った丸棒材の複数本を脱穀扱胴前後方向に並べて備え、脱穀扱胴10の前後方向に沿った帯板で成る格子の複数本を脱穀扱胴周方向に並べて備えて構成してあり、横格子網になっている。
【0021】
前記選別部Bは、前記選別室3を備える他、この選別室3の上部に駆動揺動自在に設けた揺動選別装置20と、この揺動選別装置20の前端部の下方に駆動回転自在に設けた唐箕21と、選別室3の下部に脱穀機体前後方向に並べて設けた一番スクリューコンベヤ22と二番スクリューコンベヤ23とを備えている。
【0022】
選別部Bは、受網4から落下した脱穀処理物を揺動選別装置20によって受け止め、この揺動選別装置20が備える粗選別グレンパン24とチャフシーブ25とストローラック26と精選別グレンパン27とグレンシーブ28とによる揺動選別と、唐箕21によって供給される脱穀機体後方向きの選別風とによって穀粒と塵埃とに選別する。選別した穀粒のうちの一番処理物を、一番スクリューコンベヤ22に落下させ、この一番スクリューコンベヤ22によって機体外に搬出する。選別した穀粒のうちの二番処理物を、二番スクリューコンベヤ23に落下させ、この二番スクリューコンベヤ23とこの二番スクリューコンベヤ23に接続した還元装置(図示せず)とによって揺動選別装置20の始端部に還元する。選別した塵埃を前記排出口9に移送して選別風と共に機体外に排出する。
【0023】
図3は、前記脱穀扱胴10の前端側部分の側面図である。図4は、前記脱穀扱胴10の後端側部分の側面図である。これらの図と図2とに示すように、前記脱穀扱胴10は、前記回転支軸11と前記掻き込み胴部12とを備える他、前記掻き込み胴部12よりも脱穀扱胴後方側に設けた脱穀処理部14とを備えている。
【0024】
前記掻き込み胴部12は、前記回転支軸11に一体回転自在に支持されたドラム12aと、このドラム12aの外周面に一体回転自在に設けた二枚の螺旋プレートで成る掻き込み歯12bとを備えている。
【0025】
前記脱穀処理部14は、前記回転支軸11に脱穀扱胴前後方向に並べて一体回転自在に支持させた三枚の支持プレート15,16,17と、脱穀扱胴周方向に等間隔を隔てて並ぶ配置で前記三枚の支持プレート15,16,17に支持させた脱穀扱胴前後向きの六つの桟部材18と、前記六つの桟部材18それぞれに脱穀扱胴前後方に並べて支持させた扱歯19とを備えて構成してある。
【0026】
前記各桟部材18は、円形の鋼管材によって構成してある。前記各扱歯19は、前記桟部材18から脱穀扱胴外側に延出させた丸棒材によってバー形に構成してある。前記各扱歯19は、脱穀扱胴全体としての扱歯19が螺旋状に並ぶ配置になっている。
【0027】
つまり、脱穀扱胴10は、前記投入口8から扱室2の前端部に投入された刈り取り穀稈を前記二枚の掻き込み歯12bによって前記脱穀処理部14に掻き込み供給し、脱穀処理部14に入った刈り取り穀稈を扱歯19と受網4とによる扱き作用によって脱穀する。このとき、脱穀扱胴10は、稈屑を扱歯19によって旋回流動させ、この旋回流動と前記送塵弁5による流動案内とによって前記送塵口13に向けて移送する。脱穀扱胴10は、穀稈量の増大に伴って稈屑を桟部材18の間から脱穀扱胴内に入り込ませて脱穀負荷の増大を抑制する。
【0028】
前記各扱歯19は、桟部材18から脱穀扱胴内側に突出した延長歯部19bを備えている。つまり、脱穀処理部14は、脱穀扱胴10の内部に入り込んだ穀稈や稈屑を延長歯部19bによる打撃と梳き作用とによって脱粒およびほぐし処理する。
【0029】
前記脱穀扱胴10は、前記六つの桟部材18それぞれの両端側に設けた姿勢変更手段30を備えている。
【0030】
以下において、前記三枚の支持プレート15,16,17のうちの最も脱穀扱胴前端側に位置する端支持プレート15を前端支持プレート15と称する。前記三枚の支持プレート15,16,17のうちの最も脱穀扱胴後端側に位置する端支持プレート17を後端支持プレート17と称する。前記三枚の支持プレート15,16,17のうちの前記後端支持プレート17よりも脱穀扱胴前端側に位置する支持プレート16を内支持プレート16と称して説明する。前記前端支持プレート15と、前記ドラム12aの後プレートとは、同一のプレートになっている。
【0031】
図5,6,7に示すように、前記姿勢変更手段30は、桟部材18の前端部または後端部に固設された連結プレート31を備え、この連結プレート31に設けた一対の第一ボルト孔32,32と一対の第二ボルト孔33,33と一つの第三ボルト孔34とを備え、前記連結プレート31を前記前端支持プレート15または前記後端支持プレート17に締め付け連結する一対の連結ボルト35,35を備えて構成してある。
【0032】
図5は、前記姿勢変更手段30の後退取り付け調節状態での正面図である。この図に示すように、一対の連結ボルト35,35を前記第二ボルト孔33と、前端支持プレート15または後端支持プレート17のボルト孔36とに装着すると、前記姿勢変更手段30は、後退取り付け調節状態になる。すると、姿勢変更手段30は、桟部材18の前端支持プレート15と後端支持プレート17とに対する取り付け角を桟部材18の軸芯18aまわりに変更し、これによって扱歯19を後退取り付け姿勢に切り換えて扱歯19に後退角θを備えさせる。
【0033】
図6は、前記姿勢変更手段30の伸長調節および後退解消調節状態での正面図である。この図に示すように、前記一対の連結ボルト35,35を前記第一ボルト孔32と、前端支持プレート15または後端支持プレート17のボルト孔36とに装着すると、前記姿勢変更手段30は、伸長調節および後退解消調節状態になる。すると、姿勢変更手段30は、桟部材18の前端支持プレート15と後端支持プレート17とに対する取り付け位置を脱穀扱胴外側に変更し、かつ桟部材18の前端支持プレート15と後端支持プレート17とに対する取り付け角を桟部材18の軸芯18aまわりに変更し、これによって扱歯19を伸長状態での非後退取り付け姿勢に切り換えて扱歯19の先端19aの脱穀扱胴10の回転軸芯Pからの距離を大距離L1にするとともに扱歯19の後退角を無くす。
【0034】
図7は、前記姿勢変更手段30の短縮調節および後退解消調節状態での正面図である。この図に示すように、前記一対の連結ボルト35,35を一方の第二ボルト孔33または前記第三ボルト孔34と、前端支持プレート15または後端支持プレート17のボルト孔37とに装着すると、前記姿勢変更手段30は、短縮調節および後退解消調節状態になる。すると、姿勢変更手段30は、桟部材18の前端支持プレート15と後端支持プレート17とに対する取り付け位置を脱穀扱胴内側に変更し、かつ桟部材18の前端支持プレート15と後端支持プレート17とに対する取り付け角を桟部材18の軸芯18aまわりに変更し、これによって扱歯19を短縮状態での非後退取り付け姿勢に切り換えて扱歯19の先端19aの脱穀扱胴10の回転軸芯Pからの距離を小距離L2にするとともに扱歯19の後退角を無くす。
【0035】
図8は、前記内支持プレート16の桟部材支持構造の正面図である。この図に示すように、内支持プレート16は、内支持プレート16の一側面に連結ボルト40によって連結された係止部材41が備える切り欠き凹部42によって桟部材18を回転自在に支持し、前記姿勢変更手段30による桟部材18の取り付け角変更を許容する。
【0036】
内支持プレート16は、前記係止部材41が備えるボルト孔43の長孔による作用によって係止部材41の取り付け位置を脱穀扱胴内外方向に変更することにより、前記姿勢変更手段30による桟部材18の取り付け位置変更を許容する。
【0037】
脱穀扱胴は、前記姿勢手段30を操作することにより、脱穀処理形態が種々異なった状態になる。
すなわち、図9に示すように、全ての桟部材18の前記姿勢変更手段30を伸長調節および後退解消調節状態に操作することにより、全ての扱歯19が伸長状態での非後退取り付け姿勢になり、脱穀扱胴10は、全ての扱歯19の後退角が無くて全ての扱歯19を穀稈に係止しやすくした状態で、かつ全ての扱歯19の先端19aの受網4との間隔が小になって受網4の上に処理物を残しにくくした状態で脱穀処理する。
【0038】
図10に示すように、全ての桟部材18の前記姿勢変更手段30を短縮調節および後退解消調節状態に操作することにより、全ての扱歯19が短縮状態での非後退取り付け姿勢になり、脱穀扱胴10は、全ての扱歯19の後退角がなくて全ての扱歯19を穀稈に係止しやすくした状態で、かつ全ての扱歯19の先端19aの受網4との間隔が大になって受網上での処理物の流れを容易にした状態で脱穀処理する。
【0039】
図11に示すように、全ての桟部材18の前記姿勢変更手段30を後退取り付け調節状態に操作することにより、全ての扱歯19が後退取り付け姿勢になり、脱穀扱胴10は、全ての扱歯19が後退角θを備えて全ての扱歯19に対する穀稈の絡み付きを発生しにくくした状態で脱穀処理する。
【0040】
図12に示すように、一部の桟部材18の前記姿勢変更手段30を後退解消調節状態に操作し、一部の桟部材18の前記姿勢変更手段30を後退取り付け調節状態に操作することにより、一部の扱歯19が非後退取り付け姿勢になり、一部の扱歯19が後退取り付け姿勢になり、脱穀扱胴10は、一部の扱歯19の後退角が無くて一部の扱歯19を穀稈に係止しやすくした状態で、かつ一部の扱歯19に後退角θを備えさせて一部の扱歯19に対する穀稈の絡み付きを発生しにくくした状態で脱穀処理する。
【0041】
図2,3に示すように、脱穀部Aは、扱室2の上部に脱穀扱胴前後方向に並べて設けた稈切り刃50を備えている。
【0042】
前記複数の稈切り刃50は、前記内支持プレート16よりも脱穀扱胴前端側の前記内支持プレート16の近くに脱穀扱胴前後方向に並べて機体フレーム51に支持させてある。
つまり、前記複数の稈切り刃50は、内支持プレート16の脱穀扱胴前方側近くに脱穀前後方向に並んで位置する複数本の扱歯19に各別に対応し、稈屑が前記内支持プレート16に受け止められて内支持プレート16の前付近に滞留しても、この稈屑を対応する扱歯19との協働によって切断処理して扱室後方側に流れやすくする。
【0043】
図13は、別の実施構造を備えた姿勢変更手段60の正面図である。この図に示すように、この姿勢変更手段60は、桟部材18を挟んだ配置で扱歯19に装着された位置決めねじ61を備えている。
この姿勢変更手段60は、前記位置決めねじ61を回転操作し、扱歯19を桟部材18に対して脱穀扱胴内外方向に移動操作することにより、扱歯19を扱歯先端19aの脱穀扱胴回転軸芯からの距離Lが大となった伸長取り付け姿勢と、扱歯先端19aの脱穀扱胴回転軸芯からの距離Lが小となった短縮取り付け姿勢とに姿勢変更する。
【0044】
この姿勢変更手段60によると、各桟部材18において、一部の扱歯19の先端19aの脱穀扱胴回転軸芯からの距離Lを大にし、一部の扱歯19の先端19aの脱穀扱胴回転軸芯からの距離Lを小にするといる扱歯調節を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】全稈投入型脱穀機の縦断側面図
【図2】全稈投入型脱穀機の正面図
【図3】脱穀扱胴の前端側部分の側面図
【図4】脱穀扱胴の後端側部分の側面図
【図5】姿勢変更手段の後退取り付け調節状態での正面図
【図6】姿勢変更手段の伸長調節および後退解消調節状態での正面図
【図7】姿勢変更手段の短縮調節および後退解消調節状態での正面図
【図8】内支持プレートの桟部材支持構造の正面図
【図9】脱穀扱胴の正面図
【図10】脱穀扱胴の正面図
【図11】脱穀扱胴の正面図
【図12】脱穀扱胴の正面図
【図13】別実施例の姿勢変更手段の正面図
【符号の説明】
【0046】
15,17 支持プレート
18 桟部材
19 扱歯
30 姿勢変更手段
θ 後退角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱胴周方向に並ぶ複数の扱胴前後向きの桟部材と、前記複数の桟部材に支持されたバー形の扱歯とを備えた脱穀扱胴であって、
前記扱歯を後退角が付いた後退取付け姿勢と、後退角の無い非後退取付け姿勢とに切り換える姿勢変更手段を設けてある脱穀扱胴。
【請求項2】
前記姿勢変更手段は、前記桟部材の支持プレートに対する取り付け角を変更する手段である請求項1記載の脱穀扱胴。
【請求項3】
前記姿勢変更手段を前記複数の桟部材それぞれに設けてある請求項2記載の脱穀扱胴。
【請求項1】
扱胴周方向に並ぶ複数の扱胴前後向きの桟部材と、前記複数の桟部材に支持されたバー形の扱歯とを備えた脱穀扱胴であって、
前記扱歯を後退角が付いた後退取付け姿勢と、後退角の無い非後退取付け姿勢とに切り換える姿勢変更手段を設けてある脱穀扱胴。
【請求項2】
前記姿勢変更手段は、前記桟部材の支持プレートに対する取り付け角を変更する手段である請求項1記載の脱穀扱胴。
【請求項3】
前記姿勢変更手段を前記複数の桟部材それぞれに設けてある請求項2記載の脱穀扱胴。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−219444(P2009−219444A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68053(P2008−68053)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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