脱穀機の選別装置

【課題】揺動選別装置のチャフシーブに付着する藁屑等の減少を図ろうとするものである。
【解決手段】穀稈の供給を受けて脱穀室６内を挟持移送中に軸支内装した扱胴６ａで脱穀した脱穀済み脱穀処理物の供給を受けて揺動移送しながら揺動選別する移送始端部側から複数の山形状に形成した移送棚９ａと、チャフシーブ装置１０と、左右方向に複数のストローラック９ｂと、流下棚９ｃと設けると共に、チャフシーブ装置１０の下側には、グレンシーブ９ｄ等を設けてなる揺動選別装置８等とを設けた脱穀機において、前記揺動選別装置８のチャフシーブ装置１０には、前後方向に所定間隔で左右方向に複数のチャフシーブ１１を円周方向に３６０度回転自在に軸支して設けたことを特徴とする脱穀機の選別装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
脱穀済みの脱穀処理物を受けて、揺動移送しながら揺動選別する移送始端部側から設ける移送棚の後側のチャフシ−ブ装置には、前後方向に所定間隔で左右方向に複数のチャフシーブを円周方向に３６０度回転自在に軸支して設けた技術であり、脱穀機の選別装置として利用できる。
【背景技術】
【０００２】
例えば、コンバインへ載置した脱穀装置であると、刈取り穀稈は、脱穀装置へ供給されて引継ぎされ、挟持移送中にこの脱穀装置の扱室へ軸支内装した扱胴で脱穀され、脱穀済みの脱穀処理物は、受網から漏下して、特開平６−２２６３４号公報で示す揺動選別ケース内へ供給される。
【０００３】
特開平６−２２６３４号公報で示す如く揺動選別ケース内へ落下供給された脱穀処理物は、揺動移送されながら、移送始端部より、順次配設される下記部品により、揺動選別される。複数の山形形状よりなるグレンパンと、複数個で上部が接合して、表裏二枚の板体よりなり、裏側の板体が開閉移動自在なチャフシーブと、このチャフシーブの上側の複数のストローラックと、後側の複数のストローラックと、下側前部の複数の山形形状よりなるグレンパンと、グレンシーブと、後側の各ストローラックの下側の流下棚等との、これらの部品により、揺動移送選別される。
【０００４】
又、前記揺動選別ケース内へ落下供給される脱穀処理物の供給量により、各チャフシーブの裏側の板体が開閉制御されて、これら各チャフシーブ間より漏下する漏下量を調節する構成である。
【特許文献１】特開平６−２２６３４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
揺動選別ケース内のチャフシーブは、表裏二枚の板体よりなり、この裏側の板体を開閉自在に設け、漏下量が調節できる構成であるが、特に濡れ扱ぎを行うと、表側へ設けた板体の表面部へ藁屑、及び塵埃が付着してたまることがあり、このために、脱穀作業の継続ができなくなることがある。これにより、脱穀作業を途中で中断し、チャフシーブの表面部を掃除する必要があったが、この発明により、この問題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
このために、この発明は、請求項１に記載の発明においては、穀稈の供給を受けて脱穀室６内を挟持移送中に軸支内装した扱胴６ａで脱穀した脱穀済み脱穀処理物の供給を受けて揺動移送しながら揺動選別する移送始端部側から複数の山形状に形成した移送棚９ａと、チャフシーブ装置１０と、左右方向に複数のストローラック９ｂと、流下棚９ｃと設けると共に、チャフシーブ装置１０の下側には、グレンシーブ９ｄ等を設けてなる揺動選別装置８等とを設けた脱穀機において、前記揺動選別装置８のチャフシーブ装置１０には、前後方向に所定間隔で左右方向に複数のチャフシーブ１１を円周方向に３６０度回転自在に軸支して設けたことを特徴とする脱穀機の選別装置としたものである。
【０００７】
例えば、コンバインへ載置した脱穀機であると、刈取り穀稈は、この脱穀機へ供給され、脱穀室６内を挟持移送中に、この脱穀室６内へ軸支内装した扱胴６ａで脱穀され、脱穀済み脱穀処理物は、揺動選別装置８へ落下供給する。
【０００８】
前記揺動選別装置８へ落下供給された脱穀処理物は、揺動移送されながら、移送始端部より、順次配設される下記部品により、揺動選別される。複数の山形形状よりなる移送棚９ａと、チャフシーブ装置１０の前後方向に所定間隔で、左右方向に複数のチャフシーブ１１を円周方向に３６０度正逆回転自在に軸支して設けた、この各チャフシーブ１１と、前後方向で左右方向に所定間隔で設けたストローラック９ｂと、チャフシーブ装置１０の下側に設けたグレンシーブ９ｄと、各ストローラック９ｂの下側へ設けた流下棚９ｃ等とよりなる。これらの各部品により、揺動移送選別されて、選別済み穀粒、及び少量の塵埃等が漏下、及び流下する。
【０００９】
又、前記揺動選別装置８内へ供給される脱穀処理物の供給量、及び乾燥状態等により、正逆回動移動するチャフシーブ装置１０の複数のチャフシーブ１１の正逆回動移動範囲を調節操作し、自動で設定した正逆回動移動範囲内を正逆回動移動されて、脱穀処理物は揺動選別され、各チャフシーブ１１間より漏下する。
【００１０】
請求項２に記載の発明において、前記揺動選別装置８の複数のチャフシーブ１１には、円筒形駆動手段（Ａ）を設けて、無限軌道帯（Ｂ）で回動移動すべく設けたことを特徴とする請求項１に記載の脱穀機の選別装置としたものである。
【００１１】
脱穀処理物の供給を受けて、揺動移送中に揺動選別する揺動選別装置８のチャフシーブ装置１０へ複数設けたチャフシーブ１１には、この各チャフシーブ１１を回動移動させるための円筒形駆動手段（Ａ）を軸支して設け、この各円筒駆動手段（Ａ）は、無限軌道帯（Ｂ）で正逆回動移動されて、各チャフシーブ１１は、正逆回動移動され、この各チャフシーブ１１上を揺動移送中に、脱穀処理物を揺動選別する。
【００１２】
請求項３に記載の発明においては、前記無限軌道帯（Ｂ）は、ベルト２７ａで構成して設けたことを特徴とする請求項１、又は請求項２に記載の脱穀機の選別装置としたものである。
【００１３】
脱穀処理物を揺動移送中に揺動選別する揺動選別装置８のチャフシーブ装置１０へ複数設けたチャフシーブ１１へ軸支して設けた。円筒形駆動手段（Ａ）を、無限軌道帯（Ｂ）で正逆回動移動するが、この無限軌道帯（Ｂ）はベルト（２７ａ）で構成して、チャフシーブ１１を正逆回動移動する。
【発明の効果】
【００１４】
請求項１に記載の発明においては、脱穀処理物を揺動移送しながら揺動選別するチャフシーブ装置１０の各チャフシーブ１１は、円周方へ３６０度回動移動自在で、前後方向へ所定間隔で、左右方向へ所定長さに軸支して設けた構成としたことにより、これら各チャフシーブ１１の両外側面で脱穀処理物を揺動移送すると共に、この各チャフシーブ１１間より、下方へ落下させることにより、乾燥不良、又は濡れ扱ぎを行なったときであっても、この各チャフシーブ１１の表面部へ付着する藁屑、及び塵埃を大巾に減少させることができ、このために、脱穀作業の途中で作業を停止して、掃除を行う必要がなくなった。又、脱穀処理物が増加したときには、各チャフシーブの左右への回動位置を変更操作することにより、増加に対する対応が可能である。
【００１５】
請求項２に記載の発明においては、前記揺動選別装置８の各チャフシーブ１１には、円筒形駆動手段（Ａ）を設けて、無限軌道帯（Ｂ）で回動移動する構成としたことにより、各チャフシーブ１１を同一回動方向へ移動することができる。又、回動移動構成が簡単である。
【００１６】
請求項３に記載の発明においては、前記揺動選別装置８の各チャフシーブ１１を回動移動する無限軌道帯（Ｂ）は、ベルト２７ａで構成したことにより、軽量化、及びコンパクト化になる。また、回動移動構成が簡単である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン１ヘ載置した脱穀機３について説明する。前記コンバイン１の走行車台２の前方部に設けた刈取機４で刈取りした刈取り穀稈は、この刈取機４で後方上部へ移送され、脱穀機３のフィードチェン５ａと、狭持杆５ｂとで引継ぎされ、脱穀機３の脱穀室６内を挟持移送中に、扱胴６ａの多種類で多数本を植設した扱歯６ｂで脱穀される。脱穀済み脱穀処理物は、脱穀室６から漏下し、下側の選別室７内へ配設して、揺動移送しながら揺動選別する揺動選別装置８内へ漏下供給され、この揺動選別装置８の移送始端部より、順次設ける複数の山形状に形成した移送棚９ａと、チャフシーブ装置１０と、複数のストローラック９ｂと、流下棚９ｃと、チャフシーブ装置１０の下側のグレンシーブ９ｄ等を設けた構成である。チャフシーブ装置１０は、前後方向に所定間隔で左右方向に複数のチャフシーブ１１を円周方向に３６０度回転自在に軸支して設けた構成である。これら脱穀機３と、揺動選別装置８と、チャフシーブ装置１０等を主に図示して説明する。
【００１８】
前記コンバイン１の走行車台２の下側には、図５で示す如く土壌面を走行する左右一対の走行クローラ１３ａを張設した走行装置１３を配設し、走行車台２の上側には、脱穀機３を載置した構成であり、この脱穀機３の詳細は後述する。走行車台２の前方部の刈取機４で立毛穀稈を刈取りし、この刈取り穀稈は、この刈取機４で後方上部へ移送され、脱穀機３のフィードチェン５ａと、挟持杆５ｂとで引継ぎされて、挟持移送されながら脱穀される。脱穀済みで選別済み穀粒は、脱穀機３の右横側に配設した穀粒貯留タンク１２ａ内へ一時貯留される。
【００１９】
前記走行車台２の前方部には、図５で示す如く前端位置から立毛穀稈を分離するナローガイド１４ａ、及び各分草体１４ｂと、立毛穀稈を引起す各引起装置１４ｃと、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置１５の各掻込装置１５ａと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置１４ｄと、刈取りされた穀稈を挟持移送して、脱穀機３のフィードチェン５ａと、挟持杆５ｂとへ受渡しする穀稈掻込移送装置１５の根元・穂先移送装置１６ａ・１６ｂ等からなる刈取機４を設けている。該刈取機４は、油圧駆動による伸縮シリンダ１７ａにより、土壌面に対して、昇降自在に移動する構成である。
【００２０】
前記刈取機４の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆１８ａの上端部には、左右方向に支持パイプ杆１８ｂを設け、この支持パイプ杆１８ｂを走行車台２の上側面に設けた支持装置１８ｃで回動自在に支持させて、伸縮シリンダ１７ａの作動により、刈取機４は支持パイプ杆１８ｂを回動中心として、上下に回動する構成である。
【００２１】
前記刈取機４の穀稈掻込移送装置１５によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機３へ穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ４ａを設けた構成である。
【００２２】
前記穀粒貯留タンク１２側の前部には、図５で示す如くコンバイン１を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置１９ａと、これら操作を行う作業者が搭乗する操縦席１９ｂとを設け、この操縦席１９ｂの下側で、走行車台２の上側面には、エンジン１７ｂを載置すると共に、後方部には、穀粒貯留タンク１２を配設する。これら走行装置１３と、刈取機４と、脱穀機３と、エンジン１７ｂ等により、コンバイン１の機体１ａを形成した構成である。
【００２３】
前記走行車台２の前端部に装架した走行用のミッションケース２０内の伝動機構２０ａの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ２０ｂを設けた構成である。
【００２４】
前記刈取機４の根元・穂先移送装置１６ａ、１６ｂで移送される刈取り穀稈を、引継ぎ移送する脱穀機３のフィードチェン５ａと、挟持杆５ｂとは、図２、及び図５で示す如く脱穀機３の上方左側部へ設けた構成である。
【００２５】
前記脱穀機３は、図１〜図５で示す如くフィードチェン５ｂと、挟持杆５ｂとで挟持された穀稈は、脱穀機３の脱穀室６内を挟持移送中に、この脱穀室６へ回転自在に軸支した扱胴軸６ｃには、扱胴６ａを軸支して設け、この扱胴６ａへ多種類で多数本を植設した扱歯６ｂで脱穀する。脱穀済み脱穀処理物は、これら各扱歯６ｂの回転外周下部へ張設した脱穀網６ｄから漏下し、詳細後述する揺動選別装置８へ供給される構成である。
【００２６】
前記脱穀室６の脱穀網６ｄから漏下しなかった排塵物は、脱穀室６の移送終端部の脱穀排出口２１から、脱穀室６の右上側へ設けた排塵処理室２２内へ供給され、この排塵処理室２２内には、回転自在に排塵軸２３ａを軸支し、この排塵軸２３ａへ排塵処理胴２３を軸支して設け、この排塵処理胴２３へ設けた排塵螺旋プレート２３ｂ等で再脱穀処理する構成である。この排塵螺旋プレート２３ｂの回転外周下部には、排塵網２３ｃを張設し、この排塵網２３ｃから再脱穀処理物は漏下する構成である。漏下しなかった一部の穀粒と、藁屑等は、後述する揺動選別装置８へ排出供給する。排塵処理室２２の移送終端部には、排塵排出口２２ａを設けた構成である。
【００２７】
前記排塵処理室２２の前側には、二番還元物を再脱穀処理する二番処理室２４を設けた構成である。この二番処理室２４内には、前部へ延長した、排塵軸２３ａで軸支した二番処理胴２５を設け、この二番処理胴２５へ設けた二番処理爪２５ａ等で再脱穀処理する構成である。この二番処理爪２５ａの回転外周下部には、二番網２５ｂを張設し、この二番網２５ｂから再脱穀処理物は、漏下する構成である。漏下しなかった一部の穀粒、及び藁屑等は、後述する揺動選別装置８へ排出供給する。二番処理室２３の移送終端部には、二番排出口２４ａを設けた構成である。
【００２８】
前記脱穀室６と、各処理室２２、２４の下側には、選別室７を設け、この選別室７内には、脱穀室６と、各処理室２２、２４とから供給される脱穀処理物と、再脱穀処理物と、各排出口２２ａ、２４ａから排出される排出物等との供給を受けて、揺動移送中に揺動選別する揺動選別装置８を設けた構成である。
【００２９】
前記揺動選別装置８は、図１で示す如くカム装置８ａと、ローラ装置８ｂ等により、揺動させる構成であると共に、略箱形状に形成した箱枠８ｃよりなる構成である。この箱枠８ｃには、多種類の各種部品を装着して設けた構成である。
【００３０】
前記揺動選別装置８の箱枠８ｃ内には、図１〜図４で示す如く移送始端部側より、順次複数個の山形形状に形成した移送棚９ａと、チャフシーブ装置１０と、左右方向に所定間隔で、前後上方に所定長さで、更に上部側を鋸歯状に形成した複数個のストローラック９ｂと、チャフシーブ装置１０の下側へ設けた網目材等よりなるグレンシーブ９ｄと、ストローラック９ｂの下側へ設けた流下棚９ｃ等とよりなる構成である。
【００３１】
前記チャフシーブ装置１０には、前後方向に所定間隔で、左右方向に所定長さで、左右両側の円筒状の支持筒１１ａへ板状のチャフシーブ１１を装着して設けた構成であり、この各チャフシーブ１１を３６０度回転自在に軸支して設け、この各チャフシーブ１１の前後両側面で脱穀処理物、及び再脱穀処理物等を揺動移送しながら揺動選別し、各チャフシーブ１１間より漏下させる構成であり、又、各チャフシーブ１１は、前後両側へ開閉位置を変更可能に設けた構成である。
【００３２】
脱穀処理物、及び再脱穀処理物の供給を受けて、揺動移送しながら揺動選別する。チャフシーブ装置１０の各チャフシーブ１１は、円周方向へ３６０度回動自在に設け、前後方向へ所定間隔で、左右方向へ所定長さに軸支して設けた構成としたことにより、これら各チャフシーブ１１の前後両側面で移送しながら、この各チャフシーブ１１間より、落下させることにより、穀稈の乾燥不良、又は濡れ扱ぎを行ったときであっても、この各チャフシーブ１１の表面部へ付着する藁屑、及び塵埃等を大巾に減少させることができ、このために、脱穀作業の途中で作業を停止して、掃除を行う必要がなくなった。又、脱穀処理物が増加したとき、すなわち作業能率の向上を図ったときには、各チャフシーブ１１の前後への回動移動位置を変更操作することにより、落下する穀粒量の増加を図ることができる。
【００３３】
前記揺動選別装置８のチャフシーブ装置１０の複数個を前後方向へ所定間隔で、左右方向へ所定長さに、支持筒１１ａへ設けたチャフシーブ１１には、図１〜図４で示す如くこのチャフシーブ１１を回動移動する円筒形駆動手段（Ａ）は、例えば、スプロケット２６ａを、左右両側の支持筒１１ａへ個別に設けた、各支持メタル１１ｂで軸支した、各チャフシーブ軸１１ｃの一方側の軸端部へ軸支して設けた構成である。この各スプロケット２６ａと、下側の前後両側へ設けた前・後スプロケット２６ｂ、２６ｃとには、無限軌道帯（Ｂ）を掛け渡した構成であり、この無限軌道帯（Ｂ）により、チャフシーブ装置１０の各チャフシーブ１１を回動移動する構成である。
【００３４】
前記揺動選別装置８のチャフシーブ装置１０の各チャフシーブ１１には、円筒形駆動手段（Ａ）の、個別に各スプロケット２６ａを軸支して設け、この各スプロケット２６ａと、下側の前・後スプロケット２６ｂ、２６ｃとには、無限軌道帯（Ｂ）を掛け渡して、各チャフシーブ１１を、チャフシーブ軸１１ｃを回動中心として、回動移動する構成としたことにより、各チャフシーブ１１を同一回転方向へ回動移動することができる。又、回動移動構成が簡単である。
【００３５】
前記揺動選別装置８のチャフシーブ装置１０の複数個設けた各チャフシーブ１１には、図１〜図４で示す如く円筒形駆動手段（Ａ）の、例えば、各スプロケット２６ａを軸支して設け、この各スプロケット２６ａと、下側の前・後スプロケット２６ｂ、２６ｃには、各チャフシーブ１１を回動移動する無限軌道帯（Ｂ）の、例えば、ベルト２７ａ、又はチェン２７ｂ等で構成して、これらベルト２７ａ、又はチェン２７ｂを掛け渡して、回転駆動した構成である。
【００３６】
前記揺動選別装置８のチャフシーブ装置１０の各チャフシーブ１１を、回転駆動する無限軌道帯（Ｂ）は、ベルト２７ａ、又はチェン２７ｂで構成したことにより、軽量化、及びコンパクト化になり、コスト低減になる。又、回動移動構成が簡単である。
【００３７】
前記チャフシーブ装置１０の各チャフシーブ１１の各チャフシーブ軸１１ｃへ設ける。各スプロケット２６ａは、箱枠８ｃの一方側の外側へ設けた構成である。移送始端部チャフシーブ軸１１ｃで、スプロケット２６ａの外側には、回動ギヤー２８を軸支して設け、又、移送始端部のこの回動ギヤー２８の前側で、箱枠８ｃの外側には、略おおぎ形状の駆動用ギヤー２８ａを支持軸２８ｂで回動自在に軸支した構成である。この駆動用ギヤー２８ａと、回動ギヤー２８とは、噛合させた構成である。走行車台２の上側部には、チャフシーブ用モータ２９を載置して設けた構成である。このチャフシーブ用モータ２９のモータ軸２９ａには、アーム２９ｂを装着し、このアーム２９ｂと、駆動用ギヤー２８ａとは、ワイヤ２９ｃで接続した構成である。更に、スプリング２９ｄを駆動用ギヤー２８ａと、箱枠８ｃと配設した構成である。
【００３８】
前記チャフシーブ用モータ２９の正回転、又は逆回転により、アーム２９ｂと、ワイヤ２９ｃ等を介して、駆動用ギヤー２８ａが回動され、これにより、回動ギヤー２８が回転駆動され、移送始端部のスプロケット２６ａが回転駆動され、ベルト２７ａが回転駆動される。このベルト２７ａの回転駆動により、このベルト２７ａへ噛合する。其の他の各スプロケット２６ａが回転駆動され、各チャフシーブ１１が回動移動する構成である。チャフシーブ用モータ２９の正回転、又は逆回転の作動量の設定により、各チャフシーブ１１の正作動範囲位置、及び逆作動範囲位置が設定され、この設定位置まで回動移動する構成である。
【００３９】
前記各チャフシーブ１１の正・逆作動範囲位置により、各チャフシーブ１１間の隙間が変更され、揺動選別された選別物の漏下量を調節できる構成である。
前記スプロケット２６ａと、下側の前・後スプロケット２６ｂ、２６ｃへ掛け渡したベルト２７ａの上側には、図１、図３、及び図４で示す如くこのベルト２７ａの外れ防止用の断面形状略コ字形状の防止板２７ｃを、ベルト２７ａと所定隙間を設けて、箱枠８ｃへ装着して設けた構成である。
【００４０】
前記スプロケット２６ａは、図１、図３、図４で示す如く外周部には、凹凸形状を設けた構成とすると共に、下側の前・後スプロケット２６ｂ、２６ｃは、図３、及び図４で示す如く凹凸形状は廃止し、遊動プーリ方式に形成し、非駆動方式とした構成である。スプロケット２６ａは、ギヤー方式として、このギヤー部がベルト２７ａへ噛合する構成とするもよい。
【００４１】
これにより、前記チャフシーブ装置１０の各チャフシーブ１１の伝動構成を、軽量化、コンパクト化、及びコスト低減になる。
前記ベルト２７ａの外れ防止用の防止板２７ｃには、図６で示す如く支持軸２７ｄを前後両側へ設けると共に、これら各支持軸２７ｄには、各スプリング２７ｅを設けて、防止板２７ｃへ常に軽くベルト２７ａへ当接状態に設けた構成である。
【００４２】
これにより、前記ベルト２７ａはスリップすることなく、各チャフシーブ１１を確実に駆動させることができる。
前記ベルト２７ａには、図７で示す如く左右両端部には、突出部２７ｆを設けて、溝部２７ｈを形成し、この溝部２７ｈ部には、外れ防止用の防止ガイド３０を、箱枠８ｃの外側面へ設けた補強板８ｄへ設けた構成である。
【００４３】
これにより、前記ベルト２７ａは、各スプロケット２６ａ、２６ｂ、２６ｃから外れることを確実に防止することができる。
前記各チャフシーブ１１の各チャフシーブ軸１１ｃの一方側軸端部には、図８〜図１０で示す如く各ギヤー３１を個別に軸支して設け、これら各ギヤー３１は互に噛合させた構成であり、各ギヤー３１の歯の枚数は同じ枚数にして、同じ回転数にした構成である。
【００４４】
又、移送始端部のこのギヤー３１と、駆動用ギヤー２８ａとは、噛合させて、其の他の各ギヤー３１を回転駆動する構成である。又、この各チャフシーブ軸１１ｃへ装着した両側のチャフシーブ１１の突出量（Ｃ）、（Ｄ）は、図１０で示す如く略同じ突出量に形成した構成である。
【００４５】
これにより、前記チャフシーブ１１を個別に３６０度回転駆動が可能であり、簡単に駆動できる。又、突出量（Ｃ）、（Ｄ）を同じ長さにしたことにより、表と裏とが使用できて、同一の性能を得ることができる。更に同一角度に調節ができる。
【００４６】
前記チャフシーブ装置１０の各チャフシーブ１１は、図８で示す如くチャフシーブ用モータ２９で、このチャフシーブ用モータ２９のアーム２９ｂ、及びワイヤ２９ｃ等を介して、駆動用ギヤー２８ａを回動させ、移送始端部より順次設けた各ギヤー３１を回転させ、各チャフシーブ１１を回動する構成である。又、この各チャフシーブ１１の装着位置を順次変更して組付け、この各チャフシーブ１１の当接を防止した構成である。
【００４７】
これにより、前記各チャフシーブ１１は、簡単な構成で揺動選別装置８以外の箇所より、回動駆動できる。又、反転駆動が可能である。更に、各チャフシーブ１１が互に当接することがない。
【００４８】
前記各チャフシーブ１１の各ギヤー３１は、図１１で示す如く揺動選別装置８の箱枠８ｃと、脱穀機３の側板３ａとの間へ軸支して設けると共に、各ギヤー３１の上側には、保護板３１ａを箱枠８ｃの上端部へ装着して設けた構成である。
【００４９】
これにより、前記各ギヤー３１へ藁の巻き付き、及び塵埃等の堆積を防止することができる。
前記各チャフシーブ１１の各ギヤー３１は、図１２で示す如く排塵処理胴２３、及び二番処理胴２５の反対側である左側で、フィードチェン５ａ側へ設けた構成である。又、このフィードチェン５ａは、左外側へ支持軸５ｃを回動中心として、回動自在に設けた構成である。
【００５０】
これにより、前記フィードチェン５ａ側へ各チャフシーブ１１の各ギヤー３１を設けたことにより、メンテナンスが容易である。又、二番処理胴２５、及び排塵処理胴２３の排塵の落下の多い箇所をさけたことにより、各ギヤー３１へ藁埃の堆積を防止できる。
【００５１】
前記揺動選別装置８の下側の前部には、図１、及び図２で示す如く送風機３２を設け、この送風機３２から発生する起風を送風して、揺動選別装置８のグレンシーブ９ｄから漏下する揺動済み選別物を穀粒と、藁屑、及び稈切等とに風選別する構成である。
【００５２】
前記送風機３２の後側には、一番選別室３３を設け、この一番選別室３３の選別棚３３ａ上を流下する揺動選別物を、送風機３２の起風により、穀粒と、藁屑、及び塵埃とに風選別する構成である。選別済み穀粒は、一番戸樋３３ｂ内へ左右方向へ回転自在に軸支した一番螺旋３３ｃで右側端部へ移送される。右側部へ設けた揚穀筒３４で引継ぎ揚送して、穀粒貯留タンク１２内へ供給されて、一時貯留する構成である。
【００５３】
前記一番選別室３３の後側には、図１、及び図２で示す如く二番選別室３５を設け、この二番選別室３５の選別棚３５ａと、揺動選別装置８の流下棚９ｃとを流下する二番物を、送風機３２の起風により風選別し、選別済み二番物と、藁屑の一部とは、二番戸樋３５ｂへ左右方向へ回転自在に軸支した二番螺旋３５ｃで右側端部へ移送される。右側部へ設けた二番還元筒３６で引継ぎ揚送して、二番処理室２４内へ還元され、この二番処理室２４内で再脱穀処理する構成である。
【００５４】
前記揺動選別装置８の移送終端部の上側で、排塵処理室２２の反対側部には、この排塵処理室２２から排出される藁屑等を、吸引して機外へ排出する軸流方式の吸引ファン３７、３７を前後方向で、上下方向に所定の間隔を設けて装着した構成である。
【００５５】
前記穀粒貯留タンク１２内に貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク１２の後側には、図５で示す如く縦移送螺旋３８ａを内装した排出支持筒３８を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒３８の上端部には、その全長がコンバイン１の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋３９ａを伸縮自在に内装した排出オーガ３９を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設した構成である。
【図面の簡単な説明】
【００５６】
【図１】脱穀機の全体拡大側断面図
【図２】脱穀機の全体拡大平断面図
【図３】脱穀機のチャフシーブ装置部の拡大側面図
【図４】脱穀機のチャフシーブ装置部の作用時拡大側面図
【図５】コンバインの左側全体側面図
【図６】他の実施例を示す図で、チャフシーブ装置の拡大側面図
【図７】他の実施例を示す図で、チャフシーブ装置の拡大正面図
【図８】他の実施例を示す図で、揺動選別装置部の拡大正面図
【図９】他の実施例を示す図で、脱穀機の揺動選別装置部の拡大側断面図
【図１０】他の実施例を示す図で、脱穀機の揺動選別装置部の拡大側面図
【図１１】他の実施例を示す図で、脱穀機の揺動選別装置部の拡大正面図
【図１２】他の実施例を示す図で、脱穀機の揺動選別装置部の拡大平面図
【符号の説明】
【００５７】
（６）脱穀室
（６ａ）扱胴
（８）揺動選別装置
（９ａ）移送棚
（９ｂ）ストローラック
（９ｃ）流下棚
（９ｄ）グレンシーブ
（１０）チャフシーブ装置
（１１）チャフシーブ
（Ａ）円筒形駆動手段
（Ｂ）無限軌道帯
（２７ａ）ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項１】
穀稈の供給を受けて脱穀室（６）内を挟持移送中に軸支内装した扱胴（６ａ）で脱穀した脱穀済み脱穀処理物の供給を受けて揺動移送しながら揺動選別する移送始端部側から複数の山形状に形成した移送棚（９ａ）と、チャフシーブ装置（１０）と、左右方向に複数のストローラック（９ｂ）と、流下棚（９ｃ）と設けると共に、チャフシーブ装置（１０）の下側には、グレンシーブ（９ｄ）等を設けてなる揺動選別装置（８）等とを設けた脱穀機において、前記揺動選別装置８のチャフシーブ装置（１０）には、前後方向に所定間隔で左右方向に複数のチャフシーブ（１１）を円周方向に３６０度回転自在に軸支して設けたことを特徴とする脱穀機の選別装置。
【請求項２】
前記揺動選別装置（８）の複数のチャフシーブ（１１）には、円筒形駆動手段（Ａ）を設けて、無限軌道帯（Ｂ）で回動移動すべく設けたことを特徴とする請求項１に記載の脱穀機の選別装置。
【請求項３】
前記無限軌道帯（Ｂ）は、ベルト（２７ａ）で構成して設けたことを特徴とする請求項１、又は請求項２に記載の脱穀機の選別装置。

【図１】