説明

脱穀装置

【課題】枝梗粒や穂切れ粒、稈切れ粒等と単粒の選別を十分にして、枝梗の付着していない穀粒の選別性を高めることができる脱穀装置を提供すること。
【解決手段】扱室66と二番処理室67から落下する被処理物を選別する選別棚51の下方に一番棚板64と、一番棚板64の後方に一番後方棚板83と、一番棚板64と一番後方棚板83との間に選別棚51から落下する被処理物を選別するシーブ群93と、シーブ群93からの漏下物を一番棚板64上に搬送する一番還元筒82とを設ける。選別棚51から一番棚板64の後方に落下した被処理物のうち、シーブ群93を通過しない枝梗粒等は一番後方棚板83の後方から二番揚穀筒87を経て第二処理室67に導き、シーブ群93により濾過される単粒は、一番還元筒82から一番棚板64上に導くことで、二番処理室67に還元される二番物の割合が減少し、選別処理能力が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバイン等に搭載される脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインは穀稈の刈取装置と、脱穀装置と、脱穀後一時的に貯留するグレンタンクと、グレンタンクに貯留されている穀粒を排出するオーガなどから構成される。
脱穀装置の主脱穀部である扱室には刈取装置で刈り取った穀稈が挿入され、穀稈は扱室に軸架された扱胴の表面に多数設けられた扱歯と扱網との相互作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物(穀粒や藁くず)は扱網を通過して、選別室の揺動棚で受け止められ、二番穀粒(二番物という場合がある)や藁屑などを分離して穀粒のみをグレンタンクに搬送する。
【0003】
二番穀粒は扱室の側方に設けられた二番処理室に送られ二番処理胴により穀粒、枝梗粒などに分離され、再び揺動棚に落下して比重選別や送風選別されて穀粒、藁屑などに分離される。扱室で発生した藁くずなど短尺のものは排塵処理室に搬送され、排塵処理胴により処理される。
【0004】
脱穀装置の中で最初に穀稈が挿入される扱室においては、被処理物が搬送されながら扱胴が回転することで穀稈の大部分が脱穀される。そして、扱室から落下する被処理物は、選別室において、上下前後方向に揺動する揺動棚上を移動しながら、後方のシーブで唐箕からの送風を受けて風力選別される。
【0005】
選別室においては、揺動棚上を移動してきた被処理物や扱室から落下する被処理物を濾過選別し、枝梗粒や穂切れ粒、稈切れ粒などと単粒とを分別して枝梗粒や穂切れ粒、稈切れ粒のみ二番処理室に送り、単粒はグレンタンクへと送る。
【0006】
二番処理室内の二番処理胴では、二番処理胴の終端部である脱穀装置の前方まで搬送されて揺動棚上に落下するため、藁屑などと扱室から落下する脱穀初期の単粒を多く含む被処理物とが混合されて、せっかくの単粒に藁屑が混入するために、この単粒を多く含んだ被処理物の漏下が阻害され、選別性能が低下してしまう。
そこで、選別室の選別性能の低下を防止する構成として、下記特許文献1によれば、二番処理胴の前部に二番物を還元して後方へ搬送しながら処理する構成とした脱穀装置が提案されている。
【特許文献1】特開2002−223628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1記載の構成によれば、揺動棚上を移動してきた被処理物は、揺動棚後方のシーブ群やストローラックから揺動、風力選別されて漏下物は第一揚穀筒からグレンタンクへ搬送され、漏下されなかった被処理物は第二揚穀筒から二番処理室へと搬送される。そして、二番処理胴に還元された二番物は、選別風の送り方向上手側から下手側に搬送されるので、藁屑などが揺動棚上の始端部に落下して、単粒を多く含む脱穀初期の被処理物と混合することを防ぎ、選別性能の低下を防止できる。
【0008】
しかし、選別室において枝梗粒や穂切れ粒、稈切れ粒等と単粒の選別が不十分であると、例えば処理された単粒までもが二番処理室に送られて被処理物の量が多くなり、脱穀装置全体の処理効率が低下してしまう。また、従来の脱穀装置では、二番処理室に送られる二番穀粒の中には枝梗の付着していない穀粒(単粒)も含まれており、上記の揺動棚上における選別のみではこのような枝梗の付着していない穀粒をより良く選別することは難しい。
本発明の課題は、枝梗粒や穂切れ粒、稈切れ粒等と単粒の選別を十分にして、枝梗の付着していない穀粒の選別性を高めることができる脱穀装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は次の解決手段により解決できる。
請求項1記載の発明は、穀粒一時貯留用に設けられたグレンタンク(30)の近傍に穀稈から穀粒を分離するための扱胴(69)を軸架した扱室(66)と、該扱室(66)に隣接して脱穀後の穀粒の中の二番物を処理する二番処理胴(70)を軸架した二番処理室(67)と、前記扱室(66)と二番処理室(67)の下方に、扱室(66)と二番処理室(67)から落下する被処理物を後方に搬送し、被処理物から穀粒を選別するための選別室(50)と、該選別室(50)の下方に選別室(50)から落下する被処理物を受ける第一棚板(64)と、該第一棚板(64)上に落下した穀粒をグレンタンク(30)へ搬送する第一搬送装置(65)と、前記選別室(50)の被処理物の搬送方向に向かって前記第一棚板(64)の後方に選別室(50)から落下した二番物を二番処理室(67)へ搬送する第二搬送装置(87)とを設けた脱穀装置において、前記選別室(50)の被処理物の搬送方向に向かって第一棚板(64)の後方に、選別室(50)から第一棚板(64)の後方に落下する被処理物を受ける第一後方棚板(83)と、前記第一棚板(64)と第一後方棚板(83)との間に選別室(50)から落下する被処理物を選別するシーブ群(93)と、該シーブ群(93)からの漏下物を第一棚板(64)上に搬送する第三搬送装置(82)とを設けた脱穀装置である。
請求項2記載の発明は、前記シーブ群(93)の下方にシーブ群(93)に送風するための送風手段(109)を設けた請求項1記載の脱穀装置である。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、第一棚板(64)の後方に第一後方棚板(83)と、第一棚板(64)と第一後方棚板(83)との間にシーブ群(93)を設けることで、シーブ群(93)上の枝梗粒や穂切れ粒、あるいは稈切れ粒等は第二搬送装置(87)に導き、第二搬送装置(87)から二番処理室(67)へ搬送できる。一方、シーブ群(93)からの漏下物を第一棚板(64)上に搬送する第三搬送装置(82)を設けていることから、単粒をシーブ群(93)より濾過し、第三搬送装置(82)により第一棚板(64)上に搬送することで第一搬送装置(65)からグレンタンク(30)へと導くことができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、二番処理室(67)に還元される二番物の還元割合が減少し、被処理物中の枝梗粒や穂切れ粒、稈切れ粒等と穀粒(単粒)との選別性能を高め、処理能力が向上して脱穀処理の高能率化が達成される。また、第一棚板(64)の後方にシーブ群(93)を設けることで、シーブ群(93)の揺動、風力選別作用により、濾過が良好で、処理効率に優れる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の上記効果に加えて、シーブ群(93)の下方にシーブ群(93)に選別風を供給する送風手段(109)を設けているので、選別風を供給し、送風選別を行うことで青葉や稈切れ粒などの夾雑物が濾過されにくいため、シーブ群(93)からの濾過物を第一搬送装置(65)に還元したとしても、良好な選別を維持でき、選別不良が起こりにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1には本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図を示し、図2には図1のコンバインの平面図を示し、図3には図1のコンバインの脱穀装置の一部切り欠き左側面断面図を示し、図4には図1のコンバインの脱穀装置の平面図を示す。
【0013】
図1ないし図4に示すコンバイン1の走行フレーム2の下部には、ゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯状に成型した左右一対のクローラ4を持ち、乾田はもちろんのこと、湿田においてもクローラ4が若干沈下するだけで自由に走行できる構成の走行装置3を備え、走行フレーム2の前部には刈取装置6を搭載し、走行フレーム2の上部にはエンジン21(図7)ならびに脱穀装置15、操縦席20およびグレンタンク30を搭載する。
【0014】
刈取装置6は、図示しない刈取昇降シリンダの伸縮作用により刈取装置6全体を昇降して、圃場に植生する穀稈を所定の高さで刈取りができる構成としている。刈取装置6の前端下部に分草具7を、その背後に傾斜状にした穀稈引き起こし装置8を、その後方底部には刈刃(図示せず)を配置している。刈刃と脱穀装置15のフィードチェン14の始端部との間に、図示しない前部搬送装置、扱深さ調節装置、供給搬送装置などを順次穀稈の受継搬送と扱深さ調節とができるように配置している。
【0015】
コンバイン1の刈取装置6の作動は次のように行われる。まず、エンジン21を始動して変速用、操向用などの操作レバーをコンバイン1が前進するように操作し、刈取・脱穀クラッチ(図示せず)を入り操作して機体の回転各部を伝動しながら、走行フレーム2を前進走行させると、刈取、脱穀作業が開始される。圃場に植立する穀稈は、刈取装置6の前端下部にある分草具7によって分草作用を受け、次いで穀稈引き起こし装置8の引起し作用によって倒伏状態にあれば直立状態に引起こされ、穀稈の株元が刈刃に達して刈取られ、前部搬送装置に掻込まれて後方に搬送され、扱深さ調節装置、供給搬送装置に受け継がれて順次連続状態で後部上方に搬送される。
【0016】
穀稈は供給搬送装置からフィードチェン14の始端部に受け継がれ、脱穀装置15に供給される。脱穀装置15は、上側に扱胴69を軸架した扱室66を配置し、扱室66の下側に選別室50を一体的に設け、供給された刈取穀稈を脱穀、選別する。
【0017】
脱穀装置15に供給された穀稈は、後で詳細に説明するが、主脱穀部である扱室66に挿入され、扱室66に軸架され回転する扱胴69の多数の扱歯69aと、フィードチェン14による移送と、扱網74との相互作用により脱穀され、被処理物(穀粒や藁くず)は脱穀装置15内の選別部の揺動棚51で受け止められ、上下前後方向に揺動する揺動棚51上を寄せ板88で揺動棚51の幅方向に均一な層厚になるように拡散されて後方へ送られながら、唐箕79からの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はシーブ53および選別網63から漏下して、一番棚板64上を流下し、一番螺旋65aから、搬送螺旋(図示せず)を内蔵している一番揚穀筒65を経てグレンタンク30へ搬送され、グレンタンク30に一時貯留される。
【0018】
脱穀装置15の扱室66の終端に到達した脱穀された残りの穀稈で長尺のままのものは、図示しない排藁チェーンおよび排藁穂先チェーンに挟持されて搬送され、脱穀装置15の後部の藁用カッター81a、81b(図4)に投入された後、切断され、圃場に放出される。
【0019】
グレンタンク30内の底部に穀粒移送用のグレンタンク螺旋(図示せず)を設け、グレンタンク螺旋を駆動する螺旋駆動軸(図示せず)に縦オーガ18および横オーガ19からなる排出オーガを連接し、グレンタンク30内に貯留した穀粒を排出オーガ排出口19aからコンバイン1の外部に排出する。グレンタンク螺旋、縦オーガ螺旋(図示せず)および横オーガ螺旋(図示せず)は、エンジン21の動力の伝動を受けて回転駆動され、それぞれのラセン羽根のスクリュウコンベヤ作用により貯留穀粒を搬送する。
【0020】
刈取装置6で刈り取った穀稈は刈取装置6に装着された穀稈搬送、調節装置で扱深さが調節され、脱穀装置15の主脱穀部である扱室66内に挿入される。扱室66に軸架された扱胴69は、その表面に多数の扱歯69aが設けられており、エンジン21からの動力により、図4の矢印B方向に回転する。扱室66に挿入された穀粒の付いた穀稈は、移動するフィードチェン14とフィードチェン挟扼杆12(図9)との間に挟扼され、図4の矢印A方向に移送されながら、矢印B方向に回転する扱胴69の扱歯69aと扱網74との相互作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物(穀粒や藁くず)は扱網74を矢印C1方向(図10)に通過して、揺動棚51で受け止められる。
【0021】
揺動棚51は扱室66の扱網74の下方に配置した複数個の三角形状の選別板52aを備えた移送棚52とその後方に配置した上方のシーブ53とその下方の選別網63と最後端部に配置したストローラック62、ストローラック62の下方に設けたストローラック下方シーブ群92から構成されている。
【0022】
扱網74の前方の約1/3の領域で漏下する脱穀初期に脱粒した穀粒は単粒であり夾雑物も含んでいないのでシーブ53上で粗選別する必要が無く、直接選別網63で後述する唐箕79からの送風により風選することができ、シーブ53の負荷を軽くし、能率的な脱穀が可能となる。唐箕79からは、送風流路に風割部105を設け、送風を風割部105で一度分けることで、送風方向の異なる上部105aと下部105b(図11)の送風を分け、上部105aと下部105bの風量を調整している。
【0023】
また、揺動棚51は揺動棚駆動機構の作動により上下前後方向に揺動するので、被処理物は矢印D方向(図3)に移動しながら、移送棚52上に漏下した比重の重い穀粒は選別網63を矢印E方向に通過し、一番棚板64で集積され、一番螺旋65aから一番揚穀筒65を経てグレンタンク30へ搬送される。グレンタンク30に貯留された穀粒は、オーガ18、19を経由してコンバイン1の外部へ搬送される。
【0024】
揺動棚51の上の被処理物のうち軽量のものは、揺動棚51の揺動作用と唐箕79のファン79aによる送風に吹き飛ばされて、移送棚52からシーブ53に向けて矢印D方向に移動し、ストローラック62の上で大きさの小さい二番穀粒は矢印G方向に漏下して二番棚板85上を通り、二番螺旋86の設置部分に集められ、二番揚穀筒87へ搬送される。さらに軽いものは横断流ファン91で機外に排出される。
【0025】
揺動棚51に取り付けたストローラック62は揺動棚51の後部にその前側の基部が取り付けられ、ストローラック62の後部側を自由端とする構成で二番唐箕ファン109の選別風をストローラック62の下方から吹き上げて、籾と藁くずの風力選別能力を高めている。そして、ストローラック62から漏下した被処理物は、ストローラック62の下方にあるストローラック下方シーブ群92によって再選別され、二番唐箕ファン109からの送風により風力選別されながら漏下するものが二番棚板85側に集められ、二番螺旋86で二番揚穀筒87へ搬送される(図3)。
【0026】
一方、本実施形態によれば、一番螺旋65aと二番螺旋86との間には、一番棚板64の後方に落下した被処理物を一番棚板64上に還元するための一番後方螺旋82aを設けている。ストローラック下方シーブ群92を通った被処理物の一部は、後述する一番棚板後方シーブ群93を漏下して一番棚板64の後方に位置する一番後方棚板83上に落下し、一番後方螺旋82aにより一番還元筒82を経て、一番棚板64の前側へ還元される。そして、一番螺旋65から、搬送螺旋を内蔵している一番揚穀筒65を経てグレンタンク30へ搬送され、グレンタンク30に一時貯留される。
【0027】
二番穀粒は、正常な穀粒、枝梗粒、藁くずおよび藁くずの中に正常な穀粒が刺さっているササリ粒などの混合物であり、二番揚穀筒87の中を二番揚穀筒ラセンにより矢印H方向(図3参照)に揚送されて、二番処理室入口から二番処理室67の上方へ放出される。二番処理室67の下部に軸架する二番処理胴70は駆動装置により矢印J方向(図4)に回転する。二番穀粒は二番処理胴70に植設してある多数の処理歯70aに衝突しながら矢印I方向(図3、図4)に進行する間に二番穀粒の分離と枝梗粒の枝梗の除去を行い、被処理物の一部は二番処理胴70の下方に設けられた盲板75に受けられた状態で処理歯70aの作用によって前方へ移送されてこの盲板75の前端部の開口部から選別室50に落下し、被処理物の大部分は移送棚52からシーブ53方向に送られ、穀粒はシーブ53と選別網63を通り、一番螺旋65に集められる。
【0028】
扱室66を図4の矢印A方向に進行し、フィードチェン14によって搬送されながら扱室66の終端に到達した穀稈は、排藁チェーン80に引き継がれて図4に示す矢印A1方向に搬送され、排藁処理室95に投入される。
【0029】
また、扱室66の被処理物搬送方向終端部に到達した被処理物の中で、藁くずなど短尺のものは、排塵処理室入口68aから矢印A2(図4)方向に投入されて排塵処理胴71の処理歯71bから取り込まれて排塵処理室68に入る。排塵処理室68では回転する排塵処理胴71の螺旋71aにより矢印K方向(図3、図4)に搬送されながら処理される。
【0030】
排塵処理室68に入った少量の穀粒を含む藁くずを主体とする被処理物の中の漏下物(穀粒)は受け網76(図3)から揺動棚51上に漏下し、揺動棚51に設けられたストローラック62に誘導されて二番棚板85から二番揚穀筒87を経由して二番処理室67に送られる。
なお、同軸上にある二番処理胴70と排塵処理胴71の駆動はエンジン21から駆動力をプーリを介して行われる。
【0031】
図3および図4に示すように、脱穀装置15の後部に横断流ファン91を設け、排塵処理室68を含む脱穀装置15内で発生する排塵のうち、比重の軽い藁くず、枝梗および塵埃を含む空気を横断流ファン91の回転による送風で吸引し、横断流ファン出口から矢印L方向へ吹き出して、コンバイン1の外部へ放出する。
【0032】
排塵処理室68(図4)から揺動棚51の終端部に矢印M(図3)のように落ちた排塵のうち二番穀粒、三番穀粒など小径で比重の重いものは、揺動棚51の終端部のストローラック62あるいはシーブ53を矢印G方向へ通過して二番棚板85に漏下し、再び二番処理室67において処理される。
【0033】
また、排塵処理室68から揺動棚51の終端部に矢印Mのように落ちた排塵のうち、やや長めの藁くずはストローラック62で受けとめられ、揺動棚51の揺動運動と、唐箕79の送風力により矢印F(図3)のように揺動棚51の終端部にある上方排塵口72aから排出羽根71c(図16)の作用により排出され圃場に放出される。
【0034】
図5は図1のコンバインの伝動構成を示す左側面図であり、図6は同じく図1のコンバインの伝動構成を示す右側面図であり、図7も同じく図1のコンバインの伝動構成を示す平面図である。図8は本実施の形態の動力伝達系統の一部展開図であり、刈取部を除くコンバイン全体の伝動構成をまとめて図示したものである。
【0035】
エンジン21からの動力は、エンジンプーリ22からHST28と変速装置(主変速装置と副変速装置とデフ装置などを備えている)24を経由してクローラ4の駆動軸を駆動する。またエンジン21からの動力は唐箕79の回転軸である駆動軸31を回転駆動させてファン79aを作動させ、更にプーリ32からプーリ36に伝達されて揺動クランク軸36aを回転させて揺動棚51を揺動駆動させる。更に該揺動クランク軸からフィードチェン駆動ギアケース14aを介してフィードチェン14が駆動される。
【0036】
一方、プーリ32と同軸上のプーリ33に伝達された駆動力はベルト34により一番螺旋65aの回転軸65bに設けられたプーリ35と同軸上のプーリ37へと伝えられる。そして、プーリ35からは更にプーリ109bを介して二番唐箕ファン109を回転させる回転軸109aと二番ラセン86の回転軸86aに設けられた二番プーリ39に、プーリ37からは一番後方螺旋82aの回転軸82bに設けられた一番後方プーリ38にそれぞれ駆動力が伝達される。
【0037】
また二番プーリ39の下手側にはプーリ98とプーリ101間に駆動用ベルト99が掛け渡されており、プーリ101にエンジン動力が伝達されて横断流ファン91が回転駆動する。また、排藁カッター81a、81bには、横断流ファン91を駆動するプーリ101を始めとするカウンタ部102から、カウンタ入力プーリ103を介して動力が入力されて駆動される。さらにエンジン21からの動力は、エンジンプーリ22から脱穀装置入力プーリ23を介して扱胴・処理胴駆動ギアケース25から扱胴69や二番処理胴70及び排塵処理胴71に伝達される。また、排藁カッター81a、81bに排藁を搬送する排藁チェーン80は扱胴69の駆動系から動力が伝達される。
【0038】
図9には図3の脱穀装置の正面図を示し、図10には図3のA−A線矢視図を示し、図11には図3のB−B線矢視図を示し、図12には図3のC−C線矢視図を示し、図13には図3のD−D線矢視図を示し、図14には図3のE−E線矢視図を示し、図15には図3のF−F線矢視図を示し、図16には、図3の脱穀装置の背面図を示す。
【0039】
上方排塵口部シール72a1及び上方排塵口部シール72a2は、図3における上方排塵口72a部に前後二重に垂れ下げ配置したビニール製の薄板であり、該上方排塵口72aからの穀粒の跳ね出しを防止するものである。さらに図17には図1のコンバイン1の選別室50の平面図を示す(図17において、ストローラック62の下方に配置したストローラック下方シーブ群92があり、平面視ではストローラック62とシーブ群92と縦横に重なって格子状に見えている。)。
【0040】
そして、本実施形態によれば、一番棚板64と一番後方棚板83との間に一番棚板後方シーブ群93を設け、一番棚板後方シーブ群93からの濾過物を、一番後方螺旋82aに導くようにしている。そして、一番棚板後方シーブ群93からの濾過物は、一番後方螺旋82aから一番還元筒82を経て、一番棚板64上へ還元される。そして、一番棚板64上を落下して一番螺旋65aから、搬送螺旋を内蔵している一番揚穀筒65を経てグレンタンク30へ搬送され、グレンタンク30に一時貯留される。
【0041】
例えば、一番棚板64の後方に網などの濾過孔体を設けても良いが、網では被処理物の濾過量が少ない。しかし、一番棚板64の後方に一番棚板後方シーブ群93を設けることで、枝梗粒や穂切れ粒、あるいは稈切れ粒等は一番棚板後方シーブ群93を通過しないため二番螺旋86に導き、単粒は一番棚板後方シーブ群93より濾過し、一番後方螺旋82aより一番還元筒82を経て、一番棚板64上から一番揚穀筒65に導くことができる。したがって、二番処理室67に還元される二番物の還元割合が減少し、被処理物からの穀粒の選別処理能力が向上して脱穀処理の高能率化が達成される。また、一番棚板64の後方に一番棚板後方シーブ群93を設けることで、該一番棚板後方シーブ群93上に漏下した被処理物を、二番唐箕ファン109からの風力によって効果的に選別でき、該シーブ群93から漏下する穀粒を一番還元筒82によって第一棚板64上に搬送して一番螺旋65aによって回収することができる。
【0042】
このように、一番棚板後方シーブ群93と一番棚板64の下方で一番揚穀筒65の一番螺旋65aと二番揚穀筒87の二番螺旋86との間に二番唐箕ファン109を設けて、一番棚板後方シーブ群93の下方に選別風を供給すると良い。二番唐箕ファン109による送風選別を行うことで青葉や稈切れ粒などの夾雑物が濾過されにくいため、シーブ群93からの濾過物を一番揚穀筒65に還元しても、良好な選別を維持でき、選別不良が起こりにくい。
【0043】
更に二番唐箕ファン109は一番後方棚板83及びその前方の一番棚板後方シーブ群93に選別風を供給するとともに、ストローラック62の下方に設けたストローラック下方シーブ群92にも矢印U方向に流れるように選別風を供給している。
【0044】
一番棚板後方シーブ群93に導かれた選別風は、一番棚板後方シーブ群93の後方で上方に位置するストローラック62やストローラック62下方のストローラック下方シーブ群92にも導かれるので、選別室50内を多層に渡って揺動棚51の運動による比重選別と送風選別が行われるようになる。したがって、被処理物の選別性能が向上して、夾雑物の回収割合が減少し、揺動棚51上の被処理物の層厚が減少することで、脱穀処理の高能率化が図れる。
【0045】
また、一番棚板後方シーブ群93の各シーブの開度を、移送棚52の後方に配置したシーブ群53の開度よりも狭くしても良い。
図3に示すように、一番棚板後方のシーブ群93のシーブの取付角度(シーブ開度)を移送棚52の後方に配置したシーブ群53のシーブの取付角度よりも水平面に対して小さくしてシーブ間の隙間を狭くすると、一番棚板後方シーブ群93では、移送棚52後方のシーブ群53を通過した被処理物が更に選別される。
【0046】
本構成を採用することにより、揺動棚51上で一番棚板64よりも後方に送られた被処理物(選別物)やシーブ群53を通過した被処理物のうち、穀粒で単粒化されたものを濾過し、穂切れ粒または枝梗粒などの単粒化が不充分な穀粒や稈切れ粒などは一番棚板64よりも後方の二番螺旋86に送塵されるようになるので、選別性能が更に向上し、被処理物の選別を良好に保つことができる。
【0047】
このように、揺動棚51上の長手方向には移送棚52やシーブ群53などの選別濾過部が設けられているが、選別濾過部のうち移送棚52以外は全てシーブ群53、ストローラック下方シーブ群92などのシーブ部とし、これらシーブ部を濾過した処理物を下方に導く構成である。
【0048】
図3に示すように、揺動棚51上の移送棚52以外の選別濾過部を全幅に渡ってシーブ部及びストローラック部とし、該シーブ部及びストローラック部を濾過した処理物を下方に導いている。
本構成を採用することにより、揺動棚51上の選別濾過部の中で、移送棚(移送搬送部)52以外の選別濾過部は揺動棚51の下方に導かれるまでに、シーブ部を通過するようになるので、藁塵や桿切れなどの粗大な夾雑物などは揺動棚51上の選別濾過部から落下しにくく、落下して単粒に混ざり選別の妨げになることを防ぐことができる。また、穀稈は脱穀処理によって本来は籾だけになるべきであるので、これら粗大な夾雑物が脱穀装置15内を循環することで発生する藁塵などの発生を抑えることができる。
【0049】
また、一番棚板後方シーブ群93の上端を、一番棚板64の上端部とほぼ同じ高さの位置になるように一番棚板後方シーブ群93を配置しても良い。
図3に示すように、一番棚板後方シーブ群93の上端を一番棚板64の上端部とほぼ同じ高さに設けているので、一番棚板後方シーブ群93を通過しない稈切れ粒や穂切れ粒などは一番棚板64上には落下せず、また、揺動棚51上で一番棚板64よりも後方から漏下した被処理物(選別物)の中の稈切れ粒や穂切れ粒などが一番棚板後方シーブ群93と一番棚板64上端との間に引っ掛かったり濾過してしまうような不具合がない。
【0050】
さらに一番棚板64の後方の一番後方棚板83と一番棚板64とでは、上下位置の高低差を設けやすく、一番後方棚板83の前後方向に位置する二番螺旋86あるいは一番後方螺旋82aへの被処理物(選別物)の振り分けが良好となる。また、一番後方棚板83の上端の高さを低く設定しておくことにより、メンテナンスのために揺動棚51を脱穀装置15の後方へ抜き出す場合に、この一番後方棚板83が邪魔になりにくく、揺動棚51のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0051】
図18には、本発明の他の実施形態によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き左側面断面図を示し、図19には、図18のコンバインの脱穀装置の一部切り欠き右側面断面図を示す。図20、図21は、図18における一部(ファン91のケーシングと、排塵処理室68と、脱穀装置15の後壁と、一番及び二番螺旋部と)を破断して示す説明用正面図である。
本実施形態によれば、二番唐箕ファン109(図3)を設けずに、唐箕79からの選別風を一番棚板64により上下方向に分離し、一番棚板64の下方の選別風を一番棚板後方シーブ群93まで導いている。
【0052】
図18に示すように、機枠(一番流穀板)90の傾斜姿勢を緩く設定して一番棚板64の下方に送風が通り抜けるための下方風路97を設けている。唐箕79からの選別風は矢印R方向に流れ、一番棚板64で上下方向に分離され、一番棚板64の上方の風路96に流れる選別風は一番棚板64の上面や選別網63からの濾過物を送風選別し、一番棚板64の下方の風路97に流れる選別風は一番螺旋65aと二番螺旋86間に設けた一番後方螺旋82aの上方から一番後方棚板83及び一番棚板後方シーブ群93まで導いている。
【0053】
このように、唐箕79からの選別風を一番棚板64上及び一番棚板64の下方から一番棚板64の後方に導くことで、一番棚板後方シーブ群93や一番後方棚板83上にまで選別風を送風できる。したがって、わざわざ一番棚板後方シーブ群93に送風するための二番唐箕ファン109を設けることなく、低コストで構成も簡易である。
【0054】
また唐箕79の回転方向(矢印Y方向)では風路の下方部の風速が大きくなる。したがって、一番棚板64の下方に下方風路97を設けていない場合は、一番棚板64上に送風される風量が大きくなるため、この風量が大きくなりすぎると、一番螺旋65aに取り込まれるべき穀粒が吹き上げられて二番螺旋86側へ吹き飛ばされてしまう。しかし、本構成によれば、一番棚板64の後方への送風が適正な風量となるように唐箕79の送風能力を上げても風路が上下方向に分かれるため一番棚板64の上面部の風量が過大となることがない。また、唐箕79から一番棚板後方シーブ群93までの距離は唐箕79から一番棚板64までの距離に比べて長いため、唐箕79の送風能力を上げても一番棚板後方シーブ群93における風量が過大となることがない。したがって、一番棚板64の上下方向の風路94、95を流れる送風を容易に適量な風量に調整することが可能となり、選別効率が向上する。
【0055】
そして、図18及び図19に示すように、一番棚板後方シーブ群93から一番後方棚板83上に落下した被処理物は、単粒が多く、一番螺旋65aから一番揚穀筒65に導かれるように、一番還元螺旋82d(図19)を内蔵している一番還元筒82の還元口(排出口)82cを一番棚板64の下端の上方に設けると良い。一番棚板後方シーブ群93を漏下した被処理物は、一番後方棚板83上を落下し、一番後方螺旋82aから一番還元螺旋82dを経て排出羽根82eの作用により矢印V方向(図19)に落下して、一番螺旋65aから一番揚穀筒65に還元される。
【0056】
このように穀粒を一番還元筒82から一番棚板64の下端の上方に導くことで、確実に一番螺旋65aから一番揚穀筒65に導くことができる。したがって、一番棚板後方シーブ群93を漏下した被処理物は再び二番物として二番棚板85から二番螺旋86で二番揚穀筒87へ搬送され二番処理室67に還元されることはなく、一番螺旋65aに導かれるようになる。しかし、塵介(藁塵や、うまく処理できなかった籾等)は揺動する移動する一番棚板64の上で比重選別と唐箕79からの送風で送風選別も行われるので、このような塵介は一番揚穀筒65には還元されず、選別性能が良好に保てる。
【0057】
また、本構成によれば、一番棚板64より上の上方風路96においては、選別網63からの濾過物や一番棚板64の上にある被処理物(選別物)を送風選別し、一番棚板64より下の下方風路97においては唐箕79からの選別風を一番棚板64の後方の一番後方棚板83や二番螺旋86の上方部に導いている。一番棚板64の下端と選別網63との間の上方風路96の風路幅W(図18)を、一番棚板64の下端と機枠90との間の下方風路97の風路幅Nよりも広くなるように一番棚板64を配置しても良い。
【0058】
上方風路96の風路幅Wと下方風路97の風路幅Nでは、下方風路97の風路幅Nの方が風速が大きいため、下方風路97内に処理物がとどまることなく一番後方棚板83に送風できる。一方、上方風路96では一番棚板64から選別網63にかけて濾過物を送風選別するが、上方風路96の風路幅Wは徐々に狭くなっているので、一番棚板64の後方側にも風速を落とさずに送風できる。また下方風路97の風路幅Nは上方風路96の風路幅Wよりも風路幅が狭いので、唐箕79からの選別風の密度を高め、より後方に送風できる。したがって、上方風路96の選別部(選別網63、シーブ53など)よりも後方にある下方風路97の選別部(一番棚板後方シーブ群93、ストローラック下方シーブ群92、ストローラック62など)にも風速を落とさずに送風できる。
【0059】
また、揺動棚51を偏心運動(いわゆるエキセントリック駆動方式)にすれば、一番棚板64の上下方向の風路幅比(W:N)の変化が、揺動棚51の位置にかかわらず少なくなる。また、揺動棚51の揺動運動時における一番棚板64の上下の動きも少なくなる(なお、一番棚板64は揺動棚51側に一体構成であるので揺動する。)一番棚板64と揺動アーム51bなどの揺動機構は次の通りである。
【0060】
すなわち、揺動アーム51bの下端部が脱穀機枠側に軸着されており、この揺動アーム51bの上端部に揺動棚51が支持されており、クランク状の揺動軸51aの回転によって揺動アーム51bを強制揺動させ、これによって揺動棚51が揺動する構成である。なお、揺動棚51の後部はベアリングガイド55によって支持案内されている。
【0061】
図18に示すように、エンジン21からの動力により揺動軸51aが回転駆動し、揺動アーム51bが作動して前後方向に揺動する。揺動棚51の後方にベアリングガイド55を設けているので、揺動棚51全体が支障なく偏心運動する。
【0062】
本構成を採用することにより、一番棚板64の上下方向の風路幅比(W:N)の変化が少ないので、唐箕79からの送風の乱れや風量の変化が少なく、一番棚板64の上下方向に送風を適量に分配できる。また、一番棚板64の上下動の変化も少ないので、一番棚板64の下端が上下の風路の中間高さにあっても唐箕79部内に穀粒をはじき込みにくく、唐箕79部内に籾が溜るといった不具合がない。
【0063】
また、一番棚板64の下方風路97からの選別風は、ストローラック62の下方まで導けるように、一番棚板64の後方で下方風路97の底部である機枠90の略延長線(点線Q(図18))上に一番後方棚板83を設けても良い。
【0064】
一番棚板64の下方風路97を形成する機枠90の上面から一番後方棚板83にかけて、ほぼ一直線上に下方風路97を形成することで、一番棚板64の下方風路97を流れる選別風を一番棚板64の後方からストローラック62まで導けるため、揺動棚51の後方部における送風選別能力も向上する。
【0065】
図22には、本発明の他の実施形態によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き左側面断面図を示し、図23には、本発明の他の実施形態によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き右側面断面図を示す。
本実施形態によれば、一番揚穀筒65に被処理物を還元する1番還元筒82の排出口82cを一番棚板64の上方に設けずに、一番棚板64の下方の機枠90と一番棚板64との間の下方風路97内に設けた点で、図18や図19に示す実施形態とは相違する。
【0066】
一番揚穀筒65への還元口である排出口82cを下方風路97内に設けることで、被処理物は下方風路97の強い風量で再選別される。すなわち、夾雑物(細かい塵介など)は二番螺旋86の方向に容易に飛ばされて、選別されるため、被処理物の選別が良好となる。また一番棚板64上にある揺動棚51の選別網63から濾過した穀粒と一番揚穀筒65へ還元される一番還元物と二番物は別々に送風選別されるようになり、塵介の除去も容易に行える。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の脱穀装置はコンバインなどの収穫した穀粒の処理装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図である。
【図2】図1のコンバインの平面図である。
【図3】図1のコンバインの脱穀装置の一部切り欠き側面断面図である。
【図4】図1のコンバインの脱穀装置の平面図である。
【図5】図1のコンバインの伝動構成を示す左側面図である。
【図6】図1のコンバインの伝動構成を示す右側面図である。
【図7】図1のコンバインの伝動構成を示す平面図である。
【図8】図1のコンバインの動力伝達系統の一部展開図である。
【図9】図3の脱穀装置の正面図である。
【図10】図3の脱穀装置のA−A線矢視図である。
【図11】図3の脱穀装置のB−B線矢視図である。
【図12】図3の脱穀装置のC−C線矢視図である。
【図13】図3の脱穀装置のD−D線矢視図である。
【図14】図3の脱穀装置のE−E線矢視図である。
【図15】図3の脱穀装置のF−F線矢視図である。
【図16】図3の脱穀装置の背面図である。
【図17】図1のコンバインの選別室の平面図である。
【図18】本発明の他の実施形態によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き左側面断面図である。
【図19】本発明の他の実施形態によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き右側面断面図である。
【図20】図18の脱穀装置の一部を破断して示す説明用正面図である。
【図21】図18の脱穀装置の一部を破断して示す説明用正面図である。
【図22】本発明の他の実施形態によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き左側面断面図である。
【図23】本発明の他の実施形態によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き右側面断面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 コンバイン 2 走行フレーム
3 走行装置 4 クローラ
6 刈取装置 7 分草具
8 穀稈引き起こし装置 12 フィードチェン挟扼杆
14 フィードチェン 14a フィードチェン駆動ギアケース
15 脱穀装置 18 縦オーガ
19 横オーガ 19a オーガ排出口
20 操縦席 21 エンジン
22 エンジンプーリ 23 脱穀装置入力プーリ
24 変速装置 25 扱胴・処理胴駆動ギアケース
28 HST 30 グレンタンク
31 駆動軸 32 プーリ
33 プーリ 34 ベルト
35、36、37 プーリ 38 一番後方プーリ
39 二番プーリ 51a 揺動軸
50 選別室 51 揺動棚
51b 揺動アーム 52 移送棚
52a 選別板 53 シーブ
55 ベアリングガイド 62 ストローラック
63 選別網 64 一番棚板
65 一番揚穀筒 65a 一番螺旋
65b 一番還元螺旋回転軸 66 扱室
67 二番処理室 68 排塵処理室
68a 排塵処理室連通口 69 扱胴
69a 扱歯 70 二番処理胴
70a 処理歯 71 排塵処理胴
71a 螺旋 71b 処理歯
71c 排出羽根 72a 上方排塵口
72a1 上方排塵口部シール 72a2 上方排塵口部シール
72b 下方排塵口 74 扱網
75 盲板 76 受け網
79 唐箕 79a 唐箕ファン
80 排藁チェーン 81 排藁カッター
82 一番還元筒 82a 一番後方螺旋
82b 一番後方螺旋回転軸 82c 排出口
82d 一番還元螺旋 82e 排出羽根
83 一番後方棚板 85 二番棚板
86 二番螺旋 86a 二番螺旋回転軸
87 二番揚穀筒 88 寄せ板
90 機枠 91 横断流ファン
92 ストローラック下方シーブ群
93 一番棚板後方シーブ群 95 排藁処理室
96 上方風路 97 下方風路
98 プーリ 99 ベルト
101 プーリ 102 カウンタ部
103 カウンタ入力プーリ 105 風割部
109 二番唐箕ファン 109a 回転軸
109b プーリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粒一時貯留用に設けられたグレンタンク(30)の近傍に穀稈から穀粒を分離するための扱胴(69)を軸架した扱室(66)と、
該扱室(66)に隣接して脱穀後の穀粒の中の二番物を処理する二番処理胴(70)を軸架した二番処理室(67)と、
前記扱室(66)と二番処理室(67)の下方に、扱室(66)と二番処理室(67)から落下する被処理物を後方に搬送し、被処理物から穀粒を選別するための選別室(50)と、
該選別室(50)の下方に選別室(50)から落下する被処理物を受ける第一棚板(64)と、
該第一棚板(64)上に落下した穀粒をグレンタンク(30)へ搬送する第一搬送装置(65)と、
前記選別室(50)の被処理物の搬送方向に向かって前記第一棚板(64)の後方に選別室(50)から落下した二番物を二番処理室(67)へ搬送する第二搬送装置(87)とを設けた脱穀装置において、
前記選別室(50)の被処理物の搬送方向に向かって第一棚板(64)の後方に、選別室(50)から第一棚板(64)の後方に落下する被処理物を受ける第一後方棚板(83)と、
前記第一棚板(64)と第一後方棚板(83)との間に選別室(50)から落下する被処理物を選別するシーブ群(93)と、
該シーブ群(93)からの漏下物を第一棚板(64)上に搬送する第三搬送装置(82)と
を設けたことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
前記シーブ群(93)の下方にシーブ群(93)に送風するための送風手段(109)を設けたことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2008−29295(P2008−29295A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−208720(P2006−208720)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】