脱粒装置
【課題】脱穀室内の藁屑の発生。脱粒作業の非効率化。
【解決手段】機体フレーム1に設けた原動機3により駆動回転する縦軸心の扱胴5を設け、該扱胴5の一方側の側面は板部材10により包囲し、扱胴5の他方側には該扱胴5の外周面と所定間隔をおいて受網11を設け、該受網11と扱胴5の外周面との間には穀稈が通る穀稈通路13を形成し、該穀稈通路13の上方には穀稈搬送装置15を設け、前記扱胴5の外周面には扱胴5の回転方向と並行になるように形成した扱歯20を扱胴5の母線方向に所定間隔をおいて複数並設したことを特徴とする脱粒装置。
【解決手段】機体フレーム1に設けた原動機3により駆動回転する縦軸心の扱胴5を設け、該扱胴5の一方側の側面は板部材10により包囲し、扱胴5の他方側には該扱胴5の外周面と所定間隔をおいて受網11を設け、該受網11と扱胴5の外周面との間には穀稈が通る穀稈通路13を形成し、該穀稈通路13の上方には穀稈搬送装置15を設け、前記扱胴5の外周面には扱胴5の回転方向と並行になるように形成した扱歯20を扱胴5の母線方向に所定間隔をおいて複数並設したことを特徴とする脱粒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱粒装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来周知の脱穀装置は、扱胴の外周面に植設した多数の扱歯によって穀稈の穂先を稈身方向にしごくようにして、脱穀させる構成である(特許文献1)。
また、四角形状の一枚の受網に穀稈を衝突させて脱粒させる脱粒装置の構成は、公知である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−113606号公報
【特許文献2】特開2006−34231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例のうち前者のものは、多数の扱歯によって穀稈の穂先を稈身方向にしごく構成のため、穂先が千切れて、藁屑の発生が多いという課題がある。また、この扱胴を駆動する負荷が大きく、駆動源が大型化して、製造コストがアップし、また、エネルギー消費量が多くなるという課題がある。
前記公知例のうち後者のものは、四角形状の一枚の受網に穀稈を衝突させて脱粒させる脱粒装置の構成であるので、藁屑の発生を抑制して脱粒作業を行うことができるが、受網と穀稈とを単に直線的に衝突させているだけなので、一度衝突させた受網を元の位置に戻す作業が必要であり、連続作業ができず、作業効率が低いという課題がある。
本願は、受網と穀稈との衝突を連続化させて脱粒作業効率を向上させたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明では、機体フレーム1に設けた原動機3により駆動回転する縦軸心の扱胴5を設け、該扱胴5の一方側の側面は板部材10により包囲し、扱胴5の他方側には該扱胴5の外周面と所定間隔をおいて受網11を設け、該受網11と扱胴5の外周面との間には穀稈が通る穀稈通路13を形成し、該穀稈通路13の上方には穀稈搬送装置15を設け、前記扱胴5の外周面には扱胴5の回転方向と並行になるように形成した扱歯20を扱胴5の母線方向に所定間隔をおいて複数並設したことを特徴とする脱粒装置としたものであり、受網11と扱胴5の外周面との間の穀稈通路13に穀稈を供給すると、扱歯20が穀稈の枝梗部分に対して交叉する方向から連続して衝突して、穀粒と枝梗との間の部分に衝撃的な曲げ荷重を作用させて脱粒させる。
請求項2の発明では、前記扱歯20は扱胴5の円周方向に所定間隔を置いて複数並設したことを特徴とする脱粒装置としたものであり、扱胴5の円周方向に所定間隔を置いて複数並設した扱歯20が搬送穀稈の枝梗部分に対して交叉する方向から複数回衝突して脱粒させる。
請求項3の発明では、前記扱胴5の母線方向に列をなして並設した複数の扱歯20を平面視において扱胴5の円周方向に180度位相を変えて二列設け、該二列の扱歯20は、扱胴5の母線方向に互いに位相を異ならせて設けたことを特徴とする脱粒装置としたものであり、扱胴5の母線方向に位相を変えた扱歯20が交互に穀稈の長さ方向の衝突箇所を変更して衝突し、その結果、穀稈の穂先部分に対する衝突回数を増加させる。
請求項4の発明では、前記扱胴5の母線方向に複数並設した各扱歯20は、穀稈の穂先の先端側に衝突する側の扱歯20を扱胴5の回転方向の下手側に配置し、穀稈の株元側に至るに従い扱胴5の回転方向の上手側に配置したことを特徴とする脱粒装置としたものであり、扱歯20は穀稈の株元側から穂先側に向けて順に衝突し、穀稈の搬送姿勢を乱さずに安定させる。
請求項5の発明では、前記受網11は、扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した所定幅の複数の当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとをジグザグ状に配置して構成したことを特徴とする脱粒装置としたものであり、穀稈が受網11に衝撃的に当たるとき、引き抜き方向に力が作用せず、穀稈の穂先全体を叩くように作用し、藁屑の発生を極力抑制する。
請求項6の発明では、前記受網11は、クリンプ網からなる前記当接用網体22Aと前記接続用網体22Bとに夫々分割形成し、各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとの間にレール兼支柱25を介在させて組立構成したことを特徴とする脱粒装置としたものであり、搬送穀稈は各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとの何れかに衝突して脱粒される。
請求項7の発明では、前記穀稈搬送装置15は一対の搬送ベルト16により形成し、扱胴5の上方に設けた一対の端部ローラー30に搬送ベルト16を掛け回し、該一対の端部ローラー30のうちの何れか一方の端部ローラー30の上方に搬送用原動機31を設けたことを特徴とする脱粒装置としたものであり、穀稈は搬送ベルト16により受網11と扱胴5の外周面との間に形成した穀稈通路13を搬送され、搬送中に扱歯20と受網11の作用で脱粒される。
請求項8の発明では、前記搬送ベルト16の外面にはスポンジあるいはゴム等の弾性体36を設けたことを特徴とする脱粒装置としたものであり、搬送量が多くても少なくても、何れの場合でも左右の搬送ベルト16の弾性体36が変形して穀稈を挾持搬送し、挾持力が搬送量の多少による変化するのを抑制し、搬送中に穀稈が抜け落ちるのを防止して、穀稈の搬送を確実・円滑にする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、駆動回転する縦軸心の扱胴5の側部に該扱胴5の外周面と所定間隔をおいて受網11を設け、扱胴5の外周面に扱歯20を設け、受網11と扱胴5の外周面との間の穀稈通路13に穀稈を供給するので、受網11および扱歯20が穀稈の穀粒と枝梗との境界部分に衝撃的な曲げ荷重を作用させて脱粒させることができ、そのため、穀稈搬送装置15の搬送穀稈に対して、穀稈搬送装置15から引き抜く方向に作用しないので、穀稈が千切れにくくなり、脱粒室17内での藁屑の発生を抑制でき、また、穀稈の穀粒と枝梗との境界部分に曲げ荷重を作用させて行う脱粒作業の連続化を実現でき、更に、脱粒に必要な負荷が小さくなることによって原動機3が小型のものですみ、製造コストの低減および省エネルギー化を図ることができる。
請求項2の発明では、前記扱歯20は扱胴5の円周方向に所定間隔を置いて複数並設しているので、搬送穀稈に扱歯20が断続的に当接し、一回目の当接で乱れた稈身が揃ってから次回の当接がなされることにより脱粒効率を向上させることができる。
請求項3の発明では、対峙するように二列設けた各列の扱歯20は、扱胴5の母線方向において互いに位相を異ならせて設けているので、穀稈の長さ方向の各部分に対する各扱歯20の衝突箇所を増加させることができ、脱粒効率を向上させることができる。
請求項4の発明では、扱胴5の母線方向に複数並設した各扱歯20は、下側の扱歯20を扱胴5の回転方向の上手側に配置し、上側に至るに従い扱胴5の回転方向の下手側に配置しているので、扱歯20は穀稈の株元側から穂先側に順に衝突し、穀稈の搬送姿勢を乱さずに安定させることができ、脱粒効率を向上させることができる。
請求項5の発明では、前記受網11は、扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した所定幅の複数の当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとをジグザグ状に配置しているので、
穀稈が扱胴5の回転により受網11に衝撃的に当たるとき、穀稈の穂先全体が叩かれるように受網11に当たって脱粒を促進させると共に、穀稈の穂先全体を叩くだけで引き抜き方向に力が作用しないので、藁屑の発生を少なくすることができる。
請求項6の発明では、前記受網11は、クリンプ網からなる前記当接用網体22Aと前記接続用網体22Bとに夫々分割形成し、各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとの間にレール兼支柱25を介在させて構成しているので、構成が簡素であり、脱粒作業の連続化を安価に実現できる。
請求項7の発明では、前記穀稈搬送装置15は一対の搬送ベルト16により形成し、扱胴5の上方に設けた一対の端部ローラー30に搬送ベルト16を掛け回し、何れか一方の端部ローラー30の上方に搬送用原動機31を設けているので、穀稈を搬送ベルト16により受網11と扱胴5の外周面との間に形成した穀稈通路13を円滑に搬送することができ、搬送用原動機31を穀稈通路13の邪魔にならないところに配置できる。
請求項8の発明では、前記搬送ベルト16の外面にはスポンジあるいはゴム等の弾性体36を設けているので、搬送量が多くても少なくても、何れの場合でも左右の搬送ベルト16の弾性体36が変形して穀稈を確実に挾持でき、搬送中に穀稈が抜け落ちるのを防止して、穀稈の搬送を確実・円滑にし、脱粒作業を確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】脱粒装置の正面図。
【図2】同平面図。
【図3】脱粒の原理を示す説明図。
【図4】脱粒装置の正面図。
【図5】同平面図。
【図6】脱粒装置の扱胴の他の実施例の背面図。
【図7】脱粒装置の扱胴の他の実施例の背面図。
【図8】受網の側面図。
【図9】受網の平面図。
【図10】レール兼支柱の断面図。
【図11】受網の網体の側面図。
【図12】搬送ベルトの他の実施例の断面図。
【図13】搬送装置の他の実施例の平面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1は脱粒装置2の機体フレーム1であり、機体フレーム1には原動機ケース2を設ける。原動機ケース2内には原動機(モーター・エンジン)3を設ける。原動機ケース2の上方には脱粒ケース4を設ける。脱粒ケース4には扱胴5の扱胴軸6の上下部分を軸装する。扱胴5は軸心方向を縦方向にして縦軸回転するように軸装する。
扱胴5は原動機3の動力により回転するが、その回転伝達構成は任意であり、前記原動機3により直接扱胴5を回転させるか、あるいは、変速機構を介して回転伝達してもよい。また、原動機3を変速モーターにより構成してもよい。
扱胴5の一方側の側面は脱粒ケース4の板部材10により包囲し、扱胴5の他方側には扱胴5の外周面と所定間隔をおいて受網11を設ける。受網11の外側は脱粒ケース4の板部材12により包囲する。
受網11と扱胴5の外周面との間には穀稈が通る穀稈通路13を形成する
【0009】
穀稈通路13の上方には穀稈搬送装置15を設ける。穀稈搬送装置15は一対の搬送ベルト16により構成している。搬送ベルト16は図2の矢印イ方向に穀稈を搬送する。
また、受網11と扱胴5の外周面との間の空間が、脱粒室17となる。
18は脱粒室17の供給口、19は脱粒室17の排出口である。
前記扱胴5の外周面には扱歯20を設ける。扱歯20は線部材21Aにより平面視略「V」字形状に形成し、線部材21Aの基部を外周面に植設するようにして固定状態に取付ける。扱歯20は扱胴5の回転方向と並行になるように扱胴5の母線方向に所定間隔をおいて複数並設する。扱歯20は穀稈搬送装置15で吊られて搬送される穀稈に対して交叉方向に当接して、穀粒Tと枝梗部分Sとの境界部分に曲げ荷重を衝撃的に作用させて脱粒させる(図3)。
また、扱胴5の回転が穀稈搬送装置15の搬送穀稈に対して、穀稈搬送装置15から引き抜く方向に作用しないので、この点でも、穀稈が千切れるのを抑制して、藁屑の発生を抑制する。
【0010】
即ち、搬送穀稈を扱胴5の回転方向に平行に供給して行う従来の「脱穀作業」では、扱歯によって穀稈の穂先をしごくため、扱胴5の回転が穀稈搬送装置15から引き抜く方向に作用し、穀稈が千切れることがあり、本願の「脱粒作業」とは本質的に相違する。
また、扱歯20により穀稈から脱粒した穀粒は扱胴5の回転により受網11に向かって飛ばされて、受網11に衝撃的に当たり、受網11は穀粒と枝梗部分との境界部分に大きな曲げ荷重を与えて(図3)、穀粒Tと枝梗部分Sの分離を促進させる。
また、穀稈の穂先部分は扱胴5の回転により受網11に向かって飛ばされて、受網11の線部材21Aに衝撃的に当たり、受網11の線部材21Aは穀粒と枝梗部分との境界部分に衝撃的な曲げ荷重を再び与えて(図3)、穀粒Tと枝梗部分Sの分離を促進させる。
【0011】
前記扱歯20は線部材により扱胴5の円周方向にも複数列並設しているので、穀稈搬送装置15により搬送される穀稈に扱歯20を複数回当接させられ、脱粒効率を向上させることができる。
実施例では、平面視において180度位相を変えて、扱胴5に扱歯20を設けている(図2)。
扱胴5の外周に縦に並設した扱歯20を平面視において180度位相を変えて二列設け、各列の扱歯20は、互いが互いの中間に位置するように、縦方向にも位相を変えて設ける(図6)。
そのため、穀稈と各扱歯20の接触面積が増加し、穀稈の穀粒Tと枝梗部分Sの境界部分の曲げ荷重発生作用を向上させて脱粒効率を向上させる。
【0012】
前記扱歯20は扱胴5の軸心方向(母線方向)である縦方向に複数並設しているが、各扱歯20は穀稈の先端(下端)が衝突する側(下側)の扱歯20を扱胴5の回転方向の下手(後)側とし、穀稈の株元側(上側)に至るに従い扱胴5の回転方向の上手(前)側に配置する(図7)。
したがって、縦一列に配置した扱歯20は、斜めに配置される。
そのため、穀稈の株元側から先端側に順に扱歯20が接触するので、搬送中の穀稈の姿勢を安定させられる。
前記受網11は、所定幅の網体22を交互に平面視屈曲するようにして配置する。受網11の網体22は扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとを所謂ジグザク状に配置する。
【0013】
そのため、穀稈は扱胴5の回転により受網11に衝撃的に当たり、脱粒を促進させるが、穀稈全体が叩かれるように受網11に当たるので、藁屑の発生を極力抑制することができる。
受網11は所謂クリンプ網を屈曲させて形成する。
したがって、受網11の屈曲部分も網として有効に作用させられる。
また、扱歯20により穀稈から脱粒した穀粒は扱胴5の回転により受網11に向かって飛ばされて、受網11に衝撃的に当たり、受網11は穀粒と枝梗部分との境界部分に掛かる曲げ荷重を大にして、穀粒と枝梗部分との分離も促進させる。
穀稈の穂部は扱歯20との衝突により脱粒し、更に、扱歯20との衝突で得られる運動エネルギーにより穀稈の穂部は受網11に衝撃的に当たり、再び脱粒させられ、脱粒効率を向上させる。
【0014】
また、穀稈の穂部は、扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとの2面に夫々衝突角度を相違しながら衝突するので、脱粒効率を向上させる。
図8〜図10の受網11は、所謂クリンプ網により、前記扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとに夫々分割形成し、各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとの間にレール兼支柱25を介在させて組立構成している。
レール兼支柱25は取付板26の上面に起立状態に設け(図9)、レール兼支柱25には挿入溝27を設ける(図10)。レール兼支柱25の挿入溝27に各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとを挿入して取付ける。
取付板26は機体フレーム1側の任意の固定部に取り付ければよい。
【0015】
取付板26は、機体フレーム1に位置調節自在に取付け、受網11と扱胴5との間隔を遠近調節可能に構成する(図9)。
実施例では、取付板26の取付孔28を長孔に構成して、取付板26を扱胴5に対して遠近移動させる。
穀稈の供給量や穀稈の穂先の広がり等の諸条件に応じて、受網11と扱胴5との間隔を調節できるので、最適な状態で脱粒させる。
また、取付板26を含めて脱粒室17の下方および板部材12の内側下方には、図示は省略するが、脱粒室17および受網11の外側に落下した穀粒を回収する穀粒回収口を開口させ、この穀粒回収口には任意構成の受皿状のシューターや搬送装置を接続する。
穀稈搬送装置穀稈搬送装置15の一対の搬送ベルト16は、扱胴5の扱胴軸6の上方を受網11側に外した位置に設ける(図2)。穀稈搬送装置15は、一対の端部ローラー30を脱粒ケース4の上方のベルトケース32に取付ける(図1)。ベルトケース32は機体フレーム1に取付ける。各端部ローラー30に搬送ベルト16を掛け回し、何れかの端部ローラー30を搬送用原動機(モーター)31により駆動する。
【0016】
したがって、穀稈は、受網11と扱胴5の外周面との間の穀稈通路13内を、搬送ベルト16により挾持されながら搬送され、搬送中に扱胴5の扱歯20との衝突および受網11との衝突により脱粒される。
一対の端部ローラー30の間に複数の中間ローラー35を設ける(図2)。
そのため、搬送ベルト16の撓み等の発生を抑制し、穀稈が抜け落ちるのを防止でき、穀稈の搬送を確実・円滑にできる。
前記搬送ベルト16の外面には、スポンジあるいはゴム等の弾性体36を設ける(図12)。
そのため、搬送量が多くても少なくても、何れの場合でも左右の搬送ベルト16の弾性体36が変形して穀稈を確実挾持して搬送でき、穀稈が抜け落ちるのを防止して、穀稈の搬送を確実・円滑にできる。
図13の穀稈搬送装置15は、搬送ベルト16を扱胴5の扱歯20の円運動の軌跡に沿うように、一対の端部ローラー30の中間位置で搬送ベルト16を湾曲(屈曲)させて配置する。
【0017】
そのため、搬送ベルト16のよる穀稈の挾持部分と扱胴5および受網11により脱粒作用を受ける穂先部分とが斜めになる傾斜割合を縦方向に近くし、扱歯20と穀稈との衝突姿勢を安定させる。
搬送ベルト16を中間位置で湾曲(屈曲)させる構成は、一対の端部ローラー30の間の中間ローラー35の配置により行っている。
【0018】
(実施例の作用)
本発明は前記構成であり、機体フレーム1の下部に設けた原動機3により駆動回転する縦軸心の扱胴5を設け、該扱胴5の一方側の側面は板部材10により包囲し、扱胴5の他方側には扱胴5の外周面と所定間隔をおいて受網受網11を設け、受網11と扱胴5の外周面との間には穀稈が通る穀稈通路13を形成し、該穀稈通路13の上方には穀稈搬送装置穀稈搬送装置15を設け、前記扱胴5の外周面には線部材により扱胴5の回転方向と並行になるように形成した扱歯20を扱胴5の母線方向に所定間隔をおいて複数並設しているので、穀稈搬送装置15で吊られて穀稈通路13を搬送される穀稈は扱歯20と交叉方向に当接し、穀稈の穀粒と枝梗部分との境界部分に曲げ荷重を作用させて脱粒させる。
そのため、扱胴5の回転および扱歯20の移動方向が穀稈搬送装置15の搬送穀稈に対して、穀稈搬送装置15から引き抜く方向に作用しないので、穀稈が千切れるのを抑制して、脱粒室17内での藁屑の発生を抑制する。
【0019】
また、穀稈の穂先部分は扱胴5の回転により受網11に向かって飛ばされて、受網11に衝撃的に当たるので、穀稈の穂先部分と受網11とが衝撃的に当接することによっても、受網11の線部材21Aが穀稈の穀粒と枝梗部分との境界部分に曲げ荷重を作用させて脱粒させる。
前記扱歯20は扱胴5の円周方向に所定間隔を置いて複数並設しているので、穀稈搬送装置15により搬送される穀稈に扱歯20が複数回当接し、脱粒効率を向上させることができる。
実施例の平面視において180度位相を変えて、扱胴5に扱歯20を設けているので、搬送穀稈に扱歯20が断続的に当接し、一列目の扱歯20が穀稈の穂先に衝突した瞬間は穀稈の姿勢が乱れるが、二列目の扱歯20が衝突するまでに、乱れた穀稈姿勢が揃って、穀稈姿勢が安定した状態で連続的な脱粒作業を行うことができ、脱粒効率を向上させることができる。
【0020】
扱胴5の外周に縦に並設した扱歯20を平面視において180度位相を変えて二列設け、各列の扱歯20は、互いが互いの中間に位置するように、縦方向にも位相を変えて設けているので、穀稈の長さ方向の各部分に対する各扱歯20の接触箇所が増加し、穀稈の穀粒と枝梗部分との間の境界部分に曲げ荷重発生作用を向上させて脱粒効率を向上させる。
扱胴5の軸心方向(母線方向)である縦方向に複数並設した各扱歯20は、穀稈の穂先端(下端)が衝突する側(下側)の扱歯20を扱胴5の回転方向の下手側とし、穀稈の株元側(上側)に至るに従い扱胴5の回転方向の上手側に配置しているので、扱歯20は穀稈の株元側から穂先側に順に衝突するので、穀稈の搬送姿勢を安定させ、扱歯20による穀稈の穀粒と枝梗部分との境界部分の曲げ荷重発生作用を向上させて脱粒効率を向上させる。
【0021】
受網11は、所定幅の扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとをジグザグ状に配置しているので、穀稈は扱胴5の回転により受網11に衝撃的に当たるとき、穀稈の穂先全体が叩かれるように受網11に当たって脱粒を促進させると共に、穀稈の穂先全体を叩くだけで引き抜き方向に力が作用しないので、藁屑の発生を極力抑制することができる。
受網11は所謂クリンプ網を屈曲させて形成すると、受網11の屈曲部分も網として有効に作用させられる。
穀稈の穂部は、扱歯20と衝突により脱粒し、更に、扱歯20との衝突で得られる運動エネルギーにより穀稈の穂部は受網11に衝撃的に当たり、再び脱粒させられので、脱粒効率を向上させる。
【0022】
穀稈の穂部は、扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとの2面に夫々衝突角度を相違しながら衝突するので、脱粒効率を向上させる。
図9の受網11は、所謂クリンプ網により、前記扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとに夫々分割形成し、各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとの間にレール兼支柱レール兼支柱25を介在させて組立構成しているから、簡単に網体22を交換することができ、破損等に対するメンテナンス作業を容易にする。
また、穀稈の状態等の諸条件により、目合を相違させた網体22に交換することができ、脱粒効率を向上させる
【0023】
レール兼支柱25は取付板取付板26の上面に起立状態に設け、レール兼支柱25には挿入溝挿入溝27を設ける。レール兼支柱25の挿入溝27に各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとを挿入して取付け、取付板26は機体フレーム1に位置調節自在に取付けているので、穀稈の供給量や穀稈の穂先の広がり等の諸条件に応じて、受網11と扱胴5との間隔を調節でき、最適な状態で脱粒させることができる。
穀稈搬送装置15の一対の搬送ベルト16は、扱胴5の扱胴軸扱胴軸6の上方を受網11側に外した位置に設けているので、穀稈は搬送ベルト16により受網11と扱胴5の外周面との間に形成した穀稈通路13を円滑に搬送される。
穀稈搬送装置15は、一対の端部ローラー30を機体フレーム1の上方に設け、各端部ローラー30に搬送ベルト16を掛け回し、何れかの端部ローラー30を搬送用原動機(モーター)搬送用原動機31により駆動しているので、搬送用原動機31を穀稈通路13の邪魔にならないところに配置できる。
受網11と扱胴5の外周面との間の穀稈通路13内を穀稈は、搬送ベルト16により挾持されながら搬送されるので、搬送中に扱胴5の扱歯20との衝突および受網11との衝突により脱粒される。
【0024】
したがって、穀稈搬送装置15に穀稈を供給することにより、穀稈を扱歯20との衝突および受網11との衝突により行う脱粒作業を連続して行うことができる。
穀稈搬送装置15は、一対の端部ローラー30の間に複数の中間ローラー中間ローラー35を設けるているので、搬送ベルト16の撓み等の発生を抑制し、穀稈が抜け落ちるのを防止でき、穀稈の搬送を確実・円滑にできる。
搬送ベルト16の外面にはスポンジあるいはゴム等の弾性体弾性体36を設けると、搬送量が多くても少なくても、何れの場合でも左右の搬送ベルト16の弾性体36が変形して穀稈を確実に挾持するので、搬送中に穀稈が抜け落ちるのを防止して、穀稈の搬送を確実・円滑にし、脱粒作業を確実にできる。
図13の穀稈搬送装置15は、搬送ベルト16を扱胴5の扱歯20の円運動の軌跡に沿うように、一対の端部ローラー30の中間位置で湾曲(屈曲)させて配置すると、搬送ベルト16のよる穀稈の挾持部分と扱胴5および受網11により脱粒作用を受ける穂先部分とが斜めになる傾斜割合を縦方向に近くし、扱歯20と穀稈との衝突姿勢を安定させる。
なお、本願の脱粒装置2は、コンバインやハーベスタ等の収穫機に搭載可能である。
【符号の説明】
【0025】
1…機体フレーム、2…原動機ケース、3…原動機、4…脱粒ケース、5…扱胴、6…扱胴軸、10…板部材、11…受網、12…板部材、13…穀稈通路、15…穀稈搬送装置、16…搬送ベルト、17…脱粒室、20…扱歯、22…網体、25…レール兼支柱、26…取付板、27…挿入溝、30…端部ローラー、31…搬送用原動機、35…中間ローラー、36…弾性体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱粒装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来周知の脱穀装置は、扱胴の外周面に植設した多数の扱歯によって穀稈の穂先を稈身方向にしごくようにして、脱穀させる構成である(特許文献1)。
また、四角形状の一枚の受網に穀稈を衝突させて脱粒させる脱粒装置の構成は、公知である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−113606号公報
【特許文献2】特開2006−34231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例のうち前者のものは、多数の扱歯によって穀稈の穂先を稈身方向にしごく構成のため、穂先が千切れて、藁屑の発生が多いという課題がある。また、この扱胴を駆動する負荷が大きく、駆動源が大型化して、製造コストがアップし、また、エネルギー消費量が多くなるという課題がある。
前記公知例のうち後者のものは、四角形状の一枚の受網に穀稈を衝突させて脱粒させる脱粒装置の構成であるので、藁屑の発生を抑制して脱粒作業を行うことができるが、受網と穀稈とを単に直線的に衝突させているだけなので、一度衝突させた受網を元の位置に戻す作業が必要であり、連続作業ができず、作業効率が低いという課題がある。
本願は、受網と穀稈との衝突を連続化させて脱粒作業効率を向上させたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明では、機体フレーム1に設けた原動機3により駆動回転する縦軸心の扱胴5を設け、該扱胴5の一方側の側面は板部材10により包囲し、扱胴5の他方側には該扱胴5の外周面と所定間隔をおいて受網11を設け、該受網11と扱胴5の外周面との間には穀稈が通る穀稈通路13を形成し、該穀稈通路13の上方には穀稈搬送装置15を設け、前記扱胴5の外周面には扱胴5の回転方向と並行になるように形成した扱歯20を扱胴5の母線方向に所定間隔をおいて複数並設したことを特徴とする脱粒装置としたものであり、受網11と扱胴5の外周面との間の穀稈通路13に穀稈を供給すると、扱歯20が穀稈の枝梗部分に対して交叉する方向から連続して衝突して、穀粒と枝梗との間の部分に衝撃的な曲げ荷重を作用させて脱粒させる。
請求項2の発明では、前記扱歯20は扱胴5の円周方向に所定間隔を置いて複数並設したことを特徴とする脱粒装置としたものであり、扱胴5の円周方向に所定間隔を置いて複数並設した扱歯20が搬送穀稈の枝梗部分に対して交叉する方向から複数回衝突して脱粒させる。
請求項3の発明では、前記扱胴5の母線方向に列をなして並設した複数の扱歯20を平面視において扱胴5の円周方向に180度位相を変えて二列設け、該二列の扱歯20は、扱胴5の母線方向に互いに位相を異ならせて設けたことを特徴とする脱粒装置としたものであり、扱胴5の母線方向に位相を変えた扱歯20が交互に穀稈の長さ方向の衝突箇所を変更して衝突し、その結果、穀稈の穂先部分に対する衝突回数を増加させる。
請求項4の発明では、前記扱胴5の母線方向に複数並設した各扱歯20は、穀稈の穂先の先端側に衝突する側の扱歯20を扱胴5の回転方向の下手側に配置し、穀稈の株元側に至るに従い扱胴5の回転方向の上手側に配置したことを特徴とする脱粒装置としたものであり、扱歯20は穀稈の株元側から穂先側に向けて順に衝突し、穀稈の搬送姿勢を乱さずに安定させる。
請求項5の発明では、前記受網11は、扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した所定幅の複数の当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとをジグザグ状に配置して構成したことを特徴とする脱粒装置としたものであり、穀稈が受網11に衝撃的に当たるとき、引き抜き方向に力が作用せず、穀稈の穂先全体を叩くように作用し、藁屑の発生を極力抑制する。
請求項6の発明では、前記受網11は、クリンプ網からなる前記当接用網体22Aと前記接続用網体22Bとに夫々分割形成し、各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとの間にレール兼支柱25を介在させて組立構成したことを特徴とする脱粒装置としたものであり、搬送穀稈は各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとの何れかに衝突して脱粒される。
請求項7の発明では、前記穀稈搬送装置15は一対の搬送ベルト16により形成し、扱胴5の上方に設けた一対の端部ローラー30に搬送ベルト16を掛け回し、該一対の端部ローラー30のうちの何れか一方の端部ローラー30の上方に搬送用原動機31を設けたことを特徴とする脱粒装置としたものであり、穀稈は搬送ベルト16により受網11と扱胴5の外周面との間に形成した穀稈通路13を搬送され、搬送中に扱歯20と受網11の作用で脱粒される。
請求項8の発明では、前記搬送ベルト16の外面にはスポンジあるいはゴム等の弾性体36を設けたことを特徴とする脱粒装置としたものであり、搬送量が多くても少なくても、何れの場合でも左右の搬送ベルト16の弾性体36が変形して穀稈を挾持搬送し、挾持力が搬送量の多少による変化するのを抑制し、搬送中に穀稈が抜け落ちるのを防止して、穀稈の搬送を確実・円滑にする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、駆動回転する縦軸心の扱胴5の側部に該扱胴5の外周面と所定間隔をおいて受網11を設け、扱胴5の外周面に扱歯20を設け、受網11と扱胴5の外周面との間の穀稈通路13に穀稈を供給するので、受網11および扱歯20が穀稈の穀粒と枝梗との境界部分に衝撃的な曲げ荷重を作用させて脱粒させることができ、そのため、穀稈搬送装置15の搬送穀稈に対して、穀稈搬送装置15から引き抜く方向に作用しないので、穀稈が千切れにくくなり、脱粒室17内での藁屑の発生を抑制でき、また、穀稈の穀粒と枝梗との境界部分に曲げ荷重を作用させて行う脱粒作業の連続化を実現でき、更に、脱粒に必要な負荷が小さくなることによって原動機3が小型のものですみ、製造コストの低減および省エネルギー化を図ることができる。
請求項2の発明では、前記扱歯20は扱胴5の円周方向に所定間隔を置いて複数並設しているので、搬送穀稈に扱歯20が断続的に当接し、一回目の当接で乱れた稈身が揃ってから次回の当接がなされることにより脱粒効率を向上させることができる。
請求項3の発明では、対峙するように二列設けた各列の扱歯20は、扱胴5の母線方向において互いに位相を異ならせて設けているので、穀稈の長さ方向の各部分に対する各扱歯20の衝突箇所を増加させることができ、脱粒効率を向上させることができる。
請求項4の発明では、扱胴5の母線方向に複数並設した各扱歯20は、下側の扱歯20を扱胴5の回転方向の上手側に配置し、上側に至るに従い扱胴5の回転方向の下手側に配置しているので、扱歯20は穀稈の株元側から穂先側に順に衝突し、穀稈の搬送姿勢を乱さずに安定させることができ、脱粒効率を向上させることができる。
請求項5の発明では、前記受網11は、扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した所定幅の複数の当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとをジグザグ状に配置しているので、
穀稈が扱胴5の回転により受網11に衝撃的に当たるとき、穀稈の穂先全体が叩かれるように受網11に当たって脱粒を促進させると共に、穀稈の穂先全体を叩くだけで引き抜き方向に力が作用しないので、藁屑の発生を少なくすることができる。
請求項6の発明では、前記受網11は、クリンプ網からなる前記当接用網体22Aと前記接続用網体22Bとに夫々分割形成し、各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとの間にレール兼支柱25を介在させて構成しているので、構成が簡素であり、脱粒作業の連続化を安価に実現できる。
請求項7の発明では、前記穀稈搬送装置15は一対の搬送ベルト16により形成し、扱胴5の上方に設けた一対の端部ローラー30に搬送ベルト16を掛け回し、何れか一方の端部ローラー30の上方に搬送用原動機31を設けているので、穀稈を搬送ベルト16により受網11と扱胴5の外周面との間に形成した穀稈通路13を円滑に搬送することができ、搬送用原動機31を穀稈通路13の邪魔にならないところに配置できる。
請求項8の発明では、前記搬送ベルト16の外面にはスポンジあるいはゴム等の弾性体36を設けているので、搬送量が多くても少なくても、何れの場合でも左右の搬送ベルト16の弾性体36が変形して穀稈を確実に挾持でき、搬送中に穀稈が抜け落ちるのを防止して、穀稈の搬送を確実・円滑にし、脱粒作業を確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】脱粒装置の正面図。
【図2】同平面図。
【図3】脱粒の原理を示す説明図。
【図4】脱粒装置の正面図。
【図5】同平面図。
【図6】脱粒装置の扱胴の他の実施例の背面図。
【図7】脱粒装置の扱胴の他の実施例の背面図。
【図8】受網の側面図。
【図9】受網の平面図。
【図10】レール兼支柱の断面図。
【図11】受網の網体の側面図。
【図12】搬送ベルトの他の実施例の断面図。
【図13】搬送装置の他の実施例の平面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1は脱粒装置2の機体フレーム1であり、機体フレーム1には原動機ケース2を設ける。原動機ケース2内には原動機(モーター・エンジン)3を設ける。原動機ケース2の上方には脱粒ケース4を設ける。脱粒ケース4には扱胴5の扱胴軸6の上下部分を軸装する。扱胴5は軸心方向を縦方向にして縦軸回転するように軸装する。
扱胴5は原動機3の動力により回転するが、その回転伝達構成は任意であり、前記原動機3により直接扱胴5を回転させるか、あるいは、変速機構を介して回転伝達してもよい。また、原動機3を変速モーターにより構成してもよい。
扱胴5の一方側の側面は脱粒ケース4の板部材10により包囲し、扱胴5の他方側には扱胴5の外周面と所定間隔をおいて受網11を設ける。受網11の外側は脱粒ケース4の板部材12により包囲する。
受網11と扱胴5の外周面との間には穀稈が通る穀稈通路13を形成する
【0009】
穀稈通路13の上方には穀稈搬送装置15を設ける。穀稈搬送装置15は一対の搬送ベルト16により構成している。搬送ベルト16は図2の矢印イ方向に穀稈を搬送する。
また、受網11と扱胴5の外周面との間の空間が、脱粒室17となる。
18は脱粒室17の供給口、19は脱粒室17の排出口である。
前記扱胴5の外周面には扱歯20を設ける。扱歯20は線部材21Aにより平面視略「V」字形状に形成し、線部材21Aの基部を外周面に植設するようにして固定状態に取付ける。扱歯20は扱胴5の回転方向と並行になるように扱胴5の母線方向に所定間隔をおいて複数並設する。扱歯20は穀稈搬送装置15で吊られて搬送される穀稈に対して交叉方向に当接して、穀粒Tと枝梗部分Sとの境界部分に曲げ荷重を衝撃的に作用させて脱粒させる(図3)。
また、扱胴5の回転が穀稈搬送装置15の搬送穀稈に対して、穀稈搬送装置15から引き抜く方向に作用しないので、この点でも、穀稈が千切れるのを抑制して、藁屑の発生を抑制する。
【0010】
即ち、搬送穀稈を扱胴5の回転方向に平行に供給して行う従来の「脱穀作業」では、扱歯によって穀稈の穂先をしごくため、扱胴5の回転が穀稈搬送装置15から引き抜く方向に作用し、穀稈が千切れることがあり、本願の「脱粒作業」とは本質的に相違する。
また、扱歯20により穀稈から脱粒した穀粒は扱胴5の回転により受網11に向かって飛ばされて、受網11に衝撃的に当たり、受網11は穀粒と枝梗部分との境界部分に大きな曲げ荷重を与えて(図3)、穀粒Tと枝梗部分Sの分離を促進させる。
また、穀稈の穂先部分は扱胴5の回転により受網11に向かって飛ばされて、受網11の線部材21Aに衝撃的に当たり、受網11の線部材21Aは穀粒と枝梗部分との境界部分に衝撃的な曲げ荷重を再び与えて(図3)、穀粒Tと枝梗部分Sの分離を促進させる。
【0011】
前記扱歯20は線部材により扱胴5の円周方向にも複数列並設しているので、穀稈搬送装置15により搬送される穀稈に扱歯20を複数回当接させられ、脱粒効率を向上させることができる。
実施例では、平面視において180度位相を変えて、扱胴5に扱歯20を設けている(図2)。
扱胴5の外周に縦に並設した扱歯20を平面視において180度位相を変えて二列設け、各列の扱歯20は、互いが互いの中間に位置するように、縦方向にも位相を変えて設ける(図6)。
そのため、穀稈と各扱歯20の接触面積が増加し、穀稈の穀粒Tと枝梗部分Sの境界部分の曲げ荷重発生作用を向上させて脱粒効率を向上させる。
【0012】
前記扱歯20は扱胴5の軸心方向(母線方向)である縦方向に複数並設しているが、各扱歯20は穀稈の先端(下端)が衝突する側(下側)の扱歯20を扱胴5の回転方向の下手(後)側とし、穀稈の株元側(上側)に至るに従い扱胴5の回転方向の上手(前)側に配置する(図7)。
したがって、縦一列に配置した扱歯20は、斜めに配置される。
そのため、穀稈の株元側から先端側に順に扱歯20が接触するので、搬送中の穀稈の姿勢を安定させられる。
前記受網11は、所定幅の網体22を交互に平面視屈曲するようにして配置する。受網11の網体22は扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとを所謂ジグザク状に配置する。
【0013】
そのため、穀稈は扱胴5の回転により受網11に衝撃的に当たり、脱粒を促進させるが、穀稈全体が叩かれるように受網11に当たるので、藁屑の発生を極力抑制することができる。
受網11は所謂クリンプ網を屈曲させて形成する。
したがって、受網11の屈曲部分も網として有効に作用させられる。
また、扱歯20により穀稈から脱粒した穀粒は扱胴5の回転により受網11に向かって飛ばされて、受網11に衝撃的に当たり、受網11は穀粒と枝梗部分との境界部分に掛かる曲げ荷重を大にして、穀粒と枝梗部分との分離も促進させる。
穀稈の穂部は扱歯20との衝突により脱粒し、更に、扱歯20との衝突で得られる運動エネルギーにより穀稈の穂部は受網11に衝撃的に当たり、再び脱粒させられ、脱粒効率を向上させる。
【0014】
また、穀稈の穂部は、扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとの2面に夫々衝突角度を相違しながら衝突するので、脱粒効率を向上させる。
図8〜図10の受網11は、所謂クリンプ網により、前記扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとに夫々分割形成し、各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとの間にレール兼支柱25を介在させて組立構成している。
レール兼支柱25は取付板26の上面に起立状態に設け(図9)、レール兼支柱25には挿入溝27を設ける(図10)。レール兼支柱25の挿入溝27に各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとを挿入して取付ける。
取付板26は機体フレーム1側の任意の固定部に取り付ければよい。
【0015】
取付板26は、機体フレーム1に位置調節自在に取付け、受網11と扱胴5との間隔を遠近調節可能に構成する(図9)。
実施例では、取付板26の取付孔28を長孔に構成して、取付板26を扱胴5に対して遠近移動させる。
穀稈の供給量や穀稈の穂先の広がり等の諸条件に応じて、受網11と扱胴5との間隔を調節できるので、最適な状態で脱粒させる。
また、取付板26を含めて脱粒室17の下方および板部材12の内側下方には、図示は省略するが、脱粒室17および受網11の外側に落下した穀粒を回収する穀粒回収口を開口させ、この穀粒回収口には任意構成の受皿状のシューターや搬送装置を接続する。
穀稈搬送装置穀稈搬送装置15の一対の搬送ベルト16は、扱胴5の扱胴軸6の上方を受網11側に外した位置に設ける(図2)。穀稈搬送装置15は、一対の端部ローラー30を脱粒ケース4の上方のベルトケース32に取付ける(図1)。ベルトケース32は機体フレーム1に取付ける。各端部ローラー30に搬送ベルト16を掛け回し、何れかの端部ローラー30を搬送用原動機(モーター)31により駆動する。
【0016】
したがって、穀稈は、受網11と扱胴5の外周面との間の穀稈通路13内を、搬送ベルト16により挾持されながら搬送され、搬送中に扱胴5の扱歯20との衝突および受網11との衝突により脱粒される。
一対の端部ローラー30の間に複数の中間ローラー35を設ける(図2)。
そのため、搬送ベルト16の撓み等の発生を抑制し、穀稈が抜け落ちるのを防止でき、穀稈の搬送を確実・円滑にできる。
前記搬送ベルト16の外面には、スポンジあるいはゴム等の弾性体36を設ける(図12)。
そのため、搬送量が多くても少なくても、何れの場合でも左右の搬送ベルト16の弾性体36が変形して穀稈を確実挾持して搬送でき、穀稈が抜け落ちるのを防止して、穀稈の搬送を確実・円滑にできる。
図13の穀稈搬送装置15は、搬送ベルト16を扱胴5の扱歯20の円運動の軌跡に沿うように、一対の端部ローラー30の中間位置で搬送ベルト16を湾曲(屈曲)させて配置する。
【0017】
そのため、搬送ベルト16のよる穀稈の挾持部分と扱胴5および受網11により脱粒作用を受ける穂先部分とが斜めになる傾斜割合を縦方向に近くし、扱歯20と穀稈との衝突姿勢を安定させる。
搬送ベルト16を中間位置で湾曲(屈曲)させる構成は、一対の端部ローラー30の間の中間ローラー35の配置により行っている。
【0018】
(実施例の作用)
本発明は前記構成であり、機体フレーム1の下部に設けた原動機3により駆動回転する縦軸心の扱胴5を設け、該扱胴5の一方側の側面は板部材10により包囲し、扱胴5の他方側には扱胴5の外周面と所定間隔をおいて受網受網11を設け、受網11と扱胴5の外周面との間には穀稈が通る穀稈通路13を形成し、該穀稈通路13の上方には穀稈搬送装置穀稈搬送装置15を設け、前記扱胴5の外周面には線部材により扱胴5の回転方向と並行になるように形成した扱歯20を扱胴5の母線方向に所定間隔をおいて複数並設しているので、穀稈搬送装置15で吊られて穀稈通路13を搬送される穀稈は扱歯20と交叉方向に当接し、穀稈の穀粒と枝梗部分との境界部分に曲げ荷重を作用させて脱粒させる。
そのため、扱胴5の回転および扱歯20の移動方向が穀稈搬送装置15の搬送穀稈に対して、穀稈搬送装置15から引き抜く方向に作用しないので、穀稈が千切れるのを抑制して、脱粒室17内での藁屑の発生を抑制する。
【0019】
また、穀稈の穂先部分は扱胴5の回転により受網11に向かって飛ばされて、受網11に衝撃的に当たるので、穀稈の穂先部分と受網11とが衝撃的に当接することによっても、受網11の線部材21Aが穀稈の穀粒と枝梗部分との境界部分に曲げ荷重を作用させて脱粒させる。
前記扱歯20は扱胴5の円周方向に所定間隔を置いて複数並設しているので、穀稈搬送装置15により搬送される穀稈に扱歯20が複数回当接し、脱粒効率を向上させることができる。
実施例の平面視において180度位相を変えて、扱胴5に扱歯20を設けているので、搬送穀稈に扱歯20が断続的に当接し、一列目の扱歯20が穀稈の穂先に衝突した瞬間は穀稈の姿勢が乱れるが、二列目の扱歯20が衝突するまでに、乱れた穀稈姿勢が揃って、穀稈姿勢が安定した状態で連続的な脱粒作業を行うことができ、脱粒効率を向上させることができる。
【0020】
扱胴5の外周に縦に並設した扱歯20を平面視において180度位相を変えて二列設け、各列の扱歯20は、互いが互いの中間に位置するように、縦方向にも位相を変えて設けているので、穀稈の長さ方向の各部分に対する各扱歯20の接触箇所が増加し、穀稈の穀粒と枝梗部分との間の境界部分に曲げ荷重発生作用を向上させて脱粒効率を向上させる。
扱胴5の軸心方向(母線方向)である縦方向に複数並設した各扱歯20は、穀稈の穂先端(下端)が衝突する側(下側)の扱歯20を扱胴5の回転方向の下手側とし、穀稈の株元側(上側)に至るに従い扱胴5の回転方向の上手側に配置しているので、扱歯20は穀稈の株元側から穂先側に順に衝突するので、穀稈の搬送姿勢を安定させ、扱歯20による穀稈の穀粒と枝梗部分との境界部分の曲げ荷重発生作用を向上させて脱粒効率を向上させる。
【0021】
受網11は、所定幅の扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとをジグザグ状に配置しているので、穀稈は扱胴5の回転により受網11に衝撃的に当たるとき、穀稈の穂先全体が叩かれるように受網11に当たって脱粒を促進させると共に、穀稈の穂先全体を叩くだけで引き抜き方向に力が作用しないので、藁屑の発生を極力抑制することができる。
受網11は所謂クリンプ網を屈曲させて形成すると、受網11の屈曲部分も網として有効に作用させられる。
穀稈の穂部は、扱歯20と衝突により脱粒し、更に、扱歯20との衝突で得られる運動エネルギーにより穀稈の穂部は受網11に衝撃的に当たり、再び脱粒させられので、脱粒効率を向上させる。
【0022】
穀稈の穂部は、扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとの2面に夫々衝突角度を相違しながら衝突するので、脱粒効率を向上させる。
図9の受網11は、所謂クリンプ網により、前記扱胴5の接線方向に対して略直角となるように配置した当接用網体22Aと、各当接用網体22Aを繋ぐ接続用網体22Bとに夫々分割形成し、各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとの間にレール兼支柱レール兼支柱25を介在させて組立構成しているから、簡単に網体22を交換することができ、破損等に対するメンテナンス作業を容易にする。
また、穀稈の状態等の諸条件により、目合を相違させた網体22に交換することができ、脱粒効率を向上させる
【0023】
レール兼支柱25は取付板取付板26の上面に起立状態に設け、レール兼支柱25には挿入溝挿入溝27を設ける。レール兼支柱25の挿入溝27に各当接用網体22Aと各接続用網体22Bとを挿入して取付け、取付板26は機体フレーム1に位置調節自在に取付けているので、穀稈の供給量や穀稈の穂先の広がり等の諸条件に応じて、受網11と扱胴5との間隔を調節でき、最適な状態で脱粒させることができる。
穀稈搬送装置15の一対の搬送ベルト16は、扱胴5の扱胴軸扱胴軸6の上方を受網11側に外した位置に設けているので、穀稈は搬送ベルト16により受網11と扱胴5の外周面との間に形成した穀稈通路13を円滑に搬送される。
穀稈搬送装置15は、一対の端部ローラー30を機体フレーム1の上方に設け、各端部ローラー30に搬送ベルト16を掛け回し、何れかの端部ローラー30を搬送用原動機(モーター)搬送用原動機31により駆動しているので、搬送用原動機31を穀稈通路13の邪魔にならないところに配置できる。
受網11と扱胴5の外周面との間の穀稈通路13内を穀稈は、搬送ベルト16により挾持されながら搬送されるので、搬送中に扱胴5の扱歯20との衝突および受網11との衝突により脱粒される。
【0024】
したがって、穀稈搬送装置15に穀稈を供給することにより、穀稈を扱歯20との衝突および受網11との衝突により行う脱粒作業を連続して行うことができる。
穀稈搬送装置15は、一対の端部ローラー30の間に複数の中間ローラー中間ローラー35を設けるているので、搬送ベルト16の撓み等の発生を抑制し、穀稈が抜け落ちるのを防止でき、穀稈の搬送を確実・円滑にできる。
搬送ベルト16の外面にはスポンジあるいはゴム等の弾性体弾性体36を設けると、搬送量が多くても少なくても、何れの場合でも左右の搬送ベルト16の弾性体36が変形して穀稈を確実に挾持するので、搬送中に穀稈が抜け落ちるのを防止して、穀稈の搬送を確実・円滑にし、脱粒作業を確実にできる。
図13の穀稈搬送装置15は、搬送ベルト16を扱胴5の扱歯20の円運動の軌跡に沿うように、一対の端部ローラー30の中間位置で湾曲(屈曲)させて配置すると、搬送ベルト16のよる穀稈の挾持部分と扱胴5および受網11により脱粒作用を受ける穂先部分とが斜めになる傾斜割合を縦方向に近くし、扱歯20と穀稈との衝突姿勢を安定させる。
なお、本願の脱粒装置2は、コンバインやハーベスタ等の収穫機に搭載可能である。
【符号の説明】
【0025】
1…機体フレーム、2…原動機ケース、3…原動機、4…脱粒ケース、5…扱胴、6…扱胴軸、10…板部材、11…受網、12…板部材、13…穀稈通路、15…穀稈搬送装置、16…搬送ベルト、17…脱粒室、20…扱歯、22…網体、25…レール兼支柱、26…取付板、27…挿入溝、30…端部ローラー、31…搬送用原動機、35…中間ローラー、36…弾性体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレーム(1)に設けた原動機(3)により駆動回転する縦軸心の扱胴(5)を設け、該扱胴(5)の一方側の側面は板部材(10)により包囲し、扱胴(5)の他方側には該扱胴(5)の外周面と所定間隔をおいて受網(11)を設け、該受網(11)と扱胴(5)の外周面との間には穀稈が通る穀稈通路(13)を形成し、該穀稈通路(13)の上方には穀稈搬送装置(15)を設け、前記扱胴(5)の外周面には扱胴(5)の回転方向と並行になるように形成した扱歯(20)を扱胴(5)の母線方向に所定間隔をおいて複数並設したことを特徴とする脱粒装置。
【請求項2】
請求項1において、前記扱歯(20)は扱胴(5)の円周方向に所定間隔を置いて複数並設したことを特徴とする脱粒装置。
【請求項3】
請求項2において、前記扱胴(5)の母線方向に列をなして並設した複数の扱歯(20)を平面視において扱胴(5)の円周方向に180度位相を変えて二列設け、該二列の扱歯(20)は、扱胴(5)の母線方向に互いに位相を異ならせて設けたことを特徴とする脱粒装置。
【請求項4】
請求項3において、前記扱胴(5)の母線方向に複数並設した各扱歯(20)は、穀稈の穂先の先端側に衝突する側の扱歯(20)を扱胴(5)の回転方向の下手側に配置し、穀稈の株元側に至るに従い扱胴(5)の回転方向の上手側に配置したことを特徴とする脱粒装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記受網(11)は、扱胴(5)の接線方向に対して略直角となるように配置した所定幅の複数の当接用網体(22A)と、各当接用網体(22A)を繋ぐ接続用網体(22B)とをジグザグ状に配置して構成したことを特徴とする脱粒装置。
【請求項6】
請求項5において、前記受網(11)は、クリンプ網からなる前記当接用網体(22A)と前記接続用網体(22B)とに夫々分割形成し、各当接用網体(22A)と各接続用網体(22B)との間にレール兼支柱(25)を介在させて組立構成したことを特徴とする脱粒装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6において、前記穀稈搬送装置(15)は一対の搬送ベルト(16)により形成し、扱胴(5)の上方に設けた一対の端部ローラー(30)に搬送ベルト(16)を掛け回し、該一対の端部ローラー(30)のうちの何れか一方の端部ローラー(30)の上方に搬送用原動機31を設けたことを特徴とする脱粒装置。
【請求項8】
請求項7において、前記搬送ベルト(16)の外面にはスポンジあるいはゴム等の弾性体(36)を設けたことを特徴とする脱粒装置。
【請求項1】
機体フレーム(1)に設けた原動機(3)により駆動回転する縦軸心の扱胴(5)を設け、該扱胴(5)の一方側の側面は板部材(10)により包囲し、扱胴(5)の他方側には該扱胴(5)の外周面と所定間隔をおいて受網(11)を設け、該受網(11)と扱胴(5)の外周面との間には穀稈が通る穀稈通路(13)を形成し、該穀稈通路(13)の上方には穀稈搬送装置(15)を設け、前記扱胴(5)の外周面には扱胴(5)の回転方向と並行になるように形成した扱歯(20)を扱胴(5)の母線方向に所定間隔をおいて複数並設したことを特徴とする脱粒装置。
【請求項2】
請求項1において、前記扱歯(20)は扱胴(5)の円周方向に所定間隔を置いて複数並設したことを特徴とする脱粒装置。
【請求項3】
請求項2において、前記扱胴(5)の母線方向に列をなして並設した複数の扱歯(20)を平面視において扱胴(5)の円周方向に180度位相を変えて二列設け、該二列の扱歯(20)は、扱胴(5)の母線方向に互いに位相を異ならせて設けたことを特徴とする脱粒装置。
【請求項4】
請求項3において、前記扱胴(5)の母線方向に複数並設した各扱歯(20)は、穀稈の穂先の先端側に衝突する側の扱歯(20)を扱胴(5)の回転方向の下手側に配置し、穀稈の株元側に至るに従い扱胴(5)の回転方向の上手側に配置したことを特徴とする脱粒装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記受網(11)は、扱胴(5)の接線方向に対して略直角となるように配置した所定幅の複数の当接用網体(22A)と、各当接用網体(22A)を繋ぐ接続用網体(22B)とをジグザグ状に配置して構成したことを特徴とする脱粒装置。
【請求項6】
請求項5において、前記受網(11)は、クリンプ網からなる前記当接用網体(22A)と前記接続用網体(22B)とに夫々分割形成し、各当接用網体(22A)と各接続用網体(22B)との間にレール兼支柱(25)を介在させて組立構成したことを特徴とする脱粒装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6において、前記穀稈搬送装置(15)は一対の搬送ベルト(16)により形成し、扱胴(5)の上方に設けた一対の端部ローラー(30)に搬送ベルト(16)を掛け回し、該一対の端部ローラー(30)のうちの何れか一方の端部ローラー(30)の上方に搬送用原動機31を設けたことを特徴とする脱粒装置。
【請求項8】
請求項7において、前記搬送ベルト(16)の外面にはスポンジあるいはゴム等の弾性体(36)を設けたことを特徴とする脱粒装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−193784(P2010−193784A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42443(P2009−42443)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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