説明

自動ドア開閉検知システム及び自動ドアの開閉検知方法

【課題】手動でドア本体が開けられた場合でも、そのドア本体が開きっ放しになる等といった誤動作を防止できる自動ドア開閉検知システム及び自動ドアの開閉検知方法を提供する。
【解決手段】開口部を開放又は閉塞する一対のドア本体12、14と、ドア本体12、14を回転駆動する駆動手段20、22と、駆動手段20、22によるドア本体12、14の回転駆動を制御する制御手段24と、ドア本体12、14が開口部を開放した開放状態と、ドア本体12、14が開口部を閉塞した閉塞状態と、ドア本体12、14の一方が開口部の一部を開放しドア本体12、14の他方が開口部の一部を閉塞した一部開放一部閉塞状態と、をそれぞれ判別し、この判別結果に基づいて制御手段24を制御する検知手段28と、を有する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドアの開閉状態を検知することができる自動ドア開閉検知システム及び自動ドアの開閉検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、いわゆる両開きスイング自動ドアシステムが知られている。図9(A)に示すように、この両開きスイング自動ドアシステム100は、開口部101に配置された一対のドア本体102、104と、各ドア本体102、104にそれぞれ取り付けられた回転軸106、108回りに各ドア本体102、104を回転させる各モータ110、112と、このモータ110、112を制御する制御手段114と、を有している。このドア本体102、104が閉じられた状態では、一対のドア本体102、104の幅方向片側端部同士が対向するようにドア本体102、104が位置しており、この状態から、各ドア本体102、104の一方又は両方がモータ110、112により駆動されて回転軸106、108回りに回転することにより、ドア本体102、104が開けられた状態となる。
【0003】
ここで、ドア本体102、104の近傍には、安全性を担保する観点からドア軌道上物体検出センサ(図示省略)が配置されている。このドア軌道上物体検出センサは各モータ110、112の一方のモータ電圧を利用してドア本体102、104の開閉状態を認識できるようになっている。すなわち、ドア本体102、104が閉じている状態ではそのドア本体102、104を駆動するモータ110、112のモータ電圧が低くなっており、ドア本体102、104が開いている場合ではそのドア本体102、104を駆動するモータ110、112のモータ電圧が高くなっており、ドア軌道上物体検出センサがこのモータ電圧の変化を検出することにより、ドア本体102、104が閉じているのか、あるいは開いているのかを判断している。また、同時に、ドア軌道上物体検出センサは、ドア本体102、104の近傍に存在する人などを検出することにより、制御手段114を介してモータ110、112の駆動を制御することができる。
【0004】
なお、上記背景技術は公用の技術であり、本発明は公用の技術をもとに開発したものである。このため、出願人は、特許出願の時において本発明に関連する文献公知発明の存在を知らず、文献公知発明の名称その他の文献公知発明に関する情報の所在の記載を省略する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ドア軌道上物体検出センサでは、各ドア本体102、104を回転駆動する各モータ110、112の一方(例えばモータ112)のモータ電圧のみを検出して制御する構成であるため、モータ電圧を検出していない側(ドア軌道上物体検出センサにより制御されない側)のモータ110により回転駆動されるドア本体102の開閉状態を認識することができない問題があった。
このため、図9(B)に示すように、例えば、ドア軌道上物体検出センサにより制御されない側のドア本体102が手動で開けられた場合には、この開けられたドア本体102がドア軌道上物体検出センサにより人又は物体であるとして誤って検出されて、図9(C)に示すように、ドア軌道上物体検出センサにより制御されない側のドア本体102が開きっ放しになるという問題が生じる。
また、図9(C)に示すように、ドア本体102が開きっ放しの状態で所定の時間が経過すると、開きっ放しのドア本体102がドア軌道上物体検出センサにより閉まった状態として認識される。そして、図10(A)に示すように、開きっ放しのドア本体102を手動で閉めようとすると、ドア軌道上物体検出センサによりそのドア本体102が人又は物体であるとして誤って検出され、図10(B)に示すように、ドア本体102が完全に閉じられた状態においても所定の時間が経過するまで検出状態が続き、人が通過しようとした場合でも、ドア本体102、104が開かなくなるという問題が生じる。
かかる問題を解決するために、ドア軌道上物体検出センサを2台取り付け、各モータ110、112の両方のモータ電圧をそれぞれ検出することにより解決することは可能であるが、ドア軌道上物体検出センサの個数が増えると、製造コストが増大するとともに、ドア軌道上物体検出センサを取り付けるときの手間も増え、さらに別の問題が生じてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、手動でドア本体が開けられた場合でも、そのドア本体が開きっ放しになる等といった誤動作を防止できる自動ドア開閉検知システム及び自動ドアの開閉検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、前記開口部を開放又は閉塞する一対のドア本体と、前記ドア本体を駆動する駆動手段と、前記駆動手段による前記ドア本体の駆動を制御する制御手段と、前記ドア本体が前記開口部を開放した開放状態と、前記ドア本体が前記開口部を閉塞した閉塞状態と、前記ドア本体の一方が前記開口部の一部を開放し前記ドア本体の他方が前記開口部の一部を閉塞した一部開放一部閉塞状態と、をそれぞれ判別し、この判別結果に基づいて前記制御手段を制御する検知手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ドア本体が開口部を開放した開放状態と、ドア本体が開口部を閉塞した閉塞状態と、ドア本体の一方が開口部の一部を開放しドア本体の他方が開口部の一部を閉塞した一部開放一部閉塞状態と、が検知手段により判別される。また、上記判別結果に基づいて、検知手段により制御手段が制御される。
このため、一対のドア本体により開口部が閉塞された閉塞状態から、一対のドア本体のうち一方のドア本体が手動により開けられて開口部の一部が開放し一対のドア本体のうち他方のドア本体が開口部の一部をそのまま閉塞している一部開放一部閉塞状態に移ると、検知手段は一部開放一部閉塞状態と判別する。この結果、一方のドア本体が手動で開けられた場合でも、その開けられたドア本体を検知手段が人や物体であるとして誤って検知することがないため、制御手段や駆動手段を誤って制御することがなく、その後のドア本体の駆動に誤動作が生じてしまうことを防止することができる。
なお、本明細書において、「一部開放一部閉塞状態」には、一対のドア本体のうち一方(例えば、右側)のドア本体が開放し他方(例えば、左側)のドア本体が閉塞する状態と、一対のドア本体のうち他方(例えば、左側)のドア本体が開放し一方(例えば、右側)のドア本体が閉塞する状態の両方が含まれる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動ドア開閉検知システムにおいて、前記検知手段は、前記ドア本体の軌道上に人又は物体が存在する状態をさらに判別し、前記状態を認識した場合に前記ドア本体の駆動を停止するように前記制御手段を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、検知手段により、ドア本体の軌道上に人又は物体が存在する状態がさらに判別される。そして、検知手段によりこの状態が認識された場合にはドア本体の駆動を停止するように制御手段が制御される。これにより、ドア本体が駆動しない。このように、一部開放一部閉塞状態において、検知手段によりドア本体の軌道上に人又は物体が存在する状態が認識されると、ドア本体が駆動しないため、ドア本体の軌道上に存在する人や物体にドア本体が接触してしまうことを防止できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、一対のドア本体が開口部を開放した開放状態と、前記ドア本体が前記開口部を閉塞した閉塞状態と、前記ドア本体の一方が前記開口部の一部を開放し前記ドア本体の他方が前記開口部の一部を閉塞した一部開放一部閉塞状態と、を検知手段によりそれぞれ判別する状態判別工程と、前記検知手段の判別結果に基づいて前記検知手段により制御手段が制御され、前記ドア本体の駆動が制御される制御工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、状態判別工程において、一対のドア本体が開口部を開放した開放状態と、ドア本体が開口部を閉塞した閉塞状態と、ドア本体の一方が前記開口部の一部を開放しドア本体の他方が開口部の一部を閉塞した一部開放一部閉塞状態と、が検知手段によりそれぞれ判別される。
また、制御工程において、検知手段の判別結果に基づいて検知手段により制御手段が制御され、ドア本体の駆動が制御される。例えば、一対のドア本体により開口部が閉塞された閉塞状態から、一対のドア本体のうち一方のドア本体が手動により開けられて開口部の一部が開放し一対のドア本体のうち他方のドア本体が開口部の一部をそのまま閉塞している一部開放一部閉塞状態に移ると、検知手段は一部開放一部閉塞状態であることを認識する。この結果、一方のドア本体が手動で開けられた場合でも、その開けられたドア本体を検知手段が人や物体であるとして誤って検知することがないため、制御手段や駆動手段を誤って制御することがなく、その後のドア本体の駆動に誤動作が生じてしまうことを防止することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の自動ドアの開閉検知方法において、前記状態判別工程では、前記検知手段により前記ドア本体の軌道上に人又は物体が存在する状態がさらに判別され、前記制御工程では、前記検知手段により前記状態が認識された場合には前記ドア本体の駆動を停止するように前記制御手段を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、状態判別工程では、検知手段によりドア本体の軌道上に人又は物体が存在する状態がさらに判別される。また、制御工程では、検知手段によりドア本体の軌道上に人又は物体が存在する状態が認識された場合には、検知手段によりドア本体の駆動を停止するように制御手段が制御される。これにより、ドア本体が駆動しない。このように、一部開放一部閉塞状態において、検知手段によりドア本体の軌道上に人又は物体が存在する状態が認識されると、ドア本体が駆動しないため、ドア本体の軌道上に存在する人や物体にドア本体が接触してしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、手動でドア本体が開けられた場合でも、そのドア本体が開きっ放しになる等といった誤動作を防止することができる。特に、一部開放一部閉塞状態において、検知手段によりドア本体の軌道上に人又は物体が存在する状態が認識されると、ドア本体が駆動しないため、ドア本体の軌道上に存在する人や物体にドア本体が接触してしまうことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の一実施形態に係る自動ドア開閉検知システムについて、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では自動ドアとしてスイングドアを用いた構成を例にとり説明するが、本発明はスイングドアに限られるものではなく、例えば折れ戸など、自動で開閉する自動ドア全てに適用できるものである。
【0017】
図1及び図2(A)、(B)に示すように、スイングドア開閉検知システム(自動ドア開閉検知システム)10は、スイングドアを備えている。このスイングドアは、一対のドア本体12、14を有している。このドア本体12、14は長方形状に形成されており、その幅方向外側の端部には回転軸16、18がそれぞれ貫通されている。各ドア本体12、14は、開口部11に回転軸16、18を介してそれぞれ取り付けられている。また、開口部11の近傍には、各回転軸16、18を回転駆動させるためのモータ(駆動手段)20、22が配置されており、各モータ20、22の駆動により各回転軸16、18を回転駆動させることにより、各ドア本体12、14が各回転軸16、18と共に回転駆動するようになっている。また、各モータ20、22の近傍には、各モータ20、22の駆動を制御するための制御部(制御手段)24が配置されている。この制御部24からの出力信号により各モータ20、22の駆動・停止が制御されている。
【0018】
また、図1に示すように、開口部11の近傍には、物体検知センサ(検知手段)28(図2乃至図4では図示省略)が配置されている。この物体検知センサ28は、各ドア本体12、14の軌道上の検知エリアG内に存在する人又は物体を検知する検知部30を備えている。また、物体検知センサ28は、各回転軸16、18の回転角度と各モータ20、22のモータ電圧との関係を示すテーブルを記憶した記憶部38を備えている。なお、記憶部38は必ず設ける必要はなく、ドア位置検出センサ(図示省略)を用いて例えば各回転軸16、18の回転角度等を検出することにより、モータ電圧を検出するまでもなく、各ドア本体12、14の開閉状態を容易に認識することができる。また、物体検知センサ28は信号生成回路部32を備えており、この信号生成回路部32により、各モータ20、22のモータ電圧、検知部30からの出力信号及び記憶部38に記憶されたテーブルに基づいて、各ドア本体12、14が開口部11を開放した開放状態を示す第1信号と、各ドア本体12、14が開口部11を閉塞した閉塞状態を示す第2信号と、各ドア本体12、14のうち一方のドア本体12(14)が開口部11の一部を開放し各ドア本体12、14のうちの他方のドア本体14(12)が開口部11の一部を閉塞した一部開放一部閉塞状態を示す第3信号と、各ドア本体12、14の軌道上に人又は物体が存在する状態を示す第4信号と、がそれぞれ生成される。また、物体検知センサ28は、信号送信部34を備えており、信号生成回路部32で生成された各信号を制御部24に出力する。制御部24に各信号が出力されると、この各信号に基づいて各ドア本体12、14の回転駆動が各回転軸16、18を介して制御される。例えば、物体検知センサ28の信号生成回路部32により第4信号が生成されると、第4信号が制御部24に出力され、各ドア本体12、14の回転駆動が停止させられる。
【0019】
また、図1に示すように、開口部11の近傍には、起動センサ36(図2乃至図4では図示省略)が配置されている。この起動センサ36は、例えば押しボタン式のものであり、人によりボタンが押されると人を検出し、制御部24に所定の信号を出力する。制御部24に所定の信号が出力されると、各モータ20、22がその信号に基づいて駆動制御され、各ドア本体12、14が回転駆動されて、開口部11を開放する。
【0020】
なお、本実施形態で用いられる物体検知センサ28は、内部に所定の信号を生成するための信号生成回路部32を有するものであるが、それ以外の構成については、人や物体を検知するための既存のセンサと同様のものである。
また、本実施形態で用いられる物体検知センサ28では、所定の信号を生成する信号生成回路部32を内蔵した構成について説明したが、この構成に限られるものではなく、物体検知センサとは別の箇所に上述した各信号を生成する信号生成回路部を内蔵した信号発信装置(図示省略)を配置しておき、この信号発信装置から物体検知センサに所定の信号を送信するように構成してもよい。物体検知センサに送信された各信号に基づいて内蔵されているCPU(図示省略)で各ドア本体12、14の状態が判別され、この判別結果に基づいて制御信号を信号送信部34から制御部24に送信するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、物体検知センサ28と起動センサ36とを別体で構成した例をとり説明したが、この構成に限られるものではなく、両者が一体に構成されたセンサを用いてもよい。
【0021】
次に、本実施形態に係る自動ドア開閉検知システムを用いた自動ドアの開閉検知方法について説明する。
【0022】
図1、図2及び図5に示すように、物体検知センサ28により各ドア本体12、14が開口部11を閉塞した閉塞状態(図2(B)参照)か否かが判断される(ステップ100)。この判断は、一方のモータ20(22)のモータ電圧と記憶部38に記憶されたテーブルとに基づいて信号生成回路部32により判断される。これにより、物体検知センサ28は閉塞状態であるか否かを判別することができ、一定の場合には閉塞状態であることを認識することができる。信号生成回路部32により閉塞状態であると認識されると、信号生成回路部32により第2信号が生成される(ステップ120)。この生成された第2信号は信号送信部34から制御部24に送信される(ステップ140)。
ここで、検知部30により各ドア本体12、14の軌道上の検知エリアG内の人(又は物体)が検知されたか否かが判断される(ステップ160)。検知部30により各ドア本体12、14の軌道上の検知エリアG内の人(又は物体)が検知されると、信号生成回路部32により第4信号が生成される(ステップ180)。信号生成回路部32により第4信号が生成されると、信号送信部34から第4信号が制御部24に送信される(ステップ200)。制御部24に第4信号が送信されると、たとえ起動センサ36により人が検出された場合(ステップ220)でも、制御部24は、第2信号と第4信号に基づいて、各モータ20、22に所定の信号を出力し、各モータ20、22を駆動させないように制御する。これにより、各ドア本体12、14が各回転軸16、18と共に回転駆動することがなく、閉塞状態が維持されるため(ステップ240)、検知エリアG内の人(又は物体)に各ドア本体12、14が接触することがない。
このように、検知部30により検知エリアG内で人(又は物体)が検知されている間は、たとえ起動センサ36により人が検出された場合であっても、信号送信部34から第4信号が制御部24に出力され続けており、各ドア本体12、14が開くことはない。
また、検知部30により検知エリアG内の人が検知されなくなると、制御部24に第4信号が出力されず、この状態で、起動センサ36により人が検出された場合(ステップ260)には、制御部24により各モータ20、22が駆動制御され、各回転軸16、18が回転駆動されて、図2(A)に示すように、各ドア本体14、14が各回転軸16、18と共に回転駆動し、開口部11を開放する(ステップ280)。なお、起動センサ36により人が検出されない場合(ステップ260)は、閉塞状態が維持される(ステップ1240)。
【0023】
一方、図1、図2及び図6に示すように、物体検知センサ28により各ドア本体12、14が開口部11を開放した開放状態(図2(A)参照)か否かが判断される(ステップ300)。この判断は、一方のモータ20(22)のモータ電圧と記憶部38に記憶されたテーブルとに基づいて信号生成回路部32により判断される。これにより、物体検知センサ28は開放状態であるか否かを判別することができ、一定の場合には開放状態であることを認識することができる。信号生成回路部32により開放状態であると認識されると、信号生成回路部32により第1信号が生成される(ステップ320)。この生成された第1信号は信号送信部34から制御部24に送信される(ステップ340)。
ここで、検知部30により各ドア本体12、14の軌道上の検知エリアG内の人(又は物体)が検知されたか否かが判断される(ステップ360)。検知部30により各ドア本体12、14の軌道上の検知エリアG内の人(又は物体)が検知されると、信号生成回路部32により第4信号が生成される(ステップ380)。信号生成回路部32により第4信号が生成されると、信号送信部34から第4信号が制御部24に送信される(ステップ400)。制御部24に第4信号が送信されると、たとえ起動センサ36により人が検出された場合(ステップ420)でも、制御部24は、第2信号と第4信号に基づいて、各モータ20、22に所定の信号を出力し、各モータ20、22を駆動させないように制御する。これにより、各ドア本体12、14が各回転軸16、18と共に回転駆動することがなく、開放状態が維持されるため(ステップ440)、検知エリアG内の人(又は物体)に各ドア本体12、14が接触することがない。
このように、各ドア本体12、14は、検知部30により検知エリアG内で人(又は物体)が検知されている間は、信号送信部34から第4信号が制御部24に出力され続けており、起動センサ36により人が検出されていない場合でも、閉じてしまうことはない。
また、検知部30により検知エリアG内の人(又は物体)が検知されなくなると、制御部24に第4信号が出力されず、この状態で、起動センサ36により人が検出されない場合(ステップ460)には、制御部24により各モータ20、22が駆動制御され、各回転軸16、18が回転駆動されて、図2(B)に示すように、各ドア本体12、14が各回転軸16、18と共に回転駆動し、開口部11を閉塞する(ステップ480)。なお、起動センサ36により人が検出された場合(ステップ460)には、開放状態が維持される(ステップ440)。
【0024】
また、図3(A)、(B)及び図7に示すように、各ドア本体12、14により開口部11が閉塞された状態(ステップ500)で、かつボタンが押されず起動センサ36により人が検出されていない状態において、一対の各ドア本体12、14のうちの一方のドア本体12が手動で押されて開けられると、信号生成回路部32により一方のモータ20のモータ電圧と記憶部38に記憶されたテーブルとに基づいて一部開放状態か否かが判断される(ステップ520)。この結果、物体検知センサ28は、一定の場合には一部開放一部閉塞状態であることを認識することができる。信号生成回路部32により一部開放一部閉塞状態であることが認識されると、信号生成回路部32により第3信号が生成される(ステップ540)。この生成された第3信号は信号送信部34から制御部24に送信される(ステップ560)。制御部24に第3信号が送信されると、制御部24から一方のモータ20に所定の信号が出力され、一方のモータ20が駆動させられる(ステップ580)。一方のモータ20が駆動させられると、手動で押された一方のドア本体12が回転軸16と共に回転駆動し、開口部11の一部を完全に開放する(ステップ600)。これにより、人が通行することができるとともに、一方のドア本体12を手動で開けられた場合でも、この開けられた一方のドア本体12が人や荷物であると誤って判断されることがない。このため、制御部24により各モータ20、22が誤って制御されることがなく、各ドア本体12、14の誤動作を防止することができる。
【0025】
図8に示すように、信号生成回路部32により一部開放一部閉塞状態であることが認識される(ステップ520)と、信号生成回路部32により第3信号が生成される(ステップ540)。この生成された第3信号は信号送信部34から制御部24に送信される(ステップ560)。このとき、検知部30により各ドア本体12、14の軌道上の検知エリアG内の人(又は物体)が検知される(ステップ620)と、信号生成回路部32により第4信号が生成される(ステップ640)。信号生成回路部32により第4信号が生成されると、信号送信部34から第4信号が制御部24に送信される(ステップ660)。信号送信部34から第4信号が制御部24に送信されると、たとえ起動センサ36により人が検出された場合(ステップ680)でも、制御部24は、第3信号と第4信号に基づいて、各モータ20、22に所定の信号を出力し、各モータ20、22が駆動しないように制御する。これにより、各ドア本体12、14が各回転軸16、18と共に回転駆動することがなく、一部開放一部閉塞状態が維持されるため(ステップ700)、各ドア本体12、14の軌道上に存在する人(又は物体)に各ドア本体12、14が接触することがない。
また、検知部30により検知エリアG内の人(又は物体)が検知されなくなると、制御部24に第4信号が送信されず、この状態で、起動センサ36により人が検出されない場合(ステップ720)には、制御部24により一方のモータ20が駆動制御され、一方の回転軸16が回転駆動されて、図4(A)、(B)に示すように、一方のドア本体12が回転軸16と共に回転駆動し、開口部11の一部を閉塞する(ステップ740)。なお、起動センサ36により人が検出された場合(ステップ720)には、制御部24により他方のモータ22が駆動制御され、他方の回転軸18が回転駆動されて、閉じていた他方のドア本体14が回転軸18と共に回転駆動し、図2(A)に示すように、開口部11を開放する(ステップ760)。
【0026】
以上のように、本発明によれば、一対のドア本体12、14により開口部11が閉塞された閉塞状態から、一対のドア本体12、14のうち一方のドア本体12が手動により開けられた場合でも、その開けられた一方のドア本体12を検知部30が人や物体であるとして誤って検知することがないため、制御部24や各モータ20、22を誤って制御することがなく、その後の各ドア本体12、14の回転駆動に誤動作が生じてしまうことを防止することができる。
特に、各ドア本体12、14の軌道上に人や荷物などの物体が存在すると、信号生成回路部32により第4信号が生成され、信号送信部34からこの第4信号が制御部24に送信されるため、各ドア本体12、14が回転駆動せず、各ドア本体12、14の軌道上に存在する人や物体に各ドア本体12、14が接触してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係る自動ドア開閉検知システムの構成を示すブロック図である。
【図2】(A)は各ドア本体が開口部を開放した開放状態を示す平面図であり、(B)は各ドア本体が開口部を閉塞した閉塞状態を示す平面図である。
【図3】(A)は一方のドア本体が手動により押された状態を示す平面図であり、(B)は一方のドア本体が開口部の一部を開放し他方のドア本体が開口部の一部を閉塞した一部開放一部閉塞状態を示す平面図である。
【図4】(A)は一部開放一部閉塞状態から一方のドア本体が開口部を閉塞しようとする状態を示す平面図であり、(B)は一方のドア本体が開口部の一部を完全に閉塞した閉塞状態を示す平面図である。
【図5】本実施形態の自動ドア開閉検知システムによる閉塞状態を始点とした処理を示したフローチャートである。
【図6】本実施形態の自動ドア開閉検知システムによる開放状態を始点とした処理を示したフローチャートである。
【図7】本実施形態の自動ドア開閉検知システムによる一部開放一部閉塞状態を含んだ処理を示したフローチャートである。
【図8】本実施形態の自動ドア開閉検知システムによる一部開放一部閉塞状態を含んだ処理であり図7で示す処理とは別の処理を示したフローチャートである。
【図9】従来の両開きスイング自動ドアシステムの概略構成図であり、特に、(A)は各ドア本体が開口部を閉塞した閉塞状態を示す平面図であり、(B)は一方のドア本体が手動により押された状態を示す平面図であり、(C)は一方のドア本体が開口部の一部を開放し他方のドア本体が開口部の一部を閉塞した一部開放一部閉塞状態を示す平面図である。
【図10】従来の両開きスイング自動ドアシステムの概略構成図であり、特に、(A)は一部開放一部閉塞状態から一方のドア本体が開口部を閉塞しようとする状態を示す平面図であり、(B)は一方のドア本体が開口部の一部を完全に閉塞した閉塞状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0028】
10 スイングドア開閉検知システム(自動ドア開閉検知システム)
11 開口部
12、14 ドア本体
20、22 モータ(駆動手段)
24 制御部(制御手段)
28 物体検知センサ(検知手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開放又は閉塞する一対のドア本体と、
前記ドア本体を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段による前記ドア本体の駆動を制御する制御手段と、
前記ドア本体が前記開口部を開放した開放状態と、前記ドア本体が前記開口部を閉塞した閉塞状態と、前記ドア本体の一方が前記開口部の一部を開放し前記ドア本体の他方が前記開口部の一部を閉塞した一部開放一部閉塞状態と、をそれぞれ判別し、この判別結果に基づいて前記制御手段を制御する検知手段と、
を有することを特徴とする自動ドア開閉検知システム。
【請求項2】
前記検知手段は、前記ドア本体の軌道上に人又は物体が存在する状態をさらに判別し、前記状態を認識した場合に前記ドア本体の駆動を停止するように前記制御手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の自動ドア開閉検知システム。
【請求項3】
一対のドア本体が開口部を開放した開放状態と、前記ドア本体が前記開口部を閉塞した閉塞状態と、前記ドア本体の一方が前記開口部の一部を開放し前記ドア本体の他方が前記開口部の一部を閉塞した一部開放一部閉塞状態と、を検知手段によりそれぞれ判別する状態判別工程と、
前記検知手段の判別結果に基づいて前記検知手段により制御手段が制御され、前記ドア本体の駆動が制御される制御工程と、
を有することを特徴とする自動ドアの開閉検知方法。
【請求項4】
前記状態判別工程では、前記検知手段により前記ドア本体の軌道上に人又は物体が存在する状態がさらに判別され、
前記制御工程では、前記検知手段により前記状態が認識された場合には前記ドア本体の駆動を停止するように前記制御手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の自動ドアの開閉検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−118281(P2006−118281A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−308943(P2004−308943)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(000103736)オプテックス株式会社 (116)
【Fターム(参考)】