説明

自動バンド掛け機

【課題】栽培袋を用いた茸の菌床栽培において、菌床を収容した栽培袋の外周にゴムバンドを掛ける操作を自動化した自動バンド掛け機を提供する。
【解決手段】袋入りの菌床5を搬送する搬送機構11と、袋入りの菌床5の外周側面に掛ける、ゴムバンドの供給機構80と、前記ゴムバンドの供給機構からゴムバンドをピックアップし、前記搬送機構11によりバンド掛け位置に移送された袋入りの菌床5に、ゴムバンドを掛けるバンド掛け部50とを備え、前記バンド掛け部50は、前記ゴムバンドを張った状態に支持するフィンガー51と、該フィンガー51を、フィンガー間の間隔が、前記ゴムバンドの供給機構からゴムバッドをピックアップする際の縮小間隔、前記袋入りの菌床の外周側面に干渉しない配置にゴムバンドを支持する際の拡大間隔、前記袋入りの菌床の外側面にフィンガーを添わせてバンド掛けする際の間隔にそれぞれ合わせて拡縮移動させる拡縮機構52とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、きのこの菌床栽培において用いる自動バンド掛け機に関する。
【背景技術】
【0002】
茸の人工栽培においては、培地をブロック状に成形した菌床を用いた菌床栽培がひろく行われている。この菌床栽培においては、プラスチックの栽培袋内に菌床を収納し、フィルターを介して栽培袋の内外を通気可能とした状態で、菌床中に茸菌が蔓延するように培養した後、栽培袋から菌床を取り出し、菌床に給水して菌床から子実体を生長させて茸を収穫している。
【0003】
菌床栽培においては、培養工程後には菌床を栽培袋から取り出し、菌床に水分を供給して子実体を発生させる方法が一般的である。しかしながら、菌床を用いた椎茸栽培においては、培養後に栽培袋を開封した後、菌床の側面と底面を栽培袋で覆った状態として菌床に水を供給し、菌床の上面のみから子実体を発生させる生育方法が行われている。この栽培方法においては、子実体の生長とともに菌床が徐々に縮小していくため、菌床を覆っている栽培袋の外側からゴムバンド(輪ゴム)を掛けて、栽培袋を菌床の外周側面に弾性的に止めるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−271913号公報
【特許文献2】特開2005−204504号公報
【特許文献3】特開2008−61541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
菌床の上部を露出させるため袋入りの菌床の側面にゴムバンドを掛ける際には、栽培袋を開封して、ゴムバンドを掛けた後、菌床の上方に残っている袋の切り残し部分を、菌床の上面と菌床側面の上部が一部露出するように折り返す。袋入りの菌床の側面にゴムバンドを掛ける操作は、従来は人手によって行っているが、このゴムバンドを掛ける作業は煩雑であり、作業効率を低下させていた。菌床は平面形状が15cm×25cm程度のブロック状に成形されており、ゴムバンドを掛ける際にはゴムバンドを大きく広げて掛けなければならないため、操作の巧拙により、作業能率が大きく異なり、疲労をともなうものとなっている。
【0006】
本発明は、栽培袋を用いた茸の菌床栽培において、菌床を収容した栽培袋の外周にゴムバンドを掛ける操作を自動化した自動バンド掛け機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るバンド掛け機は、袋入りの菌床を搬送する搬送機構と、前記袋入りの菌床の外周側面に掛けるゴムバンドの供給機構と、前記ゴムバンドの供給機構からゴムバンドをピックアップして、前記搬送機構によりバンド掛け位置に移送された袋入りの菌床にゴムバンドを掛けるバンド掛け部とを備え、前記バンド掛け部は、前記ゴムバンドを張った状態に支持するフィンガーと、該フィンガーを、フィンガー間の間隔が、前記ゴムバンドの供給機構からゴムバッドをピックアップする際の縮小間隔、前記袋入りの菌床の外周側面と干渉しない配置にゴムバンドを支持する際の拡大間隔、前記袋入りの菌床の外側面にフィンガーを添わせてバンド掛けする際の間隔にそれぞれ合わせて拡縮移動させる拡縮機構と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記ゴムバンドの供給機構は、ゴムバンドを四角形に張った状態で支持するセット爪が多数個連設された供給ベルトと、該供給ベルトを間欠的に移送する送り機構と、前記ゴムバンドを前記セット爪によって張られた四角形よりも大きな四角形に張った状態で支持する支持爪を備えるセッタと、該セッタを間欠的に移送する移送機構と、前記供給ベルトのセット爪からゴムバンドをピックアップし、前記セッタにゴムバンドを移載する移載機構とを備え、前記バンド掛け部は、前記セッタからゴムバンドをピックアップして前記袋入りの菌床にバンド掛けする構成を備えることにより、バンド掛け部において袋入りの菌床に的確にゴムバンドを掛けることができる。
また、前記バンド掛け部の前段に、前記搬送機構により搬送される袋入りの菌床の栽培袋をカットして菌床面を開口させる栽培袋のカット部が設けられていることにより、栽培袋の開封が容易になされ、袋入りの菌床にバンド掛けして菌床の上部を露出させる操作を効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る自動バンド掛け機によれば、袋入りの菌床の外周側面にゴムバンドを掛ける操作を自動的に行うことができ、菌床のバンド掛け作業を効率化し、袋入りの菌床に的確にゴムバンドを掛けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】自動バンド掛け機の一実施形態の構成を示す平面図である。
【図2】自動バンド掛け機の一実施形態の構成を示す正面図である。
【図3】ゴムバンドの移載機構においてゴムバンドを拡縮操作する機構とその作用を示す説明図である。
【図4】ゴムバンドの拡縮機構の平面図である。
【図5】ゴムバンドの拡縮機構の正面図である。
【図6】開閉アームとフィンガーの作用を示す説明図である。
【図7】栽培袋のカット部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(自動バンド掛け機の全体構成)
図1は、本発明に係る自動バンド掛け機の一実施形態の平面図、図2は正面図である。本実施形態の自動バンド掛け機は、栽培袋に収納された菌床を、搬送機構によって一方向に搬送しながら、搬送途中において、密封されている栽培袋の上部をカットして栽培袋を開口させる操作と、開口された栽培袋の外周にゴムバンドを掛ける操作とを自動で行うように構成されている。
【0012】
栽培袋に収容された袋入りの菌床5を一方向に搬送させる搬送機構10は、袋入りの菌床5を直線的に搬送する、無端状の搬送ベルト11と、搬送ベルト11を間欠的に定寸送りする駆動機構とを備える。
図1において、搬送ベルト11は左右方向に延びる配置に設けられている。搬送ベルト11の袋入りの菌床5を前送りする範囲については、ガイドローラにより搬送ベルト11は水平に支持されている。搬送ベルト11の駆動機構は、搬送ベルト11の側縁下部に沿って取り付けられた無端状のチェーン12と、チェーン12に係合するスプロケット13と、スプロケット13を回動駆動する駆動モータ14とを備える。なお、駆動モータ14のON操作は、搬送ベルト11の始端側の枠体上部に設置された手動スイッチ15によってなされる。
【0013】
袋入りの菌床5は搬送ベルト11の始端側において、搬送ベルト11上にのせられ、ゴムバンド掛けが終了した搬送ベルト11の終端側において、搬送ベルト11から取り出される。
栽培袋に収容されている菌床は平面形状が長方形のブロック状に成形されている。本実施形態の自動バンド掛け機においては、搬送ベルト11の送り方向と袋入り菌床5の長手方向を平行にして搬送ベルト11に袋入りの菌床5をセットする。操作者は袋入りの菌床5を搬送ベルト11にのせた後、手動スイッチ15を押す。これによって、搬送ベルト11は前送りされる。
【0014】
搬送ベルト11によって搬送される袋入りの菌床5は、まず栽培袋をカットするステージに移動する。カット部20は搬送ベルト11の上方に、搬送ベルト11を跨ぐ配置に設けられている。カット部20におけるカット操作は、袋入り菌床5が進入する動作に連動して栽培袋の上部を部分的にカットして開封し、次いで、菌床の上方で栽培袋をカットして開口させる操作である。
栽培袋には、袋の内外の通気用にフィルターが取り付けられている。袋はこのフィルターが取り付けられている位置の下側位置でカットされる。実際に栽培袋をカットする操作の際には、栽培袋を前後方向に押し潰して空気を抜くようにしながら栽培袋を水平にカットする。
【0015】
栽培袋の上端縁のシール片は、菌床の長手方向に平行向きとなっている。搬送ベルト11に袋入りの菌床5をセットする際に、菌床の長手方向を搬送ベルト11の送り方向と平行にしているのは、栽培袋のシール片をガイドするようにして搬送ベルト11の搬送方向に進入させ、進入した位置で栽培袋をカットする操作を容易に行えるようにするためである。
【0016】
栽培袋を開口した袋入りの菌床5は、次のバンド掛けのステージに移送され、袋入りの菌床5の外周側面にゴムバンドが掛けられる。
バンド掛け部50においては、4本のフィンガーに輪ゴム状に形成されているゴムバンドを引っ掛け、ブロック状の菌床5の平面形状よりも一回り大きな矩形状の平面形状にフィンガーを広げ、袋入り菌床5の上方からフィンガーを下位置まで降下させ、フィンガーを閉じてバンド掛けされる。
【0017】
バンド掛けされた袋入りの菌床5は、搬送ベルト11の終端側で人手によって取り上げられ、栽培袋の開口部分をバンド部分で折り返された後、栽培用の棚に移し替えられる。次いで、菌床に給水し、生育室に菌床を移動させ、菌床から子実体を生育させて茸を収穫する工程に進む。
【0018】
(ゴムバンドの供給機構)
図1に示すように、搬送ベルト11の奥側の側方には、搬送ベルト11の搬送方向と平行に、ゴムバンドのセッタを移送する移送機構70が配置されている。セッタ71は、ゴムバンドを菌床の外周側面に引っ掛けるために大きく広げる操作の前段階において、菌床の平面寸法よりも小さい中程度の大きさに広げた状態でゴムバンドを仮支持するためものである。
【0019】
セッタ71には、長方形のコーナー部の位置に、鉛直方向に起立する支持爪71aが設けられている。ゴムバンドは支持爪71aに引っ掛けられ、平面形状が四角形に張られた状態で前送りされる。本実施形態においては、セッタ71は搬送ベルト11と同じ向きに移送されるが、装置構成の配置によっては、セッタ71の移送方向を搬送ベルト11と逆向きに設定することも可能である。
セッタの移送機構70は、複数個のセッタ71が直列に、所定間隔をあけて取り付けられた無端状のチェーン72と、チェーン72に係合するスプロケット73と、スプロケット73を回転駆動する駆動モータ74とを備える(図2)。
【0020】
ゴムバンドのセッタの移送機構70のさらに奥側に、ゴムバンドを供給するためのゴムバンドの供給機構80が配置されている。ゴムバンドの供給機構80はゴムバンドを供給するための無端状の供給ベルト82を、脱着可能に装着し、供給ベルト82を順送りする送り機構を備える。
供給ベルト82は、ゴムバンドを小さな四角形状に張った状態に支持する、4個のセット爪からなるセット治具18を多数個備えている。ゴムバンドは各々のセット治具18ごとに、1個ずつセットされる。
【0021】
図2に、供給ベルト82をプーリ83に装着した状態を示す。4個のセット爪を備えるセット治具18が連設されている。プーリ83に間欠送り用のストロークを規定するワンウェイクラッチを設け、エアシリンダ84によりプーリ83を一方向に回転駆動し、供給ベルト82を間欠的に定寸送りする。プーリ83、エアシリンダ84、ワンウェイクラッチが供給ベルト82の送り機構を構成する。本実施形態におては、供給ベルト82の送り方向を搬送ベルト11の送り方向(一方向)とは逆向き(他方向)に設定している。供給ベルト82を搬送ベルト11と同じ向きに移送する構成としてももちろんかまわない。
【0022】
ゴムバンドの供給機構80によって移送される供給ベルト82の終端側の位置に、供給ベルト82にセットされたゴムバンドを、供給ベルト82から隣り合ったセッタ71に移載するゴムバンドの移載機構90が設けられている。
ゴムバンドは供給ベルト82に係止されている状態においては、セッタ71に支持される状態よりも小さな四角形に張られた状態で支持されている。移載機構90は、供給ベルト82に支持されているゴムバンドを、供給ベルト82に支持されている状態(小さな四角形)から、より大きな四角形(中程度の大きさの四角形)に広げながらセッタ71に移載する作用をなす。
【0023】
(ゴムバンドの移載機構)
ゴムバンドの移載機構90は、ゴムバンドを移載操作する4本のフィンガー91を拡縮操作するヘッド92と、ヘッド92を昇降移動させる昇降機構93と、ヘッド92を供給ベルト82の移送位置とセッタ71の移送位置との間で進退動させる移動機構94とを備える。
ヘッド92は、供給ベルト82に支持されたゴムバンドの内側に4本のフィンガー91を配置する縮小位置と、ゴムバンドをセッタ71の支持爪71aに係止させる拡大位置との間でフィンガー91を移動させる作用をなす。
【0024】
ヘッドの昇降機構93は、ヘッド92を鉛直方向に移動させるガイド付きのエアシリンダによって形成している。
ヘッドの移動機構94は、ヘッド92の移動方向を供給ベルト82とセッタ71の移送方向と直交する向きに規制するスライドガイド94aと、駆動モータ94bと、駆動モータ94bの出力軸とヘッド92との間を連繋する駆動ロッド94cとを備える。駆動モータ94bを一方方向に回転駆動することにより、駆動モータ94bの出力軸に係合された駆動ロッド94cを介してヘッド92がスライドガイド94aに沿って進退動する。
【0025】
図3は、ヘッド92においてフィンガー91を拡縮操作するための機構とその作用を示す。
ヘッド92は、4本のフィンガー91a、91b、91c、91dを支持する第1ギヤ911、第2ギヤ912、第3ギヤ913、第4ギヤ914を備える。これらの第1ギヤ911〜第4ギヤ914は、ヘッド92の支持板に回動自在に取り付けられ、フィンガー91a〜91dは、軸線方向を鉛直向きとしてそれぞれ第1ギヤ911〜第4ギヤ914に固定されている。
第1ギヤ911は駆動モータ910によって回動駆動される駆動ギヤである。第1ギヤ911と第2ギヤ912とは相互に噛合し、第3ギヤ913は中間ギヤ915、916を介して第1ギヤ911に連繋し、第4ギヤ914は第3ギヤ913に噛合する。
【0026】
図3(a)は、供給ベルト82からゴムバンドをピックアップする状態でのフィンガー配置であり、フィンガー91a〜91dの相互間隔が最も狭くなった縮小位置にある状態を示す。図3(b)は、セッタ71にゴムバンドを移載する状態でのフィンガー配置であり、フィンガー91a〜91dの相互間隔が拡大した拡大位置にある状態を示す。
第1ギヤ911〜第4ギヤ914は相互に噛合して連繋しているから、駆動ギヤである第1ギヤ911が正逆回転することによって、フィンガー91a〜91dは、互いにタイミングを合わせて、縮小位置と拡大位置との間を拡縮移動する。
なお、図3(b)のフィンガー配置は、セッタ71の支持爪71aよりもゴムバンドを広げた状態であり、セッタ71上においてこのフィンガー配置よりもフィンガー71a〜71dを縮小方向に移動させて、セッタ71にゴムバンドが移載される。
【0027】
フィンガー91a〜91dの先端には自由回転可能にカラーが取り付けられ、ゴムバンドを移載する操作は、このカラーにゴムバンドを引っ掛けるようにする。転動自在なカラーにゴムバンドを係止させることによって、ゴムバンドを広げた際に各辺のテンションが均一化され、ゴムバンドを確実に広げることができる。
【0028】
こうしてゴムバンドの移載機構90により、供給ベルト82のセット爪81に係止されたゴムバンドは、供給ベルト82からセッタ71に順次、移載される。供給ベルト82の移送タイミングとセッタの移送機構70の移送タイミング、及び移載機構90による移載操作のタイミングは制御部によって制御され、供給ベルト82を間欠的に移送操作しながら、セッタ71にゴムバンドが移載される。
セッタ71にセットされたゴムバンドは、移送機構70により、セッタ71とともにバンド掛け部50に向けて間欠的に移送される。
【0029】
供給ベルト82のセット爪81にゴムバンドをセットする操作は人手によって行われる。ゴムバンドは何回も繰り返して使用する。したがって、使用とともにゴムバンドが折れ曲がったりする変形が生じやすくなる。供給ベルト82のセット爪81にゴムバンドをセットすることにより、ゴムバンドの変形を補正し、ゴムバンドを整列させて供給することができる。
本実施形態においては、セット爪81の平面配置を、供給ベルト82の移送方向には配置間隔を狭くし、供給ベルト82の幅方向にはセット爪81の配置間隔を広くした長方形配置とした。これによって、ゴムバンドをピンと張った状態でかつ、多数本のゴムバンドをセットすることができる。
【0030】
供給ベルト82からセッタ71にすべてのゴムバンドが移載されたら、ゴムバンドがセットされている次の供給ベルト82を、ゴムバンドの供給機構80にセットし、続いて、供給ベルト82からセッタ71にゴムバンドを移載する操作を続ける。ゴムバンドを移載した後の供給ベルト82には、新たにゴムバンドをセットし、供給ベルト82を順次掛け替えることによってゴムバンドを供給する。供給ベルト82はプーリにかけるようにして簡単に装着することができる。
なお、供給ベルト82におけるセット爪81の配置、配置間隔等は、使用するゴムバンドに応じて適宜設定可能である。
【0031】
(バンド掛け部)
バンド掛け部50では、セッタ71によって移送されてくるゴムバンドを袋入り菌床の外周側面に掛ける操作を行う。
図1、2は、バンド掛け部50がセッタ71にゴムバンドを取りに行くタイミングにおける状態を示している。バンド掛け部50は、ゴムバンドを引っ掛けて支持するフィンガー51と、フィンガー51を拡縮動作させる拡縮機構52と、フィンガー51を昇降駆動させる昇降機構60と、フィンガー51を旋回移動させる移動機構62とを備える。
【0032】
図2に示すように、バンド掛け部50は、躯体に立設した支持柱64により、搬送ベルト11によって搬送される袋入りの菌床5よりも上位置に支持されている。フィンガーの昇降機構60は、セッタ71にゴムバンドを取りに行く際にゴムバンドをピックアップする位置(下位置)までフィンガー51を降下させ、袋入りの菌床5の上方位置(上位置)まで上昇させ、バンド掛け位置まで降下させ、再度、上位置まで上昇するという昇降作用をなす。フィンガー51は、移動動作の際に、袋入りの菌床5と干渉しないようにする必要がある。バンド掛け部50の躯体の上面からの高さは、このバンド掛け操作と干渉しないように設定される。
【0033】
昇降機構60は、昇降用の駆動モータ60aとフィンガー51の昇降方向を鉛直方向にガイドするスライドガイド60bとを備える。スライドガイド60bは支持柱64に支持される。フィンガー51はフィンガー51を拡縮させる拡縮機構52を介して鉛直向きに支持される。本実施形態においては、昇降機構60は、拡縮機構52を介してフィンガー51を昇降駆動させる構成となっている。
【0034】
フィンガー51を旋回移動させる移動機構62は、駆動源としてのエアシリンダ62aと、フィンガー51を旋回移動させる際の支点となる支持軸62bを備える。
フィンガー51は拡縮機構52を支持する支持板53に支持され、支持軸62bは支持板53に連結されている連繋板54を介して支持板53を水平方向に回動自在に支持している(図2)。
エアシリンダ62aの駆動ロッド62cの先端は連繋板54上に係止され、図1に示すように、エアシリンダ62aを伸縮させることにより、連繋板54は支持軸62bを支点として、角度90度の範囲にわたって反転旋回する。すなわち、フィンガー51は移動機構62により、セッタ71と袋入りの菌床5にバンドを掛ける位置との間において、反転旋回移動する。
【0035】
図4、5に拡縮機構52の平面図、正面図を示す。
フィンガー51(フィンガー51a〜51d)を拡縮移動させる拡縮機構52は、フィンガー51a〜51dを開閉させる開閉アームを支持板53に装着し、駆動モータ55により開閉アームを開閉駆動することによってフィンガー51a〜51dを拡縮させるように構成される。
図5に示すように、フィンガー51a、51bは、ロッドの軸線方向が鉛直向きとなるように開閉アーム56a、56dに基端部が支持される。フィンガー51a、51bと対称位置にあるフィンガー51c、51dも、同様に開閉アーム56c、56dに支持される。フィンガー51a〜51dの先端(下端)にはカラー510が回転自在に装着されている。
【0036】
開閉アーム56a、56bは、支持板53に回動自在に装着された回転軸57a、57bに連結され、水平方向に回動自在に支持される。同様に、他の開閉アーム56c、56dも回転軸57c、57dにより、水平方向に回動自在に支持される。回転軸57a、57bにはそれぞれ同一外周径となるギヤ570、571が、相互に噛合して取り付けられる。同様に、他の開閉アーム56c、56dにも相互に噛合するギヤ572、573が設けられる。
回転軸57bには、支持板53の上方に配置された駆動モータ55に連繋するチェーン59が係合するスプロケット590が設けられ、回転軸57cにもチェーン59が係合するスプロケット591が設けられている。
【0037】
図4に示すように、回転軸57a、57bは駆動モータ55の一方側に配され、回転軸57c、57dは、駆動モータ55の他方側に配されている。回転軸57a、57bには開閉アーム56a、56bが取り付けられ、回転軸57c、57dには開閉アーム56c、56dが取り付けられている。
駆動モータ55の出力軸にはスプロケット550が取り付けられ、駆動モータ55と回転軸57b、57cとは、テンション用のスプロケット551、552を経由してスプロケット590、591にチェーン59が掛け渡されて連繋する。駆動モータ55が正逆回転することにより、チェーン59を介して回転軸57b、57cが回動駆動され、ギヤ570、571を介して開閉アーム56a、56bが開閉し、同様に開閉アーム56c、56dが開閉する。駆動モータ55及びスプロケットを連繋するチェーン59、ギヤ570、571等が開閉アーム56a〜56dを開閉駆動する駆動機構となる。
【0038】
図6に、開閉アーム56a〜56dの開閉作用と、それにともなうフィンガー51a〜51dの動作を示す。
図6(a)は、開閉アーム56a〜56dがもっとも閉じた状態を示す。開閉アーム56a〜56dは、平面形状がL字状に形成され、一端側に回転軸が設けられ、他端側にフィンガー51が取り付けられている。図6(a)は、フィンガー51a〜51dの下端を、セッタ71にセットされたゴムバンドの内側に差し込み、セッタ71からゴムバンド(B)をピックアップする場合の開閉アーム56a〜56dの配置であり、フィンガー51a〜51dの相互の離間間隔を最も縮小させた状態(縮小間隔)である。
【0039】
図6(b)は、フィンガー51a〜51dにゴムバンドを引っ掛けて広げはじめた状態を示す。駆動モータ55を駆動開始すると回転軸57a〜57dはタイミングを一致させて回転開始し、開閉アーム56a〜56dは共通の開き角度を維持しながら回動する。
セッタ71では、開閉アーム56a〜56dが開くことにより、セッタ71にセットされていたゴムバンドがフィンガー51a〜51dに受け渡される。
フィンガー51a〜51dに係止されたゴムバンドは、開閉アーム56a〜56dがさらに開き方向に回動することによって、四角形状を保ちながら広げられる。
【0040】
図6(c)は、開閉アーム56a〜56dがさらに開き方向に回転し、ゴムバンドを最大に開いた状態、すなわちフィンガー51a〜51dが拡大間隔にある状態を示す。この状態は、袋入りの菌床5の外周にゴムバンドを掛ける直前の状態で、バンド掛け位置に移動してきた袋入りの菌床5の上方に位置する場合の配置である。
バンド掛け操作では、図6(c)の状態から、フィンガー51a〜51dを菌床5の側面位置まで降下させ、次いでバンド掛けする。フィンガー51a〜51dを降下させる際には、フィンガー51a〜51dは拡大間隔にあるから、袋入りの菌床5の外周側面に干渉させずにフィンガー51a〜51dを降下させることができる。
【0041】
フィンガー51a〜51dがバンド掛け位置まで降下したところで、開閉アーム56a〜56dを閉じる向きに回動させてフィンガー51a〜51dを菌床5の側面に側面に当接させ(バンド掛け間隔)、そのバンド掛け間隔でフィンガー51a〜51dを上方に抜くことによってバンド掛けがなされる。
袋入りの菌床5にバンド掛けする位置は、菌床の上面から若干下がった位置である。バンド掛けの際には、菌床の所定の高さにゴムバンドが掛けられるように、フィンガー51a〜51dを降下させる位置を昇降機構60によって制御してバンド掛けする。
フィンガー51a〜51dは、その後、上位置まで上昇し、セッタ71から次のゴムバンドをピックアップする操作に移る。
【0042】
上述したバンド掛け操作は、拡縮機構52の開閉アーム56a〜56dを開閉させる操作と、昇降機構60によりフィンガー51a〜51dを昇降させる操作と、移動機構62によりフィンガー51a〜51dを反転旋回させる操作とを組み合わせて制御することによってなされる。
すなわち、セッタ71からフィンガー51a〜51dにゴムバンドを受け渡した後は、昇降機構60を駆動して、フィンガー51a〜51dを下位置から上位置に向けて上昇させ、かつ、拡縮機構52により開閉アーム56a〜56dを最大開き位置(拡大間隔)に向けて開きながら、移動機構62を駆動して、フィンガー51a〜51dをバンド掛け位置に向けて旋回させる。
フィンガー51a〜51dが角度90度、旋回した状態で、フィンガー51a〜51dはバンド掛け位置にある袋入りの菌床5の上方に位置するから、上位置からフィンガー51a〜51dをバンドを掛ける位置まで降下させ、菌床5の外周にバンド掛けする。
【0043】
セッタ71からフィンガー51a〜51dにゴムバンドを受け渡す際には、フィンガー51a〜51dの下端に設けたカラー510の位置にゴムバンドを引っ掛けるようにする。カラー510は回転自在に取り付けられているから、ゴムバンドを縮小した状態から拡大した状態に伸ばす際に、ゴムバンドの4辺のテンションが均一となるようにカラー510が動き、菌床を均等に締め付けた状態にバンド掛けすることができる。
【0044】
フィンガー51a〜51dを最大に開いた状態で、ゴムバンドは菌床の外周位置よりも2〜3cm程度外側に位置する。バンド掛け操作では、このバンドが広がった位置から駆動モータ55を逆回転させてゴムバンドを縮め、フィンガー51a〜51dを菌床(栽培袋)の外面に添わせてから、フィンガー51a〜51dを上方に引き抜く。
本実施形態においては駆動モータ55にブレーキモータを使用し、フィンガー51a〜51dが最大に開いた状態でブレーキを解除し、この状態から駆動モータ55を一定時間逆回転させ、フィンガー51a〜51dが菌床5の外面に接触する直前にモータを停止し、ゴムバンドの収縮力を利用して菌床の外面に軟らかく接触させるようにしている。これによって、菌床を傷めることなく確実にバンド掛けすることができる。
【0045】
本実施形態のバンド掛け部50は、セッタ71にセットされて供給されるゴムバンドをフィンガー51a〜51dに引っ掛けてピックアップし、拡縮機構52によりフィンガー51a〜51dを四角形状に張りながら袋入りの菌床にバンド掛けする方法を採用することにより、バンド掛け操作を、的確にかつ効率的に行うことができる。
バンド掛けの際には、袋入りの菌床5の平面寸法(大きさ)よりもゴムバンドを大きく広げ、袋入りの菌床5の上方からフィンガー51a〜51dを下降させてバンド掛けすることにより、菌床5の大きさがばらついても問題なくバンド掛けすることができる。
また、菌床の外周側面に掛けるバンドの高さが一定になることによって、栽培袋を折り返す作業を容易に、かつ的確に行うことができ、作業性を向上させることができる。
【0046】
なお、ゴムバンドを支持するフィンガーは菌床が矩形のブロック状に形成されることから、菌床の平面形状(四角形)に合わせて4本使用すればよいが、菌床形状が四角形以外の異形になるような場合には、5本以上のフィンガーを用いることを妨げるものではない。また、フィンガーの最小使用本数は3本となる。
【0047】
(栽培袋のカット部)
図7に栽培袋のカット部20の構成を側面方向から見た状態を示す。栽培袋のカット部20は、栽培袋の上縁を厚さ方向にクランプして栽培袋にエア抜き孔を形成するエア抜き機構22と、菌床の上面から若干上方位置(フィルターが取り付けられた位置よりも下方)で栽培袋を水平にカットするカット機構30とを備える。
【0048】
エア抜き機構22は、栽培袋の上縁をガイドして導入するガイド板23と、ガイド板23との間で栽培袋の上縁をクランプして栽培袋にエア抜き孔を設けるプッシャ24を備える。プッシャ24は、ガイド板23との間で栽培袋をクランプするための、ウレタンゴムからなる上側押さえ及び下側押さえと、上側押さえと下側押さえの高さ方向の中間位置に配されたカット刃とを備える。
【0049】
栽培袋にエア抜き孔を設ける操作は次のようにしてなされる。袋入りの菌床5が搬送ベルト11により搬送され、栽培袋の上縁がガイド板23に沿って進入したところで、搬送ベルト11の搬送が停止され、プッシャの上側押さえと下側押さえがガイド板23に向けて押動され、ガイド板23と上側押さえと下側押さえによって栽培袋がクランプされる。次いで、クランプ時には上側押さえ及び下側押さえよりも引き込み位置にあったカット刃がプッシャによりさらに押し出され、栽培袋を突き破るようにして栽培袋がカットされ、エア抜き孔が設けられる。エア抜き孔のカット長さは5cm程度である。
【0050】
カット機構30は、栽培袋を挟んで、対置される第1の挟圧部材31と第の挟圧部材32とを備える。第1の挟圧部材31と第2の挟圧部材32は、袋入りの菌床5の菌床面よりも若干上位置に配置される。
第1、第2の挟圧部材31、32には、第1、第2の挟圧部材31、32を互いに対向する向きに、スライドガイド33により水平にガイドして押動する第1の押動部材31aと第2の押動部材32aが設けられる。
第1の挟圧部材31には、第2の挟圧部材32との間で栽培袋を全幅にわたってクランプするための上側受け部及び下側受け部が設けられ、第2の挟圧部材32には前記上側受け部と下側受け部に当接する上側押圧板及び下側押圧板と、栽培袋を全幅にわたってカットするためのカット刃が設けられている。カット刃は鋸歯状に形成された刃であり、前記上側押圧板と下側押圧板の高さ方向の中間位置に配され、第2の押動部材32aとは別の押動部材(エアシリンダ)によって駆動される。
【0051】
第1の挟圧部材31と第2の挟圧部材32は、以下のような作用によって栽培袋をカットする。
袋入りの菌床5の栽培袋の上縁をエア抜きのためにカットした後、プッシャ24をクランプ位置からいったん後退させ、次いで、第1の挟圧部材31と第2の挟圧部材32を互いに前進させ、第1の挟圧部材31の上側受け部及び下側受け部と、第2の挟圧部材32の上側押圧板と下側押圧板によって栽培袋を両側から絞るようにして押さえつける。この操作により、栽培袋からエアが押し出され、第1の挟圧部材31と第2の挟圧部材32によって栽培袋がクランプされた状態になる。
次いで、第2の挟圧部材32に配されているカット刃を前進させ、栽培袋をカットする。カット刃は、第1の挟圧部材31の上側受け部と下側受け部に挟まれた中間位置で栽培袋を横断する位置まで進入して栽培袋をカットする。
【0052】
第1の挟圧部材31と第2の挟圧部材32とによって栽培袋をカットした後、プッシャ24を再度前進させ、栽培袋の上部をクランプする。
栽培袋がガイド板23とプッシャ24によってクランプされたところで、第1の挟圧部材31と第2の挟圧部材32を後退位置に戻し、ガイド板23とプッシャ24とにより栽培袋の切り離された上片部分をクランプして排出させる。
袋入りの菌床5は、栽培袋の上部が開放された状態になり、搬送ベルト11によって前送りされる。
【0053】
ガイド板23とプッシャ24とによってクランプされた栽培袋の上片部分は、排出機構34によって排出される。
排出機構34は、ガイド板23とプッシャ24を支持する転回アーム35と、転回アーム35を水平方向に往復転回させるエアシリンダ36を備える。図2に示すように、転回アーム35の先端にガイド板23とプッシャ24を支持する支持部35aが設けられ、転回アーム35は、軸35bにより基端部分において躯体に回動自在に支持されている。
図1は、エアシリンダ36により、ガイド板23とプッシャ24が転回移動される範囲を示している。
【0054】
上述した自動バンド掛け機は、椎茸の菌床栽培に用いる装置の例であるが、本発明に係る自動バンド掛け機は、椎茸栽培に限らず、栽培袋を利用する菌床栽培による他の茸の栽培においても利用することができる。
また、上記実施形態においては、菌床を一方方向に搬送しながら、栽培袋を開口させる操作と、袋入りの菌床の外周側面にゴムバンドを掛ける操作を一連の操作として行っているが、栽培袋を開口させる操作と、菌床にバンドを掛ける操作を単独の操作として行うことも可能である。
また、袋を開口させる装置と、菌床にゴムバンドを掛ける装置は菌床の搬送方向に合わせて適宜配置することが可能であり、菌床は、必ずしも一方方向のみに搬送する場合に限られない。
【0055】
また、上記実施形態においては、供給ベルト82からセッタ71にゴムバンドを移載し、セッタ71からさらに菌床にゴムバンドを掛ける操作としているが、セッタ71にゴムバンドをセットする操作を省略して、供給ベルト82から直接、袋入りの菌床にゴムバンドを掛けるように構成することも可能である。
この場合も、上述した実施形態と同様に、供給ベルト82にセットされているゴムバンドをフィンガーによってピックアップした後、菌床にバンドを掛ける大きさにまで拡大してバンド掛けするように構成すればよい。
上記実施形態の構成は、セッタ71にゴムバンドを中継させ、ゴムバンドを段階的に広げる工程とすることによって、ゴムバンドを広げる操作の確実性を得ることができ、フィンガーの拡大・縮小率を抑えることによって、拡縮機構の構成を複雑にせずに構成できるという利点がある。
【0056】
いずれの場合も、供給ベルト82を利用してゴムバンドを供給する理由は、ゴムバンドを整列した状態で供給することによってバンド掛け操作の自動化を容易にすることにある。ゴムバンドを再利用する場合にはこの方法が有効であるが、新しいゴムバンドを使用する場合は、弾性ゴム等からなるチューブ体を輪切りにしてゴムバンドを切り出し、切り出したゴムバンドをフィンガーでピックアップして菌床にバンド掛けする構成とすることも可能である。
ゴムバンドを切り出しながらフィンガーでゴムバンドをピックアップする方法であれば、ゴムバンドは定形であり、ゴムバンドを供給する操作を自動化することは容易である。また、この場合は、人手によって供給ベルトにゴムバンドを整列してセットするという作業が不要になるという利点がある。
【符号の説明】
【0057】
5 菌床
10 搬送機構
11 搬送ベルト
15 手動スイッチ
18 セット爪
20 カット部
22 エア抜き機構
30 カット機構
31 第1の挟圧部材
32 第2の挟圧部材
34 排出機構
50 バンド掛け部
51、51a〜51d フィンガー
52 拡縮機構
55 駆動モータ
56a〜56d 開閉アーム
57a〜57d 回転軸
59 チェーン
60 昇降機構
62 移動機構
70 セッタの移送機構
71 セッタ
71a 支持爪
80 供給機構
81 セット爪
82 供給ベルト
90 移載機構
91、91a〜91d フィンガー
92 ヘッド
93 昇降機構
94 移動機構
510 カラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋入りの菌床を搬送する搬送機構と、
前記袋入りの菌床の外周側面に掛けるゴムバンドの供給機構と、
前記ゴムバンドの供給機構からゴムバンドをピックアップして、前記搬送機構によりバンド掛け位置に移送された袋入りの菌床にゴムバンドを掛けるバンド掛け部とを備え、
前記バンド掛け部は、
前記ゴムバンドを張った状態に支持するフィンガーと、
該フィンガーを、フィンガー間の間隔が、前記ゴムバンドの供給機構からゴムバッドをピックアップする際の縮小間隔、前記袋入りの菌床の外周側面と干渉しない配置にゴムバンドを支持する際の拡大間隔、前記袋入りの菌床の外側面にフィンガーを添わせてバンド掛けする際の間隔にそれぞれ合わせて拡縮移動させる拡縮機構と、
を備えることを特徴とする茸の菌床栽培に用いる自動バンド掛け機。
【請求項2】
前記バンド掛け部は、前記ゴムバンドの供給機構からゴムバンドをピックアップする位置と、前記袋入りの菌床にゴムバンドを掛ける位置との間において、前記フィンガーを昇降させる昇降機構を備えることを特徴とする請求項1記載の自動バンド掛け機。
【請求項3】
前記ゴムバンドの供給機構は、
ゴムバンドを四角形に張った状態で支持するセット爪が多数個連設された供給ベルトと、該供給ベルトを間欠的に移送する送り機構と、
前記ゴムバンドを前記セット爪によって張られた四角形よりも大きな四角形に張った状態で支持する支持爪を備えるセッタと、該セッタを間欠的に移送する移送機構と、
前記供給ベルトのセット爪からゴムバンドをピックアップし、前記セッタにゴムバンドを移載する移載機構とを備え、
前記バンド掛け部は、前記セッタからゴムバンドをピックアップして前記袋入りの菌床にバンド掛けすることを特徴とする請求項1または2記載の自動バンド掛け機。
【請求項4】
前記供給ベルトは、前記供給ベルトの送り機構に脱着可能に装着されていることを特徴とする請求項3記載の自動バンド掛け機。
【請求項5】
前記拡縮機構は、
前記フィンガーを支持する開閉アームと、
該開閉アームを、前記フィンガー間の間隔を縮小間隔とする配置と、拡大間隔とする配置と、バンド掛けする間隔の配置に合わせて回動させる駆動機構とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の自動バンド掛け機。
【請求項6】
前記開閉アームの一端側に、前記駆動機構に連繋され、前記開閉アームを水平面内において回動する回転軸が設けられ、
前記フィンガーは、各別に、前記開閉アームの一端側に取り付けられ、
前記駆動機構により、前記開閉アームが連動して回動駆動されることと特徴とする請求項5記載の自動バンド掛け機。
【請求項7】
前記フィンガーの、前記ゴムバンドが係止される先端部に、自由回転するカラーが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の自動バンド掛け機。
【請求項8】
前記バンド掛け部の前段に、前記搬送機構により搬送される袋入りの菌床の栽培袋をカットして菌床面を開口させる栽培袋のカット部が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の自動バンド掛け機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−263802(P2010−263802A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115885(P2009−115885)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(391025589)株式会社中村製作所 (3)
【Fターム(参考)】