説明

自動プログラミング装置および方法

【課題】加工形状の位置入力の手間が省け、さらに素材形状や加工形状間の関連した寸法・位置調整を容易にするための素材形状と加工形状又は加工形状間への依存関係を与える手間も省ける自動プログラミング装置を提供する。
【解決手段】加工形状入力手段が、素材形状から定義済みの加工形状を除去した加工素材形状を生成・記憶する加工素材形状生成手段と、加工形状の寸法・位置情報を入力する加工形状入力手段と、加工形状の種類に応じたその特定方向の位置を寸法・位置情報と加工素材形状から決定し位置を決定するための基準となった加工素材形状上の部位に対応する素材形状または定義済みの加工形状の部位と加工形状とに依存関係を設定する加工形状配置決定手段と、寸法・位置情報を修正した際に修正した加工形状に依存する加工形状も配置修正しさらに配置修正した加工形状に依存する加工形状も同様に配置修正することを繰り返す加工形状連動修正手段を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工領域形状、加工方法、使用工具、加工条件などのデータを含む部分的な加工を行う為の加工単位データが入力され、入力された加工単位データから工作機械を動作させる為の制御指令情報を生成する自動プログラミング装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、加工領域形状、加工方法、使用工具、加工条件などのデータを含む部分的な加工を行うための加工単位データが入力され、この入力された加工単位データから工作機械を動作させる制御指令情報を生成する自動プログラミング装置としては、加工の順番に従って加工単位データを入力するもので、加工領域を定義する形状情報を共有できるようにしたものや、加工領域形状間に親子関係を持たせることで加工領域形状の関連した修正を同時に行えるようにしたものなどが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−224550号公報
【特許文献2】特開平01−311372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の自動プログラミング装置では、加工図面を基に作業者は、加工対象形状の各加工部位に対して加工工程の種類や使用工具などを割り当てることで加工工程を抽出し、抽出した加工工程の順番を適切に決定しておくといった工程設計作業を、プログラミング装置へのデータ入力前に予め実施しておく必要があり、非熟練者にとってはこの作業が難しいことから、この作業自体や適切に加工工程の抽出や順番決定が行えていないことからの入力データの修正作業に多く時間が費やされるといった問題があった。
【0005】
また、関連する加工形状間の独立した修正における手間を削減するため、加工形状間に親子関係を定義しておき、親の加工形状が修正された時に子供の加工形状の関連部分を連動して修正するようにした従来の方式では、加工形状間に親子関係を与えるための定義操作が必要で、親子関係の追加・修正に手間がかかるといった問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加工形状の配置情報の入力の手間を削減し、さらに素材形状や加工形状間の関連した寸法・位置の調整を容易にするための素材形状と加工形状あるいは加工形状間に依存関係を与える手間も省くことができる自動プログラミング装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の自動プログラミング装置は、加工領域形状、加工方法、使用工具、加工条件などのデータを含んだ部分的な加工を行うための加工単位データが入力され、入力された加工単位データを解析して工作機械を動作させるための制御指令データを生成する自動プログラミング装置において、素材形状データを入力・記憶する素材形状入力手段と、加工形状データを入力・記憶する加工形状入力手段と、加工形状毎に加工単位を展開する加工単位展開手段と、使用工具の割当てと加工単位の実行順番を設定する加工単位調整手段と、を備え、前記加工形状入力手段が、素材形状から既定義済みの加工形状を除去した加工素材形状を生成・記憶する加工素材形状生成手段と、加工形状を定義する寸法・位置情報を入力する加工形状定義情報入力手段と、加工形状の種類に応じた加工形状の特定方向の位置を、前記寸法・位置情報と前記加工素材形状とから決定し、位置を決定するための基準となった前記加工素材形状上の部位に対応する素材形状または既定義済みの加工形状の部位と加工形状とに依存関係を設定する加工形状配置決定手段と、前記寸法・位置情報を修正した際に、修正した加工形状に依存する加工形状についても配置を修正し、さらに配置を修正した加工形状に依存する加工形状についても同様に配置を修正することを繰り返す加工形状連動修正手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の自動プログラミング方法は、加工領域形状、加工方法、使用工具、加工条件などのデータを含んだ部分的な加工を行うための加工単位データが入力され、入力された加工単位データを解析して工作機械を動作させるための制御指令データを生成する自動プログラミング方法において、素材形状データを入力・記憶する素材形状入力工程と、加工形状データを入力・記憶する加工形状入力工程と、加工形状毎に加工単位を展開する加工単位展開工程と、使用工具の割当てと加工単位の実行順番を設定する加工単位調整工程と、を備え、前記加工形状入力工程では、素材形状から既定義済みの加工形状を除去した加工素材形状を生成・記憶し、加工形状を定義する寸法・位置情報を入力し、加工形状の種類に応じた加工形状の特定方向の位置を、前記寸法・位置情報と前記加工素材形状とから決定し、位置を決定するための基準となった前記加工素材形状上の部位に対応する素材形状または既定義済みの加工形状の部位と加工形状とに依存関係を設定し、前記寸法・位置情報を修正した際に、修正した加工形状に依存する加工形状についても配置を修正し、さらに配置を修正した加工形状に依存する加工形状についても同様に配置を修正することを繰り返す、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、素材形状データ、加工形状データを入力することで加工形状毎の加工単位情報が生成され、さらに加工単位の使用工具の割当てと実行順番調整を行うことができる。これにより、データ入力前の加工工程の抽出や順番決定を予め作業者が行う必要がなく加工図面を基に即座にデータ入力作業が行うことができ、さらに入力した加工単位の使用工具や実行順番の調整をデータ入力後に行えることから非熟練者であっても容易に作業でき、加工図面を基にした工程検討からデータ入力とその調整に要するトータルな作業時間が削減されるといった効果を奏する。
【0010】
また、加工形状の種類に応じた加工形状の特定方向の位置が、加工形状の定義情報である寸法・位置情報と加工素材形状とから決定され、位置を決定するための基準となった加工素材形状上の部位に対応する素材形状または既定義済みの加工形状の部位と加工形状とに依存関係が設定され、また、加工形状の定義情報を修正した際に、修正した加工形状に依存する加工形状についても配置を修正し、さらに配置を修正した加工形状に依存する加工形状についても同様に配置を修正することが繰り返される。これにより、加工形状の定義情報を入力する際に加工形状の種類に応じた特定方向の位置情報が自動決定されることから入力の手間が削減され、また、加工形状の定義情報を修正する際にも関連する加工形状の配置も連動して自動修正されるので修正の手間が削減されるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の自動プログラミング装置の構成図である。
【図2】図2は、本発明の自動プログラミング装置の全体の流れを示すフローチャートの図である。
【図3】図3は、加工図面の1例を示す図である。
【図4】図4は、素材形状の定義イメージを示す図である。
【図5】図5は、加工形状入力の流れを示すフローチャートの図である。
【図6】図6は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図7】図7は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図8】図8は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図9】図9は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図10】図10は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図11】図11は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図12】図12は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図13】図13は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図14】図14は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図15】図15は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図16】図16は、工程生成の説明をする為の図である。
【図17】図17は、工具・加工順番編集の説明をする為の図である。
【図18】図18は、形状表示の説明をする為の図である。
【図19】図19は、形状表示の説明をする為の図である。
【図20】図20は、形状表示の説明をする為の図である。
【図21】図21は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図22】図22は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図23】図23は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【図24】図24は、加工形状入力の説明をする為の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明にかかる自動プログラミング装置および方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態.
図1(a)は、この発明に係わる自動プログラミング装置の実施の形態の構成図である。図1(b)は、図1(a)の自動プログラミング装置の持つ機能的手段を示す図である。図1(a)において、素材形状データ入力部1は、素材形状の種類、位置、寸法など素材形状を定義するデータを外部から入力(外部入力)し、素材形状データ記憶部9および加工素材形状データ記憶部10にデータを記憶する。
【0014】
加工形状データ入力部2は、加工形状の種類、位置、寸法など加工形状を定義するデータを、外部入力するかまたは加工素材形状データ記憶部10に記憶された加工素材形状データを参照して決定し、加工形状データ記憶部11にデータを記憶する。
【0015】
加工単位データ生成・編集部3は、加工領域形状、加工方法、使用工具、加工条件などの加工単位を定義するデータを、素材形状データ記憶部9に記憶されている素材形状データ、加工形状データ記憶部11に記憶されている加工形状データなどを参照して加工単位を生成し、加工単位データ記憶部12にデータを記憶する。また、加工単位データ記憶部12に記憶されている加工単位データを外部から入力した指示(外部指示)を基に修正し、修正データで加工単位データ記憶部12に記憶されたデータを更新する。
【0016】
工具・加工順番編集部4は、加工単位データ記憶部12に記憶されている加工単位データから加工単位に対する使用工具の一覧を示すリストを表示し、外部指示を基に加工単位の使用工具の変更や加工単位の実行順番の変更を行い、修正データで加工単位データ記憶部12に記憶されたデータを更新する。
【0017】
加工素材形状生成部5は、素材形状データ記憶部9に記憶された素材形状データと加工形状データ記憶部11に記憶された加工形状データとから、素材形状から加工形状を除去した加工素材形状データを生成し、加工素材形状データ記憶部10に生成データを記憶する。また、加工素材形状データの生成と共に、加工素材形状に応じて領域の寸法が決定される加工形状について領域の寸法を決定して加工形状データを修正し、修正データで加工形状データ記憶部11に記憶されたデータを更新する。
【0018】
形状表示部6は、プログラム構成要素一覧表示部7から得られる表示対象データを基に、素材形状データ記憶部9に記憶された素材形状データ、加工素材形状データ記憶部10に記憶された加工素材形状データおよび加工形状データ記憶部11に記憶された加工形状データを合成して表示する。
【0019】
プログラム構成要素一覧表示部7は、加工形状データ記憶部11に記憶された加工形状データと加工単位データ記憶部12に記憶された加工単位データとの一覧と素材形状および加工素材形状を選択するための項目を表示し、外部指示から表示対象を決定して表示対象情報を形状表示部6に送る。
【0020】
制御指令生成部8は、加工単位データ記憶部12に記憶された加工単位データを実行の順番に読み出して工作機械を制御するための制御指令データを生成し、生成データを制御
装置の制御部へ出力する。
【0021】
素材形状データ記憶部9は、素材形状データを記憶する。加工素材形状データ記憶部10は、加工素材形状のデータを記憶する。加工形状データ記憶部11は、加工形状データを、加工素材形状を生成する際の素材形状から除去される順番で記憶する。加工単位データ記憶部12は、加工単位データを、制御指令を生成する際の実行される順番で記憶する。
【0022】
また、この実施の形態の自動プログラミング装置は、図1(b)に示すように以下の機能的手段を備えている。素材形状データを入力・記憶する素材形状入力手段31と、加工形状データを入力・記憶する加工形状入力手段32と、加工形状毎に加工単位を展開する加工単位展開手段33と、使用工具の割当てと加工単位の実行順番を設定する加工単位調整手段34とを備えている。
【0023】
そしてさらに、加工形状入力手段32は、加工素材形状生成手段32aと、加工形状定義情報入力手段32bと、加工形状配置決定手段32cと、加工形状連動修正手段32dとを備えている。
【0024】
加工素材形状生成手段32aは、加工形状の入力において素材形状から加工形状を除去した加工素材形状を生成・記憶する。
【0025】
加工形状定義情報入力手段32bは、加工形状を定義する寸法・位置情報を入力する。
加工形状配置決定手段32cは、加工形状定義情報入力手段32bで入力された加工形状の定義情報(寸法・位置情報)と加工素材形状とから加工形状の種類に応じた加工形状の特定方向の位置を決定するための基準となる加工素材形状上の部位を抽出し、抽出した部位を基準として加工形状の特定方向の位置を決定すると共に、抽出した加工素材形状上の部位に対応する素材形状または加工形状の部位と加工形状とに依存関係を設定する。
【0026】
加工形状連動修正手段32dは、加工形状の修正の際に、修正対象の加工形状に依存する加工形状群の配置を連動して修正する。
【0027】
また、加工単位調整手段34は、加工単位名とその加工単位で使用する工具名とを含む情報を加工単位の実行順に表示させる加工単位リスト表示手段34aと、加工単位に対する工具を割当て・変更する工具編集手段34bと、加工単位リストの加工単位の順番を編集する加工単位順番編集手段34cとを備えている。
【0028】
このように構成された自動プログラミング装置は、図2に示すフローチャートに従って動作する。図2において、まず、ステップS201ではプログラム入力を行うかのオペレータ指示をチェックしており、プログラム入力を実施する指示の場合は、ステップS202へ進み、そうでない場合は、ステップS210へ進む。
【0029】
ステップS202では、素材形状データの入力を行うか否かのオペレータ指示をチェックしており、素材形状データ入力を実施する指示の場合はステップS203へ進み、そうでない場合はステップS204へ進む。
【0030】
図2のステップS203では、図1(a)の素材形状データ入力部1において素材形状を定義するデータがオペレータからの指示等で外部入力され、入力されたデータが素材形状データ記憶部9および加工素材形状データ記憶部10へ格納される。ステップS203の処理後はステップS216へ進む(素材形状入力工程:図1(b)の素材形状入力手段31)。
【0031】
図3は、加工図面の一例を示す図である。図4は、図3に示す図面の加工品を加工する際の直方体形状の素材形状データの入力の例を示す図である。図4(b)は素材形状の定義データを入力するためのウィンドウ(画面上にポップアップ表示される枠)の例であり、入力項目としては、素材形状の位置を指定するための素材形状上の基準点位置、素材形状上の基準点のワーク座標系上での位置(位置X、位置Y、位置Z)、素材形状のX、YおよびZ軸方向の寸法(長さX、長さY、長さZ)がある。素材形状上の基準点は、図4(c)に示すウィンドウ上で、X、YおよびZ軸方向それぞれにおいて素材形状の範囲中の最小、中心、最大のいずれかの位置を選択することで指定される。図4(b)では、基準点としてXC−YC−ZH(XおよびY軸方向で範囲の中心、Z軸方向で範囲の最大の点)が選択され、直方体形状のZ軸に垂直でZ軸方向側の面の中心点が基準点となっており、図3に示す図面上の基準点と一致させている。これは、ステップS205における加工形状データの入力の際にも加工形状上の基準点として同様に選択することで、素材形状に対する加工形状の位置指定を容易にするためである。図4(b)の設定により図4(a)に示すようにワーク原点に基準点が一致するように素材形状が設定される。また、素材形状の各面には、素材形状の面であることを示す属性情報(FW(1)〜FW(6))が付加される。
【0032】
ステップS204では加工形状データの入力を行うかのオペレータ指示をチェックしており、加工形状データの入力を実施する場合はステップS205へ進み、そうでない場合はステップS206へ進む。
【0033】
ステップS205では図1(a)の加工形状データ入力部2において加工形状データがオペレータからの指示で入力され、入力されたデータが加工形状データ記憶部11へ記憶される。ステップS205の処理後はステップS216へ進む(加工形状入力工程:図1(b)の加工形状入力手段32)。
【0034】
ステップS205における動作の詳細は図5のフローチャートに従うものとなる。図5のフローチャートのステップS501では新規加工形状の追加を行うかのオペレータ指示をチェックしており、新規加工形状の追加を行う場合はステップS502へ進み、そうでない場合はステップS507へ進む。
【0035】
ステップS502では、追加する加工形状の種類をオペレータ指示により選択している。加工形状の種類を選択することで、種類に応じた定義データの入力ウィンドウが表示され、入力作業が開始される。
【0036】
ステップS503では、データ入力または修正作業を終了するか否かのオペレータ指示をチェックしており、終了する場合はステップS508へ進み、そうでない場合はステップS504へ進む。
【0037】
ステップS504では、これから行う入力項目が加工形状の種類に応じた自動決定対象のものでありかつ、空白(値が入っていない状態)となっているかをチェックしており、自動決定対象の項目でありかつ値が空白の場合はステップS505へ進み、そうでない場合はステップS506へ進む。
【0038】
ステップS505では、自動決定対象として位置に関する項目の値の計算と素材形状と加工形状または加工形状間の依存関係の設定が実施される。
【0039】
図6および図7に図3に示す加工品における中央のポケット部に対する加工形状を定義する様子を示す。図6(b)〜(d)はコーナーに円弧の付いた長方形領域の加工形状を定義するための入力ウィンドウの例であり、入力項目として、加工形状の位置を指定するための加工形状上の基準点選択、基準点のワーク座標系上でのXY方向位置(位置X、位置Y)、加工形状のXおよびY軸方向の寸法(長さX、長さY)、コーナー円弧の半径、加工形状の上面Z位置(上面Z)、加工形状の上面から下面(加工形状のZ軸に垂直でZ軸−方向側の面)までの距離(深さ)がある。
【0040】
基準点は、素材形状データ入力の際と同様な設定方法であり、初期値として素材形状データ入力の際の値が入る。これにより、素材形状と加工形状とで基準点の取り方を同じとすることで加工形状の位置の入力が容易になる多くの場合にて、基準点を指定する手間を省くことができる。
【0041】
図6(b)では、入力ウィンドウにおいて、加工形状のZ軸に垂直な平面上における領域形状(図6(a))の位置および寸法が決まる項目について値が入っている。次の入力項目である加工形状の上面Z位置(上面Z)は、加工形状の種類「ポケット(四角)」において自動決定の対象となっている項目であり、値が空白であることから上面Z位置の計算が実行される。
【0042】
この計算では、加工形状のZ軸に垂直な平面上における領域形状を加工素材形状からZ軸方向に離れた位置からZ軸−方向へ移動させた時に、加工素材形状に最初に接したとき(図7(a)に、図6(a)の領域形状が加工素材形状に最初に接したときの様子を示す)の領域形状のZ位置が抽出され、上面Z位置の値として設定される(図6(c))。
【0043】
また、加工形状のZ軸に垂直な平面上における領域形状が最初に接した加工素材形状の面が基準の部位として抽出され、面に付属する属性から素材形状の面であるかあるいはどの加工形状の面であるかが認識され、認識された素材形状または加工形状の面に設定中の加工形状が依存するという関係が設定される(図7(b))。
【0044】
図6(d)では、加工形状の上面から下面までの距離(深さ)が入力された入力ウィンドウを示しており、このとき加工素材形状と加工形状との位置関係は図8(a)に示すようになる。
【0045】
図21〜図24に旋削加工品の場合の例を示す。
【0046】
図21は加工品の図面の例である。図22に外径旋削加工の加工形状定義後に図21の図面の詳細部Aの外径ヌスミ部加工の加工形状を定義する場合の例を示す。図22(a)は加工形状を定義する場合の定義情報の入力ウィンドウを示しており、図22(a)の入力情報で定義される形状を図22(b)に示す。外径ヌスミ部加工の加工形状の場合は、X方向およびZ方向の位置が自動決定の対象となり、この位置は、加工素材形状の法線方向(面の外側に向く方向)がX軸方向に向いた面と法線方向がZ軸方向に向いた面との交差した位置(図中のV(1)とV(2))が候補となり、位置の候補から外部入力の選択指示により位置が選択され決定される。決定された位置に対して図22(b)に示す加工形状の基準点が合わせられることで加工形状の位置が決定する。このように加工形状の種類によっては加工素材形状の特定の形状特長部位を抽出し、それに基づいて加工形状の位置を決定することができる。
【0047】
図23および図24はそれぞれ外径溝加工および正面溝加工の加工形状を定義する場合の例を示しており、外径溝加工の場合は加工形状の寸法とZ軸方向の位置を入力するとでX軸方向の位置が自動決定され、正面溝加工の場合は加工形状の寸法とX軸方向の位置を入力することでZ軸方向の位置が自動決定され、加工形状の種類に応じて位置情報の入力を最低限とすることができる。
【0048】
図5のステップS506では、入力ウィンドウの現在の入力項目について、オペレータからの指示により値が入力・修正される。ステップS506からはステップS503へ戻る。
【0049】
ステップS507では、既存の加工形状データの修正を行うかのオペレータ指示をチェックしており、修正を行う指示の場合はステップS503へ進み、そうでない場合は加工形状データの入力を終了する。
【0050】
ステップS508では入力ウィンドウの全項目が入力済みであるかをチェックしており、全項目入力済みの場合はステップS509へ進み、そうでない場合は加工形状データの入力を終了する。
【0051】
ステップS509では入力対象の加工形状に依存する加工形状が存在するかをチェックしており、存在する場合はステップS510へ進み、そうでない場合はステップS511へ進む。
【0052】
ステップS510では引数で指定された加工形状に依存する加工形状について位置の更新を再帰的に実施する関数が、入力対象の加工形状を引数として呼び出される。
【0053】
ステップS521〜ステップS524は、指定された加工形状に依存する加工形状について位置の更新を再帰的に実施する関数における、指定された加工形状に依存する加工形状を一つずつ取り出して位置の更新を実行するループ処理を構成している。
【0054】
ステップS522では、取り出された加工形状の位置が依存する加工形状の状態に合わせて再計算される。ステップS523では、加工位置が再計算された加工形状を引数として依存する加工形状について位置の更新を実施する関数が再帰的に呼び出されている。
【0055】
ステップS511では、図1(a)の加工素材形状生成部5において素材形状データと加工形状データとから加工素材形状データが生成され加工素材形状データ記憶部10に生成データが格納される。この処理は次のようにして実施される。まず、素材形状データのコピーが加工素材形状データとして設定される。そして、加工形状を順番に一つずつ取り出しながら、取り出した加工形状が加工素材形状を基に領域が決まるものの場合には加工素材形状を基に領域が確定され、加工素材形状から領域が確定済みの加工形状を除去することで加工素材形状データを更新してゆく。図8(b)に図8(a)のポケット加工形状が除去された加工素材形状の例を示す。加工素材形状の各面には、素材形状の面であることを示す属性やポケット加工形状の転写された面であることを示す属性が付属する。
【0056】
図9、図10、図11に単純穴で貫通するタイプの加工形状を追加する際の様子を示す。図9(a)は、図9(b)の入力ウィンドウで設定された加工形状のZ軸に垂直な平面上における領域形状である。図9(c)は、入力ウィンドウの単純穴で貫通するタイプの加工形状において自動決定の対象となっている項目の加工形状上面のZ位置が自動設定されたもので、図9(a)の領域形状と図8(b)の加工素材形状を基に図10(a)に示す位置が抽出される。また、領域形状の接する面が素材形状の面であることを示す属性の付属する面FW(1)であることから、図10(b)に示すように素材形状と単純穴の加工形状との間に依存関係が構築される。
【0057】
さらに、加工素材形状の生成の際に、単純穴の加工形状が貫通するタイプのもので加工素材形状を基に深さ方向の領域が決まるものであるから、図11(a)に示すように加工素材形状を貫通する深さが加工素材形状を基に決定され、図11(b)に示す加工素材形状が結果として得られる。
【0058】
図12、図13、図14にさらにねじ穴で貫通するタイプの加工形状を追加する際の様子を示す。図12(a)は、図12(b)の入力ウィンドウで設定された加工形状のZ軸に垂直な平面上における領域形状である。図12(c)は、入力ウィンドウのねじ穴で貫通するタイプの加工形状において自動決定の対象となっている項目の加工形状上面のZ位置が自動設定されたもので、図12(a)の領域形状と図11(b)の加工素材形状を基に図13(a)に示す位置が抽出される。また、領域形状の接する面がポケット加工形状の面であることを示す属性の付属する面FP(1)であることから、図13(b)に示すようにポケット加工形状とねじ穴の加工形状との間に依存関係が構築される。
【0059】
さらに、加工素材形状の生成の際に、ねじ穴の加工形状が貫通するタイプのもので加工素材形状を基に深さ方向の領域が決まるものであるから、図14(a)に示すように加工素材形状を貫通する深さが決定され、図14(b)に示す加工素材形状が結果として得られる。
【0060】
図15にさらに加工形状データの修正を実施した様子を示す。図15(a)は既存の加工形状であるポケット加工形状の深さの変更(10.000[mm]→15.000[mm])を指示したものである。そして、ポケット加工形状の修正を終了した際に図15(b)に示す素材形状および加工形状間の依存関係から、ポケット加工形状に依存する加工形状であるねじ穴加工形状が抽出されその位置修正が実施される。そして、加工素材生成の際にねじ穴加工形状の深さが自動計算され、図15(c)に示す加工素材形状が結果として得られる。
【0061】
以上の加工形状データの入力においては、加工形状のZ軸に垂直な平面上の領域形状のデータを与えるだけで、加工形状の上面Z位置と共に素材形状および加工形状間の依存関係が設定されるので、加工形状の上面Z位置の入力の手間が省かれると共に、加工形状の修正を連動させるための追加の手間を必要としないで加工形状の連動した修正が可能となる。
【0062】
図2のステップS206では、加工単位の入力を実施するか否かのオペレータ指示をチェックしており、加工単位の入力を実施する指示の場合はステップS207へ進み、そうでなければステップS208へ進む。
【0063】
ステップS207では、図1(a)の加工単位データ生成・編集部3において加工形状データ記憶部11に記憶された加工形状データを基に加工単位データが生成され加工単位データ記憶部12に格納される。図16に加工単位データ生成の様子を示す(加工単位展開工程:図1(b)の加工単位展開手段33)。加工単位は図16(b)に示すように加工領域形状、加工方法、使用工具、加工条件などの部分的な加工を実行するためのデータを含んだものである。図16(a)は加工形状と生成される加工単位との関係の例を示したものであり、ポケットの加工形状からは、ポケット荒加工とポケット仕上げ加工の加工単位が生成され、単純穴の加工形状からは、スポットドリル加工、ドリル加工の加工単位が生成され、ねじ穴の加工形状からは、スポットドリル加工、ドリル加工、タップ加工の加工単位が生成される。図2のステップS207の後は、ステップS216へ進む。
【0064】
ステップS208では、加工単位の使用工具や実行順番の編集を実施するか否かのオペレータ指示をチェックしており、編集を実施する指示の場合はステップS209へ進み、そうでない場合はステップS215へ進む。
【0065】
ステップS209では、図1(a)の工具・加工順番編集部4において加工単位データ記憶部12に記憶された加工単位データから加工単位に対する使用工具のリストが加工単位の実行順番に表示され、オペレータからの指示に基づいて加工単位の使用工具の変更や加工単位の実行順番の変更が行われ、変更した加工単位データが加工単位データ記憶部12に格納される(加工単位調整工程:図1(b)の加工単位調整手段34)。
【0066】
図17(a)は、加工単位と使用工具のリストを表示したものであり、加工単位の順番は図16(a)に示した加工形状から加工単位を生成した際のものとなっている。このままの順序で加工単位を実行した場合、単純穴のスポットドリル加工〜ねじ穴のドリル加工まで3回の直接加工に関与しない工具交換動作が必要となる。そこで、ねじ穴のスポットドリル加工と単純穴のドリル加工の順番を入れ替えることで同様の加工を1回の工具交換動作で行うことが可能となり、加工時間が短縮される。このように工具の交換動作を最小限に抑えることは加工時間を短縮する上で重要であり、この作業を図17に示すリスト表示上で行えるようにすることで使用工具の変更も含め作業が容易になる。図2のステップS209の後は、ステップS216へ進む。
【0067】
ステップS215では、図1(a)のプログラム構成要素一覧表示部7上で表示対象を変更するか否かのオペレータ指示をチェックしており、表示対象を変更する指示の場合は図2のステップS216へ進み、そうでない場合はステップS201へ進む。
【0068】
ステップS216では、図1(a)の形状表示部6においてプログラム構成要素一覧表示部7から得られる表示対象情報を基に素材形状、加工素材形状あるいは加工素材形状と加工形状との組合せが3次元表示される。ステップS216の後はステップS201へ進む。
【0069】
図18〜図19に本発明の自動プログラミング装置における表示画面の例を示す。図18(a)に示すように画面はプログラム構成要素一覧表示部7と形状表示部6とから構成され、プログラム構成要素一覧表示部7で選択状態の構成要素(素材形状、加工素材形状、加工形状、加工単位)に対応する形状が形状表示部6に3次元表示される。
【0070】
図2のステップS203における素材形状データの入力・設定の後では、図18(a)に示すようにプログラム構成要素一覧表示部7で素材形状が選択状態となり、形状表示部6に素材形状が表示される。
【0071】
図2のステップS205における加工形状データの入力・設定の後では、図18(b)に示すようにプログラム構成要素一覧表示部7で入力・設定された加工形状が選択状態となり、形状表示部6に加工素材形状と共に加工形状が表示される(加工素材形状のみを確認したい場合は、図19(a)に示すように、プログラム構成要素一覧表示部7で加工素材形状を選択することで形状表示部6に加工素材形状を表示させることができる)。加工素材形状と共に加工形状を表示することで、加工素材形状に対する加工形状の位置関係の確認が容易となり、確実な加工形状の入力・設定するためのオペレータの負担が軽減される。
【0072】
図2のステップS207における加工単位の生成・編集の後では、図19(b)に示すようにプログラム構成要素一覧表示部7で入力・設定された加工単位と関連する加工形状が選択状態となり、形状表示部6に加工素材形状と共に関連する加工形状が表示される。
【0073】
図2のステップS209における加工単位の工具と加工順番の編集の後では、図20に示すようにプログラム構成要素一覧表示部7で編集された加工単位と関連する加工形状が選択状態となり、形状表示部6に加工素材形状と共に関連する加工形状が表示される。選択された加工単位に関連する加工形状を加工素材形状と共に表示することで、加工の順番に従った加工部位の確認が容易に行え、確実な加工順番を設定するためのオペレータの負担が軽減される。
【0074】
ステップS210では入力したプログラムを実行するか否かのオペレータ指示をチェックしており、プログラムを実行する指示の場合はステップS212へ進み、そうでない場合はステップS211へ進む。
【0075】
ステップS212〜ステップS214では図1(a)の制御指令生成部8において加工単位データ記憶部12に記憶されている加工単位データを一つずつ取り出して制御指令データを生成するループ処理を構成しており、ステップS213で取り出された加工単位データから制御指令データが生成され、制御装置の制御部へ出力される。
【0076】
ステップS211では、プログラム入力・実行操作を終了するか否かのオペレータ指示をチェックしており、プログラム入力・実行操作を終了する指示の場合は本自動プログラミング装置の動作を終了し、そうでない場合はステップS201へ進む。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態の自動プログラミング装置は、素材形状データを入力・記憶する素材形状入力手段31と、加工形状データを入力・記憶する加工形状入力手段32と、加工形状毎に加工単位を展開する加工単位展開手段33と、使用工具の割当てと加工単位の実行順番を設定する加工単位調整手段34とを備えている。そのため、オペレータをプログラム入力前の加工工程の検討作業から開放し、図面を基に即座にプログラム入力を実施できるようにすることができる。
【0078】
そして、加工形状入力手段32は、加工形状の入力において、素材形状から加工形状を除去した加工素材形状を生成・記憶する加工素材形状生成手段32aと、加工形状を定義する寸法・位置情報を入力する加工形状定義情報入力手段32bと、加工形状定義情報入力手段32bで入力された定義情報と加工素材形状とから加工形状の種類に応じた特定方向位置を決定するための基準とする加工素材形状上の部位を抽出し、抽出した加工素材形状上の部位を基準として加工形状の配置を決定すると共に、抽出した加工素材形状上の部位に対応する素材形状または加工形状の部位と加工形状とに依存関係を与える加工形状配置決定手段32cと、加工形状の定義情報を修正する際に依存する加工形状の配置を連動して変更する加工形状連動修正手段32dとを備えている。そのため、プログラム入力において加工形状の種類に応じた特定方向の位置を入力する手間が省かれ、さらに加工形状間の依存関係の設定作業を行うことなく加工形状の連動した修正操作を行えるようになる。
【0079】
即ち、加工単位の種類に応じた加工形状の特定方向の位置情報が自動決定され入力の手間が省ける。加工形状の修正において関連する加工形状の修正も自動的に連動して行われ修正の手間が省け、さらに、連動させるための素材形状と加工形状または加工形状間の依存関係の設定が特別な操作なしに行える。
【0080】
さらに、加工形状定義情報入力手段32bが、加工素材形状を貫通するタイプの加工形状を入力する際に、貫通する方向の寸法を加工素材形状を基に決定するので、貫通する方向の寸法を入力する手間を省くことができる。即ち、加工形状の特定方向の寸法について貫通する指示を与えることで寸法が自動決定され寸法入力の手間が省ける。
【0081】
また、加工形状配置決定手段32cが、加工形状定義情報入力手段32bで入力された情報と加工素材形状とから加工形状の種類に応じた特定方向の位置を決定するため基準とする加工素材形状上の部位を抽出する際に、加工形状定義情報入力手段32bで入力された情報から加工形状の種類に応じた特定方向に垂直な面内の加工形状の領域形状を生成し、生成した領域形状を加工形状の種類に応じた方向と反対方向に加工素材形状から離れた位置から加工形状の種類に応じた方向に移動させた際に、領域形状が最初に接触する加工素材形状上の面を基準の部位として抽出するので、プログラム入力において加工形状の種類に応じた特定方向の位置を入力する手間を省くことができる。即ち、加工形状の特定方向の位置を決定するために基準となる適当な加工形状上の部位が得られ、特定方向の位置を自動決定できる。
【0082】
また、入力済みの素材形状または加工形状の寸法・位置を修正する際に、寸法・位置の修正によって位置の変更される素材形状または加工形状の面に工具方向位置決定手段によって依存関係が与えられた加工形状が存在する場合に、位置の変更された素材形状または加工形状の面を基準として依存関係が与えられた加工形状の位置が更新され、さらに位置が更新された加工形状の面に依存関係が与えられた加工形状の位置も再帰的に更新されるので、加工形状の修正において、依存している加工形状の修正も連動して行われるようにし、修正作業の手間を省くことができる。
【0083】
加工単位調整手段34が、加工単位名とその加工単位で使用する工具名とを含む情報を加工単位の実行順に表示させる加工単位リスト表示手段34aと、加工単位に対する工具を割当て・変更する工具編集手段34bと、加工単位リストの加工単位の順番を編集する加工単位順番編集手段34cとを備えているので、加工単位の工具の割当てと実行順番の調整作業を効率よく容易にすることができる。
【0084】
さらに、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、上記実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上のように、本発明にかかる自動プログラミング装置およびその方法は、加工領域形
状、加工方法、使用工具、加工条件などのデータを含んだ部分的な加工を行うための加工
単位データが入力され、入力された加工単位データから工作機械を動作させるための制御
指令情報を生成する自動プログラミング装置およびその方法に適用されて好適なものであ
る。
【符号の説明】
【0086】
1 素材形状データ入力部
2 加工形状データ入力部
3 加工単位データ生成・編集部
4 工具・加工順番編集部
5 加工素材形状生成部
6 形状表示部
7 プログラム構成要素一覧表示部
8 制御指令生成部
9 素材形状データ記憶部
10 加工素材形状データ記憶部
11 加工形状データ記憶部
12 加工単位データ記憶部
31 素材形状入力手段
32 加工形状入力手段
32a 加工素材形状生成手段
32b 加工形状定義情報入力手段
32c 加工形状配置決定手段
32d 加工形状連動修正手段
33 加工単位展開手段
34 加工単位調整手段
34a 加工単位リスト表示手段
34b 工具編集手段
34c 加工単位順番編集手段
S201・・・S524 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工領域形状、加工方法、使用工具、加工条件などのデータを含んだ部分的な加工を行うための加工単位データが入力され、入力された加工単位データを解析して工作機械を動作させるための制御指令データを生成する自動プログラミング装置において、
素材形状データを入力・記憶する素材形状入力手段と、
加工形状データを入力・記憶する加工形状入力手段と、
加工形状毎に加工単位を展開する加工単位展開手段と、
使用工具の割当てと加工単位の実行順番を設定する加工単位調整手段と、を備え、
前記加工形状入力手段が、
素材形状から既定義済みの加工形状を除去した加工素材形状を生成・記憶する加工素材形状生成手段と、
加工形状を定義する寸法・位置情報を入力する加工形状定義情報入力手段と、
加工形状の種類に応じた加工形状の特定方向の位置を、前記寸法・位置情報と前記加工素材形状とから決定し、位置を決定するための基準となった前記加工素材形状上の部位に対応する素材形状または既定義済みの加工形状の部位と加工形状とに依存関係を設定する加工形状配置決定手段と、
前記寸法・位置情報を修正した際に、修正した加工形状に依存する加工形状についても配置を修正し、さらに配置を修正した加工形状に依存する加工形状についても同様に配置を修正することを繰り返す加工形状連動修正手段と、を含む
ことを特徴とする自動プログラミング装置。
【請求項2】
加工形状入力手段が、前記加工素材形状を貫通する指示が与えられた特定方向の寸法について前記加工素材形状を基に決定する
ことを特徴とする請求項1記載の自動プログラミング装置。
【請求項3】
加工形状配置決定手段が、加工形状の種類に応じた加工形状の特定方向の位置を決定する際に、入力された前記寸法・位置情報から特定方向に垂直な面内の加工形状の領域形状を生成し、生成した領域形状を特定方向と反対方向に前記加工素材形状から離れた位置から特定方向側に移動させた際に、領域形状が最初に接触する前記加工素材形状上の面を加工形状の特定方向の位置を決定するための基準の部位として抽出する
ことを特徴とする請求項1記載の自動プログラミング装置。
【請求項4】
加工形状配置決定手段が、加工単位の種類に応じた加工形状の特定方向の位置を決定する際に、加工形状上の特定の特長形状部位を加工形状の特定方向の位置を決定するための基準の部位として抽出する
ことを特徴とする請求項1記載の自動プログラミング装置。
【請求項5】
加工単位調整手段が、
加工単位名とその加工単位で使用する工具名とを少なくとも含む情報を加工単位の実行順に表示させる加工単位リスト表示手段と、
加工単位に対する工具を割当て・変更する工具編集手段と、
加工単位リストの加工単位の順番を編集する加工単位順番編集手段と、
を備える
ことを特徴とする請求項1記載の自動プログラミング装置。
【請求項6】
加工領域形状、加工方法、使用工具、加工条件などのデータを含んだ部分的な加工を行うための加工単位データが入力され、入力された加工単位データを解析して工作機械を動作させるための制御指令データを生成する自動プログラミング方法において、
素材形状データを入力・記憶する素材形状入力工程と、
加工形状データを入力・記憶する加工形状入力工程と、
加工形状毎に加工単位を展開する加工単位展開工程と、
使用工具の割当てと加工単位の実行順番を設定する加工単位調整工程と、を備え、
前記加工形状入力工程では、
素材形状から既定義済みの加工形状を除去した加工素材形状を生成・記憶し、
加工形状を定義する寸法・位置情報を入力し、
加工形状の種類に応じた加工形状の特定方向の位置を、前記寸法・位置情報と前記加工素材形状とから決定し、位置を決定するための基準となった前記加工素材形状上の部位に対応する素材形状または既定義済みの加工形状の部位と加工形状とに依存関係を設定し、
前記寸法・位置情報を修正した際に、修正した加工形状に依存する加工形状についても配置を修正し、さらに配置を修正した加工形状に依存する加工形状についても同様に配置を修正することを繰り返す、
ことを特徴とする自動プログラミング方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−198887(P2012−198887A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−53676(P2012−53676)
【出願日】平成24年3月9日(2012.3.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】