説明

自動回復回路付き制御IC、制御ICの自動回復回路、パワ変換システム及び制御ICの自動回復方法

【課題】予備電源を備えなくても、制御ICが保護モードにて出力以外に自動復元の動作を行って、一定時間後自動に正常動作する。
【解決手段】システムまたは制御ICの異常状態を検出する異常状態検出部110と、異常状態の検出に応じて、保護モードに変更し、該保護モードにて自動回復信号を入力されて動作モードに変更するプロテクション部120と、入力電源からの電力の供給後、IC電源が予め決められた高電圧に到達すると、電力供給遮断信号に応じて入力電源からの電力の供給を遮断し、入力電源からの電力の供給及び遮断を繰り返すIC電源部130と、保護モードの開始に応じて、IC電源部130の電力供給信号及び電力供給遮断信号が交互に繰り返されるクロックをカウントし、該カウント数が予め決められた値に到達すると、プロテクション部120に自動回復信号を供給する自動再開部140とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動回復回路付き制御IC、制御ICの自動回復回路、パワ変換システム及び制御ICの自動回復方法に関し、特に、予備電源を備えなくても自動に回復することができる、自動回復回路付き制御IC、制御ICの自動回復回路、パワ変換システム及び制御ICの自動回復方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SMPSなどに適用される制御IC、例えばPWM制御ICでは、過電圧、過電流、入力低電圧、過負荷、高温などの異常状態を感知するとき、システム及びICを保護するために保護モード(Protection Mode)にて動作する機能がある。また、一時的な異常状態やノイズなどによって、保護モードに進入する場合、ICは一定な時間後に再度正常の動作を行うことによって、システムが正常に動作するようにする。
【0003】
従来には、PWM制御ICの動作のための予備電源が備えられている。この予備電源によって、過電圧、過電流などの異常状態が発生する時、保護モードの機能が動作し、該異常状態が終わると直ぐにPWM制御ICが自動復元するようになる。詳しくは、異常状態が発生すると、保護モード信号でスイッチをオフさせ、予備電源のPWM制御ICへの供給を遮断して、前記制御ICが動作しなくなる。そして、保護モード信号を一定時間間持続して遅延させた後にスイッチにオンさせることによって、予備電源が再度PWM制御ICに供給されるようにしている。この予備電源の再供給によって、前記制御ICが再度正常に動作するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2010−0015132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
つまり、従来方式の場合は予備電源が必ず必要になって、費用が増加し、また予備電源がなく、PWM制御ICのみでは自動復元が不可能になるという不都合がある。
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、予備電源を備えなくても、制御ICが保護モードにて出力以外に自動復元の動作を行って、一定時間後自動に正常動作することができる、自動回復回路付き制御IC、制御ICの自動回復回路、パワ変換システム及び制御ICの自動回復方法を提供することに、その目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決するために、本発明の第1の形態によれば、システムまたは制御ICの異常状態を検出する異常状態検出部と、該異常状態の検出に応じて保護モードに変更し、該保護モードにて自動回復信号を入力されて動作モードに変更するプロテクション部と、正常状態でシステムの2次側捕助巻線から電力を供給され、該捕助巻線からの電力の供給が中断された保護モードにて、IC電源が予め決められた低電圧まで落ちると、電力供給信号によってシステムの入力電源から電力を供給され、その後該IC電源が予め決められた高電圧に到達すると、電力供給遮断信号によってシステムの入力電源からの電力の供給を遮断し、システムの入力電源からの電力の供給及び電力遮断を繰り返すIC電源部と、保護モードの開始に応じて前記IC電源部の電力供給信号及び電力供給遮断信号が交互に繰り返されるクロックをカウントし、該カウント数が予め決められた値に到達すると、前記プロテクション部に自動回復信号を供給する自動再開部とを含む自動回復回路付き制御ICが提供される。
【0007】
一形態によれば、前記異常状態検出部は、過電圧、過電流、過負荷、サーマルシャットダウン(Thermal Shutdown)及びブラウンアウト(Brown Out)のうちの少なくともいずれか一つを検出する。
【0008】
また、一形態によれば、前記プロテクション部は、前記異常状態検出部の出力と前記自動回復信号とを入力にするラッチ回路を含む。
【0009】
また、一形態によれば、前記IC電源部は、初期にシステムの入力電源から電力を供給されている途中、予め決められた高電圧に到達すると、システムの入力電源からの電力の供給を遮断し、システムの2次側捕助巻線から電力を供給される。
【0010】
また、一形態によれば、前記IC電源部は、保護モードから動作モードに変更された場合、前記IC電源が予め決められた高電圧に到達すると、前記入力電源からの電力の供給を遮断し、システムの2次側捕助巻線からの電力の供給を再開する。
【0011】
また、一形態によれば、前記自動再開部は、電力供給信号及び電力供給遮断信号のクロックをカウントするカウンタと、該カウンタの出力信号とクロックの信号とに対して論理積演算を行う論理積ゲートとを含む。
【0012】
また、一形態によれば、前記制御ICは、パワコンパータのパワトランジスタスイッチを駆動するPWM制御チップである。
【0013】
一形態によれば、前記制御ICは、システムの2次側出力のフィードバックを受けてPWM制御信号を生成するPWM生成部と、該PWM生成部で生成された制御信号によって前記パワトランジスタスイッチを駆動する駆動部とを含む。
【0014】
一形態によれば、前記PWM生成部は、システムの2次側出力のフィードバックを受けたフィードバック信号、予め決められた状態によって決まった内部電圧信号及びシステムのインダクタ電流の検出信号を用いて、PWM制御信号のデューティを決めるPWM比較器と、前記PWM比較器の出力と前記プロテクション部の出力とを入力されてPWM制御信号を出力する排他的論理和ゲートとを含む。
【0015】
また、上記目的を解決するために、本発明の第2の形態によれば、システムまたは制御ICの異常状態の発生による保護モードから動作モードに自動に回復する自動回復回路において、異常状態を検出する異常状態検出部と、該異常状態の検出に応じて保護モードに変更し、該保護モードにて自動回復信号を入力されて動作モードに変更するプロテクション部と、システムの2次側捕助巻線からIC電源への電力供給が中断された保護モードにて、IC電源が予め決められた低電圧まで落ちると、システムの入力電源から電力を供給されるようにする電力供給信号と、入力電源からの電力の供給後に該IC電源が予め決められた高電圧に到達すると、前記入力電源からの電力の供給を遮断するような電力供給遮断信号が交互に繰り返されるクロックをカウントし、該カウント数が予め決められた値に到達すると、前記プロテクション部に自動回復信号を供給する自動再開部とを含む制御ICの自動回復回路が提供される。
【0016】
一形態によれば、前記異常状態検出部は、過電圧、過電流、過負荷、サーマルシャットダウン及びブラウンアウトのうちの少なくともいずれか一つを検出する。
【0017】
また、一形態によれば、前記プロテクション部は、前記異常状態検出部の出力と前記自動回復信号とを入力にするラッチ回路を含む。
【0018】
また、一形態によれば、前記自動再開部は、電力供給信号と電力供給遮断信号とのクロックをカウントするカウンタと、該カウンタの出力信号とクロックの信号とに対して論理積演算を行う論理積ゲートとを含む。
【0019】
また、上記目的を解決するために、本発明の第3の形態によれば、オン/オフ駆動してシステムの入力電源を伝達するパワトランジスタスイッチと、該パワトランジスタスイッチの駆動によってシステムの入力電源を1次側電源として入力されて変換し、2次側を通じて直流電源として出力するトランスと、前記パワトランジスタスイッチの駆動をPWM制御する前記第1の形態のうちのいずれか一つによる制御ICと、前記トランスの2次側出力をフィードバックして前記制御ICに供給するフィードバック回路とを含むパワ変換システムが提供される。
【0020】
一形態によれば、前記制御ICは、前記フィードバック回路から2次側出力のフィードバックを受けてPWM制御信号を生成するPWM生成部と、このPWM生成部で生成された制御信号によって前記パワトランジスタスイッチを駆動する駆動部とを含む。
【0021】
また、上記目的を解決するために、本発明の第4の形態によれば、システムまたは制御ICの異常状態の検出に応じて保護モードに変更され、システムの2次側捕助巻線からIC電源への電力の供給を中断するステップと、保護モードの開始によって、IC電源が予め決められた低電圧まで落ちると、電力供給信号によってシステムの入力電源から電力を供給され、該入力電源からの電力の供給後に該IC電源が予め決められた高電圧に到達すると、電力供給遮断信号によって入力電源からの電力の供給を遮断し、該入力電源からの電力の供給及び供給電力遮断を繰り返すステップと、電力供給信号及び電力供給遮断信号が交互に繰り返されるクロックをカウントし、該カウント数が予め決められた値に到達すると、自動回復信号を生成するステップと、該自動回復信号に応じて保護モードから動作モードに変更するステップとを含む制御ICの自動回復方法が提供される。
【0022】
一形態によれば、前記異常状態の検出は、過電圧、過電流、過負荷、サーマルシャットダウン及びブラウンアウトのうちの少なくともいずれか一つを検出して行われる。
【0023】
また、一形態によれば、保護モードの開始前に、初期にシステムの入力電源から電力を供給されている途中、予め決められた高電圧に到達すると、前記入力電源からの電力の供給を遮断し、システムの2次側捕助巻線から電力を供給されるステップを、さらに含む。
【0024】
また、一形態によれば、前記動作モードに変更するステップでは、前記IC電源が予め決められた高電圧に到達すると、前記入力電源からの電力の供給を遮断し、システムの2次側捕助巻線からの電力の供給を再開する。
【0025】
また、一形態によれば、前記制御ICは、パワコンパータのパワトランジスタスイッチを駆動するPWM制御チップである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、予備電源を備えなくても、制御ICが保護モードにて出力動作を除いた自動復元動作を行うことによって、一定時間後に自動に正常動作することができるという効果が奏する。
【0027】
それによって、ノイズによる保護モードでの誤動作を自動に復元することができるという効果が奏する。
【0028】
また、予備電源がなくても、自動復元動作が可能になる。
【0029】
本発明の多様な形態によって直接的に言及されなかった多様な効果は、本発明の形態による多様な構成から該当技術分野において通常の知識を持った者によって導出可能なことは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態による自動回復回路付き制御ICを概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施形態による自動回復回路付き制御ICを概略的に示すブロック図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態による自動回復回路付き制御ICを概略的に示す回路図である。
【図4】本発明の他の実施形態による制御ICの自動回復回路を概略的に示す回路図である。
【図5】本発明の一実施形態による制御ICの自動回復動作を概略的に示すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態による自動回復回路付き制御ICの電源の正常動作状態を概略的に示すグラフである。
【図7】本発明のさらに他の実施形態によるパワ変換システムを概略的に示すブロック図である。
【図8a】本発明の他の一実施形態による制御ICの自動回復方法を概略的に示す流れ図である。
【図8b】本発明の他の一実施形態による制御ICの自動回復方法を概略的に示す流れ図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態による制御ICの自動回復方法を概略的に示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0032】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0033】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による自動回復回路付き制御ICについて説明すれば、次のとおりである。
【0034】
まず、本発明の第1の実施形態による自動回復回路付き制御ICについて詳記する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態による自動回復回路付き制御ICを概略的に示すブロック図で、図2は、本発明の他の実施形態による自動回復回路付き制御ICを概略的に示すブロック図で、図3は、本発明の他の実施形態による自動回復回路付き制御ICを概略的に示す回路図で、図4は、本発明の他の実施形態による制御ICの自動回復回路を概略的に示す回路図である。図5は、本発明の一実施形態による制御ICの自動回復動作を概略的に示すグラフで、図6は、本発明の一実施形態による自動回復回路付き制御ICの電源の正常動作状態を概略的に示すグラフである。
【0036】
図1に示すように、一実施形態による自動回復回路付き制御ICは、異常状態検出部110、プロテクション部120、IC電源部130及び自動再開部140を含む。
【0037】
図1において、異常状態検出部110は、この実施形態による制御ICを含むシステムまたは該制御ICの異常状態を検出する。異常状態とは、正常状態から外れた状態を言って、例えば、過電圧(Over-Voltage)、過電流(Over-Current)、過負荷(Overload)、入力低電圧、サーマルシャットダウン(Thermal Shutdown)、ブラウンアウト(Brown Out)などが挙げられる。図3中のOLP、OVP、TSD及び図4中のOCP、Brown Outなどは各々の異常状態に対する検出モードを意味する。詳しくは、OLPは過負荷保護、OVPは過電圧保護、TSDはサーマルシャットダウン、OCPは過電流保護を表す。例えば、OLP、OCP、ブラウンアウトなどはシステムの異常状態を表してもよい。例えば、図3及び4に示すように、各々の異常状態の検出モード及びオア(OR)ゲートによって異常状態検出部110、210が具現される。図5には、異常状態の検出信号の例としてのOVP signalが示されている。
【0038】
一実施形態によれば、異常状態検出部110は過電圧、過電流、過負荷、入力低電圧、サーマルシャットダウン、ブラウンアウトのうちの少なくともいずれか一つを検出する。
【0039】
続いて、図1のプロテクション部120は、異常状態検出部110によって異常状態が検出されると、それに応じて動作モード状態を保護モードに変更する。図5には、異常状態の検出信号であるOVP signalが生成されることによって、保護信号が活性化されることが示されている。図5の保護シグナルがハイ状態の区間間、保護モードが行われる。図5に示すように、少なくとも保護モードが行われる区間間には制御ICの出力がないことを分かる。また、この実施形態での保護モードでは、IC電源であるIC VCCが予め決められた高電圧であるUVLO_ON電圧と予め決められた低電圧であるUVLO_OFF電圧との間で下降及び上昇を繰り返す。
【0040】
例えば、図3及び図4に示すように、OVPのような異常状態信号が異常状態検出部110、210によってプロテクション部120、220に入ると、プロテクション部120、220は制御IC及びシステムを保護するために、ラッチプロテクションを用いて制御ICの出力とシステムの動作とを止めるようにする。保護モードの状態になると、図5に示すように、IC VCCがUVLO_ONとUVLO_OFFとの間で上昇及び下降の動作を繰り返すようになる。それによって、UVLO signalを感知してカウントし、ラッチプロテクションを例えば図4に示すように、リセットして制御ICが正常に動作するようにする。
【0041】
図1のプロテクション部120は、保護モードにて自動回復信号を入力されて動作モードに変更する。図5に示すように、例えばUVLO signalが3番目のハイに変わる瞬間、すなわち3番目のクロックエッジ立上がりの瞬間にAuto Recovery信号によって保護シグナルがロー状態に変わって終わることを分かる。図5に示すように、保護シグナルがロー状態に変わって動作モードになると、IC電源であるIC VCCはUVLO signalがハイ状態にあるので、システムの入力電源から電力を供給される。例えば、図5では、動作モードにあっても、制御ICはまだ正常状態に至らなかったことが示されている。そのため、動作モードの再開によってすぐ制御ICの出力が同時に回復されないことになる。続いて、図5に示すように、動作モードの進行に応じて、例えば、制御ICが正常状態になる時点、即ち、IC電源が予め決められた高電圧であるUVLO_ON電圧に到達する時点に至れば、UVLO signalがロー状態に変わって、システムの入力電源(図示せず)からの電力の供給が遮られて、代りに制御ICが正常状態に到達したので、該制御ICの出力が再開される。それによって、システムのトランス(図7の符号30)の2次側補助巻線(図示せず)から電力を供給されるようになる。
【0042】
図1のプロテクション部120は、入力信号によって保護モードまたは動作モードに変更するので、例えば図3及び/または図4のラッチ回路120、221を備える。この実施形態では、保護モードになると、制御IC自体は動作するが、図5に示すように、該制御ICから出力信号、例えばパワトランジスタ(図示せず)に対する駆動信号が出力されないので、次のIC電源部130からシステムのトランス(図7の符号30)の2次側補助巻線(図示せず)から電力を供給されることができなくなる。例えば、図5に示すように、保護モードから動作モードに変更された後、一定時間経過後にIC電源が予め決められた高電圧であるUVLO_ON電圧に到達すると、制御ICが正常状態になり、IC電源部130がシステムの2次側補助巻線(図示せず)から電力を供給されるようになる。または、図5とは異なり、保護モードが動作モードに変更される時点にてすぐ制御ICの出力が再開され、それによってIC電源部130がシステムの2次側捕助巻線から電力を供給されることになる。例えば、図5の自動回復信号であるAuto Recovery信号が、図5とは異なり、UVLO signalの立下りエッジ時点にて生成される場合には、IC電源のIC VCCが既に予め決められた高電圧であるUVLO_ON電圧に到達したので、制御ICの出力が再開される。それによって、IC電源部130がシステムの2次側補助巻線(図示せず)から電力を供給されることになる。または、図5とは異なり、IC VCCが既に予め決められた高電圧であるUVLO_ON電圧に到達しなかったが、保護シグナルがロー状態になり、動作モードに変わる時点にて制御ICの出力が再開されてもよい。
【0043】
例えば、一実施形態によれば、図3及び図4に示すように、プロテクション部120、220は、異常状態検出部110、210の出力と自動再開部140、240からの自動回復信号とを入力されるラッチ回路120、221を含む。図3では、異常状態検出部110の出力をリセット入力Rとして、自動再開部140からの自動回復信号をセット入力Sとして受け、出力端Qを介して出力するラッチ回路120が示されている。図4に示すように、プロテクション部220はラッチ回路221とインバータ223とを備える。図4のラッチ回路221は、異常状態検出部110、210の出力をセット入力Sとして、自動再開部140からの自動回復信号をリセット入力Rとして受け、出力端Qを介して出力した後、インバータ223を経て反転出力する。
【0044】
次に、図1のIC電源部130は、正常状態にてシステムの2次側補助巻線(図示せず)、例えばパワ変換システムのトランス(図7の符号30)の2次側捕助巻線から電力を供給される。ここで、正常状態は動作モードと異なる。正常状態とは、保護モードではない動作モードの状態で動作する中にシステムの安定な状態を意味する。したがって、動作モード状態にある場合、正常状態であってもよく、まだ正常状態に到達する前の動作状態であってもよい。異常状態が検出されて保護モードに変わる場合、2次側捕助巻線からIC電源への電力の供給を中断する。
【0045】
例えば、IC電源部130は、2次側補助巻線(図示せず)に接続される端子の外部に設けられたキャパシタ(図示せず)を備える。これによって、正常状態にて、IC電源部130は、端子外部に設けられたキャパシタに2次側捕助巻線から供給される電力を充電し、保護モードの開始に応じて該2次側捕助巻線から電力の供給が中断された場合、該キャパシタに充電された電源をIC電源として使ってもよい。IC電源のキャパシタ(VCCキャパシタ)(図示せず)の容量によって、自動復元時間を可変することができる。
【0046】
図1のIC電源部130は、保護モードにて、IC電源が予め決められた低電圧、例えば図5のUVLO_OFF電圧まで落ちると、電力供給信号によってシステムの入力電源から電力を供給される。電力供給信号(例えば、図5中のUVLO signalのハイ信号)は、システムの入力電源からの電力を供給されるようにする制御信号である。例えば、制御ICまたはシステムがOVP、OCP、OLP、ブラウンアウト、TSDのような異常状態になると、図5に示すように制御ICの動作が止めて出力が中断される。それによって、システムのトランス(図7の符号30)の2次側捕助巻線からの電力の供給も止めるようになる。すると、例えばIC電源キャパシタ(VCCキャパシタ)(図示せず)からの制御ICへの電圧(図5のIC VCC)が減少するようになる。この時、制御ICの電圧(図5のIC VCC)が一定電圧である予め決められた低電圧(UVLO_OFF)まで下がると、システムの入力電源からの電力の供給が開始される。
【0047】
続いて、保護モードにて、IC電源部130はシステムの入力電源からの電力の供給後に再度IC電源が予め決められた高電圧、例えば図5のUVLO_ON電圧に到達する場合、電力供給遮断信号によって入力電源(図示せず)からの電力の供給を遮断または中断する。電力供給遮断信号(例えば、図5でUVLO signalのロー信号)は、システムの入力電源からの電力の供給によってIC電源が予め決められた高電圧、例えば図5のUVLO_ON電圧に到達する場合、システムの入力電源からの電力の供給を遮断するような制御信号である。図5において、システムの入力電源からの電力の供給が再開されれば、制御ICの供給電圧(図5のIC VCC)がUVLO_ONに到達し、システムの入力電源からの電力の供給が中断になるが、該制御ICは保護状態であるため、システムの2次側捕助巻線からの電力の供給は行われない。そのため、制御ICの供給電圧は減少するようになり、図5のようなIC VCCの上昇及び下降の動作が繰り返される。
【0048】
図3を参照して、保護モードの開始に応じて、図3のVCC端を通じて接続されたシステムの2次側補助巻線(図示せず)には出力がないので、例えばVCC端の外部に2次側捕助巻線と並列接続されたキャパシタ(図示せず)に充電されたIC電源の電圧が徐々に落ちてUVLO比較器に入力される。UVLO比較器でIC電源の電圧が予め決められた低電圧であるUVLO_OFF電圧(図3では8V)まで落ちると、スイッチS1が再度導通され、スイッチS1の駆動によってSTR端を通じてシステムの入力電源から電力を供給されるようになる。STR端を通じるシステムの入力電源から供給されたSTARTUP電流源がUVLO比較器で予め決められた高電圧であるUVLO_ON電圧(図3では12V)に到達すると、5VのVREFが図3のソフトスタート回路を駆動させ、該ソフトスタート回路から出力されるSS_End信号がT_Delayを経てスイッチS1がオープンされ、STR端を通じるシステムの入力電源からの電力の供給が遮られる。
【0049】
図5に示すように、図1のIC電源部130は、電力供給信号及び電力供給遮断信号の繰返し、例えば図5のUVLO signalのハイ及びロー信号の繰返しによって、シスデムの入力電源(図示せず)からの電力の供給及び遮断を繰り返す。システムの入力電源からの電力の供給及び遮断の繰返し回数は設定によって決まる。設定された回数分、電力供給及び電力遮断が繰り返されれば、自動再開部140で自動回復信号をプロテクション部120に供給する。図5に示すように、UVLO signalのハイクロックが3番目に生成される時点にて、自動回復信号であるAuto Recoveryシグナルが生成され、保護シグナルがローに変わって、保護モードが終わる。
【0050】
一実施形態によれば、従来と異なり、別途の予備電源が必要なしに動作することができる。図6を参照して、図1のIC電源部130は、初期に本発明の制御ICを含むシステムの入力電源(図示せず)から電力を供給されている途中、制御ICの供給電圧が一定電圧である予め決められた高電圧(UVLO_ON)に到達すると、システムの入力電源からの電力の供給を遮断または中断し、システムの2次側補助巻線(図示せず)から電力を供給される。詳しく、IC電源部130は、初期に予め決められた高電圧、例えば図6に示されたUVLO_ON電圧に到達するまで、本発明の制御ICを含むシステムの入力電源、例えばSMPSでの入力電源またはSMPSでのトランス(図7の符号30)の1次側の入力電源などの入力電源を入力される。図3に示すように、初期にSTR端子を通じて、例えばSMPSでの入力電源またはSMPSでのトランス(図7の符号30)の1次側の入力電源などの入力電源を受け、STARTUP電流源としてスイッチS1を経てBIASに供給される。図3に示すように、STARTUP電流源がUVLO比較器に入力され、UVLO_ON電圧(図3で12V)に到達する前までBIASに供給できるが、UVLO_ON電圧(図3で12V)に到達する時に正常的なシステムが動作し、一定時間遅延された(図3で、SS_End及びT_Delayで構成される)後、スイッチS1が開放されSTARTUP電流源を遮断するようになる。これから、図3のVCC端を通じてシステムのトランス(図7の符号30)の2次側捕助巻線から電力を供給される。
【0051】
一実施形態によれば、予め決められた高電圧であるUVLO_ON電圧は、制御ICが正常状態に到達する電圧であってもよい。すなわち、IC電源部130は、初期動作モード状態から正常状態になると、システムからの入力電力の供給が遮られ、システムのトランス(図7の符号30)の2次側捕助巻線から電力を供給される。
【0052】
図5に示すように、一実施形態によれば、IC電源部130は、保護モードから動作モードに変更された場合、IC電源が予め決められた高電圧、例えば図5のUVLO_ON電圧に到達すると、入力電源(図示せず)からの電力の供給を遮断し、システムの2次側補助巻線(図示せず)からの電力の供給を再開する。図5において、保護モードが動作モードに変更されれば、UVLO signalがハイ状態のうちにシステムの入力電源から電力を供給され、IC電源であるIC VCCが予め決められた高電圧であるUVLO_ON電圧に到達すると、前記入力電源からの電力の供給は遮られるが、UVLO_ON電圧に到達することによって制御ICが正常状態になり、制御ICの出力が再開される。それによって、IC電源部130はシステムのトランス(図7の符号30)の2次側補助巻線(図示せず)から電力を供給されるようになる。また、図5とは異なり、保護モードが動作モードに変更される時点にてすぐ制御ICの出力が再開され、それによってIC電源部130がシステムの2次側捕助巻線から電力を供給されてもよい。
【0053】
次に、図1の自動再開部140は、保護モードの開始に応じて、前記IC電源部130の電力供給信号及び電力供給遮断信号が交互に繰り返されるクロックをカウントする。また、図1の自動再開部140は、カウント数が予め決められた値に到達すると、前記プロテクション部120に自動回復信号を供給する。図5に示すように、UVLO signalのハイクロックが3番目に生成される時点にて自動回復信号であるAuto Recoveryシグナルが生成され、保護シグナルがローに変わって保護モードが終わる。図5において、UVLO signalのハイ信号はシステムの入力電源(図示せず)からの電力を再供給されるようにする電力供給信号である。UVLO signalのロー信号は、システムの入力電源からの電力の供給を遮断するような電力供給遮断信号である。一実施形態によれば、IC電源部130においてシステムの入力電源からの電力の再供給及び再遮断の繰返し回数は、設定によって決まってもよい。
【0054】
また、図4を参照して、一例を挙げる。図4は、本発明の第2の実施形態による制御ICの自動回復回路を示す。図4の構成は、本発明の第1の実施形態による自動回復回路付き制御ICの構成にも同様に適用されてもよい。
【0055】
図4に示すように、自動再開部240は、カウンタ241及び論理積(AND)ゲート243を含む。カウンタ241は、IC電源部130からの電力供給信号及び電力供給遮断信号のクロックをカウントする。クロックカウントは、立上がりエッジまたは立下がりエッジをカウントする方法によって行われてもよい。例えば、カウンタ241はシステムの入力電源(図示せず)からの電力を再供給されるような電力供給信号である、UVLO signalのハイクロックのみをカウントする。図4の論理積ゲート243は、カウンタ241の出力信号とクロック信号とに対する論理積演算を行う。例えば、図5に示すように、IC電源部130での電力供給信号であるUVLO signalのハイクロックが3番目にカウントされる時点にて自動回復信号が出力される。図4に示すように、カウンタ241は複数のフリップフロップを接続して構成される。例えば、図4に示すように、1番目のフリップフロップでUVLO信号をクロックにし、1番目のフリップフロップの出力Qを2番目のフリップフロップのクロックにし、RESET信号を二つのフリップフロップでT入力端の入力信号として決めてもよい。例えば、図5のUVLO signalのハイクロックによって入力されるシステムの入力電源の入力を図4のRESET信号にすることができる。図4は、カウンタ241を例示的に示すもので、図4に示されていない多様な方法でカウンタ241を構成してもよい。
【0056】
また、本発明の一実施形態によれば、制御ICはパワ変換システムのパワトランジスタスイッチ(図7の符号20)を駆動するPWM制御チップである。例えば、パワ変換システムはSMPSに適用されるパワコンパータであってもよい。図2及び図3を参照して、これについて詳記する。
【0057】
図2及び/または図3に示すように、一実施形態によれば、制御ICはPWM生成部150及び駆動部160をさらに含む。PWM生成部150は、システムの2次側出力のフィードバックを受けてPWM制御信号を生成する。例えば、PWM生成部150は、システムのトランス(図7の符号30)の2次側出力のフィードバックを受けてシステムの1次側入力と比較することによって、所望の2次側出力を得るようにPWMデューティ比を調節し、パワトランジスタ(図示せず)を駆動させるためのPWM制御信号を生成する。
【0058】
図3を参照して、これについて詳記する。一実施形態によれば、PWM生成部150はPWM比較器及び排他的論理和(NOR)ゲートを含む。図3に示すように、PWM比較器は、システムの2次側出力のフィードバックを受けたフィードバック信号、予め決められた状態によって決まった内部電圧信号及びシステムのインダクタ電流の検出信号を用いて、PWM制御信号のデューティを決める。図3に示すように、制御ICの正常状態では、PWM比較器はシステムの2次側出力のフィードバックを受けたフィードバック信号とシステムの1次側入力、例えばインダクタ電流をモニタした検出信号とを比較して、所望の2次側出力を得るためのデューティを決める。図3では、2次側出力のフィードバック信号は、FB端子を通じて入力され、PWM比較器のネガ端に入力され、インダクタ電流をモニタして検出された信号はCS端を経てPWM比較器のポジ端に入力される。これによって、PWM比較器で比較して所望の2次側出力を得るためのデューティを決める。また、図3に示すように、制御ICが正常状態ではない状態にて、システムの2次側出力からのフィードバック信号ではない予め決められた状態によって決まった内部電圧信号と、システムの1次側入力、例えばインダクタ電流をモニタした検出信号とを比較して、所望の2次側出力を得るためのデューティを決める。例えば、図3において、バースト制御ブロック157でバースト(burst)活性信号であるbu_en信号をトランジスタQ1に印加し、2次側出力のフィードバック信号をグランドへと送り、バーストピック信号であるbu_pk_b信号をスイッチS2に印加し、予め決められた状態によって決まった内部電圧信号である5V値をPWM比較器のネガ端へ入力させ、インダクタ電流をモニタして検出された信号をCS端を経てPWM比較器のポジ端へ入力させ、これらを比較することによって、所望の2次側出力を得るためのデューティを決める。図3において、PWM比較器の出力はオシレータ信号とともにラッチ回路に入出力されてデューティが決まる。図3で、PWM比較器及びラッチ回路を経てデューティが決まる信号は、排他的論理和ゲートに入力される。
【0059】
また、図3の排他的論理和(NOR)ゲートは、PWM比較器の出力とプロテクション部120の出力とを入力され、PWM制御信号を出力する。例えば、図3には、PWM比較器及びラッチ回路を経て、デューティが決まる信号、プロテクション部120の保護モードまたは動作モードによる信号及びオシレーター信号を入力される排他的論理和ゲートが示されている。この実施形態では、図3の例示と異なり、他の方式でPWM比較器の出力とプロテクション部120の出力とは排他的論理和ゲートに入力され、PWM制御信号が出力される。
【0060】
続いて、図2及び/または図3において、駆動部160はPWM生成部150で生成された制御信号によってパワトランジスタスイッチ(図7の符号20)を駆動させる。
【0061】
次に、添付図面を参照して、本発明の第2の実施形態による制御ICの自動回復回路について詳記する。本発明の第2の実施形態の説明において、図4及び図5に加えて、前述の第1の実施形態による自動回復回路付き制御ICの例及び図1〜図3を参照し、重複する説明は省略することにする。
【0062】
図4は、本発明の他の実施形態による制御ICの自動回復回路を概略的に示す回路図で、図5は、本発明の一実施形態による制御ICの自動回復動作を概略的に示すグラフである。
【0063】
図4に示すように、本発明の第2の実施形態において、制御ICの自動回復回路は、システムまたは制御ICの異常状態の発生による保護モードから動作モードに自動に回復する自動回復回路であって、異常状態検出部110、プロテクション部120及び自動再開部140を含む。例えば、自動回復回路付き制御ICは、パワコンパータのパワトランジスタスイッチを駆動するPWM制御チップである。
【0064】
まず、図4の異常状態検出部110は、システムまたは制御ICの異常状態を検出する。例えば、図4に示すように、異常状態検出部110はOVP検出モード、OCP検出モード、OLP検出モード、ブラウンアウト検出モード、TSD検出モードのうちのいずれか一つにて、異常状態の有無を検出する。一実施形態によれば、異常状態検出部110は、過電圧、過電流、過負荷、サーマルシャットダウン、ブラウンアウトのうちの少なくともいずれか一つを検出する。異常状態検出部110に対する詳細は、前述の第1の実施形態と図1、図3及び図5を参照して示す。
【0065】
続いて、図4のプロテクション部120は、異常状態検出部110で異常状態が検出されると、動作モードから保護モードに変更する。図5には、異常状態の検出信号であるOVP signalが生成されることによって、保護信号が活性化されることが示されている。また、プロテクション部120は保護モードにて自動再開部140から自動回復信号を入力されて動作モードに変更する。
【0066】
また、一実施形態によれば、図3及び図4に示すように、プロテクション部120、220は、異常状態検出部110、210の出力と自動回復信号とを入力にするラッチ回路120、221を含む。図4では、プロテクション部220はラッチ回路221とインバータ223とを含むことに対して、図3ではラッチ回路120のみを含む。
【0067】
図4のプロテクション部120に対する詳細は、前述の第1の実施形態と図1及び図5を参照して示す。
【0068】
続いて、図4の自動再開部140について詳記する。図4の自動再開部140は、システムの2次側補助巻線(図示せず)からIC電源への電力の供給が中断された保護モードにて、電力供給信号と電力供給遮断信号とが交互に繰り返されるクロックをカウントする。クロックカウントは、立上がりエッジまたは立下りエッジをカウントする方法によって行われる。電力供給信号、例えば、図5で、UVLO signalのハイ信号はIC電源が予め決められた低電圧まで落ちると、システムの入力電源(図示せず)から電力を供給されるような制御信号である。電力供給遮断信号、例えば、図5で、UVLO signalのロー信号は、システムの入力電源からの電力の供給後に該IC電源が予め決められた高電圧に到達すると、該入力電源からの電力の供給を遮断するような制御信号である。図5に示すように、保護モードにはIC電源であるIC VCCが予め決められた高電圧であるUVLO_ON電圧と予め決められた低電圧であるUVLO_OFF電圧との間で下降と上昇を繰り返す。自動再開部140は、IC電源であるIC VCCの下降及び上昇の繰返し回数をカウントする。
【0069】
また、図4の自動再開部140は、カウント数が予め決められた値に到達すると、プロテクション部120に自動回復信号を供給する。図5に示すように、システムの入力電源からの電力を再供給されるような電力供給信号であるUVLO signalのハイクロックが3番目に生成される時点にて、自動回復信号であるAuto Recoveryシグナルが生成され、保護シグナルがローに変わって、保護モードが終わる。
【0070】
保護モードによって、システムの2次側補助巻線(図示せず)からIC電源への電力の供給が中断されると、例えば、IC電源キャパシタ(VCCキャパシタ)(図示せず)に充電された電源をIC電源の供給電源(図5のIC VCC)として使う。IC電源の供給電源(図5のIC VCC)は徐々に減少し、該IC VCCが予め決められた低電圧であるUVLO_OFF電圧まで落ちると、システムの入力電源からの電力の供給を再開する。それによって、IC電源が予め決められた高電圧であるUVLO_ON電圧に到達すると、システムの入力電源からの電力の供給を遮断する動作を再度繰り返す。IC VCCの下降及び上昇の繰返し回数をカウントし、該カウント数が予め決められた回数に到達すると、自動回復信号を生成する。カウント回数に加えて、IC電源キャパシタ(VCCキャパシタ)の容量によって、自動復元時間を可変する。
【0071】
図4に示すように、一実施形態によれば、自動再開部140は、カウンタ241及び論理積(AND)ゲート243を含む。カウンタ241は、システムの入力電源(図示せず)からの電力再供給に関する電力供給信号と、システムの入力電源からの電力供給遮断に関する電力供給遮断信号とのクロックをカウントする。カウンタ241は、システムの入力電源からの電力を再供給されるような電力供給信号であるUVLO signalのハイクロックのみをカウントする。図4の論理積ゲート243は、カウンタ241の出力信号とクロック信号に対して論理積演算を行う。図4に示すように、カウンタ241は、複数のフリップフロップを接続して具現されるが、これに限定するものではない。
【0072】
図4の自動再開部140に対する詳細は、前述の第1の実施形態、図1及び図5を参照して示す。
【0073】
次に、添付図面を参照して、本発明の第3の実施形態によるパワ変換システムについて詳記する。第3の実施形態に対しては、図1〜図4、図6及び図7、前述の第1及び第2の実施形態を参照し、その他の重複する説明は省略することにする。
【0074】
図7は、本発明のさらに他の実施形態によるパワ変換システムを概略的に示すブロック図である。
【0075】
図7に示すように、本発明の第3の実施形態によるパワ変換システムは、パワトランジスタスイッチ20、トランス30、制御IC10及びフィードバック回路40を含む。例えば、パワ変換システムは共振型DC−DCコンパータが挙げられるが、これに限定するものではない。
【0076】
図7のパワトランジスタスイッチ20は、制御IC10の制御に基づいてオン/オフ駆動し、システムの入力電源をトランス30の1次側へ伝達する。パワトラジスタスイッチ10は、NMOSトランジスタが挙げられる。
【0077】
次に、図7に示すように、トランス30は、パワトランジスタスイッチ20の駆動によってシステムの入力電源を1次側電源として入力され、変換させて、2次側を通じて直流電源として出力する。
【0078】
図7の制御IC10は、パワトランジスタスイッチ20の駆動をPWM制御する。制御IC10は、前述の実施形態のうちのいずれか一つによる制御ICであってもよい。
【0079】
次に、図7のフィードバック回路40は、トランス30の2次側出力をフィードバックして制御IC10に供給する。
【0080】
図2及び図7に示すように、一実施形態によれば、制御IC10は、フィードバック回路40から2次側出力のフィードバックを受けてPWM制御信号を生成するPWM生成部150と、このPWM生成部150で生成された制御信号によってパワトランジスタスイッチ20を駆動する駆動部160とを含む。
【0081】
次に、添付図面を参照して、本発明の第4の実施形態による制御ICの自動回復方法について詳記する。この第4の実施形態に対しては、図1〜図6、図8a、図8b及び図9、前述の第1及び第2の実施形態を参照し、その他の重複する説明は省略することにする。
【0082】
図5は、本発明の一実施形態による制御ICの自動回復動作を概略的に示すグラフで、図8a及び図8bは各々、本発明の他の一実施形態による制御ICの自動回復方法を概略的に示す流れ図で、図9は、本発明のさらに他の実施形態による制御ICの自動回復方法を概略的に示す流れ図である。
【0083】
図8a、図8b及び図9を参照して、本発明の第3の実施形態による制御ICの自動回復方法について詳記する。まず、図8a及び図8bに示すように、一実施形態による制御ICの自動回復方法は、異常状態の検出及び保護モードの変更ステップ(S100)、システムの入力電源からの電力の供給及び遮断を繰返すステップ(S200)、自動回復信号生成ステップ(S300)及び動作モードへの変更ステップ(S400)を含む。
【0084】
図9に示すように、一実施形態によれば、制御ICの自動回復方法は、異常状態の検出ステップ(S1100)前に、システムの2次側捕助巻線から電力を供給するステップ(S1000)をさらに含んでもよい。
【0085】
前記制御ICは、パワコンパータのパワトランジスタスイッチを駆動するPWM制御チップであってもよい。
【0086】
まず、図8a及び図8bに示す異常状態の検出及び保護モード変更ステップ(S100)では、システムまたは制御ICの異常状態の検出に応じて保護モードに変更される。保護モードへの変更によって、制御ICの出力が中断されることによって、システムの2次側捕助巻線からIC電源への電力の供給を中断する。
【0087】
また、一実施形態によれば、異常状態の検出及び保護モード変更ステップ(S100)では、過電圧、過電流、過負荷、サーマルシャットダウン、ブラウンアウトのうちの少なくともいずれか一つを検出する。
【0088】
続いて、図8a及び図8bを参照して、システムの入力電源からの電力の供給及び電力遮断の繰返しステップ(S200)について詳記する。このステップ(S200)では、まず、保護モードの開始に応じて、IC電源が予め決められた低電圧まで落ちると、電力供給信号に応じてシステムの入力電源から電力を供給される(S210)。また、システムの入力電源からの電力の供給によって、IC電源が予め決められた高電圧に到達すると、電力供給遮断信号に応じて入力電源からの電力の供給を遮断する(S230)。このステップ(S200)では、このようなシステムの入力電源からの電力の供給及び遮断が繰返して行われる。
【0089】
図5に示すように、保護モードの開始に応じて捕助巻線からの電力の供給が中断された場合、IC電源が予め決められた低電圧、例えば図5のUVLO_OFF電圧まで落ちた場合、システムの入力電源からの電力を再供給されるような電力供給信号(例えば、図5ではUVLO signalのハイ信号)に応じて、IC電源はシステムの入力電源からの電力を再供給される(S210)。また、システムの入力電源からの電力の供給によって、IC電源が予め決められた高電圧、例えば図5のUVLO_ON電圧に到達する場合、システムの入力電源からの電力の供給を遮断するような電力供給遮断信号(例えば、図5でUVLO signalのロー信号)に応じて、システムの入力電源からIC電源への電力の供給は再び遮断または中断される(S230)。保護モードでは、図5のUVLO signalのハイ及びロー信号の繰返しによって、システムの入力電源からの電力再供給及び再遮断が繰り返される。システムの入力電源からの電力再供給及び再遮断の繰返し回数は、自動回復信号の生成のためにカウントされる(S310)。一実施形態によれば、その繰返し回数は設定によって決まる。
【0090】
次に、図8a及び図8bを参照して、自動回復信号生成ステップ(S300)について詳記する。この実施形態による自動回復信号生成ステップ(S300)では、システムの入力電源からの電力供給に関する電力供給信号と、システムの入力電源からの電力供給の遮断に関する電力供給遮断信号とが交互に繰り返されるクロックをカウントする(S310)。図5に示すように、IC電源であるIC VCCの予め決められた高電圧であるUVLO_ON電圧と予め決められた低電圧であるUVLO_OFF電圧との間で立上がり及び立下がりがカウントされる。クロックカウントは立上がりエッジまたは立下がりエッジをカウントする方法によって行われてもよい。例えば、図5に示すように、システムの入力電源からの電力を再供給されるような電力供給信号であるUVLO signalのハイクロックのみをカウントしてもよい(S310)。図8aには、電力供給遮断信号、例えばクロックの立下がりエッジをカウントする方式が示され、図8bには、電力供給信号、例えばクロックの立上がりエッジをカウントする方式が示されている。また、図9は、図8aによるカウント方式を示しているが、図8bの方式が適用されてもよい。
【0091】
また、ステップS300では、カウント数が予め決められた値に到達すると、自動回復信号を生成する(S330)。図5に示すように、システムの入力電源からの電力を再供給されるような電力供給信号であるUVLO signalのハイクロックが3番目に生成される時点にて、自動回復信号であるAuto Recoveyシグナルが生成される。
【0092】
図8a及び図8bに示すように、動作モードへの変更ステップS400では、前述の自動回復信号生成ステップS300で生成された自動回復信号に応じて、保護モードを動作モードに変更する。図5に示すように、UVLO signalのハイクロックが3番目に生成される時点にて、自動回復信号であるAuto Recoveyシグナルが生成される。それによって、保護シグナルがローに変わって、保護モードが終わって、動作モードに入る。
【0093】
また、一実施形態によれば、動作モードに変更されるステップS400では、IC電源が予め決められた高電圧に到達すると、システムの入力電源からの電力の供給を遮断し、システムの2次側捕助巻線からの電力の供給を再開する。例えば、制御ICの正常状態でシステムの入力電源ではないシステムのトランス(図7の符号30)の2次側捕助巻線から電力を供給されるために、図5に示すように、IC VCCの予め決められた高電圧であるUVLO_ON電圧に到達すると、システムの入力電源からの電力の供給を遮断し、システムの2次側捕助巻線からの電力の供給を再開する。
【0094】
次に、図9を参照して、本発明の一実施形態による制御ICの自動回復方法について詳記する。図9に示すように、一実施形態による制御ICの自動回復方法は、異常状態の検出ステップS1100前に、システムの2次側捕助巻線からの電力供給ステップS1000をさらに含む。すなわち、保護モードの開始前に、初期にシステムの入力電源から電力を供給されている途中、予め決められた高電圧に到達すると、該入力電源からの電力の供給を遮断し、システムの2次側捕助巻線から電力を供給される(S1000)。
【0095】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0096】
10 制御IC
20 パワトランジスタスイッチ
30 トランス
40 フィードバック回路
110、210 異常状態検出部
120、220 プロテクション部
130 IC電源部
140、240 自動再開部
150 PWM生成部
160 駆動部
221 ラッチ回路
223 インバータ
241 カウンタ
243 論理積ゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムまたは制御ICの異常状態を検出する異常状態検出部と、
前記異常状態の検出に応じて、保護モードに変更し、該保護モードにて自動回復信号を入力されて動作モードに変更するプロテクション部と、
正常状態で前記システムの2次側捕助巻線から電力を供給され、前記捕助巻線からの電力の供給が中断された前記保護モードにて、IC電源が予め決められた低電圧まで落ちると、電力供給信号に応じて前記システムの入力電源から電力を供給され、前記入力電源からの電力の供給後、前記IC電源が予め決められた高電圧に到達すると、電力供給遮断信号に応じて前記入力電源からの電力の供給を遮断し、前記入力電源からの電力の供給及び遮断を繰り返すIC電源部と、
前記保護モードの開始に応じて、前記IC電源部の前記電力供給信号及び前記電力供給遮断信号が交互に繰り返されるクロックをカウントし、該カウント数が予め決められた値に到達すると、前記プロテクション部に自動回復信号を供給する自動再開部と
を含む自動回復回路付き制御IC。
【請求項2】
前記異常状態検出部は、過電圧、過電流、過負荷、サーマルシャットダウン及びブラウンアウトのうちの少なくともいずれか一つを検出する請求項1に記載の自動回復回路付き制御IC。
【請求項3】
前記プロテクション部は、前記異常状態検出部の出力と前記自動回復信号とを入力にするラッチ回路を含む請求項1に記載の自動回復回路付き制御IC。
【請求項4】
前記IC電源部は、初期に前記システムの入力電源から電力を供給されている途中、予め決められた高電圧に到達すると、前記入力電源からの電力の供給を遮断し、前記システムの2次側捕助巻線から電力を供給される請求項1に記載の自動回復回路付き制御IC。
【請求項5】
前記IC電源部は、前記保護モードから前記動作モードに変更された場合、前記IC電源が前記予め決められた高電圧に到達すると、前記入力電源からの電力の供給を遮断し、前記システムの2次側捕助巻線からの電力の供給を再開する請求項1に記載の自動回復回路付き制御IC。
【請求項6】
前記自動再開部は、
前記電力供給信号と前記電力供給遮断信号とのクロックをカウントするカウンタと、
前記カウンタの出力信号と前記クロックの信号とに対して論理積演算を行う論理積ゲートと
を含む請求項1に記載の自動回復回路付き制御IC。
【請求項7】
前記制御ICは、パワコンバータのパワトランジスタスイッチを駆動するPWM制御チップである請求項1〜6のうちのいずれか一つに記載の自動回復回路付き制御IC。
【請求項8】
前記制御ICは、
前記システムの2次側出力のフィードバックを受けてPWM制御信号を生成するPWM生成部と、
前記PWM生成部で生成された制御信号によって前記パワトランジスタスイッチを駆動する駆動部と
を含む請求項7に記載の自動回復回路付き制御IC。
【請求項9】
前記PWM生成部は、
前記システムの2次側出力のフィードバックを受けたフィードバック信号、予め決められた状態によって決まった内部電圧信号及び前記システムのインダクタ電流の検出信号を用いて、PWM制御信号のデューティを決めるPWM比較器と、
前記PWM比較器の出力と前記プロテクション部の出力とを入力され、前記PWM制御信号を出力する排他的論理和ゲートと
を含む請求項8に記載の自動回復回路付き制御IC。
【請求項10】
システムまたは制御ICの異常状態の発生による保護モードから動作モードに自動に回復する自動回復回路において、
前記異常状態を検出する異常状態検出部と、
前記異常状態の検出に応じて、保護モードに変更し、該保護モードにて自動回復信号を入力されて動作モードに変更するプロテクション部と、
前記システムの2次側捕助巻線からIC電源への電力の供給が中断された前記保護モードにて、前記IC電源が予め決められた低電圧まで落ちると、前記システムの入力電源から電力を供給されるような電力供給信号と、前記入力電源からの電力の供給後前記IC電源が予め決められた高電圧に到達すると、前記入力電源からの電力の供給を遮断するような電力供給遮断信号とが交互に繰り返されるクロックをカウントし、該カウント数が予め決められた値に到達すると、前記プロテクション部に自動回復信号を供給する自動再開部と
を含む制御ICの自動回復回路。
【請求項11】
前記異常状態検出部は、過電圧、過電流、過負荷、サーマルシャットダウン及びブラウンアウトのうちの少なくともいずれか一つを検出する請求項10に記載の制御ICの自動回復回路。
【請求項12】
前記プロテクション部は、前記異常状態検出部の出力と前記自動回復信号とを入力にするラッチ回路を含む請求項10に記載の制御ICの自動回復回路。
【請求項13】
前記自動再開部は、
前記電力供給信号と前記電力供給遮断信号のクロックをカウントするカウンタと、
前記カウンタの出力信号と前記クロック信号とに対して論理積演算を行う論理積ゲートと
を含む請求項10に記載の制御ICの自動回復回路。
【請求項14】
オン/オフ駆動してシステムの入力電源を伝達するパワトランジスタスイッチと、
前記パワトランジスタスイッチの駆動によって、前記入力電源を1次側電源として入力され、変換させて、2次側を通じて直流電源として出力するトランスと、
前記パワトランジスタスイッチの駆動をPWM制御する請求項1〜6のうちのいずれか一つによる制御ICと、
前記トランスの2次側出力をフィードバックして前記制御ICに供給するフィードバック回路と
を含むパワ変換システム。
【請求項15】
前記制御ICは、
前記フィードバック回路から前記2次側出力のフィードバックを受けてPWM制御信号を生成するPWM生成部と、
前記PWM生成部で生成された制御信号によって、前記パワトランジスタスイッチを駆動する駆動部と
を含む請求項14に記載のパワ変換システム。
【請求項16】
システムまたは制御ICの異常状態の検出に応じて保護モードに変更され、前記システムの2次側捕助巻線からIC電源への電力の供給を中断するステップと、
前記保護モードの開始に応じて、前記IC電源が予め決められた低電圧まで落ちると、電力供給信号に応じて前記システムの入力電源から電力を供給され、前記入力電源からの電力の供給後前記IC電源が予め決められた高電圧に到達すると、電力供給遮断信号に応じて前記入力電源からの電力の供給を遮断し、前記入力電源からの電力の供給及び遮断を繰り返すステップと、
前記電力供給信号及び前記電力供給遮断信号が交互に繰り返されるクロックをカウントし、該カウント数が予め決められた値に到達すると、自動回復信号を生成するステップと、
前記自動回復信号に応じて、前記保護モードから動作モードに変更するステップと
を含む制御ICの自動回復方法。
【請求項17】
前記異常状態の検出は、過電圧、過電流、過負荷、サーマルシャットダウン及びブラウンアウトのうちの少なくともいずれか一つを検出する請求項16に記載の制御ICの自動回復方法。
【請求項18】
前記保護モードの開始前に、初期に前記システムの入力電源から電力を供給されている途中、予め決められた高電圧に到達すると、前記入力電源からの電力の供給を遮断し、前記システムの2次側捕助巻線から電力を供給されるステップを、さらに含む請求項16に記載の制御ICの自動回復方法。
【請求項19】
前記動作モードに変更されるステップでは、前記IC電源が前記予め決められた高電圧に到達すると、前記入力電源からの電力の供給を遮断し、前記システムの2次側捕助巻線からの電力の供給を再開する請求項16に記載の制御ICの自動回復方法。
【請求項20】
前記制御ICは、パワコンパータのパワトランジスタスイッチを駆動するPWM制御チップである請求項16〜19のうちのいずれか一つに記載の制御ICの自動回復方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−106350(P2013−106350A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−246057(P2012−246057)
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【出願人】(512255804)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (21)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electro−Mechanics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】150, Maeyeong−ro, Yeongtong−gu, Suwon−si, Gyeonggi−do, Republic of Korea
【Fターム(参考)】