自動給餌装置
【課題】走行中に連続的に飼料を排出可能な自動給餌装置を提供すること。
【解決手段】本発明の自動給餌装置Sは、粗飼料を含んだ飼料Fが投入されたタンク1を、自動走行手段41により所定軌道を走行させつつ、タンク1内の攪拌スクリュー15により攪拌された飼料Fを、タンク1下部に配設される排出部28から排出させることにより、家畜等に自動的に給餌可能な構成である。排出部28が、タンク1の底壁12側に配設される開口12aを開閉可能に構成されるシャッター29と、開口12aの下方に配設されて開口12aから排出された飼料Fを移動可能に構成されるベルトコンベヤ34と、から構成される。ベルトコンベヤ34が、可逆回転可能とされて、シャッター29の開き時に開口12aから落下された飼料Fを、タンク1の走行方向と直交する両方向側に配設される排出口36から排出可能に、構成されている。
【解決手段】本発明の自動給餌装置Sは、粗飼料を含んだ飼料Fが投入されたタンク1を、自動走行手段41により所定軌道を走行させつつ、タンク1内の攪拌スクリュー15により攪拌された飼料Fを、タンク1下部に配設される排出部28から排出させることにより、家畜等に自動的に給餌可能な構成である。排出部28が、タンク1の底壁12側に配設される開口12aを開閉可能に構成されるシャッター29と、開口12aの下方に配設されて開口12aから排出された飼料Fを移動可能に構成されるベルトコンベヤ34と、から構成される。ベルトコンベヤ34が、可逆回転可能とされて、シャッター29の開き時に開口12aから落下された飼料Fを、タンク1の走行方向と直交する両方向側に配設される排出口36から排出可能に、構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動走行手段を備え、かつ、牛等の家畜に自動的に給餌可能な自動給餌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動給餌装置としては、飼料を投入させたタンクを、自動走行手段により所定軌道を走行させつつ、タンク内の攪拌スクリューにより攪拌された飼料を、タンク下部に配設される排出部から排出させることにより、牛等の家畜に自動的に給餌可能な構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−92942公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の自動給餌装置では、タンクに配設される所定の開口から落下する飼料を、一旦飼料受け皿体で受け、飼料受け皿体内に飼料が一定量溜まった後に、飼料受け皿体を傾けて、飼料を排出する構成であった。そのため、走行中に連続的に飼料を排出し難く、排出される飼料の量に、ばらつきが生じることとなっていた。また、従来の自動給餌装置では、飼料をタンクの走行方向と交差する方向のどちらか一方にのみ(具体的には走行方向を前方とした左側のみ)排出可能な構成であることから、常に、自動給餌装置を、走行方向のどちらか一方側に牛がいる状態で運転可能とするように、予め設備全体を設計する必要があり、設備設計の自由度が高くなかった。
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、走行中に連続的に飼料を排出可能な自動給餌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る自動給餌装置は、干草からなる粗飼料を含んだ飼料が投入されたタンクを、自動走行手段により所定軌道を走行させつつ、
タンク内に配設される攪拌スクリューにより攪拌された飼料を、タンク下部に配設される排出部から排出させることにより、家畜等に自動的に給餌可能な自動給餌装置であって、
排出部が、
タンクの底壁側に配設される開口を開閉可能に構成されるシャッターと、
開口の下方に配設されて、開口から排出された飼料を移動可能に構成されるベルトコンベヤと、
から構成され、
ベルトコンベヤが、可逆回転可能とされて、シャッターの開き時に開口から落下された飼料を、タンクの走行方向と直交する両方向側に配設される排出口から排出可能に、構成されていることを特徴とする。
【0006】
本発明の自動給餌装置では、タンクの底壁側に配設されるシャッターの開き時に形成される開口から落下される飼料を、開口の下方に配設されて可逆回転可能とされるベルトコンベヤにより移動させて、タンクの走行方向と直交する両方向側に配設される排出口から排出可能とされる構成である。すなわち、本発明の自動給餌装置では、一定量貯留させた後に排出する場合と相違して、タンクの開口から連続的に落下してくる飼料を、ベルトコンベヤにより移動させ、排出口から連続的に排出させることができる。そのため、排出口から排出される飼料の量を、略均一化することができ、タンクを一定速度で走行させれば、給餌する牛等の家畜の前に、一定の量の帯状に、飼料を投下できることとなる。
【0007】
また、本発明の自動給餌装置では、ベルトコンベヤを使用して飼料を排出させていることから、シャッター等を使用して飼料を排出させる場合と比較して、牛等の家畜に対して安全であり、仮に、牛等の家畜が、自動給餌装置の運転時に、排出口に頭部を侵入させても、ベルトコンベヤにより舌等を傷付けられる虞れも生じない。
【0008】
したがって、本発明の自動給餌装置では、走行中に連続的に飼料を排出することができて、かつ、牛等の家畜に対して安全に、給餌可能である。
【0009】
また、本発明の自動給餌装置では、飼料を、タンクの走行方向と直交する両方向側に配設される排出口から排出可能な構成であることから、牛等の家畜の飼育場所を、タンクの走行方向と直交する両方向側に設けることができて、設備設計の自由度も高い。
【0010】
さらに、上記構成の自動給餌装置において、攪拌スクリューを、回転軸の軸方向を水平方向に略沿わせるようにして配設させ、
タンクにおける攪拌スクリューの上方となる位置に、攪拌スクリューの軸方向に沿って配設される構成とされて、攪拌スクリューの回転方向側となる側壁の内側において、内側に向かって突出するように配設されるとともに、タンク内に投入された飼料を載置して、一旦、貯留可能とする突出壁部を、攪拌スクリューの軸方向に沿った略全域にわたって配設させ、
突出壁部を、上端側を前記側壁側に位置させ、下端側をタンク内側に位置させるように、傾斜した傾斜面を上面側に備えて、傾斜面上に、飼料を載置可能に、構成し、
タンク底壁側に配設される開口を、攪拌スクリューにおける軸方向の中央付近となる位置であって、突出壁部の配設された側壁と対向して配設される側壁側となる位置に、配設させ、
攪拌スクリューを、飼料を攪拌しつつ軸方向に沿って開口側へ送給可能な複数の攪拌片と、開口付近に配置されて開口側に飼料を送給する複数の送給片と、を備えた構成とすることが好ましい。
【0011】
上記構成の自動給餌装置では、タンク内に飼料を多量に投入した際に、飼料が、攪拌スクリューの上方であって攪拌スクリューの回転方向側の側壁から内側に向かって突設される突出壁部上に、載置されて一旦貯留されることから、多量の飼料が、一度にタンク内における攪拌スクリュー側の部位に投入されることを防止できて、攪拌スクリューにより、飼料を円滑に攪拌することができ、攪拌された飼料を、排出部から排出させて、円滑に給餌することができる。また、突出壁部は、上端側を側壁側に位置させ、下端側をタンク内側に位置させるように、傾斜した傾斜面を備えており、この傾斜面上に飼料を載置させて一旦貯留させる構成であることから、飼料がある程度排出部から排出されて、攪拌スクリュー側の飼料が減少した際に、貯留された飼料が、傾斜面を滑らせるようにして攪拌スクリュー側となる下部側に移動しやすく、また、突出壁部は、攪拌スクリューの回転方向側の側壁に配設されることから、飼料を、回転する攪拌スクリューの攪拌片により、掻き込みやすく、攪拌スクリュー側となる下部側の部位に、貯留された飼料を円滑に投入させることができる。
【0012】
また、上記構成の自動給餌装置では、飼料を落下させる開口を、突出壁部の配設された側壁と対向して配設される側壁側となる位置に、配設させていることから、攪拌前の飼料が、直接開口から落下することを抑えることができる。また、この開口は、攪拌スクリューにおける軸方向の中央付近となる位置に配設されており、攪拌スクリューが、複数の攪拌片により軸方向の中央側に位置する開口側へ送給された飼料を、複数の送給片により開口側へ送給する構成であることから、シャッターの開き時に、開口から落下する飼料の量を、攪拌スクリューの回転速度に応じて、略一定とすることができて、排出部から排出される飼料の量を、一層、均一化することができる。また、シャッターが閉じている状態では、攪拌片により開口側に送給された飼料は、回転する送給片により上方に押し上げられ、再度攪拌片側へ送られることとなることから、粗飼料を攪拌でき、さらに、攪拌時に、飼料がブリッジ状に固まることも防止することができる。
【0013】
さらに、上記構成の自動給餌装置において、タンクにおける底壁部側の部位を、攪拌スクリューにおける攪拌片と送給片との回転半径より僅かに大きな内径寸法を備えた略半割円筒形状として構成し、
開口が、攪拌スクリューの回転方向の先端側に位置する縁部を、攪拌スクリューの回転方向の元部側に位置する縁部よりも上方に位置させるように、傾斜して配設された構成とすることが好ましい。
【0014】
上記構成の自動給餌装置では、攪拌スクリューの送給片により回転方向の元部側から先端側に向かって押し出される飼料が、開口を一旦通過するような態様となっても、タンクにおける底壁部側の部位が、軸方向を攪拌スクリューの軸方向に略沿わせるようにして、略円弧状に湾曲した構成とされていることから、この通過した飼料を、底壁部の湾曲形状に沿って開口側に向かって自由落下させ、開口から排出させることができる。そのため、排出部から排出される飼料の量を、安定させることができて、より一層、均一化することができる。また、上記構成の自動給餌装置では、タンクにおける底壁部側の部位が、攪拌スクリューにおける攪拌片と送給片との回転半径より僅かに大きな内径寸法を備えた略半割円筒形状として構成されていることから、攪拌片により、タンク内に投入された飼料全体を均等に攪拌することができ、かつ、給餌作業終了後に、タンク内部に、腐敗を招くように飼料が残存するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の自動給餌装置(以下「給餌装置」と省略する)Sは、図1〜5に示すように、タンク1と自動走行手段41とを備えており、タンク1内に投入された粗飼料を含んだ飼料Fを、タンク1内に配設される攪拌スクリュー15により攪拌し、タンク1下部に配設される排出部28から排出させることにより、牛等の家畜に自動的に給餌する構成である。本明細書での前後・上下・左右の方向は、給餌装置Sの走行方向Dの前側を前方向とする基準方向として、給餌装置Sの前後・上下・左右の方向と一致するように、対応させている。
【0016】
なお、粗飼料は、干草(わらを含む)を50cm3程度の立方体形状に固めた状態で流通しており、給餌する際に、この固まりをほぐして牛等の家畜に与えている。そして、実施形態の場合、この粗飼料と、とうもろこし粒や穀類等からなる粒状の濃厚飼料と、をタンク1内で攪拌して混合した状態で、牛等の家畜に与えることとなる。
【0017】
タンク1は、内部空間として、上方側の貯留部1aと、貯留部1aの下方に位置する攪拌部1bと、を備える構成とされ、貯留部1aの領域を構成する上下両側を開口させた略四角筒状の周壁部2と、攪拌部1bの領域を構成するとともに軸方向を略前後方向に沿わせた形状とされて前後両端側を閉塞させた略3/4円状の円筒部11と、から構成されている。そして、円筒部11における下端側の部位が、底壁部12とされている。
【0018】
周壁部2は、走行方向D側となる前後両側に配設される前・後壁部3・5と、走行方向Dと交差する左右両側に配設される左・右壁部6・7と、から、構成されている。円筒部11は、タンク1内に投入された飼料Fの流れを良好とするように、中心を攪拌スクリュー15の後述する回転軸16と略一致させた略3/4円弧状に、湾曲した構成とされている。そして、円筒部11の前後両端側は、周壁部2の前・後壁部3・5が下方に延設されたような形態とされて、この前・後壁部3・5により、閉塞されている。前壁部3には、図4及び図5の二点鎖線に示すごとく、攪拌スクリュー15を挿通可能とする略円形の開口3aが、配設され、別体からなる略円板状の蓋体4(図3・4参照)により、閉塞されている構成である。この開口3aは、メンテナンス時等において攪拌スクリュー15を着脱させる際に、使用するものであり、蓋体4は、図示しないボルトやナット等の固着手段を利用して、開口3a周縁に固定されている。また、タンク1は、左右両側の外周側を、上端側から、下端側にかけて、外側パネル部13により覆われた構成とされている。外側パネル部13は、それぞれ、上下で2分割されており、実施形態の場合、左側の上部側に配設される部位13aが、周壁部2における左壁部6を構成することとなる(図5参照)。
【0019】
右壁部7における攪拌スクリュー15の上方となる位置には、タンク1内側に向かって突出するように配設される突出壁部8が、攪拌スクリュー15の軸方向側となる前後方向に沿うようにして、前後方向の略全域にわたって配設されている。この突出壁部8は、貯留部1a内に投入された飼料を載置して、一旦、貯留可能に構成されている。具体的には、突出壁部8は、上端9a側を右壁部7側に位置させ、下端9b側をタンク1内側に位置させるように、傾斜した傾斜面9を上面側に備えて、この傾斜面9上に、飼料Fを載置可能な構成とされている。実施形態の場合、右壁部7は、突出壁部8も含めて円筒部11と一体的に、構成されている。そして、右壁部7は、突出壁部8(傾斜面9)の下端9bより下方に位置する部位7aを、左右方向に沿った断面形状において、円筒部11の湾曲形状に略沿って湾曲させた構成とされている(図5参照)。
【0020】
円筒部11の下端側に配設される底壁部12において、左壁部6側となる左右方向の中央より左側となる部位には、略長方形状の開口12aが、形成されている。実施形態の場合、開口12aは、前後方向の略中央となる位置に開口されて、後述する排出部28のシャッター29が開いた際に、タンク1(攪拌部1b)内の飼料Fを排出させる構成である。実施形態の場合、底壁部12が円弧状に湾曲していることから、左右方向の中央より左側に配設される開口12aは、攪拌スクリュー15の回転方向の先端側となる左縁12aaを、攪拌スクリュー15の回転方向の元部側となる右縁12abより上方に位置させるように、水平方向に対して傾斜して配設されている(図6参照)。
【0021】
攪拌スクリュー15は、回転軸16の軸方向を、走行方向Dとなる前後方向に略沿わせて配設されるもので、回転軸16と、回転軸16の周囲に複数配設される攪拌片17及び送給片18と、から構成されている。また、実施形態の場合、攪拌スクリュー15は、駆動時に、図5に二点鎖線の矢印で示すごとく、右回転(前方側から見て反時計回り方向に回転)するように、構成されている。さらに、攪拌スクリュー15は、前端側を、周壁部2における前壁部3側に配設される軸受(図符号省略)により回動可能に軸支されており、後端側を、周壁部2の後壁部5を貫通して、ギヤボックス21内に配設される駆動ギヤ22に連結されている。ギヤボックス21内には、駆動モータ23と連結される図示しない減速器に連結された減速ギヤ24が配設されており、駆動ギヤ22は、この減速ギヤ24に噛合されている。また、ギヤボックス21には、減速ギヤ24と連結されており、外部の強制駆動手段と連結させた際に、駆動ギヤ24を駆動可能とされる連結部材25が、ギヤボックス21から後方に突出するように、配設されている(図1・2・4参照)。
【0022】
攪拌片17は、攪拌部1b内に投入された飼料Fを、回転軸16の軸方向となる前後方向に沿って、開口12a側に送給可能とするように、開口12aの前後両側となる位置に配設されている。実施形態の場合、攪拌片17は、開口12aの前後両側において、それぞれ、図4に示すごとく前後方向に沿って略等間隔にずれた位置であって、図5に示すように、前後方向側から見て略120゜にずれた位置となる3箇所ずつに、配設されている。各攪拌片17は、回転軸16と直交するように回転軸16から突設される支持軸17aと、支持軸17aの先端側において先端を開口12a側となる中央側に向けるように屈曲して配設される板状の曲り羽板部17bと、から構成されている。曲り羽板部17bは、支持軸17aの先端から、支持軸17aと略直交して、回転軸16の回転方向と逆側となる左方側に突出するように配設されるとともに、回転軸16の軸方向に対して螺旋状に湾曲するように、構成されている(図2・4・5参照)。すなわち、実施形態の場合、各攪拌片17は、攪拌力を大きくするように、回転方向の先端側に支持軸17aを位置させ、曲り羽板部17bを、支持軸17aから回転方向の逆方向側に突出するように、配設される構成である。
【0023】
送給片18は、開口12a近傍となる前後方向の中央側に配設されている。送給片18は、回転軸16と直交するように、回転軸16から突設されている。実施形態の場合、送給片18は、図5の二点鎖線に示すように、前後方向側から見て略180゜となる2箇所に配設されて、それぞれ、回転軸16と直交するように回転軸16から突設される支持軸18aと、支持軸18aの先端側に配設されて前後方向に沿って配設される板状の押出羽板部18bと、を備える構成とされている。実施形態の場合、攪拌スクリュー15の回転時に、攪拌片17により中央の開口12a側に送給された飼料Fは、送給片18の押出羽板部18bにより、シャッター29の開いた開口12aから落下するように押し出されることとなる。
【0024】
実施形態の場合、各攪拌片17及び送給片18は、回転半径を略同一とするように、構成されている。そして、攪拌スクリュー15は、各攪拌片17及び送給片18における各支持軸17a・18aの長さ寸法を、各羽板部17b・押出羽板部18bと、円筒部11の内周面と、の間に、殆ど隙間を生じさせない程度に、設定されている。具体的には、実施形態の場合、各攪拌片17及び送給片18と、内径寸法Dを1000〜1500mm程度に設定される円筒部11の内周面と、の間の隙間L(図5参照)は、10mm以下となる5〜10mm程度に、設定されている。すなわち、実施形態の場合、底壁部12の部位を構成する円筒部11は、攪拌スクリュー15における各攪拌片17及び送給片18の回転半径より僅かに大きな内径寸法Dを備えた構成とされている。円筒部11及び攪拌スクリュー15をこのような構成とすれば、攪拌片17により、攪拌部1a内に投入された飼料F全体を均等に攪拌することができ、かつ、給餌作業終了後に、タンク1内部に、腐敗を招くように飼料Fが残存するのを防止することができる。なお、図面では、タンク1を構成する板金の板厚を厚く表していることから、各攪拌片17及び送給片18と円筒部1の内周面との間に、大きな隙間が生じているように表されているが、実際の給餌装置Sでは、各攪拌片17及び送給片18と円筒部1の内周面との間には、隙間は殆ど生じない。
【0025】
排出部28は、タンク1の下部側に配設されており、図6・7に示すごとく、底壁部12に配設される開口12aを開閉可能に構成されるシャッター29と、開口12aの下方に配設されるベルトコンベヤ34と、から、構成されている。
【0026】
シャッター29は、図6〜9に示すごとく、略長方形板状のシャッター本体30と、シャッター本体30を駆動させる駆動機構31と、から構成されている。シャッター本体30は、前後方向にスライド可能に構成されるもので、左右両縁側を、底壁部12の下方において開口12aの下方から後方となる位置にかけて、前後方向に沿って配設されるガイド部12b・12bにより、摺動可能に、左右両縁側を支持されている。実施形態の場合、ガイド部12bは、開口12a周縁から下方に延びて上下両側を開口させた略四角筒状の筒状部12cにより、底壁部12と連結されている。シャッター本体30における前後方向の中央よりも後方側の部位には、略長方形状に開口した貫通穴30aが、左右方向に沿った2箇所に、形成されている。貫通穴30aの周縁には、後述するリミットスイッチ32のレバー32bに接触可能に配設される突起部30bが、配設されている。実施形態の場合、突起部30bは、左側に配設される貫通穴30aの左縁側における前端側と、右側に配設される貫通穴30aの右縁側における後端側と、の2箇所において、下方に突出するように、配設されている。
【0027】
シャッター本体30を駆動させる駆動機構31は、実施形態の場合、シャッター本体30側に配設されるラック31aと、タンク1側に配設されるピニオン31bと、後述する制御ボックス38と電気的に接続されるとともにピニオン31bを駆動させる図示しない駆動モータと、シャッター本体30の開閉位置を制御するリミットスイッチ32と、から構成されている。リミットスイッチ32は、実施形態の場合、左側に配設されるガイド部12bの開口12a近傍となる位置と、右側に配設されるガイド部12bの後端側と、の2箇所に配設されるもので、それぞれ、ガイド部12bに固定されるスイッチ本体32aと、スイッチ本体32aから上方に突設されてシャッター本体30の突起部30bと接触可能に配設されるレバー32bと、を備える構成とされている。なお、レバー32bは、スイッチ本体32aに対して回動可能に、構成されている。このリミットスイッチ32は、制御ボックス38と電気的に接続されており、レバー32bとシャッター本体30の突起部30bとが接触した際に、制御ボックス38に信号を送り、駆動モータが制御ボックス38からの停止信号を受けて作動を停止させ、シャッター本体30が移動を停止されるように、構成されている。
【0028】
具体的には、実施形態の場合、開口12a近傍に配設されるリミットスイッチ32Aが、シャッター本体30の閉じ位置を制御し、後方側に配設されるリミットスイッチ32Bが、シャッター本体30の開き位置を制御することとなる。すなわち、シャッター本体30が閉じた状態において、制御ボックス38から作動信号が入力されると、ピニオン31bが駆動モータにより駆動されて、シャッター本体30が、後方にスライド移動し、シャッター本体30の後端側に配設される突起部30bbが、後方側に配設されるリミットスイッチ32Bのレバー32bと接触すると、駆動モータが、制御ボックス38からの停止信号を受けて作動を停止し、図7のBに示すように、シャッター本体30が開き状態で、移動を完了させることとなる。そして、図6のB・7のBに示すように、シャッター本体30が開いて形成された開口12aから、飼料Fが落下することとなる。そして、逆に、シャッター本体30が開いた状態において、制御ボックス38から作動信号が入力されると、ピニオン31bが駆動モータにより駆動されて、シャッター本体30が、前方にスライド移動し、シャッター本体30の前端側に配設される突起部30baが、前方側に配設されるリミットスイッチ32Aのレバー32bと接触すると、駆動モータが、制御ボックス38からの停止信号を受けて作動を停止し、図7のAに示すように、シャッター本体30が閉じ状態で、移動を完了させることとなる。
【0029】
ベルトコンベヤ34は、開口12aの下方となるタンク1の前後方向の略中央となる下部側において、タンク1の左右方向に沿った略全域にわたって配設されるもので、図6に示すごとく、左右両端側に前後方向に沿って配設される回動軸部34aと、回動軸部34aに連結されるベルト部34bと、を備えている。実施形態の場合、ベルトコンベヤ34は、開口12aから落下した飼料Fが、直接給餌場所に落下するのを防止するために、左右方向の幅寸法W1を、タンク1における左右方向の幅寸法W0より若干大きくするように、左右方向に幅広に、形成されている。そして、ベルトコンベヤ34は、開口12aの前後両側において左右方向に沿って下方に突出するように配設されるブラケット35により、回動軸部34aの前後両端側を軸支されており、ベルトコンベヤ34の左右両端側において、タンク底壁部12とブラケット35とベルトコンベヤ34で囲まれる略長方形の開口部分が、飼料Fを排出する排出口36を構成することとなる。回動軸部34aは可逆回転可能に構成されており、ベルト部34bは、開口12aから落下して上方に載置された飼料Fを、左右方向に移動可能とされて、選択した左右両側の排出口36L・36Rの一方側から排出可能な構成とされている。具体的には、回動軸部34aを右回転させた際に、右側の排出口36Rから飼料Fを排出可能とし、回動軸部34aを左回転させた際に、左側の排出口36Lから飼料Fを排出可能な構成とされている。
【0030】
また、各ブラケット35における下端側の部位には、上端側を、内側にかけて下方に傾斜させるような傾斜面として、開口12aから落下する飼料Fを、ベルト部34bの前後方向の中央側に落下させるようにガイド可能とするガイド突起35aが、左右方向に沿った略全域にわたって内側に向かって突出するように、形成されている。さらに、各ブラケット35は、上端近傍(開口12a近傍)となる位置において、ガイド部12bを貫通させ、シャッター本体30を挿通可能に、構成されている(図7参照)。
【0031】
タンク1の前側には、給餌装置Sの走行スピードや、飼料Fの積載量(給餌量)、ベルトコンベヤ34の駆動方向(回動軸部34aの回転方向)、シャッター29の開閉等を制御する制御ボックス38が、配設されている。また、タンク1の下部側において、排出部28の前方となる位置には、バッテリーボックス39が、配設されている。
【0032】
実施形態では、給餌装置Sを使用する給餌設備FAの上方にモノレールMが配置される構成であり、給餌装置Sは、自動走行手段として、タンク1の上方に配置される走行装置41を備えて、この走行装置41を、図1に示すように、モノレールMに取り付けることにより、自動走行させる構成である。なお、実施形態の場合、モノレールMは、給餌設備FAにおいて、図10に示すように、充電場所P1から飼料Fの積み込み場所P2を経て、牛舎P3・P4・P5にかけて、配設されている。
【0033】
タンク1における前・後壁部3・5の上端側における左右方向の中央付近には、図1・3・5に示すように、それぞれ、吊り下げ部材47が、配設されている。そして、各吊り下げ部材47の上端側に、走行装置41が、取り付けられている。走行装置41は、前壁部3側の吊り下げ部材47Aに配置される駆動部42と、後壁部5側の吊り下げ部材47Bに配置されるガイド部43と、から構成されている。駆動部42は、図3・5に示すように、断面略I字形状のモノレールMを挟むように配置される2個のカバー部44・44と、各カバー部44の内部側に配置されて、モノレールMの凹部に、左右両側から、それぞれ、2個ずつ嵌合される4個の車輪45と、カバー部44に連結されて各車輪45を駆動させるための走行モータ46と、を備えている。ガイド部43は、図1・3・5に示すように、カバー部44・44と4個の車輪45とを備えている。走行装置41は、駆動部42及びガイド部43を、それぞれ、吊り下げ部材47A・47Bの上端に配設される取付リング48にボルト止めすることにより、吊り下げ部材47A・47Bに取り付けられる構成である。また、各吊り下げ部材47には、タンク1に吊り下げ部材47を固定するための固定孔47aが、上下方向に沿って複数形成されており、給餌装置Sの高さ位置を調整可能に構成されている。実施形態の場合、吊り下げ部材47A・47B間は、連結棒49により連結されている。この連結棒49は、ガイド部43を駆動部42に円滑に追従させて、給餌装置Sの走行状態をスムーズに保つために、配設されている。また、駆動部42及びガイド部43には、それぞれ、図示しないロードセルが配設されている。このロードセルは、タンク1の重量を計測するためのもので、内部に投入された飼料F(後述する粗飼料Fa及び濃厚飼料Fb)の量を自動的に計測可能に構成されている。そして、実施形態の給餌装置Sでは、このロードセルにより、所定重量の飼料Fが投入されたことを確認して、走行可能である。
【0034】
実施形態の給餌装置Sは、図10に示すような構成の給餌設備FAに適用可能である。この給餌設備FAでは、飼料積み込み場所P2で投入された粗飼料Faと濃厚飼料Fbとをタンク1内で混合させて調製した飼料Fを、複数の牛舎P3・P4・P5に給餌する構成であり、各牛舎P3・P4・P5には、それぞれ、粗飼料Faと濃厚飼料Fbとの配合比率が異なった飼料Fが給餌されるように、設定されている。なお、給餌装置Sは、制御ボックス38による制御に基づいて、自動運転を行なう。
【0035】
まず、シャッター本体30が閉じた状態の給餌装置Sを、充電装置Bが配設されている充電場所P1に停止させて、充電させる。次いで、所定時間になったら、まず、給餌装置Sを、飼料積込場所P2に移動させ、ギヤボックス21から突出するように配設される連結部材25を、外部に配設される強制駆動手段KMに連結させて、大きなトルクで攪拌スクリュー15を駆動させつつ、所定量の粗飼料Faの固まりをミキサーKでほぐした状態で、タンク1内に、コンベアC1を利用して投入する。その後、所定量の濃厚飼料Fbを、タンク1内に、コンベアC2を利用して投入し、再度、連結部材25を、外部に配設される強制駆動手段KMに連結させて攪拌スクリュー15を駆動させ、粗飼料Faと濃厚飼料Fbとを混合させて飼料Fを調製する。そして、攪拌スクリュー15の攪拌を停止させた状態で、給餌装置Sを牛舎P3近傍に移動させる。その後、牛舎P3(給餌場所)近傍で、一旦給餌装置Sを停止させ、シャッター本体30を開き、攪拌スクリュー15を駆動させて飼料Fの攪拌を開始し、4〜5秒後に給餌装置Sの走行を再開し、排出口36Rから飼料Fを排出させつつ、給餌装置Sを走行させて、図9に示すように牛への給餌を行なう。そして、給餌作業が終了し、タンク1内が空となったら、攪拌スクリュー15の作動を停止させ、シャッター本体30を閉じて、給餌装置Sを、再度飼料積込場所P2に移動させる。その後、同様にして、所定量の粗飼料Faと濃厚飼料Fbとをタンク1内に投入して飼料Fを調製し、給餌装置Sを牛舎P4に移動させ、排出口36Rから飼料Fを排出させて牛への給餌を行なう。その後、同様にして、給餌装置Sを飼料積込場所P2に移動させ、所定量の粗飼料Faと濃厚飼料Fbとをタンク1内に投入して飼料Fを調製し、給餌装置Sを牛舎P5に移動させ、排出口36Lから飼料Fを排出させて牛への給餌を行なう。そして、全ての給餌作業が終了したならば、給餌装置Sを充電場所P1に戻して充電させる。実施形態の給餌装置Sでは、このようなサイクルを繰り返して、牛への定期的な給餌作業を行なうことができる。
【0036】
そして、実施形態の給餌装置Sでは、タンク1の底壁部12側に配設されるシャッター29の開き時に形成される開口12aから落下される飼料Fを、開口12aの下方に配設されて可逆回転可能とされるベルトコンベヤ34により移動させて、タンク1の走行方向Dと直交する両方向側に配設される排出口36L・36Rから排出可能とされる構成である。すなわち、実施形態の給餌装置Sでは、一定量貯留させた後に排出する場合と相違して、タンク1の開口12aから連続的に落下してくる飼料Fを、ベルトコンベヤ34により移動させ、排出口36L・36Rから連続的に排出させることができる。そのため、排出口36L・36Rから排出される飼料Fの量を、略均一化することができ、タンク1を一定速度で走行させれば、給餌する牛等の家畜の前に一定の量の帯状に、飼料を投下できることとなる。
【0037】
また、実施形態の給餌装置Sでは、ベルトコンベヤ34を使用して飼料Fを排出させていることから、シャッター等を使用して飼料を排出させる場合と比較して、牛等の家畜に対して安全であり、仮に、牛等の家畜が、給餌装置Sの運転時に、排出口36L・36Rに頭部を侵入させても、ベルトコンベヤ34により舌等を傷付けられる虞れも生じない。
【0038】
したがって、実施形態の給餌装置Sでは、走行中に連続的に飼料Fを排出することができて、かつ、牛等の家畜に対して安全に、給餌可能である。
【0039】
また、実施形態の給餌装置Sでは、飼料Fを、タンク1の走行方向Dと直交する両方向側に配設される排出口36L・36Rから排出可能な構成であることから、実施形態の給餌設備FAのごとく、牛等の家畜の飼育場所(牛舎)P3・P4・P5を、タンク1の走行方向Dと直交する両方向側に設けることができて、設備設計の自由度も高い。
【0040】
さらに、実施形態の給餌装置Sでは、タンク1における攪拌スクリュー15の上方となる位置であって、攪拌スクリュー15の回転方向側となる右壁部7の内側に、内側に向かって突出するように配設されるとともに、タンク1内に投入された飼料Fを載置して、一旦、貯留可能とする突出壁部8を、攪拌スクリュー15の軸方向に沿った略全域にわたって配設させている構成である。そのため、タンク1内に飼料Fを多量に投入した際に、飼料Fが、この突出壁部8上に、載置されて一旦貯留されることから、多量の飼料Fが、一度に攪拌スクリュー15側となる攪拌部1bの部位に投入されることを防止できて、攪拌スクリュー15により、飼料Fを円滑に攪拌することができ、攪拌された飼料Fを、排出部28から排出させて、円滑に給餌することができる。その結果、一度に多量の飼料Fを積み込むことができて、飼料Fの積込回数も低減することができる。
【0041】
また、突出壁部8は、上端9a側を右壁部7側に位置させ、下端9b側をタンク1内側に位置させるように、傾斜した傾斜面9を上面側に備えており、この傾斜面9上に飼料を載置させて一旦貯留させる構成であることから、飼料Fがある程度排出部28から排出されて、攪拌部1b内の飼料Fが減少した際に、貯留された飼料Fが、傾斜面9を滑らせるようにして攪拌部1b側に移動しやすく、また、突出壁部8は、攪拌スクリュー15の回転方向側となる右壁部7に配設されることから、飼料Fを、回転する攪拌スクリュー15の攪拌片17により、掻き込みやすく、攪拌部1b内に、貯留された飼料Fを円滑に投入させることができる。
【0042】
さらに、実施形態の給餌装置Sでは、飼料Fを落下させる開口12aを、突出壁部8の配設される右壁部7と対向して配設される左壁部6側となる位置に、配設させていることから、攪拌前の飼料Fが、直接開口12aから落下することを抑えることができる。また、この開口12aは、攪拌スクリュー15における軸方向の中央側(前後方向の略中央)となる位置に配設されており、攪拌スクリュー15が、攪拌片17により開口12a側へ送給された飼料Fを、送給片18により開口12a側へ送給する構成であることから、シャッター29(シャッター本体30)の開き時に、開口12aから落下する飼料Fの量を、攪拌スクリュー15の回転速度に応じて、略一定とすることができて、排出部28から排出される飼料Fの量を、一層、均一化することができる。また、シャッター29(シャッター本体30)が閉じている状態では、攪拌片17により開口12a側に送給された飼料Fは、回転する送給片18により上方に押し上げられ、送給片18の前後両側に位置する攪拌片17側へ再度送られることとなることから、実施形態のごとく、シャッター29を閉じた状態で、強制駆動手段KMにより攪拌スクリュー15を駆動させて攪拌する場合にも、粗飼料を多量に含んだ飼料Fを攪拌でき、さらに、飼料Fがブリッジ状に固まることを防止することができる。
【0043】
さらにまた、実施形態の給餌装置Sでは、攪拌スクリュー15の送給片18により回転方向の元部側から先端側に向かって押し出される飼料Fが、開口12aを一旦通過するような態様となっても、タンク1における底壁部12側の部位(円筒部11)が、軸方向を攪拌スクリュー15の軸方向に略沿わせるようにして、略円弧状に湾曲した構成とされていることから、この通過した飼料Fを、送給片18が水平方向より上方に回転移動して、底壁部12側に押し付けられるような態様が解除された状態となった際に、底壁部12の湾曲形状に沿って開口12a側に向かって自由落下させることができて、開口12aから排出させることができる。そのため、排出部28から排出される飼料Fの量を、安定させることができて、より一層、均一化することができる。また、実施形態の給餌装置Sでは、タンク1における底壁部12側の部位(円筒部11)が、攪拌スクリュー15における攪拌片17及び送給片18の回転半径より僅かに大きな内径寸法Dを備えた円筒形状として構成されていることから、攪拌片17により、タンク1内に投入された飼料F全体を均等に攪拌することができ、かつ、給餌作業終了後に、タンク1内部に、腐敗を招くように飼料Fが残存するのを防止することができる。
【0044】
なお、実施形態では、自動走行手段として、給餌設備FAの上方に配置されるモノレールMに、タンク1の上方に配置される走行装置41を取り付けているが、自動走行手段としては、これに限られるものではなく、例えば、タンク1を、無人にて誘導制御可能なトラクタ等に牽引させてもよい。しかし、自動走行手段として、モノレールMとモノレールMに取り付ける走行手段41とを使用すれば、牛舎間の通路を狭くすることもでき、かつ、給餌装置S自体の保管面積も必要としないため、給餌設備FAを省スペース化できて好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態である自動給餌装置の正面図である。
【図2】実施形態の自動給餌装置の概略平面図である。
【図3】実施形態の自動給餌装置の左側面図である。
【図4】実施形態の自動給餌装置の概略断面図であり、前後方向に沿った縦断面図である。
【図5】実施形態の自動給餌装置の縦断面図であり、図4のV−V部位に対応する図である。
【図6】実施形態の自動給餌装置における排出部付近を示す部分拡大断面図であり、シャッターが閉じた状態と開いた状態とを示す図である。
【図7】実施形態の自動給餌装置における排出部付近を示す部分拡大断面図であって、図6のVII−VII部位に対応する図であり、シャッターが閉じた状態と開いた状態とを示す図である。
【図8】実施形態の自動給餌装置におけるシャッターを示す部分拡大断面図であり、図7のVIII−VIII部位に対応する概略図である。
【図9】実施形態の自動給餌装置におけるタンク底壁の開口付近の部位とシャッターとを示す概略分解斜視図である。
【図10】実施形態の自動給餌装置の使用態様を示す概略斜視図である。
【図11】実施形態の自動給餌装置を使用する給餌設備を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0046】
1…タンク、
1a…貯留部、
1b…攪拌部、
2…周壁部、
6…左壁部、
7…右壁部、
8…突出壁部、
9…傾斜面、
11…円筒部、
12…底壁、
12a…開口、
15…攪拌スクリュー、
16…回転軸部、
17…攪拌片
18…送給片、
28…排出部、
29…シャッター、
30…シャッター本体、
34…ベルトコンベヤ、
36(36L・36R)…排出口、
41…走行装置(自動走行手段)、
F…飼料、
FA…給餌設備、
S…自動給餌装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動走行手段を備え、かつ、牛等の家畜に自動的に給餌可能な自動給餌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動給餌装置としては、飼料を投入させたタンクを、自動走行手段により所定軌道を走行させつつ、タンク内の攪拌スクリューにより攪拌された飼料を、タンク下部に配設される排出部から排出させることにより、牛等の家畜に自動的に給餌可能な構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−92942公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の自動給餌装置では、タンクに配設される所定の開口から落下する飼料を、一旦飼料受け皿体で受け、飼料受け皿体内に飼料が一定量溜まった後に、飼料受け皿体を傾けて、飼料を排出する構成であった。そのため、走行中に連続的に飼料を排出し難く、排出される飼料の量に、ばらつきが生じることとなっていた。また、従来の自動給餌装置では、飼料をタンクの走行方向と交差する方向のどちらか一方にのみ(具体的には走行方向を前方とした左側のみ)排出可能な構成であることから、常に、自動給餌装置を、走行方向のどちらか一方側に牛がいる状態で運転可能とするように、予め設備全体を設計する必要があり、設備設計の自由度が高くなかった。
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、走行中に連続的に飼料を排出可能な自動給餌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る自動給餌装置は、干草からなる粗飼料を含んだ飼料が投入されたタンクを、自動走行手段により所定軌道を走行させつつ、
タンク内に配設される攪拌スクリューにより攪拌された飼料を、タンク下部に配設される排出部から排出させることにより、家畜等に自動的に給餌可能な自動給餌装置であって、
排出部が、
タンクの底壁側に配設される開口を開閉可能に構成されるシャッターと、
開口の下方に配設されて、開口から排出された飼料を移動可能に構成されるベルトコンベヤと、
から構成され、
ベルトコンベヤが、可逆回転可能とされて、シャッターの開き時に開口から落下された飼料を、タンクの走行方向と直交する両方向側に配設される排出口から排出可能に、構成されていることを特徴とする。
【0006】
本発明の自動給餌装置では、タンクの底壁側に配設されるシャッターの開き時に形成される開口から落下される飼料を、開口の下方に配設されて可逆回転可能とされるベルトコンベヤにより移動させて、タンクの走行方向と直交する両方向側に配設される排出口から排出可能とされる構成である。すなわち、本発明の自動給餌装置では、一定量貯留させた後に排出する場合と相違して、タンクの開口から連続的に落下してくる飼料を、ベルトコンベヤにより移動させ、排出口から連続的に排出させることができる。そのため、排出口から排出される飼料の量を、略均一化することができ、タンクを一定速度で走行させれば、給餌する牛等の家畜の前に、一定の量の帯状に、飼料を投下できることとなる。
【0007】
また、本発明の自動給餌装置では、ベルトコンベヤを使用して飼料を排出させていることから、シャッター等を使用して飼料を排出させる場合と比較して、牛等の家畜に対して安全であり、仮に、牛等の家畜が、自動給餌装置の運転時に、排出口に頭部を侵入させても、ベルトコンベヤにより舌等を傷付けられる虞れも生じない。
【0008】
したがって、本発明の自動給餌装置では、走行中に連続的に飼料を排出することができて、かつ、牛等の家畜に対して安全に、給餌可能である。
【0009】
また、本発明の自動給餌装置では、飼料を、タンクの走行方向と直交する両方向側に配設される排出口から排出可能な構成であることから、牛等の家畜の飼育場所を、タンクの走行方向と直交する両方向側に設けることができて、設備設計の自由度も高い。
【0010】
さらに、上記構成の自動給餌装置において、攪拌スクリューを、回転軸の軸方向を水平方向に略沿わせるようにして配設させ、
タンクにおける攪拌スクリューの上方となる位置に、攪拌スクリューの軸方向に沿って配設される構成とされて、攪拌スクリューの回転方向側となる側壁の内側において、内側に向かって突出するように配設されるとともに、タンク内に投入された飼料を載置して、一旦、貯留可能とする突出壁部を、攪拌スクリューの軸方向に沿った略全域にわたって配設させ、
突出壁部を、上端側を前記側壁側に位置させ、下端側をタンク内側に位置させるように、傾斜した傾斜面を上面側に備えて、傾斜面上に、飼料を載置可能に、構成し、
タンク底壁側に配設される開口を、攪拌スクリューにおける軸方向の中央付近となる位置であって、突出壁部の配設された側壁と対向して配設される側壁側となる位置に、配設させ、
攪拌スクリューを、飼料を攪拌しつつ軸方向に沿って開口側へ送給可能な複数の攪拌片と、開口付近に配置されて開口側に飼料を送給する複数の送給片と、を備えた構成とすることが好ましい。
【0011】
上記構成の自動給餌装置では、タンク内に飼料を多量に投入した際に、飼料が、攪拌スクリューの上方であって攪拌スクリューの回転方向側の側壁から内側に向かって突設される突出壁部上に、載置されて一旦貯留されることから、多量の飼料が、一度にタンク内における攪拌スクリュー側の部位に投入されることを防止できて、攪拌スクリューにより、飼料を円滑に攪拌することができ、攪拌された飼料を、排出部から排出させて、円滑に給餌することができる。また、突出壁部は、上端側を側壁側に位置させ、下端側をタンク内側に位置させるように、傾斜した傾斜面を備えており、この傾斜面上に飼料を載置させて一旦貯留させる構成であることから、飼料がある程度排出部から排出されて、攪拌スクリュー側の飼料が減少した際に、貯留された飼料が、傾斜面を滑らせるようにして攪拌スクリュー側となる下部側に移動しやすく、また、突出壁部は、攪拌スクリューの回転方向側の側壁に配設されることから、飼料を、回転する攪拌スクリューの攪拌片により、掻き込みやすく、攪拌スクリュー側となる下部側の部位に、貯留された飼料を円滑に投入させることができる。
【0012】
また、上記構成の自動給餌装置では、飼料を落下させる開口を、突出壁部の配設された側壁と対向して配設される側壁側となる位置に、配設させていることから、攪拌前の飼料が、直接開口から落下することを抑えることができる。また、この開口は、攪拌スクリューにおける軸方向の中央付近となる位置に配設されており、攪拌スクリューが、複数の攪拌片により軸方向の中央側に位置する開口側へ送給された飼料を、複数の送給片により開口側へ送給する構成であることから、シャッターの開き時に、開口から落下する飼料の量を、攪拌スクリューの回転速度に応じて、略一定とすることができて、排出部から排出される飼料の量を、一層、均一化することができる。また、シャッターが閉じている状態では、攪拌片により開口側に送給された飼料は、回転する送給片により上方に押し上げられ、再度攪拌片側へ送られることとなることから、粗飼料を攪拌でき、さらに、攪拌時に、飼料がブリッジ状に固まることも防止することができる。
【0013】
さらに、上記構成の自動給餌装置において、タンクにおける底壁部側の部位を、攪拌スクリューにおける攪拌片と送給片との回転半径より僅かに大きな内径寸法を備えた略半割円筒形状として構成し、
開口が、攪拌スクリューの回転方向の先端側に位置する縁部を、攪拌スクリューの回転方向の元部側に位置する縁部よりも上方に位置させるように、傾斜して配設された構成とすることが好ましい。
【0014】
上記構成の自動給餌装置では、攪拌スクリューの送給片により回転方向の元部側から先端側に向かって押し出される飼料が、開口を一旦通過するような態様となっても、タンクにおける底壁部側の部位が、軸方向を攪拌スクリューの軸方向に略沿わせるようにして、略円弧状に湾曲した構成とされていることから、この通過した飼料を、底壁部の湾曲形状に沿って開口側に向かって自由落下させ、開口から排出させることができる。そのため、排出部から排出される飼料の量を、安定させることができて、より一層、均一化することができる。また、上記構成の自動給餌装置では、タンクにおける底壁部側の部位が、攪拌スクリューにおける攪拌片と送給片との回転半径より僅かに大きな内径寸法を備えた略半割円筒形状として構成されていることから、攪拌片により、タンク内に投入された飼料全体を均等に攪拌することができ、かつ、給餌作業終了後に、タンク内部に、腐敗を招くように飼料が残存するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の自動給餌装置(以下「給餌装置」と省略する)Sは、図1〜5に示すように、タンク1と自動走行手段41とを備えており、タンク1内に投入された粗飼料を含んだ飼料Fを、タンク1内に配設される攪拌スクリュー15により攪拌し、タンク1下部に配設される排出部28から排出させることにより、牛等の家畜に自動的に給餌する構成である。本明細書での前後・上下・左右の方向は、給餌装置Sの走行方向Dの前側を前方向とする基準方向として、給餌装置Sの前後・上下・左右の方向と一致するように、対応させている。
【0016】
なお、粗飼料は、干草(わらを含む)を50cm3程度の立方体形状に固めた状態で流通しており、給餌する際に、この固まりをほぐして牛等の家畜に与えている。そして、実施形態の場合、この粗飼料と、とうもろこし粒や穀類等からなる粒状の濃厚飼料と、をタンク1内で攪拌して混合した状態で、牛等の家畜に与えることとなる。
【0017】
タンク1は、内部空間として、上方側の貯留部1aと、貯留部1aの下方に位置する攪拌部1bと、を備える構成とされ、貯留部1aの領域を構成する上下両側を開口させた略四角筒状の周壁部2と、攪拌部1bの領域を構成するとともに軸方向を略前後方向に沿わせた形状とされて前後両端側を閉塞させた略3/4円状の円筒部11と、から構成されている。そして、円筒部11における下端側の部位が、底壁部12とされている。
【0018】
周壁部2は、走行方向D側となる前後両側に配設される前・後壁部3・5と、走行方向Dと交差する左右両側に配設される左・右壁部6・7と、から、構成されている。円筒部11は、タンク1内に投入された飼料Fの流れを良好とするように、中心を攪拌スクリュー15の後述する回転軸16と略一致させた略3/4円弧状に、湾曲した構成とされている。そして、円筒部11の前後両端側は、周壁部2の前・後壁部3・5が下方に延設されたような形態とされて、この前・後壁部3・5により、閉塞されている。前壁部3には、図4及び図5の二点鎖線に示すごとく、攪拌スクリュー15を挿通可能とする略円形の開口3aが、配設され、別体からなる略円板状の蓋体4(図3・4参照)により、閉塞されている構成である。この開口3aは、メンテナンス時等において攪拌スクリュー15を着脱させる際に、使用するものであり、蓋体4は、図示しないボルトやナット等の固着手段を利用して、開口3a周縁に固定されている。また、タンク1は、左右両側の外周側を、上端側から、下端側にかけて、外側パネル部13により覆われた構成とされている。外側パネル部13は、それぞれ、上下で2分割されており、実施形態の場合、左側の上部側に配設される部位13aが、周壁部2における左壁部6を構成することとなる(図5参照)。
【0019】
右壁部7における攪拌スクリュー15の上方となる位置には、タンク1内側に向かって突出するように配設される突出壁部8が、攪拌スクリュー15の軸方向側となる前後方向に沿うようにして、前後方向の略全域にわたって配設されている。この突出壁部8は、貯留部1a内に投入された飼料を載置して、一旦、貯留可能に構成されている。具体的には、突出壁部8は、上端9a側を右壁部7側に位置させ、下端9b側をタンク1内側に位置させるように、傾斜した傾斜面9を上面側に備えて、この傾斜面9上に、飼料Fを載置可能な構成とされている。実施形態の場合、右壁部7は、突出壁部8も含めて円筒部11と一体的に、構成されている。そして、右壁部7は、突出壁部8(傾斜面9)の下端9bより下方に位置する部位7aを、左右方向に沿った断面形状において、円筒部11の湾曲形状に略沿って湾曲させた構成とされている(図5参照)。
【0020】
円筒部11の下端側に配設される底壁部12において、左壁部6側となる左右方向の中央より左側となる部位には、略長方形状の開口12aが、形成されている。実施形態の場合、開口12aは、前後方向の略中央となる位置に開口されて、後述する排出部28のシャッター29が開いた際に、タンク1(攪拌部1b)内の飼料Fを排出させる構成である。実施形態の場合、底壁部12が円弧状に湾曲していることから、左右方向の中央より左側に配設される開口12aは、攪拌スクリュー15の回転方向の先端側となる左縁12aaを、攪拌スクリュー15の回転方向の元部側となる右縁12abより上方に位置させるように、水平方向に対して傾斜して配設されている(図6参照)。
【0021】
攪拌スクリュー15は、回転軸16の軸方向を、走行方向Dとなる前後方向に略沿わせて配設されるもので、回転軸16と、回転軸16の周囲に複数配設される攪拌片17及び送給片18と、から構成されている。また、実施形態の場合、攪拌スクリュー15は、駆動時に、図5に二点鎖線の矢印で示すごとく、右回転(前方側から見て反時計回り方向に回転)するように、構成されている。さらに、攪拌スクリュー15は、前端側を、周壁部2における前壁部3側に配設される軸受(図符号省略)により回動可能に軸支されており、後端側を、周壁部2の後壁部5を貫通して、ギヤボックス21内に配設される駆動ギヤ22に連結されている。ギヤボックス21内には、駆動モータ23と連結される図示しない減速器に連結された減速ギヤ24が配設されており、駆動ギヤ22は、この減速ギヤ24に噛合されている。また、ギヤボックス21には、減速ギヤ24と連結されており、外部の強制駆動手段と連結させた際に、駆動ギヤ24を駆動可能とされる連結部材25が、ギヤボックス21から後方に突出するように、配設されている(図1・2・4参照)。
【0022】
攪拌片17は、攪拌部1b内に投入された飼料Fを、回転軸16の軸方向となる前後方向に沿って、開口12a側に送給可能とするように、開口12aの前後両側となる位置に配設されている。実施形態の場合、攪拌片17は、開口12aの前後両側において、それぞれ、図4に示すごとく前後方向に沿って略等間隔にずれた位置であって、図5に示すように、前後方向側から見て略120゜にずれた位置となる3箇所ずつに、配設されている。各攪拌片17は、回転軸16と直交するように回転軸16から突設される支持軸17aと、支持軸17aの先端側において先端を開口12a側となる中央側に向けるように屈曲して配設される板状の曲り羽板部17bと、から構成されている。曲り羽板部17bは、支持軸17aの先端から、支持軸17aと略直交して、回転軸16の回転方向と逆側となる左方側に突出するように配設されるとともに、回転軸16の軸方向に対して螺旋状に湾曲するように、構成されている(図2・4・5参照)。すなわち、実施形態の場合、各攪拌片17は、攪拌力を大きくするように、回転方向の先端側に支持軸17aを位置させ、曲り羽板部17bを、支持軸17aから回転方向の逆方向側に突出するように、配設される構成である。
【0023】
送給片18は、開口12a近傍となる前後方向の中央側に配設されている。送給片18は、回転軸16と直交するように、回転軸16から突設されている。実施形態の場合、送給片18は、図5の二点鎖線に示すように、前後方向側から見て略180゜となる2箇所に配設されて、それぞれ、回転軸16と直交するように回転軸16から突設される支持軸18aと、支持軸18aの先端側に配設されて前後方向に沿って配設される板状の押出羽板部18bと、を備える構成とされている。実施形態の場合、攪拌スクリュー15の回転時に、攪拌片17により中央の開口12a側に送給された飼料Fは、送給片18の押出羽板部18bにより、シャッター29の開いた開口12aから落下するように押し出されることとなる。
【0024】
実施形態の場合、各攪拌片17及び送給片18は、回転半径を略同一とするように、構成されている。そして、攪拌スクリュー15は、各攪拌片17及び送給片18における各支持軸17a・18aの長さ寸法を、各羽板部17b・押出羽板部18bと、円筒部11の内周面と、の間に、殆ど隙間を生じさせない程度に、設定されている。具体的には、実施形態の場合、各攪拌片17及び送給片18と、内径寸法Dを1000〜1500mm程度に設定される円筒部11の内周面と、の間の隙間L(図5参照)は、10mm以下となる5〜10mm程度に、設定されている。すなわち、実施形態の場合、底壁部12の部位を構成する円筒部11は、攪拌スクリュー15における各攪拌片17及び送給片18の回転半径より僅かに大きな内径寸法Dを備えた構成とされている。円筒部11及び攪拌スクリュー15をこのような構成とすれば、攪拌片17により、攪拌部1a内に投入された飼料F全体を均等に攪拌することができ、かつ、給餌作業終了後に、タンク1内部に、腐敗を招くように飼料Fが残存するのを防止することができる。なお、図面では、タンク1を構成する板金の板厚を厚く表していることから、各攪拌片17及び送給片18と円筒部1の内周面との間に、大きな隙間が生じているように表されているが、実際の給餌装置Sでは、各攪拌片17及び送給片18と円筒部1の内周面との間には、隙間は殆ど生じない。
【0025】
排出部28は、タンク1の下部側に配設されており、図6・7に示すごとく、底壁部12に配設される開口12aを開閉可能に構成されるシャッター29と、開口12aの下方に配設されるベルトコンベヤ34と、から、構成されている。
【0026】
シャッター29は、図6〜9に示すごとく、略長方形板状のシャッター本体30と、シャッター本体30を駆動させる駆動機構31と、から構成されている。シャッター本体30は、前後方向にスライド可能に構成されるもので、左右両縁側を、底壁部12の下方において開口12aの下方から後方となる位置にかけて、前後方向に沿って配設されるガイド部12b・12bにより、摺動可能に、左右両縁側を支持されている。実施形態の場合、ガイド部12bは、開口12a周縁から下方に延びて上下両側を開口させた略四角筒状の筒状部12cにより、底壁部12と連結されている。シャッター本体30における前後方向の中央よりも後方側の部位には、略長方形状に開口した貫通穴30aが、左右方向に沿った2箇所に、形成されている。貫通穴30aの周縁には、後述するリミットスイッチ32のレバー32bに接触可能に配設される突起部30bが、配設されている。実施形態の場合、突起部30bは、左側に配設される貫通穴30aの左縁側における前端側と、右側に配設される貫通穴30aの右縁側における後端側と、の2箇所において、下方に突出するように、配設されている。
【0027】
シャッター本体30を駆動させる駆動機構31は、実施形態の場合、シャッター本体30側に配設されるラック31aと、タンク1側に配設されるピニオン31bと、後述する制御ボックス38と電気的に接続されるとともにピニオン31bを駆動させる図示しない駆動モータと、シャッター本体30の開閉位置を制御するリミットスイッチ32と、から構成されている。リミットスイッチ32は、実施形態の場合、左側に配設されるガイド部12bの開口12a近傍となる位置と、右側に配設されるガイド部12bの後端側と、の2箇所に配設されるもので、それぞれ、ガイド部12bに固定されるスイッチ本体32aと、スイッチ本体32aから上方に突設されてシャッター本体30の突起部30bと接触可能に配設されるレバー32bと、を備える構成とされている。なお、レバー32bは、スイッチ本体32aに対して回動可能に、構成されている。このリミットスイッチ32は、制御ボックス38と電気的に接続されており、レバー32bとシャッター本体30の突起部30bとが接触した際に、制御ボックス38に信号を送り、駆動モータが制御ボックス38からの停止信号を受けて作動を停止させ、シャッター本体30が移動を停止されるように、構成されている。
【0028】
具体的には、実施形態の場合、開口12a近傍に配設されるリミットスイッチ32Aが、シャッター本体30の閉じ位置を制御し、後方側に配設されるリミットスイッチ32Bが、シャッター本体30の開き位置を制御することとなる。すなわち、シャッター本体30が閉じた状態において、制御ボックス38から作動信号が入力されると、ピニオン31bが駆動モータにより駆動されて、シャッター本体30が、後方にスライド移動し、シャッター本体30の後端側に配設される突起部30bbが、後方側に配設されるリミットスイッチ32Bのレバー32bと接触すると、駆動モータが、制御ボックス38からの停止信号を受けて作動を停止し、図7のBに示すように、シャッター本体30が開き状態で、移動を完了させることとなる。そして、図6のB・7のBに示すように、シャッター本体30が開いて形成された開口12aから、飼料Fが落下することとなる。そして、逆に、シャッター本体30が開いた状態において、制御ボックス38から作動信号が入力されると、ピニオン31bが駆動モータにより駆動されて、シャッター本体30が、前方にスライド移動し、シャッター本体30の前端側に配設される突起部30baが、前方側に配設されるリミットスイッチ32Aのレバー32bと接触すると、駆動モータが、制御ボックス38からの停止信号を受けて作動を停止し、図7のAに示すように、シャッター本体30が閉じ状態で、移動を完了させることとなる。
【0029】
ベルトコンベヤ34は、開口12aの下方となるタンク1の前後方向の略中央となる下部側において、タンク1の左右方向に沿った略全域にわたって配設されるもので、図6に示すごとく、左右両端側に前後方向に沿って配設される回動軸部34aと、回動軸部34aに連結されるベルト部34bと、を備えている。実施形態の場合、ベルトコンベヤ34は、開口12aから落下した飼料Fが、直接給餌場所に落下するのを防止するために、左右方向の幅寸法W1を、タンク1における左右方向の幅寸法W0より若干大きくするように、左右方向に幅広に、形成されている。そして、ベルトコンベヤ34は、開口12aの前後両側において左右方向に沿って下方に突出するように配設されるブラケット35により、回動軸部34aの前後両端側を軸支されており、ベルトコンベヤ34の左右両端側において、タンク底壁部12とブラケット35とベルトコンベヤ34で囲まれる略長方形の開口部分が、飼料Fを排出する排出口36を構成することとなる。回動軸部34aは可逆回転可能に構成されており、ベルト部34bは、開口12aから落下して上方に載置された飼料Fを、左右方向に移動可能とされて、選択した左右両側の排出口36L・36Rの一方側から排出可能な構成とされている。具体的には、回動軸部34aを右回転させた際に、右側の排出口36Rから飼料Fを排出可能とし、回動軸部34aを左回転させた際に、左側の排出口36Lから飼料Fを排出可能な構成とされている。
【0030】
また、各ブラケット35における下端側の部位には、上端側を、内側にかけて下方に傾斜させるような傾斜面として、開口12aから落下する飼料Fを、ベルト部34bの前後方向の中央側に落下させるようにガイド可能とするガイド突起35aが、左右方向に沿った略全域にわたって内側に向かって突出するように、形成されている。さらに、各ブラケット35は、上端近傍(開口12a近傍)となる位置において、ガイド部12bを貫通させ、シャッター本体30を挿通可能に、構成されている(図7参照)。
【0031】
タンク1の前側には、給餌装置Sの走行スピードや、飼料Fの積載量(給餌量)、ベルトコンベヤ34の駆動方向(回動軸部34aの回転方向)、シャッター29の開閉等を制御する制御ボックス38が、配設されている。また、タンク1の下部側において、排出部28の前方となる位置には、バッテリーボックス39が、配設されている。
【0032】
実施形態では、給餌装置Sを使用する給餌設備FAの上方にモノレールMが配置される構成であり、給餌装置Sは、自動走行手段として、タンク1の上方に配置される走行装置41を備えて、この走行装置41を、図1に示すように、モノレールMに取り付けることにより、自動走行させる構成である。なお、実施形態の場合、モノレールMは、給餌設備FAにおいて、図10に示すように、充電場所P1から飼料Fの積み込み場所P2を経て、牛舎P3・P4・P5にかけて、配設されている。
【0033】
タンク1における前・後壁部3・5の上端側における左右方向の中央付近には、図1・3・5に示すように、それぞれ、吊り下げ部材47が、配設されている。そして、各吊り下げ部材47の上端側に、走行装置41が、取り付けられている。走行装置41は、前壁部3側の吊り下げ部材47Aに配置される駆動部42と、後壁部5側の吊り下げ部材47Bに配置されるガイド部43と、から構成されている。駆動部42は、図3・5に示すように、断面略I字形状のモノレールMを挟むように配置される2個のカバー部44・44と、各カバー部44の内部側に配置されて、モノレールMの凹部に、左右両側から、それぞれ、2個ずつ嵌合される4個の車輪45と、カバー部44に連結されて各車輪45を駆動させるための走行モータ46と、を備えている。ガイド部43は、図1・3・5に示すように、カバー部44・44と4個の車輪45とを備えている。走行装置41は、駆動部42及びガイド部43を、それぞれ、吊り下げ部材47A・47Bの上端に配設される取付リング48にボルト止めすることにより、吊り下げ部材47A・47Bに取り付けられる構成である。また、各吊り下げ部材47には、タンク1に吊り下げ部材47を固定するための固定孔47aが、上下方向に沿って複数形成されており、給餌装置Sの高さ位置を調整可能に構成されている。実施形態の場合、吊り下げ部材47A・47B間は、連結棒49により連結されている。この連結棒49は、ガイド部43を駆動部42に円滑に追従させて、給餌装置Sの走行状態をスムーズに保つために、配設されている。また、駆動部42及びガイド部43には、それぞれ、図示しないロードセルが配設されている。このロードセルは、タンク1の重量を計測するためのもので、内部に投入された飼料F(後述する粗飼料Fa及び濃厚飼料Fb)の量を自動的に計測可能に構成されている。そして、実施形態の給餌装置Sでは、このロードセルにより、所定重量の飼料Fが投入されたことを確認して、走行可能である。
【0034】
実施形態の給餌装置Sは、図10に示すような構成の給餌設備FAに適用可能である。この給餌設備FAでは、飼料積み込み場所P2で投入された粗飼料Faと濃厚飼料Fbとをタンク1内で混合させて調製した飼料Fを、複数の牛舎P3・P4・P5に給餌する構成であり、各牛舎P3・P4・P5には、それぞれ、粗飼料Faと濃厚飼料Fbとの配合比率が異なった飼料Fが給餌されるように、設定されている。なお、給餌装置Sは、制御ボックス38による制御に基づいて、自動運転を行なう。
【0035】
まず、シャッター本体30が閉じた状態の給餌装置Sを、充電装置Bが配設されている充電場所P1に停止させて、充電させる。次いで、所定時間になったら、まず、給餌装置Sを、飼料積込場所P2に移動させ、ギヤボックス21から突出するように配設される連結部材25を、外部に配設される強制駆動手段KMに連結させて、大きなトルクで攪拌スクリュー15を駆動させつつ、所定量の粗飼料Faの固まりをミキサーKでほぐした状態で、タンク1内に、コンベアC1を利用して投入する。その後、所定量の濃厚飼料Fbを、タンク1内に、コンベアC2を利用して投入し、再度、連結部材25を、外部に配設される強制駆動手段KMに連結させて攪拌スクリュー15を駆動させ、粗飼料Faと濃厚飼料Fbとを混合させて飼料Fを調製する。そして、攪拌スクリュー15の攪拌を停止させた状態で、給餌装置Sを牛舎P3近傍に移動させる。その後、牛舎P3(給餌場所)近傍で、一旦給餌装置Sを停止させ、シャッター本体30を開き、攪拌スクリュー15を駆動させて飼料Fの攪拌を開始し、4〜5秒後に給餌装置Sの走行を再開し、排出口36Rから飼料Fを排出させつつ、給餌装置Sを走行させて、図9に示すように牛への給餌を行なう。そして、給餌作業が終了し、タンク1内が空となったら、攪拌スクリュー15の作動を停止させ、シャッター本体30を閉じて、給餌装置Sを、再度飼料積込場所P2に移動させる。その後、同様にして、所定量の粗飼料Faと濃厚飼料Fbとをタンク1内に投入して飼料Fを調製し、給餌装置Sを牛舎P4に移動させ、排出口36Rから飼料Fを排出させて牛への給餌を行なう。その後、同様にして、給餌装置Sを飼料積込場所P2に移動させ、所定量の粗飼料Faと濃厚飼料Fbとをタンク1内に投入して飼料Fを調製し、給餌装置Sを牛舎P5に移動させ、排出口36Lから飼料Fを排出させて牛への給餌を行なう。そして、全ての給餌作業が終了したならば、給餌装置Sを充電場所P1に戻して充電させる。実施形態の給餌装置Sでは、このようなサイクルを繰り返して、牛への定期的な給餌作業を行なうことができる。
【0036】
そして、実施形態の給餌装置Sでは、タンク1の底壁部12側に配設されるシャッター29の開き時に形成される開口12aから落下される飼料Fを、開口12aの下方に配設されて可逆回転可能とされるベルトコンベヤ34により移動させて、タンク1の走行方向Dと直交する両方向側に配設される排出口36L・36Rから排出可能とされる構成である。すなわち、実施形態の給餌装置Sでは、一定量貯留させた後に排出する場合と相違して、タンク1の開口12aから連続的に落下してくる飼料Fを、ベルトコンベヤ34により移動させ、排出口36L・36Rから連続的に排出させることができる。そのため、排出口36L・36Rから排出される飼料Fの量を、略均一化することができ、タンク1を一定速度で走行させれば、給餌する牛等の家畜の前に一定の量の帯状に、飼料を投下できることとなる。
【0037】
また、実施形態の給餌装置Sでは、ベルトコンベヤ34を使用して飼料Fを排出させていることから、シャッター等を使用して飼料を排出させる場合と比較して、牛等の家畜に対して安全であり、仮に、牛等の家畜が、給餌装置Sの運転時に、排出口36L・36Rに頭部を侵入させても、ベルトコンベヤ34により舌等を傷付けられる虞れも生じない。
【0038】
したがって、実施形態の給餌装置Sでは、走行中に連続的に飼料Fを排出することができて、かつ、牛等の家畜に対して安全に、給餌可能である。
【0039】
また、実施形態の給餌装置Sでは、飼料Fを、タンク1の走行方向Dと直交する両方向側に配設される排出口36L・36Rから排出可能な構成であることから、実施形態の給餌設備FAのごとく、牛等の家畜の飼育場所(牛舎)P3・P4・P5を、タンク1の走行方向Dと直交する両方向側に設けることができて、設備設計の自由度も高い。
【0040】
さらに、実施形態の給餌装置Sでは、タンク1における攪拌スクリュー15の上方となる位置であって、攪拌スクリュー15の回転方向側となる右壁部7の内側に、内側に向かって突出するように配設されるとともに、タンク1内に投入された飼料Fを載置して、一旦、貯留可能とする突出壁部8を、攪拌スクリュー15の軸方向に沿った略全域にわたって配設させている構成である。そのため、タンク1内に飼料Fを多量に投入した際に、飼料Fが、この突出壁部8上に、載置されて一旦貯留されることから、多量の飼料Fが、一度に攪拌スクリュー15側となる攪拌部1bの部位に投入されることを防止できて、攪拌スクリュー15により、飼料Fを円滑に攪拌することができ、攪拌された飼料Fを、排出部28から排出させて、円滑に給餌することができる。その結果、一度に多量の飼料Fを積み込むことができて、飼料Fの積込回数も低減することができる。
【0041】
また、突出壁部8は、上端9a側を右壁部7側に位置させ、下端9b側をタンク1内側に位置させるように、傾斜した傾斜面9を上面側に備えており、この傾斜面9上に飼料を載置させて一旦貯留させる構成であることから、飼料Fがある程度排出部28から排出されて、攪拌部1b内の飼料Fが減少した際に、貯留された飼料Fが、傾斜面9を滑らせるようにして攪拌部1b側に移動しやすく、また、突出壁部8は、攪拌スクリュー15の回転方向側となる右壁部7に配設されることから、飼料Fを、回転する攪拌スクリュー15の攪拌片17により、掻き込みやすく、攪拌部1b内に、貯留された飼料Fを円滑に投入させることができる。
【0042】
さらに、実施形態の給餌装置Sでは、飼料Fを落下させる開口12aを、突出壁部8の配設される右壁部7と対向して配設される左壁部6側となる位置に、配設させていることから、攪拌前の飼料Fが、直接開口12aから落下することを抑えることができる。また、この開口12aは、攪拌スクリュー15における軸方向の中央側(前後方向の略中央)となる位置に配設されており、攪拌スクリュー15が、攪拌片17により開口12a側へ送給された飼料Fを、送給片18により開口12a側へ送給する構成であることから、シャッター29(シャッター本体30)の開き時に、開口12aから落下する飼料Fの量を、攪拌スクリュー15の回転速度に応じて、略一定とすることができて、排出部28から排出される飼料Fの量を、一層、均一化することができる。また、シャッター29(シャッター本体30)が閉じている状態では、攪拌片17により開口12a側に送給された飼料Fは、回転する送給片18により上方に押し上げられ、送給片18の前後両側に位置する攪拌片17側へ再度送られることとなることから、実施形態のごとく、シャッター29を閉じた状態で、強制駆動手段KMにより攪拌スクリュー15を駆動させて攪拌する場合にも、粗飼料を多量に含んだ飼料Fを攪拌でき、さらに、飼料Fがブリッジ状に固まることを防止することができる。
【0043】
さらにまた、実施形態の給餌装置Sでは、攪拌スクリュー15の送給片18により回転方向の元部側から先端側に向かって押し出される飼料Fが、開口12aを一旦通過するような態様となっても、タンク1における底壁部12側の部位(円筒部11)が、軸方向を攪拌スクリュー15の軸方向に略沿わせるようにして、略円弧状に湾曲した構成とされていることから、この通過した飼料Fを、送給片18が水平方向より上方に回転移動して、底壁部12側に押し付けられるような態様が解除された状態となった際に、底壁部12の湾曲形状に沿って開口12a側に向かって自由落下させることができて、開口12aから排出させることができる。そのため、排出部28から排出される飼料Fの量を、安定させることができて、より一層、均一化することができる。また、実施形態の給餌装置Sでは、タンク1における底壁部12側の部位(円筒部11)が、攪拌スクリュー15における攪拌片17及び送給片18の回転半径より僅かに大きな内径寸法Dを備えた円筒形状として構成されていることから、攪拌片17により、タンク1内に投入された飼料F全体を均等に攪拌することができ、かつ、給餌作業終了後に、タンク1内部に、腐敗を招くように飼料Fが残存するのを防止することができる。
【0044】
なお、実施形態では、自動走行手段として、給餌設備FAの上方に配置されるモノレールMに、タンク1の上方に配置される走行装置41を取り付けているが、自動走行手段としては、これに限られるものではなく、例えば、タンク1を、無人にて誘導制御可能なトラクタ等に牽引させてもよい。しかし、自動走行手段として、モノレールMとモノレールMに取り付ける走行手段41とを使用すれば、牛舎間の通路を狭くすることもでき、かつ、給餌装置S自体の保管面積も必要としないため、給餌設備FAを省スペース化できて好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態である自動給餌装置の正面図である。
【図2】実施形態の自動給餌装置の概略平面図である。
【図3】実施形態の自動給餌装置の左側面図である。
【図4】実施形態の自動給餌装置の概略断面図であり、前後方向に沿った縦断面図である。
【図5】実施形態の自動給餌装置の縦断面図であり、図4のV−V部位に対応する図である。
【図6】実施形態の自動給餌装置における排出部付近を示す部分拡大断面図であり、シャッターが閉じた状態と開いた状態とを示す図である。
【図7】実施形態の自動給餌装置における排出部付近を示す部分拡大断面図であって、図6のVII−VII部位に対応する図であり、シャッターが閉じた状態と開いた状態とを示す図である。
【図8】実施形態の自動給餌装置におけるシャッターを示す部分拡大断面図であり、図7のVIII−VIII部位に対応する概略図である。
【図9】実施形態の自動給餌装置におけるタンク底壁の開口付近の部位とシャッターとを示す概略分解斜視図である。
【図10】実施形態の自動給餌装置の使用態様を示す概略斜視図である。
【図11】実施形態の自動給餌装置を使用する給餌設備を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0046】
1…タンク、
1a…貯留部、
1b…攪拌部、
2…周壁部、
6…左壁部、
7…右壁部、
8…突出壁部、
9…傾斜面、
11…円筒部、
12…底壁、
12a…開口、
15…攪拌スクリュー、
16…回転軸部、
17…攪拌片
18…送給片、
28…排出部、
29…シャッター、
30…シャッター本体、
34…ベルトコンベヤ、
36(36L・36R)…排出口、
41…走行装置(自動走行手段)、
F…飼料、
FA…給餌設備、
S…自動給餌装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
干草からなる粗飼料を含んだ飼料が投入されたタンクを、自動走行手段により所定軌道を走行させつつ、
前記タンク内に配設される攪拌スクリューにより攪拌された前記飼料を、前記タンク下部に配設される排出部から排出させることにより、家畜等に自動的に給餌可能な自動給餌装置であって、
前記排出部が、
前記タンクの底壁側に配設される開口を開閉可能に構成されるシャッターと、
前記開口の下方に配設されて、前記開口から排出された前記飼料を移動可能に構成されるベルトコンベヤと、
から構成され、
該ベルトコンベヤが、可逆回転可能とされて、前記シャッターの開き時に前記開口から落下された前記飼料を、前記タンクの走行方向と直交する両方向側に配設される排出口から排出可能に、構成されていることを特徴とする自動給餌装置。
【請求項2】
前記攪拌スクリューが、回転軸の軸方向を水平方向に略沿わせるようにして配設され、
前記タンクにおける前記攪拌スクリューの上方となる位置に、前記攪拌スクリューの軸方向に沿って配設される構成とされて、前記攪拌スクリューの回転方向側となる側壁の内側において、内側に向かって突出するように配設されるとともに、前記タンク内に投入された前記飼料を載置して、一旦、貯留可能とする突出壁部が、前記攪拌スクリューの軸方向に沿った略全域にわたって配設され、
該突出壁部が、上端側を前記側壁側に位置させ、下端側を前記タンク内側に位置させるように、傾斜した傾斜面を上面側に備えて、該傾斜面上に、前記飼料を載置可能に、構成され、
前記タンク底壁側に配設される開口が、前記攪拌スクリューにおける軸方向の中央付近となる位置であって、前記突出壁部の配設された前記側壁と対向して配設される側壁側となる位置に、配設され、
前記攪拌スクリューが、前記飼料を攪拌しつつ軸方向に沿って前記開口側へ送給可能な複数の攪拌片と、前記開口付近に配置されて前記開口側に前記飼料を送給する複数の送給片と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動給餌装置。
【請求項3】
前記タンクにおける底壁部側の部位が、前記攪拌スクリューにおける前記攪拌片と前記送給片との回転半径より僅かに大きな内径寸法を備えた略半割円筒形状として構成され、
前記開口が、前記攪拌スクリューの回転方向の先端側に位置する縁部を、前記攪拌スクリューの回転方向の元部側に位置する縁部よりも上方に位置させるように、傾斜して配設されていることを特徴とする請求項2に記載の自動給餌装置。
【請求項1】
干草からなる粗飼料を含んだ飼料が投入されたタンクを、自動走行手段により所定軌道を走行させつつ、
前記タンク内に配設される攪拌スクリューにより攪拌された前記飼料を、前記タンク下部に配設される排出部から排出させることにより、家畜等に自動的に給餌可能な自動給餌装置であって、
前記排出部が、
前記タンクの底壁側に配設される開口を開閉可能に構成されるシャッターと、
前記開口の下方に配設されて、前記開口から排出された前記飼料を移動可能に構成されるベルトコンベヤと、
から構成され、
該ベルトコンベヤが、可逆回転可能とされて、前記シャッターの開き時に前記開口から落下された前記飼料を、前記タンクの走行方向と直交する両方向側に配設される排出口から排出可能に、構成されていることを特徴とする自動給餌装置。
【請求項2】
前記攪拌スクリューが、回転軸の軸方向を水平方向に略沿わせるようにして配設され、
前記タンクにおける前記攪拌スクリューの上方となる位置に、前記攪拌スクリューの軸方向に沿って配設される構成とされて、前記攪拌スクリューの回転方向側となる側壁の内側において、内側に向かって突出するように配設されるとともに、前記タンク内に投入された前記飼料を載置して、一旦、貯留可能とする突出壁部が、前記攪拌スクリューの軸方向に沿った略全域にわたって配設され、
該突出壁部が、上端側を前記側壁側に位置させ、下端側を前記タンク内側に位置させるように、傾斜した傾斜面を上面側に備えて、該傾斜面上に、前記飼料を載置可能に、構成され、
前記タンク底壁側に配設される開口が、前記攪拌スクリューにおける軸方向の中央付近となる位置であって、前記突出壁部の配設された前記側壁と対向して配設される側壁側となる位置に、配設され、
前記攪拌スクリューが、前記飼料を攪拌しつつ軸方向に沿って前記開口側へ送給可能な複数の攪拌片と、前記開口付近に配置されて前記開口側に前記飼料を送給する複数の送給片と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動給餌装置。
【請求項3】
前記タンクにおける底壁部側の部位が、前記攪拌スクリューにおける前記攪拌片と前記送給片との回転半径より僅かに大きな内径寸法を備えた略半割円筒形状として構成され、
前記開口が、前記攪拌スクリューの回転方向の先端側に位置する縁部を、前記攪拌スクリューの回転方向の元部側に位置する縁部よりも上方に位置させるように、傾斜して配設されていることを特徴とする請求項2に記載の自動給餌装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−68456(P2007−68456A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−258482(P2005−258482)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(500473254)
【出願人】(505337216)有限会社ボクセツビ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(500473254)
【出願人】(505337216)有限会社ボクセツビ (1)
【Fターム(参考)】
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