説明

草刈機、及び草刈機のコレクタ取り外し方法

【課題】簡易な構成でコレクタを取り外し易い草刈機を提供すること。
【解決手段】草刈機本体2と、草刈機本体2の後部に取り外し可能に設けられ、刈られた草が集められるコレクタ9とを備えた草刈機であって、草を刈る際に、コレクタ9を、草を集めるための集草位置に固定するためのロックフック48及びロックピン50と、固定を解除する固定解除機構と、固定を解除した際に、コレクタ9を、集草位置から、集めた草を排出するための排出位置へと上昇させるためのダンパー65と、固定を解除した際に、上昇に対抗して、コレクタ9を集草位置の近傍の保持位置に保持可能な保持部材110とを備え、固定を解除した状態で、コレクタ9は草刈機本体2の後部から取り外し可能に構成されている、草刈機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草刈機及び草刈機のコレクタ取り外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大型の草刈機として、草刈機本体の後部に、刈り取られた草が集められるコレクタが設けられた草刈機が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような草刈機では、草刈機本体の下方に設けられた草刈部によって刈り取られた草が、草刈機本体の後方に移動し、コレクタに形成された開口部を通って、コレクタに収容される。一方、コレクタから草を排出する際には、草刈機本体とのロックを解除することによって、ダンパーの押圧により、コレクタは上方に回動するため、開口部が下方を向き、草が落下して排出される。
【0004】
また、コレクタを上方に回動させる際に、電動シリンダを用いた構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010―166826号公報
【特許文献2】特開2010―172241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コレクタの清掃や、草刈機本体の後部のメンテナンスを行う際、コレクタを草刈機本体から取り外す必要があるが、特許文献1に示す草刈機では、ロックを解除すると、コレクタが上方まで回動するため、その回動したままの状態では作業者がコレクタを取り外し難かった。
【0007】
また、上記特許文献2に示す草刈機では、電動シリンダを用いているため、コレクタをロック解除した位置で保持することが出来、コレクタの取り外しは容易だが、電動シリンダを用いているため、構造が複雑になり、コストが高くなっていた。
【0008】
本発明は、上記従来の草刈機の課題を考慮し、簡易な構成でコレクタを着脱し易い草刈機、及び草刈機のコレクタの取り外し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の本発明は、
草刈機本体と、前記草刈機本体の後部に取り外し可能に設けられ、刈られた草が集められるコレクタとを備えた草刈機であって、
草を刈る際に、前記コレクタを、草を集めるための集草位置に固定するための固定機構と、
前記固定を解除する固定解除機構と、
前記固定を解除した際に、前記コレクタを、前記集草位置から、集めた草を排出するための排出位置へと上昇させるための上昇部と、
前記固定を解除した際に、前記上昇に対抗して、前記コレクタを前記集草位置の近傍の保持位置に保持可能な保持部材とを備え、
前記固定を解除した状態で、前記コレクタは前記草刈機本体の後部から取り外し可能に構成されている、草刈機である。
【0010】
これにより、コレクタが排出位置へと移動することを防止し、草刈機本体からコレクタを着脱し易くなる。
【0011】
第2の本発明は、
前記草刈機本体は、その後端に連結された支持部を有し、
前記コレクタは、前記支持部に着脱自在に支持され、
前記上昇部は、前記支持部を上昇移動させることにより、前記コレクタを前記排出位置へ上昇移動させ、
前記保持部材は、前記草刈機本体の前記支持部以外の草刈機本体部分と前記支持部の間を連結することによって、前記コレクタを前記保持位置に保持し、
前記保持部材の前記草刈機本体部分との連結、及び前記保持部材の前記支持部との連結の少なくとも一方は着脱可能である、第1の本発明の草刈機である。
【0012】
これにより、簡単な構成でコレクタを集草位置の近傍の位置に保持することが可能となる。
【0013】
第3の本発明は、
前記コレクタは、草を出入りさせるための開口部を有し、
前記集草位置は、前記開口部が地面に対して実質上垂直に配置される位置であり、
前記排出位置は、前記開口部が地面に対して実質上水平に配置される位置であり、
前記保持位置は、前記開口部が地面に対して、前記保持部材で決まる所定量傾いた位置であり、
前記支持部は、前記コレクタを支持しながら前記草刈機本体部分側の横軸芯を中心として前記上昇部によって上昇回動されて移動する、第2の本発明の草刈機である。
【0014】
これにより、保持位置でコレクタが排出位置へと上方に回動することを防止し、草刈機本体からコレクタを着脱し易くなる。
【0015】
第4の本発明は、
前記横軸芯は、前記草刈機本体部分の後部の上方に設けられており、
前記固定機構は、前記草刈機本体の後部の下方に設けられており、前記コレクタの側面に設けられた固定ピンと、前記草刈機本体部分に設けられた前記固定ピンと係合する係合部材とを有し、
前記固定解除機構は、前記係合部材と連動する固定解除カムと、前記固定解除カムを動作させるための固定解除レバーと、前記固定解除レバーを摺動可能に保持する保持パイプを有し、
前記保持パイプは、前記支持部に取り付けられており、
前記固定ピンと前記係合部の間の固定は、前記固定解除レバーを上方向に移動させ、前記固定解除レバーによって前記固定解除カムを動作させることにより、前記係合部材が、前記固定ピンから外れて解除され、
前記保持部材の一端は、前記固定機構の上方の前記草刈機本体部分のフレームに取り付けられており、
前記保持部材の他端は、前記保持パイプの下部に着脱可能に取り付けられており、
前記保持パイプは、前記草刈機本体部分の上方よりに設けられている、第3の本発明の草刈機である。
【0016】
これにより、保持部材の長さを短くすることが出来る。また、保持部材を見やすいため、保持部材をセットしやすい。
【0017】
第5の本発明は、
前記横軸芯の回動軸は、前記支持部側に固定されており、
前記コレクタは、草を集める容器部と、前記集草位置において前記容器部の上側に配置されたカバー部と、前記容器部と前記カバー部の間に設けられたフック部を有し、
前記フック部は、前記支持部に前記コレクタが装着された際、前記回動軸を挟むように形成されており、
前記コレクタは、前記支持部が回動する際、前記フック部により前記回動軸を中心にして回動し、
前記フック部の先端は、前記カバー部の端から突出している、第3の本発明の草刈機である。
【0018】
これにより、フック部が見やすく、コレクタを草刈機本体に取り付けやすくなる。
【0019】
第6の本発明は、
前記コレクタは、草を集める容器部と、前記集草位置において前記容器部の上側に配置されたカバー部と、前記カバー部の上側に配置された把手とを有し、
前記固定を解除した際に、前記保持位置において、前記把手の上端部の方が、前記カバー部の後端よりも高く位置するように構成されている、第3の本発明の草刈機である。
【0020】
これにより、コレクタを草刈機本体に脱着する際、把手を把持しやすくなる。
【0021】
第7の本発明は、
草刈機から前記コレクタを取り外す、草刈機のコレクタ取り外し方法であって、
前記草刈機は、
草を刈る際に、コレクタを、草を集めるための集草位置に固定するための固定機構と、
前記固定を解除する固定解除機構と、
前記固定を解除した際に、前記コレクタを、前記集草位置から、集めた草を排出するための排出位置へと上昇させるための上昇部と、
前記固定を解除した際に、前記上昇に対抗して、前記コレクタを前記集草位置の近傍の保持位置に保持可能な保持部材とを備え、
前記固定を解除した状態で、前記コレクタは草刈機本体の後部から取り外し可能に構成されており、
前記固定状態において、前記保持部材をセットする保持準備ステップと、
前記固定を解除する固定解除ステップと、
前記コレクタを前記草刈機本体から取り外す取り外しステップとを備えた、草刈機のコレクタ取り外し方法である。
【0022】
これにより、コレクタが排出位置へと移動することを防止し、草刈機本体からコレクタを着脱し易くなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡易な構成でコレクタを着脱し易い草刈機及び草刈機のコレクタの取り外し方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明にかかる実施の形態1における草刈機の草を刈る状態での左側面構成図
【図2】本発明にかかる実施の形態1における草刈機のフロアを取り外した状態の平面構成図
【図3】本発明にかかる実施の形態1における草刈機のフロアを取り外した状態の正面構成図
【図4】本発明にかかる実施の形態1における草刈機のフロアを取り外した状態の背面構成図
【図5】本発明にかかる実施の形態1における草刈機のコレクタが集草位置に配置されている状態を示す左側面構成図
【図6】本発明にかかる実施の形態1における草刈機のコレクタの斜視構成図
【図7】本発明にかかる実施の形態1における草刈機のコレクタが集草位置に配置されている状態を示す左側面構成図
【図8】本発明にかかる実施の形態1における草刈機のコレクタが集草位置に配置されている状態を示す右側面構成図
【図9】本発明にかかる実施の形態1における草刈機の草を排出する状態での左側面構成図
【図10】本発明にかかる実施の形態1における草刈機本体の後端部近傍の拡大斜視構成図
【図11】本発明にかかる実施の形態1における草刈機のコレクタが排出位置に配置されている状態を示す左側面構成図
【図12】本発明にかかる実施の形態1における草刈機のコレクタが保持位置に配置されている状態を示す左側面構成図
【図13】(a)〜(s)本発明にかかる実施の形態1における草刈機のコレクタを草刈機本体から取り外す動作を説明するための左側面部分構成図
【図14】本発明にかかる実施の形態1における草刈機のコレクタの後下部が障害物に当たっている状態を示す左側面構成図
【図15】本発明にかかる実施の形態1における草刈機の変形例を示す左側面構成図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明にかかる実施の形態における草刈機について説明する。
【0026】
(実施の形態1)
以下に、本発明にかかる実施の形態1における草刈機について説明する。
【0027】
図1は、本実施の形態1の草刈機100の側面構成図である。尚、本明細書において、前方向とは、草を刈る際の進行方向(矢印A参照)を前方向として示し、左右方向とは、草刈機を正面(前側)から見た場合の方向を示す。
【0028】
図1に示すように、本実施の形態1の草刈機100は、乗用型の草刈機であり、作業者が乗る草刈機本体2と、草刈機本体2の後部に設けられ、刈り取られた草が集められるコレクタ9とを備えている。本実施の形態1の草刈機100では、草刈機本体2の下部に設けられた草刈用のモーア1によって刈り取られた草が後部のコレクタ9へと送られ、刈り取られた草が集められる。
【0029】
はじめに、草刈機本体2の構成について説明する。
【0030】
草刈機本体2は、4輪であり、2つの前輪10及び2つの後輪6を有している。そして、草刈機本体2には、前輪10を操作するハンドル11、作業者が乗る運転席12、車輪を駆動するエンジン13、運転席12のフロア14が設けられている。
【0031】
図2は、草刈機本体2のフロア14及びコレクタ9を取り外した状態の平面図である。図3は、図2の正面図である。図4は、図2の背面図である。
【0032】
図1〜4に示すように、フロア14の下側には、エンジン13の出力を取り出すために前後方向にわたって動力取り出し軸15が設けられている。この動力取り出し軸15は、伝動ベルト16を介して、モーア1に動力を入力するための入力軸17と連結している。
【0033】
一方、モーア1は、モーアデッキ3と、その左右両端部に設けられたブレード軸18と、それぞれのブレード軸18に固定され、縦軸芯に回転するブレード19とを有しており、上記入力軸17に伝達された動力によってブレード軸18が回転し、左右のブレード19が回転する。尚、この左右のブレード19は、互いに逆回転し、効率良く草が刈り取られる。
【0034】
また、動力取り出し軸15の後側に連結された走行伝動軸20が設けられており、走行伝動軸20の動力は、伝動ケース21、及び油圧式の無段変速装置(HST)22を経て後輪6に伝達され、後輪6が駆動する。
【0035】
モーアデッキ3の中央後側には、集草口5が形成されており、集草口5は左右の後輪6間のダクト7を経てリヤフレーム8に取り付けられるコレクタ9に連通している。
【0036】
次に、コレクタ9の構成について説明する。
【0037】
図5は、草刈機100の後部の左側面構成図である。又、図6は、コレクタ9の斜視構成図である。
【0038】
図5及び図6に示すように、コレクタ9は、草が集められる略箱形状の容器部91と、容器部91の上側に配置されたカバー部92とを備えている。このカバー部92の上側には前後2箇所に把手93a、93bが設けられている。また、容器部91は、ネットフレーム26によって箱形状に形成されており、上下面、左右面、及び後面を通風性ネットNで囲われている。コレクタ9の前面は通風性ネットNで覆われておらず、開口部Gが形成されている。又、図5に示す状態において、コレクタ9のネットフレーム26の後端下部には、側面視において角が形成されておらず、後面を構成する後面上下フレーム26aから底面を構成する底面前後フレーム26bに向けて斜めに形成された斜めフレーム26cが設けられている。また、コレクタ9の後面には、後面上下フレーム26aと通風性ネットNの間に、板状の可撓性弾性体97が着脱自在に設けられている。
【0039】
更に、図6に示すように、容器部91とカバー部92の間であって、前部の左右端近傍のそれぞれには、フック部94が設けられている。このフック部94は、上下に配置された上側突起部941及び下側突起部942を有しており、上側突起部941の方が、下側突起部942よりも前方に長く形成されており、上側突起部941の前部がカバー部92の前端92aから突出している。
【0040】
また、カバー部92と容器部91を固定する固定部材96が設けられており、固定部材96は、U字を上下逆にした形状であり、カバー部92の裏面に左右方向に渡って設けられたカバー取付部分961と、その両端から下方に向かって折り曲げられた容器取付部分962によって構成されている。固定部材96は、カバー取付部分961で、ボルト964によってカバー部92と固定されており、折り曲げられた容器取付部分962で、ボルト963によってネットフレーム26と固定されている。そして、この両端の折り曲げられた容器取付部分962に外側に向かって立設してピン95が形成されている。
【0041】
次に、上記コレクタ9を草刈機本体2に装着する構成について説明する。
【0042】
図7は、草刈機100の左側面における草刈機本体2の後部近傍図であるが、説明のためにカバー部92と草刈機本体2の後カバー201の側面部分を除き、模式的に示した図である。また、図7では、可撓性弾性体97及び通風性ネットNも省略されている。
【0043】
図7に示すように、草刈機本体2の後端部にはリヤフレーム8が設けられており、取付ブラケット23、回動プレート25及びコレクタ回動軸24を介してコレクタ9が装着されている。この取付ブラケット23は、リヤフレーム8に固定されており、その上部でコレクタ9の回動軸となる水平方向軸芯のコレクタ回動軸24を支持する。
【0044】
図8は、本実施の形態の草刈機100の右側面における草刈機本体2の後部近傍を示す斜視図である。図8に示すように右側面のリヤフレーム8には、左側面の取付ブラケット23に対応する取付ブラケット230が設けられている。この取付ブラケット230と上記取付ブラケット23の上部で回転可能にコレクタ回動軸24が回動可能に支持されている。また、左側面の回動プレート25に対応する回動プレート250も設けられている。回動プレート25、250は、コレクタ回動軸24に固定されており、コレクタ回動軸24の回動とともに、回動プレート25、250も一体的に回動する。尚、コレクタ回動軸24は、取付ブラケット23、230に固定されており、回動プレート25、250のみ回動する構成としてもよい。
【0045】
また、回動プレート25、250の後端部分には、上に向かって開いた凹部251が形成されている。そして、上記コレクタ9のフック部94の上側突起部941及び下側突起部942の間にコレクタ回動軸24を挟み、ピン95を凹部251に嵌め込むことによって、コレクタ9は草刈機本体2に装着される。
【0046】
更に、図8に示すように、リヤフレーム8の上部には、排草用の掃除棒を収納することが出来る掃除棒収納穴300が形成されている。尚、図8では、図を見やすくするためフック部94及びピン95等は図示していない。
【0047】
尚、図1及び図7に示すようにコレクタ9が配置されている状態において、草刈が行われ、モーア1によって刈り取られた草がダクト7、及び開口部Gを経由してコレクタ9内に収容される。この草を刈る際のコレクタ9の位置を集草位置と呼ぶ。すなわち、この集草位置では、コレクタ9は、その開口部Gが地面に対して実質上垂直になるように配置されている。ここで、実質上垂直とは、厳密な意味で垂直ではなく、ようするに草を集めることが出来る程度の範囲で垂直であることを示している。
【0048】
また、このようにしてコレクタ9内に収容された草は、コレクタ9を、コレクタ回動軸24を中心にして回動させて排出される。図9は、草を排出させている状態を示す草刈機の左側面構成図である。この草を排出させている状態のコレクタ9の位置を排出位置と呼ぶ。この排出位置では、コレクタ9は、その開口部Gが地面に対して実質上水平になるように配置されている。ここで、実質上水平とは、厳密な意味で垂直ではなく、ようするに草を排出することが出来る程度の範囲で水平であることを示している。尚、この際、モーア1は地面から上方に離脱されている。
【0049】
次に、コレクタ9を集草位置に固定する機構について説明する。
【0050】
図10は、草刈機本体2の後端近傍の側面構成図である。本実施の形態では、取付ブラケット23の下方にロック機構40が設けられている。このロック機構40は、リヤフレーム8に、締付ボルト44によって支持されたフックプレート43を有しており、フックプレート43は、締付ボルト44を支持軸として前後方向に回動可能に構成されている。尚、フックプレート43には、前後方向に長穴45が形成されており、長穴45に調整ボルト46を挿通して、リヤフレーム8に対してフックプレート43の前後の角度を調整して固定出来る構成が用いられている。
【0051】
このフックプレート43の下端部にロックフック48が設けられており、ロックフック48はフック軸47によって上下回動可能に支持されている。一方、コレクタ9の下部前方のネットフレーム26には、ロックピン50が設けられており、ロックフック48をロックピン50に引っ掛けることにより、コレクタ9がコレクタ回動軸24を中心として回動することを規制し、コレクタ9を集草位置に固定することが出来る。
【0052】
次に、コレクタ9の集草位置における固定を解除する機構について説明する。
【0053】
図7に示すように、コレクタ9の左側の前部には、コレクタ9の回動操作を行うための回動操作レバー30と、回動操作レバー30を、その長手方向に摺動可能に保持する保持パイプ31が設けられている。回動操作レバー30は、コレクタ9が集草位置にある場合において、上下方向に摺動可能に配置されており、図10に示すように、その下端部にはレバー径よりも大きい径の係合リング32が設けられている。
【0054】
取付ブラケット23には、支持軸41を軸として上下回動可能な揺動アーム51が設けられている。この揺動アーム51は、支持軸41に装着される揺動アーム本体51aと、揺動アーム本体51aの後端部に連結される係合レバー51bから構成されている。この係合レバー51bは、レバーピン53を軸として上下方向に回動可能に構成されている。そして、係合レバー51bのレバーピン53より前側と、その下方の取付ブラケット23の部分とを連結する復帰スプリング54が設けられており、この復帰スプリング54によって、係合レバー51bの後端側が上方に付勢される。また、係合レバー51bの後端側の上方への付勢を停止するストッパー55が揺動アーム本体51aの内側に設けられており、係合レバー51bがストッパー55に当接する状態では、復帰スプリング54の付勢力によって、揺動アーム本体51aと係合レバー51bが一体的に支持軸41を軸として下方に引っ張られる。尚、揺動アーム51が一定以上の下方に回動するのを規制するためのストッパー60が、揺動アーム本体51aの下側に設けられている。
【0055】
係合レバー51bは、後端側が2つの部材に分かれており、その分かれた部分の幅は、回動操作レバー30のレバー杆部30aの直径より広く、係合リング32の直径よりは狭く形成されている。
【0056】
そして、係合レバー51bの位置が、回動操作レバー30の係合リング32よりも上であり、回動操作レバー30の左右両脇を挟む状態において、回動操作レバー30を引き上げて係合レバー51bに係合リング32を係合すると、復帰スプリング54とストッパー55によって一体化された揺動アーム本体51aと係合レバー51bは、支持軸41を中心に上方に回動する。
【0057】
上記揺動アーム51と上記ロックフック48とを連結するためのリンクロッド59が設けられている。このリンクロッド59は、揺動アーム本体51a側の連結ピン56に回動自在に連結された連結ボス57と、ロックフック48側の連結ピン49に回動自在に連結された連結ボス58との間を連結することによって、揺動アーム51とロックフック48の間を連結している。このような構成によって揺動アーム51が支持軸41を軸として上下に回動することによって、ロックフック48がフック軸47を軸として上下に回動し、ロックフック48がコレクタ9側のロックピン50に係合又は離脱する。
【0058】
次に、コレクタ9を集草位置から排出位置へと回動させる構成について説明する。
【0059】
図7に示すように、取付ブラケット23の後端下部と、回動プレート25とを連結するためのダンパー65が設けられている。このダンパー65の両端は、取付ブラケット23に形成されているピン66と回動プレート25に形成されているピン67に取り付けられている。ダンパー65はコレクタ9の回動に伴い伸縮し、コレクタ9を上方向(図中矢印B方向)に付勢している。
【0060】
このダンパー65の付勢力によって、ロックフック48がロックピン50から離脱すると、コレクタ9はコレクタ回動軸24を中心として上方に回動することになる。
【0061】
次に、コレクタ9を集草位置近傍の位置(保持位置とよぶ)に固定する構成について説明する。
【0062】
図10に示すように、ダンパー65の付勢力に対抗して、コレクタ9を保持位置に保持する保持部材110が設けられている。この保持部材110は、ワイヤー111と、そのワイヤー111の両端に設けられた連結部112とから構成されている。この連結部112は、それぞれ輪状部分を有している。コレクタ9が集草位置にある状態において、保持パイプ31の下端よりも上方のリヤフレーム8には、ピン81が設けられており、このピン81に保持部材110の一方の連結部112の輪状部が嵌められることによって、保持部材110は、ピン81を中心として回動自在に取り付けられている。
【0063】
一方、保持パイプ31の下端近傍にピン301が設けられており、このピン301に保持部材110の他方の連結部112が着脱自在に嵌め込まれる。
【0064】
詳しくは、図11において後述するが、ピン301に保持部材110の他方の連結部112を嵌めることによって、保持パイプ31とリヤフレーム8が連結され、ロックを解除した場合であってもコレクタ9を保持位置に保持することが出来る。
【0065】
尚、本発明の固定機構の一例は、本実施の形態のフック軸47、ロックフック48及びロックピン50に相当し、本発明の固定解除機構の一例は、本実施の形態の回動操作レバー30、その係合リング32、保持パイプ31、支持軸41、係合レバー51b、揺動アーム本体51a、ストッパー55,復帰スプリング54、連結ピン49、56、連結ボス57、58、リンクロッド59、及びストッパー60に相当する。本発明の上昇部の一例は、本実施の形態のダンパー65に相当し、本発明の保持部材の一例は、本実施の形態の保持部材110に相当する。本発明の支持部の一例は、本実施の形態のコレクタ回動軸24及び回動プレート25、250に相当する。また、本発明の固定ピンの一例は、本実施の形態のロックピン50に相当し、本発明の係合部材の一例は、本実施の形態のロックフック48に相当する。本発明の固定解除カムの一例は、本実施の形態の揺動アーム51に相当し、本発明の固定解除レバーの一例は、本実施の形態の回動操作レバー30に相当する。本発明の草刈機本体の支持部以外の草刈機本体部分の一例は、本実施の形態では、草刈機本体2のコレクタ回動軸24及び回動プレート25、250を除いた部分に相当する。
【0066】
次に、本実施の形態の草刈機の動作について説明する。
【0067】
図1に示すように、本実施の形態1の草刈機100は、コレクタ9が集草位置に配置されている状態において、モーア1のブレード19の回転により、草を刈り取ると共に、送風を発生させ、刈り取った草をダクト7、開口部Gを経由してコレクタ9内に排出して収容する。そして、草を搬送した送風は、通風性ネットNから排風される。
【0068】
そして、刈り取った草をコレクタ9から排出する際には、ロックピン50に係合しているロックフック48を外すために、作業者によって回動操作レバー30が保持パイプ31に沿って上方へと引き上げられる(図7中矢印C参照)。尚、コレクタ9が集草位置に配置されている状態において、回動操作レバー30は、作業者によって把持されていない場合、下方にスライドすることになり、その下端がロックフック48に当接して停止する。この停止位置を初期位置とする。
【0069】
図7を参照しながら説明すると、保持パイプ31が上方へ引き上げられると、係合リング32が係合レバー51bの後部下端に当接し、係合レバー51bを共に引き上げる。すると、揺動アーム51は、係合レバー51bと一体的に支持軸41を中心として上方に回動(矢印D参照)し、リンクロッド59も上方へと移動する。リンクロッド59の上方(矢印E参照)への移動によって、ロックフック48がフック軸47を中心として上方向(矢印F参照)に回動し、ロックピン50との係合が外れ、ロックが解除される。
【0070】
このロックの解除がされると、ダンパー65の付勢力によって、自動的にコレクタ9がコレクタ回動軸24を中心として上方へと回動する(矢印L参照)。
【0071】
図11は、図7に対してコレクタ9が集草位置から排出位置へと移動した状態を示す図である。図11に示すように、コレクタ9が上方へと回動し、その開口部Gが地面に対して実質上水平になる排出位置に移動することで、草が下方に落下し、排出される。
【0072】
尚、ロックの解除によって、回動操作レバー30も回動し、係合リング32が係合レバー51bから外れる。すると、係合レバー51bと揺動アーム本体51aは、支持軸41を中心として復帰スプリング54の付勢力によって下方向に回動し、それに伴いリンクロッド59が下側に引かれ、ロックフック48がロック位置へと戻ることになる。このように、ロックフック48が、ロックピン50に係合していない状態で、ロック位置に配置されている状態を待機状態という。
【0073】
次に、コレクタ9を集草位置に戻す動作について説明する。
【0074】
コレクタ9を排出位置から集草位置へと戻すときは、回動操作レバー30の上部を後側へ回動動作させる(図11中矢印H参照)か、コレクタ9を持ち下方に回動させる。コレクタ9がコレクタ回動軸24を中心にして下方に回動し、集草位置までくると、ロック位置で待機しているロックフック48がロック解除方向(図7中矢印F参照)に退避動作しながらロックピン50と係合し、ロック状態となり、コレクタ9は、集草位置に固定される。そして、作業者が回動操作レバー30を押し下げると、回動操作レバー30は、その下端がロックフック48に当接して初期位置に戻る。
【0075】
尚、回動操作レバー30を矢印H方向に回動して、コレクタ9を集草位置に戻す際、回動操作レバーのレバー杆部30aが係合レバー51bの間に進入するが、回動操作レバー30の引き上げが大きい場合は、係合レバー51bの上側に係合リング32が位置することになる。このような場合には、回動操作レバー30を下方にスライドさせると、係合レバー51bは係合リング32に押されてレバーピン53を中心として下方に回動して退避し、回動操作レバー30は初期位置へと戻ることが出来る(図10参照)。
【0076】
次に、コレクタ9を草刈機本体2から取り外す動作について説明するとともに、本発明の草刈機のコレクタ取り外し方法の一例についても述べる。
【0077】
はじめに、図5に示す保持部材110の下方側の連結部112が、保持パイプ31に形成されているピン301に嵌め込まれ、リヤフレーム8と、保持パイプ31が連結される。このように連結する動作が、本発明の保持準備ステップの一例に相当する。
【0078】
そして、リヤフレーム8と保持パイプ31とを連結した状態で、回動操作レバー30が上方に引き上げられ、ロックフック48のロックピン50との係合が解除される。すると、ダンパー65の付勢力によって、コレクタ9はコレクタ回動軸24を中心にして上方に回動をはじめるが、リヤフレーム8と保持パイプ31が連結されているため、保持部材110が延びきった時点でコレクタ9の上方への回動は停止する。この係合を解除する動作が、本発明の固定解除ステップの一例に相当する。
【0079】
図12は、保持部材110によって、コレクタ9の上方への回動が停止した状態が示されている。このように、ロックフック48によるロックが解除された状態で、コレクタ9は集草位置の近傍の保持位置に保持されることになる。
【0080】
図13(a)〜(c)は、コレクタ9を取り外す動作を説明するための模式図である。図13(a)は、図12に示すようにコレクタ9が保持位置に配置されている状態におけるコレクタ9の装着状態を示している。この図13(a)に示す状態から、作業者が把手93a、93bを持ち、コレクタ回動軸24を支点にして、コレクタ9の後側を持ち上げる(矢印J参照)ことによって、図13(b)に示すように、コレクタ9の上部側面に形成されたピン95を、回動プレート25の凹部251の上方へ移動させる。そして、その状態でコレクタ9を後方へ移動(矢印K参照)させることによって、図13(c)に示すように、ピン95を凹部251から離脱させることが出来る。
【0081】
その後、フック部94の上側突起部941及び下側突起部942に沿うように、コレクタ9を後方に移動させることによって、コレクタ回動軸24からフック部94を離脱させる(矢印K参照)。この図13(a)〜(c)に示す動作が、本発明の取り外しステップの一例に相当する。尚、集草位置から保持位置へ回動する角度は、保持部材110の長さ及び取付位置によって決まるが、出来るだけ回動する角度が小さい方が、コレクタ9を取り外しやすいため好ましい。
【0082】
以上のように、コレクタ9の後側を一端上方に持ち上げることによってピン95を凹部251から離脱させ、その後、コレクタ9を後方に移動させることによって、コレクタ9を草刈機本体2から取り外すことが出来る。
【0083】
そして、コレクタ9及び草刈機本体2の後部のメンテナンスを行った後、コレクタ9を草刈機本体2に装着する場合には、フック部94をコレクタ回動軸24に嵌め込みながら、コレクタ9の後端部が持ち上げられ、ピン95が凹部251に嵌め込まれる。その後、回動操作レバー30又はコレクタ9の後部分を把持し、コレクタ9を下方に回動させて、ロックピン50にロックフック48を係合させることによって、コレクタ9が集草位置へと戻される。コレクタ9を集草位置へと戻した後に、保持部材110の連結部112とピン301の連結が解除される。尚、このように、コレクタ9を集草位置に戻してから保持部材110の連結を解除するのは、連結部材110が延びきった状態では、連結を解除し難いためである。
【0084】
以下に、本実施の形態の草刈機の効果について説明する。
【0085】
例えば、保持部材110を備えていない状態において、コレクタ9を草刈機本体2から取り外すそうとして、ロックフック48とロックピン50の係合を解除すると、ダンパー65の付勢力によってコレクタ9は上方に回動し、排出位置まで移動することになる。このようにコレクタ9が排出位置に移動した状態で、凹部251からピン95を離脱させるためには、作業者が自らの力によってコレクタ9を更に回動させねばならない。その後、コレクタ回転軸24からフック部94を抜いてコレクタ9を取り外すためには、コレクタ9を上方に引き抜かなければならず、コレクタ9を取り外すことは非常に困難であった。
【0086】
しかしながら、本実施の形態の草刈機では、保持部材110を備えていることにより、ロックフック48とロックピン50の係合を解除した状態で、コレクタ9を集草位置近傍の位置に保持することが出来るため、容易にコレクタ9を草刈機本体2から着脱することが可能となる。
【0087】
本実施の形態では、従来の特許文献2のように電磁シリンダなどを用いない簡易な構造であるため、コストを安くすることが出来る。
【0088】
保持部材110がリヤフレーム8の上部と保持パイプ31の下部を連結しているため、ケーブルの長さを短くすることが出来る。また、作業者が見やすい位置に保持部材110が設けられているため操作しやすい。
【0089】
本実施の形態では、上記図6等に示すように、フック部94の上側突起部941がカバー部92の前端92aよりも突出していることにより、フック部94が見やすく、コレクタ回動軸24を挟むようにフック部94を移動させやすくなるため、コレクタ9を草刈機本体2に取り付けやすくなる。
【0090】
また、本実施の形態では、図12に示すように、コレクタ9を保持位置に配置している状態において、後側に配置されている把手93bの上端部がカバー部92の後端92bよりも高くなるように構成されている。このような構成により、作業者が把手93bを把持しやすくなる。本実施の形態では、前側に配置されている把手93aの上端部もカバー部92の後端92bよりも高くなっており、把手93a、93bを作業者がより把持しやすくなっている。
【0091】
コレクタ9の後面に可撓性弾性体97が設けられていることにより、モーア1によって刈り取られた草及び飛散物を可撓性弾性体97によって受け止めるため、通風性ネットNの破損を防止することが出来る。
【0092】
更に、本実施の形態では、コレクタ9のネットフレーム26の後端下部に角を形成していないため、図14に示すように後方の障害物に当たっても、可撓性弾性体97が曲がるため、摩擦等による通風性ネットNの破損の防止を低減することが出来る。
【0093】
又、本実施の形態では、排草用の掃除棒を収納する掃除棒収納穴300を備えていることにより、掃除棒などを落としたりすることがなく、掃除棒をフロア14などに置く必要がないので外観をすっきりとまとめることが出来る。
【0094】
尚、本実施の形態では、保持部材110は、一端がリヤフレーム8にピン81によって回動自在に固定されており、他端を保持パイプ31のピン301に嵌め込むことによって連結させる構成となっているが、その逆であってもよく、ピン301側に回動自在に固定され、連結時にピン81に嵌め込む構成としてもよい。更に、保持部材110がピン81、301のどちらにも固定されておらず、リヤフレーム8と保持パイプ31を連結する際に、双方のピン81、301に嵌め込んでも良い。
【0095】
又、本発明の上昇部の一例は、本実施の形態のダンパー65に相当し、本実施の形態では、押圧することによりコレクタ9を上方に回動する押圧タイプのダンパーが用いられていたが、引っ張りタイプのダンパーが用いられても良い。
【0096】
尚、本実施の形態では、保持部材110は、ワイヤー111の両端に連結部112が設けられた構成であるが、ワイヤーよりも弾性を有するケーブルを用いて、その両端に連結部が設けられた構成であってもよい。更に、ケーブルに限らなくても良く、例えば金属性の棒状の部材であってもよい。
【0097】
又、本実施の形態では、保持部材110は、リヤフレーム8の上部と保持パイプ31の下部とを連結しているが、この場所に限らなくても良い。例えば、図15に示すように、ダンパー65が取り付けられている取付ブラケット23の部分の近傍と、ダンパー65の上方向に移動する部分65aとを連結しても良い。要するに、保持部材110は、一端が草刈機本体2の回動しない部分に連結され、他端が草刈機本体2の上方に回動又は移動する部分に連結されるように取り付けられればよい。
【0098】
また、図15に示すように、保持部材110の一端が保持パイプ31に連結されていない場合には、保持パイプ31は、草刈機本体2の回動プレート25、250及びコレクタ回転軸24以外の部分(例えば、取付ブラケット23等)に取り付けられていても良い。この場合、回動操作レバー30は、ロックフック48とロックピン50の固定を解除する機能だけ有し、コレクタ9を回動させる操作レバーとしての機能を有していないが、例えば、コレクタ9を排出位置から集草位置へと戻す際には、コレクタ9の後部分を把持してコレクタ9を下方に回動させることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明の草刈機及び草刈機のコレクタの取り外し方法によれば、簡易な構成でコレクタを取り外し易いという効果を発揮し、乗用の芝刈り機などとして有用である。
【符号の説明】
【0100】
1 モーア
2 草刈機本体
6 後輪
7 ダクト
8 リヤフレーム
9 コレクタ
10 前輪
23 取付ブラケット
24 コレクタ回動軸
25 回動プレート
26 ネットフレーム
30 回動操作レバー
31 保持パイプ
32 係合リング
40 ロック機構
41 支持軸
43 フックプレート
44 締付ボルト
45 長穴
46 調整ボルト
47 フック軸
48 ロックフック
49、56 連結ピン
50 ロックピン
51 揺動アーム
53 レバーピン
54 復帰スプリング
55 ストッパー
57、58 連結ボス
59 リンクロッド
60 ストッパー
65 ダンパー
91 容器部
92 カバー部
93a、93b 把手
94 フック部
95 ピン
96 固定部材
100 草刈機
110 保持部材
111 ワイヤー
112 連結部
201 後カバー
230 取付ブラケット
250 回動プレート
251 凹部
300 掃除棒収納穴
301 ピン
941 上側突起部
942 下側突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
草刈機本体と、前記草刈機本体の後部に取り外し可能に設けられ、刈られた草が集められるコレクタとを備えた草刈機であって、
草を刈る際に、前記コレクタを、草を集めるための集草位置に固定するための固定機構と、
前記固定を解除する固定解除機構と、
前記固定を解除した際に、前記コレクタを、前記集草位置から、集めた草を排出するための排出位置へと上昇させるための上昇部と、
前記固定を解除した際に、前記上昇に対抗して、前記コレクタを前記集草位置の近傍の保持位置に保持可能な保持部材とを備え、
前記固定を解除した状態で、前記コレクタは前記草刈機本体の後部から取り外し可能に構成されている、草刈機。
【請求項2】
前記草刈機本体は、その後端に連結された支持部を有し、
前記コレクタは、前記支持部に着脱自在に支持され、
前記上昇部は、前記支持部を上昇移動させることにより、前記コレクタを前記排出位置へ上昇移動させ、
前記保持部材は、前記草刈機本体の前記支持部以外の草刈機本体部分と前記支持部の間を連結することによって、前記コレクタを前記保持位置に保持し、
前記保持部材の前記草刈機本体部分との連結、及び前記保持部材の前記支持部との連結の少なくとも一方は着脱可能である、請求項1記載の草刈機。
【請求項3】
前記コレクタは、草を出入りさせるための開口部を有し、
前記集草位置は、前記開口部が地面に対して実質上垂直に配置される位置であり、
前記排出位置は、前記開口部が地面に対して実質上水平に配置される位置であり、
前記保持位置は、前記開口部が地面に対して、前記保持部材で決まる所定量傾いた位置であり、
前記支持部は、前記コレクタを支持しながら前記草刈機本体部分側の横軸芯を中心として前記上昇部によって上昇回動されて移動する、請求項2記載の草刈機。
【請求項4】
前記横軸芯は、前記草刈機本体部分の後部の上方に設けられており、
前記固定機構は、前記草刈機本体の後部の下方に設けられており、前記コレクタの側面に設けられた固定ピンと、前記草刈機本体部分に設けられた前記固定ピンと係合する係合部材とを有し、
前記固定解除機構は、前記係合部材と連動する固定解除カムと、前記固定解除カムを動作させるための固定解除レバーと、前記固定解除レバーを摺動可能に保持する保持パイプを有し、
前記保持パイプは、前記支持部に取り付けられており、
前記固定ピンと前記係合部の間の固定は、前記固定解除レバーを上方向に移動させ、前記固定解除レバーによって前記固定解除カムを動作させることにより、前記係合部材が、前記固定ピンから外れて解除され、
前記保持部材の一端は、前記固定機構の上方の前記草刈機本体部分のフレームに取り付けられており、
前記保持部材の他端は、前記保持パイプの下部に着脱可能に取り付けられており、
前記保持パイプは、前記草刈機本体部分の上方よりに設けられている、請求項3記載の草刈機。
【請求項5】
前記横軸芯の回動軸は、前記支持部側に固定されており、
前記コレクタは、草を集める容器部と、前記集草位置において前記容器部の上側に配置されたカバー部と、前記容器部と前記カバー部の間に設けられたフック部を有し、
前記フック部は、前記支持部に前記コレクタが装着された際、前記回動軸を挟むように形成されており、
前記コレクタは、前記支持部が回動する際、前記フック部により前記回動軸を中心にして回動し、
前記フック部の先端は、前記カバー部の端から突出している、請求項3記載の草刈機。
【請求項6】
前記コレクタは、草を集める容器部と、前記集草位置において前記容器部の上側に配置されたカバー部と、前記カバー部の上側に配置された把手とを有し、
前記固定を解除した際に、前記保持位置において、前記把手の上端部の方が、前記カバー部の後端よりも高く位置するように構成されている、請求項3記載の草刈機。
【請求項7】
草刈機から前記コレクタを取り外す、草刈機のコレクタ取り外し方法であって、
前記草刈機は、
草を刈る際に、コレクタを、草を集めるための集草位置に固定するための固定機構と、
前記固定を解除する固定解除機構と、
前記固定を解除した際に、前記コレクタを、前記集草位置から、集めた草を排出するための排出位置へと上昇させるための上昇部と、
前記固定を解除した際に、前記上昇に対抗して、前記コレクタを前記集草位置の近傍の保持位置に保持可能な保持部材とを備え、
前記固定を解除した状態で、前記コレクタは草刈機本体の後部から取り外し可能に構成されており、
前記固定状態において、前記保持部材をセットする保持準備ステップと、
前記固定を解除する固定解除ステップと、
前記コレクタを前記草刈機本体から取り外す取り外しステップとを備えた、草刈機のコレクタ取り外し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−85588(P2012−85588A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235717(P2010−235717)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】