説明

蓄熱体及び蓄熱体の加熱システム

【課題】長時間に亘って所定温度を維持することができ、しかも蓄熱作業を短時間で手間をかけずに行うことのできる蓄熱体及び蓄熱体の加熱システムを提供する。
【解決手段】蓄熱体10に粉状の蓄熱材11を設けるとともに、蓄熱材11の各粉粒11aをコア材11bとカプセル部材11cとから構成し、コア材11bは所定温度で固相から液相に相変化することから、蓄熱体10が長時間に亘って所定温度を維持することができる。また、各粉粒11aのカプセル部材11cの外側部材11eが電磁誘導によって加熱可能な金属材料から成るので、蓄熱体10の量に拘わらず、蓄熱体10の全体を電磁誘導によって短時間で加熱することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッションやカーペットの熱源、衣類や履物の熱源、保温器具の熱源、食材の加熱や保温を行う食器の熱源、建材の熱源などに用いられる蓄熱体及び蓄熱体の加熱システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の蓄熱体としては、粉状の蓄熱材を有しており、蓄熱材の各粉粒が、塩化マグネシウム・6水塩などの所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するプラスチック製のカプセル部材とから構成され、コア材が相変化する際の潜熱を利用して蓄熱することにより、長時間に亘って所定温度を維持できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)
また、この種の蓄熱体を有する保温器具としては、蓄熱体を収容する袋部材と、袋部材に接触するように設けられ、ニクロム線の発熱を利用して発熱するヒータと、蓄熱体及びヒータを覆うように設けられた断熱材とを備え、ヒータを電源に接続して蓄熱体を加熱し、蓄熱体に蓄えられた熱によって患部を温めるようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2007−021299号公報
【特許文献2】特開2001−129013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記保温器具では、蓄熱体を収容している袋部材がヒータに接触し、ヒータによって袋部材内の蓄熱体が加熱されるようになっているので、袋部材内においてヒータに近い側から蓄熱体が加熱される。ここで、コア材やカプセル部材は金属等のように熱伝導性の優れた材料ではないので、蓄熱体が全体に亘って加熱されるまでに長時間を要する。即ち、蓄熱作業に長時間を要するという問題点があった。
【0004】
また、前記保温器具では、一回の蓄熱作業で使用できる時間を長くするためには、袋部材内の蓄熱体の量を増加する必要があるが、蓄熱体の量を増加すると前記問題点がより顕著になる。
【0005】
さらに、前記保温器具では、ヒータを電源に接続して蓄熱作業を行うようになっているので、ヒータを電源に接続するためのコードが必要になるとともに、ヒータを電源に接続する作業が必要になり、蓄熱作業に手間がかかるという問題点があった。
【0006】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、長時間に亘って所定温度を維持することができ、しかも蓄熱作業を短時間で手間をかけずに行うことのできる蓄熱体及び蓄熱体の加熱システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、電磁誘導によって加熱可能な蓄熱体において、粉状の蓄熱材を備え、蓄熱材の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成し、蓄熱材の各粉粒のうち少なくとも一部の粉粒のコア材及び/またはカプセル部材が電磁誘導によって加熱可能な金属を有している。
【0008】
これにより、蓄熱材の各粉粒はコア材とカプセル部材とから構成されており、コア材は所定温度で固相から液相に相変化することから、蓄熱材の各粉粒のコア材が液相になるまで熱が加えられると、各粉粒はコア材が相変化する所定温度に長時間に亘って保持される。また、各粉粒のうち少なくとも一部の粉粒のコア材及び/またはカプセル部材が電磁誘導によって加熱可能な金属を有することから、電磁誘導を用いた加熱手段によって高周波で磁束が変化する磁力線を加えると、前記少なくとも一部の粉粒に誘導電流が流れ、その粉粒がジュール熱によって加熱される。即ち、蓄熱体の量に拘わらず、蓄熱体の全体を短時間で加熱することができる。また、電磁誘導を用いた加熱手段によって加熱可能であることから、蓄熱体を加熱するために別途ヒータを設けてそのヒータを電源に接続する必要がない。
【0009】
また、本発明は、電磁誘導によって加熱可能な蓄熱体において、粉状の蓄熱材と、蓄熱材内に混在する電磁誘導によって加熱可能な複数の金属粒とを備え、蓄熱材の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成している。
【0010】
これにより、蓄熱材の各粉粒はコア材とカプセル部材とから構成されており、コア材は所定温度で固相から液相に相変化することから、蓄熱材の各粉粒のコア材が液相になるまで熱が加えられると、各粉粒はコア材が相変化する所定温度に長時間に亘って保持される。また、電磁誘導によって加熱可能な複数の金属粒が蓄熱材内に混在することから、電磁誘導を用いた加熱手段によって高周波で磁束が変化する磁力線を加えると、各金属粒に誘導電流が流れ、各金属粒がジュール熱によって加熱される。即ち、蓄熱体の量に拘わらず、蓄熱体の全体を短時間で加熱することができる。また、電磁誘導を用いた加熱手段によって加熱可能であることから、蓄熱体を加熱するために別途ヒータを設けてそのヒータを電源に接続する必要がない。
【0011】
また、本発明は、任意の器具内に設けられた蓄熱体を電磁誘導によって加熱する蓄熱体の加熱システムにおいて、前記蓄熱体を電磁誘導によって加熱可能な加熱用コイルと、前記任意の器具に設けられ、蓄熱体の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段による検出温度に基づいて加熱用コイルに通電させる電流量を制御する制御手段とを備えている。
【0012】
これにより、任意の器具にもうけられた温度検出手段によって蓄熱体の温度が検出されることから、任意の器具とは別の機器に温度検出手段が設けられ、その温度検出手段によって任意の器具内に設けられた蓄熱体の温度を測定する場合と比較し、蓄熱体の温度を容易且つ確実に検出することができ、その検出温度に基づいて加熱用コイルに通電させる電流量を制御することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の蓄熱体では、各粉粒はコア材が相変化する所定温度に長時間に亘って保持されるので、長時間に亘って所定温度を維持することができる。また、蓄熱体の量に拘わらず、蓄熱体の全体を短時間で加熱することができ、さらに、蓄熱体を加熱するために別途ヒータを設けてそのヒータを電源に接続する必要がないので、蓄熱作業を短時間で手間をかけずに行うことができ、例えば蓄熱体を備えたクッションをスポーツ観戦の際に貸出す場合は、貸出しするクッションの蓄熱作業を手間をかけずに短時間で行うことができる。
【0014】
また、本発明の蓄熱体の加熱システムは、任意の器具内に設けられた蓄熱体の温度を容易且つ確実に検出することができるので、例えば蓄熱体を備えたクッションをスポーツ観戦の際に貸出す場合は、貸出しするクッションの蓄熱体の温度管理を容易且つ確実に行うことができ、蓄熱作業の時間短縮及びクッションの耐久性向上を図る上で極めて有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1乃至図4は本発明の第1実施形態を示すもので、図1は蓄熱体を構成する粉粒の断面図、図2は蓄熱体を備えたクッションの断面図、図3は電磁誘導加熱装置のブロック図、図4は電磁誘導加熱装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
【0016】
本実施形態の蓄熱体10は粉状の蓄熱材11と金属部材12とから構成されている。また、蓄熱材11の各粉粒11aは、例えば40℃で固相から液相に相変化するコア材11bと、コア材11bを収容するカプセル部材11cとから構成されている。蓄熱材11の各粉粒11aの粒径は数μm乃至数mmであり、数μm乃至数百μmのものが好ましい。
【0017】
コア材11bの例としては、塩化マグネシウム・6水塩、酢酸ナトリウム・3水塩、硝酸マグネシウム・2水塩等の無機化合物系のものや、パラフィンやステアリン酸等の有機化合物系のものが挙げられる。カプセル部材11cは、コア材11bを収容するように形成された内側部材11dと、内側部材11dを覆うように形成された外側部材11eとを有する。内側部材11dはメラミン、ナイロン等のプラスチック材料から成り、外側部材11eは金属材料から成る。
【0018】
コア材11bを内側部材11dで収容したものの例としては、三菱製紙株式会社製のサーモメモリー(商標)が挙げられる。即ち、本実施形態の蓄熱体10の蓄熱材11を構成する各粉粒11aは、コア材11bを収容した内側部材11d(例えばサーモメモリー)が外側部材11eで覆われることにより形成されている。
【0019】
また、コア材11bを収容した内側部材11dの表面に全面に亘って金属めっきを施すことにより外側部材11eが形成されている。即ち、コア材11bを収容した複数の内側部材11dをバレル内に挿入するとともに、バレルをめっき浴中に浸漬し、電気めっきによってバレル内の内側部材11dの表面に金属めっきを施すことにより、内側部材11dの表面に外側部材11eが形成される。即ち、コア材11bを収容した内側部材11dの表面にバレルめっきによって外側部材11eを形成することができる。また、外側部材11eは電磁誘導によって加熱可能な金属材料から成る。電磁誘導によって加熱可能な金属材料としては鉄やニッケルなどが代表的であるが、近年の電磁誘導加熱装置の性能向上により、アルミニウムや銅なども電磁誘導によって加熱可能な金属材料に含まれるようになってきている。
【0020】
金属部材12は電磁誘導によって加熱可能な金属材料から成り、後述する電磁誘導加熱装置30の加熱用コイル31の径方向に延びるように形成されている。蓄熱体10が後述する電磁誘導加熱装置30によって加熱されると、蓄熱材11よりも金属部材12の方が早く温度上昇するように、金属部材12の材質及び形状が設定されている。尚、金属部材12は特許請求の範囲に記載した早期昇温部に相当する。
【0021】
本実施形態の蓄熱体10はクッション20内に熱源として設けられている。クッション20は、蓄熱体10と、蓄熱体10を収容している袋部材21と、袋部材21の下面に沿って延びるように設けられた反射部材22と、袋部材21及び
反射部材22を収容するように形成されたクッション本体23と、クッション本体23内に設けられ、蓄熱体10の金属部材12の温度を検出する接触式の温度センサ24と、クッション本体23内に設けられ、温度センサ24によって検出された検出温度Tを送信可能な周知の送信器25とを備えている。
【0022】
袋部材21は蓄熱体10を封入可能に形成されている。袋部材21を形成する材料の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の可撓性を有するプラスチック製シートや、電磁誘導によって加熱されない金属製フィルムや、電磁誘導によって加熱されない金属が表面に蒸着されたプラスチック製フィルムが挙げられる。袋部材21は前述のシートやフィルムを1枚または複数枚用いて蓄熱体10を封入している。
【0023】
反射部材22は蓄熱体10から生ずる輻射熱のうち下方に向かう輻射熱を上方に向かって反射するために設けられている。このため、蓄熱体10から生ずる熱が効率良くクッション20上の支持対象物に伝わる。反射部材22を形成する材料の例としては、電磁誘導によって加熱されない金属製フィルムや、電磁誘導によって加熱されない金属が表面に蒸着されたプラスチック製フィルムが挙げられる。
【0024】
クッション本体23を形成する材料の例としては、発泡ポリウレタン等の発泡素材や、ナイロン、ポリエステル、キュプラ、綿等の繊維材料が挙げられる。即ち、クッション本体23は可撓性を有しているので、クッション20は任意の支持対象物を軟らかく支持することができる。
【0025】
以上のように構成されたクッション20は電磁誘導加熱装置30によって加熱される。電磁誘導加熱装置30は、蓄熱体10を電磁誘導によって加熱可能な周知の加熱用コイル31と、加熱用コイル31に通電させる電流量を制御可能な周知のマイクロコンピュータから成る制御部32と、制御部32に接続され、クッション20の送信器25から送信される検出温度Tを受信可能な周知の受信器33と、制御部32に接続されたスタートボタン34とを有する。
【0026】
クッション20は、電磁誘導加熱装置30によって蓄熱材11の各粉粒11aの外側部材11eが加熱され、その熱が蓄熱材11の各粉粒11aのコア材11bによって蓄熱されるようになっている。
【0027】
例えば、クッション20を外気温が5℃の場所に放置しておくと、蓄熱体10も5℃となり、蓄熱材11の各粉粒11aのコア材11bが固相となる。この状態で、クッション20を電磁誘導加熱装置30上に載置し、電磁誘導加熱装置30の加熱用コイル31に高周波電流を通電すると、高周波で磁束が変化する磁力線が蓄熱体10に加わり、金属部材12に誘導電流が流れるとともに、各粉粒11aの外側部材11eに誘導電流が流れ、金属部材12及び各粉粒11aの外側部材11eがジュール熱によって加熱される。即ち、蓄熱体10の量に拘わらず、蓄熱体10の全体を短時間で加熱することができる。各粉粒11aの外側部材11eが加熱されると、その熱がコア材11bに加わり、コア材11bは40℃で固相から液相に相変化するとともに、固相から液相に相変化する際の潜熱を利用して蓄熱する。
【0028】
ここで、電磁誘導加熱装置30によって蓄熱体10の加熱を行う際には、蓄熱体10の温度が袋部材21の耐熱温度を超えないようにするとともに、蓄熱体10の温度がコア材11bの相変化温度である40℃以上になるようにする必要があるので、制御部32は蓄熱体10の温度に基づいて加熱用コイル31に通電させる電流量を制御するようになっている。この時の制御部32の動作について図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0029】
先ず、スタートボタン34が操作されると(S1)、加熱用コイル31に所定量の電流を通電させる(S2)。続いて、クッション20に設けられた送信器25から送信される温度センサ24の検出温度Tと低温側所定温度TL(コア材11bの相変化温度よりも高い温度)とを比較し、検出温度Tが低温側所定温度TL以上になり(S3)、スタートボタン34の操作から所定時間が経過していない状態で(S4)、クッション20に設けられた送信器25から送信される温度センサ24の検出温度Tと高温側所定温度TH(袋部材21の耐熱温度に応じた温度)とを比較し、検出温度Tが高温側所定温度TH以上になると(S5)、加熱用コイル31に通電させる電流を遮断する(S8)。また、スタートボタン34の操作から所定時間が経過せず(S4)、検出温度Tが高温側所定温度THよりも低い状態で(S5)、検出温度Tが低温側所定温度TL以下になると(S6)、加熱用コイル31に所定量の電流を通電させる(S7)。また、スタートボタン34の操作から所定時間が経過すると(S4)、加熱用コイル31に通電させる電流を遮断する(S9)。
【0030】
このように、本実施形態によれば、蓄熱体10に粉状の蓄熱材11を設けるとともに、蓄熱材11の各粉粒11aをコア材11bとカプセル部材11cとから構成し、コア材11bは40℃で固相から液相に相変化することから、蓄熱材11の各粉粒11aのコア材11bが液相になるまで熱が加えられると、各粉粒11aはコア材11bが相変化する40℃に長時間に亘って保持され、蓄熱体10が長時間に亘って所定温度を維持することができる。
【0031】
また、各粉粒11aのカプセル部材11cの外側部材11eが電磁誘導によって加熱可能な金属材料から成るので、電磁誘導加熱装置30によって高周波で磁束が変化する磁力線を加えると、各粉粒11aの外側部材11eに誘導電流が流れ、各粉粒11aの外側部材11eがジュール熱によって加熱される。即ち、蓄熱体10の量に拘わらず、蓄熱体10の全体を短時間で加熱することができる。さらに、蓄熱体10が電磁誘導加熱装置30によって加熱可能であり、蓄熱体10を加熱するために別途ヒータを設けてそのヒータを電源に接続する必要がないので、蓄熱作業を短時間で手間をかけずに行うことができる。従って、クッション20をスポーツ観戦の際に貸出す場合は、貸出しするクッション20の蓄熱作業を手間をかけずに短時間で行うことができる。
【0032】
また、蓄熱体10を電磁誘導によって加熱可能な加熱用コイル31と、クッション20に設けられ、蓄熱体10の温度を検出する温度センサ24と、温度センサ24による検出温度Tに基づいて加熱用コイル31に通電させる電流量を制御する制御部32とを備えているので、電磁誘導加熱装置30に温度センサが設けられ、その温度センサによってクッション20内に設けられた蓄熱体10の温度を測定する場合と比較し、蓄熱体10の温度を容易且つ確実に検出することができる。従って、蓄熱体10の温度をコア材11bの相変化温度よりも高い温度に維持しながら、蓄熱体10の温度を袋部材21の耐熱温度よりも高くならないように調整することができる。即ち、蓄熱体10の温度管理を容易且つ確実に行うことができ、蓄熱作業の時間短縮及びクッション20の耐久性向上を図る上で極めて有利である。
【0033】
また、クッション20に温度センサ24が設けられるとともに、クッション20に温度センサ24の検出温度を送信可能な送信器25が設けられ、電磁誘導加熱装置30には送信器25から送信される検出温度を受信可能な受信器33が設けられるとともに、制御部32は受信器33が受信した温度に基づいて加熱用コイル31に通電させる電流量を制御することから、クッション20内に設けられた蓄熱体10の温度を容易且つ確実に検出することができ、例えばスポーツ観戦用にクッション20の蓄熱作業を行う場合に、クッション20の蓄熱体10の温度を容易且つ確実に管理することができる。
【0034】
また、温度センサ24は接触式であることから、蓄熱体10の温度を正確に検出する上で極めて有利であり、クッション20の耐久性の向上を図る上でより有利である。
【0035】
また、蓄熱体10に他の部分よりも温度上昇の早い金属部材12を設け、温度センサ24によって金属部材12の温度を検出するようにしたので、例えば蓄熱体10の温度を袋部材21の耐熱温度よりも高くならないように調整する上で極めて有利である。
【0036】
尚、本実施形態では、温度センサ24が接触式であるものを示したが、温度センサ24が遠赤外線等を用いた非接触式のものであっても、前述と同様の効果を達成することが可能である。
【0037】
また、本実施形態では、カプセル部材11cを内側部材11dと外側部材11eとから構成し、外側部材11eを電磁誘導で加熱可能な金属材料から形成したものを示したが、カプセル部材11cの全体を電磁誘導によって加熱可能な金属材料から形成することも可能であり、コア材11bに電磁誘導によって加熱可能な金属粉を含ませることも可能であり、カプセル部材11cの全体をプラスチック材料から形成するとともに、コア材11bに電磁誘導によって加熱可能な金属粉を含ませることも可能である。さらに、カプセル部材11cの外側部材11eを金属材料から形成するとともに、コア材11bに金属粉を含ませる場合は、外側部材11e及び金属粉のうち何れか一方を電磁誘導によって加熱可能な金属材料から形成することも可能であり、両方とも電磁誘導によって加熱可能な金属材料から形成することも可能である。これらの場合でも、各粉粒11aが電磁誘導加熱装置30によって加熱されるので、蓄熱体10の量に拘わらず、蓄熱体10の全体を短時間で加熱することができる。
【0038】
また、本実施形態では、蓄熱体10に各粉粒11aから構成される蓄熱材11を設けたものを示したが、図5及び図6に示すように、蓄熱体10に各粉粒11aから構成される蓄熱材11と各粉粒13aから構成される他の蓄熱材13とを混在するように設けることも可能である。この場合、他の蓄熱材13の各粉粒13aはコア材13bとカプセル部材13cとから構成され、コア材13bは蓄熱材11のコア材11bと同等の構成を有している。また、カプセル部材13cはメラミン、ナイロン等のプラスチック材料から成り、コア材13bを収容するように形成されている。即ち、他の蓄熱材13の各粉粒13aは電磁誘導加熱装置30によって加熱されない。蓄熱材13の各粉粒13aの例としては三菱製紙株式会社製のサーモメモリー(商標)が挙げられる。このように、蓄熱材11の各粉粒11aと蓄熱材13の各粉粒13aとが混在している蓄熱体10をクッション20中に設けた場合でも、電磁誘導加熱装置30によって蓄熱材11の各粉粒11aの外側部材11eを加熱することができるので、蓄熱材11の各粉粒11aの熱が他の蓄熱材13の各粉粒13aにも伝わり、蓄熱体10の量に拘わらず、蓄熱体10の全体を短時間で加熱することができる。
【0039】
尚、本実施形態では、蓄熱材11の各粉粒11aの内側部材11dの表面にバレルめっきによって外側部材11eを形成するものを示したが、蓄熱材11の各粉粒11aの内側部材11dの表面に蒸着めっきによって外側部材11eを形成することも可能である。例えば、負圧にしためっき室中にコア材11bを収容した複数の内側部材11dを分散させるとともに、内側部材11dの表面に加熱蒸発させた金属を衝突させることにより、内側部材11dの表面に外側部材11eが形成される。また、その他の周知のめっき法によって内側部材11dの表面に外側部材11eを形成することも可能である。
【0040】
尚、本実施形態では、内側部材11dの表面の全面に単一の金属材料から成る金属めっきを施したものを示したが、図7に示すように、内側部材11dの表面の略半分に第1めっき層11fを形成するとともに、内側部材11dの表面の他の部分に第2めっき層11gを形成し、第1めっき層11fを電磁誘導によって加熱し易い例えば鉄やニッケル等の金属材料から形成するとともに、第2めっき層11gをアルミニウム等の電磁誘導によって加熱し難く、且つ鉄やニッケルよりも軽量で熱伝導性の良い金属材料から形成することも可能である。これにより、蓄熱材11の軽量化及び熱伝導性の向上を図ることができる。
【0041】
図8及び図10は本発明の第2実施形態を示すもので、図8は蓄熱材を構成する粉粒の断面図、図9は蓄熱体を備えたクッションの断面図、図10はクッションの要部断面図である。尚、第1実施形態と同等の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0042】
第2実施形態の蓄熱体40は、粉状の蓄熱材41と、蓄熱材41内に混在する電磁誘導によって加熱可能な複数の金属粒42と、第1実施形態と同様の金属部材12とから構成されている。また、蓄熱材41の各粉粒41aは、例えば40℃で固相から液相に相変化するコア材41bと、コア材41bを収容するカプセル部材41cとから構成されている。蓄熱材41の各粉粒41aの粒径は数μm乃至数mmであり、数μm乃至数百μmのものが好ましい。
【0043】
コア材41bの例としては、塩化マグネシウム・6水塩、酢酸ナトリウム・3水塩、硝酸マグネシウム・2水塩等の無機化合物系のものや、パラフィンやステアリン酸等の有機化合物系のものが挙げられる。カプセル部材41cはメラミン、ナイロン等のプラスチック材料から成る。蓄熱材41の各粉粒41aの例としては、三菱製紙株式会社製のサーモメモリー(商標)が挙げられる。
【0044】
金属粒42を構成する電磁誘導によって加熱可能な金属材料としては鉄やニッケルなどが代表的であるが、近年の電磁誘導加熱装置の性能向上により、アルミニウムや銅なども電磁誘導によって加熱可能な金属材料に含まれるようになってきている。各金属粒42の粒径は数μm乃至数mmである。
【0045】
第2実施形態の蓄熱体40はクッション50内に熱源として設けられている。クッション50は、蓄熱体40と、第1実施形態と同様の袋部材21、反射部材22、クッション本体23、温度センサ24及び送信器25とを備えている。
【0046】
以上のように構成されたクッション50は電磁誘導加熱装置30によって加熱される。クッション50は、電磁誘導加熱装置30によって蓄熱体40中の各金属粒42が加熱され、その熱が蓄熱材41のコア材41bによって蓄熱されるようになっている。
【0047】
例えば、クッション50を外気温が5℃の場所に放置しておくと、蓄熱体40も5℃となり、蓄熱材41の各粉粒41aのコア材41bが固相となる。この状態で、クッション50を電磁誘導加熱装置30上に載置し、電磁誘導加熱装置30の加熱用コイル31に高周波電流を通電すると、高周波で磁束が変化する磁力線が蓄熱体40に加わり、各金属粒42に誘導電流が流れ、各金属粒42がジュール熱によって加熱される。即ち、蓄熱体40の量に拘わらず、蓄熱体40の全体を短時間で加熱することができる。各金属粒42が加熱されると、その熱が蓄熱材41の各粉粒41aのコア材41bに加わり、各粉粒41aのコア材41bは40℃で固相から液相に相変化するとともに、固相から液相に相変化する際の潜熱を利用して蓄熱する。
【0048】
ここで、電磁誘導加熱装置30によって蓄熱体10の加熱を行う際には、第1実施形態と同様に、制御部32が蓄熱体40の温度に基づいて電磁誘導加熱装置30の加熱用コイル31に通電させる電流量を制御する。
【0049】
このように、第2実施形態によれば、蓄熱体40が粉状の蓄熱材41を備え、蓄熱材41の各粉粒41aはコア材41bとカプセル部材41cとから構成され、コア材41bは40℃で固相から液相に相変化することから、蓄熱材41の各粉粒41aのコア材41bが液相になるまで熱が加えられると、各粉粒41aはコア材41bが相変化する40℃に長時間に亘って保持され、蓄熱体40が長時間に亘って所定温度を維持することができる。
【0050】
また、蓄熱体40は蓄熱材41中に混在する複数の金属粒42を備えていることから、電磁誘導加熱装置30によって高周波で磁束が変化する磁力線を加えると、各金属粒42に誘導電流が流れ、各金属粒42がジュール熱によって加熱される。即ち、蓄熱体40の量に拘わらず、蓄熱体40の全体を短時間で加熱することができる。さらに、蓄熱体40が電磁誘導加熱装置30によって加熱可能であり、蓄熱体40を加熱するために別途ヒータを設けてそのヒータを電源に接続する必要がないので、蓄熱作業を短時間で手間をかけずに行うことができる。従って、クッション50をスポーツ観戦の際に貸出す場合は、貸出しするクッション50の蓄熱作業を手間をかけずに短時間で行うことができる。
【0051】
図11及び図12は本発明の第3実施形態を示すもので、図11はクッションの断面図、図12は加熱用部材の斜視図である。尚、第2実施形態と同等の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0052】
第3実施形態の蓄熱体60はクッション70内に熱源として設けられている。クッション70は、蓄熱体60と、第2実施形態と同様の袋部材21、反射部材22、クッション本体23、温度センサ24及び送信器25とを備えている。
【0053】
蓄熱体60は、プレート61aと金属繊維群61bとを有する加熱用部材61と、加熱用部材61における金属繊維群61bの各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられた第2実施形態と同様の蓄熱材41とを有する。
【0054】
プレート61aは電磁誘導によって加熱可能な金属材料から成る。電磁誘導によって加熱可能な金属材料としては鉄やニッケルなどが代表的であるが、近年の電磁誘導加熱装置の性能向上により、アルミニウムや銅なども電磁誘導によって加熱可能な金属材料に含まれるようになってきている。
【0055】
金属繊維群61bは電磁誘導によって加熱可能な金属材料から形成することも可能であり、電磁誘導によって加熱されない金属材料から形成することも可能である。金属繊維群61bはプレート61aの上面に接触している。金属繊維群61bの各金属繊維は数μm乃至数mmの太さを有し、数μm乃至1mm程度の太さであるものが好ましい。
【0056】
プレート61aは金属繊維群61bよりも温度上昇が早くなるように形成されている。また、温度センサ24はプレート61aの温度を測定するようになっており、温度センサ24によって測定する位置が他の部分よりも早く温度上昇するように、プレート61aにおける温度センサ24の測定位置の近傍に窪み、突起、スリット等が設けられている。尚、プレート61aにおける温度センサ24の測定位置の近傍は特許請求の範囲に記載された早期昇温部に相当する。
【0057】
以上のように構成されたクッション70は、電磁誘導加熱装置30によって蓄熱体60の加熱用部材61が加熱され、その熱を蓄熱体60の蓄熱材41が蓄熱するようになっている。また、蓄熱材41は加熱用部材61の金属繊維群61bの各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けられているので、蓄熱材41と加熱用部材61との接触面積が大きくなり、蓄熱材41への蓄熱を短時間で行うことができる。
【0058】
また、電磁誘導加熱装置30によって蓄熱体60の加熱を行う際には、第1実施形態と同様に、制御部32が蓄熱体60の加熱用部材61の温度に基づいて電磁誘導加熱装置30の加熱用コイル31に通電させる電流量を制御する。
【0059】
このように、第3実施形態によれば、蓄熱体60の加熱用部材61を電磁誘導によって加熱可能な加熱用コイル31と、クッション70に設けられ、蓄熱体60の加熱用部材61の温度を検出する温度センサ24と、温度センサ24による検出温度Tに基づいて加熱用コイル31に通電させる電流量を制御する制御部32とを備えているので、電磁誘導加熱装置30に温度センサが設けられ、その温度センサによってクッション70内に設けられた蓄熱体60の温度を測定する場合と比較し、蓄熱体60の温度を容易且つ確実に検出することができる。従って、蓄熱体60の温度をコア材41bの相変化温度よりも高い温度に維持しながら、蓄熱体60の温度を袋部材21の耐熱温度よりも高くならないように調整することができる。即ち、蓄熱体60の温度管理を容易且つ確実に行うことができ、蓄熱作業の時間短縮及びクッション70の耐久性向上を図る上で極めて有利である。
【0060】
また、温度センサ24は接触式であることから、蓄熱体60の加熱用部材61の温度を正確に検出する上で極めて有利であり、クッション70の耐久性の向上を図る上でより有利である。
【0061】
また、蓄熱体60に金属繊維群61bよりも温度上昇の早いプレート61aを設けるとともに、プレート61aに他の部分よりも温度上昇の早い部分を設け、温度センサ24によって前記温度上昇の早い部分の温度を検出するように構成したので、例えば蓄熱体60の加熱用部材61の温度を袋部材21の耐熱温度よりも高くならないように調整する上で極めて有利である。
【0062】
尚、第3実施形態では、加熱用部材61をプレート61aと金属繊維群61bとから構成したものを示したが、加熱用部材61を金属繊維群61bのみから構成することも可能である。この場合、金属繊維群61bは電磁誘導によって加熱可能な金属繊維を含むように形成され、温度センサ24は金属繊維群61bの温度を測定するように設けられる。また、金属繊維群61bにおいて温度センサ24によって測定される部分は他の部分よりも電磁誘導加熱の際の温度上昇が早い金属繊維から成る。従って、蓄熱体60の加熱用部材61の温度を袋部材21の耐熱温度よりも高くならないように調整する上で有利であり、クッション70の耐久性の向上を図ることができる。
【0063】
また、第3実施形態において、金属繊維群61bとして金属繊維を網状に形成して成る網状部材61cを複数枚用いることも可能である(図13及び図14参照)。この場合、網状部材61cは互いに上下方向に並ぶように配置される。金属繊維群61bとして網状部材61cを複数枚用いる場合でも、蓄熱材41を金属繊維群61bの各金属繊維同士の隙間に入り込むように設けることができるので、蓄熱材41と加熱用部材61との接触面積が大きくなり、蓄熱材41への蓄熱を短時間で行うことができる。ここで、網状部材61cを電磁誘導によって加熱可能な金属繊維から形成することも可能であり、電磁誘導によって加熱されない金属繊維から形成することも可能である。また、金属繊維群61bが複数の網状部材61cから成る場合でも、加熱用部材61を金属繊維群61bのみから構成することも可能である。
【0064】
尚、第1乃至第3実施形態では、クッション20,50,70に温度センサ24及び送信器25を設け、送信器25から送信される検出温度Tを電磁誘導加熱装置30の受信器33によって受信するようにしたものを示した。これに対し、図15に示すように、クッション20に温度センサ24及び送信器25を設けずに、クッション20の下面に着脱自在な蓋部材20aを設けるとともに、蓋部材20aの取外しによって金属部材12の一部をクッションから露出可能にし、電磁誘導加熱装置30に接触式または非接触式の温度センサを設けることも可能である。この場合でも、蓄熱体10,40,60の金属部材12やプレート61aの温度を袋部材21の耐熱温度よりも高くならないように調整することができ、クッション20,50,70の耐久性の向上を図る上で極めて有利である。
【0065】
また、第1乃至第3実施形態では、粉状の蓄熱材11,13,41を設けたものを示したが、粉状の蓄熱材11,13,41を水等の液体に分散させて袋部材21内に設けることも可能である。また、粉状の蓄熱材11,13,41を接着剤等で所定形状の粒状に形成し、粒状に形成された蓄熱材11,13,41を袋部材21内に充填することも可能である。さらに、第1実施形態において、蓄熱材11と蓄熱材13とを混合するとともに接着剤等で所定形状の粒状に形成し、粒状に形成された蓄熱材11と蓄熱材13との混合物を袋部材21内に充填することも可能である。また、第2実施形態において、蓄熱材41と金属粒42とを混合するとともに接着剤等で所定形状の粒状に形成し、粒状に形成された蓄熱材41と金属粒42との混合物を袋部材21内に充填することも可能である。
【0066】
尚、第1乃至第3実施形態では、蓄熱材11,13,41のコア材11b,13b,41bの相変化温度が40℃であるものを示したが、コア材11b,13b,41bの相変化温度は用途に応じて任意に設定することが可能である。
【0067】
また、第1乃至第3実施形態では、蓄熱体10,40,60をクッション20,50,70の熱源として設けたものを示したが、蓄熱体10,40,60をカーペットの熱源、衣類や履物の熱源、保温器具の熱源、食材の加熱や保温を行う食器の熱源、建材の熱源などに用いることも可能である。
【0068】
尚、第1乃至第3実施形態において、クッション20,50,70に蓄熱体10,40,60の温度を表示する温度表示を設けることも可能である。温度表示として例えば周知のサーモインクから成る温度表示を設けることが可能である。温度表示を設けることにより、蓄熱体10,40,60の温度を確認し易くなり、利便性や安全性を向上を図る上で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施形態を示す蓄熱体を構成する粉粒の断面図
【図2】蓄熱体を備えたクッションの断面図
【図3】電磁誘導加熱装置のブロック図
【図4】電磁誘導加熱装置の制御部の動作を示すフローチャート
【図5】第1実施形態の第1変形例を示す蓄熱体を構成する粉粒の断面図
【図6】第1実施形態の第1変形例を示すクッションの要部断面図
【図7】第1実施形態の第2変形例を示す蓄熱体を構成する粉粒の断面図
【図8】本発明の第2実施形態を示す蓄熱材を構成する粉粒の断面図
【図9】蓄熱体を備えたクッションの断面図
【図10】クッションの要部断面図
【図11】本発明の第3実施形態を示すクッションの断面図
【図12】加熱用部材の斜視図
【図13】第3実施形態の変形例を示すクッションの断面図
【図14】第3実施形態の変形例を示す網状部材の斜視図
【図15】第1実施形態の第3変形例を示すクッションの断面図
【符号の説明】
【0070】
10…蓄熱体、11…蓄熱材、11a…粉粒、11b…コア材、11c…カプセル部材、11d…内側部材、11e…外側部材、12…金属部材、20…クッション、21…袋部材、22…反射部材、23…クッション本体、24…温度センサ、25…送信器、30…電磁誘導加熱装置、31…加熱用コイル、32…制御部、33…受信器、34…スタートボタン、40…蓄熱体、41…蓄熱材、41a…粉粒、41b…コア材、41c…カプセル部材、42…金属粒、50…クッション、60…蓄熱体、61…加熱用部材、61a…プレート、61b…金属繊維群、61c…網状部材、70…クッション。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁誘導によって加熱可能な蓄熱体において、
粉状の蓄熱材を備え、
蓄熱材の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成し、
蓄熱材の各粉粒のうち少なくとも一部の粉粒のコア材及び/またはカプセル部材が電磁誘導によって加熱可能な金属を有する
ことを特徴とする蓄熱体。
【請求項2】
電磁誘導によって加熱可能な蓄熱体において、
粉状の蓄熱材と、
蓄熱材内に混在する電磁誘導によって加熱可能な複数の金属粒とを備え、
蓄熱材の各粉粒を、所定温度で固相から液相に相変化するコア材と、コア材を収容するカプセル部材とから構成した
ことを特徴とする蓄熱体。
【請求項3】
任意の器具内に設けられた蓄熱体を電磁誘導によって加熱する蓄熱体の加熱システムにおいて、
前記蓄熱体を電磁誘導によって加熱可能な加熱用コイルと、
前記任意の器具に設けられ、蓄熱体の温度を検出する温度検出手段と、
温度検出手段による検出温度に基づいて加熱用コイルに通電させる電流量を制御する制御手段とを備えた
ことを特徴とする蓄熱体の加熱システム。
【請求項4】
前記温度検出手段を接触式の温度センサから構成した
ことを特徴とする請求項3記載の蓄熱体の加熱システム。
【請求項5】
前記蓄熱体に他の部分よりも温度上昇の早い早期昇温部を設け、
温度検出手段によって早期昇温部の温度を検出するように構成した
ことを特徴とする請求項3または4記載の蓄熱体の加熱システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−202856(P2008−202856A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39487(P2007−39487)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(505278931)株式会社まるや (10)
【出願人】(300054631)有限会社エフ・テイ・イノベーション (14)
【Fターム(参考)】