説明

蓄熱給湯装置及び蓄熱給湯方法

【課題】蓄熱槽に効率よく蓄熱し、蓄熱した熱を効率よく利用ができ、効率よく暖房でき、また給湯と冷房、または給湯と暖房とを同時に運転できる蓄熱給湯空調機を提供する。
【解決手段】制御装置50は、蓄熱槽21に収容された給湯水42に所定の熱量を蓄えるために第2熱交換器16において第2熱媒体10と給湯水42との熱交換により第2熱交換器16を通過する給湯水42を加熱する蓄熱運転時に、第1ポンプ13と第2ポンプ22と蓄熱切替弁19とを制御することにより、第1ポンプ13の回転数の変更と、第2ポンプ22の回転数の変更と、蓄熱切替弁19の流通の変更とに基づいて、第1熱交換器11から流出する第2熱媒体10の流出温度を予め設定された温度である蓄熱温度よりも高い第1温度へ調節すると共に、第2熱交換器16から流出する給湯水42の流出温度を蓄熱温度へ調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばヒートポンプを用いて得た熱で、蓄熱と、給湯と、空調(冷房や暖房)と、あるいは浴槽追焚を行う蓄熱給湯空調機(蓄熱給湯装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
(従来技術1)
従来、熱源装置からの温熱や冷熱を熱媒によって蓄熱槽に蓄えて、温熱や冷熱を利用する負荷装置へ蓄熱槽に蓄えられた温熱や冷熱を熱媒を介して供給するようにした蓄熱装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の請求項1には、「潜熱を利用して蓄熱する蓄熱用物質をカプセル内に封入した蓄熱体を収容し、温熱や冷熱を蓄積する蓄熱槽と、熱源装置から蓄熱槽へ温熱や冷熱を持つ熱媒を供給する受熱用の熱媒供給路と、蓄熱槽から負荷装置へ熱媒を介して温熱や冷熱を供給する給熱用の熱媒供給路と、給熱用の熱媒供給路を介して負荷装置へ通流する熱媒が蓄熱槽の内部を通流する際の通流方向と一致する方向で蓄熱槽の内部に熱媒を通流するとともに、負荷装置をバイパスして熱媒を通流する熱媒用のバイパス循環路と、このバイパス循環路に熱媒循環用のポンプ装置とを備えた蓄熱装置」が記載されている。特許文献1では、この蓄熱装置により、蓄熱槽内の蓄熱体と熱媒との熱伝達の向上と、蓄熱槽に流入する熱媒温度の低下とが同時に得られ、熱源装置を運転すること無しに、負荷装置に多量な単位時間当たりの熱量を供給できる、としている。
【0003】
(従来技術2)
また従来、熱源により加熱された熱媒体を用途に応じて蓄える複数の蓄熱槽と、複数の蓄熱槽間で熱の授受を行う熱交換手段とを備えた蓄熱システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2の場合は、その要約にあるように、「暖房用蓄熱槽と熱源とを循環回路を介して接続し、熱源からの暖房用温水を暖房用蓄熱槽に貯める。循環回路に、放熱器を介装した暖房用回路を接続し、暖房用蓄熱槽からの暖房用温水により暖房を行う。循環回路に、給湯用熱交換器を介装した給湯用熱交換回路と、浴槽用熱交換器を介装した浴槽用熱交換回路とを接続し、給湯用熱交換器に、給湯用蓄熱槽を介装した給湯用循環回路を接続し、給湯用温水を給湯用蓄熱槽に貯める。給湯用循環回路に給湯回路を接続し、給湯を行う。浴槽用熱交換器に浴槽用回路を接続し、浴槽内の湯を沸かす。また、給湯用蓄熱槽の給湯用温水を消費した場合の不足分を暖房用蓄熱槽からの暖房用温水の熱でバックアップする。」というものである。この特許文献2では、この蓄熱システムにより、個々の蓄熱槽の熱量不足が生じても、熱交換手段により熱量を補うことができ、個々の蓄熱槽の大型化を回避して蓄熱槽を小型化でき、狭小場所への設置やイニシャルコストを低減できる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−82537号公報
【特許文献2】特開2005−133984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術1(特許文献1)は、熱源装置からの熱を蓄熱槽に一旦蓄熱し、熱を利用する負荷装置に蓄熱槽で蓄熱されている熱を供給する構成である。この従来技術1(特許文献1)では、蓄熱槽に温熱が蓄積されている場合、負荷装置へは冷熱の供給はできない(冷房はできない)。また逆に蓄熱槽に冷熱が蓄積されている場合、負荷装置へは温熱の供給はできない(暖房はできない)構成である。この従来技術では、負荷装置による熱利用は、温熱利用のみか、あるいは冷熱利用のみかの何れか一方であり、負荷装置が並列に複数あっても、温熱利用の給湯用と冷熱利用の冷房用とを同時利用するということはできず、利便性が低いという課題があった。
【0006】
また従来技術2(特許文献2)も基本的な構成は従来技術1と同じである。しかし、運用として無理には、暖房用蓄熱槽に温熱を一旦蓄積して熱交換により給湯用蓄熱槽に温熱を蓄積した後、暖房用蓄熱槽に冷熱を蓄熱し換えることで、放熱器による冷房と給湯用蓄熱槽による給湯とが同時にできることにはなる。けれども、暖房用蓄熱槽に一旦貯めた温熱を冷熱に切り替えるためのエネルギーの無駄が大きく、効率が良くないという課題があった。
【0007】
また、例えば蓄熱槽に温熱を蓄熱している場合、従来技術1での負荷装置が複数ある場合や従来技術2での暖房用や浴槽の追焚用や給湯用に、必要となる最も高い温度(給湯用より追焚用や暖房用は低くて良い)で蓄熱槽に蓄熱することになる。よって、作り出す温度が高いほど熱源としてのヒートポンプ機構の効率が低下するという課題があった。また、蓄熱槽に蓄熱している熱を様々な用途に熱利用するためのものとなっており、蓄熱槽が大型化するという問題点があった。
【0008】
この発明の目的は、「給湯と冷房とを同時に」あるいは「給湯と暖房とを同時に」できるようにして利便性を高くするとともに、蓄熱槽を給湯専用に用途限定して小型化し、蓄熱運転時を含む熱利用時に極力低温で運転可能としてヒートポンプの効率を向上できる蓄熱給湯空調機(蓄熱給湯装置)の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の蓄熱給湯装置は、
ヒートポンプの動作で高温化と低温化とのいずれかにされた第1熱媒体が一方に流通し、前記第1熱媒体との熱交換により加熱または冷却される前記第2熱媒体が他方に流通する第1熱交換器と、前記第1熱媒体と熱交換された前記第2熱媒体を熱利用する熱需要部とを、前記第1熱交換器から前記熱需要部へ向かう往路と、前記熱需要部から前記第1熱交換器へ向かう復路とで接続して、前記第2熱媒体を循環する第1循環路と、
前記第1熱交換器を流通する前記第2熱媒体の流量を、制御を受けることによって調節する第1ポンプと、
給湯路を介して給湯先へ供給する給湯水を所定量収容する蓄熱槽と、前記第1循環路の往路から分岐された供給路と前記第1循環路の復路へ合流する排出路とが接続され、前記供給路から前記第2熱媒体が流入して一方に流通し前記排出路に排出され、他方を前記蓄熱槽の前記給湯水が流通して前記一方を流通する前記第2熱媒体と熱交換する第2熱交換器とを、前記第2熱交換器から前記蓄熱槽へ向かう往路と、前記蓄熱槽から前記第2熱交換器へ向かう復路とで接続して、前記蓄熱槽の前記給湯水を循環する第2循環路と、
前記第2熱交換器の前記他方を流通する前記給湯水の流量を、制御を受けることによって調節する第2ポンプと、
前記第1熱交換器から前記熱需要部への前記第1熱交換器から前記熱需要部へ向かう前記往路による前記第2熱媒体の流通と、前記第1熱交換器から前記第2熱交換器への前記供給路による前記第2熱媒体の流通とを、制御を受けることによって変更する第1切替部と、
前記蓄熱槽に収容された前記給湯水に所定の熱量を蓄えるために前記第2熱交換器において前記一方を通過する前記第2熱媒体によって前記他方を通過する前記給湯水を加熱する蓄熱運転時に、前記第1ポンプと前記第2ポンプと前記第1切替部とを制御することにより、前記第1ポンプの回転数の変更と、前記第2ポンプの回転数の変更と、前記第1切替部の流通の変更とに基づいて、前記第1熱交換器から流出する前記第2熱媒体の流出温度を予め設定された温度である蓄熱温度よりも高い第1温度へ調節すると共に、前記第2熱交換器から流出する前記給湯水の流出温度を前記蓄熱温度へ調節する制御装置と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明の蓄熱給湯空調機によって、「給湯と冷房とを同時に」あるいは「給湯と暖房とを同時に」運転可能となり利便性が向上する上、熱利用を必要に応じて極力低温でかつ温度差を大きくした運転が可能となり、ヒートポンプの効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1における、蓄熱給湯空調機100の構成と、第1熱媒体3、第2熱媒体10及び給湯水42の流動方向とを示す図。
【図2】実施の形態1における、蓄熱運転時の、第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図。
【図3】実施の形態1における、蓄熱運転と給湯運転との同時運転の際の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図。
【図4】実施の形態1における、蓄熱運転と暖房運転との同時運転の際の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図。
【図5】実施の形態1における、蓄熱運転、暖房運転、給湯運転の同時運転に際の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図。
【図6】実施の形態1における、冷房運転と給湯運転との同時運転の際の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図。
【図7】実施の形態1における、暖房運転と給湯運転との同時運転の際の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図。
【図8】図7の変形例における、第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図。
【図9】図5の変形例における、第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図。
【図10】実施の形態2(リターン路18と排熱切替弁20なし、蓄熱切替弁19が途中開度停止可能な調整弁)における、蓄熱給湯空調機200の構成と、第1熱媒体3、第2熱媒体10及び給湯水42の流動方向とを示す図。
【図11】実施の形態2における、蓄熱運転時の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図。
【図12】実施の形態2における、蓄熱運転と給湯運転との同時運転の際の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図。
【図13】実施の形態2における、冷房運転と給湯運転との同時運転の際の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図。
【図14】実施の形態2の変形例における、暖房運転と給湯運転との同時運転の際の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、各実施の形態を図に基づいて説明する。各図において、同一または相当の部材、部位については、同一符号を付して説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1〜9を参照して実施の形態1を説明する。
図1は、実施の形態1に係る蓄熱給湯空調機100(蓄熱給湯装置)の構成図である。また、図1には第1熱媒体、第2熱媒体10及び給湯水42の流動方向を記載しており、以下の図2〜図9の説明の際には、図1の流動方向を参照して説明する。なお、図1〜図9の構成は同一であり、第2熱媒体10、給湯水42の流動方向、循環経路が異なる。
【0014】
蓄熱給湯空調機100は、ヒートポンプ2、ヒートポンプ2に組み込まれた第1熱交換器11、熱需要部40の一例としての空調熱交換器12、第1ポンプ13、第1循環路14、第2熱交換器16、リターン路18、第1切替部の一例である蓄熱切替弁19、第2切替部の一例である排熱切替弁20、蓄熱槽21、第2ポンプ22、第2循環路23、給水路24、給湯路25、給水バイパス路41、混合切替部の一例である混合弁43、及びポンプ、弁、圧縮機などの稼働部品を操作し、温度などを制御するための制御装置50等を備えている。
【0015】
(ヒートポンプ2)
蓄熱給湯空調機100は、熱源としてヒートポンプ2(ヒートポンプ機構、装置とも呼ばれる)を備えている。ヒートポンプ2は、ヒートポンプ循環路4と、圧縮機5と、循環切替弁6と、膨張弁7と、外気熱交換器9と、第1熱交換器11とを備えている。ヒートポンプ循環路4は、炭化水素系や二酸化炭素など使用温度圧力範囲内で気液2相化可能な第1熱媒体3を圧縮と膨張とをさせながら循環させる。圧縮機5は、第1熱媒体3を気相の状態で圧送して高温高圧化する。循環切替弁6は、圧縮機5の圧送方向、すなわちヒートポンプ循環路4での第1熱媒体3の循環方向を変更する。膨張弁7は、高圧の液相の第1熱媒体3を気液混合相へ膨張させて低温低圧化する。外気熱交換器9は、ファン8で送風された外気と第1熱媒体3とを熱交換する。第1熱交換器11は、グリセリン等を水に混ぜて低温まで凝固しないようにした不凍液である第2熱媒体10と第1熱媒体3とを熱交換する。
【0016】
ヒートポンプ2は、ヒートポンプ循環路4内の第1熱媒体3の凝縮と気化とを利用して外気と第2熱媒体10との何れか一方から吸熱した熱を他方へ放熱する。ヒートポンプ2は、圧縮機5の圧縮に要する動力に比して効率良く、第1熱媒体3を介して外気と第2熱媒体10との間で熱を移動させる。勿論、第1熱交換器11では、第1熱媒体3と第2熱媒体10とは熱交換するだけで混合されない構成である。
【0017】
(第2熱媒体10の冷却と加熱)
なお、第2熱媒体10を冷却する際は、膨張弁7から第1熱交換器11へ気液2相化された低温低圧の第1熱媒体3が流れる(流動方向51の逆方向)。一方、第2熱媒体10を加熱する際は、圧縮機5から第1熱交換器11へ高温高圧の気相の第1熱媒体3が流れる(流動方向51)。このように、ヒートポンプ循環路4の第1熱媒体3の循環方向は加熱時と冷却時では反転する。
【0018】
(循環切替弁6)
循環切替弁6は四方弁である。四方弁は、4つの接続路A、B、C、Dが接続されており、接続路Aと接続路B、および接続路Cと接続路Dが流通している状態と、接続路Aと接続路C、および接続路Bと接続路Dが流通している状態とを変更可能になっている。
【0019】
(第1循環路14)
蓄熱給湯空調機100には、第1熱交換器11と熱需要部40としての空調熱交換器12との間で第1ポンプ13によって第2熱媒体10が循環する第1循環路14が形成されている。すなわち第1循環路14は、第1熱交換器11、蓄熱切替弁19、空調熱交換器12、第1ポンプ13、第1熱交換器11の経路である。第1循環路の往路14aは、第1熱交換器11、蓄熱切替弁19、空調熱交換器12の経路である。第1循環路の復路14bは、空調熱交換器12、第1ポンプ13、第1熱交換器11の経路である。なお、空調熱交換器12の用途は、第2熱媒体を熱源とした熱交換により室内空気を冷房または暖房することである。
【0020】
(第2熱交換器16と第2循環路23)
第2熱交換器16は、第2熱媒体10と給湯水42とを熱交換する。第1熱交換器11から空調熱交換器12へ第2熱媒体10が流れる第1循環路の往路14aの途中から供給路15が分岐し、供給路15の他端は第2熱交換器16へ接続されている。第2熱交換器16には、供給路15で供給された第2熱媒体10が流出する側に排出路17が接続されている。この排出路17の他端は、空調熱交換器12から第1熱交換器11へ第2熱媒体10が流れる第1循環路の復路14bの途中に合流している。
(1)なお、第1熱交換器11、第1循環路の往路14aの供給路15に分岐前の部分、供給路15、第2熱交換器16、排出路17、第1循環路の復路14bの排出路17へ合流後の部分、第1熱交換器11の経路は、蓄熱槽21へ給湯水42を蓄熱する場合や、給湯先25aへ給湯水42を給湯する際など、給湯水42を加熱する際に第2熱媒体10が流動する経路である。
(2)また第2熱交換器16と蓄熱槽21との間には、第2ポンプ22によって給湯水42が循環する第2循環路23が形成されている。すなわち第2循環路23は、第2熱交換器16、蓄熱槽21、第2ポンプ22、第2熱交換器16の経路である。第2循環路の往路23aは、第2熱交換器16、蓄熱槽21の経路である。第2循環路の復路23bは、蓄熱槽21、第2ポンプ22、第2熱交換器16の経路である。勿論、第2熱交換器16では、第2熱媒体10と給湯水42とは熱交換するだけで混合されない構成である。
【0021】
(蓄熱槽21)
蓄熱槽21は、所定量(たとえば200リットル)の給湯水42が常に収容されている。蓄熱槽21には、槽内上部側から給湯水42を流入したり流出したりするように第2循環路の往路23aが接続されている。また蓄熱槽21には、槽内下部側から給湯水42を流入したり流出したりするように第2循環路の復路23bが接続されている。第2循環路の復路23bの途中に給水路24が、また第2循環路の往路23aの途中に給湯路25が接続されている。そのため(所定量の給湯水を維持するため)、蓄熱槽21から給湯水42が給湯先25aへ第2循環路の往路23aの一部と給湯路25とを通って給湯されるに応じて、給水源24aから給水路24と第2循環路の復路23bの一部を通って給湯水42が蓄熱槽21へ流入する。なお、給湯水42が蓄熱槽21へ流入する前提は、給水源24aに給水圧力が充分にあることであるが、給水源24aに充分な給水圧力が無い場合は、給水路24の途上に給水用のポンプ(図示しない)を設けておけばよい。
【0022】
(混合弁43)
実施の形態1では、給湯路25の途中に、給水路24の途中から分岐された給水バイパス路41が合流する位置に、混合切替部である混合弁43が設けられている。混合弁43は、三方弁かつ途中の任意の開度で停止できる調節弁である。混合弁43は、給水バイパス路41が合流する前の給湯路25の給湯水42と、給水バイパス路41の給湯水42とを任意の合流比率で合流させる。混合弁43の合流比率を変えることで、給水バイパス路41が合流する前の給湯路25の給湯水42の温度と給水バイパス路41の給湯水42の温度との間で任意の温度の給湯水42を生成可能である。混合弁43で合流された給湯水42は、給水バイパス路41が合流した後の給湯路25へ流通させ、給湯先25aへ給湯される。なお、給湯先25aには給湯のための図示しない給湯弁が付いており、この給湯弁を開閉することで初めて給湯路25の給湯水42に流れが生じ、給湯路25の図示しない流量センサや流量スイッチで給湯先25aへの給湯が必要かどうかを検知する。
【0023】
(リターン路18)
排出路17の途中からはリターン路18が分岐されており、リターン路18の他端は、供給路15へ分岐した位置(蓄熱切替弁19の設置位置)と空調熱交換器12との間の第1循環路の往路14aへ合流している。
【0024】
(空調熱交換器12)
空調熱交換器12は、冷房あるいは暖房用の室内機に設けられている。空調熱交換器12では、室内空気と、第1循環路14を循環している第2熱媒体10との間で熱が移動する。第2熱媒体10が温熱を循環している場合は室内が暖房され、第2熱媒体10が冷熱を循環している場合は室内が冷房される。室内空気を空調熱交換器12に対して送風するファン(図示していない)を設けることで熱交換効率をより高くできる。空調熱交換器12による冷暖房は、ファンなど設けずに、輻射によるだけのものであっても良い。
【0025】
(第1ポンプ13)
第1ポンプ13は、第1循環路の復路14bに排出路17が合流する位置と、第1熱交換器11との間に設けられている。第1ポンプ13は、第1循環路の往路14aと第1循環路の復路14bとによって熱需要運転である空調熱交換器12での空調運転(暖房運転または冷房運転)時に第1熱交換器11と空調熱交換器12との間で第2熱媒体10を循環する役割を持つ。また、第1ポンプ13は、供給路15、第2熱交換器16、排出路17の経路において、蓄熱運転時や給湯運転時など、第2熱交換器16を流通する給湯水42を加熱する運転時に、第1熱交換器11と第2熱交換器16との間で第2熱媒体10を循環させる。なお、第1ポンプ13は、回転数を可変に調節することができ、第1熱交換器11を流通する第2熱媒体10の流量を変更できるようになっている。
【0026】
(第1切替部)
実施の形態1では、第1切替部として、第1循環路の往路14aから供給路15へ分岐する部分に、三方弁である蓄熱切替弁19が設けられている。三方弁は、3つの接続路A、B、Cが接続されており、接続路Aと接続路Bとを流通させるか、接続路Aと接続路Cとを流通させるか、を変更する。また三方弁は一方向の流通が全開となれば、他方向の流通は全閉となるように、2方向の流通量が排他的に変更される。蓄熱切替弁19は、供給路15へ分岐する第2熱媒体10の流通量と、供給路15に分岐されずに第1循環路の往路14aへ流通する第2熱媒体10の流通量とを排他的に変更できるようになっている。
【0027】
(第2切替部)
また第2切替部として、排出路17からリターン路18が分岐する部分に三方弁である排熱切替弁20が設けられている。排熱切替弁20は、第2熱交換器16から第1循環路の復路14bへ合流する第2熱媒体10の流通量と、リターン路18で第1循環路の往路14aへ合流する第2熱媒体10の流通量とを排他的に変更できるようになっている。
【0028】
(動作)
次に、種々の運転(蓄熱運転、給湯運転、熱需要運転である「暖房運転、あるいは冷房運転」の単独または組み合わせ)状態における、蓄熱切替弁19、排熱切替弁20、混合弁43、第1ポンプ13、第2ポンプ22などの稼働部の切り替え制御または流量制御(あるいは回転数制御)に基づく第2熱媒体10と給湯水42の流れを説明する。ここで蓄熱運転とは、蓄熱槽21に収容された給湯水に所定の熱量を蓄えるために第2熱交換器16において第2熱媒体10と給湯水42との熱交換によって給湯水を加熱する運転である。また、給湯運転とは、給湯先25aへ給湯水42を指定された(要求された)給湯温度で供給する運転である。蓄熱切替弁19、排熱切替弁20、混合弁43、第1ポンプ13、第2ポンプ22は、運転状態に合わせて連動または非連動で作動するが、制御装置50によってこれらを制御するのは下記のとおりである。なお、運転状態が切り替わった直後や蓄熱量や給湯量などに変動が生じた場合、あるいは稼働部の制御動作などにより流量、温度などは過渡的には変動するが、下記では主に定常状態での動作を記載している。
【0029】
(図2の動作:蓄熱運転時)
図2は蓄熱運転時の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図である。図中、破線の流動経路61(左側の破線のループ)が蓄熱運転時の第2熱媒体10の流れを、また破線の流動経路71(右側の破線のループ)が蓄熱運転時の給湯水42の流れを示している。
【0030】
図1と、蓄熱運転時を示す図2を参照して以下説明する。蓄熱運転時には、蓄熱切替弁19が供給路15側へ全開、かつ、排熱切替弁20が第1循環路の復路14b側へ全開となる。このとき第1熱交換器11で加熱された第2熱媒体10は、蓄熱切替弁19で流動方向52bへ全量が流れ、第2熱交換器16へ供給される。第2熱交換器16で給湯水42と熱交換して冷却された第2熱媒体10は、排出路17へ排出され、排熱切替弁20で流動方向53bへ全量が流れ、第1循環路の復路14bに合流して第1熱交換器11へ再び戻される。
【0031】
また、第2熱交換器16の給湯水42側では、第2循環路23により蓄熱槽21と第2熱交換器16との間で、給湯水42が第2ポンプ22によって循環している。第2熱交換器16で第2熱媒体10と熱交換して加熱された給湯水42は、流動方向57bへ全量が流れ、蓄熱槽21の上部側へ流入する。蓄熱槽21の下部側から排出された給湯水42は、流動方向56bへ全量が流れ、第2熱交換器16へ再び戻される。この動作の結果、加熱された給湯水42が、蓄熱槽21の上部から徐々に置き換わりながら蓄熱される。このような蓄熱方法を、温度成層蓄熱という。
【0032】
また、効率よく温度成層蓄熱するには、蓄熱槽21の上部側から流入する給湯水42の温度を一定の高温(蓄熱温度、たとえば60℃)へ維持することが必要である。第2ポンプ22の回転数を変更して、第2熱交換器16を流通する給湯水42の流量を変更することで、第2熱交換器16での交換熱量に合わせることができ、蓄熱槽21へ流入する給湯水42の温度を一定に制御している。
【0033】
一方、第2熱交換器16の第2熱媒体10側では、第1ポンプ13の回転数を変更して、第2熱交換器16を流通する第2熱媒体10の流量を変更することで、第1熱交換器11での交換熱量に合わせることができ、第2熱交換器16へ流入する第2熱媒体10の温度を、上記蓄熱温度よりも若干高い温度である第1温度(たとえば63℃)へ制御している。なお、第1熱交換器11での交換熱量自体は、圧縮機5の周波数を操作してヒートポンプ循環路4の第1熱媒体3の流量を増減することで操作される。
【0034】
即ち、制御装置50は、熱需要部40または第2熱交換器16の少なくとも何れか一方で必要となる必要熱量に応じてヒートポンプ2で生成される供給熱量を調節するとともに、給湯水42を蓄熱温度とする蓄熱運転時は、第1ポンプ13の回転数の変更、第2ポンプ22の回転数の変更、および第1切替部である蓄熱切替弁19の流通の変更によって、第1熱交換器11から流出する第2熱媒体10の温度を所定の蓄熱温度(前述の60℃)より高い第1温度(前述の63℃)へ調整し、および第2熱交換器16から流出する給湯水42の温度を蓄熱温度(60℃)へ調節する。
【0035】
熱量と温度と流量の関係について以下説明する。第1熱交換器11において、ヒートポンプ2からの供給熱量がQ、第2熱媒体10の入出の温度がTi、To、第2熱媒体10の比熱がc、流量がFであるとき、定常時には、Q=F・c・(To−Ti)の関係になる。Tiは負荷(熱需要部40や第2熱交換器16)から戻ってくる第2熱媒体10の成り行きの温度であり、負荷熱量をqとすれば、同様にq=F・c・(To−Ti)の関係となる。定常状態になれば、Q=qである。Fが一定であれば、負荷から戻ってくる成り行きの温度Tiに合わせて、上記関係式が満たされるようになるまでToが増減されることになり、Toを一定に維持することはできない。
【0036】
たとえば、Fが一定であるとき、給水源の温度が下がって第2熱交換器16へ流入する給湯水42の温度が下がる(q>Qの状態)などの負荷変動でTiが低くなれば、Toも同時に下がることになり、第2熱交換器16において給湯水42を蓄熱温度まで昇温できなくなりかねない。逆に負荷変動(q<Qの状態)でTiが高くなれば、合わせてToが上がることになり、第1熱交換器11から流出される第1熱媒体3の温度も上がり、凝縮温度が上がることでヒートポンプの効率は低下することになる。それに対して、本実施の形態1では、流量Fを変更してToを一定になるように制御しているので、負荷変動でTiが低くなっても、Fを減少させることで、QおよびToを一定に維持できる。また負荷変動でTiが高くなっても、Fを増加させることで、QおよびToを一定に維持できる。すなわち流量Fを変更することで、第2熱媒体10を第1温度に制御して維持しながら、第1熱交換器11での交換熱量をヒートポンプ2からの供給熱量Qに常時合わせることができる。
【0037】
なお、温度Toを制御する方法としては、供給熱量Qそのものを増減することによる方法もあるが、この方法では第1熱交換器11での熱交換を介し間接的であり、熱容量も大きくなるので、Fを増減する方が温度変化の応答性は高い。またFが一定であるとき、q<Qの状態では、Tiが上昇し、その結果Toも上昇し、第1熱交換器11での平均的な第2熱媒体10の温度も上昇するので、第1熱媒体3の凝縮温度も上がらざるを得なくなる。一方、本実施の形態1のように、Fを増加することでToを維持するようにすると、Tiは上昇したとしてもToは変化しないので、第1熱交換器11での平均的な第2熱媒体10の温度は上記よりは上昇しない。そのため、第1熱媒体3の凝縮温度の上昇も上記よりは少なくなり、その結果圧縮機5の効率低下を抑制できる。
【0038】
なお、上述した熱量と温度と流量の関係は、蓄熱運転時だけでなく、後述する熱需要運転(暖房運転や冷房運転)時においても同様に成立するものである。
【0039】
(図3の動作:蓄熱運転+給湯運転)
図3は蓄熱運転時の第2熱媒体10と蓄熱運転中に給湯運転時の給湯水42の流れを示す図である。図中、破線の流動経路61が、蓄熱運転時の第2熱媒体10の流れを示し、また破線の流動経路72が、蓄熱運転中の給湯運転時の給湯水42の流れを示す。図1と図3とを参照して以下説明する。蓄熱運転中における給湯運転時は、第2熱交換器16の第2熱媒体10側の流れは、蓄熱運転時と同じである(左側の破線のループ)。一方、給湯先25aへの給湯は、給水バイパス路41を通った給水源24aからの低温(たとえば20℃)の給湯水42(流動方向55b、58b)と、第2熱交換器16で第2熱媒体10と熱交換して加熱された(流動方向57a)、あるいは蓄熱槽21に蓄熱された(流動方向57c)、高温(たとえば60℃)の給湯水42(流動方向58a)と、を混合弁43により比率を調節して混合して、給湯用の所望の温度である給湯温度(たとえば40℃)にして給水バイパス路41が合流後の給湯路25を通って給湯先25aへ給湯される。このとき、給湯水42側の流れには、下記2つの場合がある。
【0040】
(1)給湯先25aへ給湯される流動方向58aの給湯水42の流量Aが、第2熱媒体10との熱交換で加熱されて第2熱交換器16から流出する給湯水42の流量Bより少ない場合である。その流量差(B−A)の給水バイパス路41が流動方向57bへ流れ、蓄熱槽21へ流入する。すなわちこの場合には、蓄熱槽21へ蓄熱しながら給湯することが可能となる。一方、蓄熱槽21へ流入する給湯水42と同量が蓄熱槽21から押し出されて流出し(流動方向56b)、また、流動方向57aへ流れている給湯水42の流量と同量が、給水路24から第2循環路の復路23bへ合流する(流動方向56a)。このとき、流動方向57c、56cの給湯水42の流量は0である。また流動方向57aと流動方向58aの給湯水42の流量は等しい。
(2)給湯先25aへ給湯される流動方向58aの給湯水42の流量Aが、第2熱媒体10との熱交換で加熱されて第2熱交換器16から流出する給湯水42の流量Bより多い場合である。その流量差(A−B)の給湯水42が蓄熱槽21から流出し(流動方向57c)、徐々に蓄熱槽21の蓄熱分が減っていく。一方、蓄熱槽21から流出する給湯水42と同量が給水路24から第2循環路の復路23bに合流して蓄熱槽21へ流入し(流動方向56c)、また、流動方向57aへ流れている給湯水42の流量と同量が、給水路24から第2循環路の復路23bへ合流して第2熱交換器16へ供給される(流動方向56a)。このとき、流動方向57b、56bの給湯水42の流量は0で、流動方向57aと57cと、あるいは56aと56cとを加算した流量が、流動方向58aの給湯水42の流量と等しい。すなわちこの場合には、給湯運転における蓄熱槽21に蓄熱された給湯水の減少は、第2熱交換器16で加熱される給湯水42の分だけ少なくて済む。
【0041】
(図4の動作:蓄熱運転+暖房運転)
図4は、蓄熱運転中に暖房運転時の第2熱媒体10の流れと、蓄熱運転時の給湯水42の流れを示す図である。図中、破線の流動経路62(外側のループ)が蓄熱運転中に暖房運転時の第2熱媒体10の流れを示し、破線の流動経路71(内側のループ)が蓄熱運転時の給湯水42の流れを示す。図1と図4を参照して以下説明する。第2熱交換器16の給湯水42側の流れは、図2における蓄熱運転時と同じである。蓄熱運転中の暖房運転時は、蓄熱切替弁19が供給路15側へ全開、排熱切替弁20がリターン路18側へ全開となる。第1熱交換器11で蓄熱運転時の温度(たとえば63℃)まで加熱された第2熱媒体10は、全量が第2熱交換器16へ供給され(流動方向52b)、第2熱媒体10との熱交換で給湯水42を蓄熱する温度(たとえば60℃)まで加熱して蓄熱槽21へ蓄熱する蓄熱運転がなされる。同時に、第2熱交換器16から排出された第2熱媒体10は、給湯水42と熱交換した結果、蓄熱運転時の温度(たとえば63℃)からは低下しているが、暖房には可能な温度(たとえば35℃)を維持する様にし、全量が空調熱交換器12へ供給され(流動方向53c、52c)、空調熱交換器12で暖房運転となる。空調熱交換器12から排出され、第1循環路の復路14bを通って第1熱交換器11に戻る第2熱媒体10の温度は、たとえば25℃程度となる。
【0042】
上記のように安定した温度状態になっているときに、たとえば暖房運転時に室温が低下し、暖房能力を上げたいときには、圧縮機5の周波数を増加するなどでヒートポンプ循環路4の流量を増加すると、すなわちヒートポンプ2での外気熱交換器9から第1熱交換器11への移動熱量が増加し、第1熱交換器11での第2熱媒体10への移動熱量を増加することになる。このとき、第1熱交換器11から排出される第2熱媒体10の温度は蓄熱用の第1温度に維持されるので、第1熱交換器11へ流入する第2熱媒体10の温度(戻り温度)が同じであれば、流量が増加することで熱量が増加する。第1熱交換器11での第2熱媒体10への移動熱量が増加した一部は、第2熱交換器16での給湯水42への移動熱量(要するに蓄熱用)として増加するが、残りは第2熱交換器16から排出される第2熱媒体10の温度を上げるために用いられ、その結果、暖房能力が増加することになる。一方、逆の作用により、暖房運転時に室温が高いときには、圧縮機5の周波数を下げることで暖房能力を下げることができる。以上のように、圧縮機5の周波数の増減で、蓄熱運転をしながらでも、熱需要運転の暖房能力を増減することができる。
【0043】
(図5の動作:蓄熱運転+暖房運転+給湯運転)
図5は蓄熱運転中に暖房運転時の第2熱媒体10の流れと、蓄熱運転中に給湯運転時の給湯水42の流れを示す図である。図中、破線の流動経路62が蓄熱運転中に暖房運転時の第2熱媒体10の流れを示し、破線の流動経路72が蓄熱運転中に給湯運転時の給湯水42の流れを示している。蓄熱運転中の暖房運転時の第2熱媒体10側の流れは図4と同じであり、蓄熱運転中の給湯運転時の給湯水42側の流れは図3と同じである。ただし暖房運転に廻す熱を確保するために、図4の動作で説明したのと同様に、第2熱交換器16から排出された第2熱媒体10の温度を暖房用の温度に維持することが必要である。その一つの方法として、第2熱交換器16での給湯水42への移動熱量を減少する運転を行った場合、第2熱交換器16から流出する給湯水42の流量が減少するので、その分、図3の動作の場合より、蓄熱槽21へ蓄熱される(流動方向57bの)給湯水42が減るか、蓄熱槽21から給湯用に排出される(流動方向57cの)給湯水42が増大する。
【0044】
(図6の動作:冷房運転+給湯運転)
図6は冷房運転時の第2熱媒体10の流れと、冷房運転中に給湯運転時の給湯水42の流れを示す図である。図中、破線の流動経路63が冷房運転時の第2熱媒体10の流れを示し、破線の流動経路73が冷房運転中に給湯運転時の給湯水42の流れを示している。図1と図6を参照して冷房運転と冷房運転中の給湯運転について以下説明する。
【0045】
冷房運転時、蓄熱切替弁19は供給路15側へ全閉となっていて、排熱切替弁20は第1循環路の復路14bへ合流する側へ全開か、リターン路18側へ全開になっていれば良く、中途の開度状態でなければ良い。冷房運転時は、ヒートポンプ循環路4を第1熱媒体3が流動方向51の逆方向へ流れ、第1熱交換器11から外気熱交換器9を通して外気へと熱移動し、第2熱媒体10が熱交換によって第1熱交換器11で冷却される運転となる。第1熱交換器11で冷却され低温(たとえば10℃)になった第2熱媒体10は、空調熱交換器12へ供給され、空調熱交換器12で室内の空気を冷却する冷房運転となる。なお、第1ポンプ13は暖房運転とは逆方向に回転することで、流動経路63で第2熱媒体10を循環する。冷房する部屋の室温により第2熱媒体10の冷房運転時の温度を可変に変えるようにしてより高温で運転するようにするとヒートポンプ2の効率が向上する。
【0046】
図6の冷房運転中の給湯運転時の流動経路73では、以下の様である。すなわち、第2ポンプ22によって第2熱交換器16を通過した給水路24からの低温(たとえば20℃)の給湯水42と、蓄熱槽21から流出する(流動方向57c)蓄熱されている温度(たとえば60℃)での給湯水42とが混合されて所望の給湯温度(たとえば40℃)の給湯水42となって給湯先25aへ流動経路57a、58aにより給湯される。このとき、混合弁43は、給水バイパス路41側に対して全閉となっている。また、流動経路57cで蓄熱槽21から流出する給湯水42の分だけ、流動経路56cにより給水源24aから蓄熱槽21へ給湯水42が補充される。また蓄熱槽21から流出する高温(たとえば60℃)の給湯水42と第2熱交換器16を通過する低温(たとえば20℃)の給湯水との混合比率は、第2ポンプ22の回転数により変更され、混合後の温度を調節できる。なお、流動経路73ではなく、給水バイパス路41からの低温(たとえば20℃)の給湯水42と蓄熱槽21から流出する高温(たとえば60℃)の給湯水42とを、混合弁43開度調節で所望の比率で混合して所望の給湯温度(たとえば40℃)で給湯先25aへ給湯する様にすることも可能である。このとき、第2ポンプ22は動作させる必要はない。また流動経路57cで蓄熱槽21から流出する給湯水42の分だけ、流動経路56cにより給水源24aから蓄熱槽21へ給湯水42が補充される。
【0047】
また、上記では冷房運転時の第2熱媒体10の流れを流動経路63で示しているが、給湯運転の無い暖房運転時は、第2熱媒体10の流れは流動経路63の逆方向へ流れ、第1熱媒体3は流動方向51へ流れる。その結果、第1熱媒体3との熱交換により第1熱交換器11で加熱された第2熱媒体10が、空調熱交換器12へ供給され、室内の暖房運転となる。
【0048】
(図7の動作:暖房運転+給湯運転)
図7は暖房運転中に給湯運転時の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図である。図中、破線の流動経路64が暖房運転中の給湯運転時の第2熱媒体10の流れを示し、破線の流動経路74が暖房運転中の給湯運転時の給湯水42の流れを示している。図1と図7を参照して以下説明する。暖房運転中に給湯運転時には、蓄熱切替弁19は供給路15側へ全開となっていて、排熱切替弁20はリターン路18側へ全開になっている。暖房運転中に給湯運転時には、図5における第2熱媒体10側の動作と同じであるが、図7では暖房運転であるため、図5の蓄熱運転時の第1温度(たとえば63℃)より低い第2温度(たとえば35℃)で第2熱媒体10が第1熱交換器11で加熱されている。そのため、第2熱媒体10との熱交換により第2熱交換器16で加熱される給湯水42は、蓄熱温度(たとえば60℃)まで高くできず、温度成層蓄熱できないので、蓄熱槽21へは流入しないようにする。そのため、混合弁43は流動方向58a側へ全開にし、第2ポンプ22の回転数を調節することにより第2熱交換器16を通過する給湯水42の流量を変更して、第2熱交換器16を通過する給湯水42と蓄熱槽21から流出する給湯水42との合流比率を変更して、所望の給湯温度(たとえば40℃)を生成するように運転する。蓄熱運転時とは違い、第2熱交換器16から流出する給湯水42の温度は無制御である。第2熱交換器16から流出する給湯水42の温度は、第2熱交換器16での第2熱媒体10との熱交換で少しでも高温化されるので、その分だけ、蓄熱槽21から流出する給湯水42を抑制でき、蓄熱槽21に蓄熱された給湯水42の減少を抑制できる。また、第2熱交換器を流通する給湯水が加熱されて給湯先へ供給される分、蓄熱槽から給湯先へ供給される給湯水の供給が減り、蓄熱量の減少が抑制されるので、蓄熱槽をより一層小型化し易い。また、第1熱交換器11から流出する第2熱媒体10が、熱需要運転時(暖房運転時)は蓄熱運転時の第1温度より低い第2温度で生成されるので、第1熱交換器11での第1熱媒体3の凝縮温度は低くなり、ヒートポンプ2の効率を高く運転できる。
【0049】
(制御)
以上における制御について一例を下記記載する。
(給湯温度制御)
暖房運転中の給湯運転時は、混合弁43は給水バイパス路41から給湯先25aへの給湯路25へ流通する側を全閉にし、第2ポンプ22の回転数を操作することで、給湯先25aへ給湯する給湯水42の温度(たとえば給水バイパス路41が合流前または合流後の給湯路25の給湯水42の温度)を給湯温度(たとえば40℃)へ制御する。蓄熱運転中の給湯運転時は、混合弁43の開度を操作することで、給湯先25aへ給湯する給湯水42の温度(たとえば給水バイパス路41が合流後の給湯路25の給湯水42の温度)を給湯温度(たとえば40℃)へ制御する。冷房運転中の給湯運転時または給湯運転だけの場合、上記何れの制御でも構わない。
【0050】
(蓄熱温度制御)
蓄熱運転時は、第2ポンプ22の回転数を操作することで、第2熱交換器16から流出する給湯水42の温度を蓄熱温度(たとえば60℃)へ制御する。また第1ポンプ13の回転数を操作することで、第2熱交換器16へ流入する第2熱媒体10の温度を給湯水42の蓄熱温度(たとえば60℃)より高い蓄熱運転時の第1温度(たとえば63℃)へ制御する。このとき、ヒートポンプ2へ要求する熱負荷(外気熱交換器9で外気と出入りする熱量)は固定、あるいは蓄熱槽21の蓄熱量に応じてヒートポンプ2へ要求する熱負荷を操作するようにすればよい。ヒートポンプ2へ要求する熱負荷の代わりに、圧縮機5の周波数を操作するようにしてもよい。
【0051】
(暖房温度制御)
暖房運転だけの場合は、第1ポンプ13の回転数を操作することで、空調熱交換器12へ流入する第2熱媒体10の温度を蓄熱運転時の第1温度より低い暖房設定温度である第2温度(たとえば35℃)へ制御する。またヒートポンプ2へ要求する熱負荷を操作することで、熱需要部40の室温を室温設定温度(たとえば20℃)へ制御する。ヒートポンプ2へ要求する熱負荷の代わりに、圧縮機5の周波数を操作するようにしてもよい。なお、ヒートポンプ2の熱負荷A(圧縮機5の周波数から算出しても良い)は、暖房設定温度Bと、第1熱交換器11へ流入する第2熱媒体10の温度Cと、第1熱交換器を流通する第2熱媒体の流量D(第1ポンプ13の回転数から算出しても良い)とから、A=(B−C)×Dの関係式として考え、ヒートポンプ2へ要求する熱負荷A’をAとしてこの関係式から暖房設定温度Bを逆算するなどの方法で、暖房設定温度を可変に操作するようにしても良い。
【0052】
蓄熱運転中の暖房運転時は、第1ポンプ13の回転数を操作することで、第2熱交換器16へ流入する第2熱媒体10の温度を蓄熱運転時の設定温度である蓄熱温度(たとえば63℃)へ制御する。第2熱交換器16から流出する第2熱媒体10は、そのまま空調熱交換器12へ供給され、温度は成り行きである。この状態で、上記暖房運転時と同様に、ヒートポンプ2の熱負荷を操作することで、熱需要部40の室温を室温設定温度(たとえば20℃)へ制御する。
【0053】
(冷房温度制御)
冷房温度制御は、冷房運転だけの場合、あるいは冷房運転中の給湯運転時に行われる制御である。冷房温度制御は、制御偏差(制御設定値と実測値との差)に対する、稼働部の動作方向が、暖房運転だけの場合と逆になるだけで、基本的な動作は暖房運転だけの場合と同じである。
【0054】
(実施の形態1の効果)
(1)実施の形態1の蓄熱給湯空調機100は、以上のように構成したので、第1熱交換器11から流出する第2熱媒体10を流量変更により温度調節するので、応答性良く温度を維持できる。
(2)また、少なくとも暖房運転時は高温側の第1熱交換器11の第2熱媒体10の温度は第1温度や第2温度などの所定値に制御され、流量を変更して熱交換量を確保しているので、第1熱交換器11の第2熱媒体10の入出の温度差が熱交換性能を含む種々の運転条件に応じて可能な限り大きく確保され、流量変更により温度を制御しない場合に比べて、第1熱交換器11での第1熱媒体3の凝縮温度は低くなり、ヒートポンプ2の効率が向上する。
(3)また、熱需要部40へ供給する第2熱媒体10において、温熱供給時(暖房運転時)の第2温度は、蓄熱槽21への蓄熱運転時の第1温度より低温で良いので、その結果、第1熱媒体3の凝縮温度をより低下させた運転ができ、ヒートポンプ2の効率がより向上する。
(4)また、給湯水42および第2熱媒体10が蓄熱運転時の温度(蓄熱温度および第1温度)に達しないことによる無駄が抑制され、蓄熱槽21への温度成層による効率良い蓄熱が可能となり、有効な蓄熱量が増加する上、蓄熱槽21は給湯専用であるので過剰な大きさを確保せずとも良く、小型化できる。
(5)また、熱需要部40への熱供給と給湯とが同時に可能となり、特に熱需要部40への冷熱供給(冷房運転)と給湯とが同時に可能となり、利便性が向上する。
(6)リターン路18を通ってさらに熱需要部40を通るので、第1熱交換器11へ戻る第2熱媒体10の温度および第1熱交換器11の出口での第1熱媒体3の温度をリターン路が無い場合に比べてより低下でき、第1熱交換器11での第1熱媒体3の凝縮温度は低くなり、ヒートポンプ2の効率が向上する。また蓄熱槽21への蓄熱と熱需要部40への温熱供給(暖房運転)とが同時にでき、利便性が高くなる。
(7)給湯運転時に蓄熱槽21から給湯するだけでなく、第2熱交換器16を流通する給湯水42が加熱されて給湯先25aへ供給されるように構成したので、蓄熱槽21から給湯先25aへ供給される給湯水42の供給が減り、蓄熱量の減少が抑制され、蓄熱量を大きく確保せずともよく、蓄熱槽21をより一層小型化し易い。
【0055】
以下に実施の形態1の変形例を示す。
(第2熱媒体10)
実施の形態1では、第2熱媒体10は不凍液としたが、凍結しないように温度の管理を必要とするが、水であってもよい。
【0056】
(リターン路18および排熱切替弁20)
実施の形態1では、リターン路18および排熱切替弁20を備えた形態で示したが、それらは備えていなくても良い。少なくともリターン路18を設けたことによる効果、たとえば蓄熱運転と暖房運転とを同時にして第1熱交換器11での第2熱媒体10の入出温度差をより拡大してヒートポンプ2を効率よく運転できる効果や利便性が向上するなどの効果は限定されるが、それ以外の効果は同様に得られる。
【0057】
(第2熱媒体10の流通方向)
この実施の形態1では、第1循環路14を循環する第2熱媒体10の流通方向は、第1熱交換器11で第2熱媒体10を冷却する場合と加熱する場合とでは逆である場合で示した。しかし、加熱される場合(暖房運転)と冷却される場合(冷房運転)とは同一方向へ循環するようにしても良い。そのようにするために、運転状態に関わらず第1ポンプ13は同一方向へ回転させ、第1循環路の往路14aから第1循環路の復路14bへ、第1循環路の復路14bから第1循環路の往路14aへクロスする図示しない配管と弁とを設ける。そして熱需要部である空調熱交換器12へ第2熱媒体10を供給する方向は冷房運転時と暖房運転時とで変えないようにしていても良い。
【0058】
(熱需要部40)
熱需要部40は、蓄熱運転より低温で良い第2熱媒体10で供給できるものであれば、室内を空調するための空調熱交換器12でなくとも良い。たとえば、浴槽水を溜めた入浴のための浴槽と、第1熱交換器11で加熱された第2熱媒体10が流通する追焚熱交換器と、浴槽と追焚熱交換器との間で浴槽水を循環する追焚循環路とを備え、追焚熱交換器へ流入する(たとえば50℃の)第2熱媒体10との熱交換で浴槽水を(たとえば45℃へ)加熱して、冷えた浴槽内の浴槽水を(たとえば42℃へ)加熱できる様なものを熱需要部40としても良い。勿論、追焚熱交換器と空調熱交換器12とを両方備え、暖房運転と追焚運転とを何れか一方あるいは両方同時にすることも可能である。
【0059】
(空調熱交換器12)
また空調熱交換器12は、第1循環路の往路14aから分岐され、第1循環路の復路14bに合流する構成で、複数が並列に設けられていても良い。また、熱需要部40に空調熱交換器12複数が直列に設けられていても良い。また熱需要部40としては、空調熱交換器12だけでなく、床面から室内の空気を暖める、いわゆる床暖房であっても良い。
【0060】
(第1切替部)
また第1切替部は、蓄熱切替弁19のように供給路15へ分岐する部分に設けた三方弁ではなくても良い。例えば供給路15へ分岐後リターン路18が合流する迄の間の第1循環路の往路14aに設けた弁と、供給路15か排出路17かの何れか一方の途中に設けた弁との、2つの弁に分けて構成しても良い。
【0061】
また三方弁も含めて何れの弁も、流通方向に対して開か閉かの2位置の開閉弁であっても良いが、途中の開度で停止できる調節弁であればなお良い。このようにすると弁の開度を個別に独立して変更(調整)できるので流通量の排他性はなく、三方弁である場合よりも広範囲に流通量を変更することができる。調節弁の場合、連続的に開度を切り替えられ、開閉するだけの場合に比べて圧力変動を少なくでき、弁やポンプへのストレスを軽減して使用寿命が延び、また運転状態を切り替える場合の温度変動を少なく、不快感が少なく、また制御対象を操作している場合の制御変動を少なくできる。
【0062】
(第2切替部)
また第2切替部も第1切替部と同様に、排熱切替弁20のようにリターン路18へ分岐する部分に設けた三方弁ではなくても良い。例えば、リターン路18に設けた弁と、リターン路18に分岐後の排出路17に設けた弁と、の2つの弁に分けて備えても良い。また三方弁も含めて何れの弁も、流通方向に対して開か閉かの2位置の開閉弁であっても良いが、途中の開度で停止できる調節弁であればなお良い。このようにすると弁の開度を個別に独立して変更(調整)できるので流通量の排他性はなく、三方弁である場合よりも広範囲に流通量を変更することができる。調節弁の場合、連続的に開度を切り替えられ、開閉するだけの場合に比べて圧力変動を少なくでき、弁やポンプへのストレスを軽減して使用寿命が延び、また運転状態を切り替える場合の温度変動を少なく、不快感が少なく、また制御対象を操作している場合の制御変動を少なくできる。また、第1切替部と第2切替部とがともに2つの弁に分けて備えている場合、排出路17に設ける弁は第1切替部と第2切替部とで共用していても良い。
【0063】
(図8の動作:暖房運転+給湯運転)
図8は、蓄熱切替弁19に途中の開度で停止できる調節弁を用いた場合における、暖房運転中に給湯運転時の動作である図7の別案である。図8は、暖房運転中に給湯運転時の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図である。図中、破線の流動経路65が暖房運転中の給湯運転時の第2熱媒体10の流れを示し、破線の流動経路74が暖房運転中の給湯運転時の給湯水42の流れを示している。図1と図8を参照して以下説明する。給湯水42側の流動経路74は、図5と同じであり説明は省略する。
【0064】
排熱切替弁20はリターン路18側へ全閉、蓄熱切替弁19は、途中の開度に調整しておくことで、第1熱交換器11で加熱された第2熱媒体10が、暖房するための空調熱交換器12(流動経路52a)と、給湯水42を加熱するための第2熱交換器16(流動経路52b)との両方へ暖房運転の温度(たとえば35℃)で供給される。
【0065】
このようにしても、給湯先25aへの給湯運転は図7の動作と同様に可能である。ただし、図7のように第2熱媒体10の全量を第2熱交換器16へ供給できないので、給湯水42を加熱する能力、すなわち給湯を補助する能力が減り、給湯するために蓄熱槽21から流出する給湯水42(流動経路57c)の流量は増加することになる。一方、図7の場合には、第2熱交換器16へ流入する給湯水42と熱交換され、第2熱交換器16から排出される第2熱媒体10の温度が下がりすぎる可能性があった。その結果、室温との温度差を採れず、空調熱交換器12で暖房できなくなる可能性があった。図8のようにすることで、暖房運転の温度(たとえば35℃)で確実に空調熱交換器12へ第2熱媒体10を供給でき、蓄熱切替弁19で分流された分、暖房能力は減ったとしても、確実に暖房継続できる、という効果がある。
【0066】
(図9の動作:蓄熱運転+暖房運転+給湯運転)
図9は、蓄熱切替弁19に途中の開度で停止できる調節弁を用いた場合における、蓄熱運転中に暖房運転しながら給湯運転する際の動作である図5の別案である。図9は、蓄熱運転中に暖房運転時の第2熱媒体10と、蓄熱運転中に給湯運転時の給湯水42の流れを示す図である。図中、破線の流動経路66が蓄熱運転中の暖房運転時の第2熱媒体10の流れを示し、破線の流動経路72が蓄熱運転中の給湯運転時の給湯水42の流れを示している。図1と図9を参照して以下説明する。給湯水42側の流動経路72は、図5と同じであり説明は省略する。
【0067】
蓄熱切替弁19を途中の開度に調整すると、第1熱交換器11で加熱された第2熱媒体10が、暖房するための空調熱交換器12(流動経路52a)と給湯水42を加熱するための第2熱交換器16(流動経路52b)との両方へ蓄熱運転の温度(たとえば63℃)で供給される。また蓄熱切替弁19は、リターン路18側(流動経路53c)へ全開となっている。このようになっていると、第2熱交換器16へ流入する給湯水42との熱交換で第2熱交換器16で冷却され(たとえば30℃)、第2熱交換器16から流出し、リターン路18を通った第2熱媒体10(流動経路53c、52c)は、蓄熱切替弁19で第1循環路の往路14a側に分流された(流動方向52a)、蓄熱運転の温度(たとえば63℃)の第2熱媒体10と蓄熱切替弁19によって流量比率が調整されて合流し、暖房運転の温度(たとえば35℃)にして、空調熱交換器12へ供給される。
【0068】
このようにしても、給湯運転や蓄熱運転は図5の動作と同様に可能である。ただし、第2熱媒体10の全量を第2熱交換器16へ供給できないので、給湯水42を加熱する能力、すなわち蓄熱や給湯をする能力が減り、蓄熱のために蓄熱槽21へ流入する給湯水42(流動経路57b)の流量が減るか、あるいは給湯するために蓄熱槽21から流出する給湯水42(流動経路57c)の流量は増加することになる。一方、図5の場合には、第2熱交換器16へ流入する給湯水42と熱交換され、第2熱交換器16から排出される第2熱媒体10の温度が下がりすぎる可能性があった。その結果、室温との温度差を採れず、空調熱交換器12で暖房できなくなる可能性があった。
【0069】
図9のようにすることで、蓄熱切替弁19の開度を調節することで、暖房運転の温度(たとえば35℃)で確実に空調熱交換器12へ第2熱媒体10を供給でき、蓄熱切替弁19で分流された分、暖房能力は減ったとしても、確実に暖房継続できる、という効果がある。
【0070】
上記の図8、図9のように、蓄熱切替弁19を途中開度の調整可能な調整弁とすると、第1熱交換器11から熱需要部40または給湯用に第2熱交換器16へ、必要に応じて熱量比率を調節して同時に温熱供給でき、利便性が高くなる。また連続的に運転状態を切り替えられ、運転切替時の温度変動を少なく、不快感が少なく、制御変動を少なくできる。
【0071】
実施の形態2.
図10は実施の形態2における蓄熱給湯空調機200(蓄熱給湯装置)の構成図である。図10は実施の形態1の図1に相当する。実施の形態1と異なる点について説明する。
【0072】
実施の形態2の蓄熱給湯空調機200では、実施の形態1における蓄熱給湯空調機100に対し、
(1)排熱切替弁20とリターン路18とを備えておらず、
(2)蓄熱切替弁19が途中の開度で停止できる調節弁である。
この(1)、(2)が、実施の形態1との違いであり、他については実施の形態1と同様である。
【0073】
(動作)
次に、実施の形態1と同様に、種々の運転(蓄熱運転、給湯運転、暖房運転、冷房運転の単独または組み合わせ)状態における、蓄熱切替弁19、混合弁43、第1ポンプ13、第2ポンプ22などの稼働部の切り替え制御または流量制御(あるいは回転数制御)に基づく第2熱媒体10と給湯水42の流れを説明する。
【0074】
(図11の動作:蓄熱運転)
図11は蓄熱運転の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図である。図中、破線の流動経路61aが蓄熱運転時の第2熱媒体10の流れを、破線の流動経路71が蓄熱運転時の給湯水42の流れを示している。図10と図11を参照して以下説明する。
【0075】
蓄熱運転時、蓄熱切替弁19は供給路15側へ全開となっている。このとき第1熱交換器11で加熱された第2熱媒体10は、蓄熱切替弁19で流動方向52bへ全量が流れ、第2熱交換器16へ供給される。第2熱交換器16で給湯水42と熱交換して冷却された第2熱媒体10は、排出路17へ排出され、第1循環路の復路14bに合流して第1熱交換器11へ再び戻される(流動方向53b)。また、第2熱交換器16の給湯水42側では、第2循環路23により蓄熱槽21との間で給湯水42が第2ポンプ22によって循環している。第2熱交換器16で第2熱媒体10と熱交換して加熱された給湯水42は、流動方向57bへ全量が流れ、蓄熱槽21の上部側へ流入する。蓄熱槽21の下部側から排出された給湯水42は、流動方向56bへ全量が流れ、第2熱交換器16へ再び戻される。
【0076】
この動作の結果、加熱された給湯水42が蓄熱槽21の上部から徐々に蓄熱される。効率よく温度成層蓄熱するためには、蓄熱槽21の上部側から流入する給湯水42の温度を一定の高温(蓄熱したい温度、たとえば60℃)へ維持することが必要である。第2ポンプ22の回転数を変更して、第2熱交換器16を流通する給湯水42の流量を変更することで、第2熱交換器16での交換熱量に合わせることができ、蓄熱槽21へ流入する給湯水42の温度を一定に制御している。一方、第2熱交換器16の第2熱媒体10側では、第1ポンプ13の回転数を変更して、第2熱交換器16を流通する第2熱媒体10の流量を変更することで、第1熱交換器11での交換熱量に合わせることができ、第2熱交換器16へ流入する第2熱媒体10の温度を、上記蓄熱したい温度よりも若干高い温度(たとえば63℃)へ制御している。以上、排熱切替弁20が無いだけで、図2の動作と同様である。
【0077】
(図12の動作:蓄熱運転+給湯運転)
図12は蓄熱運転時の第2熱媒体10と蓄熱運転中に給湯運転時の給湯水42の流れを示す図である。図中、破線の流動経路61aが蓄熱運転時の第2熱媒体10の流れを示し、また破線の流動経路72が蓄熱運転中の給湯運転時の給湯水42の流れを示している。図10と図12を参照して以下説明する。第2熱媒体10側の流れ(流動経路61a)は、図11の動作と同じであり、蓄熱切替弁19は供給路15側へ全開となっている。また給湯水42側の流れ(流動経路72)は、実施の形態1の図3の流れと同じである。
【0078】
(図13の動作:冷房運転+給湯運転)
図13は冷房運転時の第2熱媒体10と、冷房運転中に給湯運転時の給湯水42の流れを示す図である。図中、破線の流動経路63が冷房運転時の第2熱媒体10の流れを示し、破線の流動経路73が冷房運転中に給湯運転時の給湯水42の流れを示している。図10と図13を参照して以下説明する。第2熱媒体10側の流れ(流動経路63)は、図6の動作と同じであり、蓄熱切替弁19は供給路15側へ全閉となっている。また給湯水42側の流れ(流動経路73)は、実施の形態1の図6の流れと同じである。
【0079】
なお実施の形態1の図6と同様、流動経路73ではなく、給水バイパス路41からの低温(たとえば20℃)の給湯水42と蓄熱槽21から流出する高温(たとえば60℃)の給湯水42とを、混合弁43の開度調節で所望の比率で混合して所望の温度(たとえば40℃)で給湯先25aへ給湯する様にすることも可能である。このとき、第2ポンプ22は動作させる必要はない。また流動経路57cで蓄熱槽21から流出する給湯水42の分だけ、流動経路56cにより給水源24aから蓄熱槽21へ給湯水42が補充される。
【0080】
また実施の形態1の図6と同様、冷房運転時の第2熱媒体10の流れを流動経路63で示しているが、給湯運転の無い暖房運転時は、第2熱媒体10の流れは流動経路63の逆方向へ流れ、第1熱媒体3は流動方向51へ流れる。その結果、第1熱媒体3との熱交換により第1熱交換器11で加熱された第2熱媒体10が、空調熱交換器12へ供給され、室内の暖房運転となる。
【0081】
(図14の動作:暖房運転+給湯運転)
図14は、暖房運転中に給湯運転時の第2熱媒体10と給湯水42の流れを示す図である。図中、破線の流動経路65aが暖房運転中の給湯運転時の第2熱媒体10の流れを示し、破線の流動経路74が暖房運転中の給湯運転時の給湯水42の流れを示している。図10と図14を参照して以下説明する。第2熱媒体10側の流れ(流動経路65a)は、実施の形態1の変形例の図8の動作と同じであり、蓄熱切替弁19は、途中の開度に調整しておくことで、第1熱交換器11で加熱された第2熱媒体10が、暖房するための空調熱交換器12(流動経路52a)と給湯水42を加熱するための第2熱交換器16(流動経路52b)との両方へ暖房運転の温度(たとえば35℃)で供給される。また、給湯先25aへの給湯運転は図8の動作と同様に、蓄熱切替弁19によって分流されているので、給湯水42を加熱する能力、すなわち給湯を補助する能力が減り、給湯するために蓄熱槽21から流出する給湯水42(流動経路57c)の流量は増加することになる。また暖房運転では図8の動作と同様に、暖房運転の温度(たとえば35℃)で確実に空調熱交換器12へ第2熱媒体10を供給でき、蓄熱切替弁19で分流された分、暖房能力は減ったとしても、確実に暖房継続できる、という効果がある。
【0082】
(実施の形態2の効果)
実施の形態2の蓄熱給湯空調機100は、以上のように構成したので、流量変更で第1熱交換器11を流通する第2熱媒体10の温度差を大きくでき、また熱需要部40へ温熱供給時(暖房運転時)は蓄熱槽21への蓄熱運転時より低温で良いので、その結果、第1熱媒体3の凝縮温度を低下でき、ヒートポンプ2の効率が向上する。また蓄熱槽21への蓄熱運転時、第2熱交換器16への給湯水42と第2熱媒体10の流量変更で温度成層による効率良い蓄熱が可能となる。また蓄熱槽21に蓄熱した給湯水42と第2熱交換器16で加熱された給湯水42とで給湯できるので、蓄熱槽21に蓄熱された給湯水42の減少を抑制でき、蓄熱槽21の容積を少なくできるか、または蓄熱槽21の容積を増やさずに給湯先25aへの給湯量を増大できる。熱需要部40への熱供給と給湯とが同時に可能となり、特に熱需要部40への冷熱供給(冷房運転)と給湯とが同時に可能となる。また、排熱切替弁20とリターン路18とが不要となるので構成が実施の形態1に比べて簡単になる。
【符号の説明】
【0083】
2 ヒートポンプ、3 第1熱媒体、4 ヒートポンプ循環路、5 圧縮機、6 循環切替弁、7 膨張弁、8 ファン、9 外気熱交換器、10 第2熱媒体、11 第1熱交換器、12 空調熱交換器、13 第1ポンプ、14 第1循環路、14a 第1循環路の往路、14b 第1循環路の復路、15 供給路、16 第2熱交換器、17 排出路、18 リターン路、19 蓄熱切替弁、20 排熱切替弁、21 蓄熱槽、22 第2ポンプ、23 第2循環路、23a 第2循環路の往路、23b 第2循環路の復路、24 給水路、24a 給水源、25 給湯路、25a 給湯先、40 熱需要部、41 給水バイパス路、42 給湯水、43 混合弁、50 制御装置、51 (第1熱媒体の)流動方向、52a,52b,52c,53a,53b,53c (第2熱媒体の)流動方向、55a,55b,56a,56b,56c,57a,57b,57c,58a,58b (給湯水の)流動方向、61,61a (蓄熱運転時の第2熱媒体の)流動経路、62 (蓄熱運転中に暖房運転時の第2熱媒体の)流動経路、63 (冷房運転時の第2熱媒体の)流動経路、64,65,65a (暖房運転中に給湯運転時の第2熱媒体の)流動経路、66 (蓄熱運転中に暖房運転時の第2熱媒体の)流動経路、71 (蓄熱運転時の給湯水の)流動経路、72 (蓄熱運転中に暖房運転時の給湯水の)流動経路、73 (給湯運転時の給湯水の)流動経路、74 (暖房運転中に給湯運転時の給湯水の)流動経路、100,200 蓄熱給湯空調機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートポンプの動作で高温化と低温化とのいずれかにされた第1熱媒体が一方に流通し、前記第1熱媒体との熱交換により加熱または冷却される前記第2熱媒体が他方に流通する第1熱交換器と、前記第1熱媒体と熱交換された前記第2熱媒体を熱利用する熱需要部とを、前記第1熱交換器から前記熱需要部へ向かう往路と、前記熱需要部から前記第1熱交換器へ向かう復路とで接続して、前記第2熱媒体を循環する第1循環路と、
前記第1熱交換器を流通する前記第2熱媒体の流量を、制御を受けることによって調節する第1ポンプと、
給湯路を介して給湯先へ供給する給湯水を所定量収容する蓄熱槽と、前記第1循環路の往路から分岐された供給路と前記第1循環路の復路へ合流する排出路とが接続され、前記供給路から前記第2熱媒体が流入して一方に流通し前記排出路に排出され、他方を前記蓄熱槽の前記給湯水が流通して前記一方を流通する前記第2熱媒体と熱交換する第2熱交換器とを、前記第2熱交換器から前記蓄熱槽へ向かう往路と、前記蓄熱槽から前記第2熱交換器へ向かう復路とで接続して、前記蓄熱槽の前記給湯水を循環する第2循環路と、
前記第2熱交換器の前記他方を流通する前記給湯水の流量を、制御を受けることによって調節する第2ポンプと、
前記第1熱交換器から前記熱需要部への前記第1熱交換器から前記熱需要部へ向かう前記往路による前記第2熱媒体の流通と、前記第1熱交換器から前記第2熱交換器への前記供給路による前記第2熱媒体の流通とを、制御を受けることによって変更する第1切替部と、
前記蓄熱槽に収容された前記給湯水に所定の熱量を蓄えるために前記第2熱交換器において前記一方を通過する前記第2熱媒体によって前記他方を通過する前記給湯水を加熱する蓄熱運転時に、前記第1ポンプと前記第2ポンプと前記第1切替部とを制御することにより、前記第1ポンプの回転数の変更と、前記第2ポンプの回転数の変更と、前記第1切替部の流通の変更とに基づいて、前記第1熱交換器から流出する前記第2熱媒体の流出温度を予め設定された温度である蓄熱温度よりも高い第1温度へ調節すると共に、前記第2熱交換器から流出する前記給湯水の流出温度を前記蓄熱温度へ調節する制御装置と
を備えたことを特徴とする蓄熱給湯装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記熱需要部へ前記第2熱媒体を供給する熱需要運転時には、前記第1ポンプの回転数の変更によって、前記第1熱交換器から流出する前記第2熱媒体の流出温度を、前記第1温度より低い第2温度へ調節することを特徴とする請求項1記載の蓄熱給湯装置。
【請求項3】
前記蓄熱給湯装置は、さらに、
給水源から前記蓄熱槽へ前記給湯水を供給する給水路から分岐され、前記給湯路に合流する給水バイパス路と、
前記給湯路の前記給湯水の流通と、前記給水バイパス路の前記給湯水の流通との流量比率を、制御を受けることによって調節する混合切替部と
を備え、
前記制御装置は、
前記給湯先へ前記給湯水を指定された給湯温度で供給する給湯運転時には、前記混合切替部の前記流量比率を変更することにより前記給湯先へ供給する前記給湯水を前記指定された給湯温度へ調節すると共に、前記第1熱交換器による熱交換によって加熱された前記第1熱媒体を前記熱需要部へ供給する熱需要運転である暖房運転時に前記給湯運転が生じた際には、前記混合切替部に対する前記流量比率の変更制御に加えて、前記第1切替部の流通の変更と、前記第2ポンプの回転数の変更とによって、前記第2熱交換器で加熱された前記給湯水を、前記給湯先へ供給することを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の蓄熱給湯装置。
【請求項4】
前記第1切替部は、
前記第1熱交換器から前記熱需要部への前記第1熱交換器から前記熱需要部へ向かう前記往路による前記第2熱媒体の流通と、前記第1熱交換器から前記第2熱交換器への前記供給路による前記第2熱媒体の流通との流量比率を、前記制御装置からの制御を受けることによって任意に調節可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓄熱給湯装置。
【請求項5】
前記蓄熱給湯装置は、さらに、
前記排出路から分岐し、前記供給路へ分岐後の前記第1循環路の往路に合流するリターン路と、
前記リターン路を流通する前記第2熱媒体の流通と、前記リターン路の分岐後の前記排出路を流通する前記第2熱媒体の流通とを、前記制御装置からの制御を受けることによって変更する第2切替部と
を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓄熱給湯装置。
【請求項6】
前記第2切替部は、
前記リターン路を流通する前記第2熱媒体の流通と、前記リターン路の分岐後の前記排出路を流通する前記第2熱媒体の流通との流量比率を、前記制御装置からの制御を受けることによって任意に調節可能であることを特徴とする請求項5記載の蓄熱給湯装置。
【請求項7】
ヒートポンプの動作で高温化と低温化とのいずれかにされた第1熱媒体が一方に流通し、前記第1熱媒体との熱交換により加熱または冷却される前記第2熱媒体が他方に流通する第1熱交換器と、前記第1熱媒体と熱交換された前記第2熱媒体を熱利用する熱需要部とを、前記第1熱交換器から前記熱需要部へ向かう往路と、前記熱需要部から前記第1熱交換器へ向かう復路とで接続して、前記第2熱媒体を循環する第1循環路と、
前記第1熱交換器を流通する前記第2熱媒体の流量を、制御を受けることによって調節する第1ポンプと、
給湯路を介して給湯先へ供給する給湯水を所定量収容する蓄熱槽と、前記第1循環路の往路から分岐された供給路と前記第1循環路の復路へ合流する排出路とが接続され、前記供給路から前記第2熱媒体が流入して一方に流通し前記排出路に排出され、他方を前記蓄熱槽の前記給湯水が流通して前記一方を流通する前記第2熱媒体と熱交換する第2熱交換器とを、前記第2熱交換器から前記蓄熱槽へ向かう往路と、前記蓄熱槽から前記第2熱交換器へ向かう復路とで接続して、前記蓄熱槽の前記給湯水を循環する第2循環路と、
前記第2熱交換器の前記他方を流通する前記給湯水の流量を、制御を受けることによって調節する第2ポンプと、
前記第1熱交換器から前記熱需要部への前記第1熱交換器から前記熱需要部へ向かう前記往路による前記第2熱媒体の流通と、前記第1熱交換器から前記第2熱交換器への前記供給路による前記第2熱媒体の流通とを、制御を受けることによって変更する第1切替部と
を備えた蓄熱給湯装置に対して、
制御装置が、
前記蓄熱槽に収容された前記給湯水に所定の熱量を蓄えるために前記第2熱交換器において前記一方を通過する前記第2熱媒体によって前記他方を通過する前記給湯水を加熱する蓄熱運転時に、前記第1ポンプと前記第2ポンプと前記第1切替部とを制御することにより、前記第1ポンプの回転数の変更と、前記第2ポンプの回転数の変更と、前記第1切替部の流通の変更とに基づいて、前記第1熱交換器から流出する前記第2熱媒体の流出温度を予め設定された温度である蓄熱温度よりも高い第1温度へ調節すると共に、前記第2熱交換器から流出する前記給湯水の流出温度を前記蓄熱温度へ調節する蓄熱給湯方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−36648(P2013−36648A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171937(P2011−171937)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】