説明

融雪セラミックス

【課題】降雪地での信号機、道路標識に装着することで、着雪を有効に防止することを提供する。
【解決手段】セラミックス基材の中に発熱体を埋設し、一体成形した物を焼成することにより堅牢で高耐久、更に低電圧の給電で安全に使用可能なセラミックス製品が提供可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融雪セラミックスを製造する過程において、セラミックス基材に抵抗発熱体(ニッケルクロム合金線)を埋設する様を成して、一体成型された物を焼成した製品に電流を流す事により融雪セラミックス自体が発熱する製品に関する物である。
【背景技術】
【0002】
従来の製品及び製法では、予め焼成されたセラミックスに発熱体となる物質を接着した物または、セラミックス表面に粉体を塗布した物をセラミックスヒーター、融雪装置などの名称で様々な技術が提案され又は実施されている。一例として、実開平7−343009号に開示された融雪装置は発熱するヒーター層とセラミックス体とを構成要素とし、ヒーター層からの熱をセラミックス体に伝えるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
屋外での使用において、セラミックス製品に発熱体を接合させた製品では、雨水、降雪、太陽熱により発熱体の離脱の恐れが有り、安定した状態で固定することが出来ませんでした。また、金属発熱体単体の使用では酸化の恐れが有り、寿命に問題が生じたり、熱を効率的に伝えることが出来ませんでした。
【0004】
そこで、本発明は従来の製品とは異なり、発熱体の離脱する危険性を有効に防止する事が可能となり、また、酸化の恐れを解決するために提案されたものであって、低電圧電源を利用して安全に効率良く融雪セラミックス本体が発熱する事が出来る製品を提供することを目的とするものである。
【問題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために提案された物であって、第1の発明(請求項1記載の発明)は、セラミックス基材の中に抵抗発熱体を埋設し、一体焼成した製品を特徴とするものである。
【0006】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、セラミックス基材の中に抵抗発熱体(ニッケルクロム合金線)を埋設し、一体焼成した製品を特徴とするものである。
【0007】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、抵抗発熱体(ニッケルクロム合金線)を陶土の中に埋め込み、焼成した製品を特徴とするものである。
【0008】
上記第1の発明を構成する抵抗発熱体は、電流を流す事で発熱する物で有れば良く、形状には限定される物ではない。また、本体部分のセラミックス原料(流動性または固体)を型枠(金型、木型または石膏型)に入れ、次に抵抗発熱体を埋設し、セラミックス原料を入れて生地製品ができ、生地製品の乾燥処理後焼成して、融雪セラミックスが完成します。
【0009】
上記第2の発明を構成する抵抗発熱体(ニッケルクロム合金線)は、本体部分のセラミックス原料(流動性または固体)を型枠(金型、木型または石膏型)に入れ、次に抵抗発熱体(ニッケルクロム合金線)を埋設し、乾燥処理後焼成して、融雪セラミックスが完成します。
【0010】
上記第3の発明を構成する抵抗発熱体(ニッケルクロム合金線)は、陶土を型枠(金型、木型または石膏型)に入れ、次に抵抗発熱体(ニッケルクロム合金線)を埋設し、セラミックス原料を入れて生地製品ができ、生地製品の乾燥処理後焼成して、融雪セラミックスが完成します。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
一体成形により、発熱体の離脱および抵抗発熱体合金の大気露出部を最小限に留めることにより酸化による劣化を防止することが可能となり、高い耐久性が得られる。
【0012】
また、抵抗発熱体(ニッケルクロム合金線)の線径の最適な選択をすることにより抵抗値を自在に設計することが可能となり、低電圧での使用が可能になる。これに依って絶縁の問題や感電の危険を回避できる。
【実施例1】
【0013】
降雪地での鉄塔、道路標識及びカーブミラーまたは信号機の上に融雪セラミックスを装着することで、降雪時の着雪を防止することができる製品です。
【実施例2】
【0014】
降雪地の家屋の玄関や玄関への通路へ設置することに依り、降雪時の着雪を防止することができる製品です。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、豪雪地での鉄塔、信号機が雪により崩壊の恐れが或る為、除雪作業をしなければなりませんでしたが、融雪セラミックスを装着することで、寒い中除雪作業をする必要が無く、安全に着雪を有効に防止することができます。また、道路標識への着雪を防止することにより道路標識及びカーブミラーの視認性を確保できる為、交通安全につながります。
【0016】
本発明によれば、実施例2の様な積雪地での通路確保の為、除雪作業の必要性が有りましたが、融雪セラミックスを設置することに依り、通電さえしておけば、除雪作業をする必要が無く、着雪を有効に防止することができ来訪者の転倒などの危険を防止することへの効果が期待できます。
【図面の簡単な説明】
【図1】融雪セラミックスの平面図である。
【図2】融雪セラミックスの側面図である。
【図3】融雪セラミックスのA−A’断面の断面図である。
【符号の説明】
1 融雪セラミックス
2 セラミックス
3a抵抗発熱体一方の電極
3b抵抗発熱体の内蔵部
3c抵抗発熱体他方の電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗発熱体をセラミックス基材に埋設する様を成して、一体成型された物を焼成した製品。
【請求項2】
抵抗発熱体(ニッケルクロム合金線)をセラミックス基材に埋設する様を成して、一体成型された物を焼成した製品。
【請求項3】
抵抗発熱体(ニッケルクロム合金線)を陶土に埋設する様を成して、成型された物を焼成した製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−50923(P2008−50923A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−255034(P2006−255034)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(598042987)有限会社シーム (3)
【Fターム(参考)】