説明

血液分析装置

【課題】血液を遠心分離し、分離された血漿の吸光度の測定、及び遠心分離中の血漿と血球の境界位置が検出可能な血液分析装置及び血液分析方法を提供する。
【解決手段】遠心分離対象の血液検体が注入されるチャンバー内の吸光度が測定可能な吸光度測定部を備え、予め測定した夾雑物質が存在しない血漿の吸光度と夾雑物質が存在する血漿の吸光度から演算された閾値と、遠心分離によって得られた血漿の吸光度とを比較することにより、分析結果に悪影響を及ぼす夾雑物質が混入した血漿を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液を遠心分離により分離し、その構成成分と試薬を反応させ分析を行う血液分析技術に関するものである。特に、分離された血漿の測定技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、肥満(特に内臓脂肪型肥満)が原因で、糖尿病、高脂血症、高血圧及び肥満症などの生活習慣病によるメタボリックシンドロームが問題になっている。これらは、主として動脈硬化により起こるので、血液検査により、血糖、中性脂肪及びコレステロールを定期的に検査することが必要である。
【0003】
そこで、診療所などの小規模な医療施設でも取り扱いやすく、かつ正確な測定の出来るPOCT(Point−of−care Testing)血液検査装置が望まれている。血糖、中性脂肪及びコレステロールなどを測定する場合、血漿を用いた検査が行われるが、血液から血漿を取り出すために遠心分離が必要なため、POCT血液検査装置には遠心分離装置が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図9に、従来のPOCT血液検査装置に用いられている遠心分離装置を説明する。遠心分離装置94は、血液検体が注入される取り外し可能な血液分析装置90と、血液分析装置を遠心分離する遠心分離機91と、血液分析装置の角度を変更する回転ステージ92と、回転ステージと遠心分離機の間で血液分析装置の移送を行う移載機93とが備えられている。
【0005】
回転ステージ92上に配置された血液分析装置90(図示せず)に血液を注入し、移載機93によって血液分析装置90を遠心分離機91に移動し、遠心分離機91によって回転中心95でローターを高速回転させることにより、血液を血漿と血球に分離し、移載機93によって血液分析装置90を回転ステージに移動し、回転ステージ92上で血液の分析を行う。
【特許文献1】特開2005−241617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、血液分析を行うための血液によっては正しい測定が出来ない場合があった。すなわち、食後に採血した血液や高脂血症患者から採決した血液には、血液中のカイロミクロンやVDLが増加するため、乳び血漿(血漿が乳白色になり濁ること)や溶血血漿(赤血球が破壊され、ヘモグロビンなどの成分が流出した赤色となった血漿)が生じるため、正確な測定値を得ることが出来ないという課題があった。
【0007】
また、前記従来の構成では、遠心分離時間が固定されているため、血液分析を行うための血液によっては、十分な血漿が得られないという課題があった。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、正しく測定出来る血液のみを測定できる、また、測定に必要な血漿を正確に遠心分離できる血液分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の血液分析装置は、検査するための血液を注入するチャンバーと、前記チャンバーを回転させて遠心力を加えるための遠心分離制御部と、遠心分離処理後に前記チャンバー内の検査すべき血液の吸光度を測定するための吸光度測定部と、前記吸光度測定部により測定された血漿の吸光度に応じて検査すべき血液が正常か異常かを判別する検体判別部と、前記検査すべき血液が異常と判別された場合に分析処理を中止する分析手順制御部と、を設けたことを特徴としたものである。
【0010】
さらに、本発明の血液分析装置は、血液検体が注入可能なチャンバーと、前記チャンバーを回転させて遠心力を加えるための遠心分離制御部と、遠心分離処理後に前記チャンバー内の検査すべき血液の吸光度を測定するための吸光度測定部と、前記吸光度測定部による測定結果に基づいて遠心分離中の血漿と血球の境界位置を判定し境界位置信号とする境界検出部と、前記前記境界信号に基づいて前記遠心分離制御部の遠心力を変更する遠心力制御部と、を設けたことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の血液分析装置及び血液分析方法によれば、血液を遠心分離した後得られた血漿の吸光度を測定することにより、分析に適さない夾雑物質が混入した血漿(乳び血漿或いは溶血血漿)が判別できるため、分析不可能な血液の測定を排除でき、正確な測定値のみを測定者に与えることが出来る。また、遠心分離中の血漿と血球の境界位置の検出を行うため、測定する血液に最適な遠心力や遠心分離時間を得ることができるので、従来のPOCT血液分析装置に比べて高い精度の測定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の血液分析装置及び血液分析方法の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における血液分析装置の構成図である。図1に示すように、チャンバー11に検査する血液を入れ、ローター10にセットした後、モーター13にてローター10を回転させチャンバー11に遠心力を与える。ローター10に下部に設けられた発光部15により放射された光は、遠心分離中のチャンバー11内の検査する血液を透過してローター10に上部に設けられた受光部16に達する。受光部16で得られた透過光は、演算部17でその吸光度が測定され、その出力が検体判別部18に送られる。検体判別部18では、送られてきた吸光度を元に検査する血液の正常・異常の判別を行い、その結果を分析手順制御部19に送る。異常と判別した場合には、分析手順制御部19は、血液分析を終了する。
【0014】
図2と図3は、本発明の実施の形態1における検体判別処理の手順を示すフローチャートであり、図4は、遠心分離時のチャンバー内の血液検体の変化を示す図である。以下、これらの図面を用いて詳細な説明する。
【0015】
血液分析処理が開始されると、まず、回転可能なローター10内に設けられたチャンバー11へ血液検体が注入される(S20)。注入完了後、遠心分離処理が実行される(S21)。遠心分離処理は、遠心分離制御部12からモーター13に対して所定の回転数で回転させるための信号が送信され、これによりモーター13が回転し、モーター13に接続されたローター10が回転する。ローター10が回転している状態で一定時間経過すると、ローター10内に設けられたチャンバー11内の血液検体は遠心分離され、血漿と血球に分離される。
【0016】
この遠心分離所要時間に対する血漿と血球の分離度に関して図4を用いて説明する。図4(a)に示すように、チャンバー11内に血液検体が注入された直後は、図4で示すチャンバー40内では、血漿と血球が交じり合っている。遠心分離所要時間が経過するにつれて、図4(b)、図4(c)、図4(d)で示されるように徐々に血漿と血球が分離される。一般的には、血液中に存在する赤血球の容積の割合を示した値であるヘマトクリットは、男性で40〜50%、女性で35〜45%なので、血漿と血球の割合が5:5乃至は6:4程度になれば、完全に遠心分離された状態と考えて良い。
【0017】
続いて、血漿吸光度測定処理が実行される(S22)。血漿の吸光度測定には、吸光度測定部14を用いる。吸光度測定部14はチャンバー11に対して対象に設けられた発光部15と受光部16、及び演算部17から構成される。まず、発光部15から照射された光がチャンバー11の血漿部分を通過し、受光部16によって受光される。ここで、発光部15と受光部16のチャンバー11に対する設置位置は、前述のヘマトクリットを考慮し、図1に示すようにローター10の回転中心寄りに配置する。受光部16では、光電変換が行われ、受光量が電圧として出力される。出力された電圧を、演算部17内のA/D変換器によってデジタルデータに変換することにより血漿の吸光度が演算される。
【0018】
その後、検体判別部18により検体判別処理が実行される(S23)。検体判別部18の処理手順を、図3を用いて説明する。検体判別は、前述の血漿の吸光度と閾値を比較することにより行われる(S30)。閾値の決め方は、予め本血液分析装置の製造工程などで、本血液分析装置の光学測定系(発光部と受光部)を用いて、正常な血漿と異常な血漿との吸光度を測定しておき、それらの値から血漿中の夾雑物質の存在の有無が判別できる値を求めておく。
【0019】
その閾値を検体判別部18に記憶しておき、血漿吸光度測定処理にて演算した吸光度と比較することによって、血漿内の夾雑物質の存在の有無を判別する。これにより血漿内に夾雑物質が存在しない正常な血液検体であるのか、それとも血漿内に夾雑物質が存在する異常な血液検体であるのという検体特性が判明する。更には、所望の分析が不可能な検体のうち、乳び血漿であるのか、溶血血漿であるのかを特定するために、複数の閾値を設け判定しても良い。これにより、所望の分析が不可能な理由が明確になる。
【0020】
続いて、検体判別処理(S23)によって得られた検体特性により、所望の分析が可能な場合は反応及び分析を実行し(S25)、血液分析処理を終了する。また、所望の分析が不可能な場合は、分析手順制御部19によって以降の処理を実施せず血液分析処理を終了する。
【0021】
また、本実施の形態1では、遠心分離によって得られた血漿が乳び血漿であると特定できた場合、前述のとおり血液分析処理を中止するのではなく、その乳び血漿の吸光度を記憶しておき、最終的な分析結果と演算することによって、乳びによって上昇した吸光度をキャンセルすることにより、乳び血漿の場合でも、目的とする分析結果を得ることもできる。
【0022】
また、本実施の形態1のローター10内に設けられたチャンバー11を、脱着可能とすることにより、分析毎に異なるチャンバー11が使用可能となり、またローター10内のチャンバーを洗浄するなどの処理が不要となり、装置の使い勝手を向上することができるため、チャンバー11を脱着可能とし、ローター10にセットする構成にしても良い。
【0023】
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施例における血液分析装置の構成図である。図5に示すように、チャンバー51に検査する血液を入れ、ローター50にセットした後、モーター53にてローター50を回転させチャンバー11に遠心力を与える。ローター10に下部に設けられた複数の光源を持つ発光部55により放射された光は、遠心分離中のチャンバー11内の検査する血液を透過してローター10に上部に設けられた複数の受光部を持つ受光部16に達する。受光部16で得られた透過光は、演算部17でその吸光度が測定され、その出力が境界検出部58に送られる。境界検出部58では、送られてきた複数の透過光を元に血漿と血球の境界位置と血漿の吸光度を測定し、その結果を遠心力制御部59に送る。遠心力制御部59では、境界検出部58の結果に応じたモーター53の回転数を計算し、その結果を遠心分離制御部53に送り、検査する血液に応じた最適な遠心分離を行う。
【0024】
図6は本発明の第2の実施例における血液分析処理のフローチャート、図7は本発明の第2の実施例における遠心分離時のチャンバー内の血液検体の変化を示す模式図で、図8は、本発明の第2の実施例における遠心力制御のための判断基準の模式図である。
【0025】
以降、図6〜の図8を用いて血液分析処理の手順を説明する。血液分析処理が開始されると、まず、回転可能なローター50内に設けられたチャンバー51へ血液検体が注入される(S60)。次いで、遠心分離処理が開始される(S61)が、遠心分離処理内容に関しては、実施の形態1と同様のため、説明を省略する。次にチャンバー51内の複数箇所で吸光度を測定して(S62)、血漿と血球の境界位置を検出し(S63)、遠心力を制御(S64)する。
【0026】
これらの手順に関しては、図7を用いて詳細に説明する。図7は、遠心分離処理中のチャンバー内の血漿および血球の割合の変化、すなわち血漿と血球の境界位置の変化を示した模式図である。図5のチャンバー51と図7のチャンバー70は同一なので、また図5と図7の発光部55及び受光部56の英文字A〜Dと、数字1〜4は、各々同じものを示す。
【0027】
また図7の(a)〜(d)は同一チャンバーの時間的変化を示し、図(a)が最も時間的に早い状態を示し、続いて(b)、(c)の順で、最後に図(d)となる。また、図7に示すようにチャンバー70を挟んで対称位置に発光部55の複数の発光源(A〜D)と受光部56の複数の受光素子(1〜4)が設けられている。図では、発光源と受光素子はそれぞれ4つずつが図示されているが、複数個であればそれ以外の個数でもよい。但し、複数個の配置は、ローターの回転同心円上に配置されないようにする必要がある。
【0028】
まず、遠心分離が開始された直後のチャンバーの状態を示す図7(a)において、発光部(A〜D)から光を照射し、受光部(1〜4)で受光する。次にそれぞれの受光部(1〜4)での受光量を基に、実施の形態1と同様にそれぞれの受光部での吸光度を演算する。遠心分離開始直後のチャンバー内は、血漿と血球とが交じり合っているため、受光部(1〜4)での吸光度はほぼ同一である。
【0029】
次いで、所定の時間経過後のチャンバーの状態を図7(b)に示す。この時、再び発光部(A〜D)から光を照射し、受光部(1〜4)で受光し、それぞれの吸光度を演算する。遠心力により、チャンバー内の血漿と血球は分離が進むので、発光部Aと受光部1とが配置されている位置では血漿が存在し、他の位置では血球が存在する。つまり、受光部1での吸光度と受光部2〜4での吸光度に差が生じる。これにより、血漿と血球の境界位置は、発光部Aと発光部Bとが配置されている位置の間にあることがわかる。このようにして、同様に所定の時間経過後に4つ受光部での吸光度を演算することにより、血漿と血球の境界位置が各発光部と受光部の組のどの間に存在するか検出できる。図7(c)では、発光部Bと発光部Cとが配置されている位置の間に境界があり、図7(d)では、発光部Dが配置されている位置より左側に境界がある(発光部Dと受光部4が配置されている位置を通過した)ことがわかる。
【0030】
以上のようにして、所定の時間間隔で複数回、チャンバー51内の複数箇所で吸光度の測定(S62)を行うことにより、吸光度の測定(S62)と血漿と血球の境界位置の検出(S63)とを行い、その結果を元にして遠心力制御部59により遠心力の制御を行う(S64)。
【0031】
図8を用いて遠心力制御部59で行う具体的な制御を説明する。図中のドットは、時刻A、時刻B、時刻Cにおいて検出された血漿と血球の境界位置から求まる検査に必要な血漿量と遠心分離に必要な時間の関係を示した図である。図中の点線は検査に必要な血漿量であり、一点鎖線は必要な遠心分離完了時間である、各々予め設定した値である。図8(a)では、時刻Cでの血漿量は必要血漿量にほぼ近い値を示しており、且つ時刻A、B、Cの血漿量の変化から見て、予め設定された遠心分離完了時間で取得できる血漿量は必要血漿量を満たすと判断し、設定された遠心力を変更する必要はない。図8(b)では、時刻Cでの血漿量は必要血漿量の半分にも満たず、且つ時刻A、B、Cの血漿量の変化が小さいので、予め設定された遠心分離完了時間では、必要血漿量を満たないと判断出来し、遠心力制御部59によりモーター53の回転数を上昇させて遠心力を強くする。図8(c)では、時刻Cでの血漿量は必要血漿量を超えているので遠心力制御部59によりモーター53を停止させ、測定時間を短縮することが出来る。
【0032】
このようにして、必要な血漿量が得られたか、遠心分離処理に与えられた時間を経過したか、或いは必要な血漿量が得られず分析不可能と判断されるかによって、遠心分離処理を終了する(S65)。続いて、必要な血漿量が得られた場合は、反応及び分析を実行し(S66)、血液分析処理を終了する。また、分析が不可能な場合は、反応及び分析を実施せず血液分析処理を終了する。
【0033】
また、吸光度測定部54内の発光部55および受光部56は複数設けるのではなく、可動式の発光部および受光部を1つずつ設け、境界を連続的に検出及び追従することにより、高精度な境界検出が可能となるため、可動式の発光部および受光部を1つずつ設けるようにしても良い。また、発光部と受光部は、遠心力が作用する方向と同方向でかつ直線状一定間隔に配置されるのがより良い。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明にかかる血液分析装置は、血液を遠心分離して分析に適した正常血漿と異常血漿(乳び血漿或いは溶血血漿)とを区別で、また測定に必要な遠心分離を自動で判断できるので、高度な遠心分離を必要とする医療用測定器あるいは生体分析用機器に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例1における血液分析装置の構成図
【図2】本発明の実施例1における血液分析処理のフローチャート
【図3】本発明の実施例1における血液分析処理の一部である検体判別処理のフローチャート
【図4】本発明の実施例1における遠心分離時のチャンバー内の血液検体の変化の模式図
【図5】本発明の実施例2における血液分析装置の構成図
【図6】本発明の実施例2における血液分析処理のフローチャート
【図7】本発明の実施例2における遠心分離時のチャンバー内の血液検体の変化と境界検出の模式図
【図8】本発明の実施例2における遠心力制御のための判断基準の模式図
【図9】従来の遠心分離装置の構成図
【符号の説明】
【0036】
10 ローター
11 チャンバー
12 遠心分離制御部
13 モーター
14 吸光度測定部
15 発光部
16 受光部
17 演算部
18 検体判別部
19 分析手順制御部
S20〜S25 ステップ
S30 ステップ
40 チャンバー
50 ローター
51 チャンバー
52 遠心分離制御部
53 モーター
54 吸光度測定部
55 発光部
56 受光部
57 演算部
58 境界検出部
59 遠心力制御部
S60〜S66 ステップ
70 チャンバー
90 血液分析装置
91 遠心分離機
92 回転ステージ
93 移載機
94 遠心分離装置
95 回転中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査するための血液を注入するチャンバーと、
前記チャンバーを回転させて遠心力を加えるための遠心分離制御部と、
遠心分離処理後に前記チャンバー内の検査すべき血液の吸光度を測定するための吸光度測定部と、
前記吸光度測定部により測定された血漿の吸光度に応じて検査すべき血液が正常か異常かを判別する検体判別部と、
前記検査すべき血液が異常と判別された場合に分析処理を中止する分析手順制御部と、を設けた血液分析装置。
【請求項2】
前記検体判別部は、前記検査すべき血液の吸光度が所定の閾値を超えた場合に異常と判断する請求項1に記載の血液分析装置。
【請求項3】
血液検体が注入可能なチャンバーと、
前記チャンバーを回転させて遠心力を加えるための遠心分離制御部と、
遠心分離処理後に前記チャンバー内の検査すべき血液の吸光度を測定するための吸光度測定部と、
前記吸光度測定部による測定結果に基づいて遠心分離中の血漿と血球の境界位置を判定し境界位置信号とする境界検出部と、
前記前記境界信号に基づいて前記遠心分離制御部の遠心力を変更する遠心力制御部と、を設けた血液分析装置。
【請求項4】
前記吸光度測定部は、前記チャンバーの血液測定部に光を照射するように配置された複数の光源と、前記光源に対応して配置された複数の受光素子からなり、前記チャンバーに遠心力が加えられたときから、所定の時間間隔で前記受光素子の受光信号を検出し前記境界検出部に出力する請求項3に記載の血液分析装置。
【請求項5】
前記境界検出部は、前記吸光度測定部より送られてきた出力を蓄える記憶手段と、前記記憶手段に基づいて遠心分離中の血漿と血球の境界位置の時間変化を演算する演算手段とから成り、前記演算手段の結果を境界位置信号として前記遠心力制御部出力する請求項3に記載の血液分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−261733(P2008−261733A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−104792(P2007−104792)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】