説明

表示制御システム、姿勢検出用メガネ、制御プログラムおよび記録媒体

【課題】2次元映像の映像表現の自由度を向上できる表示制御システムを提供する。
【解決手段】この表示制御システム1は、映像を表示する表示装置10と、鑑賞者の顔に装着可能なメガネ20とを備え、メガネ20は、メガネ20の姿勢を検出する姿勢検出部22と、姿勢検出部22の検出結果を姿勢信号として表示装置10に出力する姿勢信号出力部24とを備え、表示装置10は、映像を表示する表示部13と、上記姿勢信号を受信する姿勢信号受信部11と、姿勢信号受信部11が受信した上記姿勢信号に基づいて上記映像の姿勢を変更する姿勢変更部12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を鑑賞するための表示制御システム、姿勢検出用メガネ、制御プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、2次元映像以外の、3次元映像の視聴方法等の研究が盛んになってきている。3次元映像を視聴等するには、例えば、3次元映像専用の左目用映像及び右目用映像を別々に表示し、偏光メガネやシャッターメガネ等で2つの映像を、左目及び右目のそれぞれの目のみで視覚する必要がある。例えばシャッターメガネの場合、表示装置から交互に出力される右目用映像及び左目用映像の出力タイミングにあわせて、当該メガネの右目用シャッター及び左目用シャッターの開閉を制御する必要がある。シャッターメガネが右目用映像を受信する場合、その右目用映像を受信している間、右目用シャッターを開き、左目用シャッターを閉じるように制御する。これにより、右目用映像を右目のみで、左目用映像を左目のみで見ることが可能となり、鑑賞者は、3次元映像の製作者が意図する立体感を得ることができる。
【0003】
このような3次元映像を視聴するシステムを2次元映像の視聴に応用した技術が提案されている(特許文献1、2)。
【0004】
特許文献1には、1つの画面に大きさを損なわずに複数の映像を表示させ、複数の者が同時に別々の映像を見るようにした映像表示装置が開示されている。この映像表示装置では、画面上に表示した映像信号に同期させて左右目の視界を開閉するようにしたシャッターメガネが用いられており、N個の映像信号を同一の画面上に周期的に時分割で表示させ、画面に表示されているN個の映像信号の何れか一つを選択すると、選択された映像信号の周期に応じてシャッターメガネが開閉される様になっている。
【0005】
また特許文献2には、立体映像を見る立体メガネにおいて、2つの画面表示のうち1つのみ見えるようにした機能の他に、映し出す映像を選択できること、及び選択した映像の音声を出力するようにしたメガネ装置が開示されている。このメガネ装置では、立体映像用のメガネに、左右目からみた立体映像の代わりに2つの別々の映像信号を表示し、その2つの番組の映像信号を選択した場合には、2つの番組のうちの1つの番組だけを見ることができるようにすると共に、この選択した番組の音声をヘッドホンから出力する様になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−240212号公報(1998年9月11日公開)
【特許文献2】特開平10−243420号公報(1998年9月11日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献1、2の技術は、3次元映像視聴技術を2次元映像視聴に応用したものであるが、2次元映像を表示する場合は、画面に2次元映像が表示されるだけなので、3次元映像と比べて臨場感が少ないという欠点がある。このため、2次元映像の臨場感を向上させるために、2次元映像の映像表現の自由度を向上させる技術(即ち、鑑賞者の顔の姿勢に応じて2次元映像の見せ方を変える技術)が求められている。
【0008】
他方、特許文献1、2では、鑑賞者の顔の姿勢に応じて映像の姿勢が変更されないので、鑑賞者の顔の姿勢が変化した場合(例えば顔が横に傾いた場合)は、鑑賞者は、映像を傾いた状態で鑑賞することになり、鑑賞者の視認性が低下するという問題がある。この問題は、映像表現の自由度を向上させる上記の技術を応用することで、解決可能と考えられる。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、その目的は、2次元映像の映像表現の自由度を向上できる表示制御システム、姿勢検出用メガネ、制御プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る表示制御システムは、映像を表示する表示装置と、鑑賞者の顔に装着可能なメガネと、を備え、上記メガネは、上記メガネの姿勢を検出する姿勢検出手段と、上記姿勢検出手段の検出結果を姿勢信号として上記表示装置に出力する第1出力手段と、を備え、上記表示装置は、上記映像を表示する表示部と、上記姿勢信号を受信する第1受信手段と、上記第1受信手段が受信した上記姿勢信号に基づいて上記映像の姿勢を変更する姿勢変更手段と、を備えることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、メガネは鑑賞者の顔に装着され、鑑賞者の顔の姿勢(例えば顔の向きおよび/または顔の傾き)が変化したときに、その変化に伴ってメガネの姿勢が変化し、そのメガネの姿勢が姿勢検出手段により検出される。即ち姿勢検出手段は、鑑賞者の顔の姿勢を検出するものである。そして姿勢検出手段の検出結果は、姿勢信号として第1出力手段から表示装置に出力される。
【0012】
一方、表示装置では、第1受信手段により上記姿勢信号が受信され、姿勢変更手段により、第1受信手段が受信した姿勢信号に基づいて映像の姿勢が変更される。即ち表示装置では、メガネの姿勢(従って鑑賞者の顔の姿勢)に応じて映像の姿勢が変更される。
【0013】
従って、上記の構成によれば、鑑賞者の顔の姿勢に応じて映像の姿勢が変更されるので、鑑賞者に対し、その顔の姿勢に応じて映像の見え方を変えることができる。即ち、映像表現の自由度を高めることができる。
【0014】
また、本発明に係る姿勢検出用メガネは、使用者の顔に装着可能な姿勢検出用メガネであって、上記姿勢検出用メガネの姿勢を検出する姿勢検出手段と、上記姿勢検出手段の検出結果を姿勢信号として外部に出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、姿勢検出用メガネの姿勢を検出する姿勢検出手段と、姿勢検出手段の検出結果を姿勢信号として外部に出力する出力手段とを備えるので、上記表示制御システムで使用可能なメガネを提供できる。
【0016】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記姿勢検出手段は、上記メガネの前後方向に沿った軸回りの上記メガネの姿勢を検出し、上記姿勢変更手段は、上記姿勢信号に基づいて、上記映像の映像面の法線に沿った軸回りに上記映像を回動させることで、上記映像の姿勢を変更することが望ましい。
【0017】
上記の構成によれば、姿勢検出手段は、メガネの前後方向に沿った軸回りのメガネの姿勢(即ち傾き)を検出するので、姿勢検出手段から出力される姿勢信号には、メガネの前後方向に沿った軸回りのメガネの傾きの情報が含まれる。一方、姿勢変更手段は、姿勢信号に基づいて、映像の映像面の法線に沿った軸回りに映像を回動させる(即ち傾ける)ので、メガネの前後方向に沿った軸回りのメガネの傾きに応じて、表示部に表示される映像を、映像面の法線に沿った軸回りに傾けることができる。
【0018】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記姿勢検出手段は、上記メガネの左右方向に沿った軸回りの上記メガネの姿勢を検出し、上記姿勢変更手段は、上記姿勢信号に基づいて、上記映像の映像面の左右方向に沿った軸回りに上記映像を回動させることで、上記映像の姿勢を変更することが望ましい。
【0019】
上記の構成によれば、姿勢検出手段は、メガネの左右方向に沿った軸回りのメガネの姿勢(即ち傾き)を検出するので、姿勢検出手段から出力される姿勢信号には、メガネの左右方向に沿った軸回りのメガネの傾きの情報が含まれる。一方、姿勢変更手段は、姿勢信号に基づいて、映像の映像面の左右方向に沿った軸回りに映像を回動させる(即ち傾ける)ので、メガネの左右方向に沿った軸回りのメガネの傾きに応じて、表示部に表示される映像を、映像面の左右方向に沿った軸回りに傾けることができる。
【0020】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記姿勢検出手段は、上記メガネの上下方向に沿った軸回りの上記メガネの姿勢を検出し、上記姿勢変更手段は、上記姿勢信号に基づいて、上記映像の映像面の上下方向に沿った軸回りに上記映像を回動させることで、上記映像の姿勢を変更することが望ましい。
【0021】
上記の構成によれば、姿勢検出手段は、メガネの上下方向に沿った軸回りのメガネの姿勢(即ち振れ)を検出するので、姿勢検出手段から出力される姿勢信号には、メガネの上下方向に沿った軸回りのメガネの振れの情報が含まれる。一方、姿勢変更手段は、姿勢信号に基づいて、映像の映像面の上下方向に沿った軸回りに映像を回動させる(即ち振る)ので、メガネの上下方向に沿った軸回りのメガネの振れに応じて、表示部に表示される映像を、映像面の上下方向に沿った軸回りに振ることができる。
【0022】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記姿勢変更手段は、上記メガネの姿勢変化の回転方向と同じ回転方向に上記映像を回動させることが望ましい。
【0023】
上記の構成によれば、映像の回動の回転方向は、メガネの姿勢変化の回転方向と同じ回転方向である。具体的には、メガネの姿勢変化の回転方向が左回りの場合は、映像は左回りに回動され、メガネの姿勢変化の回転方向が右回りの場合は、映像は右回りに回動される。
【0024】
これにより、例えば、メガネを装着した鑑賞者が左側を向くと、映像は鑑賞者から見て右側に向けられる。また、メガネを装着した鑑賞者が下側を向くと、映像は上側に向けられる。また、メガネを装着した鑑賞者が顔を左に倒すと、映像は映像面の法線回りに左回りに傾けられる。
【0025】
従って、メガネを装着した鑑賞者の顔の姿勢に応じて、映像の姿勢が、鑑賞者に対して傾いていない様に変更されるので、鑑賞者の映像に対する視認性が向上する。
【0026】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記姿勢変更手段は、上記映像の回動角度が、上記メガネの回動角度と略一致するように回動される方が好ましい。
【0027】
これにより、鑑賞者の顔の姿勢が変化しても、鑑賞者からみた映像の姿勢変化を最小限に抑えることが可能になり、鑑賞者による視認性が向上する。
【0028】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記姿勢変更手段は、上記映像の回動量が、上記メガネの前後方向の軸と上記映像の前後方向の軸とが略平行、かつ、上記メガネの左右方向の軸と上記映像の水平方向の軸とが略平行、かつ、上記メガネの上下方向の軸と上記映像の上下方向の軸とが略平行となるように回動されることが好ましい。
【0029】
これにより、鑑賞者の顔の面と映像の正面とが略平行になり、かつ、鑑賞者の両目を結ぶ直線と、映像の水平方向とが略平行となり、鑑賞者による視認性が向上する。
【0030】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記姿勢変更手段は、上記姿勢信号に基づいて上記メガネの姿勢の変化速度を求め、上記変化速度が大きいほど上記映像の姿勢を大きく変更することが望ましい。
【0031】
上記の構成によれば、メガネの姿勢の変化速度が大きいほど映像の姿勢は大きく変更される。よって、鑑賞者の顔の姿勢を速く変化させるほど、映像の姿勢の変化量が大きくなるので、映像の臨場感を向上することができる。
【0032】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記姿勢変更手段は、画像処理によって上記映像の姿勢を変更することが望ましい。
【0033】
上記の構成によれば、画像処理によって映像の姿勢が変更されるので、低コストで、映像の姿勢を変更できる。
【0034】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記姿勢変更手段は、上記表示部の姿勢が変更自在となる様に上記表示部を支持する支持機構と、上記支持機構を駆動する駆動手段と、上記駆動手段を介して上記支持機構を駆動制御して上記表示部の姿勢を変更することで、上記映像の姿勢を変更する第1制御手段と、を備えることが望ましい。
【0035】
上記の構成によれば、映像が表示される表示部の姿勢が変更されることで、映像の姿勢が変更される。即ち現実空間において映像の姿勢が変更されるので、姿勢変更後の映像の視認性が良い。
【0036】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記メガネは複数個あり、上記表示装置もしくは上記メガネのいずれかは、上記複数のメガネのうち、映像の姿勢変更の対象となるメガネを1つ選択する選択手段を更に備え、上記姿勢変更手段は、上記映像の姿勢を上記第1受信手段が受信した上記選択手段により選択されたメガネの上記姿勢信号に基づいて変更することが望ましい。
【0037】
上記の構成によれば、表示装置もしくはメガネのいずれかは、上記複数のメガネのうち、映像の姿勢変更の対象となるメガネを1つ選択する選択手段を更に備え、上記姿勢変更手段は、上記映像の姿勢を上記第1受信手段が受信した上記選択手段により選択されたメガネの上記姿勢信号に基づいて変更する。
【0038】
これにより、鑑賞者が複数の場合、映像の姿勢を変更するための対象鑑賞者を選択することができるようになり、メガネを装着した複数の鑑賞者のなかで選択された1人の鑑賞者の顔が傾いた場合、その鑑賞者が鑑賞する映像の姿勢をその傾きに応じて変更することができる。
【0039】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記メガネは複数個あり、上記各メガネはそれぞれ、当該メガネの視界を開閉する開閉手段と、上記表示装置からの切替信号を受信する第2受信手段と、上記切替信号に基づいて上記開閉手段の開閉動作を制御する第2制御手段とを更に備え、上記表示装置もしくは上記各メガネは、上記複数のメガネの中から、上記表示部に表示される映像の姿勢変更の対象となるメガネを選択する選択手段を更に備え、上記表示装置は、上記選択手段により選択された上記メガネの数である選択数を検出する選択数検出手段と、上記選択数検出手段により検出された上記選択数に基づいて上記映像の各コマを複数のサブコマに時分割する時分割手段と、上記選択手段により選択された上記メガネが上記複数のサブコマのうちの異なるサブコマに対応する様に、上記複数のメガネを上記複数のサブコマに対応付ける対応付手段と、を更に備え、上記姿勢変更手段は、上記選択手段により選択された上記メガネに対応付けられた上記サブコマに映る上記映像の姿勢を当該メガネの姿勢に基づいて変更することが望ましい。
【0040】
上記の構成によれば、鑑賞者が複数の場合、表示される映像の姿勢変更の対象となる鑑賞者を、複数の鑑賞者の中から選択手段により選択することができる。
【0041】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記時分割手段は、上記選択数検出手段の検出結果が上記メガネの総数と同数である場合は、上記映像の各コマをそれぞれ上記メガネの総数と同数のサブコマに時分割し、上記対応付手段は、姿勢が変化した上記各メガネと上記同数のサブコマとを1対1に対応付け、上記選択数検出手段の検出結果が1個よりも多く且つ上記メガネの総数未満の第1の数である場合は、上記映像の各コマを上記第1の数よりも1つ多い第2の数のサブコマに時分割し、上記対応付手段は、姿勢変更の対象として選択されていない上記各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの共通の一のサブコマに対応させ、姿勢変更の対象として選択されている上記各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの残りのサブコマに1対1に対応付け、上記選択数検出手段の検出結果がゼロである場合は、上記映像の各コマを時分割しないことが望ましい。
【0042】
上記の構成によれば、選択数検出手段の検出結果がメガネの総数と同数である場合は、時分割手段により、映像の各コマがそれぞれメガネの総数と同数のサブコマに時分割され、対応付手段により、姿勢変更の対象として選択されている各メガネと上記同数のサブコマとが1対1に対応付けられる。よって、選択数検出手段の検出結果がメガネの総数と同数である場合において、姿勢変更の対象として選択されている各メガネを異なるサブコマに対応付けることができる。
【0043】
また、選択数検出手段の検出結果が1個よりも多く且つメガネの総数未満の第1の数である場合は、時分割手段により、映像の各コマが上記数よりも1つ多い第2の数のサブコマに時分割され、姿勢変更の対象として選択されていない各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの共通の一のサブコマに対応させ、姿勢変更の対象として選択されている各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの残りのサブコマに1対1に対応させる。
【0044】
よって、選択数検出手段の検出結果が上記第1の数である場合において、姿勢変更の対象として選択されている各メガネが異なるサブコマに対応付けられる様に各メガネと各サブコマとを対応付けることができる。特に、姿勢変更の対象として選択されていない各メガネが共通の一のサブコマに対応させられるので、時分割数を最小限に抑制できる。
【0045】
また、選択数検出手段の検出結果がゼロである場合は、映像の各コマは時分割されない。即ち、選択数検出手段の検出結果がゼロでない場合(即ち、姿勢変更の対象として選択されているメガネが少なくとも1つある場合)だけ、映像の各コマは時分割される。即ち、時分割が必要な場合だけ時分割される。通常、時分割数が多いと、鑑賞者はフリッカー(映像の明滅)を感じ易くなるので、コマの映像の時分割数は少ない方が望ましい。よって、時分割が必要な場合だけ時分割されるので、鑑賞者の視認性の低下を防止できる。
【0046】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記メガネは複数個あり、上記各メガネはそれぞれ、当該メガネの視界を開閉する開閉手段と、上記表示装置からの切替信号を受信する第2受信手段と、上記切替信号に基づいて上記開閉手段の開閉動作を制御する第2制御手段と、を更に備え、上記表示装置は、上記第1受信手段が受信した上記姿勢信号に基づいて、姿勢が変化している上記メガネの数を検出する変化数検出手段と、上記変化数検出手段の検出結果が1個以上の場合に、上記映像の各コマをそれぞれ複数のサブコマに時分割する時分割手段と、上記姿勢が変化しているメガネの各々が上記複数のサブコマのうちの異なるサブコマに対応する様に、上記複数のメガネを上記複数のサブコマに対応付ける対応付手段と、を更に備え、上記姿勢変更手段は、上記姿勢が変化しているメガネに対応付けられた上記サブコマに映る上記映像の姿勢を当該メガネの姿勢に基づいて変更し、上記表示装置は、上記表示部に表示された上記サブコマに対応付けられた上記メガネの視界だけが開かれる様に、上記メガネ用の上記切替信号を生成する切替信号生成手段と、上記切替信号を上記メガネの上記第2受信手段に出力する第2出力手段とを更に備えることが望ましい。
【0047】
上記の構成によれば、各メガネは、当該メガネの視界を開閉する開閉手段と、表示装置からの切替信号を受信する第2受信手段と、切替信号に基づいて開閉手段の開閉動作を制御する第2制御手段とを更に備えている。よって、各メガネは、表示装置からの切替信号に応じて、当該メガネの視界の開閉を切り替えることができる。
【0048】
一方、表示装置は、第1受信手段が受信した姿勢信号に基づいて姿勢が変化した上記メガネの数を検出する変化数検出手段と、変化数検出手段の検出結果が1個以上の場合に、映像の各コマをそれぞれ複数のサブコマに時分割する時分割手段とを更に備えている。よって、表示装置は、少なくとも1個のメガネの姿勢が変化すると、映像の各コマをそれぞれ複数のサブコマに時分割する。
【0049】
そして、対応付手段は、上記姿勢が変化したメガネの各々が上記複数のサブコマのうちの異なるサブコマに対応する様に、上記複数のメガネを上記複数のコマに対応付けし、姿勢変更手段は、その対応付けに基づいて、上記姿勢が変化しているメガネに対応したサブコマに映る映像の姿勢を当該メガネの姿勢に基づいて変更する。これにより、時分割された複数のサブコマの中に、その映像の姿勢がその対応するメガネの姿勢に基づいて変更された、サブコマを含ませることができる。
【0050】
よって、上記の構成によれば、メガネを装着した複数の鑑賞者のうちの例えば1人の鑑賞者の顔が傾いた場合、その鑑賞者が見る映像の姿勢だけをその傾きに応じて変更することができる。
【0051】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記時分割手段は、上記変化数検出手段の検出結果が上記メガネの総数と同数である場合は、上記映像の各コマをそれぞれ上記メガネの総数と同数のサブコマに時分割し、上記対応付手段は、姿勢が変化した上記各メガネと上記同数のサブコマとを1対1に対応付け、上記変化数検出手段の検出結果が1個よりも多く且つ上記メガネの総数未満の第1の数である場合は、上記映像の各コマを上記第1の数よりも1つ多い第2の数のサブコマに時分割し、上記対応付手段は、姿勢が変化していない上記各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの共通の一のサブコマに対応させ、姿勢が変化している上記各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの残りのサブコマに1対1に対応付け、上記変化数検出手段の検出結果がゼロである場合は、上記映像の各コマを時分割せず、上記切替信号生成手段は、上記変化数検出手段の検出結果がゼロである場合は、全ての上記メガネの視界が開かれる様に、上記切替信号を生成することが望ましい。
【0052】
上記の構成によれば、変化数検出手段の検出結果がメガネの総数と同数である場合は、時分割手段により、映像の各コマがそれぞれメガネの総数と同数のサブコマに時分割され、対応付手段により、姿勢が変更した各メガネと上記同数のサブコマとが1対1に対応付けられる。よって、変化数検出手段の検出結果がメガネの総数と同数である場合において、傾いている各メガネを異なるサブコマに対応付けることができる。
【0053】
また、変化数検出手段の検出結果が1個よりも多く且つメガネの総数未満の第1の数である場合は、時分割手段により、映像の各コマが上記数よりも1つ多い第2の数のサブコマに時分割され、姿勢変更手段により、姿勢が変化していない各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの共通の一のサブコマに対応させ、姿勢が変化した各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの残りのサブコマに1対1に対応させる。
【0054】
よって、変化数検出手段の検出結果が上記第1の数である場合において、姿勢が変化している各メガネが異なるサブコマに対応付けられる様に各メガネと各サブコマとを対応付けることができる。特に、姿勢が変化していない各メガネが共通の一のサブコマに対応させられるので、時分割数を最小限に抑制できる。
【0055】
また、変化数検出手段の検出結果がゼロである場合は、映像の各コマは時分割されない。即ち、変化数検出手段の検出結果がゼロでない場合(即ち、姿勢が変化したメガネが少なくとも1つある場合)だけ、映像の各コマは時分割される。即ち、時分割が必要な場合だけ時分割される。通常、時分割数が多いと、鑑賞者はフリッカー(映像の明滅)を感じ易くなるので、コマの映像の時分割数は少ない方が望ましい。よって、時分割が必要な場合だけ時分割されるので、鑑賞者の視認性の低下を防止できる。
【0056】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記表示装置は、上記表示部に表示された上記サブコマに対応付けられた上記メガネの視界だけが開かれる様に、上記各メガネ用の上記切替信号を生成する切替信号生成手段と、上記各切替信号を上記各メガネの上記第2受信手段に出力する第2出力手段とを更に備えており、上記映像の各コマが時分割されていない場合は、上記切替信号生成手段は、全ての上記メガネの視界が開かれる様に、上記切替信号を生成することが望ましい。
【0057】
上記の構成によれば、鑑賞者は、その顔の姿勢の変化に応じて、その鑑賞者が鑑賞する映像の姿勢の変更が可能になる。
【0058】
また、本発明に係る表示制御システムは、上記表示装置は、上記各メガネに共通の上記切替信号であって上記複数のサブコマが上記表示部に表示されるタイミングを示す上記切替信号を生成する切替信号生成手段と、上記切替信号を上記各メガネの上記第2受信手段に出力する第2出力手段と、を更に備え、上記各メガネは、上記複数のサブコマの中で、どのサブコマに切替えるかを選択する切替選択手段を更に備え、上記第2制御手段は、上記切替信号に基づいて、上切替選択手段により選択されたサブコマの映像が表示されるときだけ当該メガネが開かれるように、上記開閉手段を制御し、上記映像の各コマが時分割されていない場合は、上記切替信号生成手段は、全ての上記メガネの視界が開かれる様に、上記切替信号を生成することが望ましい。
【0059】
上記の構成によれば、表示装置は1種類の切替信号を出力するだけでよいため、表示装置の構成が単純化できる。そして、各メガネで鑑賞できるサブコマは、選択手段で選択することができる。これにより、各鑑賞者は、自分の顔の傾きに応じた映像を選択して鑑賞することもでき、他人の顔に応じて傾いた映像を選択的に鑑賞することもできる。
【0060】
また、本発明に係る姿勢検出用メガネは、上記姿勢検出用メガネの視界を開閉する開閉手段と、外部からの切替信号を受信する受信手段と、上記受信手段が受信した上記切替信号に基づいて上記開閉手段の開閉動作を制御する制御手段と、を更に備えることが望ましい。
【0061】
上記の構成によれば、上記姿勢検出用メガネの視界を開閉する開閉手段と、外部からの切替信号を受信する受信手段と、上記受信手段が受信した上記切替信号に基づいて上記開閉手段の開閉動作を制御する制御手段とを更に備えるので、上記表示制御システムで使用可能なメガネを提供できる。
【0062】
さらに、上記に記載の表示制御システムを動作させる制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御プログラム、および、当該制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記に記載の姿勢検出用メガネを動作させる制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御プログラム、及び、当該制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0063】
上記制御プログラムによれば、コンピュータで上記手段を実現することにより、コンピュータ上で表示制御システムあるいは姿勢検出用メガネを実現することができる。また、上記記録媒体によれば、記録媒体から読み出される制御プログラムを、汎用のコンピュータ上で実現することができる。
【発明の効果】
【0064】
以上のように、本発明に係る表示制御システムは、映像を表示する表示装置と、鑑賞者の顔に装着可能なメガネと、を備え、上記メガネは、上記メガネの姿勢を検出する姿勢検出手段と、上記姿勢検出手段の検出結果を姿勢信号として上記表示装置に出力する第1出力手段と、を備え、上記表示装置は、上記映像を表示する表示部と、上記姿勢信号を受信する第1受信手段と、上記第1受信手段が受信した上記姿勢信号に基づいて上記映像の姿勢を変更する姿勢変更手段と、を備えることを特徴としている。
【0065】
また、本発明に係る姿勢検出用メガネは、鑑賞者の顔に装着可能な姿勢検出用メガネであって、上記姿勢検出用メガネの姿勢を検出する姿勢検出手段と、上記姿勢検出手段の検出結果を姿勢信号として外部に出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。
【0066】
それゆえ、鑑賞者の顔の姿勢に応じて映像の姿勢が変更されるので、鑑賞者に対し、その顔の姿勢に応じて映像の見え方を変えることができる。即ち、映像表現の自由度を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態1に係る表示制御システムの構成概略図である。
【図2】メガネ本体の構成を説明する図である。
【図3】メガネの姿勢と鑑賞者の顔の姿勢との関係を説明する図であり、(a)は、顔が顔の前後方向に沿った軸Q1回りに傾いていない場合の上記関係を示し、(b)は、顔が上記軸Q1回りに傾いた場合の上記関係を示した図である。
【図4】表示部に表示された映像の姿勢を説明する図であり、(a)は、映像が表示画面に対して傾いていない状態を示した図であり、(b)は、映像が表示画面に対して映像面の中心回りに傾いた状態を示した図である。
【図5】図4(b)において映像を縮小して表示した状態を示した図である。
【図6】表示画面が正方形である場合の表示部を示した図である。
【図7】表示画面が円形である場合の表示部を示した図である。
【図8】メガネの姿勢と鑑賞者の顔の姿勢との関係を説明する図であり、(a)は、顔が顔の左右方向に沿った軸Q2回りに傾いていない場合の上記関係を示し、(b)は、顔が上記軸Q2回りに傾いた場合の上記関係を示した図である。
【図9】表示部に表示された映像の姿勢が映像の映像面の左右方向に沿った軸Q5回りに傾いている状態を示した図である。
【図10】メガネの姿勢と鑑賞者の顔の姿勢との関係を説明する図であり、(a)は、顔が顔の上下方向に沿った軸Q3回りに振れていない場合の上記関係を示し、(b)は、顔が上記軸Q3回りに振れた場合の上記関係を示した図である。
【図11】表示部に表示された映像の姿勢が映像の映像面の上下方向に沿った軸Q6回りに傾いている状態を示した図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る表示制御システムの構成概略図である。
【図13】(a)は、表示部の姿勢が表示部の前後方向に沿った軸Q7回りに傾いていない状態を示した図であり、(b)は、表示部の姿勢が表示部の軸Q7回りに傾いた状態を示した図である。
【図14】鑑賞者の顔の左右方向に沿った軸Q2回りの顔の傾きと、表示部の左右方向に沿った軸Q9回りの表示部の傾きとの関係を説明する図である。
【図15】鑑賞者の顔の上下方向に沿った軸Q3回りの顔の振れと、表示部の上下方向に沿った軸Q10回りの表示部の振れとの関係を説明する図である。
【図16】本発明の実施の形態3に係る表示制御システムの構成概略図である。
【図17】本発明の実施の形態3の変形例に係る表示制御システムの構成概略図である。
【図18】本発明の実施の形態4に係る表示制御システムの構成概略図である。
【図19】本発明の実施の形態4に係る表示制御システムの動作を説明する図である。
【図20】本発明の実施の形態4の変形例に係る表示制御システムの構成概略図である。
【図21】加速度センサを用いた傾き量の検出方法を説明するための模式図であり、(a)は、座標系を示し、(b)から(d)はそれぞれ、1軸加速度センサを用いた場合における、基本姿勢、メガネの前後方向に沿った軸回りのメガネの回転、メガネの左右方向に沿った軸回りのメガネの回転の状態を示し、(e)から(g)はそれぞれ、2軸加速度センサを用いた場合における、基本姿勢、メガネの前後方向に沿った軸回りのメガネの回転、メガネの左右方向に沿った軸回りのメガネの回転の状態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0068】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態1に係る表示制御システムについて図1から図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0069】
(表示制御システムの構成)
本実施の形態に係る表示制御システム1は、鑑賞者の顔の姿勢に応じて映像の姿勢を変更するものであり、図1の様に、映像を表示する表示装置10と、鑑賞者の顔に装着可能なメガネ(姿勢検出用メガネ)20とを備えている。
【0070】
以下では、鑑賞者の顔が該顔の前後方向に沿った軸回りに傾いた場合に、該顔の傾きに応じて、表示装置10に表示される映像が、該映像の前後方向に沿った軸(即ち映像面の法線方向に沿った軸)回りに、鑑賞者の顔の上記傾きと同じ回転方向に傾けて表示される場合を例に挙げて説明する。
【0071】
(メガネの構成)
メガネ20は、メガネ20を装着した鑑賞者の顔の姿勢を検出する機能を有するものである。メガネ20は、図1の様に、メガネ本体21と、姿勢検出部(姿勢検出手段)22と、姿勢信号出力部(第1出力手段)24と、操作部25とを備えている。
【0072】
なお、姿勢検出部22、姿勢信号出力部24および操作部25は、メガネ本体21(より詳細には、後述のフレーム部21aまたは柄21bL・21bR)に配設されている。
【0073】
メガネ本体21は、図2の様に、フレーム部21aと、フレーム部21aの両側に連結された柄21bL・21bRとを備えている。フレーム部21aの前面左右にはそれぞれ、メガネ本体21を装着した鑑賞者の左右目の視界を確保するための左目用開口部21cLおよび右目用開口部21cRが設けられている。
【0074】
姿勢検出部22は、メガネ本体21の姿勢(即ちメガネ20の姿勢)を検出することで、メガネ20を装着した鑑賞者の顔の姿勢を検出する。ここでは、姿勢検出部22は、メガネ20についてのメガネ20の前後方向に沿った軸回りの傾きを検出することで、鑑賞者の顔についての該顔の前後方向に沿った軸回りの傾きを検出する。なお、姿勢検出部22は、例えば、加速度センサまたはジャイロセンサ等により構成される。
【0075】
図3は、メガネ20の姿勢と鑑賞者の顔Pの姿勢との関係を示した図であり、図3(a)は、鑑賞者の顔Pが顔Pの前後方向に沿った軸Q1回りに傾いていない場合の上記関係を示し、図3(b)は、鑑賞者の顔Pが軸Q1回りに傾いた場合の上記関係を示したものである。
【0076】
図3(a)では、鑑賞者の顔Pは、顔Pの前後方向H3に沿った軸Q1回りに傾いていない。即ち、顔Pの左右方向(即ち、鑑賞者の左右目が並ぶ方向)H1は、水平方向H10に略一致している。メガネ20の左右方向(即ち各開口部21cL・21cRが並ぶ方向)H2および前後方向H4はそれぞれ、鑑賞者の顔Pの左右方向H1および前後方向H3に一致するので、メガネ20も、メガネ20の前後方向H4に沿った軸Q1回りに傾いていない。この様に、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの姿勢とメガネ20の軸Q1回りの姿勢は一致する。この状態では、姿勢検出部22は、メガネ20の軸Q1回りの傾き(ここでは水平方向10からの傾き)が0度であること(即ちメガネ20が軸Q1回りに傾いていないこと)を検出することで、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの傾きが0度であること(即ち鑑賞者の顔Pが軸Q1回りに傾いていないこと)を検出する。
【0077】
図3(b)は、図3(a)の状態から、鑑賞者の顔Pが、軸Q1回りに角度θ傾いた状態である。即ち、鑑賞者の顔Pの左右方向H1が水平方向H10から角度θ傾いた状態である。メガネ20の左右方向H2および前後方向H4はそれぞれ、鑑賞者の顔Pの左右方向H1および前後方向H3に一致するので、メガネ20も、軸Q1回りに、顔Pと同じ回転方向に角度θ傾いている。この状態では、姿勢検出部22は、メガネ20の軸Q1回りの傾きが角度θであることを検出することで、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの傾きが角度θであることを検出する。
【0078】
この様に、鑑賞者の顔Pの姿勢が軸Q1回りに角度θ変化すれば、メガネ20の姿勢も軸Q1回りに顔Pと同じ回転方向に角度θ変化する。よって、メガネ20の軸Q1回りの姿勢を検出することで、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの姿勢を検出することができる。
【0079】
姿勢信号出力部24は、姿勢検出部22からの検出結果を姿勢信号S1として表示装置10の後述の姿勢信号受信部11に出力する。姿勢信号出力部24は、例えば赤外線を出力可能な赤外線発光素子、または、発光ダイオードまたは半導体レーザ等の半導体素子からなり、姿勢信号S1を赤外線等の無線信号に変換して出力する。
【0080】
なお、本実施の形態では、姿勢信号出力部24と姿勢信号受信部11とは、無線通信により接続されるが、配線を介して有線接続されてもよい。
【0081】
操作部25は、メガネ20の電源のオン/オフの切替指示等、鑑賞者の操作を受け付けるものである。
【0082】
(表示装置の構成)
表示装置10は、映像を表示すると共に、メガネ20から出力される姿勢信号S1に基づいて上記映像の姿勢を変更するものである。表示装置10は、図1の様に、姿勢信号受信部11(第1受信手段)と、姿勢変更部12(姿勢変更手段)と、表示部13と、映像出力制御部17とを備えている。
【0083】
姿勢信号受信部11は、メガネ20から出力された姿勢信号S1を受信する。姿勢信号受信部11は、例えば赤外線を受信可能な赤外線受光素子、または、発光ダイオードまたは半導体レーザ等からの光信号(無線信号)を受光可能な半導体素子からなり、無線信号である姿勢信号S1を、姿勢変更部12で処理可能な信号(例えばデジタル信号)に変換して、姿勢変更部12に出力する。
【0084】
映像出力制御部17は、外部から供給される映像信号S2を入力し、その映像信号S2を表示部13にて表示処理可能な画像信号に変換して表示部13に出力する。また、映像出力制御部17は、後述の様に、姿勢変更部12の制御に応じて、表示部13に表示される映像が傾く様に、上記画像信号に画像処理を行って上記画像信号を表示部13に出力し、また、表示部13に表示される映像が傾かない様に、上記画像信号に画像処理を行わないで上記画像信号を表示部13に出力する。
【0085】
なお、映像信号S2は、例えば、地上波放送等により供給されてもよく、若しくは、外部の記録再生装置から供給されてもよく、若しくは、IP(Internet Protocol)ネットワークを使ってリアルタイム放送や映画などのコンテンツを配信するサービスを利用して供給されてもよい。
【0086】
表示部13は、映像出力制御部17から出力される上記画像信号に基づいて映像を表示する。表示部13は、例えば、LCD、PDPまたはCRT等により構成されており、図4(a)の様に、例えば横長の矩形の表示画面13aを有している。
【0087】
姿勢変更部12は、姿勢信号受信部11が受信した姿勢信号S1に基づいて、表示部13に表示される映像の姿勢を画像処理によって変更する。ここでは、姿勢変更部12は、映像出力制御部17を制御することで、表示部13に表示される映像の姿勢を画像処理によって変更する。
【0088】
より詳細には、姿勢変更部12は、姿勢信号受信部11からの姿勢信号S1に基づいて、鑑賞者の顔Pの前後方向H3に沿った軸Q1回りの顔Pの傾きを検出する(図3参照)。
【0089】
そして、上記の検出の結果、図3(a)の様に、鑑賞者の顔Pが軸Q1回りに傾いていない場合は、姿勢変更部12は、映像出力制御部17を制御して、図4(a)の様に、表示部13に表示された映像Dが傾かない様に(即ち、映像面の左右方向xおよび上下方向yがそれぞれ表示画面13aの左右方向uおよび上下方向vに略一致する様に)、上記画像信号を表示部13に出力させる。
【0090】
他方、上記の検出の結果、図3(b)の様に、鑑賞者の顔Pが軸Q1回りに例えば右回り(矢印R方向)に角度θ傾いている場合は、姿勢変更部12は、映像出力制御部17を制御して、図4(b)の様に、表示部13に表示された映像が、映像D’の様に映像面の例えば中心における法線を回転軸Tとして、鑑賞者の顔Pの傾きと同じ回転方向(例えば右回り)に角度θ傾く様に、上記画像信号を画像処理させて、表示部13に出力させる。
【0091】
この様に、姿勢変更部12は、表示部13に表示される映像の姿勢を、図4(b)の映像D’の様に、映像面に垂直な回転軸T回りにおいて鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの傾きと同じ角度θおよび同じ回転方向に傾ける。よって、表示部13に表示される映像の回転軸T回りの姿勢は、常に、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの姿勢と一致する。これにより、鑑賞者は、顔Pを軸Q1回りに傾けても、映像を鑑賞者から見て傾いていない状態で鑑賞できる。
【0092】
なお、本実施の形態では、映像D’は、メガネ20の軸Q1回りの傾きの角度θと同じ角度傾けられたが、必ずしも同じ角度傾けられる必要はない。
【0093】
以上の様に、本実施の形態によれば、鑑賞者の顔の姿勢に応じて映像の姿勢が変更されるので、鑑賞者の顔の姿勢に応じて映像の見せ方を変えることができる。よって、映像表現の自由度を高めることができる。
【0094】
また、姿勢検出部22は、メガネ20の前後方向に沿った軸Q1回りのメガネ20の傾きを検出し、姿勢変更部12は、姿勢検出部22の検出結果に基づいて、映像の映像面に垂直な回転軸T回りに映像を傾けるので、メガネ20の軸Q1回りの傾きに応じて、表示部13に表示される映像を、映像面の法線方向に沿った軸回りに傾けることができる。
【0095】
また、映像の姿勢の回転方向は、メガネ20の姿勢の回転方向と同方向であるので、鑑賞者の顔の姿勢に応じて、常に、映像の姿勢が鑑賞者に対して傾いていない様に変更される。よって、鑑賞者の映像に対する視認性を向上できる。
【0096】
なお、本実施の形態では、姿勢変更部12は、映像出力制御部17を制御することで、間接的に、表示部13に表示される映像の姿勢を変更したが、姿勢変更部12が、映像出力制御部17から表示部13に出力される上記映像信号に直接に画像処理を行うことで、表示部13に表示される映像の姿勢を変更してもよい。
【0097】
(変形例1)
この変形例1は、実施の形態1の変形例である。
【0098】
実施の形態1では、図4(b)の様に、映像D’は、映像面に垂直な回転軸T回りに傾けられるだけで、そのサイズは変更されない。よって、映像D’の周縁部分は、映像D’の回転軸T回りの傾きにより、表示画面13aから切れる場合がある。
【0099】
そこで、この変形例では、例えば映像出力制御部17において、図5の様に、映像D’の回転軸T回りの傾きに応じて、映像D’のサイズを縮小することで、映像D’の回転軸T回りの傾きにより、映像D’の周縁部分が表示画面13aから切れない様にする。
【0100】
これにより、映像D’の回転軸T回りの傾きにより映像D’の周縁部分が表示画面13aから切れることが防止されるので、鑑賞者の映像D’に対する視認性を向上できる。
【0101】
なお、この変形例では、映像出力制御部17により映像D’のサイズを縮小させているが、姿勢変更部12が直接に表示部13に表示される映像の姿勢を画像処理により変更する場合は、姿勢変更部12により映像D’のサイズを縮小させてもよい。
【0102】
(変形例2)
この変形例2は、実施の形態1の変形例である。
【0103】
実施の形態1では、表示部13の表示画面13aの形状は、図4(a)の様に矩形であったが、その様に限定されない。例えば、表示画面13aの形状は、図6の様に正方形であってもよく、または、図7の様に円形であってもよい。
【0104】
正方形の場合は、図6の様に、映像D’が映像面に垂直な回転軸T回りに傾けられた場合に、映像D’において表示画面13aから切れる部分を少なくでき、特に図6の様に映像D’が回転軸T回りに90度回転された状態では、映像D’の周縁部分が表示画面13aから切れることを防止できる。なお、図6の映像Dは、姿勢が回転軸T回りに傾けられていない場合の映像である。
【0105】
また、円形の場合は、図7の様に、映像D’が映像面に垂直な回転軸T回りに何度傾けられても、映像D’の周縁部分が表示画面13aから切れることを防止できる。即ち、映像D’は、回転軸T回りの姿勢に依らず、常にその周縁部分が表示画面13aから切れることが防止される。なお、図7中、映像Dは、姿勢が回転軸T回りに傾けられていない場合の映像であり、映像D’は、姿勢が回転軸T回りに90度傾けられた場合の映像である。
【0106】
(変形例3)
この変形例3は、実施の形態1の変形例である。
【0107】
実施の形態1では、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの姿勢に応じて、映像D’の姿勢が変更されたが、この変形例では、鑑賞者の顔の左右方向に沿った軸回りの当該顔の姿勢に応じて、映像の姿勢が変更される。
【0108】
この変形例は、図1の様に、実施の形態1において、姿勢検出部22および姿勢変更部12が下記の様に変更される以外は、同様に構成される。よって、以下では、図1に基づいて、実施の形態1と同じ構成要素には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成要素だけ説明する。
【0109】
この変形例の姿勢検出部22Bは、メガネ20の左右方向(従って鑑賞者の顔の左右方向)に沿った軸回りのメガネ20の傾きを検出することで、鑑賞者の顔の左右方向に沿った軸回りの鑑賞者の顔の傾きを検出する。
【0110】
図8は、メガネ20の姿勢と鑑賞者の顔Pの姿勢との関係を示した図であり、図8(a)は、鑑賞者の顔Pが顔Pの左右方向に沿った軸(紙面に垂直な軸)Q2回りに傾いていない場合の上記関係を示し、図8(b)は、鑑賞者の顔Pが軸Q2回りに傾いた場合の上記関係を示したものである。
【0111】
図8(a)では、鑑賞者の顔Pは、顔Pの左右方向H1に沿った軸Q2回りに傾いていない。即ち、顔Pの前後方向H3は、水平方向H11に略一致している。メガネ20の左右方向(即ち各開口部21cL・21cRが並ぶ方向)H2および前後方向H4はそれぞれ、鑑賞者の顔Pの左右方向H1および前後方向H3に一致するので、メガネ20も、メガネ20の左右方向H2に沿った軸Q2回りに傾いていない。この様に、鑑賞者の顔Pの軸Q2回りの姿勢とメガネ20の軸Q2回りの姿勢は一致する。この状態では、姿勢検出部22Bは、メガネ20の軸Q2回りの傾きが0度であること(即ちメガネ20が軸Q2回りに傾いていないこと)を検出することで、鑑賞者の顔Pの軸Q2回りの傾きが0度であること(即ち鑑賞者の顔Pが軸Q2回りに傾いていないこと)を検出する。
【0112】
図8(b)は、図8(a)の状態から、鑑賞者の顔Pが、軸Q2回りに角度φ傾いた状態である。即ち、鑑賞者の顔Pの前後方向H3が水平方向H11から角度φ傾いた状態である。メガネ20の左右方向H2および前後方向H4はそれぞれ、鑑賞者の顔Pの左右方向H1および前後方向H4に一致するので、メガネ20も、軸Q2回りに、顔Pと同じ回転方向に角度φ傾いている。この状態では、姿勢検出部22Bは、メガネ20の軸Q2回りの傾きが角度φであることを検出することで、鑑賞者の顔Pの軸Q2回りの傾きが角度φであることを検出する。
【0113】
この様に、鑑賞者の顔Pの姿勢が軸Q2回りに角度φだけ変化すれば、メガネ20の姿勢も軸Q2回りに顔Pと同じ回転方向に角度φだけ変化する。よって、メガネ20の軸Q2回りの姿勢を検出することで、鑑賞者の顔Pの軸Q2回りの姿勢を検出することができる。
【0114】
この変形例の姿勢変更部12Bは、姿勢信号受信部11が受信した姿勢信号S1に基づいて、後述の様に、表示部13に表示される映像の姿勢を画像処理によって変更する。ここでは、姿勢変更部12Bは、姿勢信号S1に基づいて、映像出力制御部17を制御することで、表示部13に表示される映像の姿勢を画像処理によって変更する。
【0115】
より詳細には、姿勢変更部12Bは、姿勢信号受信部11からの姿勢信号S1に基づいて、鑑賞者の顔Pの左右方向H1に沿った軸Q2回りの顔Pの傾きを検出する(図8参照)。
【0116】
そして、上記の検出の結果、図8(a)の様に、鑑賞者の顔Pが軸Q2回りに傾いていない場合は、姿勢変更部12Bは、映像出力制御部17を制御して、図4(a)の様に、表示部13に表示された映像Dの姿勢が傾かない様に(即ち、映像面の左右方向xおよび上下方向yがそれぞれ表示画面13aの左右方向uおよび上下方向vに略一致する様に)、上記画像信号を表示部13に出力表示させる。
【0117】
他方、上記の判定の結果、図8(b)の様に、鑑賞者の顔Pが、軸Q2回りにおいて鑑賞者の右側から見て例えば右回り(矢印R方向)に角度φ傾いている場合は、姿勢変更部12は、映像出力制御部17を制御して、図9の様に、表示部13に表示された映像が、映像D’の様に映像面の例えば中心T2を通り映像D’の左右方向に沿った軸Q5を回転軸として、鑑賞者の顔Pの傾きと同じ回転方向(即ち、映像D’の右側から見て右回り)に同じ角度φで傾いて見える様に、上記画像信号を画像処理させて、表示部13に出力させる。
【0118】
なお、図9では、映像D’の上辺h1は、姿勢が傾いていない場合の映像Dの上辺h2よりも画面奥側に変位した様に画像処理されるので、上辺h2よりも短くなっている。また、映像D’の下辺h3は、映像Dの下辺h4よりも画面前側に変位した様に画像処理されるので、下辺h4よりも長くなっている。また映像D’の上下幅d1は、軸Q5回りに回転された様に画像処理されるので、映像Dの上下幅d2よりも短くなっている。この結果、図9の映像D’は、その輪郭が台形となる様に画像処理されている。
【0119】
この様に、姿勢変更部12Bは、表示部13に表示される映像を、図9の映像D’の様に、映像面の左右方向に沿った軸Q5回りにおいて、鑑賞者の顔Pの軸Q2回りの傾きと同じ角度φおよび同じ回転方向に傾いて見える様に画像処理する。これにより、表示部13に表示される映像の軸Q5回りの姿勢は、擬似的に鑑賞者の顔Pの軸Q2回りの姿勢と一致するので、鑑賞者は、顔Pを軸Q2回りに傾けても、擬似的に、映像を鑑賞者から見て傾いていない状態で鑑賞できる。
【0120】
以上の様に、この変形例によれば、姿勢検出部22Bは、メガネ20の左右方向に沿った軸Q2回りのメガネ20の傾きを検出し、姿勢変更部12Bは、姿勢検出部22Bの検出結果に基づいて、映像の映像面の左右方向に沿った軸Q5回りに傾いて見える様に映像を画像処理するので、メガネ20の軸Q2回りの傾きに応じて、表示部13に表示される映像を、擬似的に、映像面の左右方向に沿った軸Q5回りに傾けることができる。
【0121】
また、映像の姿勢の回転方向は、メガネ20の姿勢の回転方向と同方向であるので、鑑賞者の顔の姿勢に応じて、擬似的に、映像の姿勢が鑑賞者に対して傾いていない様に変更される。よって、鑑賞者の映像に対する視認性を向上できる。
【0122】
(変形例4)
この変形例4は、実施の形態1の変形例である。
【0123】
実施の形態1では、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの姿勢に応じて、映像の姿勢が変更されたが、この変形例では、鑑賞者の顔Pの上下方向に沿った軸回りの振れに応じて、映像の姿勢が変更される。
【0124】
この変形例は、図1の様に、実施の形態1において、姿勢検出部22および姿勢変更部12が下記の様に変更される以外は、同様に構成される。よって、以下では、図1に基づいて、実施の形態1と同じ構成要素には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成要素だけ説明する。
【0125】
この変形例の姿勢検出部22Cは、メガネ20の上下方向(従って鑑賞者の顔の上下方向)に沿った軸回りのメガネ20の傾きを検出することで、鑑賞者の顔の上下方向に沿った軸回りの鑑賞者の顔の傾きを検出する。
【0126】
図10は、メガネ20の姿勢と鑑賞者の顔Pの姿勢との関係を示した図であり、図10(a)は、鑑賞者の顔Pが顔Pの上下方向H5に沿った軸(紙面に垂直な軸)Q3回りに振れていない場合の上記関係を示し、図10(b)は、鑑賞者の顔Pが軸Q3回りに振れた場合の上記関係を示したものである。なお、図10(a)、(b)はそれぞれ、鑑賞者の顔Pを上から見た図である。
【0127】
図10(a)では、鑑賞者の顔Pは、或る基準方向H12を向いている。即ち、顔Pの前後方向H3は、基準方向H12に略一致している。メガネ20の上下方向H6および前後方向H4はそれぞれ、鑑賞者の顔Pの上下方向H5および前後方向H3に略一致するので、メガネ20の前後方向H4も、基準方向H12に略一致している。この様に、鑑賞者の顔Pの軸Q3回りの姿勢とメガネ20の軸Q3回りの姿勢は一致する。
【0128】
この状態では、姿勢検出部22Cは、メガネ20の前後方向H4と基準方向H12との成す角度が0度であること(即ちメガネ20が軸Q3回りにおいて基準方向H12から振れていないこと)を検出することで、鑑賞者の顔Pが軸Q3回りにおいて基準方向H12から振れていないことを検出する。
【0129】
図10(b)は、図10(a)の状態から、鑑賞者の顔Pが、軸Q3回りにおいて例えば右回りに角度ψ振れた状態である。即ち、鑑賞者の顔Pの前後方向H3が軸Q3回りにおいて基準方向H12から例えば右回りに角度ψだけ振れた状態である。メガネ20の上下方向H6および前後方向H4はそれぞれ、鑑賞者の顔Pの上下方向H5および前後方向H3に一致するので、メガネ20も、軸Q3回りに、顔Pと同じ回転方向に角度ψだけ振れている。
【0130】
この状態では、姿勢検出部22Cは、メガネ20が軸Q3回りにおいて基準方向H12から例えば右回りに角度ψだけ振れていることを検出することで、鑑賞者の顔Pが軸Q3回りにおいて基準方向H12から例えば右回りに角度ψだけ振れていることを検出する。
【0131】
この様に、鑑賞者の顔Pの姿勢が軸Q3回りにおいて基準方向H12から角度ψ変化すれば、同様にメガネ20の姿勢も軸Q3回りにおいて基準方向H12から同じ回転方向に角度ψ変化する。よって、メガネ20の軸Q3回りの姿勢を検出することで、鑑賞者の顔Pの軸Q3回りの姿勢を検出することができる。
【0132】
なお、基準方向H12の設定は、例えば、鑑賞者がメガネ20を装着して所望方向を向いた状態で、メガネ20の操作部25を操作して、姿勢検出部22Cの検出値をゼロにリセットすることで、行われる。これにより、姿勢検出部22Cは、軸Q3回りにおいて当該所望方向からの振れを検出する様になる。即ち、当該所望方向が基準方向H12に設定されたことになる。
【0133】
なお、基準方向H12は、表示部13に向いた方向に設定されることを想定しているが、この様に限定するものではない。
【0134】
この変形例の姿勢変更部12Cは、姿勢信号受信部11が受信した姿勢信号S1に基づいて、後述の様に、表示部13に表示される映像の姿勢を画像処理によって変更する。ここでは、姿勢変更部12Cは、姿勢信号S1に基づいて、映像出力制御部17を制御することで、表示部13に表示される映像の姿勢を画像処理によって変更する。
【0135】
より詳細には、姿勢変更部12Cは、姿勢信号受信部11からの姿勢信号S1に基づいて、鑑賞者の顔Pにおける軸Q3回りの基準方向H12から振れを検出する。
【0136】
そして、上記の検出の結果、図10(a)の様に、鑑賞者の顔Pが軸Q3回りにおいて基準方向H12から振れていない場合は、姿勢変更部12Cは、映像出力制御部17を制御して、図4(a)の様に、表示部13に表示された映像Dの姿勢が傾かない様に(即ち、映像Dの上下方向yおよび左右方向xがそれぞれ、表示画面13aの上下方向vおよび左右方向uに一致する様に)、上記画像信号を表示部13に出力させる。
【0137】
他方、上記の検出の結果、図10(b)の様に、鑑賞者の顔Pが軸Q3回りに上から見て例えば右回り(矢印R方向)に角度ψ傾いている場合は、姿勢変更部12Cは、映像出力制御部17を制御して、図11の様に、表示部13に表示された映像が、映像D’の様に映像面の例えば中心T2を通り映像D’の上下方向に沿った軸Q6を回転軸として、鑑賞者の顔Pの振れと同じ回転方向(例えば右回り)に同じ角度ψだけ振れて見える様に、上記画像信号を画像処理させて、表示部13に出力させる。
【0138】
なお、図11では、映像D’の左辺h5は、姿勢が傾いていない場合の映像Dの左辺h6よりも画面奥側に変位した様に画像処理されるので、左辺h6よりも短くなっている。また、映像D’の右辺h7は、映像Dの右辺h8よりも画面前側に変位した様に画像処理されるので、右辺h8よりも長くなっている。また映像D’の左右幅d3は、軸Q6回りに回転された様に画像処理されるので、映像Dの左右幅d4よりも短くなっている。この結果、図11の映像D’は、その輪郭が左辺h5が上底となり右辺h7が下底となる台形となる様に、画像処理されている。
【0139】
この様に、姿勢変更部12Cは、表示部13に表示される映像を、図11の映像D’の様に、映像面の上下方向に沿った軸Q6回りにおいて、鑑賞者の顔Pの振れと同じ角度ψおよび同じ回転方向に振れて見える様に画像処理する。これにより、表示部13に表示される映像の軸Q6回りの姿勢は、擬似的に鑑賞者の顔Pの軸Q3回りの姿勢と一致するので、鑑賞者は、顔Pを基準方向H12から軸Q3回りに振っても、擬似的に、映像を鑑賞者から見て振れていない状態で鑑賞できる。
【0140】
また映像の姿勢の回転方向は、メガネ20の姿勢の回転方向と同方向であるので、鑑賞者の顔の軸Q3回りの姿勢に応じて、擬似的に、映像の軸Q6回りの姿勢が鑑賞者と正対している様に変更される。よって、鑑賞者の映像に対する視認性を向上できる。
【0141】
(変形例5)
この変形例5は、実施の形態1の変形例である。
【0142】
実施の形態1では、図4(b)の様に、映像D’の軸T回りの姿勢は、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの傾きと同じ角度θ回転されるが、この変形例では、映像D’の軸T回りの姿勢は、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの姿勢の変化速度が速いほど大きく回転される。
【0143】
この変形例は、上記変形例3と比べて、姿勢変更部12が以下の様に異なる以外は、同様に構成される。以下、図1および図4(b)に基づいて説明する。
【0144】
この変形例の姿勢変更部12は、姿勢信号受信部11が受信した姿勢信号S1に基づいて、メガネ20の前後方向に沿った軸Q1回りの姿勢の変化速度を求め、その変化速度が大きいほど、表示部13に表示される映像D’の回転軸T回りの姿勢を大きく変更する。
【0145】
ここでは、姿勢変更部12は、映像出力制御部17を制御することで、上記の変化速度が大きいほど、表示部13に表示される映像D’の回転軸T回りの姿勢を大きく変更する。
【0146】
これにより、例えば、メガネ20の軸Q1回りの姿勢の変化量が同じ場合は、メガネ20の軸Q1回りの姿勢の変化速度が速いほど、映像D’の軸T回りの姿勢の変化量は大きくなる。
【0147】
この様に、鑑賞者の顔Pが軸Q1回りに速く傾くほど、映像D’の姿勢は回転軸T回りに大きく傾けられるので、映像の臨場感を向上させることができる。
【0148】
なお、この変形例では、映像D’の軸T回りの姿勢は、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの傾きの角度と同じ角度回転されるとは限らない。
【0149】
なお、この変形例は、実施の形態1に適用されたが、上記の他の変形例(例えば変形例3・4)に適用されてもよい。
【0150】
〔実施の形態2〕
実施の形態1では、画像処理により、表示部13に表示される映像の姿勢が変更されたが、本実施の形態では、表示部13の姿勢が変更されることで、表示部13に表示される映像の姿勢が変更される。
【0151】
本実施の形態では、実施の形態1において、表示装置10の姿勢変更部12が下記の様に変更される以外は、同様に構成される。よって、以下では、図12に基づいて、実施の形態1と同じ構成要素には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成要素だけ説明する。
【0152】
なお、本実施の形態では、表示部13に表示される映像は、常に、図4(a)の映像D様に、表示画面13aに傾かない様に表示される。
【0153】
本実施の形態の姿勢変更部12Dは、図12の様に、支持機構15aと、駆動部15b(駆動手段)と、制御部15c(第1制御手段)とを備えている。
【0154】
支持機構15aは、表示部13の姿勢が変更自在となる様に表示部13を支持する。ここでは、支持機構15aは、図13(b)の様に、表示画面13aの例えば中心における法線を回転軸Q7とし、その回転軸Q7回りに表示部13が回動自在となる様に、表示部13を支持する。また支持機構15aは、表示部13の表示画面13aが略垂直となる様に、表示部13を支持する。
【0155】
駆動部15bは、制御部15cの制御に基づいて、表示部13が軸Q7回りに回動する様に、支持機構15aを駆動する。
【0156】
制御部15cは、姿勢信号受信部11が受信した姿勢信号S1に基づいて、駆動部15bを駆動制御することで、表示部13の姿勢を軸Q7回りに傾ける。これにより、表示部13に表示される映像の姿勢は、軸Q7回りに傾けられる。
【0157】
より詳細には、制御部15cは、姿勢信号S1に基づいて、鑑賞者の顔Pの前後方向H3に沿った軸Q1回りの顔Pの傾きを検出する(図3参照)。
【0158】
そして、上記の検出の結果、図3(a)の様に、鑑賞者の顔Pが軸Q1回りに傾いていない場合は、図13(a)の様に、制御部15cは、表示部13の姿勢が軸Q7回りに傾かない様に(即ち、表示部13の左右方向が水平方向に略一致する様に)、駆動部15bを制御する。
【0159】
他方、上記の検出の結果、図3(b)の様に、鑑賞者の顔Pが軸Q1回りに例えば右回り(矢印R方向)に角度θ傾いている場合は、制御部15cは、図13(b)の様に、表示部13が軸Q7回りに鑑賞者の顔Pの傾きと同じ回転方向(例えば右回り)に角度θ傾く様に、駆動部15bを制御する。
【0160】
この様に、制御部15cは、駆動部15bを介して、表示部13の軸Q7回りの姿勢を、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの傾きと同じ角度および同じ回転方向に傾ける。よって、表示部13に表示される映像の軸Q7回りの姿勢は、常に、鑑賞者の顔の軸Q1回りの姿勢と一致する。これにより、鑑賞者は、顔を軸Q1回りに傾けても、映像を鑑賞者から見て傾いていない状態で鑑賞できる。
【0161】
また、表示部13の姿勢が変更されることで、映像の姿勢が変更されるので、現実空間において映像の姿勢を変更できる。よって、姿勢変更後の映像の視認性が良い。
【0162】
なお、本実施の形態でも、鑑賞者の顔の姿勢に応じて映像の姿勢が変更されるので、鑑賞者に対し、その顔の姿勢に応じて映像の見せ方を変えることができる。即ち、映像表現の自由度を高めることができる。
【0163】
(変形例1)
この変形例1は、実施の形態2の変形例である。
【0164】
実施の形態2は、実施の形態1に適用した場合(即ち、鑑賞者の顔の前後方向に沿った軸Q1回りの当該顔の傾きに応じて表示部13の姿勢を変更する場合)で説明したが、この変形例は、実施の形態2を実施の形態1の変形例3に適用したもの(即ち、鑑賞者の顔の左右方向に沿った軸Q2回りの当該顔の傾きに応じて表示部13の姿勢を変更するもの)である。
【0165】
以下では、図12に基づいて、実施の形態2と同じ構成要素には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成要素だけ説明する。
【0166】
この変形例のメガネ20は、実施の形態1の変形例3のメガネ20と同じであり、図8(a)、(b)の様に、メガネ20の左右方向に沿った軸Q2回りのメガネ20の傾きを検出することで、鑑賞者の顔Pの軸Q2回りの傾きを検出する。
【0167】
この変形例の表示装置10は、実施の形態2の表示装置10と比べて、支持機構15aおよび制御部15cが下記の様に異なる以外は、同様に構成される。
【0168】
この変形例の支持機構15aEは、表示部13の上下方向の例えば中心を通り表示部13の左右方向に沿った軸を回転軸Q9(図14参照)とし、その回転軸Q9回りに表示部13が回動自在となる様に、表示部13を支持する。なお、図14は、表示部13の右側面から見た図である。
【0169】
この変形例の制御部15cEは、姿勢信号受信部11が受信した姿勢信号S1に基づいて、鑑賞者の顔Pの左右方向H1に沿った軸Q2回りの顔Pの傾きを検出する(図8参照)。
【0170】
そして、上記の検出の結果、図8(a)の様に、鑑賞者の顔Pが軸Q2回りに傾いていない場合は、図14の様に、制御部15cEは、表示部13の姿勢が軸Q9回りに傾かない様に(例えば、表示部13の上下方向H100が鉛直方向H101に略一致する様に)、駆動部15bを制御する。
【0171】
他方、上記の検出の結果、図14の矢印R1の様に、鑑賞者の顔Pが軸Q2回りに例えば鑑賞者の右側から見て右回りに角度θ傾いた場合は、図14の矢印R2の様に、制御部15cEは、表示部13が軸Q9回りに鑑賞者の顔Pの軸Q2回りの傾きと同じ回転方向(ここでは右回り)に角度φ傾く様に、駆動部15bを制御する。
【0172】
この様に、制御部15cEは、駆動部15bを介して、表示部13の軸Q9回りの姿勢を、鑑賞者の顔Pの軸Q2回りの傾きと同じ角度および同じ回転方向に傾ける。よって、表示部13に表示される映像の軸Q7回りの姿勢は、常に、鑑賞者の顔の軸Q2回りの姿勢と一致する。これにより、鑑賞者は、顔を軸Q2回りに傾けても、映像を鑑賞者から見て傾いていない状態で鑑賞できる。
【0173】
(変形例2)
この変形例2は、実施の形態2の変形例である。
【0174】
実施の形態2は、実施の形態1に適用した場合(即ち、鑑賞者の顔の前後方向に沿った軸Q1回りの当該顔の傾きに応じて表示部13の姿勢を変更する場合)で説明したが、この変形例は、実施の形態2を実施の形態1の変形例4に適用したもの(即ち、鑑賞者の顔の上下方向に沿った軸Q3回りの当該顔の傾きに応じて表示部13の姿勢を変更するもの)である。
【0175】
以下では、図12に基づいて、実施の形態2と同じ構成要素には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成要素だけ説明する。
【0176】
この変形例のメガネ20は、実施の形態1の変形例4のメガネ20と同じであり、図10(a)、(b)の様に、メガネ20における軸Q3回りの基準方向H12からの振れψを検出することで、鑑賞者の顔Pにおける軸Q3回りの基準方向H12からの振れψを検出する。
【0177】
この変形例の表示装置10は、実施の形態2の表示装置10と比べて、支持機構15aおよび制御部15cが下記の様に異なる以外は、同様に構成される。
【0178】
この変形例の支持機構15aFは、図15の様に、表示部13の左右方向の例えば中心を通り表示部13の上下方向に沿った軸を回転軸Q10とし、その回転軸Q10回りに表示部13が回動自在となる様に、表示部13を支持する。なお、図15は、鑑賞者の顔Pおよび表示部13を上から見た図である。
【0179】
この変形例の制御部15cFは、姿勢信号受信部11が受信した姿勢信号S1に基づいて、図10の様に、鑑賞者の顔Pにおける軸Q3回りの基準方向H12からの振れを検出する。
【0180】
そして、上記の検出の結果、図10(a)の様に、鑑賞者の顔Pが軸Q3回りにおいて基準方向H12から振れていない場合は、図15の様に、制御部15cは、表示部13の軸Q10回りの姿勢が変更されない様に、駆動部15bを制御する。なお、表示部13の軸Q10回りの姿勢は、初期的には鑑賞者の方向を向いているものとする。
【0181】
他方、上記の検出の結果、図15の矢印R1の様に、鑑賞者の顔Pが軸Q3回りに例えば右回りに角度ψ振れた場合は、図15の矢印R2の様に、制御部15cFは、表示部13が軸Q10回りに鑑賞者の顔Pの軸Q10回りの振れと同じ回転方向(ここでは右回り)に角度ψ振れる様に、駆動部15bを制御する。
【0182】
この様に、制御部15cFは、駆動部15bを介して、表示部13の軸Q10回りの姿勢(従って映像の軸Q10回りの姿勢)を、鑑賞者の顔Pの軸Q3回りの振れと同じ角度および同じ回転方向に振る。よって、表示部13に表示される映像の軸Q10回りの姿勢は、常に、鑑賞者の顔Pの軸Q3回りの姿勢と一致する。これにより、鑑賞者は、顔を軸Q10回りに振っても、常に、映像を鑑賞者から見て振れていない状態で鑑賞できる。
【0183】
(変形例3)
この変形例は、実施の形態2の変形例である。
【0184】
実施の形態2では、表示部13の軸Q7(図13(b)参照)回りの姿勢は、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの傾きと同じ角度、回転されるが、この変形例では、表示部13の軸Q7回りの姿勢は、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの姿勢の変化速度が速いほど大きく回転される。
【0185】
この変形例は、実施の形態2と比べて、制御部15cが以下の様に異なる以外は、同様に構成される。以下、図12に基づいて説明する。
【0186】
この変形例の制御部15cGは、姿勢信号受信部11が受信した姿勢信号S1に基づいて、メガネ20の前後方向に沿った軸Q1(図3参照)回りの姿勢の変化速度を求め、その変化速度が大きいほど、表示部13の軸Q7(図13(b)参照)回りの姿勢を大きく変更する。
【0187】
これにより、鑑賞者の顔Pが軸Q1周りに速く傾くほど、表示部13の姿勢(従って映像Dの姿勢)は軸Q7回りに大きく傾けられるので、映像の臨場感を向上させることができる。
【0188】
なお、この変形例では、表示部13の軸Q7回りの姿勢は、鑑賞者の顔Pの軸Q1回りの傾きの角度と同じ角度回転されるとは限らない。
【0189】
なお、この変形例は、実施の形態2に適用されたが、実施の形態2の他の変形例(例えば変形例1・2)に適用されてもよい。
【0190】
〔実施の形態3〕
実施の形態1は、メガネ20を1個だけ備えるものであるが、本実施の形態では、メガネを複数個備えるものである。
【0191】
即ち、本実施の形態では、複数の鑑賞者はそれぞれ、メガネを装着した状態で表示部に表示される映像を同時に鑑賞するが、その際、手動操作により選択されたメガネを装着する鑑賞者が顔を傾けると、その傾きに応じて表示装置に表示される映像の姿勢が変更される。
【0192】
以下では、図16に基づいて、実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態1と異なる構成要素について説明する。
【0193】
本実施の形態に係る表示制御システム1Jは、図16の様に、映像を表示する表示装置10と、鑑賞者が装着可能な複数のメガネ20Jとを備えている。以下では、説明便宜上、メガネ20Jを3個備える場合で説明するが、3個に限定するものではない。
【0194】
(メガネの構成)
メガネ20Jは、実施の形態1のメガネ20(図1参照)において、選択部30(選択手段)を更に備えている。選択部30は、表示装置10の表示部13に表示される映像の姿勢を変化させる対象となるメガネを選択する機能を有する。選択部30は、例えば鑑賞者が選択のON/OFFを制御できるスイッチとして、操作部25の一部としてメガネ20Jに備えられていることが望ましい。
【0195】
鑑賞者は自身の姿勢に基づいた映像を表示部13に表示したいときに、選択部30をONにする。選択部30がONになったメガネ20Jは、姿勢検出部22により姿勢検出を行い、姿勢信号S1を姿勢信号出力部24を介して表示装置10に送信する。表示装置10は、受信した姿勢信号S1に基づき、実施の形態1及びその変形例1から5または実施の形態2及びその変形例1から3に示された制御に基づき映像の姿勢を変化させる。
【0196】
映像の姿勢を変化させる対象として選択されるメガネ(以下、本実施の形態3においては「選択される」と表現する)は1つまたは0であり、0の場合は、表示部13に表示される映像の姿勢は変化しない。
【0197】
また、2以上のメガネ20Jの選択部30がONとなる状態を防止するために、複数のメガネ20Jが、お互いの選択部30の状態を常に監視しておき、最後に選択部30がONとなったメガネ20J以外の選択部30はOFFになるよう制御してもよい。
【0198】
この場合は、各メガネ20Jはそれぞれ、他のメガネ20Jとの間で、当該メガネ20Jの選択部30のON/OFF状態を送受信する送受信部を備える。そして、上記送受信部の受信信号に基づいて、各メガネ20Jの選択部30は、他のメガネ20Jの選択部30のON/OFF状態を監視し、その監視に基づいて上記の制御を行う。
【0199】
または、姿勢信号受信部11において受信される複数のメガネ20Jからの姿勢信号S1の中から、最後に受信が開始された信号S1のみを姿勢変更部12に送信してもよい。
【0200】
(変形例1)
この変形例1は、実施の形態3の変形例である。
【0201】
実施の形態3では、選択部30がメガネ20に備えられていたが、この変形例では、表示装置に選択部が備えられており、映像の選択は表示装置の内部で行われる。
【0202】
以下、図17に基づいて、この変形例に係る表示制御システム1Kについて説明する。以下では、実施の形態1−3と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態1−3と異なる構成要素を中心について説明する。
【0203】
(メガネの構成)
この変形例では、各メガネ20は、図17の様に、実施の形態1のメガネ20と同じ構成である。
【0204】
(表示装置の構成)
この変形例では、表示装置10Kは、図17の様に、実施の形態3の表示装置10において、選択部30(選択手段)を更に備えた構成をしている。例えば、鑑賞者は図示しないリモコン等の操作により、複数のメガネ20の中から、映像の姿勢変更に用いられるメガネを選択し、選択部30に選択情報を入力する。選択部30は、選択情報を姿勢信号受信部11Kに送信する。
【0205】
この変形例では、姿勢信号受信部11Kは、複数のメガネ20からの姿勢信号S1の中で、選択情報により示されたメガネの姿勢信号S1のみを姿勢変更部12に送信する。そして、姿勢変更部12により、映像の姿勢変更動作が行われる。
【0206】
〔実施の形態4〕
実施の形態1は、メガネ20を1個だけ備えるものであるが、本実施の形態では、メガネを複数個備えるものである。
【0207】
即ち、本実施の形態では、複数の鑑賞者はそれぞれ、メガネを装着した状態で表示部に表示される映像を同時に鑑賞するが、その際、例えば1人の鑑賞者が顔を傾けると、その鑑賞者が見る映像の姿勢だけがその傾きに応じて変更される。
【0208】
以下では、図18に基づいて、実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態1と異なる構成要素について説明する。
【0209】
本実施の形態に係る表示制御システム1Hは、図18の様に、映像を表示する表示装置10Hと、鑑賞者が装着可能な複数のメガネ20Hとを備えている。以下では、説明便宜上、メガネ20Hを3個備える場合で説明するが、3個に限定するものではない。
【0210】
(メガネの構成)
メガネ20Hは、実施の形態1のメガネ20(図1参照)において、液晶シャッター27(開閉手段)と、切替信号受信部28(第2受信手段)と、シャッター制御部29(第2制御手段)とを更に備えたものである。
【0211】
液晶シャッター27は、メガネ20Hの視界を開閉するものであり、左目用液晶シャッター27Lと、右目用液晶シャッター27Rとを備えている。
【0212】
左目用液晶シャッター27Lは、メガネ20Hのフレーム部21aの左目用開口部21cL(図2参照)に配設されており、その透過状態/遮光状態の切り替わりに応じて、左目用開口部21cLの視界の開/閉を切り替える。右目用液晶シャッター27Rは、メガネ20Hのフレーム部21aの右目用開口部21cR(図2参照)に配設されており、その透過状態/遮光状態の切り替わりに応じて、左目用開口部21cLの視界の開/閉を切り替える。
【0213】
切替信号受信部28は、表示装置10Hの後述の切替信号出力部23から出力された切替信号S3を受信するものである。
【0214】
なお、切替信号受信部28は、表示装置10Hの切替信号出力部23と配線を介して接続されており、当該配線を介して切替信号出力部23から出力される切替信号S3を受信する。
【0215】
なお、本実施の形態では、表示装置10Hの切替信号出力部23と各メガネ20Hの切替信号受信部28とは、配線を介して有線接続されるが、光信号または赤外線信号等を用いた無線通信により接続しても構わない。
【0216】
シャッター制御部29は、切替信号受信部28が受信した切替信号S3に基づいて、液晶シャッター27の透光状態/遮光状態を切り替えるものである。
【0217】
より詳細には、シャッター制御部29は、液晶シャッター27を透光状態に切り替えるときは、左目用液晶シャッター27Lおよび右目用液晶シャッター27Rの両方を透光状態に切り替える。また、シャッター制御部29は、液晶シャッター27を遮光状態に切り替えるときは、左目用液晶シャッター27Lおよび右目用液晶シャッター27Rの両方を遮光状態に切り替える。
【0218】
これにより、表示部13に表示される映像を、鑑賞者に対し、液晶シャッター27の透過状態/遮光状態の切り替わりに応じて時分割的に視認させることができる。
【0219】
(表示装置の構成)
表示装置10Hは、実施の形態1の表示装置10(図1参照)において、変化数検出部18(変化数検出手段)と、時分割部19(時分割手段)と、対応付部16(対応付手段)と、切替信号出力部23(第2出力手段)と、切替信号出力制御部26(切替信号生成手段)とを更に備えたものである。
【0220】
本実施の形態の姿勢信号受信部11は、各メガネ20Hの姿勢信号出力部24と配線を介して接続されており、当該配線を介して、各メガネ20Hの姿勢信号出力部24から出力された姿勢信号S1を受信する。
【0221】
なお、本実施の形態では、姿勢信号受信部11と各メガネ20Hの姿勢信号出力部24とは、配線を介して有線接続されるが、光信号または赤外線信号等を用いた無線通信により接続しても構わない。
【0222】
変化数検出部18は、姿勢信号受信部11が各メガネ20Hの姿勢信号出力部24から受信した各姿勢信号S1に基づいて、全てのメガネ20Hのうち、姿勢が変化しているメガネ20Hの数を検出するものである。ここでは、変化数検出部18は、上記の姿勢が変化しているメガネ20Hとして、図3(b)の様に、軸Q1回りに傾いているメガネ20Hの数を検出する。
【0223】
時分割部19は、変化数検出部18の検出結果が1個以上の場合に、映像出力制御部17を制御して、表示部13に表示される映像の各コマをそれぞれ複数のサブコマに時分割するものである。また、対応付部16は、姿勢信号受信部11が各メガネ20Hから受信した姿勢信号S1に基づいて、姿勢が変化しているメガネ20Hを特定し、姿勢が変化しているメガネ20Hの各々が上記複数のサブコマのうちの異なるサブコマに対応する様に、全てのメガネ20Hを上記複数のサブコマに対応付けるものである。
【0224】
より詳細には、時分割部19は、変化数検出部18の検出結果が1個よりも多く且つメガネ20Hの総数(即ち3つ)未満の数(第1の数)である場合は、表示部13に表示される映像の各コマを上記数(第1の数)よりも1つ多い数(第2の数)のサブコマに時分割する。この場合、対応付部16は、姿勢が変化していない各メガネ20Hを上記第2の数のサブコマのうちの共通の一のサブコマに対応させ、姿勢が変化している各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの残りのサブコマに1対1に対応させる。
【0225】
また、時分割部19は、変化数検出部18の検出結果がメガネ20Hの総数(3個)と同数である場合は、表示部13に表示される映像の各コマをそれぞれメガネ20Hの総数(即ち3個)と同数(即ち3個)のサブコマに時分割する。この場合、対応付部16は、姿勢が変化している3個のメガネ20Hと3個のサブコマとを1対1に対応させる。
【0226】
また、時分割部19は、変化数検出部18の検出結果が0個である場合は、表示部13に表示される映像の各コマをサブコマに時分割しない。この場合、対応付部16は、各コマに全てのメガネ20Hを対応させる。
【0227】
姿勢変更部12は、映像出力制御部17を制御して、姿勢が変化しているメガネ20Hに対応付けられたサブコマに映る映像の姿勢を、実施の形態1の場合と同様に、姿勢信号受信部11が受信した当該メガネ20Hからの姿勢信号S1に基づいて変更する。これにより、姿勢が変化しているメガネ20Hに対応付けられたサブコマに映る映像の姿勢が、図4(b)の映像D’の様に中心T回りに傾けられる。なお、姿勢変更部12は、姿勢が変化していないメガネ20Hに対応付けられたサブコマに映る映像の姿勢は、図4(a)の映像Dの様に傾けない。
【0228】
映像出力制御部17は、外部から映像信号S2を入力しその映像信号S2の各コマを順に表示部13に表示すると共に、それら各コマの表示タイミングを示す同期信号S4を切替信号出力制御部26に出力する。
【0229】
また、映像出力制御部17は、時分割部19が各コマを複数のサブコマに時分割した場合は、各サブコマを順に表示部13に表示すると共に、それら各サブコマの表示タイミングを示す同期信号S4を切替信号出力制御部26に出力する。
【0230】
また、映像出力制御部17は、上述の様に、姿勢変更部12の制御に応じて、サブコマに映る映像の軸T回りの姿勢を、そのサブコマに対応付けられたメガネ20Hの軸Q1回りの傾きに基づいて、画像処理により変更する。
【0231】
切替信号出力制御部26は、対応付部16の対応付けと、映像出力制御部17からの同期信号S4とに基づいて、表示部13に表示されたサブコマに対応付けられたメガネ20Hの視界だけが開かれる様に、各メガネ20H用の切替信号S3を生成する。
【0232】
切替信号出力部23は、切替信号出力制御部26が生成した各メガネ20H用の切替信号S3をそれぞれ、各メガネ20Hの切替信号受信部28に出力する。
【0233】
(動作説明)
以下では、図14、図18および図19に基づいて、表示装置10Hの要部の動作を中心に動作説明を行う。なお、以下では、説明便宜上、3個のメガネ20Hをそれぞれ各メガネ20Ha・20Hb・20Hcと区別する。
【0234】
図19は、各メガネ20Ha・20Hb・20Hcと各サブコマSK1・SK2・SK3との対応関係、および各サブコマSK1・SK2・SK3の表示期間中の各メガネ20Ha・20Hb・20Hcの開閉状態を説明する図である。
【0235】
図19中の「Open」はメガネの視界の開状態を示し、「Close」はメガネの視界の閉状態を示す。また図19中の(対応)は、その(対応)の最左欄の記載中のメガネ(20Ha、20Hbまたは20Hc)と、その(対応)の最上段のコマKまたはサブコマ(SK1、SK2またはSK3)とが対応付けられていることを示し、(非対応)は、同様に、対応付けられていないことを示す。
【0236】
変化数検出部18の検出結果が0個の場合(即ち、各メガネ20Ha・20Hb・20Hcは軸Q1回りに傾いていない場合)は、図19(A)の様に、時分割部19は、映像の各コマKを時分割せず、映像出力制御部17は、各コマKを1つずつ順に表示部13に表示し、対応付部16は、各コマKに全てのメガネ20Ha・20Hb・20Hcを対応付けし、切替信号出力制御部26は、図19(A)の様に、各メガネ20Ha・20Hb・20Hcが各コマKの表示期間中に開状態となる様に、各メガネ20Ha・20Hb・20Hc用の切替信号S3を生成して切替信号出力部23から出力する。
【0237】
これにより、表示部13に表示された各コマKの映像は、各メガネ20Ha・20Hb・20Hcを装着した全ての鑑賞者に視認される。この場合、全てのメガネ20Ha・20Hb・20Hcの姿勢(従って鑑賞者の顔)は傾いていないので、表示部13に表示された各コマKの映像の姿勢は、姿勢変更部12により変更されていない(よって各鑑賞者の見る映像は、傾いていない)。即ち、全ての鑑賞者の顔が傾いていない場合は、全ての鑑賞者は、表示部13に表示される同じコマKの映像を視認する。
【0238】
また、変化数検出部18の検出結果が1個の場合(例えばメガネ20Haだけ軸Q1回りに傾き、他のメガネ20Hb・20Hcは軸Q1回りに傾いていない場合)は、図19(B)の様に、時分割部19は、映像の各コマKを上記1個よりも1個多い2個のサブコマSK1・SK2に時分割する。また対応付部16は、傾いていない各メガネ20Hb・20Hcを共通の一のサブコマ(例えばSK2)に対応付けし、傾いているメガネ20HaをサブコマSK1に対応付ける。
【0239】
また、この場合、姿勢変更部12は、傾いたメガネ20Haに対応付けられたサブコマSK1の映像の軸T回りの姿勢を当該メガネ20Haの軸Q1回りの傾きに基づいて変更し、傾いていないメガネ20Hb・20Hcに対応付けられたサブコマSK2の映像の姿勢は変更しない。また映像出力制御部17は、各コマKを表示部13に表示する際、各コマKの各サブコマSK1・SK2をこの順に1つずつ表示部13に表示する(なお、サブコマSK1の映像の姿勢は姿勢変更部12により上述の様に変更されており、サブコマSK2の映像の姿勢は変更されていない)。これにより、サブコマSK1が表示されたときは、映像の姿勢はメガネ20Haの軸Q1回りの傾きに応じて軸T回りに傾いており、サブコマSK2が表示されたときは、映像の姿勢は傾いていない。
【0240】
また、この場合、切替信号出力制御部26は、図19(B)の様に、サブコマSK1の表示期間中は、サブコマSK1に対応付けられたメガネ20Haだけが開状態となり、サブコマSK1に対応付けられていない各メガネ20Hb・20Hcは閉状態となり、またサブコマSK2の表示期間中は、サブコマSK2に対応付けられていないメガネ20Haは閉状態となり、サブコマSK2に対応付けられた各メガネ20Hb・20Hcだけ開状態となる様に、各メガネ20Ha・20Hb・20Hc用の切替信号S3を生成して切替信号出力部23から出力する。
【0241】
これにより、メガネ20Haを装着した鑑賞者(即ち、顔が軸Q1回りに傾いた鑑賞者)が見る表示部13の映像は、図4(b)の様に、当該鑑賞者の顔の軸Q1回りの傾き(即ちメガネ20Haの軸Q1回りの傾き)に応じて軸T回りに傾いており、メガネ20Hb・207Ecを装着した各鑑賞者(即ち、顔が軸Q1回りに傾いていない鑑賞者)が見る表示部13の映像は、図4(b)の様に、傾いていない。
【0242】
また、変化数検出部18の検出結果が2個の場合(例えばメガネ20Ha・20Hbだけ軸Q1回りに傾き、メガネ2020Hcは軸Q1回りに傾いていない場合)は、時分割部19は、図19(C)の様に、映像の各コマKを上記2個よりも1個多い3個のサブコマSK1・SK2・SK3に時分割する。また、対応付部16は、傾いていないメガネ20Hcをサブコマ(例えばSK3)に対応付けし、傾いている各メガネ20Ha・20Ebを各サブコマSK1・SK2に1対1に対応付ける。また姿勢変更部12は、傾いたメガネ20Haに対応付けられたサブコマSK1の映像の軸T回りの姿勢を当該メガネ20Haの軸Q1回りの傾きに基づいて変更し、傾いたメガネ20Hbに対応付けられたサブコマSK2の映像の軸T回りの姿勢を当該メガネ20Hbの軸Q1回りの傾きに基づいて変更し、傾いていないメガネ20Hcに対応付けられたサブコマSK3の映像の姿勢は変更しない。
【0243】
また、この場合、映像出力制御部17は、各コマKを表示部13に表示する際、各コマKの各サブコマSK1・SK2・SK3をこの順に1つずつ表示部13に表示する(なお、サブコマSK1・SK2の映像の姿勢は姿勢変更部12により上述の様に変更されており、サブコマSK3の映像の姿勢は変更されていない)。これにより、サブコマSK1が表示されたときは、映像の姿勢はメガネ20Haの軸Q1回りの傾きに応じて軸T回りに傾いており、サブコマSK2が表示されたときは、映像の姿勢はメガネ20Hbの軸Q1回りの傾きに応じて軸T回りに傾いており、サブコマSK3が表示されたときは、映像の姿勢は傾いていない。
【0244】
また、この場合、切替信号出力制御部26は、図19(C)の様に、サブコマSK1の表示期間中は、サブコマSK1に対応付けられたメガネ20Haだけが開状態となり、サブコマSK1に対応付けされていない各メガネ20Hb・20Hcは閉状態となり、またサブコマSK2の表示期間中は、サブコマSK2に対応付けられたメガネ20Hbは開状態となり、サブコマSK2に対応付けされていない各メガネ20Ha・20Hcは閉状態となり、またサブコマSK3の表示期間中は、サブコマSK3に対応付けされたメガネ20Hcだけ開状態となり、サブコマSK3に対応付けされていない各メガネ20Ha・20Hbは閉状態となる様に、各メガネ20Ha・20Hb・20Hc用の切替信号S3を生成して切替信号出力部23から出力する。
【0245】
これにより、メガネ20Haを装着した鑑賞者(即ち、顔が軸Q1回りに傾いた鑑賞者)が見る表示部13の映像は、当該鑑賞者の顔の軸Q1回りの傾き(即ちメガネ20Haの軸Q1回りの傾き)に応じて軸T回り傾いており、メガネ20Hbを装着した鑑賞者(即ち、顔が軸Q1回りに傾いた鑑賞者)が見る表示部13の映像は、当該鑑賞者の顔の軸Q1回りの傾き(即ちメガネ20Haの軸Q1回りの傾き)に応じて軸T回りに傾いており、メガネ20Hcを装着した各鑑賞者(即ち、顔が軸Q1回りに傾いていない鑑賞者)が見る表示部13の映像は、傾いていない。
【0246】
また、変化数検出部18の検出結果が3個の場合(即ち全てのメガネ20Ha・20Hb・20Hcが軸Q1回りに傾いている場合)は、図19(D)の様に、時分割部19は、映像の各コマKを3個のサブコマSK1・SK2・SK3に時分割する。また対応付部16は、各メガネ20Ha・20Hb・20Hcを各サブコマSK1・SK2・SK31対1に対応付ける。また姿勢変更部12は、各メガネ20Ha・20Hb・20Hcに対応付けられた各サブコマSK1・SK2・SK3の映像の軸T回りの姿勢をそれぞれ、対応付けられたメガネ20Ha・20Hb・20Hcの軸Q1回りの傾きに基づいて変更する。
【0247】
また、この場合、映像出力制御部17は、各コマKを表示部13に表示する際、各コマKの各サブコマSK1・SK2・SK3をこの順に1つずつ表示部13に表示する(なお、各サブコマSK1・SK2・SK3の映像の姿勢は姿勢変更部12により上述の様に変更されている)。これにより、サブコマSK1が表示されたときは、映像の姿勢はメガネ20Haの軸Q1回りの傾きに応じて軸T回りに傾いており、サブコマSK2が表示されたときは、映像の姿勢はメガネ20Hbの軸Q1回りの傾きに応じて軸T回りに傾いており、サブコマSK3が表示されたときは、映像の姿勢はサブコマSK3の軸Q1回りの傾きに応じて軸T回りに傾いている。
【0248】
また、この場合、切替信号出力制御部26は、図19(C)の様に、サブコマSK1の表示期間中は、サブコマSK1に対応付けられたメガネ20Haだけが開状態となり、サブコマSK1に対応付けられていない各メガネ20Hb・20Hcは閉状態となり、また、サブコマSK2の表示期間中は、サブコマSK2に対応付けられたメガネ20Hbは開状態となり、サブコマSK2に対応付けられていない各メガネ20Ha・20Hcは閉状態となり、また、サブコマSK3の表示期間中は、サブコマSK3に対応付けられたメガネ20Hcだけ開状態となり、サブコマSK3に対応付けられていない各メガネ20Ha・20Hbは閉状態となる様に、各メガネ20Ha・20Hb・20Hc用の切替信号S3を生成して切替信号出力部23から出力する。
【0249】
これにより、メガネ20Haを装着した鑑賞者(即ち、顔が軸Q1回りに傾いた鑑賞者)が見る表示部13の映像は、当該鑑賞者の顔の軸Q1回りの傾き(即ちメガネ20Haの軸Q1回りの傾き)に応じて軸T回りに傾いており、メガネ20Hbを装着した鑑賞者(即ち、顔が軸Q1回りに傾いた鑑賞者)が見る表示部13の映像は、当該顔の軸Q1回りの傾き(即ちメガネ20Haの軸Q1回りの傾き)に応じて軸T回りに傾いており、メガネ20Hcを装着した各鑑賞者(即ち、顔が軸Q1回りに傾いている鑑賞者)が見る表示部13の映像は、当該顔の軸Q1回りの傾き(即ちメガネ20Haの傾き)に応じて軸T回りに傾いている。
【0250】
以上の様に、本実施の形態によれば、複数のメガネ20Hを備え、変化数検出部18により、傾いているメガネ20Hの数が検出され、時分割部19により、表示部13に表示される映像の各コマKが、変化数検出部18の検出結果に応じて複数のサブコマに時分割され、対応付部16により、傾いている各メガネ20Hが異なるサブコマに対応付けられる様に各メガネ20Hと上記複数のサブコマとが対応付けられ、切替信号出力制御部26により、表示部13に表示されたサブコマに対応付けられたメガネ20Hの視界だけが開かれる様に、各メガネ20H毎に切替信号S3が生成され、それら各切替信号S3により各メガネ20Hの視界の開閉が切替制御される。
【0251】
これにより、各メガネ20Hを装着した鑑賞者はそれぞれ、表示部13に表示される映像のうち、装着したメガネ20Hに対応付けられたサブコマに映る映像だけを視認する。また実施の形態1と同様に、各鑑賞者の見るサブコマに映る映像の姿勢は、当該鑑賞者が装着するメガネ20Hの傾き(即ち当該鑑賞者の顔の傾き)に応じて変更される。
【0252】
よって、メガネ20Hを装着した複数の鑑賞者のうちの例えば1人の鑑賞者の顔が傾いた場合、その鑑賞者が見る映像の姿勢だけをその傾きに応じて変更することができる。
【0253】
なお、本実施の形態では、時分割部19は、映像出力制御部17を介して間接的に映像の各コマを複数のサブコマに時分割する場合で説明したが、時分割部19が、映像出力制御部17から表示部13に出力される画像信号に対して直接に時分割処理を行うことで、映像の各コマを複数のサブコマに時分割してもよい。この場合、上記サブコマの表示タイミングに関する同期信号S4は、映像出力制御部17の代わりに時分割部19が生成して切替信号出力制御部26に出力してもよい。
【0254】
また、姿勢変更部12は、映像出力制御部17を制御することで間接的に映像の姿勢を画像処理によって変更する場合で説明したが、姿勢変更部12が、映像出力制御部17から表示部13に出力される画像信号に対して直接に画像処理することで、映像の姿勢を変更してもよい。また時分割部19が上述の様に直接に映像の各コマを複数のサブコマに時分割する場合は、時分割部19が時分割したサブコマに対して直接に画像処理することで、映像の姿勢を変更してもよい。
【0255】
(変形例1)
実施の形態4の液晶シャッター27の切替方法については、上記の方法は一例であり、他の方法を用いて切替の制御を行ってもよい。他の方法の一例を以下に述べる。
【0256】
以下では、表示装置10Hで、実施の形態4の様に映像の各コマが複数のサブコマに時分割された場合に、鑑賞者の手動操作により、鑑賞者の装着するメガネで鑑賞できるサブコマの映像を任意に選択できる様にした場合を例に挙げて説明する。以下では、図18を参照して説明する。
【0257】
実施の形態4では、切替信号出力制御部26は、各メガネ20H毎の切替信号S3を生成するが、この変形例では、切替信号出力制御部26(切替信号生成手段)は、各メガネ20Hに共通の同期信号(即ち、各サブコマが表示部13に表示されるタイミングを示す同期信号)を切替信号S3として生成する。つまり、1種類の同期信号の中にすべてのサブコマが表示されるタイミングが示されている。そして、その同期信号は、切替信号出力部23(第2出力手段)から切替信号S3として各メガネ20Hに出力される。以後、同期信号S3とも呼ぶ。
【0258】
また、この変形例では、各メガネ20Hは、複数のサブコマの中で、何番目のサブコマに同期するかを選択できる同期選択手段(換言すれば、何番目のサブコマに切替えるかを選択する切替選択手段)(図示省略)が操作部25の一部として備えられている。鑑賞者は、上記同期選択手段を操作することにより、視聴するサブコマの番号を選択することが可能になる。
【0259】
具体的に述べると、表示装置10Hにおいて、実施の形態4の様に、時分割前に60Hzで表示されていた映像のコマが3つに時分割されると、各コマの表示タイミングは180Hzとなり、4つに時分割されると240Hzとなる。各メガネ20Hが、他のメガネ20Hの選択状況を認識していなくても、例えばシャッター制御部29(第2制御手段)により、上述の同期信号S3の周波数からサブコマの分割数の情報を得ることが可能になる。3分割されている場合、3つのうちどのサブコマにシャッター27を同期させるかを上記同期選択手段により選択し、その選択したサブコマの映像だけ当該メガネ20Hで視聴できるように、シャッター制御部29により液晶シャッター27の開閉を制御することで、希望のサブコマの映像を鑑賞することが可能になる。この場合、対応付部16の動作を鑑賞者自身が行うことになる。
【0260】
上述のような切替の制御を行う場合、表示装置10Hから各メガネ20Hに送信する切替信号S3は1種類でよいため、切替信号出力制御部26の構成が簡単になる。
【0261】
(変形例2)
この変形例2は、実施の形態4の変形例である。即ち、実施の形態4では、映像の姿勢を変化させる対象となるメガネ20Hは、姿勢が傾いたメガネに応じて自動的に選ばれたが、この変形例では、鑑賞者の手動操作により選ばれる。
【0262】
以下では、図20に基づいて、実施の形態4と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態4と異なる構成要素について説明する。
【0263】
この変形例における表示装置10Kは、実施の形態4の表示装置10Hの変化数検出部18の代わりに選択数検出部31(選択数検出手段)を有する。また、メガネ20Hもしくは表示装置10Kのいずれかに選択部30Kを有する。図20では、表示装置10Kに備えられた場合が図示されている。
【0264】
実施の形態4において、時分割部19において時分割されるサブコマの数は、姿勢が変化しているメガネ20Hの数を変化数検出部18が数えることにより決定していたが、本変形例では、時分割部19(時分割手段)において、選択部30Kにより選択されたメガネ20Hの数により時分割されるサブコマの数が決定される。
【0265】
選択部30Kは、映像の姿勢を変化させる対象となるメガネ20Hを選択するために利用されるものであり、実施の形態3の選択部30と同様に、例えば鑑賞者が選択のON/OFFを制御できるスイッチとして、操作部25の一部としてメガネ20Hに備えられていてもよいし、実施の形態3の変形例1の選択部30と同様に表示装置側に備えられていてもよい。
【0266】
この変形例では、選択されるメガネ20Hの数は2以上であってもよい。選択されたメガネ20Hの数は、選択数検出部31により数えられ、その数が時分割部19に送信される。選択部30Kがメガネ20Hに備えられている場合は、選択されたかどうかを示す信号(選択信号)は、姿勢信号S1の一部として送受信されてもよい。
【0267】
選択数検出部31により検出された選択されたメガネの数(以下、選択数と呼ぶ)がメガネの総数よりも少ないときは、時分割部19は映像の各コマを(選択数+1)のサブコマに分割する。つまり、選択されたメガネ20Hに対応付けられ、映像の姿勢が変化するサブコマ(選択された数)と、姿勢が変化しない映像のサブコマ(1つ)とに分割される。対応付部16は、選択されたメガネ20Hをそれぞれ対応するサブコマに対応付ける。選択されていないメガネ20Hについては、姿勢が変化しないサブコマに対応付けられる。
【0268】
選択数がメガネ20Hの総数と一致するときは、時分割部19は映像の各コマを選択数と同数のサブコマに時分割する。対応付部16は、各サブコマと各メガネ20Hを1対1に対応付ける。
【0269】
この様に、映像の姿勢を変化させる対象となるメガネ20Hが、選択部30Kを介して鑑賞者の手動操作により選ばれる。そして、その選ばれた各メガネ20Hを装着した鑑賞者に対してだけ、その鑑賞者の装着するメガネ20Hの傾きに応じて映像が傾いて見せられる。なお、実施の形態4の変形例1と組み合わせて、鑑賞者の装着するメガネで鑑賞できるサブコマの映像を任意に選択できる様にしてもよい。
【0270】
(変形例3)
なお、実施の形態4では、実施の形態1を前提としたが、その代わりに実施の形態1の変形例1から5またはそれらの組み合わせを前提としてもよい。
【0271】
上記実施の形態1から4及びそれぞれの変形例はすべて鑑賞者の顔が1軸に沿って回転する場合についての映像変化について述べたが、互いに直交する軸Q1、軸Q2、軸Q3のうち、複数の軸回りの回転が検出可能な姿勢検出部(例えば、3軸加速度センサ)を用いることによって、上記実施の形態1から4及びそれぞれの変形例に記述された表示部13に表示される映像の姿勢変化を組み合わせることが可能である。例えば、メガネの姿勢が軸Q1回りに30度、軸Q2周りに20度、軸Q3周りに10度傾いた場合、上記実施の形態1、つまり図4に示されたθ方向に30度、変形例4、つまり図9に示されたφ方向に20度、変形例6、つまり図11に示されたψ方向に10度傾いた映像が表示されてもよい。
【0272】
〔傾き量の検出方法〕
上述したように、姿勢検出部22は、加速度センサやジャイロセンサを用いることができる。ここでは、この加速度センサを用いた場合におけるメガネ20の姿勢(傾き量)の検出方法について説明する。
【0273】
図21は、加速度センサを用いた傾き量の検出方法を説明するための模式図であり、(a)は、座標系を示し、(b)から(d)はそれぞれ、1軸加速度センサを用いた場合における、基本姿勢、y軸に沿った回転(Q1軸に沿った回転)、x軸に沿った回転(Q2軸に沿った回転)の状態を示し、(e)から(g)はそれぞれ、2軸加速度センサを用いた場合における、基本姿勢、y軸に沿った回転(Q1軸に沿った回転)、x軸に沿った回転(Q2軸に沿った回転)の状態を示すものである。
【0274】
図21(a)に示すように、メガネ20には、加速度センサである姿勢検出部22が設けられている。例えば、1軸加速度センサであれば、図21に示すように、鑑賞者が基本姿勢をとった場合、z方向の加速度42は1G41となる。このことから、鑑賞者の顔が傾いていないことがわかる。
【0275】
図21(c)に示すように、y軸回転(Q1軸回転)が起こった場合、z方向の加速度43は1G×cosθとなり、1G41との大小比較により、鑑賞者の顔が傾いていることがわかる。
【0276】
図21(d)に示すように、x軸回転(Q2軸回転)が起こった場合も、z方向の加速度44は1G×cosφとなり、1G41との大小比較により、鑑賞者の顔が傾いていることがわかる。
【0277】
次に、2軸加速度センサであれば、図21(e)に示すように、鑑賞者が基本姿勢をとった場合、x方向の加速度は0G、z方向の加速度45は1G41となる。このことから、鑑賞者の顔が傾いていないことがわかる。
【0278】
図21(f)に示すように、y軸回転が起こった場合、x方向の加速度46は1G×sinθ、z方向の加速度47は1G×cosθとなり、x方向の加速度46とz方向の加速度47との絶対値と1G41との大小比較により、鑑賞者の顔が傾いていることがわかる。
【0279】
図21(g)に示すように、x軸が起こった場合も、x方向の加速度は0G、z方向の加速度48は1G×cosφとなり、x方向の加速度とz方向の加速度48との絶対値と1Gとの大小比較により、鑑賞者の顔が傾いていることがわかる。
【0280】
次に、3軸加速度センサであれば、x方向、y方向、z方向それぞれの加速度が出力sされるので、重力加速度方向との比較により、鑑賞者の顔が傾いていることがわかる。
【0281】
〔補足〕
なお、本発明は、以下のようにも表現することができる。すなわち、本発明は、鑑賞者の左右の目の視認可否を切り替える視認切替用メガネであって、上記視認切替用メガネの傾き量を検出する傾き検出手段と、上記傾き検出手段の検出結果に基づいて傾き量信号を出力する出力部とを備える視認切り替用メガネである。
【0282】
本発明は、上記の視認切替用メガネからの傾き量信号を受信する入力手段を備え、上記入力手段からの傾き量信号に基づいて、鑑賞者により鑑賞される映像を、鑑賞者との相対位置を変化させた映像態様とする表示制御装置である。
【0283】
上記傾きセンサが検出した傾き量は、上記鑑賞者の左右の目が並ぶ方向が水平方向から傾く傾き量であり、上記映像表示態様は、上記鑑賞者から見たとき、上記表示装置の中心を回転軸として回転移動させることにより、上記傾きセンサが検出した傾き量に対応した映像態様である。
【0284】
上記回転移動は、上記表示装置に表示される映像の回転移動である。
【0285】
上記表示装置は、画面中心を回転軸とする画面回転動作が可能であり、上記回転移動は、上記左目用の映像および上記右目用の映像を表示する上記画面の回転動作に基づく回転移動である。
【0286】
最後に、メガネ20・20Hおよび表示装置10・10Hの各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0287】
すなわち、メガネ20・20Hおよび表示装置10・10Hの各ブロックは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるメガネ20・20Hおよび表示装置10・10Hの各ブロックの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、メガネ20・20Hおよび表示装置10・10Hに供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0288】
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0289】
また、メガネ20・20Hおよび表示装置10・10Hを通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0290】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0291】
本発明の表示制御システムは、鑑賞者の顔の姿勢に応じて、表示装置に表示される映像の姿勢を変更することができ、特に液晶表示装置、またはプラズマ等の自発光型表示装置に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0292】
1・1H・1J 表示制御システム
11 姿勢信号受信部(第1受信手段)
12・12B・12C 姿勢変更部(姿勢変更手段)
13 表示部
15a・15aE・15aF 支持機構
15b 駆動部(駆動手段)
15c・15cE・15cF・15cG 制御部(第1制御手段)
16 対応付部(対応付手段)
17 映像出力制御部
18 変化数検出部(変化数検出手段)
19 時分割部(時分割手段)
20 メガネ(姿勢検出用メガネ)
22 姿勢検出部(姿勢検出手段)
23 切替信号出力部(第2出力手段)
24 姿勢信号出力部(第1出力手段、出力手段)
25 操作部(切替選択手段)
26 切替信号出力制御部(切替信号生成手段)
28 切替信号受信部(第2受信手段)
29 シャッター制御部(第2制御手段、制御手段)
27 液晶シャッター(開閉手段)
30 選択部(選択手段)
31 選択数検出部(選択数検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示装置と、
鑑賞者の顔に装着可能なメガネと、
を備え、
上記メガネは、
上記メガネの姿勢を検出する姿勢検出手段と、
上記姿勢検出手段の検出結果を姿勢信号として上記表示装置に出力する第1出力手段と、
を備え、
上記表示装置は、
上記映像を表示する表示部と、
上記姿勢信号を受信する第1受信手段と、
上記第1受信手段が受信した上記姿勢信号に基づいて上記映像の姿勢を変更する姿勢変更手段と、
を備えることを特徴とする表示制御システム。
【請求項2】
上記姿勢検出手段は、上記メガネの前後方向に沿った軸回りの上記メガネの姿勢を検出し、
上記姿勢変更手段は、上記姿勢信号に基づいて、上記映像の映像面の法線に沿った軸回りに上記映像を回動させることで、上記映像の姿勢を変更することを特徴とする請求項1に記載の表示制御システム。
【請求項3】
上記姿勢検出手段は、上記メガネの左右方向に沿った軸回りの上記メガネの姿勢を検出し、
上記姿勢変更手段は、上記姿勢信号に基づいて、上記映像の映像面の左右方向に沿った軸回りに上記映像を回動させることで、上記映像の姿勢を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御システム。
【請求項4】
上記姿勢検出手段は、上記メガネの上下方向に沿った軸回りの上記メガネの姿勢を検出し、
上記姿勢変更手段は、上記姿勢信号に基づいて、上記映像の映像面の上下方向に沿った軸回りに上記映像を回動させることで、上記映像の姿勢を変更することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の表示制御システム。
【請求項5】
上記姿勢変更手段は、上記メガネの姿勢変化の回転方向と同じ回転方向に上記映像を回動させることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の表示制御システム。
【請求項6】
上記姿勢変更手段は、上記映像の回動角度が、上記メガネの回動角度と略一致するように回動されることを特徴とする請求項5に記載の表示制御システム。
【請求項7】
上記姿勢変更手段は、上記映像の回動量が、上記メガネの前後方向の軸と上記映像の前後方向の軸とが略平行、かつ、上記メガネの左右方向の軸と上記映像の水平方向の軸とが略平行、かつ、上記メガネの上下方向の軸と上記映像の上下方向の軸とが略平行となるように回動されることを特徴とする請求項5に記載の表示制御システム。
【請求項8】
上記姿勢変更手段は、上記姿勢信号に基づいて上記メガネの姿勢の変化速度を求め、上記変化速度が大きいほど上記映像の姿勢を大きく変更することを特徴とする請求項5に記載の表示制御システム。
【請求項9】
上記姿勢変更手段は、画像処理によって上記映像の姿勢を変更することを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の表示制御システム。
【請求項10】
上記姿勢変更手段は、
上記表示部の姿勢が変更自在となる様に上記表示部を支持する支持機構と、
上記支持機構を駆動する駆動手段と、
上記駆動手段を介して上記支持機構を駆動制御して上記表示部の姿勢を変更することで、上記映像の姿勢を変更する第1制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の表示制御システム。
【請求項11】
上記メガネは複数個あり、
上記表示装置もしくは上記メガネのいずれかは、
上記複数のメガネのうち、映像の姿勢変更の対象となるメガネを1つ選択する選択手段を更に備え、
上記姿勢変更手段は、上記映像の姿勢を上記第1受信手段が受信した上記選択手段により選択されたメガネの上記姿勢信号に基づいて変更することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の表示制御システム。
【請求項12】
上記メガネは複数個あり、
上記各メガネはそれぞれ、
当該メガネの視界を開閉する開閉手段と、
上記表示装置からの切替信号を受信する第2受信手段と、
上記切替信号に基づいて上記開閉手段の開閉動作を制御する第2制御手段と
を更に備え、
上記表示装置もしくは上記各メガネは、
上記複数のメガネの中から、上記表示部に表示される映像の姿勢変更の対象となるメガネを選択する選択手段を更に備え、
上記表示装置は、
上記選択手段により選択された上記メガネの数である選択数を検出する選択数検出手段と、
上記選択数検出手段により検出された上記選択数に基づいて上記映像の各コマを複数のサブコマに時分割する時分割手段と、
上記選択手段により選択された上記メガネが上記複数のサブコマのうちの異なるサブコマに対応する様に、上記複数のメガネを上記複数のサブコマに対応付ける対応付手段と、
を更に備え、
上記姿勢変更手段は、
上記選択手段により選択された上記メガネに対応付けられた上記サブコマに映る上記映像の姿勢を当該メガネの姿勢に基づいて変更することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の表示制御システム。
【請求項13】
上記時分割手段は、上記選択数検出手段の検出結果が上記メガネの総数と同数である場合は、上記映像の各コマをそれぞれ上記メガネの総数と同数のサブコマに時分割し、
上記対応付手段は、姿勢が変化した上記各メガネと上記同数のサブコマとを1対1に対応付け、
上記選択数検出手段の検出結果が1個よりも多く且つ上記メガネの総数未満の第1の数である場合は、上記映像の各コマを上記第1の数よりも1つ多い第2の数のサブコマに時分割し、
上記対応付手段は、姿勢変更の対象として選択されていない上記各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの共通の一のサブコマに対応させ、姿勢変更の対象として選択されている上記各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの残りのサブコマに1対1に対応付け、
上記選択数検出手段の検出結果がゼロである場合は、上記映像の各コマを時分割しないことを特徴とする請求項12に記載の表示制御システム。
【請求項14】
上記メガネは複数個あり、
上記各メガネはそれぞれ、
当該メガネの視界を開閉する開閉手段と、
上記表示装置からの切替信号を受信する第2受信手段と、
上記切替信号に基づいて上記開閉手段の開閉動作を制御する第2制御手段と、
を更に備え、
上記表示装置は、
上記第1受信手段が受信した上記姿勢信号に基づいて、姿勢が変化している上記メガネの数を検出する変化数検出手段と、
上記変化数検出手段の検出結果が1個以上の場合に、上記映像の各コマをそれぞれ複数のサブコマに時分割する時分割手段と、
上記姿勢が変化しているメガネの各々が上記複数のサブコマのうちの異なるサブコマに対応する様に、上記複数のメガネを上記複数のサブコマに対応付ける対応付手段と、
を更に備え、
上記姿勢変更手段は、
上記姿勢が変化しているメガネに対応付けられた上記サブコマに映る上記映像の姿勢を当該メガネの姿勢に基づいて変更することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の表示制御システム。
【請求項15】
上記時分割手段は、上記変化数検出手段の検出結果が上記メガネの総数と同数である場合は、上記映像の各コマをそれぞれ上記メガネの総数と同数のサブコマに時分割し、
上記対応付手段は、姿勢が変化した上記各メガネと上記同数のサブコマとを1対1に対応付け、
上記変化数検出手段の検出結果が1個よりも多く且つ上記メガネの総数未満の第1の数である場合は、上記映像の各コマを上記第1の数よりも1つ多い第2の数のサブコマに時分割し、
上記対応付手段は、姿勢が変化していない上記各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの共通の一のサブコマに対応させ、姿勢が変化している上記各メガネを上記第2の数のサブコマのうちの残りのサブコマに1対1に対応付け、
上記変化数検出手段の検出結果がゼロである場合は、上記映像の各コマを時分割しないことを特徴とする請求項14に記載の表示制御システム。
【請求項16】
上記表示装置は、
上記表示部に表示された上記サブコマに対応付けられた上記メガネの視界だけが開かれる様に、上記各メガネ用の上記切替信号を生成する切替信号生成手段と、
上記各切替信号を上記各メガネの上記第2受信手段に出力する第2出力手段と
を更に備えており、
上記映像の各コマが時分割されていない場合は、
上記切替信号生成手段は、全ての上記メガネの視界が開かれる様に、上記切替信号を生成することを特徴とする請求項12から15の何れか1項に記載の表示制御システム。
【請求項17】
上記表示装置は、
上記各メガネに共通の上記切替信号であって上記複数のサブコマが上記表示部に表示されるタイミングを示す上記切替信号を生成する切替信号生成手段と、
上記切替信号を上記各メガネの上記第2受信手段に出力する第2出力手段と、
を更に備え、
上記各メガネは、
上記複数のサブコマの中で、どのサブコマに切替えるかを選択する切替選択手段を更に備え、
上記第2制御手段は、上記切替信号に基づいて、上記切替選択手段により選択されたサブコマの映像が表示されるときだけ当該メガネが開かれるように、上記開閉手段を制御し、
上記映像の各コマが時分割されていない場合は、
上記切替信号生成手段は、全ての上記メガネの視界が開かれる様に、上記切替信号を生成することを特徴とする請求項12から15の何れか1項に記載の表示制御システム。
【請求項18】
鑑賞者の顔に装着可能な姿勢検出用メガネであって、
上記姿勢検出用メガネの姿勢を検出する姿勢検出手段と、
上記姿勢検出手段の検出結果を姿勢信号として外部に出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする姿勢検出用メガネ。
【請求項19】
上記姿勢検出用メガネの視界を開閉する開閉手段と、
外部からの切替信号を受信する受信手段と、
上記受信手段が受信した上記切替信号に基づいて上記開閉手段の開閉動作を制御する制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項18に記載の姿勢検出用メガネ。
【請求項20】
請求項1から17の何れか1項に記載の表示制御システムを動作させる制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項21】
請求項18または19に記載の姿勢検出用メガネを動作させる制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項22】
請求項20または21に記載の制御プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−222699(P2012−222699A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88495(P2011−88495)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】