説明

観測装置および観測システム

【課題】観測に関する測定や撮影などの各種機能を簡単かつ確実に構成することができ、ひいてはメンテナンスや製造を容易に行うことが可能な観測装置を提供する。
【解決手段】観測装置10は、所定の測定項目を測定する測定部、所定の撮影を行う撮影部、外部機器と通信する通信部、電気を供給する電源および電気を蓄電する蓄電部などといった測定や撮影などの機能を実行する機器を内蔵する複数のユニット110、120、130、140とを備えており、各ユニット110、120、130、140が隣り合うもの同士で互いに脱着可能な状態で段階的に連結されることを特徴とする。これによれば、測定や撮影などの機能を実行する機器を内蔵したユニットを脱着可能な状態で段階的に連結することにより、観測に関する測定や撮影などの各種機能を簡単かつ確実に構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路脇、線路脇、河川脇、山間地、耕作地あるいは海上などに設置され、放射能、温度、湿度、PH、気圧、粉塵、加速度、雨量、積雪量などの一ないし複数の測定項目を測定したり、あるいは/および所定の撮影を行う観測装置およびそれを用いた観測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路脇、線路脇、河川脇、山間地、耕作地あるいは海上などに観測装置を設置し、該観測装置によって、放射能、温度、湿度、PH(水素イオン指数)、気圧、粉塵、加速度、雨量、積雪量などの一ないし複数の測定項目を測定したり、あるいは/および所定の撮影を行っている。
【0003】
例えば、観測装置が地震や豪雨などによる崖崩れなどの二次災害を予知・検知する分野で用いられる場合、設置箇所の画像を得るための撮影機器や、加速度センサ、Bluetooth(登録商標)、GPS(Global Positioning System)などの通信機器や、周囲の温度、湿度、気圧、放射能、粉塵、雨量、積雪量などを測定する測定機器などを備えている。あるいはまた、観測装置が生物・農作物の分野で用いられる場合、作物、土壌水分、植物体水分、葉面漏れ、風速、日照量などを測定する測定機器を備えている。
【0004】
そして、この観測装置は、設置後において観測内容を所定の測定項目や撮影に変更したい場合、それら測定や撮影の機能を追加したり、削除したり、あるいは交換したりする必要がある。このとき、観測装置は、道路脇、線路脇、河川脇、山間地、耕作地あるいは海上などに設置されているため、設置後においてはそれらの作業が容易なものが望まれる。
【0005】
ところが、従来の観測装置は、測定機器や撮影機器などが観測装置に一体不可分に内蔵されている。このため、観測装置を工場などに一旦持ち帰った後、観測装置を分解した上で、測定や撮影の機能を追加したり、不要なものを削除したり、あるいは交換するなどの作業が必要であり、非常に手間がかかるものであった。
【0006】
そこで、このようなメンテナンス作業を軽減する観測装置として、特許文献1に知られている。この観測装置(屋外コンピュータ装置)は、サイドレールが設けられたベース部と、サイドレールに係合可能なサイドブラケットが設けられたコンピュータユニットを有する基板ブロックとを備えている。この観測装置は、故障時および機能更新時において、種々の測定を行うための構成要素が組み込まれたコンピュータユニットのみを簡易に交換することができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−223564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の観測装置は、コンピュータユニットを交換することができるものの、そのコンピュータユニットに全ての測定機器や撮影機器が設けられているため、全ての測定機器や撮影機器を交換してしまうという問題があった。すなわち、例えば一つの測定の機能を追加するためには、全ての測定機器や撮影機器までも新しいものに交換することとなり、新しい測定の機能の追加に際してコストが高くなるものであった。もとより、取り外したコンピュータユニットを一旦工場などに持ち帰った上で、新しい測定や撮影の機能を追加したり、削除したり、あるいは交換することもできるが、これだと従来の観測装置と同様に非常に手間がかかるものであった。
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、観測に関する測定や撮影などの各種機能を簡単かつ確実に構成することができ、ひいてはメンテナンスや製造を容易に行うことが可能な観測装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の観測装置は、道路脇、線路脇、河川脇、山間地、耕作地あるいは海上などに設置され、観測に関する放射能、温度、湿度、PH、気圧、粉塵、加速度、雨量、積雪量などの一ないし複数の測定項目を測定したり、あるいは/および所定の撮影を行う観測装置であって、所定の前記測定項目を測定する測定手段、所定の前記撮影を行う撮影手段、外部機器と通信する通信手段、電気を供給する電源手段、および電気を蓄電する蓄電手段の少なくともいずれか一つを内蔵するユニットを複数備え、各ユニットが隣り合うもの同士で互いに脱着可能な状態で段階的に連結されており、前記ユニットは、上端面または下端面のいずれか一方の端面中央に細い円筒状の雄型通電端子が設けられるとともに、他方の端面中央に細い円筒状の雌型通電端子が設けられ、隣り合うもの同士で雄型通電端子が雌型通電端子に挿入されることにより互いに回転する構成で連結されていることを特徴とする。
【0011】
これによれば、所望の測定手段、撮影手段、通信手段、電源手段、蓄電手段を内蔵するユニットを脱着可能な状態で段階的に連結することにより、観測に関する測定や撮影などの各種機能を簡単かつ確実に構成することができる。しかも、隣り合うものユニット同士で雄型通電端子が雌型通電端子に挿入されることにより互いに回転する構成で連結されるため、ユニット同士を連結するに際して互いのユニットの方向を気にすることなく簡単かつ確実に連結することができる。
【0012】
また、ユニットは長さ方向に直列段階的に連結されるのが好ましい。これによれば、ユニットを簡単かつ確実に連結することができるとともに、観測装置全体をスリムに構成することができ、ひいては外観の意匠性も向上させることが可能となる。
【0013】
また、ユニットは隣り合うもの同士で通電可能な状態で連結されるのが好ましい。これによれば、隣り合うユニット同士で通電することができ、電源手段や蓄電手段を内蔵しているユニットから他のユニットに対して電気を供給したり、隣り合うユニット同士の間で測定データや撮影データを送受信することが可能になる。
【0014】
また、長さ方向の最上段のユニットは太陽電池からなる電源手段を受光可能な状態で内蔵するのが好ましい。これによれば、太陽電池から各ユニットに対して電気を供給することができ、電源手段を交換したり補充する必要がなくなり、半永久的に観測することが可能になる。しかも、長さ方向の最上段のユニットに太陽電池が内蔵されているため、太陽光を効率的に受光することができる。
【0015】
また、長さ方向の最下段のユニットは蓄電手段を内蔵するのが好ましい。これによれば、例えば昼間に太陽電池などで作った電気を蓄電手段に蓄電することにより、蓄電手段から各ユニットに電気を供給し得るため、夜間においても観測することができる。しかも、一般に重量が大きい蓄電手段を最下段のユニットに内蔵することにより、観測装置全体の重心が下がって、安定して設置することができる。
【0016】
また、長さ方向の最下段のユニットは地面に載置するための脚部が設けられているのが好ましい。これによれば、脚部を地面に載置することにより観測装置を立設させることができる。
【0017】
また、脚部の下端部に地中に埋設される防護手段が設けられ、該防護手段は、下部開口の筒状に形成され、かつ周壁に複数の孔が形成されるとともに、内側に測定手段が配置されているのが好ましい。これによれば、防護手段を地中に埋設することにより、観測装置を安定して立設させることができる。また、防護手段の内側に測定手段が配置されているため、土壌に関する情報を測定することができる。さらに、防護手段は、下部開口の筒状に形成され、かつ周壁に複数の孔が形成されるため、土竜や猪などの動物による掘り起こしから測定手段を防護することができる上に、周壁における複数の孔により防護手段の内側の土壌を外側の土壌とほぼ同じ状態にすることができる。
【0018】
また、本発明の観測装置は請求項1から請求項7のいずれかに記載の観測装置と、所定箇所に設置されたサーバ装置とを備え、観測装置とサーバ装置がネットワークを介して接続されており、観測装置は、所定の測定項目を測定する測定手段および/または所定の撮影を行う撮影手段を内蔵するユニットと、外部機器と通信する通信手段を内蔵するユニットとを少なくとも有し、通信手段により測定手段による測定データおよび/または撮影手段による撮影データを観測装置からサーバ装置に対してネットワークを介して送信することを特徴とする。
【0019】
これによれば、観測装置における測定データや撮影データをネットワークを介してサーバ装置に送信することができ、人が観測装置の設置箇所までわざわざデータを取りに行く必要がなくなり手間が軽減される上に、測定データや撮影データに基づいてタイムリーに情報分析を行うことが可能になる。なお、ネットワークは、特に限定されるものではないが、例えば携帯電話の通信網などが挙げられる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、所望の測定手段、撮影手段、通信手段、電源手段、蓄電手段を内蔵するユニットを脱着可能な状態で段階的に連結することにより、観測に関する測定や撮影などの各種機能を簡単かつ確実に構成することができる。
【0021】
このため、従来のように全ての測定機器や撮影機器を交換してしまうことなく、観測に関する測定や撮影などの各種機能を観測装置の設置現場で必要に応じて追加したり、削除したり、あるいは交換するといったメンテナンスを容易に行うことが可能になる。
【0022】
また、観測装置の製造段階においても、観測に関する測定や撮影などの各種機能を内蔵したユニットを顧客の要望に応じて選択し、それらユニットを段階的に連結することにより、顧客の要望に応じた機能を備える観測装置を容易に構成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態の観測装置の斜視図である。
【図2】各ユニットの分離状態を示す断面図である。
【図3】第1実施形態の観測装置の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】第2実施形態の観測装置における各ユニットの分離状態を示す断面図である。
【図5】第2実施形態の観測装置の電気的接続を示すブロック図である。
【図6】第3実施形態の観測装置における各ユニットの分離状態を示す拡大断面図である。
【図7】第4実施形態の観測装置の脚部における拡大正面図である。
【図8】第5実施形態の(a)〜(d)各観測装置を示す正面図である。
【図9】第6実施形態に係る観測装置システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
次に、本発明に係る観測装置の第1の実施形態について図1〜図3を参照しつつ説明する。
【0025】
本実施形態に係る観測装置10は、道路脇、線路脇、河川脇、山間地、耕作地あるいは海上などに設置され、放射能、温度、湿度、PH、気圧、粉塵、加速度、雨量、積雪量などの一ないし複数の測定項目を測定したり、所定の撮影を行うものである。この観測装置10は、図1に示すように、顧客の要望に応じて選択された観測に必要な種々の機器を内蔵するユニットを複数備えるユニット部100と、ユニット部100を地面に載置するための脚部200とを有している。
【0026】
前記ユニット部100は、本実施形態においては4つのユニットから構成されており、これらのユニットが長さ方向(上下方向)に隣り合うもの同士で互いに直列段階的に連結されている。具体的に、ユニット部100は、ユニット部100の中間上方側に配置された本体ユニット110と、ユニット部100の中間下方側に配置された観測ユニット120と、観測ユニット120の下方に配置された蓄電ユニット130と、本体ユニット110の上方に配置された電源ユニット140とを備えている。
【0027】
前記本体ユニット110は、図2に示すように、本体ユニット110全体として円柱状に形成されており、中央部において筒状に形成された第1ユニット部111と、第1ユニット部111の周囲に設けられた上下開口の第2ユニット部112とを備えている。
【0028】
前記第1ユニット部111は、上方の電源ユニット140と結線するための雄型通電端子111aが上端面に設けられるとともに、下方の観測ユニット120と結線するための雌型通電端子111bが下端面に設けられている。また、第1ユニット部111は、本体ユニット110内の各種データあるいは観測ユニット120から送信された各種データを記憶するメモリ部と、本体ユニット110の動態を監視するための加速度測定部と、人工衛星から位置データを受信するGPS(Global Positioning System)アンテナ部と、近距離の外部機器と通信するための近距離通信部(Bluetooth)と、メモリ部に記憶した各種データをネットワークを介して外部機器に送信する遠距離通信部とを内蔵している(いずれも図示略)。なお、ここにおける遠距離通信部は、携帯電話の通信網を介して、本体ユニット110内の各種データを自動で外部機器に送信するものとなされている。
【0029】
前記第2ユニット部112は、第1ユニット部111との間に介設された図示略の軸受部材によって、第1ユニット部111の周囲で軸方向に回転可能に設けられている。また、第2ユニット部112は、上端面の内側周縁部に第1ネジ部112aが形成されるとともに、下端面の外側周縁部に後述の観測ユニット120の第1ネジ部122aに対応する第2ネジ部112bが形成されている。
【0030】
前記観測ユニット120は、図2に示すように、基本的な構造が本体ユニット110と同様である。すなわち、観測ユニット120は、観測ユニット120全体として円柱状に形成されており、中央部において筒状に形成された第1ユニット部121と、第1ユニット部121の周囲に設けられた上下開口の第2ユニット部122とを備えている。
【0031】
前記第1ユニット部121は、上方の本体ユニット110と結線するための雄型通電端子121aが上端面に設けられているとともに、下方の蓄電ユニット130と結線するための雌型通電端子121bが下端面に設けられている。また、第1ユニット部121は、放射能、温度、湿度、気圧、粉塵、雨量、積雪量などを測定する各測定部と、周囲の状況を撮影する撮影部とを内蔵している(いずれも図示略)。なお、本実施形態において、測定部によって得られた測定データおよび/または撮影部によって得られた撮影データは、本体ユニット110と連結されることによって本体ユニット110に送信されるものとなされている。
【0032】
前記第2ユニット部122は、第1ユニット部121との間に介設された図示略の軸受部材によって、第1ユニット部121の周囲で軸方向に回転可能に設けられている。また、第2ユニット部122は、上端面の内側周縁部に第1ネジ部122aが形成されるとともに、下端面の外側周縁部に後述の蓄電ユニット130の第1ネジ部132aに対応する第2ネジ部122bが形成されている。
【0033】
前記蓄電ユニット130は、図2に示すように、蓄電ユニット130全体として下端側が先細状の略円錐状に形成されている。この蓄電ユニット130は、ユニット部100の長さ方向の最下段に配置され、中央部に設けられた第1ユニット部131と、第1ユニット部131の周囲に設けられた上部開口の第2ユニット部132とを備えている。
【0034】
前記第1ユニット部131は、上方の観測ユニット120と結線するための雄型通電端子131aが上端面に設けられている。また、この第1ユニット部131は、電気を蓄電するバッテリ(図示略)を内蔵しており、該バッテリが電源ユニット140において作られた電気あるいは外部機器から電気が供給されることによって蓄電する。これにより、例えば昼間に電源ユニット140の太陽電池で作った電気を蓄電して、本体ユニット110、観測ユニット120などに電気を供給することにより、夜間においても観測することができる。また、内蔵されるバッテリは重量が大きいため、蓄電ユニット130を最下段に配置することにより、観測装置10全体の重心が下がって、安定して設置することができる。
【0035】
前記第2ユニット部132は、第1ユニット部131の外周に固定されており、上端面の内側周縁部に第1ネジ部132aが形成されるとともに、下端部において後述の脚部200と螺着するための脚部用第1ネジ部132bを下方側に突設させている。
【0036】
前記電源ユニット140は、図2に示すように、ユニット部100の長さ方向における最上段に配置され、上方に凸状の半球状に形成された第1ユニット部141と、第1ユニット部141の下端面を覆う態様で設けられた第2ユニット部142とを備えている。
【0037】
前記第1ユニット部141は、下方の本体ユニット110と結線するための雌型通電端子141bが下端面に設けられている。また、この第1ユニット部141は、上面がアクリルなどの透明部材によって半球状に形成され、太陽光の受光部分が半球状の太陽電池を内蔵している。これにより、太陽電池から本体ユニット110および観測ユニット120に対して電気を供給することができる。また、電源手段を交換したり補充する必要がなくなり、半永久的に観測することが可能になる。しかも、太陽電池が最上段のユニットに内蔵されていることより、太陽光を効率的に受光することができる。
【0038】
前記第2ユニット部142は、略円盤状に形成されており、第1ユニット部141の下方で軸方向に回転可能に設けられている。また、下端面の外側周縁部に第2ネジ部142bが形成されている。
【0039】
前記脚部200は、図1に示すように、ユニット部100全体を地面に載置させるための部材である。この脚部200は、ユニット部100の最下段に配置された蓄電ユニット130の下端部から下方に延在する脚部本体210と、脚部本体210の下端部に設けられた円盤状の支持板220とを備えている。
【0040】
前記脚部本体210は、図2に示すように、上端面の中央部において蓄電ユニット130の脚部用第1ネジ部132bと螺着するための脚部用第2ネジ部210aが形成されており、脚部用第1ネジ部132bと脚部用第2ネジ部210aが螺着することによって互いに脱着可能に連結されている。
【0041】
前記支持板220は、図1に示すように、円盤状の中心部において脚部本体210と長さ方向に直交する態様で固定されており、該支持板220によって脚部本体210を介して観測装置10全体を立設させることができる。
【0042】
次に、ユニット部100におけるユニット110〜140の連結について説明する。
【0043】
ユニット110〜140の各々が有する第2ユニット部112、122、132、142において、上端面側に形成された第1ネジ部112a、122a、132aはいずれも同一形状であり、また下端面側に形成された第2ネジ部112b、122b、142bはいずれも同一形状である。また、各第2ネジ部112b、122b、142bは、各第1ネジ部112a、122a、132aのいずれにも対応する態様で形成されている。したがって、上方から順に長さ方向に隣り合う電源ユニット140、本体ユニット110、観測ユニット120、蓄電ユニット130は、隣り合うもの同士で各第2ユニット部112、122、132、142をそれぞれ軸方向に回転させながら、各ユニット間で対応し合う第1ネジ部112a、122a、132aと第2ネジ部112b、122b、142bとが螺着することにより連結される。一方、電源ユニット140、本体ユニット110、観測ユニット、蓄電ユニット130は、隣り合うもの同士で各第2ユニット部112、122、132、142をそれぞれ逆軸方向に回転させながら、各ユニット間で対応し合う第1ネジ部112a、122a、132aと第2ネジ部112b、122b、142bとの螺着を解除することにより連結が解除される。
【0044】
例えば、本体ユニット110および観測ユニット120に着目すると、図2に示すように、本体ユニット110における第2ユニット部112の下端面と観測ユニット120における第2ユニット部122の上端面とを当接させて、本体ユニット110の第2ユニット部112を軸方向(平面視において時計方向)に回転させる。これにより、本体ユニット110の第2ネジ部112bと観測ユニット120の第1ネジ部122aとが螺着することにより、本体ユニット110と観測ユニット120が連結される。一方、連結されている本体ユニット110と観測ユニット120において、本体ユニット110の第2ユニット部112を逆軸方向(平面視において反時計方向)に回転させる。これにより、本体ユニット110の第2ネジ部112bと観測ユニット120の第1ネジ部122aとの螺着が解除されるため、本体ユニット110と観測ユニット120との連結が解除される。したがって、隣り合う本体ユニット110および観測ユニット120同士で互いに脱着可能な状態で段階的に連結させることができる。
【0045】
また、電源ユニット140の第2ネジ部142bおよび本体ユニット110の第1ネジ部112b、観測ユニット120の第2ネジ部122bおよび蓄電ユニット130の第1ネジ部132aにおいても同様、長さ方向に隣り合う電源ユニット140および本体ユニット110、観測ユニット120および蓄電ユニット130で互いに脱着可能な状態で連結することができる。
【0046】
したがって、長さ方向に隣り合う電源ユニット140、本体ユニット110、観測ユニット120および蓄電ユニット130が脱着可能な状態で直列段階的に簡単かつ確実に連結することができる。しかも、観測装置10全体をスリムに構成することができ、ひいては外観の意匠性も向上させることが可能となる。
【0047】
また、ユニット110〜140は、隣り合うもの同士で結線された状態で連結される。ユニット110〜140の各々が有する第1ユニット部111、121、131、141において、上端面側に設けられた雄型通電端子111a、121a、131aはいずれも同一形状であり、また下端面側に設けられた雌型通電端子111b、121b、141bはいずれも同一形状である。また、各雌型通電端子111b、121b、141bは、各雄型通電端子111a、121a、131aのいずれにも対応する態様で形成されている。したがって、上方から順に長さ方向に隣り合う電源ユニット140、本体ユニット110、観測ユニット120、蓄電ユニット130は、隣り合うもの同士で雄型通電端子111a、121a、131aを雌型通電端子111b、121b、141bに挿入することにより、隣り合うもの同士が結線された状態で連結される。ここにいう「結線」とは、隣り合うもの同士で通電可能な状態に電源ラインを構築することおよび/または各種データを送受信可能な状態に信号ラインを構築することである。なお、ここでは上記で説明した、長さ方向に隣り合うユニット110〜140同士が連結することにより、雄型通電端子111a、121a、131aおよび雌型通電端子111b、121b、141bが結線された状態になる。
【0048】
例えば、本体ユニット110および観測ユニット120に着目すると、図2に示すように、本体ユニット110と観測ユニット120が連結されることによって、観測ユニット120の雄型通電端子121aが本体ユニット110の雌型通電端子111bに挿入される。これにより、本体ユニット110および観測ユニット120が結線された状態になるため、本体ユニット110と観測ユニット120間において電源ラインおよび信号ラインが構築されて、本体ユニット110と観測ユニット120間で電気の供給を行ったりあるいは測定データや撮影データの送受信を行うことが可能な状態になる。
【0049】
また、電源ユニット140の雌型通電端子141bおよび本体ユニット110の雄型通電端子111a、観測ユニット120の雌型通電端子121bおよび蓄電ユニット130の雄型通電端子131aにおいても同様、長さ方向に隣り合う電源ユニット140と本体ユニット110同士および観測ユニット120と蓄電ユニット130同士で互いに結線された状態になる。
【0050】
本実施形態の観測装置10においては、ユニット110〜140を直列段階的に連結した場合、各ユニット110〜140における雄型通電端子111a、121a、131aおよび雌型通電端子111b、121b、141bの各々が結線された状態となり、図3に示すように、観測装置10全体で電源ラインおよび信号ラインが構築される。図3において、E1、E2は電源ラインを示し、横に付された矢印が電気の供給方向を示している。また、S1は信号ラインを示している。
【0051】
図3によれば、電気に関しては、第1電源ラインE1によって電源ユニット140で作られた電気が本体ユニット110、観測ユニット120および蓄電ユニット130に供給可能な状態となり、第2電源ラインE2によって蓄電ユニット130で蓄電されている電気が観測ユニット120および本体ユニット110に供給可能な状態となる。また、信号に関しては、信号ラインS1によって本体ユニット110および観測ユニット120間において各種データが双方向に送受信可能な状態となる。
【0052】
以上の本観測装置10によれば、例えば顧客の要望などによって観測ユニット120に内蔵されていない新たな他の測定の機能を追加する場合、本体ユニット110および観測ユニット120と同様の基本的な構造を有する他のユニット(追加ユニット)に所望の測定が可能な測定部を内蔵させる。そして、本体ユニット110および観測ユニット120の連結を解除し、その間に該追加ユニットを配置して、本体ユニット110、追加ユニットおよび観測ユニット120を直列段階的に連結する。これにより、追加ユニットに内蔵されている新たな他の測定の機能を簡単かつ確実に追加することができる。一方、追加した追加ユニットを外して、元の状態となるように本体ユニット110と観測ユニット120を連結することにより、測定の機能を簡単かつ確実に削除することができる。さらに、観測ユニット120の測定の機能を一部変更する場合、測定の機能を一部変更させたさらに他のユニット(変更ユニット)を観測ユニット120と差し替えることにより、該変更ユニットに内蔵されている測定の機能に簡単かつ確実に変更することができる。
【0053】
また、本実施形態において説明したユニット間における脱着可能な状態での連結は、第2ユニット部112、122、142が第1ユニット部111、121、141に対して軸回転することによってなされるのであって、第1ユニット部111、121、131における通電端子の連結部分が回転するような構造ではない。したがって、上記の連結は、通電端子の種類を選ばないため、複数の通電端子や特殊形状の通電端子を設けることができ、長さ方向に隣り合う電源ユニット140、本体ユニット110、観測ユニット120および蓄電ユニット130間における電気供給やデータの送受信のための配線の自由度を高めることが可能である。
【0054】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る観測装置の第2の実施形態について図4および図5を参照しつつ説明する。
【0055】
本実施形態では、観測装置20のユニット部101の配列が第1実施形態のユニット部100の配列と異なる場合について説明する。以下では本実施形態の観測装置20と第1実施形態の観測装置10とにおいて異なる部分について説明し、同一部分については説明を省略して同一の符号を付すこととする。
【0056】
本実施形態の観測装置20におけるユニット部101は、図4に示すように、5つのユニットから構成されており、これらのユニットが長さ方向に隣り合うもの同士で互いに直列段階的に連結されている。具体的に、ユニット部101は、上方から順に、電源ユニット140と、全体として円柱形状に形成された第2蓄電ユニット130’と、本体ユニット110と、観測ユニット120と、観測ユニット120と異なる測定部を有する第2観測ユニット150とを備えている。
【0057】
前記第2蓄電ユニット130’は、全体として円柱状に形成されており、中央部において筒状に形成された第1ユニット部131’と、第1ユニット部131’の周囲に軸方向に回転可能に設けられた上下開口の第2ユニット部132’とを備えている。
【0058】
前記第1ユニット部131’は、上方の電源ユニット140と結線するための雄型通電端子131’aが上端面に設けられているとともに、下方の本体ユニット110と結線するための雌型通電端子131’bが下端面に設けられている。また、第1ユニット部131’は、電気を蓄電するバッテリを内蔵している。
【0059】
前記第2ユニット部132’は、第1ユニット部131’との間に介設された図示略の軸受部材によって、第1ユニット部131’の周囲で軸方向に回転可能に設けられている。また、第2ユニット部132’は、上端面の内側周縁部に第1ネジ部132’aが形成されるとともに、下端面の外側周縁部に第1ネジ部132’aに対応する第2ネジ部132’bが形成されている。
【0060】
前記第2観測ユニット150は、第2観測ユニット150全体として下端側が先細った略円錐状に形成されている。この第2観測ユニット150は、ユニット部101の長さ方向の最下段に配置され、中央部に設けられた第1ユニット部151と、第1ユニット部151の周囲に設けられた上部開口の第2ユニット部152とを備えている。
【0061】
前記第1ユニット部151は、上方の観測ユニット120と結線するための雄型通電端子151aが上端面に設けられている。また、この第1ユニット部151は、観測ユニット120とは異なる測定の機能を実行する所定の測定機器が内蔵されている。
【0062】
前記第2ユニット部152は、第1ユニット部151の外周に固定されており、上端面の内側周縁部に第1ネジ部152aが形成されるとともに、下端部において脚部200と螺着するための脚部用第1ネジ部152bを下方側に突設させている。
【0063】
本実施形態の観測装置20においては、上方から順に電源ユニット140、第2蓄電ユニット130’、本体ユニット110、観測ユニット120、第2観測ユニット150を直列段階的に連結した場合、各ユニット130’、110、120、150の雄型通電端子131’a、111a、121a、151aと各ユニット140、130’、110、120の雌型通電端子141b、131’b、111b、121bとの各々が結線された状態となり、図5に示すように、観測装置20全体で電源ラインおよび信号ラインが構築される。
【0064】
図5によれば、電気に関しては、第3電源ラインE3によって電源ユニット140で作られた電気が第2蓄電ユニット130’に供給可能な状態となり、第4電源ラインE4によって第2蓄電ユニット130’に蓄電されている電気が本体ユニット110、観測ユニット120および第2観測ユニット150に供給可能な状態となる。また、信号に関しては、信号ラインS2によって本体ユニット110および観測ユニット120間において各種データが双方向に送受信可能な状態となり、信号ラインS3によって観測ユニット120および第2観測ユニット150間において各種データが双方向に送受信可能な状態となるため、複数ユニット間での信号の送受信が可能となる。
【0065】
以上のように、ユニット部101を構成することによって、各ユニットに対して電源ユニット140から供給される第3電源ラインE3と蓄電ユニット130’から供給される第4電源ラインE4を、直列段階的にユニットが連結される方向に沿って1本化することができるため、電源ラインを簡略化することが可能になる。
【0066】
<第3実施形態>
次に、本発明に係る観測装置の第3の実施形態について図6を参照しつつ説明する。
【0067】
本実施形態では、観測装置のユニットに係る雄型通電端子および雌型通電端子が上記の各実施形態と異なる場合について説明する。なお、以下では本実施形態に係る観測装置30と上述の各実施形態の観測装置10、20とにおいて異なる構成について説明する。
【0068】
本観測装置30に係る各ユニット170は、図6に示すように、上記の各実施形態で説明した第1ユニットおよび第2ユニットが一体化されている構成を有している。このユニット170は、上端面の内側周縁部に第1ネジ部171aが形成されるとともに、下端面の外側周縁部に第1ネジ部171aに対応する第2ネジ部171bが形成されており、上述の本体ユニット110や観測ユニット120が有する各種機器を内蔵している。したがって、ユニット170全体を回転させることによって、隣り合うユニット170同士を螺着によって連結することができる。
【0069】
また、ユニット170は、上方のユニット170と結線するための雄型通電端子171Aが上端面中央に設けられるとともに、下方のユニット170と結線するための雌型通電端子171Bが下端面中央に設けられている。
【0070】
前記雄型通電端子171Aは、細い円筒状に形成され、電気および種々の信号を入出力可能な多チャンネル型の通電端子であり、いわゆる多チャンネル対応の「ピン型プラグ」である。また、前記雌型通電端子171Bは、細い円筒状に形成され、雄型通電端子171Aから入出力される電気および信号を入出力可能な多チャンネル型の通電端子であり、いわゆる多チャンネル対応の「ピン型ジャック」である。雄型通電端子171Aが上方のユニット170の雌型通電端子171Bに挿入されると、隣り合うユニット170同士は通電する。なお、入出力される電気および信号は第1の実施形態と同様である。
【0071】
以上のように、雄型通電端子171Aが雌型通電端子171Bに挿入されることによって隣り合うユニット170同士が通電するため、簡単かつ確実に連結することができる。また、ピン型プラグの雄型通電端子171Aがピン型ジャックの雌型通電端子171Bの内部で回転し得るため、本実施形態のようにユニット170同士が互いに連結するに際してユニット170全体が回転するような構成であっても対応することができる。
【0072】
<第4実施形態>
次に、本発明に係る観測装置の第4の実施形態について図7を参照しつつ説明する。
【0073】
本実施形態では、観測装置40が土壌中に含まれる水分などを測定する場合について説明する。なお、以下では本実施形態に係る観測装置40と上述の各実施形態の観測装置10〜30とにおいて異なる構成について説明し、同一の構成については説明を省略して同一の符号を付すこととする。
【0074】
本実施形態の観測装置40は、図7に示すように、蓄電ユニット130の下方に脚部201が設けられている。該脚部201は、蓄電ユニット130の下端部から下方に延在する脚部本体211と、脚部本体211の下端部に設けられる防護部230と、該防護部230の内側に配置された地中測定部160とを備えている。
【0075】
前記脚部本体211は、図2に示すように、上端面の中央部において蓄電ユニット130の脚部用第1ネジ部132bと螺着するための脚部用第2ネジ部211aが形成されており、脚部用第1ネジ部132bと脚部用第2ネジ部211aとが螺着することによって互いに脱着可能に連結されている。また、脚部本体211は、蓄電ユニット130と結線するための図示略の雄型通電端子が上端面に設けられているとともに、下方の地中測定部160と結線するための図示略の雌型通電端子が下端面に設けられている。ここでの雄型通電端子および雌型通電端子は、第1実施形態または第3実施形態で説明したものと同様である。この該雄型通電端子および雌型通電端子により、上方の蓄電ユニット130および下方の地中測定部160が結線される。
【0076】
前記防護部230は、脚部本体211の下端部において地中に埋設されており、下部開口の筒状に形成され、かつ周壁に複数の孔231が形成されている。したがって、この防護部230は、観測装置40を安定して立設させ、土竜や猪などの動物による掘り起こしから内側に配置した土中測定部160を防護することができる上に、周壁における複数の孔231により防護部230の内側の土壌を外側の土壌とほぼ同じ状態にすることができる。
【0077】
前記地中測定部160は、各種のセンサを備え、該センサの各々によって土壌に含まれる水分、PHなどといった土壌に関するデータを測定する。この地中測定部160は、上記防護部230によって周囲を防護されながら、防護部230の有する孔231によって外側と同じ状態にある周囲の土壌についての測定を行う。なお、測定データは、脚部本体211を介してユニット部100の本体ユニット110に送信される。
【0078】
以上のように、観測装置40を構成することにより、地中観測部160を動物などによって掘り起こされることなく、防護部230の周囲の土壌とほぼ同じ状態である土壌について正確に測定することができる。
【0079】
<第5実施形態>
次に、本発明に係る観測装置の第5の実施形態について図8を参照しつつ説明する。
【0080】
本実施形態では、観測装置50a〜50dの脚部が上述の各実施形態と異なる場合について説明する。なお、以下では本実施形態に係る観測装置50a〜50dと上述の各実施形態の観測装置10〜40とにおいて異なる構成について説明し、同一の構成については説明を省略して同一の符号を付すこととする。
【0081】
観測装置50aの脚部202は、図8(a)に示すように、蓄電ユニット130の下端部に設けられた三脚型の脚部であり、各脚が無関節で形成されている。これにより、脚部202が三点で地面と接触するため、観測装置50aを安定した状態で載置することができる。
【0082】
観測装置50bの脚部203は、図8(b)に示すように、蓄電ユニット130の下端部に設けられた三脚型の脚部であり、各脚が屈折し得るように各脚における同一高さ位置に関節部が2箇所ずつ設けられている。これにより、脚部203が三点で地面と接触するため安定した状態で載置し得るとともに、各脚の関節部によって観測装置50bのユニット部100を所望の方向に傾けることができる。さらに上空から観測装置50bを落下させた場合に関節部がクッションとなりがら地面に着地させることも可能である。
【0083】
観測装置50cの脚部204は、図8(c)に示すように、蓄電ユニット130の下端部に設けられ、可撓性の部材から構成されている。これにより、脚部204を何らかの棒状部材M1に巻き付けると、該棒状部材M1に観測装置50cを支持することができる。
【0084】
観測装置50dの脚部205は、蓄電ユニット130の下端部から下方に延在し、所定位置で屈曲するように形成されたリンク部205aと、リンク部205aの先端に設けられた平板部205bとを有している。これにより、平板部205bの周縁部に沿って周囲の壁面M2にネジや釘あるいは接着剤などの公知の固定部材を用いて固定することによって、観測装置50dを支持することができる。
【0085】
<第6実施形態>
次に、本発明に係る観測装置を用いた観測システムの実施形態について図9を参照しつつ説明する。なお、ここにおける観測装置は上述の第1実施形態の観測装置10が用いられる。
【0086】
観測システム1は、観測装置10と、所定箇所に設置されたサーバ装置500と、観測装置10が測定あるいは撮影した測定データおよび/または撮影データに基づいて情報分析を実行する顧客端末装置600とを備えており、観測装置10とサーバ装置500が第1のネットワークN1を介して接続され、サーバ装置500と顧客端末装置600が第2のネットワークN2を介して接続されている。なお、ここでは、第1のネットワークN1は携帯電話の通信網が適用され、第2のネットワークN20は任意の通信網が適用される。
【0087】
前記観測装置10は、第1実施形態で説明したものと同様であり、顧客の要望に応じた測定を行う測定部および/または撮影を行う撮影部を備えた観測ユニット120と、サーバ装置500と通信する遠距離通信部を備えた本体ユニット110とを有している。この観測装置10は、測定部によって測定された測定データおよび/または撮影部によって撮影された撮影データを遠距離通信部によって第1のネットワークN1を介してサーバ装置500に対して送信する。
【0088】
前記サーバ装置500は、観測装置10から送信された測定データおよび/または撮影データを受信して記憶する。また、サーバ装置500は、分析ソフトが備えられており、該分析ソフトによって測定データおよび/または撮影データに基づいて、観測装置10の設置箇所の環境に関する情報を分析する。このサーバ装置500は、記憶した測定データおよび/または撮影データおよび/または分析結果を第2のネットワークN2を介して顧客端末装置600に対して送信する。
【0089】
前記顧客端末装置600は、サーバ装置500から送信された測定データおよび/または撮影データを受信して記憶する。
【0090】
以上の観測システム1によれば、人が観測装置10の設置箇所までわざわざ測定データおよび/または撮影データを取りに行く必要がなくなり手間が軽減される上に、測定データおよび/または撮影データに基づいてタイムリーに情報分析を行うことができる。
【0091】
なお、上記各実施形態において、本体ユニット110、観測ユニット120、蓄電ユニット130、130’、電源ユニット140、あるいは第2観測ユニット150により構成されるものとしたが、これらのユニットの種類、順番、段数などに限定されるものではない。
【0092】
すなわち、所定の測定項目を測定する測定手段または所定の撮影を行う撮影手段を内蔵するユニットが少なくとも一つ設けられるとともに、他の測定項目を測定する測定手段、外部機器と通信する通信手段、電気を供給する電源手段、あるいは電気を蓄電する蓄電手段を内蔵する一ないし複数のユニットが設けられ、それらユニットが隣り合うもの同士で互いに脱着可能な状態で段階的に連結されるものであればよい。
【0093】
また、各ユニットは測定手段、撮影手段、通信手段、電源手段、または蓄電手段を個別に内蔵する場合について説明したが、各手段の複数を組み合わせて一つのユニットに内蔵してもよい。
【0094】
また、ユニットは2段以上であれば何段でもよいが、段階的に連結するメリットを考慮すれば3段以上の多段階であるのが好ましい。
【0095】
また、隣り合うユニット同士が直列段階的に連結される場合について説明したが、例えばL字状、T字状、コの字状などに段階的に連結してもよい。
【0096】
また、脚部200〜205が設けられている場合について説明したが、脚部が設けられていなくてもよい。
【0097】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0098】
10…観測装置
100…ユニット部
110…本体ユニット
111…第1ユニット部
112…第2ユニット部
120…観測ユニット
130…蓄電ユニット
140…電源ユニット
200…脚部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路脇、線路脇、河川脇、山間地、耕作地あるいは海上などに設置され、観測に関する放射能、温度、湿度、PH、気圧、粉塵、加速度、雨量、積雪量などの一ないし複数の測定項目を測定したり、あるいは/および所定の撮影を行う観測装置であって、
所定の前記測定項目を測定する測定手段、所定の前記撮影を行う撮影手段、外部機器と通信する通信手段、電気を供給する電源手段、および電気を蓄電する蓄電手段の少なくともいずれか一つを内蔵するユニットを複数備え、各ユニットが隣り合うもの同士で互いに脱着可能な状態で段階的に連結されており、
前記ユニットは、上端面または下端面のいずれか一方の端面中央に細い円筒状の雄型通電端子が設けられるとともに、他方の端面中央に細い円筒状の雌型通電端子が設けられ、隣り合うもの同士で雄型通電端子が雌型通電端子に挿入されることにより互いに回転する構成で連結されていることを特徴とする観測装置。
【請求項2】
前記ユニットは長さ方向に直列段階的に連結される請求項1に記載の観測装置。
【請求項3】
前記ユニットは隣り合うもの同士で通電可能な状態で連結される請求項1または請求項2に記載の観測装置。
【請求項4】
長さ方向の最上段の前記ユニットは太陽電池からなる電源手段を受光可能な状態で内蔵する請求項2または請求項3に記載の観測装置。
【請求項5】
長さ方向の最下段の前記ユニットは蓄電手段を内蔵する請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の観測装置。
【請求項6】
長さ方向の最下段の前記ユニットは地面に載置するための脚部が設けられている請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の観測装置。
【請求項7】
前記脚部の下端部に地中に埋設される防護手段が設けられ、該防護手段は、下部開口の筒状に形成され、かつ周壁に複数の孔が形成されるとともに、内側に前記測定手段が配置されている請求項6に記載の観測装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の観測装置と、所定箇所に設置されたサーバ装置とを備え、前記観測装置と前記サーバ装置がネットワークを介して接続されており、
前記観測装置は、所定の測定項目を測定する測定手段および/または所定の撮影を行う撮影手段を内蔵するユニットと、外部機器と通信する通信手段を内蔵するユニットとを少なくとも有し、前記通信手段により前記測定手段による測定データおよび/または前記撮影手段による撮影データを前記観測装置から前記サーバ装置に対してネットワークを介して送信することを特徴とする観測システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−69263(P2013−69263A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−143312(P2012−143312)
【出願日】平成24年6月26日(2012.6.26)
【分割の表示】特願2011−205632(P2011−205632)の分割
【原出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(306037218)バイセン株式会社 (7)
【Fターム(参考)】