記録装置
【課題】内部の記録手段に記録したコンテンツを自動的に可搬型記録媒体に複製することができる記録装置を提供する。
【解決手段】可搬型記録媒体に対応付けられた記録領域を有する記録手段と、該記録手段の記録領域22aに記録されたコンテンツを可搬型記録媒体に複製する複製手段とを備える記録装置において、前記記録手段の残容量を検出する検出手段と、該検出手段が検出した残容量が所定量より少ないか否かを判定する判定手段とを備え、前記複製手段は、前記判定手段により残容量が所定量より少ないと判定された場合、前記記録領域22aに記録されたコンテンツを該記録領域22aに対応する可搬型記録媒体に複製するようにしてある。
【解決手段】可搬型記録媒体に対応付けられた記録領域を有する記録手段と、該記録手段の記録領域22aに記録されたコンテンツを可搬型記録媒体に複製する複製手段とを備える記録装置において、前記記録手段の残容量を検出する検出手段と、該検出手段が検出した残容量が所定量より少ないか否かを判定する判定手段とを備え、前記複製手段は、前記判定手段により残容量が所定量より少ないと判定された場合、前記記録領域22aに記録されたコンテンツを該記録領域22aに対応する可搬型記録媒体に複製するようにしてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを記録媒体に記録する記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリ、ハードディスク等の記録手段を内部に備えた記録装置がある(例えば、特許文献1)。このような記録装置ならば、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray Disk、登録商標)等の可搬型記録媒体を挿入し忘れていても、放送番組等のコンテンツの予約録画に失敗することはない。もっとも内部に備えた記録手段の記録容量には限界があるため、ユーザは記録手段に記録したコンテンツを適宜可搬型記録媒体にダビングする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−184013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、AV機器の操作が複雑化する傾向にある状況において、ダビング操作がわからない、ダビング操作は面倒だと感じるユーザ層が存在する。従って、極力ユーザの操作を必要としない記録装置が望ましい。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内部の記録手段に記録したコンテンツを自動的に可搬型記録媒体に複製することができる記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る記録装置は、可搬型記録媒体に対応付けられた記録領域を有する記録手段と、該記録手段の記録領域に記録されたコンテンツを可搬型記録媒体に複製する複製手段とを備える記録装置において、前記記録手段の残容量を検出する検出手段と、該検出手段が検出した残容量が所定量より少ないか否かを判定する判定手段とを備え、前記複製手段は、前記判定手段により残容量が所定量より少ないと判定された場合、前記記録領域に記録されたコンテンツを該記録領域に対応する可搬型記録媒体に複製するようにしてあることを特徴とする。
【0007】
本願に係る記録装置では、可搬型記録媒体に対応付けられた記録領域を有する記録手段の残容量を検出する検出手段を備えている。記録装置は、検出手段が検出した残容量が所定量より少ない場合、記録領域に記録されたコンテンツを記録領域に対応する可搬型記録媒体に複製する複製手段を備えている。
【0008】
本願に係る記録装置は、前記複製手段は、前記記録領域に記録された特定のコンテンツを複製するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
本願に係る記録装置では、複製手段は記録領域に記録された特定のコンテンツを複製する。
【0010】
本願に係る記録装置は、可搬型記録媒体の残容量を検出する残容量検出手段と、該残容量検出手段が検出した可搬型記録媒体の残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが、該可搬型記録媒体と対応する記録領域に記録されているか否かを判定する記録判定手段とを備え、前記複製手段は、前記記録判定手段により前記コンテンツが前記記録領域に記録されていると判定された場合、該コンテンツの内、特定のコンテンツを該記録領域に対応する可搬型記録媒体に複製するようにしてあることを特徴とする。
【0011】
本願に係る記録装置では、可搬型記録媒体の残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが、可搬型記録媒体と対応する記録領域に記録されている場合、複製手段はそのコンテンツの内、特定のコンテンツをその可搬型記録媒体に複製する。
【0012】
本願に係る記録装置は、前記特定のコンテンツは前記記録領域に記録された最も古いコンテンツであることを特徴とする。
【0013】
本願に係る記録装置では、特定のコンテンツは記録領域に記録された最も古いコンテンツである。
【0014】
本願に係る記録装置は、前記複製手段が前記コンテンツを前記可搬型記録媒体に複製する場合、前記記録領域から複製に係るコンテンツの一部を削除する手段を備えることを特徴とする。
【0015】
本願に係る記録装置では、複製手段により記録領域からその記録領域に対応する可搬型記録媒体へコンテンツが複製される場合、記録領域に記録された複製に係るコンテンツは、その一部が削除される。
【発明の効果】
【0016】
本願に係る記録装置によれば、内部の記録手段に記録したコンテンツを自動的に可搬型記録媒体に複製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】録画装置の外観を示す概念図である。
【図2】録画装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】録画装置が放送番組を録画する処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】ディスクとドライブ記録部との間で同期を取る前のデータに関する説明図である。
【図5】ディスクとドライブ記録部との間で同期を取った後のデータに関する説明図である。
【図6】同期前後での記録領域に記録された録画データに関する説明図である。
【図7】自動編集処理及び自動同期処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】ディスクとドライブ記録部との間で同期を取る前のデータに関する他例の説明図である。
【図9】ディスクとドライブ記録部との間で同期を取った後のデータに関する他例の説明図である。
【図10】自動編集処理及び自動同期処理の他例の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施例における記録装置を、実施の形態を示す図面に基づいて説明する。本実施の形態に係る記録装置は、例えばBDレコーダ、DVDレコーダ、ハードディスクレコーダ等を含む。以下では、記録装置の一例として、録画装置を挙げて説明する。
なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0019】
実施の形態1
図1は、録画装置1の外観を示す概念図である。リモコン(リモートコントロール)Rにより操作される録画装置1は、例えばテレビ放送、ケーブルテレビ放送、インターネット放送等を記録する。録画装置1には、TV(テレビジョン)受像機4が接続されている。録画装置1は、記録した放送内容を示す映像信号及び音声信号をTV受像機4に出力する。TV受像機4は、例えばバックライト及び液晶パネルを含む液晶テレビである。TV受像機4は、受け付けた映像信号に基づく映像を表示し、受け付けた音声信号に基づく音声を出力する。
なお、図1の例では録画装置1とTV受像機4とが別体である場合を示しているが、録画装置1とTV受像機4とが一体になった形態であってもよい。
【0020】
図2は、録画装置1の内部構成を示すブロック図である。録画装置1は、ドライブ装置2及びバックエンド装置3を含む。
ドライブ装置2は、ディスクドライブ(複製手段)21、ドライブ記録部(記録手段)22、ドライブ制御部23及びインタフェース部24を含む。
【0021】
ディスクドライブ21には、DVD、BD等の可搬性を有するディスクDが着脱可能に挿入される。ディスクドライブ21は、ディスクDに記録された映像データを読み出し、バックエンド装置3に出力する。ディスクドライブ21は、自身に入力された映像データを挿入されたディスクDに記録する。
なお、録画の形態は、ディスクドライブ21を用いてディスクDに映像データを記録することに限らない。例えば、録画の形態は、ディスクドライブ21の代りに携帯型のハードディスク、メモリカード又はフラッシュメモリ等をドライブ装置2に接続あるいは内蔵する形態であってもよい。
【0022】
ディスクDは、固有のディスクIDを有する。ディスクIDは、例えばディスクDの製造時にディスクDに記録される製造番号、シリアル番号等である。
なお、ディスクDの識別情報は、ディスクDの製造時にディスクDに予め記録されるディスクIDに限らない。例えば、録画装置1は、記録媒体に該記録媒体の識別情報を書き込む手段を備えていてもよい。この場合の識別情報として、ディスクの所有者名とシーケンス番号とを結合したもの、タイムスタンプ等、様々なものが利用されてよい。
【0023】
ドライブ記録部22は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、フラッシュメモリ、FeRAM(Ferroelectric RAM)等の不揮発性メモリ又はハードディスクで構成されている。ドライブ記録部22の記録容量は、例えばBDの記録容量の2倍である。
【0024】
ドライブ記録部22には、ディスクDのディスクIDに関連付けて、そのディスクDの所有者名及びコンテンツを記録することができる記録領域22aがバックエンド装置3により用意される。ディスクIDと関連付けられた記録領域22aは、そのディスクIDが記録されたディスクDと1対1の関係で管理される。従って、記録領域22aの数は、ディスクDの枚数と同数である。
【0025】
また、ディスクIDに関連付けられた記録領域22aには、記録されるコンテンツの例えばタイトル、再生時間、放送時間、番組情報及びコンテンツデータの一部又は全部も記録される。ここでのコンテンツデータの一部とは、例えばコンテンツの番組開始から一定時間番組映像をリピート再生することが可能なデータである。当該データは、TV受像機4にコンテンツに係る映像のサムネイルを一覧表示することに使用される。
なお、記録領域22a又はディスクDに新規データが記録された場合、記録領域22aとそのディスクIDが記録されたディスクDとの間で、データの不整合が生じないように同期処理が施される。
【0026】
ドライブ制御部23は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)等のプロセッサであり、ドライブ装置2の各構成部を制御する。
インタフェース部24は、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)規格又はATA(Serial Advanced Technology Attachment)規格のインタフェースであり、バックエンド装置3と接続されている。
ドライブ装置2は、インタフェース部24を介してバックエンド装置3との間でデータの交換をする。ドライブ装置2の各構成部は、システムバス2b上に接続されており、ドライブ制御部23の指示により、データの受け渡しが行われる。
【0027】
バックエンド装置3は、デジタルチューナ31、エンコーダ32及びストリーム処理部33を含む。
デジタルチューナ31は、外部のアンテナAが受信したBS(放送衛星)デジタル放送、CS(通信衛星)デジタル放送、地上デジタル放送等の放送信号を受け付ける。デジタルチューナ31は、受け付けた放送信号の内、選局されたチャンネル即ち特定の周波数帯の放送信号をMPEG(Moving Picture Experts Group)−2TS(Transport Stream)等のデジタルのストリームデータに変換する。
【0028】
エンコーダ32は、外部の再生装置、ネットワークにより接続されたサーバ装置、ケーブルテレビの回線等から映像信号及び音声信号を受け付ける。エンコーダ32は、外部から受け付けた映像信号及び音声信号をMPEG−2PS(Program Stream)、MPEG−2TS等のデジタルのストリームデータにエンコードする処理を行う。
【0029】
ストリーム処理部33は、デジタルチューナ31及びエンコーダ32に接続されており、デジタルチューナ31及びエンコーダ32からストリームデータを受け付ける。ストリーム処理部33は、受け付けたストリームデータに対してデジタル放送用のスクランブルを解除する処理等のデータ処理を施す。
【0030】
ストリーム処理部33は、受け付けたストリームデータに係るコンテンツを視聴する場合、データ処理を施したストリームデータを後述するデコーダ36に出力する。また、ストリーム処理部33は、受け付けたストリームデータに係るコンテンツを記録する場合、データ処理を施したストリームデータをドライブ装置2に出力する。
ストリーム処理部33からデコーダ36への出力と、ストリーム処理部33からドライブ装置2への出力とは、両方同時に実行されてもよく、何れか一方のみが実行されてもよい。また、デコーダ36へ出力されるストリームデータと、ドライブ装置2へ出力されるストリームデータとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0031】
バックエンド装置3は、バックエンド制御部(複製手段、検出手段、判定手段、残容量検出手段、記録判定手段、削除する手段)34、バックエンド記録部35、デコーダ36、映像処理部37及びインタフェース部38を含む。
バックエンド制御部34は、CPU、MPU等のプロセッサであり、バックエンド装置3の各構成部を制御する。
バックエンド記録部35は、不揮発性メモリ及び揮発性メモリから構成され、バックエンド制御部34が実行するプログラム、作業変数、一時的な情報及び恒常的な情報を記録する。バックエンド記録部35が記録する情報は、例えば番組録画の予約情報、ドライブ記録部22が記録するデータの管理情報等である。
【0032】
デコーダ36は、ストリーム処理部33又はドライブ装置2からストリームデータを受け付ける。デコーダ36は受け付けたストリームデータを映像信号及び音声信号にデコードし、デコードした映像信号及び音声信号を映像処理部37に出力する。デコーダ36は、ドライブ装置2からディスクIDに関連付けられたサムネイル用のストリームデータを受け付けた場合、受け付けたストリームデータをサムネイル用の映像信号にデコードし、デコードした映像信号を映像処理部37に出力する。
なお、サムネイルは縮小画像であるため、画質を落としても視聴者には目立たない。そこで、サムネイル用の映像データは、画素数を少なくする等の間引き処理を施してもよい。
【0033】
映像処理部37は、デコーダ36から映像信号及び音声信号を受け付け、受け付けた映像信号に対して画素の補間又は色調整等の画像処理を実行する。映像処理部37は、画像処理を施した映像信号及び音声信号を図示しないインタフェースを介して、外部のTV受像機4に出力する。また、映像処理部37は、デコーダ36からサムネイル用の映像信号を受け付けた場合、ディスクID毎にまとめられたサムネイルを一覧表示するための映像信号を生成し、外部のTV受像機4に出力する。
【0034】
インタフェース部38は、SATA規格又はATA規格のインタフェースであり、ドライブ装置2と接続されている。
バックエンド装置3は、インタフェース部38を介してドライブ装置2との間でデータの交換をする。
【0035】
バックエンド装置3は、計時部39及び受信部40を含む。
計時部39は、時刻、日付及び曜日を計時する。
受信部40は、外部のリモコンRから、例えば赤外線方式、Bluetooth(登録商標)方式、RF(Radio Frequency)方式等により、各種操作に係る信号を受信し、受信した信号をバックエンド制御部34に出力する。
ストリーム処理部33、バックエンド制御部34、バックエンド記録部35、デコーダ36、インタフェース部38及び計時部39は、システムバス3b上に接続されており、バックエンド制御部34の指示により、データの受け渡しが行われる。
【0036】
バックエンド制御部34は、受信部40を介してリモコンRから受信した信号に基づいて、ドライブ装置2の各構成部を制御する制御信号をドライブ装置2のドライブ制御部23に出力する。ドライブ制御部23は、バックエンド制御部34から出力された制御信号を受け付け、受け付けた制御信号に基づいてドライブ装置2の各構成部を制御する。即ち、バックエンド制御部34は、ドライブ装置2の各構成部を間接的に制御する。
【0037】
なお、ドライブ装置2の制御は、バックエンド制御部34とドライブ制御部23とが協働して行われる構成に限るものではない。例えば、ドライブ記録部22に対する各種データの入出力を、バックエンド制御部34がドライブ制御部23を介さずに直接的に実行する構成でもよい。あるいは、ドライブ制御部23はなくてもよい。
録画装置1は、ドライブ記録部22とバックエンド記録部35との2つの記録部を備えているが、一方の記録部が他方の記録部の役割を兼任することにより、ドライブ記録部22とバックエンド記録部35との何れか一方はなくてもよい。
【0038】
次に、録画装置1の動作について説明する。
まず、ドライブ記録部22に記録領域22aが生成される処理について説明する。
ディスクDがディスクドライブ21に挿入された場合、ドライブ制御部23は挿入されたディスクDからディスクIDを読み出す。ドライブ制御部23は、読み出したディスクIDをバックエンド制御部34に出力する。バックエンド制御部34は、受け付けたディスクIDに対応する記録領域22aをドライブ記録部22から検索する。バックエンド制御部34は、読み出したディスクIDに対応する記録領域22aが見つからない場合、新規のディスクDがディスクドライブ21に挿入されたと判定し、新規のディスクDのディスクIDに対応する記録領域22aをドライブ記録部22に作成する。また、バックエンド制御部34により、リモコンRから入力された新規のディスクDの所有者名が新規のディスクIDに対応する記録領域22aに記録される。
【0039】
次に、自動編集処理の前に行われる録画装置1の録画処理について説明する。
図3は、録画装置1が放送番組を録画する処理の手順を示すフローチャートである。図3は、放送番組を予約録画する処理の手順を示しているが、通常の録画処理も基本的に同じ処理が行われる。
なお、放送番組の録画処理は、録画装置1がコンテンツを録画する処理の一例であり、録画装置1により記録されるコンテンツが放送番組に限らないことは勿論である。
【0040】
バックエンド制御部34は、バックエンド記録部35に記録された予約情報及び計時部39の計時に基づいて、番組録画の準備を開始する。
【0041】
バックエンド制御部34は、録画予約を設定したユーザと対応する記録領域22aに番組映像を録画する(ステップS101)。バックエンド制御部34は、記録領域22aに、録画した番組のコンテンツ情報を記録し(ステップS102)、処理を終了する。コンテンツ情報は、例えばタイトル、再生時間、放送日時及び番組情報である。
【0042】
このように、番組映像はドライブ記録部22の記録領域22aに録画される。そのためユーザは、予約録画の設定をしたにもかかわらず、ディスクドライブ21にディスクDを挿入し忘れた場合であっても、番組映像の録画に失敗することはない。
【0043】
ドライブ記録部22の記録容量は有限であり、録画されるコンテンツの記録容量も有限である。そのため、コンテンツの録画数が増え、ドライブ記録部22の残容量が所定値より少なくなった場合、ドライブ記録部22の記録領域22aにコンテンツを録画できない状態が発生する。これを防止するため、バックエンド制御部34はディスクDがディスクドライブ21に挿入された場合、記録領域22aに記録されたコンテンツをディスクDに移動する編集処理を実行する。すなわち、バックエンド制御部34は、ドライブ記録部22の残容量が所定値以下になった場合、ディスクDがディスクドライブ21に挿入されたとき、ディスクDに対応する記録領域22aに記録されている最も古いコンテンツをディスクDへ移動する。この自動編集処理は、ユーザからの指示なしに、バックエンド制御部34により自動的に実行される。
【0044】
なお、上述の自動編集処理を実行する条件の1つである所定値は、ドライブ記録部22の記録容量の2分の1でもよいし、4分の1でもよく、特定の値に限らない。この所定値は、ドライブ記録部22及びディスクDの各記録容量を考慮し、ユーザが予め設定できるようにしてもよい。
【0045】
図4は、ディスクDとドライブ記録部22との間で同期を取る前のデータに関する説明図である。図5は、ディスクDとドライブ記録部22との間で同期を取った後のデータに関する説明図である。なお、図4及び図5では、図3におけるステップS102の処理は実行されなかったものとする。
【0046】
同期前、ディスクID=1の記録領域22aには、A、B〜Xのコンテンツ情報、A、B〜Xのサムネイル用ストリーム及びYの新規録画データが記録されている。一方、ディスクID=1のディスクDには、A、B〜Xまでの録画データが記録されているが、Yの録画データは記録されていない。
自動編集処理及び自動同期処理により、Yのコンテンツ情報が作成され、作成されたYのコンテンツ情報が記録領域22aに記録される。また、自動編集処理及び自動同期処理により、コンテンツYの新規録画データは記録領域22aからディスクDへ複製され、記録領域22aからコンテンツYの新規録画データが削除される。ただし、ドライブ記録部22にYのサムネイル用ストリームが残るように、Yのストリームデータの先頭部分を残し、他の部分についてYの新規録画データが削除される。
同期後、ディスクID=1の記録領域22aには、A、B〜X、Yのコンテンツ情報及びA、B〜X、Yのサムネイル用ストリームが記録されている。しかし、ディスクID=1の記録領域22aには、Yの新規録画データは記録されていない。一方、ディスクID=1のディスクDには、A、B〜X、Yの録画データが記録されている。
【0047】
図6は、同期前後での記録領域22aに記録された録画データに関する説明図である。なお、図6では、図3におけるステップS102が実行された場合を扱っている。
【0048】
ステップS102が実行されたことにより、図6の同期前及び同期後において、ドライブ記録部22の記録領域22aにコンテンツ情報が保持されている点は変わらない。同期前、新規録画コンテンツが記録領域22aに記録されている。自動編集処理により、記録領域22aに記録された新規録画コンテンツのストリームデータは、ディスクDに複製される。また、ドライブ記録部22に記録された新規録画コンテンツのストリームデータは、サムネイル用のストリームデータを残し、他の部分のストリームデータは削除されている。
自動編集処理及び自動同期処理により、記録領域22aからディスクDに録画データを複製した場合、記録領域22aに記録されたデータを削除することにより、ドライブ記録部22の記録可能な残容量を増大させることができる。
【0049】
図7は、自動編集処理及び自動同期処理の手順を示すフローチャートである。図7では、図3におけるステップS102が実行された場合を扱っている。
バックエンド制御部34は、ディスクDがディスクドライブ21に挿入された場合、ディスクDからディスクIDを読み出す(ステップS201)。バックエンド制御部34は、読み出したディスクIDをバックエンド記録部35に記録する(ステップS202)。
バックエンド制御部34は、ドライブ記録部22の残容量を検出する(ステップS203)。バックエンド制御部34は、検出したドライブ記録部22の残容量が所定値より少ないか否か判定する(ステップS204)。バックエンド制御部34は、検出したドライブ記録部22の残容量が所定値より少なくないと判定した場合(ステップS204:NO)、処理を終了する。バックエンド制御部34は、検出したドライブ記録部22の残容量が所定値より少ないと判定した場合(ステップS204:YES)、挿入されたディスクDに対応する記録領域22aに記録されたコンテンツの内、最も古いコンテンツを特定する(ステップS205)。バックエンド制御部34は、特定した最も古いコンテンツをディスクDに複製する(ステップS206)。バックエンド制御部34は、サムネイル用ストリームを残して記録領域22aから複製に係るコンテンツを削除し(ステップS207)、処理を終了する。
【0050】
なお、ステップS204とステップS205との間に、挿入されたディスクDに対応する記録領域22aにコンテンツが記録されていない場合、処理を終了するステップを挿入してもよい。
ステップS207は、ステップS206と並列的に実行されてもよいし、ステップS206の終了部分と一部が重なるタイミングで並列的に実行されてもよい。
ステップS207において、バックエンド制御部34は記録領域22aから複製に係るコンテンツを削除せず、残されるサムネイル用ストリーム以外の記録領域22aの部分に上書きを許可するマーキングを施してもよい。すなわち、ここでの複製とは、所謂移動及びコピーの両者を含む広義の複製である。
【0051】
ディスクDとドライブ記録部22との間でのデータの同期には、他にも様々な態様があり得る。それは、図3に示した放送番組録画処理おいて、どのような処理を実行するかということに関わる。
図8は、ディスクDとドライブ記録部22との間で同期を取る前のデータに関する他例の説明図である。図9は、ディスクDとドライブ記録部22との間で同期を取った後のデータに関する他例の説明図である。図8及び図9では、図3におけるステップS102の前又は後に、記録領域22aに番組開始から例えば30秒分のサムネイル用ストリームを録画する処理を挿入した場合を扱っている。
【0052】
同期前、ディスクID=1の記録領域22aには、A、B〜Yのコンテンツ情報、A、B〜Yのサムネイル用ストリーム及びYの新規録画データが記録されている。一方、ディスクID=1のディスクDには、A、B〜Xまでの録画データが記録されているが、Yの録画データは記録されていない。
自動編集処理及び自動同期処理により、Yの新規録画データはドライブ記録部22からディスクDへ複製され、ドライブ記録部22からYの新規録画データが削除される。
同期後、ディスクID=1の記録領域22aには、A、B〜Yのコンテンツ情報及びA、B〜Yのサムネイル用ストリームが記録されている。しかし、ディスクID=1の記録領域22aには、Yの新規録画データは記録されていない。一方、ディスクID=1のディスクには、A、B〜Yの録画データが記録されている。
【0053】
録画装置1によれば、ドライブ記録部22の記録領域22aとディスクDとの間でデータの複製処理を自動的に行うことができる。
例えば、ハードディスクを備えた他の録画装置の場合、ハードディスクに録画した番組映像を他の記録媒体に保存するときには、ダビング操作が必要となる。しかし、録画装置1によれば、かかるダビングの手間を省くことができる。即ち、録画装置1によれば、自動的に記録領域22aからディスクDへコンテンツのダビングが行われる。
【0054】
録画装置1によれば、記録領域22aに記録されたコンテンツの映像データをディスクDに複製する場合、映像データの移動中又は映像データの移動後、あるいは映像データの移動中から移動後にかけて、記録領域22aから移動対象のコンテンツの映像データが削除される。この自動ダビングともいえる機能により、ドライブ記録部22の残容量を増大させることができる。しかも、ドライブ記録部22から削除される映像データは全てではなく、サムネイル用の映像データを除いた一部が削除される。そのため、サムネイル用の映像データが録画装置1に残ることになる。これにより、ユーザはディスクドライブ21にディスクDを入れなくてもコンテンツの映像をサムネイルとして表示することができ、ディスクDなしで、ディスクDに記録したコンテンツを確認することができる。
【0055】
年配ユーザを中心に、ハードディスクへの録画という概念がわからない、ディスクDの扱いがわからない等、AV機器の簡単な操作を実現し難い課題が存在する。しかし、録画装置1によれば、ディスクIDをドライブ記録部22の記録領域22aに登録しさえすれば、コンテンツを記録領域22aに録画することができるので、その後一切ディスクDの取り扱いをしなくてもコンテンツを楽しむことが可能である。しかも、ユーザは記録領域22aに記録されたコンテンツがディスクDに録画されているかのように感じるため、AV機器の扱いに不慣れなユーザに対しても、優れた操作性を提供することができる。上述の自動ダビング機能は、この優れた操作性を担保するものである。
【0056】
本実施の形態では、記録領域22aに記録されている最も古いコンテンツをディスクDに複製した。しかし、記録領域22aに記録されている最も古いコンテンツは、記録領域22aからディスクDに複製されるコンテンツの一例である。記録領域22aからディスクDに複製されるコンテンツは、記録領域22aに記録されている最も新しいコンテンツでもよい。また、複製に係るコンテンツは、記録領域22aに記録されている最も記録容量の多いコンテンツ、又は最も記録容量の少ないコンテンツでもよい。あるいは、複製に係るコンテンツを特定する規則をユーザが予めファイル等に記録しておき、バックエンド制御部34は当該ファイル等を参照して、複製に係るコンテンツを特定してもよい。
さらに、以下の形態であってもよい。ドライブ記録部22の残容量が所定値より多い場合に、記録領域22aに記録された各コンテンツについて未視聴及び視聴済みの2つのステータスを記録しておく。バックエンド制御部34は、複製に係るコンテンツを未視聴又は視聴済みのコンテンツから特定するとしてもよい。
【0057】
実施の形態2
実施の形態2は、挿入されたディスクDの残容量が記録領域22aに記録された最も古いコンテンツの記録容量より少ない場合の自動編集処理に関する。
【0058】
挿入されたディスクDの記録容量が複製するコンテンツの記録容量より少ない場合、バックエンド制御部34はディスクDに対応する記録領域22aに記録されたコンテンツを検索し、ディスクDの残容量より少ない記録容量のコンテンツを選択する。バックエンド制御部34は、選択したコンテンツの内、最も古いコンテンツを自動的にディスクDに複製する。また、バックエンド制御部34は、ディスクDの記録容量に余裕がある場合、さらに複製可能なコンテンツを選択し、ディスクDに複製する。バックエンド制御部34は、この動作をディスクDの記録容量を確認して、複製可能なコンテンツがなくなるまで繰り返す。
【0059】
図10は、自動編集処理及び自動同期処理の他例の手順を示すフローチャートである。
バックエンド制御部34は、ディスクDがディスクドライブ21に挿入された場合、ディスクDからディスクIDを読み出す(ステップS301)。バックエンド制御部34は、読み出したディスクIDをバックエンド記録部35に記録する(ステップS302)。バックエンド制御部34は、ドライブ記録部22の残容量を検出する(ステップS303)。バックエンド制御部34は、検出したドライブ記録部22の残容量が所定値より少ないか否か判定する(ステップS304)。バックエンド制御部34は、検出したドライブ記録部22の残容量が所定値より少なくないと判定した場合(ステップS304:NO)、処理を終了する。
【0060】
バックエンド制御部34は、検出したドライブ記録部22の残容量が所定値より少ないと判定した場合(ステップS304:YES)、ディスクDの残容量を検出する(ステップS305)。バックエンド制御部34は、ディスクDの残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが記録領域22aに記録されているか否か判定する(ステップS306)。バックエンド制御部34は、ディスクDの残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが記録領域22aに記録されていると判定した場合(ステップS306:YES)、当該判定に合致し、かつ最も古いコンテンツを特定する(ステップS307)。バックエンド制御部34は、特定した最も古いコンテンツをディスクDに複製する(ステップS308)。バックエンド制御部34は、サムネイル用ストリームを残して記録領域22aから複製に係るコンテンツを削除し(ステップS309)、処理をステップS303に戻す。
【0061】
バックエンド制御部34は、ディスクDの残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが記録領域22aに記録されていないと判定した場合(ステップS306:NO)、処理を終了する。
【0062】
なお、バックエンド制御部34は、ディスクDの残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが記録領域22aに記録されていないと判定した場合(ステップS306:NO)、処理を終了せずに、以下の処理を追加してもよい。その追加処理は、新規のディスクDをディスクドライブ21に挿入する指示を提示し、ステップS305に戻る処理である。
【0063】
録画装置1によれば、ディスクDの残容量を考慮し、ディスクDに複製するコンテンツをディスクDに対応する記録領域22aに記録されたコンテンツから特定する。これにより、コンテンツ単位での複製が可能となり、コンテンツの一部データだけがディスクDに複製されることを回避することができる。また、複製可能なコンテンツが記録領域22aからなくなるまで、複製処理が自動的に繰り返されるので、ディスクドライブ21へのディスクDの挿入操作を逐一繰り返す手間が軽減される。さらに、自動的な複製処理の繰り返しは、記録可能なドライブ記録部22の記録容量を効率的に増大することができる。
【0064】
実施の形態2は以上の如きであり、その他は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【符号の説明】
【0065】
1 録画装置
21 ディスクドライブ
22 ドライブ記録部
22a 記録領域
34 バックエンド制御部
D ディスク
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを記録媒体に記録する記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリ、ハードディスク等の記録手段を内部に備えた記録装置がある(例えば、特許文献1)。このような記録装置ならば、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray Disk、登録商標)等の可搬型記録媒体を挿入し忘れていても、放送番組等のコンテンツの予約録画に失敗することはない。もっとも内部に備えた記録手段の記録容量には限界があるため、ユーザは記録手段に記録したコンテンツを適宜可搬型記録媒体にダビングする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−184013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、AV機器の操作が複雑化する傾向にある状況において、ダビング操作がわからない、ダビング操作は面倒だと感じるユーザ層が存在する。従って、極力ユーザの操作を必要としない記録装置が望ましい。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内部の記録手段に記録したコンテンツを自動的に可搬型記録媒体に複製することができる記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る記録装置は、可搬型記録媒体に対応付けられた記録領域を有する記録手段と、該記録手段の記録領域に記録されたコンテンツを可搬型記録媒体に複製する複製手段とを備える記録装置において、前記記録手段の残容量を検出する検出手段と、該検出手段が検出した残容量が所定量より少ないか否かを判定する判定手段とを備え、前記複製手段は、前記判定手段により残容量が所定量より少ないと判定された場合、前記記録領域に記録されたコンテンツを該記録領域に対応する可搬型記録媒体に複製するようにしてあることを特徴とする。
【0007】
本願に係る記録装置では、可搬型記録媒体に対応付けられた記録領域を有する記録手段の残容量を検出する検出手段を備えている。記録装置は、検出手段が検出した残容量が所定量より少ない場合、記録領域に記録されたコンテンツを記録領域に対応する可搬型記録媒体に複製する複製手段を備えている。
【0008】
本願に係る記録装置は、前記複製手段は、前記記録領域に記録された特定のコンテンツを複製するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
本願に係る記録装置では、複製手段は記録領域に記録された特定のコンテンツを複製する。
【0010】
本願に係る記録装置は、可搬型記録媒体の残容量を検出する残容量検出手段と、該残容量検出手段が検出した可搬型記録媒体の残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが、該可搬型記録媒体と対応する記録領域に記録されているか否かを判定する記録判定手段とを備え、前記複製手段は、前記記録判定手段により前記コンテンツが前記記録領域に記録されていると判定された場合、該コンテンツの内、特定のコンテンツを該記録領域に対応する可搬型記録媒体に複製するようにしてあることを特徴とする。
【0011】
本願に係る記録装置では、可搬型記録媒体の残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが、可搬型記録媒体と対応する記録領域に記録されている場合、複製手段はそのコンテンツの内、特定のコンテンツをその可搬型記録媒体に複製する。
【0012】
本願に係る記録装置は、前記特定のコンテンツは前記記録領域に記録された最も古いコンテンツであることを特徴とする。
【0013】
本願に係る記録装置では、特定のコンテンツは記録領域に記録された最も古いコンテンツである。
【0014】
本願に係る記録装置は、前記複製手段が前記コンテンツを前記可搬型記録媒体に複製する場合、前記記録領域から複製に係るコンテンツの一部を削除する手段を備えることを特徴とする。
【0015】
本願に係る記録装置では、複製手段により記録領域からその記録領域に対応する可搬型記録媒体へコンテンツが複製される場合、記録領域に記録された複製に係るコンテンツは、その一部が削除される。
【発明の効果】
【0016】
本願に係る記録装置によれば、内部の記録手段に記録したコンテンツを自動的に可搬型記録媒体に複製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】録画装置の外観を示す概念図である。
【図2】録画装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】録画装置が放送番組を録画する処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】ディスクとドライブ記録部との間で同期を取る前のデータに関する説明図である。
【図5】ディスクとドライブ記録部との間で同期を取った後のデータに関する説明図である。
【図6】同期前後での記録領域に記録された録画データに関する説明図である。
【図7】自動編集処理及び自動同期処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】ディスクとドライブ記録部との間で同期を取る前のデータに関する他例の説明図である。
【図9】ディスクとドライブ記録部との間で同期を取った後のデータに関する他例の説明図である。
【図10】自動編集処理及び自動同期処理の他例の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施例における記録装置を、実施の形態を示す図面に基づいて説明する。本実施の形態に係る記録装置は、例えばBDレコーダ、DVDレコーダ、ハードディスクレコーダ等を含む。以下では、記録装置の一例として、録画装置を挙げて説明する。
なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0019】
実施の形態1
図1は、録画装置1の外観を示す概念図である。リモコン(リモートコントロール)Rにより操作される録画装置1は、例えばテレビ放送、ケーブルテレビ放送、インターネット放送等を記録する。録画装置1には、TV(テレビジョン)受像機4が接続されている。録画装置1は、記録した放送内容を示す映像信号及び音声信号をTV受像機4に出力する。TV受像機4は、例えばバックライト及び液晶パネルを含む液晶テレビである。TV受像機4は、受け付けた映像信号に基づく映像を表示し、受け付けた音声信号に基づく音声を出力する。
なお、図1の例では録画装置1とTV受像機4とが別体である場合を示しているが、録画装置1とTV受像機4とが一体になった形態であってもよい。
【0020】
図2は、録画装置1の内部構成を示すブロック図である。録画装置1は、ドライブ装置2及びバックエンド装置3を含む。
ドライブ装置2は、ディスクドライブ(複製手段)21、ドライブ記録部(記録手段)22、ドライブ制御部23及びインタフェース部24を含む。
【0021】
ディスクドライブ21には、DVD、BD等の可搬性を有するディスクDが着脱可能に挿入される。ディスクドライブ21は、ディスクDに記録された映像データを読み出し、バックエンド装置3に出力する。ディスクドライブ21は、自身に入力された映像データを挿入されたディスクDに記録する。
なお、録画の形態は、ディスクドライブ21を用いてディスクDに映像データを記録することに限らない。例えば、録画の形態は、ディスクドライブ21の代りに携帯型のハードディスク、メモリカード又はフラッシュメモリ等をドライブ装置2に接続あるいは内蔵する形態であってもよい。
【0022】
ディスクDは、固有のディスクIDを有する。ディスクIDは、例えばディスクDの製造時にディスクDに記録される製造番号、シリアル番号等である。
なお、ディスクDの識別情報は、ディスクDの製造時にディスクDに予め記録されるディスクIDに限らない。例えば、録画装置1は、記録媒体に該記録媒体の識別情報を書き込む手段を備えていてもよい。この場合の識別情報として、ディスクの所有者名とシーケンス番号とを結合したもの、タイムスタンプ等、様々なものが利用されてよい。
【0023】
ドライブ記録部22は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、フラッシュメモリ、FeRAM(Ferroelectric RAM)等の不揮発性メモリ又はハードディスクで構成されている。ドライブ記録部22の記録容量は、例えばBDの記録容量の2倍である。
【0024】
ドライブ記録部22には、ディスクDのディスクIDに関連付けて、そのディスクDの所有者名及びコンテンツを記録することができる記録領域22aがバックエンド装置3により用意される。ディスクIDと関連付けられた記録領域22aは、そのディスクIDが記録されたディスクDと1対1の関係で管理される。従って、記録領域22aの数は、ディスクDの枚数と同数である。
【0025】
また、ディスクIDに関連付けられた記録領域22aには、記録されるコンテンツの例えばタイトル、再生時間、放送時間、番組情報及びコンテンツデータの一部又は全部も記録される。ここでのコンテンツデータの一部とは、例えばコンテンツの番組開始から一定時間番組映像をリピート再生することが可能なデータである。当該データは、TV受像機4にコンテンツに係る映像のサムネイルを一覧表示することに使用される。
なお、記録領域22a又はディスクDに新規データが記録された場合、記録領域22aとそのディスクIDが記録されたディスクDとの間で、データの不整合が生じないように同期処理が施される。
【0026】
ドライブ制御部23は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)等のプロセッサであり、ドライブ装置2の各構成部を制御する。
インタフェース部24は、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)規格又はATA(Serial Advanced Technology Attachment)規格のインタフェースであり、バックエンド装置3と接続されている。
ドライブ装置2は、インタフェース部24を介してバックエンド装置3との間でデータの交換をする。ドライブ装置2の各構成部は、システムバス2b上に接続されており、ドライブ制御部23の指示により、データの受け渡しが行われる。
【0027】
バックエンド装置3は、デジタルチューナ31、エンコーダ32及びストリーム処理部33を含む。
デジタルチューナ31は、外部のアンテナAが受信したBS(放送衛星)デジタル放送、CS(通信衛星)デジタル放送、地上デジタル放送等の放送信号を受け付ける。デジタルチューナ31は、受け付けた放送信号の内、選局されたチャンネル即ち特定の周波数帯の放送信号をMPEG(Moving Picture Experts Group)−2TS(Transport Stream)等のデジタルのストリームデータに変換する。
【0028】
エンコーダ32は、外部の再生装置、ネットワークにより接続されたサーバ装置、ケーブルテレビの回線等から映像信号及び音声信号を受け付ける。エンコーダ32は、外部から受け付けた映像信号及び音声信号をMPEG−2PS(Program Stream)、MPEG−2TS等のデジタルのストリームデータにエンコードする処理を行う。
【0029】
ストリーム処理部33は、デジタルチューナ31及びエンコーダ32に接続されており、デジタルチューナ31及びエンコーダ32からストリームデータを受け付ける。ストリーム処理部33は、受け付けたストリームデータに対してデジタル放送用のスクランブルを解除する処理等のデータ処理を施す。
【0030】
ストリーム処理部33は、受け付けたストリームデータに係るコンテンツを視聴する場合、データ処理を施したストリームデータを後述するデコーダ36に出力する。また、ストリーム処理部33は、受け付けたストリームデータに係るコンテンツを記録する場合、データ処理を施したストリームデータをドライブ装置2に出力する。
ストリーム処理部33からデコーダ36への出力と、ストリーム処理部33からドライブ装置2への出力とは、両方同時に実行されてもよく、何れか一方のみが実行されてもよい。また、デコーダ36へ出力されるストリームデータと、ドライブ装置2へ出力されるストリームデータとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0031】
バックエンド装置3は、バックエンド制御部(複製手段、検出手段、判定手段、残容量検出手段、記録判定手段、削除する手段)34、バックエンド記録部35、デコーダ36、映像処理部37及びインタフェース部38を含む。
バックエンド制御部34は、CPU、MPU等のプロセッサであり、バックエンド装置3の各構成部を制御する。
バックエンド記録部35は、不揮発性メモリ及び揮発性メモリから構成され、バックエンド制御部34が実行するプログラム、作業変数、一時的な情報及び恒常的な情報を記録する。バックエンド記録部35が記録する情報は、例えば番組録画の予約情報、ドライブ記録部22が記録するデータの管理情報等である。
【0032】
デコーダ36は、ストリーム処理部33又はドライブ装置2からストリームデータを受け付ける。デコーダ36は受け付けたストリームデータを映像信号及び音声信号にデコードし、デコードした映像信号及び音声信号を映像処理部37に出力する。デコーダ36は、ドライブ装置2からディスクIDに関連付けられたサムネイル用のストリームデータを受け付けた場合、受け付けたストリームデータをサムネイル用の映像信号にデコードし、デコードした映像信号を映像処理部37に出力する。
なお、サムネイルは縮小画像であるため、画質を落としても視聴者には目立たない。そこで、サムネイル用の映像データは、画素数を少なくする等の間引き処理を施してもよい。
【0033】
映像処理部37は、デコーダ36から映像信号及び音声信号を受け付け、受け付けた映像信号に対して画素の補間又は色調整等の画像処理を実行する。映像処理部37は、画像処理を施した映像信号及び音声信号を図示しないインタフェースを介して、外部のTV受像機4に出力する。また、映像処理部37は、デコーダ36からサムネイル用の映像信号を受け付けた場合、ディスクID毎にまとめられたサムネイルを一覧表示するための映像信号を生成し、外部のTV受像機4に出力する。
【0034】
インタフェース部38は、SATA規格又はATA規格のインタフェースであり、ドライブ装置2と接続されている。
バックエンド装置3は、インタフェース部38を介してドライブ装置2との間でデータの交換をする。
【0035】
バックエンド装置3は、計時部39及び受信部40を含む。
計時部39は、時刻、日付及び曜日を計時する。
受信部40は、外部のリモコンRから、例えば赤外線方式、Bluetooth(登録商標)方式、RF(Radio Frequency)方式等により、各種操作に係る信号を受信し、受信した信号をバックエンド制御部34に出力する。
ストリーム処理部33、バックエンド制御部34、バックエンド記録部35、デコーダ36、インタフェース部38及び計時部39は、システムバス3b上に接続されており、バックエンド制御部34の指示により、データの受け渡しが行われる。
【0036】
バックエンド制御部34は、受信部40を介してリモコンRから受信した信号に基づいて、ドライブ装置2の各構成部を制御する制御信号をドライブ装置2のドライブ制御部23に出力する。ドライブ制御部23は、バックエンド制御部34から出力された制御信号を受け付け、受け付けた制御信号に基づいてドライブ装置2の各構成部を制御する。即ち、バックエンド制御部34は、ドライブ装置2の各構成部を間接的に制御する。
【0037】
なお、ドライブ装置2の制御は、バックエンド制御部34とドライブ制御部23とが協働して行われる構成に限るものではない。例えば、ドライブ記録部22に対する各種データの入出力を、バックエンド制御部34がドライブ制御部23を介さずに直接的に実行する構成でもよい。あるいは、ドライブ制御部23はなくてもよい。
録画装置1は、ドライブ記録部22とバックエンド記録部35との2つの記録部を備えているが、一方の記録部が他方の記録部の役割を兼任することにより、ドライブ記録部22とバックエンド記録部35との何れか一方はなくてもよい。
【0038】
次に、録画装置1の動作について説明する。
まず、ドライブ記録部22に記録領域22aが生成される処理について説明する。
ディスクDがディスクドライブ21に挿入された場合、ドライブ制御部23は挿入されたディスクDからディスクIDを読み出す。ドライブ制御部23は、読み出したディスクIDをバックエンド制御部34に出力する。バックエンド制御部34は、受け付けたディスクIDに対応する記録領域22aをドライブ記録部22から検索する。バックエンド制御部34は、読み出したディスクIDに対応する記録領域22aが見つからない場合、新規のディスクDがディスクドライブ21に挿入されたと判定し、新規のディスクDのディスクIDに対応する記録領域22aをドライブ記録部22に作成する。また、バックエンド制御部34により、リモコンRから入力された新規のディスクDの所有者名が新規のディスクIDに対応する記録領域22aに記録される。
【0039】
次に、自動編集処理の前に行われる録画装置1の録画処理について説明する。
図3は、録画装置1が放送番組を録画する処理の手順を示すフローチャートである。図3は、放送番組を予約録画する処理の手順を示しているが、通常の録画処理も基本的に同じ処理が行われる。
なお、放送番組の録画処理は、録画装置1がコンテンツを録画する処理の一例であり、録画装置1により記録されるコンテンツが放送番組に限らないことは勿論である。
【0040】
バックエンド制御部34は、バックエンド記録部35に記録された予約情報及び計時部39の計時に基づいて、番組録画の準備を開始する。
【0041】
バックエンド制御部34は、録画予約を設定したユーザと対応する記録領域22aに番組映像を録画する(ステップS101)。バックエンド制御部34は、記録領域22aに、録画した番組のコンテンツ情報を記録し(ステップS102)、処理を終了する。コンテンツ情報は、例えばタイトル、再生時間、放送日時及び番組情報である。
【0042】
このように、番組映像はドライブ記録部22の記録領域22aに録画される。そのためユーザは、予約録画の設定をしたにもかかわらず、ディスクドライブ21にディスクDを挿入し忘れた場合であっても、番組映像の録画に失敗することはない。
【0043】
ドライブ記録部22の記録容量は有限であり、録画されるコンテンツの記録容量も有限である。そのため、コンテンツの録画数が増え、ドライブ記録部22の残容量が所定値より少なくなった場合、ドライブ記録部22の記録領域22aにコンテンツを録画できない状態が発生する。これを防止するため、バックエンド制御部34はディスクDがディスクドライブ21に挿入された場合、記録領域22aに記録されたコンテンツをディスクDに移動する編集処理を実行する。すなわち、バックエンド制御部34は、ドライブ記録部22の残容量が所定値以下になった場合、ディスクDがディスクドライブ21に挿入されたとき、ディスクDに対応する記録領域22aに記録されている最も古いコンテンツをディスクDへ移動する。この自動編集処理は、ユーザからの指示なしに、バックエンド制御部34により自動的に実行される。
【0044】
なお、上述の自動編集処理を実行する条件の1つである所定値は、ドライブ記録部22の記録容量の2分の1でもよいし、4分の1でもよく、特定の値に限らない。この所定値は、ドライブ記録部22及びディスクDの各記録容量を考慮し、ユーザが予め設定できるようにしてもよい。
【0045】
図4は、ディスクDとドライブ記録部22との間で同期を取る前のデータに関する説明図である。図5は、ディスクDとドライブ記録部22との間で同期を取った後のデータに関する説明図である。なお、図4及び図5では、図3におけるステップS102の処理は実行されなかったものとする。
【0046】
同期前、ディスクID=1の記録領域22aには、A、B〜Xのコンテンツ情報、A、B〜Xのサムネイル用ストリーム及びYの新規録画データが記録されている。一方、ディスクID=1のディスクDには、A、B〜Xまでの録画データが記録されているが、Yの録画データは記録されていない。
自動編集処理及び自動同期処理により、Yのコンテンツ情報が作成され、作成されたYのコンテンツ情報が記録領域22aに記録される。また、自動編集処理及び自動同期処理により、コンテンツYの新規録画データは記録領域22aからディスクDへ複製され、記録領域22aからコンテンツYの新規録画データが削除される。ただし、ドライブ記録部22にYのサムネイル用ストリームが残るように、Yのストリームデータの先頭部分を残し、他の部分についてYの新規録画データが削除される。
同期後、ディスクID=1の記録領域22aには、A、B〜X、Yのコンテンツ情報及びA、B〜X、Yのサムネイル用ストリームが記録されている。しかし、ディスクID=1の記録領域22aには、Yの新規録画データは記録されていない。一方、ディスクID=1のディスクDには、A、B〜X、Yの録画データが記録されている。
【0047】
図6は、同期前後での記録領域22aに記録された録画データに関する説明図である。なお、図6では、図3におけるステップS102が実行された場合を扱っている。
【0048】
ステップS102が実行されたことにより、図6の同期前及び同期後において、ドライブ記録部22の記録領域22aにコンテンツ情報が保持されている点は変わらない。同期前、新規録画コンテンツが記録領域22aに記録されている。自動編集処理により、記録領域22aに記録された新規録画コンテンツのストリームデータは、ディスクDに複製される。また、ドライブ記録部22に記録された新規録画コンテンツのストリームデータは、サムネイル用のストリームデータを残し、他の部分のストリームデータは削除されている。
自動編集処理及び自動同期処理により、記録領域22aからディスクDに録画データを複製した場合、記録領域22aに記録されたデータを削除することにより、ドライブ記録部22の記録可能な残容量を増大させることができる。
【0049】
図7は、自動編集処理及び自動同期処理の手順を示すフローチャートである。図7では、図3におけるステップS102が実行された場合を扱っている。
バックエンド制御部34は、ディスクDがディスクドライブ21に挿入された場合、ディスクDからディスクIDを読み出す(ステップS201)。バックエンド制御部34は、読み出したディスクIDをバックエンド記録部35に記録する(ステップS202)。
バックエンド制御部34は、ドライブ記録部22の残容量を検出する(ステップS203)。バックエンド制御部34は、検出したドライブ記録部22の残容量が所定値より少ないか否か判定する(ステップS204)。バックエンド制御部34は、検出したドライブ記録部22の残容量が所定値より少なくないと判定した場合(ステップS204:NO)、処理を終了する。バックエンド制御部34は、検出したドライブ記録部22の残容量が所定値より少ないと判定した場合(ステップS204:YES)、挿入されたディスクDに対応する記録領域22aに記録されたコンテンツの内、最も古いコンテンツを特定する(ステップS205)。バックエンド制御部34は、特定した最も古いコンテンツをディスクDに複製する(ステップS206)。バックエンド制御部34は、サムネイル用ストリームを残して記録領域22aから複製に係るコンテンツを削除し(ステップS207)、処理を終了する。
【0050】
なお、ステップS204とステップS205との間に、挿入されたディスクDに対応する記録領域22aにコンテンツが記録されていない場合、処理を終了するステップを挿入してもよい。
ステップS207は、ステップS206と並列的に実行されてもよいし、ステップS206の終了部分と一部が重なるタイミングで並列的に実行されてもよい。
ステップS207において、バックエンド制御部34は記録領域22aから複製に係るコンテンツを削除せず、残されるサムネイル用ストリーム以外の記録領域22aの部分に上書きを許可するマーキングを施してもよい。すなわち、ここでの複製とは、所謂移動及びコピーの両者を含む広義の複製である。
【0051】
ディスクDとドライブ記録部22との間でのデータの同期には、他にも様々な態様があり得る。それは、図3に示した放送番組録画処理おいて、どのような処理を実行するかということに関わる。
図8は、ディスクDとドライブ記録部22との間で同期を取る前のデータに関する他例の説明図である。図9は、ディスクDとドライブ記録部22との間で同期を取った後のデータに関する他例の説明図である。図8及び図9では、図3におけるステップS102の前又は後に、記録領域22aに番組開始から例えば30秒分のサムネイル用ストリームを録画する処理を挿入した場合を扱っている。
【0052】
同期前、ディスクID=1の記録領域22aには、A、B〜Yのコンテンツ情報、A、B〜Yのサムネイル用ストリーム及びYの新規録画データが記録されている。一方、ディスクID=1のディスクDには、A、B〜Xまでの録画データが記録されているが、Yの録画データは記録されていない。
自動編集処理及び自動同期処理により、Yの新規録画データはドライブ記録部22からディスクDへ複製され、ドライブ記録部22からYの新規録画データが削除される。
同期後、ディスクID=1の記録領域22aには、A、B〜Yのコンテンツ情報及びA、B〜Yのサムネイル用ストリームが記録されている。しかし、ディスクID=1の記録領域22aには、Yの新規録画データは記録されていない。一方、ディスクID=1のディスクには、A、B〜Yの録画データが記録されている。
【0053】
録画装置1によれば、ドライブ記録部22の記録領域22aとディスクDとの間でデータの複製処理を自動的に行うことができる。
例えば、ハードディスクを備えた他の録画装置の場合、ハードディスクに録画した番組映像を他の記録媒体に保存するときには、ダビング操作が必要となる。しかし、録画装置1によれば、かかるダビングの手間を省くことができる。即ち、録画装置1によれば、自動的に記録領域22aからディスクDへコンテンツのダビングが行われる。
【0054】
録画装置1によれば、記録領域22aに記録されたコンテンツの映像データをディスクDに複製する場合、映像データの移動中又は映像データの移動後、あるいは映像データの移動中から移動後にかけて、記録領域22aから移動対象のコンテンツの映像データが削除される。この自動ダビングともいえる機能により、ドライブ記録部22の残容量を増大させることができる。しかも、ドライブ記録部22から削除される映像データは全てではなく、サムネイル用の映像データを除いた一部が削除される。そのため、サムネイル用の映像データが録画装置1に残ることになる。これにより、ユーザはディスクドライブ21にディスクDを入れなくてもコンテンツの映像をサムネイルとして表示することができ、ディスクDなしで、ディスクDに記録したコンテンツを確認することができる。
【0055】
年配ユーザを中心に、ハードディスクへの録画という概念がわからない、ディスクDの扱いがわからない等、AV機器の簡単な操作を実現し難い課題が存在する。しかし、録画装置1によれば、ディスクIDをドライブ記録部22の記録領域22aに登録しさえすれば、コンテンツを記録領域22aに録画することができるので、その後一切ディスクDの取り扱いをしなくてもコンテンツを楽しむことが可能である。しかも、ユーザは記録領域22aに記録されたコンテンツがディスクDに録画されているかのように感じるため、AV機器の扱いに不慣れなユーザに対しても、優れた操作性を提供することができる。上述の自動ダビング機能は、この優れた操作性を担保するものである。
【0056】
本実施の形態では、記録領域22aに記録されている最も古いコンテンツをディスクDに複製した。しかし、記録領域22aに記録されている最も古いコンテンツは、記録領域22aからディスクDに複製されるコンテンツの一例である。記録領域22aからディスクDに複製されるコンテンツは、記録領域22aに記録されている最も新しいコンテンツでもよい。また、複製に係るコンテンツは、記録領域22aに記録されている最も記録容量の多いコンテンツ、又は最も記録容量の少ないコンテンツでもよい。あるいは、複製に係るコンテンツを特定する規則をユーザが予めファイル等に記録しておき、バックエンド制御部34は当該ファイル等を参照して、複製に係るコンテンツを特定してもよい。
さらに、以下の形態であってもよい。ドライブ記録部22の残容量が所定値より多い場合に、記録領域22aに記録された各コンテンツについて未視聴及び視聴済みの2つのステータスを記録しておく。バックエンド制御部34は、複製に係るコンテンツを未視聴又は視聴済みのコンテンツから特定するとしてもよい。
【0057】
実施の形態2
実施の形態2は、挿入されたディスクDの残容量が記録領域22aに記録された最も古いコンテンツの記録容量より少ない場合の自動編集処理に関する。
【0058】
挿入されたディスクDの記録容量が複製するコンテンツの記録容量より少ない場合、バックエンド制御部34はディスクDに対応する記録領域22aに記録されたコンテンツを検索し、ディスクDの残容量より少ない記録容量のコンテンツを選択する。バックエンド制御部34は、選択したコンテンツの内、最も古いコンテンツを自動的にディスクDに複製する。また、バックエンド制御部34は、ディスクDの記録容量に余裕がある場合、さらに複製可能なコンテンツを選択し、ディスクDに複製する。バックエンド制御部34は、この動作をディスクDの記録容量を確認して、複製可能なコンテンツがなくなるまで繰り返す。
【0059】
図10は、自動編集処理及び自動同期処理の他例の手順を示すフローチャートである。
バックエンド制御部34は、ディスクDがディスクドライブ21に挿入された場合、ディスクDからディスクIDを読み出す(ステップS301)。バックエンド制御部34は、読み出したディスクIDをバックエンド記録部35に記録する(ステップS302)。バックエンド制御部34は、ドライブ記録部22の残容量を検出する(ステップS303)。バックエンド制御部34は、検出したドライブ記録部22の残容量が所定値より少ないか否か判定する(ステップS304)。バックエンド制御部34は、検出したドライブ記録部22の残容量が所定値より少なくないと判定した場合(ステップS304:NO)、処理を終了する。
【0060】
バックエンド制御部34は、検出したドライブ記録部22の残容量が所定値より少ないと判定した場合(ステップS304:YES)、ディスクDの残容量を検出する(ステップS305)。バックエンド制御部34は、ディスクDの残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが記録領域22aに記録されているか否か判定する(ステップS306)。バックエンド制御部34は、ディスクDの残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが記録領域22aに記録されていると判定した場合(ステップS306:YES)、当該判定に合致し、かつ最も古いコンテンツを特定する(ステップS307)。バックエンド制御部34は、特定した最も古いコンテンツをディスクDに複製する(ステップS308)。バックエンド制御部34は、サムネイル用ストリームを残して記録領域22aから複製に係るコンテンツを削除し(ステップS309)、処理をステップS303に戻す。
【0061】
バックエンド制御部34は、ディスクDの残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが記録領域22aに記録されていないと判定した場合(ステップS306:NO)、処理を終了する。
【0062】
なお、バックエンド制御部34は、ディスクDの残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが記録領域22aに記録されていないと判定した場合(ステップS306:NO)、処理を終了せずに、以下の処理を追加してもよい。その追加処理は、新規のディスクDをディスクドライブ21に挿入する指示を提示し、ステップS305に戻る処理である。
【0063】
録画装置1によれば、ディスクDの残容量を考慮し、ディスクDに複製するコンテンツをディスクDに対応する記録領域22aに記録されたコンテンツから特定する。これにより、コンテンツ単位での複製が可能となり、コンテンツの一部データだけがディスクDに複製されることを回避することができる。また、複製可能なコンテンツが記録領域22aからなくなるまで、複製処理が自動的に繰り返されるので、ディスクドライブ21へのディスクDの挿入操作を逐一繰り返す手間が軽減される。さらに、自動的な複製処理の繰り返しは、記録可能なドライブ記録部22の記録容量を効率的に増大することができる。
【0064】
実施の形態2は以上の如きであり、その他は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【符号の説明】
【0065】
1 録画装置
21 ディスクドライブ
22 ドライブ記録部
22a 記録領域
34 バックエンド制御部
D ディスク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型記録媒体に対応付けられた記録領域を有する記録手段と、
該記録手段の記録領域に記録されたコンテンツを可搬型記録媒体に複製する複製手段と
を備える記録装置において、
前記記録手段の残容量を検出する検出手段と、
該検出手段が検出した残容量が所定量より少ないか否かを判定する判定手段と
を備え、
前記複製手段は、前記判定手段により残容量が所定量より少ないと判定された場合、前記記録領域に記録されたコンテンツを該記録領域に対応する可搬型記録媒体に複製するようにしてある
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記複製手段は、前記記録領域に記録された特定のコンテンツを複製するようにしてある
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
可搬型記録媒体の残容量を検出する残容量検出手段と、
該残容量検出手段が検出した可搬型記録媒体の残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが、該可搬型記録媒体と対応する記録領域に記録されているか否かを判定する記録判定手段と
を備え、
前記複製手段は、前記記録判定手段により前記コンテンツが前記記録領域に記録されていると判定された場合、該コンテンツの内、特定のコンテンツを該記録領域に対応する可搬型記録媒体に複製するようにしてある
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記特定のコンテンツは前記記録領域に記録された最も古いコンテンツである
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記複製手段が前記コンテンツを前記可搬型記録媒体に複製する場合、前記記録領域から複製に係るコンテンツの一部を削除する手段
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項1】
可搬型記録媒体に対応付けられた記録領域を有する記録手段と、
該記録手段の記録領域に記録されたコンテンツを可搬型記録媒体に複製する複製手段と
を備える記録装置において、
前記記録手段の残容量を検出する検出手段と、
該検出手段が検出した残容量が所定量より少ないか否かを判定する判定手段と
を備え、
前記複製手段は、前記判定手段により残容量が所定量より少ないと判定された場合、前記記録領域に記録されたコンテンツを該記録領域に対応する可搬型記録媒体に複製するようにしてある
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記複製手段は、前記記録領域に記録された特定のコンテンツを複製するようにしてある
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
可搬型記録媒体の残容量を検出する残容量検出手段と、
該残容量検出手段が検出した可搬型記録媒体の残容量より少ない記録容量を有するコンテンツが、該可搬型記録媒体と対応する記録領域に記録されているか否かを判定する記録判定手段と
を備え、
前記複製手段は、前記記録判定手段により前記コンテンツが前記記録領域に記録されていると判定された場合、該コンテンツの内、特定のコンテンツを該記録領域に対応する可搬型記録媒体に複製するようにしてある
ことを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記特定のコンテンツは前記記録領域に記録された最も古いコンテンツである
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記複製手段が前記コンテンツを前記可搬型記録媒体に複製する場合、前記記録領域から複製に係るコンテンツの一部を削除する手段
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−94221(P2012−94221A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242687(P2010−242687)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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