説明

貯湯式給湯風呂装置

【課題】貯湯タンク内の残湯が少ない場合に、バイパス管よりも間接熱交換器側の風呂循環回路が凍結してしまう恐れがあった。
【解決手段】風呂循環回路16を流れる浴槽水を間接熱交換器17側に流すか、バイパス管22側を流すかを切り換える流路切換手段23とを備え、流路切換手段23をバイパス管22側に切り換えた状態で風呂循環ポンプ18を駆動して風呂循環回路16の凍結を防止する凍結防止運転時に、間接熱交換器17近傍の貯湯タンク1の貯湯温度が所定温度未満であることを検出すると、流路切換手段23を間接熱交換器17側へ切り換えて風呂循環ポンプ18を駆動状態とし、浴槽水を間接熱交換器17側へ流通させる動作を所定時間行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンク内の温水との熱交換により浴槽内の湯水の追焚きまたは保温を行う貯湯式給湯風呂装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の貯湯式給湯風呂装置においては、浴槽水を循環させる風呂循環回路に貯湯タンク内に設けられた間接熱交換器を接続し、貯湯タンク内の温水を利用して電熱ヒータ等を用いなくとも浴槽の追焚きや保温をできるようにし、この風呂循環回路に間接熱交換器をバイパスして浴槽水を循環させるバイパス管と流路切換手段を設け、冬期等の温度が低く浴槽水の凍結の恐れがある場合に、流路切換手段をバイパス管側に切り換えて浴槽水を循環させることで風呂循環回路の凍結を防止するようにしたものがあった(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−148800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この従来のものでは、貯湯タンク内の残湯がない場合に、バイパス管よりも間接熱交換器側の風呂循環回路が凍結してしまう恐れがあることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、上記課題を解決するため、本発明の請求項1では、温水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内に配置された間接熱交換器と、前記間接熱交換器と浴槽とを循環可能に接続する風呂循環回路と、浴槽水を前記風呂循環回路に循環させる風呂循環ポンプと、前記間接熱交換器をバイパスして前記風呂循環回路を短絡するバイパス管と、前記風呂循環回路を流れる浴槽水を前記間接熱交換器側に流すか、前記バイパス管側を流すかを切り換える流路切換手段とを備え、前記流路切換手段を前記バイパス管側に切り換えた状態で前記風呂循環ポンプを駆動して前記風呂循環回路の凍結を防止する凍結防止運転時に、前記間接熱交換器近傍の前記貯湯タンクの貯湯温度が所定温度未満であることを検出すると、前記流路切換手段を前記間接熱交換器側へ切り換えて前記風呂循環ポンプを駆動状態とし、浴槽水を前記間接熱交換器側へ流通させる動作を所定時間行うようにした。
【0006】
また、請求項2では、前記請求項1のものにおいて、前記凍結防止運転は、前記流路切換手段を前記バイパス管側に切り換えた状態で外気温度または浴槽水温度に応じたオン時間だけ風呂循環ポンプを駆動し、外気温度または浴槽水温度に応じたオフ時間だけ風呂循環ポンプを停止するサイクルを繰り返し、このサイクル途中の所定のタイミングに、前記間接熱交換器近傍の前記貯湯タンクの貯湯温度が所定温度未満であることを検出すると、前記流路切換手段を前記間接熱交換器側へ切り換えて前記風呂循環ポンプを駆動状態とし、浴槽水を前記間接熱交換器側へ流通させる動作を所定時間行うようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、風呂循環回路の凍結防止運転時に、貯湯タンク内の間接熱交換器近傍の貯湯温度が低い場合は、流路切換手段を間接熱交換器側に切り換えて風呂循環ポンプを駆動する運転を所定時間行うので、バイパス管と間接熱交換器の間の風呂循環回路の凍結およびバイパス管の凍結を確実に防止し、貯湯タンク内の間接熱交換器近傍の貯湯温度が高い場合は、流路切換手段をバイパス管側にしたままの通常の凍結防止運転を行うので、貯湯タンク内の貯湯熱量を減少させることがないと共に、風呂循環回路の凍結を防止しながら間接熱交換器からの熱伝導でバイパス管と間接熱交換器の間の風呂循環回路の凍結も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成図
【図2】同一実施形態の作動を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。1は温水を貯湯する貯湯タンク、2は温水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット、3は浴槽である。
【0010】
4は貯湯タンク1とヒートポンプユニット2を循環可能に接続する加熱循環回路で、加熱循環ポンプ5を有し貯湯タンク1の下部に接続されたヒーポン往き管4a及び貯湯タンク1上部に接続されたヒーポン戻り管4bより構成され、貯湯タンク1下部の冷水をヒーポン往き管4aを介してヒートポンプユニット2で加熱し、加熱された高温の温水をヒーポン戻り管4bで貯湯タンク1上部に戻して貯湯タンク1内に温水を加熱貯湯するものである。なお、貯湯タンク1の外周面には縦に複数個の貯湯温度センサ6a、6b、6c、6dを有しており、この貯湯温度センサが所定温度以上を検出することで貯湯量を検出するものである。
【0011】
7は貯湯タンク1に水を供給する給水管、8は貯湯タンク1内の温水を出湯する出湯管、9は給水管7からの冷水と出湯管8からの温水を設定温度になるように混合する混合弁、10は混合された設定温度の温水を給湯する給湯管、11は給湯管10の端部に設けられる蛇口である。12は混合弁9の下流に設けた給湯温度センサ、13は給湯量をカウントする給湯流量センサである。なお、14は水道圧を所定の圧力に減圧する減圧弁、15は加熱されることによる過圧を逃がす圧力逃し弁である。
【0012】
16は風呂循環回路で、貯湯タンク1内に設けられた蛇管よりなる間接熱交換器17と浴槽3とを風呂往き管16a及び風呂戻り管16bとで循環可能に接続するものである。18は風呂循環回路16に設けられた風呂循環ポンプ、19は流水の有無を検出する流水センサ、20は風呂循環回路16を流れる浴槽水の温度を検出する風呂温度センサ、21は浴槽水の水圧から浴槽3内の水位を検出する水位センサである。
【0013】
22は間接熱交換器17をバイパスして風呂往き管16aと風呂戻り管16bとを接続するバイパス管で、三方弁よりなる流路切換手段23がバイパス管22と風呂戻り管16bの接続部に設けられ、風呂循環回路18を流れる温水を間接熱交換器17に流すか否かを選択的に切換えるものである。
【0014】
24は給湯管10途中から分岐されて風呂循環回路18に接続され浴槽3への湯張りを行うための湯張り管、25はこの湯張り管24に設けられ浴槽3への湯張りの開始、停止を行う湯張り弁、26は浴槽3への湯張り量をカウントする風呂流量センサである。なお、27は湯張り管24と水位センサ21との間に設けられる二方弁で、湯張り時に一旦開弁して風呂戻り管16bの湯張り管24から浴槽3までの配管のエアパージを行った後、閉弁して水位センサ21で正確な水位を監視しながら湯張りを行えるようにするものである。
【0015】
28はヒートポンプユニット2の加熱制御を行う加熱制御部、29は沸き上げ運転や給湯および風呂の制御を行うタンク制御部である。なお、30はヒートポンプユニット2に設けられた外気温度センサである。
【0016】
次に、この貯湯式給湯風呂装置の作動を以下に説明する。
まず、貯湯タンク1内の湯水をヒートポンプユニット2により沸き上げる沸き上げ運転について説明すると、時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜電力時間帯になって貯湯温度センサ6a〜dが貯湯タンク1内に翌日に必要な熱量が残っていないことを検出すると、タンク制御部29は加熱制御部28に対して沸き上げ運転開始を指示する。指示を受けた加熱制御部28は図示しない圧縮機や加熱循環ポンプの駆動を開始させ、加熱循環回路4を介して貯湯タンク1下部から供給される冷水を水冷媒熱交換器(図示せず)にて高温に沸き上げ、貯湯タンク1上部に戻し、貯湯タンク1上部から順次積層して高温水を貯湯していく。そして、貯湯温度センサ6a〜dが必要な熱量が貯湯タンク1内に貯湯されたことを検出すると、タンク制御部29は加熱制御部28に対して沸き上げ運転停止を指示し、指示を受けた加熱制御部28は圧縮機や加熱循環ポンプの駆動を停止させ、沸き上げ運転を終了するものである。
【0017】
そして、蛇口11が開かれると、タンク制御部29は混合弁9の開度を調整して、給水管7からの冷水と出湯管8からの高温水とが混合されてタンク制御部29に接続されたリモコン(図示せず)で設定された給湯設定温度になるようにして給湯を行う。
【0018】
次に、リモコンにて風呂の湯張りが指示されると、タンク制御部29は湯張り弁25を開弁し、給水管7からの冷水と出湯管8からの温水とが混合弁9にてリモコンにて設定された風呂設定温度に調節され、湯張り管24および風呂循環回路16を介して浴槽3へ風呂流量センサ26で所定量をカウントするまで湯張りを行う。このとき、バイパス管22に設けられた流路切換手段23はバイパス管22側に切換えられ、湯張りによって風呂循環回路16に流入する設定温度に調節された湯はバイパス管22を流れるので、一度混合弁9にて設定温度に調節された湯がそれよりも高温の温水が貯められた貯湯タンク1内の間接熱交換器17を流れることがなく、間接熱交換器17によって設定温度を上回って加熱されてしまうことがなくなる。
【0019】
また、リモコンにて風呂の追焚きが指示されると、タンク制御部29は流路切換手段23を間接熱交換器17側に切換えて風呂循環ポンプ18を駆動し、浴槽3内の湯水を貯湯タンク1内の高温の温水中に設けられた間接熱交換器17を流通させ、貯湯タンク1の貯湯温水の熱を利用して浴槽水を加熱するものである。貯湯タンク1の温水を用いて浴槽3内の温水を追焚きあるいは保温可能にしたため、追焚きあるいは保温専用の電熱ヒータが不要となり、コストの低減および電力消費量の低減を図れるものである。
【0020】
昼間時間帯において給湯や湯張り等によって貯湯タンク1内の湯量が少なくなって貯湯温度センサ6a〜6dが必要な熱量が不足していることを検出すると、タンク制御部29は加熱制御部28に対して沸き増し運転開始を指示する。指示を受けた加熱制御部28は圧縮機や加熱循環ポンプの駆動を開始させ、加熱循環回路4を介して貯湯タンク1下部から供給される冷水を水冷媒熱交換器にて高温に沸き上げ、貯湯タンク1上部に戻し、貯湯タンク1上部から順次積層して高温水を貯湯していく。そして、貯湯温度センサ6a〜dが必要な熱量が貯湯タンク1内に貯湯されたことを検出すると、タンク制御部29は加熱制御部28に対して沸き増し運転停止を指示し、指示を受けた加熱制御部28は圧縮機や加熱循環ポンプの駆動を停止させ、沸き増し運転を終了するものである。なお、昼間時間帯の沸き増しを禁止する設定がされている場合は、沸き増し運転は行われない。
【0021】
次に、冬期等に風呂循環回路16中の浴槽水に凍結が生じるおそれがある場合の凍結防止運転について、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
タンク制御部29は、湯張りや追い焚き等の風呂運転を行っていない状態で、ヒートポンプユニット2の外気温度センサ30が所定の凍結防止開始温度(ここでは5℃)以下を検出すると(ステップS1でYes)、流路切換手段23をバイパス管22側に切換え(ステップS2)、風呂循環ポンプ18を駆動する(ステップS3)。なお、この実施形態では外気温度センサ30で検出する外気温度に応じて凍結防止運転の開始を判定したが、風呂温度センサ20の検出する浴槽水温度や、図示しない機内温度センサの検出する温度から凍結防止運転の開始を判定してもよく、凍結の危険度を検出することができる温度センサであれば何でも良いものである。
【0022】
そして、タンク制御部29は、流水センサ19がオンしているかどうかを判定し(ステップS4)、オンしていれば浴槽3に循環可能な量の浴槽水が残っているため、凍結防止運転を継続する必要があると判断し、風呂循環ポンプ18の所定のオン時間のカウントを開始し(ステップS5)、浴槽水を流動させることで浴槽水および風呂循環回路16内の水の凍結を防止する。
【0023】
ここで所定のオン時間は、ステップS1で検出された外気温度に基づいて定められるもので、タンク制御部29は予め記憶している外気温度とオン時間の関係から、外気温度に応じた時間を選択する。ここでは、−5℃未満で20分、−5℃以上5℃以下で10分としている。なお、この実施形態では外気温度センサ30で検出する外気温度に応じた時間としたが、風呂温度センサ20の検出する浴槽水温度や、図示しない機内温度センサに応じた時間としてもよく、凍結の危険度を検出することができる温度センサであれば何でも良いものである。
【0024】
そして、オン時間のカウントが終了すると(ステップS5でYes)、タンク制御部29は、間接熱交換器17の高さ近傍の貯湯温度センサ6aの検出温度が所定温度未満かどうかを判定し(ステップS6)、貯湯タンク1内に残湯が多く存在して所定温度以上である場合には(ステップS6でYes)、風呂循環ポンプ18を駆動停止して(ステップS7)、外気温度に応じたオフ時間のカウントを開始し(ステップS8)、オフ時間のカウントが終了するとステップS1へ戻るサイクルを繰り返す。
【0025】
ここで所定のオフ時間は、ステップS1で検出された外気温度に基づいて定められるもので、タンク制御部29は予め記憶している外気温度とオフ時間の関係から、外気温度に応じた時間を選択する。ここでは、−5℃未満で0分、−5℃以上5℃以下で10分としている。なお、この実施形態では外気温度センサ30で検出する外気温度に応じた時間としたが、風呂温度センサ20の検出する浴槽水温度や、図示しない機内温度センサに応じた時間としてもよく、凍結の危険度を検出することができる温度センサであれば何でも良いものである。
【0026】
このようにして、浴槽水は間接熱交換器17を流通しないので貯湯タンク1内の高温の温水の熱を無為に奪ってしまうことがなく、貯湯タンク1内の給湯可能な貯湯量を減らすことがなく、確実に風呂循環回路16の凍結防止運転が行える。
【0027】
一方、前記ステップS6で、貯湯タンク1内に残湯がほとんどなく、間接熱交換器17の高さ近傍の貯湯温度センサ6aの検出温度が所定温度未満である場合には(ステップS6でNo)、流路切換手段23を間接熱交換器17側に切り換え(ステップS9)、風呂循環ポンプ18の駆動を継続する運転を所定時間(ここでは5分間)行う(ステップS10)ので、バイパス管22と間接熱交換器17の間の風呂循環回路16の凍結を確実に防止することができ、所定時間が経過したら風呂循環ポンプ18の駆動を停止する(ステップS7)ので、貯湯タンク1内の高温の温水の熱を無為に奪ってしまうことがなく、貯湯タンク1内の給湯可能な貯湯量を減らすことがなく、風呂循環回路16のバイパス管22よりも間接熱交換器17側の凍結防止運転が確実に行える。
【0028】
ここで、ステップS10の所定時間は固定の時間としているが、外気温度の低下に応じて所定時間を長くする構成としてもよい。なお、この実施形態では外気温度センサ30で検出する外気温度に応じた時間としたが、風呂温度センサ20の検出する浴槽水温度や、図示しない機内温度センサに応じた時間としてもよく、凍結の危険度を検出することができる温度センサであれば何でも良いものである。
【0029】
そして、所定のオフ時間が経過すると(ステップS8)、再びステップS1へ戻るサイクルを繰り返す。
【0030】
また、前記ステップS4で流水スイッチ20がオンしていない場合は(ステップS4でNo)、浴槽3に循環可能な量の浴槽水が残っていないと判断し、ステップS7へ進んで風呂循環ポンプ18の駆動を停止し、オフ時間の経過を待って(ステップS8)、再度ステップS1へ戻るようにし、無駄な風呂循環ポンプ18の駆動を行わないようにしていると共に、定期的に浴槽水の有無を判定することで、風呂循環ポンプ18内の残水の凍結を防止することができ、さらに湯張りとは別の方法で浴槽3に湯水が供給された場合にも凍結防止を行うことを可能としている。
【0031】
このようにして、風呂循環回路16の凍結防止運転時に、貯湯タンク1内の間接熱交換器17近傍の貯湯温度が低い場合は、流路切換手段23を間接熱交換器17側に切り換えて風呂循環ポンプ18を駆動する運転を所定時間行うので、バイパス管22と間接熱交換器17の間の風呂循環回路16の凍結およびバイパス管22の凍結を確実に防止し、貯湯タンク1内の間接熱交換器17近傍の貯湯温度が高い場合は、流路切換手段23をバイパス管22側にしたままの通常の凍結防止運転を行うので、貯湯タンク1内の貯湯熱量を減少させることがないと共に、風呂循環回路16の凍結を防止しながら間接熱交換器17からの熱伝導でバイパス管22と間接熱交換器17の間の風呂循環回路16の凍結も防止することができる。
【0032】
また、凍結防止運転の1サイクル途中の所定のタイミング毎(ここではステップS6のタイミング)に、間接熱交換器17近傍の貯湯温度が所定温度未満であるかを判定して、バイパス管22と間接熱交換器17の間の風呂循環回路16の凍結防止運転の有無を決めるため、給湯や湯張り、あるいは自然放熱等による貯湯温度の低下が生じて、バイパス管22と間接熱交換器17の間の風呂循環回路16の凍結の恐れが生じた場合に、適切にバイパス管22と間接熱交換器17の間の風呂循環回路16の凍結防止運転が行われ、沸き上げ運転や沸き増し運転によって貯湯温度が上昇して、バイパス管22と間接熱交換器17の間の風呂循環回路16の凍結の恐れがなくなった場合に、不要なバイパス管22と間接熱交換器17の間の風呂循環回路16を浴槽水を流通させる運転を行わず、貯湯タンク1内の貯湯熱量の状態に応じて適切な凍結防止運転を行える。
【0033】
なお、本発明はこの一実施形態に限定されるものではなく、例えば貯湯タンク内1の温水を沸かし上げる電熱ヒータを貯湯タンク1内に有した公知の電気温水器でもよく、また、流路切換手段23は三方弁に限られず、例えばバイパス管22および間接熱交換器17の入口または出口にそれぞれ開閉弁を設け、何れか一方を選択的に開弁するか、または流路切換手段23を間接熱交換器17側へ切り換えて風呂循環ポンプ18を駆動状態とし、浴槽水を間接熱交換器17側へ流通させる動作の際に、両方を開弁状態として間接熱交換器17側へ一部の浴槽水が流通するように構成しても良いものである。
【0034】
また、この一実施形態では、所定のオン時間が経過した後(ステップS5の後)に間接熱交換器17近傍の貯湯温度が所定温度未満であるかの判定を行うタイミングを設けているが、これに限らず、例えばオフ時間が経過した後(ステップS10の後)に判定を行い、所定温度未満である場合に、流路切換手段23を切り換えて風呂循環ポンプ18を所定時間駆動するようにしてもよく、また、ステップS5の所定のオン時間のカウント中や所定のオフ時間のカウント中などに判定を行うようにしてもよい。凍結防止運転の1サイクルに1回判定を行うことで、風呂循環回路16のバイパス管22よりも間接熱交換器17側およびバイパス管22の凍結を、貯湯タンク内の熱量を無駄にすることなく確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 貯湯タンク
3 浴槽
16 風呂循環回路
17 間接熱交換器
18 風呂循環ポンプ
22 バイパス管
23 流路切換手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内に配置された間接熱交換器と、前記間接熱交換器と浴槽とを循環可能に接続する風呂循環回路と、浴槽水を前記風呂循環回路に循環させる風呂循環ポンプと、前記間接熱交換器をバイパスして前記風呂循環回路を短絡するバイパス管と、前記風呂循環回路を流れる浴槽水を前記間接熱交換器側に流すか、前記バイパス管側に流すかを切り換える流路切換手段とを備え、前記流路切換手段を前記バイパス管側に切り換えた状態で前記風呂循環ポンプを駆動して前記風呂循環回路の凍結を防止する凍結防止運転時に、前記間接熱交換器近傍の前記貯湯タンクの貯湯温度が所定温度未満であることを検出すると、前記流路切換手段を前記間接熱交換器側へ切り換えて前記風呂循環ポンプを駆動状態とし、浴槽水を前記間接熱交換器側へ流通させる動作を所定時間行うようにしたことを特徴とする貯湯式給湯風呂装置。
【請求項2】
前記凍結防止運転は、前記流路切換手段を前記バイパス管側に切り換えた状態で外気温度または浴槽水温度に応じたオン時間だけ風呂循環ポンプを駆動し、外気温度または浴槽水温度に応じたオフ時間だけ風呂循環ポンプを停止するサイクルを繰り返し、このサイクル途中の所定のタイミングに、前記間接熱交換器近傍の前記貯湯タンクの貯湯温度が所定温度未満であることを検出すると、前記流路切換手段を前記間接熱交換器側へ切り換えて前記風呂循環ポンプを駆動状態とし、浴槽水を前記間接熱交換器側へ流通させる動作を所定時間行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯風呂装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−53832(P2013−53832A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194217(P2011−194217)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】