説明

踵部内周面に突出部を設けた靴及びその製造方法

【課題】本発明は、婦人靴や紳士靴等を履いて歩行中に足の踵が脱げにくく歩行し易い踵部内周面に突出部を設けた靴及びその製造方法を提供する。
【解決手段】婦人靴10の甲皮部12は甲皮20と裏皮22を密着当接して形成されている。裏皮22の踵部一側部22Aと踵部他側部22Bには突出部用開口32が貫通形成されている。踵部一側部22Aと踵部芯材30の間には突出部用開口32に対応して突出体34が配設され、踵部他側部22Bと踵部芯材30の間には突出部用開口32に対応して突出体34が配設されている。突出体34は突出部形成片36とスポンジ38から構成されている。裏皮22と踵部芯材30の間に配設された突出体34のスポンジ38が突出部形成片36の突出部36Aを押して突出部36Aが突出部用開口32から突出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、婦人靴や紳士靴等の靴の踵部内周面に突出部を設けた靴及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に婦人靴や紳士靴はスニーカー等の靴と異なり甲皮部は天然皮革や人工皮革等の比較的硬い材料で形成することにより型崩れしにくいようになっている。
このため、婦人靴や紳士靴の踵部は硬いため、前記婦人靴や紳士靴を履いて歩行すると歩行中に足の踵が靴の踵部から脱げ易くなると共に歩行しにくいという不具合がある。特に、甲皮部の高さが紳士靴に比べて低い婦人靴においては上記不具合は顕著である。
そこで、上記不具合を解消させるために靴の中敷の上に別途に購入した脱げ防止用中敷部材を配設することにより踵が脱げにくくしている(特許文献1)。
しかし、これでは別途に脱げ防止用中敷部材を用意して靴の中敷の上に配設しなければならないと共に脱げ防止用中敷部材を配設することにより靴を履いた場合に違和感や窮屈感が新たに生じる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−289307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、別途に脱げ防止用中敷部材等を配設しなくても婦人靴や紳士靴等を履いて歩行中に足の踵が脱げにくく歩行し易い踵部内周面に突出部を設けた靴及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、甲皮部の裏皮の踵部一側部又は踵部他側部の少なくとも一方に突出部を設けたことを特徴としている。
請求項2の発明は、甲皮部を構成すると共に甲皮部の外側に設けられた甲皮と、この甲皮と前記甲皮部を構成すると共に前記甲皮部の内側に設けられた裏皮と、この裏皮の踵部一側部又は踵部他側部の少なくとも一方に突出部を設けたことを特徴としている。
請求項3の発明は、甲皮部を構成すると共に甲皮部の外側に設けられた甲皮と、この甲皮と前記甲皮部を構成すると共に前記甲皮部の内側に設けられた裏皮と、この裏皮の踵部一側部又は踵部他側部の少なくとも一方に貫通形成された突出部用開口と、前記甲皮と裏皮の間であって前記突出部用開口に対応するように設けられた突出体と、この突出体の突出部形成片に設けられると共に前記突出部形成片の突出部を押して突出部を前記突出部用開口から靴の内側に突出させる弾性体と、を有することを特徴としている。
請求項4の発明は、甲皮部を構成すると共に甲皮部の外側に設けられた甲皮と、この甲皮と前記甲皮部を構成すると共に前記甲皮部の内側に設けられた裏皮と、前記甲皮部の踵部の前記甲皮と裏皮の間に設けられた踵部芯材と、前記裏皮の踵部一側部又は踵部他側部の少なくとも一方に貫通形成された突出部用開口と、前記裏皮と踵部芯材の間であって前記突出部用開口に対応するように設けられた突出体と、この突出体の突出部形成片に設けられると共に前記突出部形成片の突出部を押して突出部を前記突出部用開口から靴の内側に突出させる弾性体と、を有することを特徴としている。
請求項5の発明は、甲皮部の裏皮の踵部一側部又は踵部他側部の少なくとも一方に突出部を取り付けることを特徴としている。
請求項6の発明は、甲皮と突出部用開口を貫通形成した裏皮をそれぞれ形成し、
前記甲皮と裏皮を重ね合わせて甲皮部を製造し、
前記裏皮の突出部用開口に突出体の突出部が対応する状態で前記甲皮と裏皮の間に弾性体を設けた突出体を配設し、
前記突出体の弾性体を弾性復帰させて突出部を前記突出部用開口から突出させるようにしたことを特徴としている。
請求項7の発明は、甲皮と突出部用開口を貫通形成した裏皮をそれぞれ形成し、
前記甲皮と裏皮を重ね合わせて甲皮部を製造し、
前記甲皮部の踵部の前記甲皮と前記裏皮の間に踵部芯材を配設し、
前記裏皮の突出部用開口に突出体の突出部が対応する状態で裏皮と踵部芯材の間に突出体を配設し、
前記裏皮と前記突出体の突出部形成片の周縁部を糸で縫着して突出体を裏皮に縫い付けると共に前記突出部形成片の突出部と弾性体を糸で刺し縫いし、
前記突出体の突出部を刺し縫いした糸をカットすることにより弾性体を弾性復帰させて突出部を前記突出部用開口から突出させるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の踵部内周面に突出部を設けた靴は、踵部の側部内周面に突出部が突出して足の踵と当接するので歩行中に踵が脱げにくく歩行し易いという優れた効果を有する。
また、本発明の踵部内周面に突出部を設けた靴は、踵部の側部内周面に突出部が突出して足の踵と当接するので踵と靴の踵部がフィットして歩行し易いという優れた効果を有する。
本発明の踵部内周面に突出部を設けた靴の製造方法は、踵部内周面に突出部を設けた靴を製造することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施例の踵部内周面に突出部を設けた靴を斜め上方から見た全体斜視図である。
【図2】第1実施例の踵部内周面に突出部を設けた靴を斜め上方から見た一部拡大斜視図である。
【図3】第1実施例の踵部内周面に突出部を設けた靴の踵部の一部縦断面図である。
【図4】第1実施例の踵部内周面に突出部を設けた靴に用いられる突出体を斜め背面から見た全体斜視図である。
【図5】第1実施例の踵部内周面に突出部を設けた靴に用いられる突出体を配設する場合の配設位置関係状態を示す概念縦断面図である。
【図6】第1実施例の踵部内周面に突出部を設けた靴を製造する場合の一工程を示す斜視図である。
【図7】第1実施例の変形例の踵部内周面に突出部を設けた靴に用いられる突出体を斜め背面から見た全体斜視図である。
【図8】第1実施例の変形例の踵部内周面に突出部を設けた靴に用いられる突出体を配設する場合の配設位置関係状態を示す概念縦断面図である。
【図9】第2実施例の踵部内周面に突出部を設けた靴を斜め上方から見た一部拡大斜視図である。
【図10】第2実施例の踵部内周面に突出部を設けた靴に用いられる突出体を取り付けた状態の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明を実施するために最良の形態の例として以下のような実施例を示す。
【実施例1】
【0009】
図1〜図6には本発明に係る踵部内周面に突出部を設けた靴及びその製造方法の第1実施例が示されている。なお、実施例では踵部内周面に突出部を設けた靴を婦人靴(ハイヒール)に適用した場合を例にして説明する。
図1に示されるように、本発明の踵部内周面に突出部を設けた靴が適用された婦人靴10は甲皮部12とソール部14と本底部16とヒール部18から構成されている。
前記甲皮部12は外側に配設される甲皮20と甲皮20の内側に配設される裏皮22を密着当接して形成されている。この甲皮20は比較的硬い天然皮革を薄いシート状にして加工して形成されている。一方、この裏皮22は柔らかい天然皮革を薄いシート状にして加工して形成されている。
前記甲皮部12の爪先部24の前記甲皮20と裏皮22の間には爪先部芯材26(破線で示す)が挟まれた状態で配設されている。また、前記甲皮部12の踵部28の前記甲皮20と裏皮22の間には踵部芯材30(破線で示す)が挟まれた状態で配設されている。これら爪先部芯材26と踵部芯材30は共に水に一定時間漬けると軟らかくなるが、乾燥すると硬くなる性質を有する公知の素材をシート状に加工して形成されている。
従って、前記甲皮部12の爪先部24の甲皮20と裏皮22の間に爪先部芯材26を、甲皮部12の踵部28の甲皮20と裏皮22の間に踵部芯材30を、それぞれ配設することにより爪先部24と踵部28は一段と型崩れしにくいようになっている。
図2に示されるように、足の踵の一側部が対応する裏皮22の踵部一側部22Aと足の踵の他側部が対応する裏皮22の踵部他側部22Bにはそれぞれ長円状の突出部用開口32が貫通形成されている。
図1に示されるように、前記踵部一側部22Aと踵部芯材30の間には突出部用開口32に対応して突出体34が配設され、前記踵部他側部22Bと踵部芯材30の間には突出部用開口32に対応して突出体34が配設されている(なお、図1には踵部一側部22Aと踵部芯材30の間に配設された突出体34のみを示す)。
図4に示されるように、前記突出体34はシート状に加工して長円状にカットした突出部形成片36と突出部形成片36の背面に接着剤等で仮付けされた弾性体としてのスポンジ38から構成されている。なお、この実施例ではスポンジ38は直方体状に形成されている。
従って、前記突出体34を裏皮22と踵部芯材30の間に配設することにより図3に示されるようにスポンジ38が突出部形成片36の中間部の突出部36Aを押して突出部形成片36の突出部36Aが裏皮22に形成された突出部用開口32から突出するようになっている。
なお、前記突出部形成片36はその周縁部36Bが糸40で前記裏皮22に縫われ、これにより前記突出体34は裏皮22に取り付けられている。
従って、図1及び図2に示されるように婦人靴10は甲皮部12の踵部28において突出体34の突出部36A,36Aが突出するので、突出部36A,36Aが足の踵の一側部と他側部に当接するため歩行中に踵が脱げにくいようになっている。
なお、図6に示されるように前記ソール部14はアウトソール42とインソール44と中敷46から形成されている。
また、前記アウトソール42の下には図1に示されるように前記本底部16と前記ヒール部18が固定されるようになっている。
【0010】
次に、第1実施例の婦人靴10の作用について説明する。
この婦人靴10を履く場合においては突出部36A,36Aが突出しているが足の踵が突出部36A,36Aに当たると突出部36A,36Aは足の踵に押されるため突出部36A,36Aが突出していてもスムーズに婦人靴10を履くことができる。
婦人靴10を履くと突出部36A,36Aはスポンジ38の弾性力により足の踵を常時押す状態になる。
このため、婦人靴10を履いている場合は常時足の踵の両側部は突出部36A,36Aによって押圧されて踵とフィットして一体感が生じ快適に歩行することができる。
また、婦人靴10においては脱げ防止用中敷等を別途に購入する必要がないので経済的であると共に脱げ防止用中敷等を配設した時に生じ易い違和感や窮屈感を感じることがない。
なお、突出部36A,36Aはスポンジ38の弾性力によって突出しているがスポンジ38の弾性力であるので、突出部36A,36Aの存在により踵が痛くなるようなことはない。
また、婦人靴10を脱ぐ場合も突出部36A,36Aはスポンジ38の弾性力により押されているだけであるので突出部36A,36Aの存在に関係なくスムーズに婦人靴10を脱ぐことができる。
なお、婦人靴10は図1、図2に示されるように突出部36A,36Aが突出部用開口32,32から突出していても外観上スマートな印象を与え需要者、消費者に外観上のマイナスイメージを与えることはない。
また、前記突出体34を甲皮部12内に設けても婦人靴10の甲皮20の外側面が膨らんだりすることはないので通常の婦人靴と同様に甲皮部12の甲皮20の鏡面的な美くしさを維持でき、婦人靴10の外観品質を低下させることはない。
【0011】
次に、第1実施例の婦人靴10の製造方法について説明する。
最初に甲皮20と突出部用開口32,32を貫通形成した裏皮22をそれぞれ形成する。
そして、甲皮20の内側に裏皮22を配設して甲皮20と裏皮22を重ね合わせると共に甲皮20の上縁と裏皮22の上縁をミシンで縫着して甲皮部12を製造する。
次に、甲皮部12の爪先部24の甲皮20と裏皮22の間に水に漬けて柔らかくした爪先部芯材26を配設すると共に甲皮部12の踵部28の前記甲皮20と裏皮22の間に水に漬けて軟らかくした踵部芯材30を配設する。
そして、裏皮22の突出部用開口32に突出体34の突出部36Aが対応する状態で裏皮22と踵部芯材30の間に突出体34を配設する。
次に、図5に示されるようにミシンで前記裏皮22と前記突出部形成片36の周縁部36Bを糸40で縫着して突出体34を裏皮22に縫い付ける。また、ミシンで突出部形成片36の突出部36Aとスポンジ38を糸48で多数刺し縫いしてスポンジ38を扁平状態にして甲皮部12が膨らまないようにする。
そして、図6に示されるように公知の靴型50に前記甲皮部12を被せて適宜公知手段で甲皮部12を靴型50に密着させて甲皮部12の形を整える。
次に、甲皮部12の下方から接着したアウトソール42、インソール44、中敷46からなるソール部14を配設して甲皮部12と縫着してから、アウトソール42に本底部16とヒール部18を固定してから、靴型50を抜く。
そして、突出部形成片36の突出部36Aとスポンジ38に刺し縫いした糸48のみをカットして抜く。
これにより、突出部36Aとスポンジ38に刺し縫いした糸48をカットすることにより糸48によって強制的に扁平形状になっていたスポンジ38(図5参照)が弾性復帰し(図3参照)、スポンジ38の弾性力により突出部形成片36の突出部36Aが突出部用開口32から突出して前記婦人靴10が完成する(図1参照)。
【0012】
図7及び図8には本発明に係る踵部内周面に突出部を設けた靴の第1実施例の変形例が示されている。
この変形例に使用される突出体52の構成は上記第1実施例の突出体34の構成と相違している。この突出体52の突出部形成片36に取り付けられる加熱膨張弾性体54はスポンジ38でなく、一定温度(例えば摂氏60℃)以上の熱を加えると膨張する性質を有する弾性材料で形成されている。
このため、図7に示されるように最初から扁平状態に形成した加熱膨張弾性体54を突出部形成片36の背面に取り付けることができるので上記第1実施例のようにスポンジ38を扁平状態するために糸48で多数刺し縫いするミシン作業を不要にできるというメリットがある。
なお、前記突出体52の突出部36Aを突出部用開口32から突出させる場合は図8に示す状態の突出体52に婦人靴10の内側から熱風を突出体52に吹き付けて加熱膨張弾性体54を一定温度(例えば摂氏60℃)以上にして加熱膨張弾性体54を膨張させて過熱膨張弾性体54の弾性力により突出部形成片36の突出部36Aを突出部用開口32から突出させる。
【0013】
図9及び図10には本発明に係る踵部内周面に突出部を設けた靴及びその製造方法の第2実施例が示されている。なお、第1実施例の踵部内周面に突出部を設けた靴及びその製造方法と同一の構成は同一の符号を用いてその説明は省略する。
図9に示されるように、本発明の踵部内周面に突出部を設けた靴が適用された婦人靴60の甲皮部12の裏皮22の踵部一側部22Aと踵部他側部22Bには突出部62が接着されている。
図10に示されるように、この突出部62は立体的に形成されたスポンジ64に天然皮革の薄いカバー体66を被せて一体形成したものである。
前記突出部62のスポンジ64の底面64Aとカバー体66の底面66Aには接着剤が塗布され、これにより突出部62は裏皮22に取り付けられている。
前記婦人靴60を製造する場合は婦人靴60の製造工程の最後にスポンジ64の底面64Aとカバー体66の底面66Aに接着剤を塗布した突出部62を前記裏皮22の踵部一側部22Aと踵部他側部22Bに接着することにより前記婦人靴60を製造することができる。
従って、第2実施例の踵部内周面に突出部を設けた靴の製造方法は第1実施例の踵部内周面に突出部を設けた靴の製造方法に比べてシンプルであるため製造効率に優れているという効果を有している。
なお、第2実施例では前記突出部62は接着剤で裏皮22に取り付けたが、接着剤で取り付ける以外に両面テープや縫着等の他の手段で突出部62を裏皮22に取り付けてもよいことは勿論である。
また、前記突出部62はスポンジ64とカバー体66で一体形成したが、突出部62はスポンジ等の弾性体だけで一体形成してもよいことは勿論である。
なお、他の作用、効果は第1実施例の踵部内周面に突出部を設けた靴及びその製造方法と同一である。
【0014】
なお、第1実施例では弾性体としてスポンジ38、第2実施例では弾性体としてのスポンジ64を使用したが弾性復帰する性質を有する材料(例えばシリコン、エラストマー、弾性ゴムや他の合成樹脂材等)であればスポンジに限定されないことは勿論である。
また、第1実施例では裏皮22の踵部一側部22Aと踵部他側部22Bの2箇所に突出部用開口32を形成したが、突出部用開口32の数は2個に限定されるものでなく1個又は3個以上でもよいことは勿論である。
なお、第2実施例では裏皮22の踵部一側部22Aと踵部他側部22Bの2箇所に突出部62を設けたが、突出部62の数は2個に限定されるものでなく1個又は3個以上でもよいことは勿論である。
また、実施例では甲皮部12を天然皮革で形成したが、甲皮部12の素材は人工皮革等でもよく天然皮革に限定されるものでないことは勿論である。
なお、実施例では本発明を婦人靴10,60に適用した例を示したが、靴の種類は婦人靴に限定されるものでなく紳士靴等他の靴でもよいことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明の踵部内周面に突出部を設けた靴及びその製造方法は、婦人靴以外の紳士靴やその他の靴にも使用することができる。
【符号の説明】
【0016】
10 婦人靴
12 甲皮部
14 ソール部
16 本底部
18 ヒール部
20 甲皮
22 裏皮
24 爪先部
26 爪先部芯材
28 踵部
30 踵部芯材
32 突出部用開口
34 突出体
36 突出部形成片
36A 突出部
36B 周縁部
40 糸
42 アウトソール
44 インソール
46 中敷
48 糸
50 靴型
60 婦人靴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
甲皮部の裏皮の踵部一側部又は踵部他側部の少なくとも一方に突出部を設けたことを特徴とする踵部内周面に突出部を設けた靴。
【請求項2】
甲皮部を構成すると共に甲皮部の外側に設けられた甲皮と、この甲皮と前記甲皮部を構成すると共に前記甲皮部の内側に設けられた裏皮と、この裏皮の踵部一側部又は踵部他側部の少なくとも一方に突出部を設けたことを特徴とする踵部内周面に突出部を設けた靴。
【請求項3】
甲皮部を構成すると共に甲皮部の外側に設けられた甲皮と、この甲皮と前記甲皮部を構成すると共に前記甲皮部の内側に設けられた裏皮と、この裏皮の踵部一側部又は踵部他側部の少なくとも一方に貫通形成された突出部用開口と、前記甲皮と裏皮の間であって前記突出部用開口に対応するように設けられた突出体と、この突出体の突出部形成片に設けられると共に前記突出部形成片の突出部を押して突出部を前記突出部用開口から靴の内側に突出させる弾性体と、を有することを特徴とする踵部内周面に突出部を設けた靴。
【請求項4】
甲皮部を構成すると共に甲皮部の外側に設けられた甲皮と、この甲皮と前記甲皮部を構成すると共に前記甲皮部の内側に設けられた裏皮と、前記甲皮部の踵部の前記甲皮と裏皮の間に設けられた踵部芯材と、前記裏皮の踵部一側部又は踵部他側部の少なくとも一方に貫通形成された突出部用開口と、前記裏皮と踵部芯材の間であって前記突出部用開口に対応するように設けられた突出体と、この突出体の突出部形成片に設けられると共に前記突出部形成片の突出部を押して突出部を前記突出部用開口から靴の内側に突出させる弾性体と、を有することを特徴とする踵部内周面に突出部を設けた靴。
【請求項5】
甲皮部の裏皮の踵部一側部又は踵部他側部の少なくとも一方に突出部を取り付けることを特徴とする踵部内周面に突出部を設けた靴の製造方法。
【請求項6】
甲皮と突出部用開口を貫通形成した裏皮をそれぞれ形成し、
前記甲皮と裏皮を重ね合わせて甲皮部を製造し、
前記裏皮の突出部用開口に突出体の突出部が対応する状態で前記甲皮と裏皮の間に弾性体を設けた突出体を配設し、
前記突出体の弾性体を弾性復帰させて突出部を前記突出部用開口から突出させるようにしたことを特徴とする踵部内周面に突出部を設けた靴の製造方法。
【請求項7】
甲皮と突出部用開口を貫通形成した裏皮をそれぞれ形成し、
前記甲皮と裏皮を重ね合わせて甲皮部を製造し、
前記甲皮部の踵部の前記甲皮と前記裏皮の間に踵部芯材を配設し、
前記裏皮の突出部用開口に突出体の突出部が対応する状態で裏皮と踵部芯材の間に突出体を配設し、
前記裏皮と前記突出体の突出部形成片の周縁部を糸で縫着して突出体を裏皮に縫い付けると共に前記突出部形成片の突出部と弾性体を糸で刺し縫いし、
前記突出体の突出部を刺し縫いした糸をカットすることにより弾性体を弾性復帰させて突出部を前記突出部用開口から突出させるようにしたことを特徴とする踵部内周面に突出部を設けた靴の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−41590(P2011−41590A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189834(P2009−189834)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(509223494)ミカハウエルジャパン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】