説明

車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット、車両用灯具

【課題】従来の光源ユニットでは、大型化する傾向にあり、また、放熱上に課題がある。
【解決手段】この発明は、光源部10と、ソケット部11と、を備える。光源部10は、基板10と、半導体型光源の発光チップ41〜44と、抵抗51、52およびダイオード53、54と、配線6と、を備える。ソケット部11は、絶縁部材7と、放熱部材8と、給電部材91〜93と、を備える。給電部材91〜93と一体の絶縁部材7に放熱部材8が取り付けられている。光源部10は、ソケット部1に取り付けられている。基板3は、放熱部材8に取り付けられている。この結果、この発明は、小型化することができ、放熱効果を向上させることができ、しかも、製造コストを安価にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットに関するものである。また、この発明は、半導体型光源を光源とする車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の光源ユニットは、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の光源ユニットについて説明する。従来の光源ユニットは、LEDと抵抗およびダイオードと導体とを上部コンタクト部および下部コンタクト部で機械的に取り付けかつ電気的に接続し、これらをソケットケーシング内に組み付け、ソケットケーシングに取付部を設けてなるものである。従来の光源ユニットは、ソケットケーシングの取付部により車両用灯具に着脱可能に取り付けられるものである。
【0003】
ところが、従来の光源ユニットは、LEDと抵抗およびダイオードと導体とを上部コンタクト部および下部コンタクト部で機械的に取り付けかつ電気的に接続し、これらをソケットケーシング内に組み付けるものであるから、大型化する傾向にある。しかも、従来の光源ユニットは、LEDおよび抵抗およびダイオードおよび導体で発生する熱を外部に放射する手段が設けられていないので、LEDおよび抵抗およびダイオードおよび導体における放熱上に課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−31076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、従来の光源ユニットでは、大型化する傾向にあるという点と、LEDおよび抵抗およびダイオードおよび導体における放熱上に課題があるという点と、にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、光源部と、光源部が取り付けられているソケット部と、を備え、光源部が、基板と、半導体型光源の発光チップと、発光チップの発光を制御する制御素子と、制御素子を介して発光チップに給電する配線素子と、を備え、発光チップおよび制御素子および配線素子が、基板に取り付けられていて、ソケット部が、絶縁部材と、光源部で発生する熱を外部に放射させる放熱部材と、光源部に給電する給電部材と、を備え、絶縁部材と給電部材とが、一体構造をなし、絶縁部材および給電部材と放熱部材とが、別体の構造をなし、放熱部材と給電部材とが、給電部材と一体の絶縁部材に放熱部材を取り付けることにより、絶縁部材に相互に絶縁状態で組み込まれていて、基板と放熱部材とが、相互に当接されていて、絶縁部材には、車両用灯具に着脱可能に取り付けるための取付部が設けられている、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、ソケット部には、電源側のコネクタが機械的に着脱可能に電気的に断続的に取り付けられるコネクタ部が設けられていて、コネクタ部が、絶縁部材の一部と、給電部材の一部と、からなる、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、ソケット部には、光源部を覆うカバー部が設けられていて、カバー部には、発光チップから放射される光を光学制御する光学制御部が設けられている、ことを特徴とする。
【0009】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、基板の発光チップが取り付けられている面には、高反射面が設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、基板と放熱部材とが、熱伝導接着剤で接着されていて、放熱部材と絶縁部材とが、相互に密着している、ことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)は、基板のうち給電部材が位置する箇所には、切欠が設けられていて、絶縁部材のうち切欠に対応する箇所には、切欠中に突出する凸部が設けられていて、給電部材が、凸部から突出して折り曲げられて基板の配線素子に電気的に接続されている、ことを特徴とする。
【0012】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)は、給電部材と一体の絶縁部材には、放熱部材を取り付けるための弾性取付部が設けられている、ことを特徴とする。
【0013】
さらにまた、この発明(請求項8にかかる発明)は、給電部材と一体の絶縁部材には、放熱部材を取り付けるための弾性取付部と、放熱部材を取り付ける際のガイドおよび位置決めを行うガイド位置決め部とが設けられている、ことを特徴とする。
【0014】
さらにまた、この発明(請求項9にかかる発明)は、放熱部材の一部が、絶縁部材から露出している、ことを特徴とする。
【0015】
さらにまた、この発明(請求項10にかかる発明)は、基板が、放熱部材と接触状態であり、絶縁部材と非接触状態である、ことを特徴とする。
【0016】
さらにまた、この発明(請求項11にかかる発明)は、基板が、放熱部材に給電部材の一部の固定部により機械的に取り付けられている、ことを特徴とする。
【0017】
さらにまた、この発明(請求項12にかかる発明)は、放熱部材には、同心円形状の放熱部が設けられていて、発光チップが、基板を介して、放熱部材の放熱部に対応する箇所に設けられている、ことを特徴とする。
【0018】
さらにまた、この発明(請求項13にかかる発明)は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている前記請求項1〜13のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、を備える、ことを特徴とする。
【0019】
さらにまた、この発明(請求項14にかかる発明)は、ソケット部が、ランプハウジングに取り付けられていて、光源部が、灯室内に配置されていて、ソケット部のうちランプハウジングから外側に突出している部分が、ソケット部のうち灯室内に収納されている部分よりも大である、ことを特徴とする。
【0020】
さらにまた、この発明(請求項15にかかる発明)は、取付部が、ソケット部の中心軸回りに回転させてランプハウジングに着脱可能に取り付けるための取付部であり、発光チップが、ソケット部の中心軸近傍に配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップおよび制御素子および配線素子を基板に取り付けて光源部を構成し、一方、放熱部材と給電部材とを絶縁部材に相互に絶縁状態で組み込んでソケット部を構成し、基板と放熱部材とを相互に当接させて、光源部をソケット部に取り付けてなるものである。すなわち、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップと制御素子と配線素子と基板から構成されている光源部と、放熱部材と給電部材と絶縁部材から構成されているソケット部とを、一体に組み込んでなるものである。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、LEDと抵抗およびダイオードと導体とを上部コンタクト部および下部コンタクト部で機械的に取り付けかつ電気的に接続し、これらをソケットケーシング内に組み付けてなる従来の光源ユニットと比較して、小型化することができる。
【0022】
しかも、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、前記の課題を解決するための手段により、発光チップおよび制御素子および配線素子で発生する熱が基板を介して放熱部材に伝達されてこの放熱部材から外部に放射(発散、拡散、熱放射、熱発散、熱拡散)される。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップおよび制御素子および配線素子における放熱上の課題を解決することができる。
【0023】
その上、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、ソケット部の絶縁部材の取付部により、車両用灯具に着脱可能に取り付けることができる。すなわち、車両用灯具に対して交換可能である。
【0024】
さらに、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、給電部材と一体の絶縁部材に放熱部材を取り付けるものであるから、放熱部材と給電部材と絶縁部材との一体成形(インサート成形)の場合と比較して、金型が簡単であり、その上、放熱部材を金属部材とした場合において、その金属部材の放熱部材をプリヒートする必要が無く製造工程が簡単であり、その結果、製造コストが安価である。
【0025】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、コネクタ部が絶縁部材の一部と給電部材の一部とから構成されているので、コネクタ部をソケット部に設けたとしても、小型化の効果や放熱の効果に対してなんら不具合を来たすようなことはない。
【0026】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、光源部をカバー部で覆うことにより、光源部の発光チップおよび制御素子および配線素子および基板をカバー部で保護することができる。しかも、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、カバー部の光学制御部により、発光チップから放射される光を光学制御することができるので、車両用灯具の光学制御設計が容易となる。
【0027】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、基板の高反射面により、発光チップから放射される光を基板の高反射面において高反射率で反射させることができので、発光チップから放射される光を有効利用することができる。
【0028】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、前記の課題を解決するための手段により、光源部の発光チップおよび制御素子および配線素子で発生する熱が基板から熱伝導接着剤を介して放熱部材に伝達されてこの放熱部材から外部に放射され、かつ、この放熱部材から絶縁部材に伝達されてこの絶縁部材から外部に放射されるので、放熱効果を向上させることができる。
【0029】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、給電部材を絶縁部材の凸部から突出させてかつ折り曲げて基板の配線素子に電気的に接続させるものであるから、小型化の効果や放熱の効果に対してなんら不具合を来たすようなことはない。しかも、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、給電部材が絶縁部材の凸部から突出していて基板に接触していないので、この給電部材を折り曲げる際に、給電部材の折曲応力が基板にかからない。すなわち、基板に割れなどの損傷が発生しない。
【0030】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、給電部材と一体の絶縁部材に放熱部材を弾性取付部で取り付けるものであるから、放熱部材と給電部材と絶縁部材との一体成形(インサート成形)の場合と比較して、金型が簡単であり、その上、放熱部材を金属部材とした場合において、その金属部材の放熱部材をプリヒートする必要が無く製造工程が簡単であり、その結果、製造コストが安価である。しかも、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、放熱部材を金属部材とし、絶縁部材を流動性が金属部材よりも高い樹脂部材とした場合において、流動性が金属部材よりも高い樹脂部材の絶縁部材に弾性取付部を設けたので、金属部材の放熱部材の構成を簡単にすることができ、その分、製造コストを安価にすることができる。その上、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、給電部材と一体の絶縁部材に放熱部材を弾性取付部で取り付けるものであるから、放熱部材と絶縁部材との間に空間を形成することができ、その空間を介して光源部の発光チップおよび制御素子および配線素子で発生する熱を効率良く放射させることができ、放熱効果をさらに向上させることができる。
【0031】
さらにまた、この発明(請求項8にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、給電部材と一体の絶縁部材に放熱部材をガイド位置決め部によりガイドされかつ位置決めされて弾性取付部で取り付けるものであるから、給電部材と一体の絶縁部材に放熱部材を、一体成形(インサート成形)の場合と同様に、確実に取り付けることができる。
【0032】
さらにまた、この発明(請求項9にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、放熱部材の一部を絶縁部材から外部に直接露出させることにより、発光部から放熱部材に伝達される熱を効率良く外部に放射させることができ、放熱効果をさらに向上させることができる。
【0033】
さらにまた、この発明(請求項10にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、基板が放熱部材と接触状態であり絶縁部材と非接触状態であるから、発光チップおよび制御素子および配線素子で発生する熱が基板を介して放熱部材に効率良く伝達されてこの放熱部材から外部に効率良く放射され、放熱効果をさらに向上させることができる。
【0034】
さらにまた、この発明(請求項11にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、基板が放熱部材に給電部材の一部の固定部により機械的に取り付けられているので、基板を放熱部材に確固に取り付けることができ、車両の振動に対して十分な耐久性が得られる。
【0035】
さらにまた、この発明(請求項12にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、前記の課題を解決するための手段により、発光チップで発生する熱が基板を介して放熱部材の放熱部に効率良く伝達され、かつ、放熱部から外部に効率良く放射され、放熱効果をさらに向上させることができる。
【0036】
さらにまた、この発明(請求項13にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、前記の請求項1〜12のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと同様の効果を達成することができる。
【0037】
さらにまた、この発明(請求項14にかかる発明)の車両用灯具は、ソケット部のうちランプハウジングから外側に突出している部分がソケット部のうち灯室内に収納されている部分よりも大であるから、光源部で発生する熱が外部に大部分突出しているソケット部を介して外部に放射されるので、放熱効果をさらに向上させることができる。
【0038】
さらにまた、この発明(請求項15にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、ソケット部をランプハウジングに取付部によりソケット部の中心軸回りに回転させて取り付けて光源部を灯室内に配置した際に、発光チップが基板や放熱部材を介してソケット部の中心軸近傍に位置するので、発光チップの灯室内の位置のぶれを極力小さくすることができる。この結果、この発明(請求項15にかかる発明)の車両用灯具は、配光のぶれを極力小さくすることができ、配光制御や配光設計が容易となり、かつ、交通安全にも貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例1を示し、光源部と、ソケット部の絶縁部材および給電部材と、ソケット部の放熱部材との分解斜視図である。
【図2】図2は、同じく、ソケット部の絶縁部材と給電部材とを示す分解斜視図である。
【図3】図3は、同じく、光源部と、ソケット部とを示す分解斜視図である。
【図4】図4は、同じく、光源部とソケット部とを組み付けた状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、同じく、光源部とソケット部とを組み付けた状態を示す平面図(上から見た図)である。
【図6】図6は、同じく、図5におけるVI−VI線断面図である。
【図7】図7は、同じく、光源部とソケット部とを組み付けた状態を示す底面図(下から見た図)である。
【図8】図8は、同じく、給電部材と一体の絶縁部材に放熱部材を取り付けようとしている状態を示す図7におけるIX−IX線断面図に対応する断面図である。
【図9】図9は、同じく、図7におけるIX−IX線断面図である。
【図10】図10は、同じく、基板と放熱部材との当接状態を示す一部拡大縦断面図(垂直断面図)である。
【図11】図11は、同じく、給電部材と一体の絶縁部材に放熱部材を取り付けようとしている状態を示す図7におけるXII−XII線断面図に対応する断面図である。
【図12】図12は、同じく、図7におけるXII−XII線断面図である。
【図13】図13は、同じく、給電部材と一体の絶縁部材に放熱部材を組み付ける状態を示す説明断面図である。
【図14】図14は、同じく、パッキン、カバー部、光源部およびソケット部、コネクタを示す分解正面図である。
【図15】図15は、同じく、パッキン、カバー部、光源部およびソケット部、コネクタを組み付けた状態を示す正面図である。
【図16】図16は、同じく、パッキン、カバー部、光源部およびソケット部、コネクタを組み付けた状態を示す一部を破断した正面図である。
【図17】図17は、同じく、ランプハウジングの取付孔を示す一部平面図である。
【図18】図18は、同じく、光源ユニットがランプハウジングの取付孔中に挿入された状態を示す一部平面図である。
【図19】図19は、同じく、光源ユニットがランプハウジングに取り付けられた状態を示す一部平面図である。
【図20】図20は、同じく、光源ユニットがランプハウジングの取付孔中に挿入された状態を示す一部正面図である。
【図21】図21は、同じく、光源ユニットがランプハウジングに取り付けられた状態を示す一部正面図である。
【図22】図22は、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図23】図23は、同じく、テールランプ機能の点灯状態を示す説明図である。
【図24】図24は、同じく、ストップランプ機能の点灯状態を示す説明図である。
【図25】図25は、同じく、光源ユニットの半導体型光源の駆動回路を示す電気回路図である。
【図26】図26は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例2を示す斜視図である。
【図27】図27は、同じく、平面図である。
【図28】図28は、同じく、図27におけるXXVIII−XXVIXI線断面図である。
【図29】図29は、同じく、図27におけるXXIX−XXIX線断面図である。
【図30】図30は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例3を示す一部断面図である。
【図31】図31は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例4を示し、基板を放熱部材に給電部材の固定部で取り付ける状態を示す一部断面図である。
【図32】図32は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例5を示す平面図である。
【図33】図33は、同じく、底面図である。
【図34】図34は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例6を示す光源部の基板の平面図である。
【図35】図35は、同じく、光源ユニットの半導体型光源の駆動回路を示す電気回路図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例のうちの6例およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0041】
図1〜図25は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例1およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例を示す。
【0042】
以下、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットおよびこの実施例における車両用灯具の構成について説明する。図22において、符号100は、この実施例における車両用灯具である。
【0043】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)でテールランプ機能(図23参照)とストップランプ機能(図24参照)とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能(たとえば、バックアップランプ機能)と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。
【0044】
前記車両用灯具100は、図22に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、半導体型光源を光源とする光源ユニット、すなわち、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1と、前記光源ユニット1の前記半導体型光源の駆動回路2(図25参照)と、を備えるものである。
【0045】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材)から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、透孔104が設けられている。
【0046】
前記ランプレンズ102は、たとえば、光透過性の部材(例えば、透明樹脂部材やガラス部材)から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0047】
前記リフレクタ103は、前記光源ユニット1から放射される光を配光制御する配光制御部であって、焦点Fを有する。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材や金属部材)から構成されている。前記リフレクタ103は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔106が前記ランプハウジング101の前記透孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。
【0048】
図17〜図21に示すように、前記ランプハウジング101の前記透孔104は、円形形状をなす。前記透孔104の縁には、複数個この例では4個の凹部109と同じく複数個この例では2個のストッパ部110とがほぼ等間隔に設けられている。
【0049】
(光源ユニット1の説明)
前記光源ユニット1は、図1〜図21に示すように、光源部10と、ソケット部11と、カバー部12と、を備える。前記光源部10および前記カバー部12は、前記ソケット部11の一端部(上端部)に取り付けられている。前記光源部10は、前記カバー部12によりカバーされている。
【0050】
前記光源ユニット1は、図22に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101にパッキン(Oリング)108を介して着脱可能に取り付けられている。前記光源部10および前記カバー部12が前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0051】
(光源部10の説明)
前記光源部10は、図1、図3〜図6、図9、図10、図16、図25に示すように、基板3と、前記半導体型光源の複数個この例では4個の発光チップ41、42、43、44と、制御素子としての2個の抵抗51、52および2個のダイオード53、54と、配線素子としての配線6と、を備えるものである。
【0052】
前記基板3は、この例では、セラミックからなる。前記基板3は、図1、図3〜図6、図9、図10、図12、図16に示すように、平面(上)から見てほぼ八角形の板形状をなす。前記基板3の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、切欠31、32、33がそれぞれ設けられている。前記基板3の一面(上面)には、平面の取付面34が設けられている。前記基板3の他面(下面)には、平面の当接面35が設けられている。前記基板3の取付面34には、高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面30が設けられている。
【0053】
前記基板3の前記取付面34には、前記4個の発光チップ41〜44および前記2個の抵抗51、52および前記2個のダイオード53、54および前記配線6が取り付けられている(すなわち、実装、印刷、蒸着などにより、設けられている)。なお、図1、図3〜図5においては、図面を簡略化するために、前記2個の抵抗51、52および前記2個のダイオード53、54および前記配線6などの図示を省略してある場合がある。
【0054】
前記4個の発光チップ41〜44からなる前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例1ではLED)を使用する。前記発光チップ41〜44は、図1、図3〜図5、図9、図16に示すように、平面(上)から見て微小な矩形(正方形もしくは長方形)形状の半導体チップ(光源チップ)からなり、この例では、ベアチップからなる。前記4個の発光チップ41〜44は、図5に示すように、光学系の前記リフレクタ103の焦点F、および、前記光源ユニット1の前記ソケット部11の中心(取付回転中心)O近傍に1列に、光源バルブ(電球)のフィラメントもしくは放電電球(HIDランプ)のアーク放電による発光とほぼ同様になるように、配置されている。前記4個の発光チップ41〜44は、順方向に直列に接続されている。
【0055】
前記4個の発光チップ41〜44は、テールランプ機能の一部(この例では2個)の発光チップ43、44と、ストップランプ機能の全部(この例では4個)の発光チップ41〜44と、にグループ化されている。1列に配置されている前記4個の発光チップ41〜44のうちの中の2個の発光チップ43、44は、前記テールランプ機能と前記ストップランプ機能とに兼用される。1列に配置されている前記4個の発光チップ41〜44のうちの両端(両外側)の2個の発光チップ41、42は、前記ストップランプ機能のみに使用される。前記ストップランプ機能と兼用の前記テールランプ機能(以下、単に「テールランプ機能」と称する)の2個の発光チップ43、44は、前記ストップランプ機能のみの2個の発光チップ41、42の間に配置されている。なお、前記4個の発光チップ41〜44は、フリップチップタイプのベアチップ、あるいは、ワイヤボンディングタイプのベアチップ、あるいは、反射タイプのベアチップなどのベアチップを使用する。
【0056】
前記抵抗51、52は、たとえば、薄膜抵抗もしくは厚膜抵抗などからなる。前記抵抗51、52は、所定の駆動電流の値を得るための調整用の抵抗である。すなわち、前記発光チップ41〜44のVf(順方向電圧特性)のばらつきにより、前記発光チップ41〜44に供給される駆動電流の値が変化して前記発光チップ41〜44の明るさ(光束、光度、照度)においてばらつきが発生する。このために、前記抵抗51、52の値を調整して(トリミングして)前記発光チップ41〜44に供給される駆動電流の値を所定値にほぼ一定に設定することにより、前記発光チップ41〜44の明るさ(光束、光度、照度)のばらつきを調整(吸収)することができる。前記トリミングは、たとえば、レーザーで前記抵抗51、52の一部を切り欠いて抵抗値を調整するものである。なお、トリミングにより抵抗値は増加する。
【0057】
前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44に直列に接続されている前記抵抗51と、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に直列に接続されている前記抵抗52とは、図25においてそれぞれ1個配置されているが、抵抗の容量および調整する抵抗の可変幅により、複数個配置する場合がある。例えば、2個ずつ、もしくは、前記テールランプ機能の前記抵抗51を3個、前記ストップランプ機能の前記抵抗52を4個配置する場合がある。
【0058】
前記ダイオード53、54は、たとえば、ベアチップダイオードもしくはSMDダイオードなどからなる。前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44と前記抵抗51とに直列に接続されているダイオード53と、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44と前記抵抗52とに直列に接続されているダイオード54とは、逆接防止機能および逆方向からのパルスノイズ保護機能のダイオードである。
【0059】
前記配線6は、たとえば、導電性部材の薄膜配線もしくは厚膜配線やワイヤなどからなる。前記配線6は、前記抵抗51、52、前記ダイオード53、54を介して前記発光チップ41〜44に給電するものである。
【0060】
(ソケット部11の説明)
前記ソケット部11は、図1〜図16、図18〜図22に示すように、絶縁部材7と、放熱部材8と、3本の給電部材91、92、93と、を備えるものである。熱伝導性と導電性を有する前記放熱部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7中に、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。
【0061】
(絶縁部材7の説明)
前記絶縁部材7は、たとえば、絶縁性の樹脂部材からなる。前記絶縁部材7は、外径が前記ランプハウジング101の前記透孔104の内径より若干小さいほぼ円筒形状をなす。前記絶縁部材7の一端部(上端部)には、鍔部71が一体に設けられている。前記絶縁部材7の一端部(上端部)には、複数個この例では4個の取付部70が、前記ランプハウジング101の前記凹部109と対応させて、一体に設けられている。
【0062】
前記取付部70は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備するものである。すなわち、前記ソケット部11の前記カバー12側の一部および前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記凹部109中に図20中の実線上向き矢印方向に挿入する(図18、図20参照)。その状態で、前記ソケット部11を中心O軸回りに図14および図16中の実線矢印方向に回転させて、前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記ストッパ部110に当てる。この時点において、前記取付部70と前記鍔部71とが前記パッキン108を介して前記ランプハウジング101の前記透孔104の縁部を上下から挟み込む(図18、図20参照)。
【0063】
この結果、前記光源ユニット1の前記ソケット部11は、図22に示すように、前記車両用灯具100の前記ランプハウジング101に前記パッキン108を介して着脱可能に取り付けられる。この時点において、図15に示すように、ソケット部11のうちランプハウジング101から外側に突出している部分(図15中の二点鎖線で示されているランプハウジング101よりも下側の部分)がソケット部11のうち灯室105内に収納されている部分(図15中の二点鎖線で示されているランプハウジング101よりも上側の部分)よりも大である。
【0064】
前記絶縁部材7の他端部(下端部)には、光源側のコネクタ部13が一体に設けられている。前記コネクタ部13には、電源側のコネクタ14が機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられている。
【0065】
(放熱部材8の説明)
前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性(導電性をも有する)のアルミダイカストや樹脂部材からなる。前記放熱部材8は、一端部(上端部)が平板形状をなし、中間部から他端部(下端部)にかけてフィン形状をなす。前記放熱部材8の一端部の上面には、当接面80が設けられている。前記放熱部材8の当接面80には、前記基板3の前記当接面35が相互に当接されている状態で、熱伝導性接着剤36により接着されている。この結果、前記発光チップ41〜44は、前記基板3を介して前記放熱部材8の中心O(前記ソケット部11の中心O)近傍部分が位置する箇所に対応して位置することとなる。
【0066】
前記熱伝導性接着剤36は、材質として、エポキシ系樹脂接着剤、シリコン系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤などからなり、形態として、液状形態、流動状形態、テープ形態などからなる。
【0067】
前記放熱部材8の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、切欠81、82、83が、前記基板3の前記切欠31〜33にそれぞれ対応して設けられている。前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記切欠31〜33には、前記3本の給電部材91〜93がそれぞれ配置している。前記放熱部材8と前記給電部材91〜93との間には、前記絶縁部材7が介在している。前記放熱部材8は、前記絶縁部材7に密着している。前記給電部材91〜93は、前記絶縁部材7に密着している。
【0068】
(給電部材91〜93の説明)
前記給電部材91〜93は、たとえば、導電性の金属部材からなる。前記給電部材91〜93の一端部(上端部)は、末広形状をなしていて、前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記切欠31〜33にそれぞれ位置する。前記給電部材91〜93の一端部は、前記光源部10の前記配線6にそれぞれ電気的に接続されている。
【0069】
すなわち、図6に示すように、前記絶縁部材7の一端面(上端面)のうち前記基板3の前記切欠31〜33および前記放熱部材8の前記切欠81〜83に対応する箇所には、前記切欠31〜33、81〜83中に突出する凸部72が一体に設けられている。前記給電部材91〜93の一端部は、前記凸部72から突出して折り曲げられて前記基板3の前記配線6に電気的に接続されている。なお、前記給電部材91〜93の一端部と前記基板3の前記配線6とをはんだあるいはレーザー溶接(レーザー溶着)または抵抗溶接で電気的接続と共に固定しても良い。このようにして、前記光源部10は、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられることとなる。
【0070】
前記給電部材91〜93の他端部(下端部)は、窄まった形状をなしていて、前記コネクタ部13中に配置されている。前記給電部材91〜93の他端部は、オスターミナル(おす型端子)910、920、930を構成するものである。
【0071】
(ソケット部11の再度の説明)
前記ソケット部11は、図1、図2、図8、図11に示すように、前記絶縁部材7と前記給電部材91〜93とが一体構造をなし、前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93と前記放熱部材8とが別体の構造をなす。なお、前記絶縁部材7と前記給電部材91〜93との一体構造は、前記絶縁部材7と前記給電部材91〜93とがインサート成形(一体成形)により一体に構成されている構造、あるいは、前記絶縁部材7に前記給電部材91〜93を組み付けることにより一体に構成されている構造である。
【0072】
図13に示すように、前記給電部材91〜93と一体の前記絶縁部材7には、前記放熱部材8を取り付けるための弾性取付部73が一体に設けられている。一方、前記放熱部材8には、取付孔84が前記弾性取付部73に対応して設けられている。図8、図11に示すように、前記給電部材91〜93と一体の前記絶縁部材7には、前記放熱部材8を取り付ける際のガイドおよび位置決めを行うガイド部74および位置決め部75が設けられている。前記放熱部材8にも、同様に、ガイド部85および位置決め部86が設けられている。前記ガイド部74、85は、末広形状(Y形状)をなしている前記給電部材91〜93の一端部(上端部)に沿って傾斜面をなしている。前記位置決め部75、86は、前記ガイド部74、85に対して交差する平面をなす。
【0073】
図13(A)に示すように、前記給電部材91〜93と一体の前記絶縁部材7中に前記放熱部材8を、傾斜しているガイド部74、85に沿って、実線矢印方向に挿入する。すると、図13(B)に示すように、前記放熱部材8が前記絶縁部材7の前記弾性取付部73が実線矢印方向に撓む。さらに、前記給電部材91〜93と一体の前記絶縁部材7中に前記放熱部材8を実線矢印方向に挿入する。すると、図13(C)に示すように、前記絶縁部材7の前記弾性取付部73と前記放熱部材8の前記取付孔84とが対応した時点、すなわち、放熱部材8の位置決め部86が絶縁部材7の位置決め部75に当たって放熱部材8が絶縁部材7に位置決めされた時点で、撓んでいた前記絶縁部材7の前記弾性取付部73が実線矢印方向に弾性復帰して前記放熱部材8の前記取付孔84の縁に弾性係合する。これにより、前記放熱部材8が前記給電部材91〜93と一体の前記絶縁部材7に一体に取り付けられることとなる。また、熱伝導性と導電性を有する前記放熱部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7中に、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。
【0074】
(コネクタ部13およびコネクタ14の説明)
図25に示すように、前記コネクタ14には、前記コネクタ部13の前記オスターミナル910〜930に電気的に断続するメスターミナル(めす型端子)141、142、143が設けられている。前記コネクタ14を前記コネクタ部13に取り付けることにより、前記メスターミナル141〜143が前記オスターミナル910〜930に電気的に接続する。また、前記コネクタ14を前記コネクタ部13から取り外すことにより、前記メスターミナル141〜143と前記オスターミナル910〜930との電気的接続が遮断される。
【0075】
図22、図25に示すように、前記コネクタ14の前記第1メスターミナル141および前記第2メスターミナル142は、ハーネス144、145およびスイッチSWを介して電源(直流電源のバッテリー)15に接続されている。前記コネクタ14の前記第3メスターミナル143は、ハーネス146を介してアースされている(グランドされている)。前記コネクタ部13および前記コネクタ14は、3ピン(前記3本の給電部材91〜93、前記3本のオスターミナル910〜930、前記3本のメスターミナル141〜143)タイプのコネクタ部およびコネクタである。
【0076】
(スイッチSWの説明)
前記スイッチSWは、図25に示すように、可動接点150と、第1固定接点151と、第2固定接点152と、第3固定接点153と、共通固定接点154と、からなる3位置切替スイッチである。
【0077】
前記可動接点150が第1固定接点151の位置に切り替わっているとき(図25中の一点鎖線に示す状態のとき)には、電流(駆動電流)が前記テールランプ機能のダイオード53と抵抗51とを経て前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44に供給されている状態である。すなわち、前記テールランプ機能の2個の発光チップ43、44は、前記テールランプ機能のダイオード53と抵抗51を経て駆動電流が供給されている。
【0078】
前記可動接点150が第2固定接点152の位置に切り替わっているとき(図25中の二点鎖線に示す状態のとき)には、電流(駆動電流)が前記ストップランプ機能のダイオード54と抵抗52とを経て前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給されている状態である。すなわち、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、前記ストップランプ機能のダイオード54と抵抗52とを経て駆動電流が供給されている。
【0079】
前記可動接点150が第3固定接点153の位置に切り替わっているとき(図25中の実線に示す状態のとき)には、前記4個の発光チップ41〜44への電流供給が遮断されている状態である。
【0080】
(カバー部12の説明)
前記カバー部12は、光透過性部材からなる。前記カバー部12には、前記4個の発光チップ41〜44からの光を光学制御して射出するプリズムなどの光学制御部120が設けられている。前記光学制御部120は、1個もしくは4個、前記4個の発光チップ41〜44に対応して設けられている。
【0081】
前記カバー部12は、図14〜図16、図22に示すように、前記光源部10をカバーするように、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられている。前記カバー部12は、前記4個の発光チップ41〜44を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぐものである。すなわち、前記カバー部12は、前記4個の発光チップ41〜44を外乱から保護するものである。
【0082】
図16中の点線で示すように、前記カバー部12には、通気孔121を設ける場合がある。この場合においては、前記基板3の前記取付面34上には、図9および図12中の二点鎖線で示す封止部材が前記発光チップ41〜44、前記抵抗51、52、前記ダイオード53、54、前記配線6を覆うように設けられている。
【0083】
この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1およびこの実施例における車両用灯具100(以下、「この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0084】
まず、スイッチSWの可動接点150を第1固定接点151に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、テールランプ機能のダイオード53と抵抗51とを経て、テールランプ機能の2個の発光チップ43、44に供給される。この結果、テールランプ機能の2個の発光チップ43、44が発光する。
【0085】
このテールランプ機能の2個の発光チップ43、44から放射された光は、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ43、44から放射された光の一部は、基板3の高反射面でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、図23に示す、テールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0086】
つぎに、スイッチSWの可動接点150を第2固定接点152に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、ストップランプ機能のダイオード54と抵抗52とを経て、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給される。この結果、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44が発光する。すなわち、今まで発光していたテールランプ機能の2個の発光チップ43、44に対して、今まで消光状態のストップランプ機能の2個の発光チップ41、42が、今まで発光していたテールランプ機能の2個の発光チップ43、44と共に、新たに発光する。
【0087】
このストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44から放射された光は、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ41〜44から放射された光の一部は、基板3の高反射面でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、図24に示す、ストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい(光束、光度、照度が大である)。
【0088】
それから、スイッチSWの可動接点150を第3固定接点153に切り替える。すると、電流(駆動電流)が遮断される。この結果、4個の発光チップ41〜44もしくは2個の発光チップ43、44は、消光する。これにより、車両用灯具100は、消灯する。
【0089】
そして、光源部10の発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6において発生した熱は、基板3を介して放熱部材8に伝達し、この放熱部材8から外部に放射される。
【0090】
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0091】
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図1、図3、図4に示すように、発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6を基板3に取り付けて光源部10を構成し、一方、放熱部材8と給電部材91〜93とを絶縁部材7に相互に絶縁状態で組み込んでソケット部11を構成し、基板3と放熱部材8とを相互に当接させて、光源部10をソケット部11に取り付けてなるものである。すなわち、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44と抵抗51、52およびダイオード53、54と配線6と基板3から構成されている光源部10と、放熱部材8と給電部材91〜93と絶縁部材7から構成されているソケット部11とを、一体に組み込んでなるものである。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、LEDと抵抗およびダイオードと導体とを上部コンタクト部および下部コンタクト部で機械的に取り付けかつ電気的に接続し、これらをソケットケーシング内に組み付けてなる従来の光源ユニットと比較して、小型化することができる。
【0092】
しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図9、図10、図12に示すように、基板3の当接面35と放熱部材8の当接面80とが相互に当接するので、放熱部材8と発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6で発生する熱が基板3を介して放熱部材8に伝達されてこの放熱部材8(特に他端部のフィン形状の部分)から外部に放射(発散、拡散、熱放射、熱発散、熱拡散)される。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6における放熱上の課題を解決することができる。
【0093】
その上、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図15、図22に示すように、ソケット部11の絶縁部材7の取付部70により、光源ユニット1を車両用灯具100に着脱可能に取り付けることができる。すなわち、光源ユニット1が車両用灯具100に対して交換可能である。
【0094】
さらに、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、給電部材91〜93と一体の絶縁部材7に放熱部材8を、この実施例では弾性取付部73および取付孔84で取り付けるものであるから、放熱部材8と給電部材91〜93と絶縁部材7との一体成形(インサート成形)の場合と比較して、金型が簡単であり、金属部材の放熱部材8をプリヒートする必要が無く製造工程が簡単であり、その結果、製造コストが安価である。しかも、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1は、流動性が金属部材よりも高い樹脂部材の絶縁部材7に弾性取付部73を設けたので、金属部材の放熱部材8の構成を簡単にすることができ、その分、製造コストを安価にすることができる。
【0095】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、給電部材91〜93と一体の絶縁部材7に放熱部材8を弾性取付部73および取付孔84で取り付けるものであるから、放熱部材8と絶縁部材7との間に空間S1を形成することができ、その空間S1を介して発光チップ41〜44や制御素子の抵抗52、ダイオード54や配線素子の配線6において発生する熱を効率良く放射させることができ、放熱効果をさらに向上させることができる。
【0096】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、給電部材91〜93と一体の絶縁部材7に放熱部材8を、ガイド部74、85および位置決め部75、86によりガイドされかつ位置決めされて弾性取付部73および取付孔84で取り付けるものであるから、給電部材91〜93と一体の絶縁部材7に放熱部材8を、一体成形(インサート成形)の場合と同様に、確実に取り付けることができる。
【0097】
また、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図9に示すように、コネクタ部13が絶縁部材7の一部と給電部材91〜93の一部(オスターミナル910〜930)とから構成されているので、コネクタ部13をソケット部10に設けたとしても、小型化の効果や放熱の効果に対してなんら不具合を来たすようなことはない。
【0098】
さらに、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図15、図16に示すように、光源部10をカバー部12で覆うことにより、光源部10の発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6および基板3をカバー部12で保護することができる。しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、カバー部12の光学制御部120により、発光チップ41〜44から放射される光を光学制御することができるので、車両用灯具100の光学制御設計が容易となる。その上、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図12中の点線で示すように、カバー部12に通気孔121を設けると、カバー部12で覆われた発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6で発生する熱を通気孔121を通して外部に逃がすことができ、放熱効果がさらに向上される。
【0099】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図10に示すように、基板3の高反射面30により、発光チップ41〜44から放射される光を基板3の高反射面30において高反射率で反射させることができので、発光チップ41〜44から放射される光を有効利用することができる。
【0100】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図10に示すように、基板3と放熱部材8とが、熱伝導接着剤36で接着されていて、放熱部材8と絶縁部材7とが、相互に密着している。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、光源部10の発光チップ41〜44および抵抗51、52およびダイオード53、54および配線6で発生する熱が基板3から熱伝導接着剤36を介して放熱部材8に伝達されてこの放熱部材8から外部に放射され、かつ、この放熱部材8から絶縁部材7に伝達されてこの絶縁部材7から外部に放射されるので、放熱効果を向上させることができる。
【0101】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図6に示すように、給電部材91〜93の一端部(上端部)を絶縁部材7の凸部72から突出させてかつ折り曲げて基板3の配線6に電気的に接続させるものであるから、小型化の効果や放熱の効果に対してなんら不具合を来たすようなことはない。しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、給電部材91〜93の一端部(上端部)が絶縁部材7の凸部72から突出していて基板3に接触していないので、この給電部材91〜93の一端部(上端部)を折り曲げる際に、給電部材91〜93の一端部(上端部)の折曲応力が基板3にかからない。すなわち、基板3に割れなどの損傷が発生しない。
【0102】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図15に示すように、ソケット部11のうちランプハウジング101から外側に突出している部分(図15中の二点鎖線で示されているランプハウジング101よりも下側の部分)がソケット部11のうち灯室105内に収納されている部分(図15中の二点鎖線で示されているランプハウジング101よりも上側の部分)よりも大であるから、光源部で発生する熱が外部に大部分突出しているソケット部を介して外部に放射されるので、放熱効果をさらに向上させることができる。
【0103】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図15、図22に示すように、光源部10で発生する熱の大部分がソケット部11の放熱部材8から外部に放射されて、ソケット部11の絶縁部材7に伝達される熱が僅かであるから、灯室104外のランプハウジング101とソケット部11の絶縁部材7との間に設けられているパッキン108を光源部10の熱から保護することができる。
【0104】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図5、図18に示すように、取付部70が、ソケット部11の中心O軸回りに回転させてランプハウジング101に着脱可能に取り付けるための取付部であり、発光チップ41〜44が、ソケット部11の中心O軸近傍に配置されている。これにより、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、ソケット部11をランプハウジング101に取付部70によりソケット部11の中心O軸回りに回転させて取り付けて光源部10を灯室104内に配置した際に、発光チップ41〜44が基板4や放熱部材8を介してソケット部11の中心O軸近傍に位置するので、発光チップ41〜44の灯室104内の位置のぶれを極力小さくすることができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、配光のぶれを極力小さくすることができ、配光制御や配光設計が容易となり、かつ、交通安全にも貢献することができる。
【0105】
しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図1、図3〜図5に示すように、発光チップ41〜44および制御素子の抵抗51、52、ダイオード53、54および配線素子の配線6が基板3の取付面34に取り付けられているので、その分、部品点数を軽減することができ、部品を小型化することができ、かつ、製造コストを安価にすることができる。
【0106】
その上、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44や制御素子の抵抗52、ダイオード54や配線素子の配線6において発生する熱を効率良く外部に放射することができ、その分、発光チップ41〜44の発光効率を向上させることができる。
【0107】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、常時発光するグループの発光チップすなわちテールランプ機能(ストップランプ機能をも併用)の発光チップ43、44がその他のグループの発光チップすなわちストップランプ機能の発光チップ(ストップランプ機能のとき発光しテールランプ機能のとき発光しない発光チップ)41、44の間に配置されているので、常時発光するグループの発光チップすなわちテールランプ機能の発光チップ43、44を相互に近接させることができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、常時発光するグループの発光チップすなわちテールランプ機能(ストップランプ機能をも併用)の発光チップ43、44を発光させたときに、常時発光するグループの発光チップすなわちテールランプ機能(ストップランプ機能をも併用)の発光チップ43、44の間の光の抜けがないので、光学設計が容易となる。
【0108】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ41〜44特にテールランプ機能発光チップ43、44が配光制御部としてのリフレクタ103の焦点Fの近傍に配置されているので、光学設計が容易となる。
【0109】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、4個の発光チップ41〜44が集中して配置されているので、1灯タイプの車両用灯具に適している。
【実施例2】
【0110】
図26〜図29は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例2を示す。図中、図1〜図25中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0111】
この実施例2における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1Bは、図26、図29に示すように、放熱部材8の一部、特に、後部のフィン形状の部分が絶縁部材7から露出している。また、この実施例2における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1Bは、図28、図29に示すように、前記放熱部材8の一部が前記絶縁部材7により覆われている。
【0112】
この実施例2における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1Bは、放熱部材8の一部特に後部のフィン形状の部分を絶縁部材7から外部に直接露出させることにより、発光部10から放熱部材8に伝達される熱を効率良く外部に放射させることができ、放熱効果をさらに向上させることができる。
【実施例3】
【0113】
図30は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例3を示す。図中、図1〜図29中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0114】
この実施例3における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1Cは、図30に示すように、基板3が放熱部材8と接触状態であり、絶縁部材7と空間Sを介して非接触状態である。このために、この実施例3における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1Cは、発光チップ41〜44および制御素子の抵抗51、52、ダイオード53、54および配線素子の配線6で発生する熱が基板3を介して放熱部材8(熱伝導率が絶縁部材7と比較して大である)に効率良く伝達されてこの放熱部材8から外部に効率良く放射され、放熱効果をさらに向上させることができる。
【実施例4】
【0115】
図31(A)、(B)は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例4を示す。図中、図1〜図30中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0116】
この実施例4における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1Dは、図31(A)、(B)に示すように、基板3が放熱部材8に給電部材91〜93の一部の固定部911、921、931により機械的に取り付けられている。すなわち、前記給電部材91〜93の固定部911〜931は、図31(A)に示すように、割りピン形状をなす。割りピン形状の前記固定部911〜913を、図31(B)に示すように、左右に開く。左右に開いた割りピン形状の前記固定部911〜913と前記基板3とをはんだあるいはレーザー溶接(レーザー溶着)または抵抗溶接で固定する。これにより、前記基板3は、前記放熱部材8に前記給電部材91〜93の一部の固定部911〜931により機械的に取り付けられることとなる。
【0117】
この実施例4における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1Dは、基板3が放熱部材8に熱伝導性接着剤36と共に給電部材91〜93の一部の固定部911〜931により機械的に取り付けられているので、基板3を放熱部材8に確固に取り付けることができ、車両の振動に対して十分な耐久性が得られる。
【実施例5】
【0118】
図32、図33は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例5を示す。図中、図1〜図31中の符号と同一符号は、同一のものを示す。
【0119】
この実施例5における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1Eは、図32、図33に示すように、放熱部材8には、同心円形状の放熱部88が設けられている。発光チップ41〜44は、基板3を介して、前記放熱部材8の中央の前記放熱部88に対応する箇所に円周上に等間隔に設けられている。この結果、この実施例5における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1Eは、発光チップ41〜44で発生する熱が基板3を介して放熱部材8の放熱部88に効率良く伝達され、かつ、放熱部88から外部に効率良く放射され、放熱効果をさらに向上させることができる。
【実施例6】
【0120】
図34、図35は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例6を示す。図中、図1〜図33と同符号は、同一のものを示す。
【0121】
前記の実施例1〜5の光源ユニット1、1B、1C、1D、1Eおよび車両用灯具100は、1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記の実施例1〜5の光源ユニット1、1B、1C、1D、1Eおよび車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)で第1ランプ機能としてのテールランプ機能と第2ランプ機能としてのストップランプ機能とを併用するものである。すなわち、複機能(多機能)ランプである。これに対して、この実施例6の光源ユニット1Gおよび車両用灯具100は、単機能(一機能)ランプである。すなわち、この実施例6の光源ユニット1Gおよび車両用灯具100は、ターンシグナルランプ、バックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、ヘッドランプのロービームランプ(すれ違い用ヘッドランプ)、ヘッドランプのハイビームランプ(走行用ヘッドランプ)、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプ、ディタイムランニングランプなどである。
【0122】
図34の基板の平面図および図35の電気回路図に示すように、前記の図5の基板の平面図および図25の電気回路図中における第1ランプ機能の配線6、抵抗51、ダイオード53、第1給電部材91を省略してなるものである。
【0123】
なお、図34の基板の平面図および図35の電気回路図において、グランドとして使用している第3給電部材93の代わりに、前記の図5の基板の平面図および図25の電気回路図中における第1給電部材91をグランドとして使用しても良い。
【0124】
また、前記の図5の基板の平面図および図25の電気回路図中における第2ランプ機能の2個の発光チップ41、42、配線6、抵抗52、ダイオード54、第2給電部材92を省略しても良い。この場合において、グランドとして使用している第3給電部材93の代わりに第2給電部材92をグランドして使用しても良い。
【0125】
さらに、第1ランプ機能の配線6、抵抗51、ダイオード53、あるいは、第2ランプ機能の2個の発光チップ41、42、配線6、抵抗52、ダイオード54を省略して、第1ランプ機能の第1給電部材91あるいは第2ランプ機能の第2給電部材92をそのまま残しておいても良い。または、第1ランプ機能の第1給電部材91のみあるいは第2ランプ機能の第2給電部材92のみを省略して、第1ランプ機能の配線6、抵抗51、ダイオード53、あるいは、第2ランプ機能の2個の発光チップ41、42、配線6、抵抗52、ダイオード54をそのまま残しておいても良い。
【0126】
(実施例1〜6以外の例の説明)
なお、前記の実施例1〜6においては、4個の発光チップ41〜44を使用するものである。ところが、この発明においては、発光チップとして、1個、2個、3個、5個以上であっても良い。テールランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウト、および、ストップランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。しかも、単機能ランプに使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。
【0127】
また、前記の実施例1〜6においては、テール・ストップランプに使用するものである。ところが、この発明においては、テール・ストップランプ以外のコンビネーションランプまたは単機能のランプにも使用することができる。単機能のランプとしては、ターンシグナルランプ、バックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、ヘッドランプのロービームランプ(すれ違い用ヘッドランプ)、ヘッドランプのハイビームランプ(走行用ヘッドランプ)、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプ、ディタイムランニングランプなどがある。
【0128】
さらに、前記の実施例1〜6においては、テールランプとストップランプとの2個のランプの切替に使用するものである。ところが、この発明においては、3個以上のランプの切替にも使用できる。
【0129】
さらにまた、前記の実施例1〜6においては、4個の発光チップ41〜44を1列に配置したものである。ところが、この発明においては、発光チップを、複数列に、角形の角上に、円形状に、配置しても良い。たとえば、四角形の4つの角に、または、三角形の3つの角に、配置しても良い。
【0130】
さらにまた、前記の実施例1〜6においては、カバー部12とランプレンズ102とにより配光制御するものである。ところが、この発明においては、カバー部12もしくはランプレンズ102のうち少なくともいずれか一方により配光制御するようにしても良い。
【0131】
さらにまた、前記の実施例1〜6においては、4個の発光チップ41〜44のうち全部をストップランプ機能に使用して、中の2個の発光チップ43、44をテールランプ機能に使用するものである。ところが、この発明においては、4個の発光チップ41〜44のうち全部をストップランプ機能に使用して、外の2個の発光チップ41、42をテールランプ機能に使用しても良い。
【0132】
さらにまた、前記の実施例1〜6においては、ソケット部11にコネクタ部13を一体に設けたものである。ところが、この発明においては、ソケット部11にコネクタ部13を一体に設けなくても良い。この場合においては、ソケット部11と別個に光源側のコネクタを設け、この光源側のコネクタをハーネスを介して光源ユニット1、1B、1C、1D、1E、1Gの給電部材(実施例1の給電部材91〜93参照)に電気的に接続するものである。この光源側のコネクタに電源側のコネクタ14を取り付けることにより、光源部10に電気が供給され、また、光源側のコネクタから電源側のコネクタ14を取り外すことにより、光源部10への電気供給が遮断される。
【0133】
さらにまた、前記の実施例1〜6においては、給電部材91〜93が、一端から他端にかけて末広形状をなしていて、光源ユニット1の中心線方向(光源ユニット1の光軸方向)にほぼ一直線をなしている。ところが、この発明においては、給電部材の形状を特に限定しない。
【0134】
さらにまた、前記の実施例1〜6においては、コネクタ14として、コネクタ部13に機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられる3ピンタイプあるいは2ピンタイプの標準品(規格品)を使用するものである。ところが、この発明においては、コネクタとして、コネクタ部13の構造に合わせた特注品(規格外)であっても良い。
【符号の説明】
【0135】
1、1B、1C、1D、1E、1G 光源ユニット
10 光源部
11 ソケット部
12 カバー部
120 光学制御部
121 通気孔
13 コネクタ部
14 コネクタ
141 第1メスターミナル
142 第2メスターミナル
143 第3メスターミナル
144、145、146 ハーネス
15 電源
150 可動接点
151 第1固定接点
152 第2固定接点
153 第3固定接点
154 共通固定接点
100 車両用灯具
101 ランプハウジング
102 ランプレンズ
103 リフレクタ
104 透孔
105 灯室
106 透孔
107 反射面
108 パッキン
109 凹部
110 ストッパ部
2 駆動回路
3 基板
30 高反射面
31、32、33 切欠
34 取付面
35 当接面
36 熱伝導性接着剤
41、42、43、44 発光チップ
51、52 抵抗
53、54 ダイオード
6 配線
7 絶縁部材
70 取付部
71 鍔部
72 凸部
73 弾性取付部
74 ガイド部
75 位置決め部
8 放熱部材
80 当接面
81、82、83 切欠
84 取付孔
85 ガイド部
86 位置決め部
88 円形の放熱部分
91、92、93 給電部材
910 第1オスターミナル
920 第2オスターミナル
930 第3オスターミナル
911、921、931 固定部
F 焦点
O 中心
SW スイッチ
S、S1 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットにおいて、
光源部と、前記光源部が取り付けられているソケット部と、を備え、
前記光源部は、基板と、半導体型光源の発光チップと、前記発光チップの発光を制御する制御素子と、前記制御素子を介して前記発光チップに給電する配線素子と、を備え、前記発光チップおよび前記制御素子および前記配線素子は、前記基板に取り付けられていて、
前記ソケット部は、絶縁部材と、前記光源部で発生する熱を外部に放射させる放熱部材と、前記光源部に給電する給電部材と、を備え、前記絶縁部材と前記給電部材とは、一体構造をなし、前記絶縁部材および前記給電部材と前記放熱部材とは、別体の構造をなし、前記放熱部材と前記給電部材とは、前記給電部材と一体の前記絶縁部材に前記放熱部材を取り付けることにより、前記絶縁部材に相互に絶縁状態で組み込まれていて、
前記基板と前記放熱部材とは、相互に当接されていて、
前記絶縁部材には、前記車両用灯具に着脱可能に取り付けるための取付部が設けられている、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項2】
前記ソケット部には、電源側のコネクタが機械的に着脱可能に電気的に断続的に取り付けられるコネクタ部が設けられていて、
前記コネクタ部は、前記絶縁部材の一部と、前記給電部材の一部と、からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項3】
前記ソケット部には、前記光源部を覆うカバー部が設けられていて、
前記カバー部には、前記発光チップから放射される光を光学制御する光学制御部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項4】
前記基板の前記発光チップが取り付けられている面には、高反射面が設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項5】
前記基板と前記放熱部材とは、熱伝導接着剤で接着されていて、
前記放熱部材と前記絶縁部材とは、相互に密着している、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項6】
前記基板のうち前記給電部材が位置する箇所には、切欠が設けられていて、
前記絶縁部材のうち前記切欠に対応する箇所には、前記切欠中に突出する凸部が設けられていて、
前記給電部材は、前記凸部から突出して折り曲げられて前記基板の前記配線素子に電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項7】
前記給電部材と一体の前記絶縁部材には、前記放熱部材を取り付けるための弾性取付部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項8】
前記給電部材と一体の前記絶縁部材には、前記放熱部材を取り付けるための弾性取付部と、前記放熱部材を取り付ける際のガイドおよび位置決めを行うガイド位置決め部とが設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項9】
前記放熱部材の一部は、前記絶縁部材から露出している、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項10】
前記基板は、前記放熱部材と接触状態であり、前記絶縁部材と非接触状態である、
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項11】
前記基板は、前記放熱部材に前記給電部材の一部の固定部により機械的に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項12】
前記放熱部材には、同心円形状の放熱部が設けられていて、
前記発光チップは、前記基板を介して、前記放熱部材の前記放熱部に対応する箇所に設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項13】
半導体型光源を光源とする車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている前記請求項1〜12のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、
を備える、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項14】
前記ソケット部は、前記ランプハウジングに取り付けられていて、
前記光源部は、前記灯室内に配置されていて、
前記ソケット部のうち前記ランプハウジングから外側に突出している部分は、前記ソケット部のうち前記灯室内に収納されている部分よりも大である、
ことを特徴とする請求項13に記載の車両用灯具。
【請求項15】
前記取付部は、前記ソケット部の中心軸回りに回転させて前記ランプハウジングに着脱可能に取り付けるための取付部であり、
前記発光チップは、前記ソケット部の中心軸近傍に配置されている、
ことを特徴とする請求項13または14に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2011−171277(P2011−171277A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227967(P2010−227967)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】