説明

車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット、車両用灯具

【課題】従来の光源ユニットでは、大型化する課題と、放熱上の課題とがある。
【解決手段】この発明は、電源側のコネクタ14のコネクタ部13への取付方向Dが光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向O−Oに対して垂直もしくはほぼ垂直である。この結果、この発明は、奥行きスペースを小さくすることができ、発光チップ40〜44、抵抗RS、RT、RP、ダイオードDS、DT、導体51〜57で発生する熱を放熱部材8から外部に効率良く放射させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットに関するものである。また、この発明は、半導体型光源を光源とする車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の光源ユニットは、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の光源ユニットについて説明する。従来の光源ユニットは、LEDと抵抗およびダイオードと導体とを上部コンタクト部および下部コンタクト部で機械的に取り付けかつ電気的に接続し、これらをソケットケーシング内に組み付け、ソケットケーシングに取付部を設けてなるものである。従来の光源ユニットは、ソケットケーシングの取付部により車両用灯具に着脱可能に取り付けられるものである。
【0003】
ところが、従来の光源ユニットは、LEDと抵抗およびダイオードと導体とを上部コンタクト部および下部コンタクト部で機械的に取り付けかつ電気的に接続し、これらをソケットケーシング内に組み付けるものであるから、大型化する傾向にある。しかも、従来の光源ユニットは、LEDおよび抵抗およびダイオードおよび導体で発生する熱を外部に放射する手段が設けられていないので、LEDおよび抵抗およびダイオードおよび導体における放熱上に課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−31076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、従来の光源ユニットでは、大型化する傾向にあるという点と、LEDおよび抵抗およびダイオードおよび導体における放熱上に課題があるという点と、にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、光源部と、光源部が取り付けられているソケット部と、を備え、光源部が、取付面および当接面を有する取付部材と、半導体型光源の発光チップと、発光チップの発光を制御する制御素子と、制御素子を介して発光チップに給電する配線素子と、を備え、発光チップおよび制御素子および配線素子が、取付部材の取付面に取り付けられていて、ソケット部が、絶縁部材と、取付部材の当接面が当接されている当接面を有しかつ光源部で発生する熱を外部に放射させる放熱部材と、光源部に給電する複数本の給電部材と、を備え、放熱部材と給電部材とが、絶縁部材に相互に絶縁状態で組み込まれていて、ソケット部には、電源側のコネクタが機械的に着脱可能に電気的に断続的に取り付けられるコネクタ部が、光源部およびソケット部の中心に対して偏って設けられていて、コネクタ部が、絶縁部材の一部および給電部材の一端部から構成されていて、放熱部材のうち少なくともコネクタ部と反対側の部分が、絶縁部材から露出していて、光源ユニットの車両用灯具への取付方向が、取付部材の取付面に対して垂直もしくはほぼ垂直であり、電源側のコネクタのコネクタ部への取付方向が、光源ユニットの車両用灯具への取付方向に対して垂直もしくはほぼ垂直である、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、給電部材が、光源部およびソケット部の中心に対してコネクタ部側に配置されている、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、コネクタ部が、光源ユニットを車両用灯具に取り付けたときに、光源部およびソケット部の中心に対して下側に位置するように配置されている、ことを特徴とする。
【0009】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、放熱部材のうち少なくとも絶縁部材から露出している部分が、フィン形状をなし、放熱部材のフィン形状の方向が、光源ユニットを車両用灯具に取り付けたときに、空気の流れる方向に一致もしくはほぼ一致する、ことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、複数本の給電部材のうちコネクタ部を構成する一端部が、光源ユニットの車両用灯具への取付方向に対して垂直もしくはほぼ垂直に一列に配置されている、ことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)は、コネクタ部のうち、光源ユニットを車両用灯具に取り付けたときに、車両用灯具と反対側の面以外の面には、電源側のコネクタの取付状態をロックするロック部が設けられている、ことを特徴とする。
【0012】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップおよび制御素子および配線素子を取付部材の取付面に取り付けて光源部を構成し、一方、放熱部材と給電部材とを絶縁部材に相互に絶縁状態で組み込んでソケット部を構成し、取付部材の当接面と放熱部材の当接面とを相互に当接させて、光源部をソケット部に取り付けてなるものである。すなわち、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップと制御素子と配線素子と取付部材から構成されている光源部と、放熱部材と給電部材と絶縁部材から構成されているソケット部とを、一体に組み込んでなるものである。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、LEDと抵抗およびダイオードと導体とを上部コンタクト部および下部コンタクト部で機械的に取り付けかつ電気的に接続し、これらをソケットケーシング内に組み付けてなる従来の光源ユニットと比較して、小型化することができる。
【0014】
特に、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、電源側のコネクタのコネクタ部への取付方向が光源ユニットの車両用灯具への取付方向に対して垂直もしくはほぼ垂直であるから、電源側のコネクタのコネクタ部への取付方向が光源ユニットの車両用灯具への取付方向に対して一直線もしくはほぼ一直線である光源ユニットと比較して、光源部およびソケット部の中心線方向(光源ユニットの中心線方向、光源ユニットの光軸方向、光源ユニットの奥行き方向)の寸法を小さくすることができる。すなわち、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、奥行きスペースを小さくすることができる。
【0015】
しかも、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、光源部の取付部材の当接面とソケット部の放熱部材の当接面とが相互に当接されているので、発光チップおよび制御素子および配線素子で発生する熱が取付部材を介して放熱部材に伝達されてこの放熱部材から外部に放射(発散、拡散、熱放射、熱発散、熱拡散)される。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップおよび制御素子および配線素子における放熱上の課題を解決することができる。
【0016】
特に、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、電源側のコネクタのコネクタ部への取付方向が光源ユニットの車両用灯具への取付方向に対して垂直もしくはほぼ垂直であるから、電源側のコネクタのコネクタ部への取付方向が光源ユニットの車両用灯具への取付方向に対して一直線もしくはほぼ一直線である光源ユニットと比較して、放熱部材が絶縁部材から露出する面(部分)を広く(多く)することができる。すなわち、放熱部材の空気と触れる面(部分)を広く(多く)することができる。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップおよび制御素子および配線素子で発生する熱を放熱部材から外部に効率良く放射させることができるので、発光チップに供給する電流を上げる(高くする、多くする)ことができ、その分、発光チップから放射される光の光束(光度、輝度、照度、光量)を高く(多く)することができる。
【0017】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、給電部材が光源部およびソケット部の中心に対してコネクタ部側に配置されているので、給電部材の一端部と共にコネクタ部を構成する絶縁部材の一部をコネクタ部側に寄せることができる。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、放熱部材が絶縁部材から露出する面(部分)をさらに広く(多く)することができるので、発光チップおよび制御素子および配線素子で発生する熱を放熱部材から外部にさらに効率良く放射させることができる。
【0018】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、コネクタ部が、光源ユニットを車両用灯具に取り付けたときに、光源部およびソケット部の中心に対して下側に位置するように配置されているので、給電部材の一端部と共にコネクタ部を構成する絶縁部材の一部が下側に位置し、一方、絶縁部材から露出する放熱部材が上側に位置する。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、空気が下側から上側に流れる空気の対流により、発光チップおよび制御素子および配線素子で発生する熱を放熱部材から外部にさらに効率良く放射させることができる。
【0019】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、光源ユニットを車両用灯具に取り付けたときに、放熱部材のフィン形状の方向が空気の流れる方向に一致もしくはほぼ一致するので、熱が放熱部材のフィン形状に沿って空気の流れ方向に放射され、放熱効果をさらに向上させることができる。ここで、車両用灯具は、一般的に、ランプハウジングと車両のボディーとの取付の関係上、ランプハウジングもしくはボディーの少なくともいずれか一方にリブや隙間が形成される場合があり、この場合において、空気がリブや隙間に沿って流れる。このために、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、上記の場合において、放熱効果を向上させるのに最適である。
【0020】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、複数本の給電部材のうちコネクタ部を構成する一端部が光源ユニットの車両用灯具への取付方向に対して垂直もしくはほぼ垂直に一列に配置されているので、複数本の給電部材のうちコネクタ部を構成する一端部が光源ユニットの車両用灯具への取付方向に配置されている光源ユニットと比較して、光源部およびソケット部の中心線方向(光源ユニットの中心線方向、光源ユニットの光軸方向、光源ユニットの奥行き方向)の寸法、すなわち、奥行きスペースをさらに小さくすることができる。
【0021】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、コネクタ部のうち光源ユニットを車両用灯具に取り付けたときに車両用灯具と反対側の面以外の面に、電源側のコネクタの取付状態をロックするロック部が設けられているので、コネクタ部のうち光源ユニットを車両用灯具に取り付けたときに車両用灯具と反対側の面に、電源側のコネクタの取付状態をロックするロック部が設けられている光源ユニットと比較して、光源部およびソケット部の中心線方向(光源ユニットの中心線方向、光源ユニットの光軸方向、光源ユニットの奥行き方向)の寸法、すなわち、奥行きスペースをさらに小さくすることができる。
【0022】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、前記の請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと同様の効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例1を示す正面図である。
【図2】図2は、同じく、光源ユニットを示す背面図である。
【図3】図3は、同じく、図1におけるIII−III線断面図である。
【図4】図4は、同じく、図2におけるIV−IV線断面図である。
【図5】図5は、同じく、光源ユニットの光源部と、ソケット部の絶縁部材および放熱部材および給電部材との分解斜視図である。
【図6】図6は、同じく、光源部の取付部材(基板)の取付面を示す正面図である。
【図7】図7は、同じく、光源ユニットの半導体型光源の駆動回路を示す電気回路図である。
【図8】図8は、同じく、光源ユニットを車両用灯具に組み付けた状態を示す縦断面図(垂直断面図)、すなわち、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図9】図9は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例2を示す光源部の取付部材(基板)の正面図である。
【図10】図10は、同じく、光源ユニットの半導体型光源の駆動回路を示す電気回路図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例のうちの2例およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例のうちの2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例1によりこの発明が限定されるものではない。なお、図1、図3〜図5中においては、制御素子および配線素子の図示を省略してある。また、図3(A)は、この発明の光源ユニットの断面図である。図3(B)は、電源側のコネクタのコネクタ部への取付方向が光源ユニットの車両用灯具への取付方向に対して一直線もしくはほぼ一直線である光源ユニットの断面図である。
【実施例1】
【0025】
図1〜図8は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例1およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す。
【0026】
(構成の説明)
以下、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットおよびこの実施例1における車両用灯具の構成について説明する。図8において、符号100は、この実施例1における車両用灯具である。
【0027】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)で第1ランプ機能としてのテールランプ機能と第2ランプ機能としてのストップランプ機能とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能(たとえば、バックアップランプ機能、ターンシグナルランプ機能)と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。
【0028】
前記車両用灯具100は、図8に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、半導体型光源を光源とする光源ユニット、すなわち、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1と、前記光源ユニット1の前記半導体型光源の駆動回路(図7参照)と、を備えるものである。
【0029】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材)から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、透孔104が設けられている。
【0030】
前記ランプレンズ102は、たとえば、光透過性の部材(例えば、透明樹脂部材やガラス部材)から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0031】
前記リフレクタ103は、前記光源ユニット1から放射される光を配光制御する配光制御部材であって、焦点Fを有する。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材や金属部材)から構成されている。前記リフレクタ103は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔106が前記ランプハウジング101の前記透孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。前記ランプハウジング101の前記透孔104は、円形形状をなす。前記透孔104の縁には、複数個の凹部(図示せず)と複数個のストッパ部(図示せず)とがほぼ等間隔に設けられている。
【0032】
(光源ユニット1の説明)
前記光源ユニット1は、図1〜図6に示すように、光源部10と、ソケット部11と、光学部品としてのカバー部12と、を備える。前記光源部10および前記カバー部12は、前記ソケット部11の一端部(上端部)に取り付けられている。前記光源部10は、前記カバー部12によりカバーされている。
【0033】
前記光源ユニット1は、図8に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101にパッキン(Oリング)108を介して着脱可能に取り付けられている。前記光源部10および前記カバー部12が前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0034】
(光源部10の説明)
前記光源部10は、図1〜図6に示すように、取付部材としての基板3と、前記半導体型光源としての複数個この例では5個の発光チップ40、41、42、43、44と、制御素子としての抵抗RS、RT、RPおよびダイオードDS、DTと、配線素子としての導体(パターン、導体パターン)51、52、53、54、55、56、57と、を備えるものである。
【0035】
(基板3の説明)
前記基板3は、図1、図3〜図6に示すように、正面から見てほぼ八角形の板形状をなす。前記基板3の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、前記ソケット部11の給電部材91、92、93が挿通する挿通孔31、32、33がそれぞれ設けられている。前記基板3の一面(正面)には、実装面としての平面の取付面34が設けられている。前記基板3の他面(背面)には、固定面としての平面の当接面35が設けられている。なお、前記挿通孔31〜33は、切欠であっても良い。また、前記基板3の前記取付面34に高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面30を設けても良い。ここで、前記基板3が高反射部材のセラミック製の場合においては、前記高反射面30を設けなくても良いし、あるいは、前記高反射面30を設けても良い。
【0036】
前記基板3前記取付面34には、前記5個の発光チップ40〜44および前記抵抗RS、RT、RPおよび前記ダイオードDS、DTおよび前記導体51〜57が取り付けられている(すなわち、実装、印刷、焼成、蒸着、半田、レーザー溶接、加締め付け、などにより、設けられている)。前記基板3は、固定部材(図示せず)により、前記ソケット部11の放熱部材8に機械的に固定される。前記固定部材としては、前記ソケット部11の給電部材91、92、93、あるいは、接続部材(特願2010−124621参照)、あるいは、ワッシャおよびプレート(特願2010−160133参照)などを使用する。
【0037】
(発光チップ40〜44の説明)
前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例1ではLED)であって、前記5個の発光チップ40〜44からなる。すなわち、前記半導体型光源は、第1ランプ機能としてのテールランプ機能(以下、単に「第1ランプ機能」と称する)の1個の発光チップ40と、第2ランプ機能としてのストップランプ機能(以下、単に「第2ランプ機能」と称する)の4個の発光チップ41、42、43、44と、からなる。前記第1ランプ機能の1個の発光チップ40および前記第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、フリップチップタイプのベアチップからなる。なお、前記5個の発光チップ40〜44は、フリップチップタイプのベアチップ以外に、ワイヤボンディングタイプのベアチップ、あるいは、反射タイプのベアチップであっても良い。
【0038】
前記発光チップ40〜44は、図1、図5〜7に示すように、正面から見て微小な矩形(正方形もしくは長方形)形状の半導体チップ(光源チップ)からなる。前記発光チップ40〜44の一面(背面) の対角線上の2個の角部には、電極(図示せず)がそれぞれ設けられている。前記発光チップ40〜44の一面を前記基板3の前記取付面34に実装して、前記発光チップ40〜44の前記電極と前記基板3の前記導体51〜57とを電気的に接続する。前記5個の発光チップ40〜44は、前記基板3に実装されている面以外の正面および側面から光を放射する。
【0039】
前記5個の発光チップ40〜44は、図1に示すように、光学系の前記リフレクタ103の焦点F、および、前記光源ユニット1の中心O近傍に左右方向に1列に、光源バルブ(電球)のフィラメントもしくは放電電球(HIDランプ)のアーク放電による発光とほぼ同様になるように、配置されている。前記光源ユニット1の中心Oは、前記光源部10の中心O、前記ソケット部11の中心O、前記基板3の中心O、後記放熱部材8の中心O、前記光源ユニット1の取付回転中心O、前記光源ユニット1の中心線O−O、前記光源ユニット1の光軸O−Oである。
【0040】
前記第1ランプ機能の1個の発光チップ40は、前記第2ランプ機能の右側の2個の発光チップ41、42と前記第2ランプ機能の左側の2個の発光チップ43、44との間に近接して位置する。前記第1ランプ機能の1個の発光チップ40には、小電流が供給され、前記第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44には、大電流が供給される。前記第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、順方向に直列に接続されている。
【0041】
(抵抗RS、RT、RPの説明)
前記抵抗RS、RT、RPは、たとえば、薄膜抵抗もしくは厚膜抵抗もしくはSMDタイプの抵抗などからなる。前記抵抗RS、RTは、所定の駆動電流の値を得るための調整用の抵抗である。すなわち、前記発光チップ40〜44のVf(順方向電圧特性)のばらつきにより、前記発光チップ40〜44に供給される駆動電流の値が変化して前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)においてばらつきが発生する。このために、前記抵抗RS、RTの値を調整して(トリミングして)前記発光チップ40〜44に供給される駆動電流の値を所定値にほぼ一定に設定することにより、前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)のばらつきを調整(吸収)することができる。あるいは、直接、前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)をモニターしながら前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)が一定になるように前記抵抗RS、RTの値をトリミング調整することができる。前記トリミングは、たとえば、レーザーで前記抵抗RS、RTの一部を切り欠いてあるいは全部を切り欠いて(オープン)抵抗値を調整するものである。なお、オープンおよびトリミングにより抵抗値は増加する。
【0042】
前記抵抗RPは、ストップランプの光源である前記第2機能の4個の前記発光チップ41〜44の断線を検出するためのプルダウン抵抗である。前記抵抗RPは、ストップランプ機能の前記ダイオードDSの後段(カソード側)と、グランド側の前記給電部材93との間に直列に接続されている。
【0043】
前記第1ランプ機能の1個の発光チップ40に直列に接続されている前記抵抗RTと、前記第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44に直列に接続されている前記抵抗RSと、前記ストップランプ機能のダイオードDSの後段に直列に接続されている前記抵抗RPとは、それぞれ1個、3個、2個配置されているが、抵抗の容量および調整する抵抗の可変幅により、配置する個数を変える場合がある。すなわち、前記抵抗RS、RT、RPの個数は、限定しない。
【0044】
前記大電流供給のストップランプ機能の発熱容量が大きい前記抵抗RSは、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に取り付けたとき(図8参照)に、5個の前記発光チップ40〜44よりも上位の位置に位置するように配置されている。これは、熱が上昇する性質を利用することにより、前記抵抗RSにおいて発生した熱を、5個の前記発光チップ40〜44に影響を与えずに、上方に逃がすことができる。
【0045】
(ダイオードDS、DTの説明)
前記ダイオードDS、DTは、たとえば、ベアチップダイオードもしくはSMDダイオードなどからなる。前記第1ランプ機能の1個の発光チップ40と前記抵抗RTとに直列に接続されているダイオードDTと、前記第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44と前記抵抗RSとに直列に接続されているダイオードDSとは、逆接防止機能および逆方向からのパルスノイズ保護機能のダイオードである。
【0046】
(導体51〜57の説明)
前記導体51〜57は、たとえば、導電性部材の薄膜配線もしくは厚膜配線などからなる。配線素子としての前記導体51〜57は、制御素子としての前記抵抗RS、RT、RPおよび前記ダイオードDS、DTを介して前記発光チップ40〜44に給電するものである。
【0047】
(発光チップ40〜44、抵抗RS、RT、RP、ダイオードDS、DT、導体51〜57のレイアウトの説明および駆動回路の説明)
前記5個の発光チップ40〜44および前記抵抗RS、RT、RPおよび前記ダイオードDS、DTおよび前記導体51〜57は、図6のレイアウト図および図7の電気回路図に示すように、配置されていてかつ接続されている。
【0048】
第1導体51には、前記第1ランプ機能の発光チップ40と抵抗RTとダイオードDTとが直列に配置接続されている。第2導体52には、前記第1ランプ機能の発光チップ40と前記第2ランプ機能の発光チップ44とがそれぞれ接続されている。第3導体53には、前記第2ランプ機能の発光チップ41と抵抗RSとダイオードDSとが直列に配置接続されている。第4導体54には、前記第2ランプ機能の発光チップ42が接続されている。第5導体55には、前記第2ランプ機能の発光チップ43が接続されている。第6導体56には、前記第2ランプ機能の発光チップ44が接続されている。第7導体57には、前記抵抗RPが接続されている。前記第7導体57は、前記第3導体53の前記ダイオードDSの後段(カソード)側と、前記第2導体52とに接続されている。
【0049】
(ソケット部11の説明)
前記ソケット部11は、図1〜図5、図8に示すように、絶縁部材7と、放熱部材8と、3本の給電部材91、92、93と、を備えるものである。熱伝導性と導電性を有する前記放熱部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7中に、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。
【0050】
前記ソケット部11は、前記絶縁部材7と、前記放熱部材8と、前記給電部材91〜93との一体構造からなるものである。たとえば、前記絶縁部材7と前記放熱部材8と前記給電部材91〜93とをインサート成形(一体成形)により一体に構成している構造である。あるいは、前記絶縁部材7と前記給電部材91〜93とをインサート成形(一体成形)により一体に構成して、前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93に前記放熱部材8を一体に取り付けてなる構造である。あるいは、前記絶縁部材7に前記給電部材91〜93を一体に組み付け、前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93に前記放熱部材8を一体に取り付けてなる構造である。
【0051】
(絶縁部材7の説明)
前記絶縁部材7は、たとえば、絶縁性の樹脂部材からなる。前記絶縁部材7は、外径が前記ランプハウジング101の前記透孔104の内径より若干小さいほぼ円筒形状をなす。前記絶縁部材7の一端部(前端部)には、鍔部71が一体に設けられている。前記絶縁部材7の一端部(前端部)には、複数個この例では4個の前記取付部70が、前記ランプハウジング101の前記凹部と対応させて、一体に設けられている。
【0052】
前記取付部70は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に着脱可能に取り付けるためのものである。すなわち、前記ソケット部11の前記カバー12側の一部および前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記凹部中に挿入する。その状態で、前記ソケット部11を中心線O−O回りに回転させて、前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記ストッパ部に当てる。この時点において、前記取付部70と前記鍔部71とが前記パッキン108を介して前記ランプハウジング101の前記透孔104の縁部を上下から挟み込む(図8参照)。
【0053】
この結果、前記光源ユニット1の前記ソケット部11は、図8に示すように、前記車両用灯具100の前記ランプハウジング101に前記パッキン108を介して着脱可能に取り付けられる。この時点において、図8に示すように、前記ソケット部11のうち前記ランプハウジング101から外側に突出している部分(図8中の前記ランプハウジング101よりも後側の部分)が前記ソケット部11のうち前記灯室105内に収納されている部分(図8中の前記ランプハウジング101よりも前側の部分)よりも大である。
【0054】
前記ソケット部11の前記取付部70により、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に着脱可能に取り付けることができる。すなわち、前記光源ユニット1は、車両用灯具100に対して交換可能である。なお、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に固定的に取り付けても良い。
【0055】
(コネクタ部13の説明)
前記ソケット部11には、光源側のコネクタ部13が一体に設けられている。前記コネクタ部13は、電源側のコネクタ14が機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられるためのものである。
【0056】
前記コネクタ部13は、前記絶縁部材7の一部および前記給電部材91、92、93の一端部(後端部)のオスターミナル910、920、930から構成されている。前記コネクタ部13は、前記光源ユニット1の中心O(前記光源部10の中心Oおよび前記ソケット部11の中心O)に対して偏って設けられている。
【0057】
すなわち、前記コネクタ部13は、図8に示すように、前記取付部70により前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に取り付けたときに、前記光源ユニット1の中心O(前記光源部10の中心Oおよび前記ソケット部11の中心O)に対して下側に偏って設けられている。この結果、前記コネクタ部13は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に取り付けたときに、前記光源ユニット1の中心Oに対して下側に位置する。
【0058】
前記コネクタ部13のうち、図8に示すように、前記取付部70により前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に取り付けたときに、前記車両用灯具100と反対側の面(後面)以外の面には、凸部形状のロック部73が一体に設けられている。前記ロック部73は、前記電源側のコネクタ14の取付状態をロックするものである。前記ロック部73は、図1中の実線で示すように、前記コネクタ部13の左右両側面に設けても良いし、あるいは、図1中の二点鎖線に示すように、前記コネクタ部13の前面に設けも良いし、あるいは、前記コネクタ部13の左右両側面および前面に設けても良い。
【0059】
前記コネクタ部13の下面には、開口部74が設けられている。前記開口部74は、前記電源側のコネクタ14のメスターミナル(めす型端子)141、142、143が前記コネクタ部13の前記給電部材91、92、93の一端部のオスターミナル(おす型端子)910、920、930に電気的に接続するためのものである。
【0060】
(光源ユニット1の取付方向O−Oと電源側のコネクタ14の取付方向Dとの説明)
前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に取り付ける方向O−Oは、前記光源ユニット1の前記ソケット部11の前記カバー12側の一部および前記取付部70を前記車両用灯具100の前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記凹部中に挿入する方向O−Oである。前記光源ユニット1の前記前記車両用灯具100への取付方向O−Oは、前記基板3の前記取付面34に対して垂直もしくはほぼ垂直である。
【0061】
前記電源側のコネクタ4を前記コネクタ部13に取り付ける方向Dは、前記電源側のコネクタ14のメスターミナル141〜143を前記コネクタ部13の下面の開口部74に挿入する方向Dである。前記電源側のコネクタ4の前記コネクタ部13への取付方向Dは、前記光源ユニット1の前記前記車両用灯具100への取付方向O−Oに対して垂直もしくはほぼ垂直である。すなわち、前記光源ユニット1の取付方向O−Oと前記電源側のコネクタ14の取付方向Dとは、直角にもしくはほぼ直角に交差する。
【0062】
(放熱部材8の説明)
前記放熱部材8は、前記光源部10で発生する熱を外部に放射させるものである。前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性(導電性をも有する)のアルミダイカストや樹脂部材からなる。前記放熱部材8は、一端部(前端部)が平板形状をなし、中間部から他端部(後端部)にかけてフィン形状をなす。前記放熱部材8の一端部の前面には、当接面80が設けられている。前記放熱部材8の当接面80には、前記基板3の前記当接面35が相互に当接されている状態で、熱伝導性媒体(図示せず)により接着されている。この結果、前記発光チップ40〜44は、前記基板3を介して前記放熱部材8の中心O近傍に左右方向に1列に位置する。
【0063】
前記熱伝導性媒体は、たとえば、熱伝導性接着剤であって、材質として、エポキシ系樹脂接着剤、シリコン系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤などからなり、形態として、液状形態、流動状形態、テープ形態などからなる。なお、前記熱伝導性媒体は、熱伝導性接着剤のほかに、熱伝導性グリースであっても良い。
【0064】
前記放熱部材8の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、切欠81、82、83が、前記基板3の前記挿通孔31〜33にそれぞれ対応して設けられている。前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記挿通孔31〜33には、前記3本の給電部材91〜93がそれぞれ配置している。前記放熱部材8と前記給電部材91〜93との間には、前記絶縁部材7が介在している。前記放熱部材8は、前記絶縁部材7に密着している。前記給電部材91〜93は、前記絶縁部材7に密着している。
【0065】
図3(A)に示すように、前記放熱部材8のうち少なくとも前記コネクタ部13と反対側の部分すなわち上側部分であって他端部(後端部)は、前記絶縁部材7から露出している。前記放熱部材8のうち少なくとも前記絶縁部材7から露出している部分すなわち上側部分であって他端部(後端部)は、フィン形状をなしている。前記放熱部材8のフィン形状の方向は、前記光源ユニット1を前記取付部70により前記車両用灯具100に取り付けたときに、空気の流れる方向すなわち上下方向(垂直方向)に一致もしくはほぼ一致する。
【0066】
(給電部材91〜93の説明)
前記給電部材91〜93は、前記光源部10に給電するものである。前記給電部材91〜93は、たとえば、導電性の金属部材からなる。前記給電部材91〜93は、前記放熱部材8の切欠81〜83にそれぞれ位置する。前記給電部材91〜93は、ほぼ中間部において直角にもしくはほぼ直角(垂直にもしくはほぼ垂直)に折り曲げられている。なお、前記第1給電部材91および前記第2給電部材92は、中間部において、内側に直角にもしくはほぼ直角に折り曲げられていて、かつ、下側に直角にもしくはほぼ直角に折り曲げられている。
【0067】
下側に折り曲げられている前記給電部材91〜93の一端部(後端部)は、前記光源ユニット1の前記ソケット部11の下側に位置する前記コネクタ部13の前記開口部74中に配置されていて、前記コネクタ部13の前記オスターミナル(おす型端子)910〜930を構成する。
【0068】
前側に折り曲げられている前記給電部材91、92、93の他端部(前端部)は、前記基板3の前記挿通孔31、32、33にそれぞれ位置していて、接続部911、921、931を構成する。前記給電部材91〜93の接続部911〜931は、図6に示すように、前記導体51、52、53に、直接もしくは前記固定部材の接続部材あるいはプレートを介して、それぞれ電気的に接続されている。この結果、前記光源部10は、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(前端開口部)に取り付けられる。
【0069】
前記第1ランプ機能の1個の発光チップ40のグランドと、前記第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44のグランドとは、共通のグランドである。前記共通のグランドは、前記グランド側の給電部材92からなる。前記共通のグランドとしての前記グランド側の給電部材92は、前記基板3のうち、前記第1ランプ機能の1個の発光チップ40および前記第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44の下側に位置する。
【0070】
図1、図3に示すように、前記給電部材91〜93は、前記光源ユニット1の前記光源部10および前記ソケット部11の中心O(図1、図2中の中心Oを通る二点鎖線の水平線)に対して前記コネクタ部13側すなわち下側に配置されている。図2、図3に示すように、3本の前記給電部材91〜93のうち前記コネクタ部13を構成するいったん部のオスターミナル910〜930は、前記コネクタ部13の前記開口部74中において、前記光源ユニット1の前記前記車両用灯具100への取付方向O−O、および、前記電源側のコネクタ4の前記コネクタ部13への取付方向Dに対して、垂直もしくはほぼ垂直にすなわち図2に示すように左右に一列に配置されている。
【0071】
(コネクタ部13およびコネクタ14の説明)
前記コネクタ14には、前記コネクタ部13の前記オスターミナル910〜930に電気的に断続する前記メスターミナル(めす型端子)141、142、143が設けられている。前記コネクタ14を前記コネクタ部13に取り付けることにより、前記メスターミナル141〜143が前記オスターミナル910〜930に電気的に接続する。また、前記コネクタ14を前記コネクタ部13から取り外すことにより、前記メスターミナル141〜143と前記オスターミナル910〜930との電気的接続が遮断される。
【0072】
図7、図8に示すように、前記コネクタ14の前記第1メスターミナル141および前記第2メスターミナル142は、ハーネス144、145およびスイッチSWを介して電源(直流電源のバッテリー)15に接続されている。前記コネクタ14の前記第3メスターミナル143は、ハーネス146を介してアースされている(グランドされている)。前記コネクタ部13および前記コネクタ14は、3ピン(前記3本の給電部材91〜93、前記3本のオスターミナル910〜930、前記3本のメスターミナル141〜143)タイプのコネクタ部およびコネクタである。
【0073】
(スイッチの説明)
前記スイッチSWは、可動接点150と、第1固定接点151と、第2固定接点152と、第3固定接点153と、共通固定接点154と、からなる3位置切替スイッチである。
【0074】
前記可動接点150が第1固定接点151の位置に切り替わっているとき(図7中の一点鎖線に示す状態のとき)には、電源15からの電流(駆動電流)が前記第1ランプ機能のダイオードDTと抵抗RTとを経て前記第1ランプ機能の1個の発光チップ40に供給されている状態である。すなわち、前記第1ランプ機能の1個の発光チップ40は、前記第1ランプ機能のダイオードDTと抵抗RTを経て駆動電流が供給されている。
【0075】
前記可動接点150が第2固定接点152の位置に切り替わっているとき(図7中の二点鎖線に示す状態のとき)には、電源15からの電流(駆動電流)が前記第2ランプ機能のダイオードDSと抵抗RSとを経て前記第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給されている状態である。すなわち、前記第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、前記第2ランプ機能のダイオードDSと抵抗RSとを経て駆動電流が供給されている。
【0076】
前記可動接点150が第3固定接点153の位置に切り替わっているとき(図7中の実線に示す状態のとき)には、前記5個の発光チップ40〜44への電流供給が遮断されている状態である。
【0077】
(カバー部12の説明)
前記カバー部12は、光透過性部材からなる。前記カバー部12には、前記5個の発光チップ40〜44からの光を光学制御して射出するプリズムなどの光学制御部(図示せず)が設けられている。前記カバー部12は、光学部品である。
【0078】
前記カバー部12は、図8に示すように、前記光源部10をカバーするように、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられている。前記カバー部12は、前記封止部材180と共に、前記5個の発光チップ40〜44を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぐものである。すなわち、前記カバー部12は、前記5個の発光チップ40〜44を外乱から保護するものである。また、前記カバー部12は、前記5個の発光チップ40〜44以外に、前記制御素子としての前記抵抗RS、RT、RP、前記ダイオードDS、DTおよび前記配線素子としての前記導体51〜57をも外乱から保護するものである。なお、前記カバー部12には、通気孔(図示せず)を設ける場合がある。
【0079】
(作用の説明)
この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1およびこの実施例1における車両用灯具100(以下、「この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0080】
まず、スイッチSWの可動接点150を第1固定接点151に切り替える。すると、電源15からの電流(駆動電流)は、第1ランプ機能のダイオードDTと抵抗RTとを経て、第1ランプ機能の1個の発光チップ40に供給される。この結果、第1ランプ機能の1個の発光チップ40が発光する。
【0081】
この第1ランプ機能の1個の発光チップ40から放射された光は、光源ユニット1の封止部材およびカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ40から放射された光の一部は、基板3の高反射面でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、第1ランプ機能としてのテールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0082】
つぎに、スイッチSWの可動接点150を第2固定接点152に切り替える。すると、電源15からの電流(駆動電流)は、第2ランプ機能のダイオードDSと抵抗RSとを経て、第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給される。この結果、第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44が発光する。
【0083】
この第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44から放射された光は、光源ユニット1の封止部材およびカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ41〜44から放射された光の一部は、基板3の高反射面でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、第2ランプ機能としてのストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい(光束、輝度、光度、照度が大である)。
【0084】
それから、スイッチSWの可動接点150を第3固定接点153に切り替える。すると、電流(駆動電流)が遮断される。この結果、1個の発光チップ40もしくは4個の発光チップ41〜44は、消光する。これにより、車両用灯具100は、消灯する。
【0085】
そして、光源部10の発光チップ40〜44および抵抗RT、RS、RPおよびダイオードDT、DSおよび導体51〜57において発生した熱は、基板3および熱伝導性媒体を介して放熱部材8に伝達し、この放熱部材8から外部に放射される。また、第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44のうち少なくとも1個が断線すると、車両側のシステムがプルダウン抵抗RPの状態変化により第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44のうち少なくとも1個の断線を検出することができる。
【0086】
(効果の説明)
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0087】
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44および制御素子としての抵抗RS、RT、RP、ダイオードDS、DTおよび配線素子としての導体51〜57を取付部材としての基板3の取付面34に取り付けて光源部10を構成し、一方、放熱部材8と給電部材91〜93とを絶縁部材7に相互に絶縁状態で組み込んでソケット部11を構成し、基板3の当接面35と放熱部材8の当接面80とを相互に当接させて、光源部10をソケット部11に取り付けてなるものである。すなわち、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44と抵抗RS、RT、RP、ダイオードDS、DTと導体51〜57と基板3から構成されている光源部10と、放熱部材8と給電部材91〜93と絶縁部材7から構成されているソケット部11とを、一体に組み込んでなるものである。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、LEDと抵抗およびダイオードと導体とを上部コンタクト部および下部コンタクト部で機械的に取り付けかつ電気的に接続し、これらをソケットケーシング内に組み付けてなる従来の光源ユニットと比較して、小型化することができる。
【0088】
特に、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、電源側のコネクタ14のコネクタ部13への取付方向Dが光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向O−Oに対して垂直もしくはほぼ垂直であるから、電源側のコネクタ14のコネクタ部13への取付方向Dが光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向O−Oに対して一直線もしくはほぼ一直線である光源ユニット1A(図3(B)参照)と比較して、光源部10およびソケット部11の中心線O−O方向(光源ユニット1の中心線O−O方向、光源ユニット1の光軸O−O方向、光源ユニット1の奥行き方向)の寸法を、図3、図4に示すように、Aの寸法の分、小さくすることができる。すなわち、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、奥行きスペースを小さくすることができる。
【0089】
すなわち、図3(A)のこの実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、給電部材91〜93の一端部のオスターミナル910〜930と給電部材91〜93の他端部の接続部911〜931とが中間部において取付方向Dと中心線O−O方向とに直角にもしくはほぼ直角に折り曲げられている。これに対して、図3(B)の光源ユニット1Aは、給電部材91〜93の一端部のオスターミナル910〜930と給電部材91〜93の他端部の接続部911〜931とが中心線O−O方向にほぼ一直線をなしている。この結果、図3(A)のこの実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図3(B)の光源ユニット1Aと比較して、光源ユニット1、1Aの奥行き方向の寸法を小さくすることができる。
【0090】
しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、光源部10の基板3の当接面35とソケット部11の放熱部材8の当接面80とが相互に当接されているので、発光チップ40〜44、抵抗RS、RT、RP、ダイオードDS、DT、導体51〜57で発生する熱が基板3を介して放熱部材8に伝達されてこの放熱部材8から外部に放射(発散、拡散、熱放射、熱発散、熱拡散)される。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44、抵抗RS、RT、RP、ダイオードDS、DT、導体51〜57における放熱上の課題を解決することができる。
【0091】
特に、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、電源側のコネクタ14のコネクタ部13への取付方向Dが光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向O−Oに対して垂直もしくはほぼ垂直であるから、電源側のコネクタ14のコネクタ部13への取付方向Dが光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向O−Oに対して一直線もしくはほぼ一直線である光源ユニット1A(図3(B)参照)と比較して、放熱部材8が絶縁部材7から露出する面(部分)を、図2、図3(A)のBおよび図3(B)のCに示すように、B−Cの分、広く(多く)することができる。すなわち、放熱部材8の空気と触れる面(部分)を広く(多く)することができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44、抵抗RS、RT、RP、ダイオードDS、DT、導体51〜57で発生する熱を放熱部材8から外部に効率良く放射させることができるので、発光チップ40〜44に供給する電流を上げる(高くする、多くする)ことができ、その分、同容量の発光チップと比較して、発光チップ40〜44から放射される光の光束(光度、輝度、照度、光量)を高く(多く)することができる。
【0092】
すなわち、図3(A)のこの実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、給電部材91〜93のオスターミナル910〜930が中心線O−O方向に対して取付方向Dに直角にもしくはほぼ直角に折り曲げられている。これに対して、図3(B)の光源ユニット1Aは、給電部材91〜93のオスターミナル910〜930が中心線O−O方向にほぼ一直線をなしている。この結果、図3(A)のこの実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、図3(B)の光源ユニット1Aと比較して、給電部材91〜93のオスターミナル910〜930を囲う絶縁部材7のコネクタ部13により覆われる放熱部材8の面を小さくすることができる。すなわち、放熱部材8が絶縁部材7から露出する面を広くすることができる。
【0093】
また、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、給電部材91〜93が光源部10およびソケット部11の中心Oに対してコネクタ部13側に配置されているので、給電部材91〜93のオスターミナル910〜930と共にコネクタ部13を構成する絶縁部材7の一部をコネクタ部13側に寄せることができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、放熱部材8が絶縁部材7から露出する面(部分)Bをさらに広く(多く)することができるので、発光チップ40〜44、抵抗RS、RT、RP、ダイオードDS、DT、導体51〜57で発生する熱を放熱部材8から外部にさらに効率良く放射させることができる。
【0094】
さらに、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、コネクタ部13が、光源ユニット1を車両用灯具100に取り付けたときに、光源部10およびソケット部11の中心Oに対して下側に位置するように配置されているので、給電部材91〜93のオスターミナル910〜930と共にコネクタ部13を構成する絶縁部材7の一部が下側に位置し、一方、絶縁部材7から露出する放熱部材8が上側に位置する。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、空気が下側から上側に流れる空気の対流により、発光チップ40〜44、抵抗RS、RT、RP、ダイオードDS、DT、導体51〜57で発生する熱を放熱部材から外部にさらに効率良く放射させることができる。
【0095】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、光源ユニット1を車両用灯具100に取り付けたときに、放熱部材8のフィン形状の方向が空気の流れる方向に一致もしくはほぼ一致するので、熱が放熱部材8のフィン形状に沿って空気の流れ方向に放射され、放熱効果をさらに向上させることができる。ここで、車両用灯具100は、一般的に、ランプハウジング101と車両のボディーとの取付の関係上、ランプハウジング101もしくはボディーの少なくともいずれか一方にリブや隙間が形成される場合があり、この場合において、空気がリブや隙間に沿って流れる。このために、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、上記の場合において、放熱効果を向上させるのに最適である。
【0096】
特に、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、光源ユニット1を車両用灯具100に取り付けたときに、放熱部材8のフィン形状の方向が上下方向(垂直方向)に一致もしくはほぼ一致するので、空気が下側から上側に流れる空気の対流により、発光チップ40〜44、抵抗RS、RT、RP、ダイオードDS、DT、導体51〜57で発生する熱を放熱部材から外部にさらに効率良く放射させることができる。
【0097】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、3本の給電部材91〜93のうちコネクタ部13を構成するオスターミナル910〜930が光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向O−O、および、電源側のコネクタ14のコネクタ部13への取付方向Dに対して垂直もしくはほぼ垂直、すなわち、左右方向に一列に配置されているので、3本の給電部材91〜93のうちコネクタ部13を構成するオスターミナル910〜930が光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向O−Oに配置されている光源ユニット1A(図3(B)参照)と比較して、光源部10およびソケット部11の中心線O−O方向(光源ユニット1の中心線O−O方向(光軸O−O方向)、光源ユニット1の奥行き方向)の寸法、すなわち、奥行きスペースをさらに小さくすることができる。
【0098】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、コネクタ部13のうち光源ユニット1を車両用灯具100に取り付けたときに車両用灯具100と反対側の面(後面)以外の面(左右両側面、前面のうち少なくともいずれか一方の面)に、電源側のコネクタ14の取付状態をロックするロック部73が設けられているので、コネクタ部13のうち光源ユニット1を車両用灯具100に取り付けたときに車両用灯具100と反対側の面(光面)に、電源側のコネクタ14の取付状態をロックするロック部73が設けられている光源ユニット(図示せず)と比較して、光源部10およびソケット部11の中心線O−O方向(光源ユニット1の中心線O−O方向(光軸O−O方向)、光源ユニット1の奥行き方向)の寸法、すなわち、奥行きスペースをさらに小さくすることができる。
【実施例2】
【0099】
図9、図10は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例2およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例2を示す。図中、図1〜図8と同符号は、同一のものを示す。
【0100】
前記の実施例1の光源ユニット1および車両用灯具100は、1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記の実施例1の光源ユニット1および車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)で第1ランプ機能としてのテールランプ機能と第2ランプ機能としてのストップランプ機能とを併用するものである。すなわち、複機能(多機能)ランプである。これに対して、この実施例2の光源ユニットおよび車両用灯具は、単機能(一機能)ランプである。すなわち、この実施例2の光源ユニットおよび車両用灯具は、ターンシグナルランプ、バックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、ヘッドランプのロービームランプ(すれ違い用ヘッドランプ)、ヘッドランプのハイビームランプ(走行用ヘッドランプ)、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプ、ディタイムランニングランプなどである。
【0101】
図9のレイアウト図および図10の電気回路図に示すように、前記の図6のレイアウト図および図7の電気回路図中における第1ランプ機能の1個の発光チップ40、第1導体51、抵抗RT、ダイオードDT、第1給電部材91を省略してなるものである。
【0102】
なお、図9のレイアウト図および図10の電気回路図において、グランドとして使用している第3給電部材93の代わりに、前記の図6のレイアウト図および図7の電気回路図中における第1給電部材91をグランドとして使用しても良い。
【0103】
また、前記の図6のレイアウト図および図7の電気回路図中における第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44、第3導体51〜第6導体56、抵抗RS、ダイオードDS、第2給電部材92を省略しても良い。この場合において、グランドとして使用している第3給電部材93の代わりに第2給電部材92をグランドして使用しても良い。
【0104】
さらに、第1ランプ機能の1個の発光チップ40、第1導体51、抵抗RT、ダイオードDT、あるいは、第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44、第3導体51〜第6導体56、抵抗RS、ダイオードDSを省略して、第1ランプ機能の第1給電部材91あるいは第2ランプ機能の第2給電部材92をそのまま残しておいても良い。または、第1ランプ機能の第1給電部材91のみあるいは第2ランプ機能の第2給電部材92のみを省略して、第1ランプ機能の1個の発光チップ40、第1導体51、抵抗RT、ダイオードDT、あるいは、第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44、第3導体51〜第6導体56、抵抗RS、ダイオードDSをそのまま残しておいても良い。
【0105】
(実施例1、2以外の例の説明)
なお、前記の実施例1においては、第1ランプ機能の発光チップとして1個の発光チップ40を、第2ランプ機能の発光チップとして4個の発光チップ41〜44を、それぞれ使用するものである。ところが、この発明においては、第1ランプ機能の発光チップとして2個以上の発光チップを使用しても良いし、第2ランプ機能の発光チップとして1個、2個、3個、5個以上の発光チップを使用しても良い。テールランプ機能の第1ランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウト、および、ストップランプ機能の第2ランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。しかも、単機能ランプに使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。
【0106】
また、前記の実施例2においては、4個の発光チップ41〜44(もしくは1個の発光チップ40)を1つのランプ機能を有するランプに使用するものである。ところが、この発明においては、1つのランプ機能を有するランプに使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。
【0107】
さらに、前記の実施例1においては、テール・ストップランプの2つのランプ機能を有するランプに使用するものである。ところが、この発明においては、テール・ストップランプ以外のコンビネーションランプすなわち2つのランプ機能を有するランプにも使用することができる。たとえば、ディタイムランニングランプとロービームランプ(すれ違い用ヘッドランプ)とのコンビネーションランプなどがある。すなわち、小電流が供給され発光量が小さい発光チップと大電流が供給され発光量が大きい発光チップとからなる光源ユニットが、恰も、発光量が小さいサブフィラメントと発光量が大きいメインフィラメントとからなるダブルフィラメントの光源ユニットと同様の作用をなすものである。
【0108】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、基板3の取付面34に封止部材(図示せず)を設けるものである。ところが、この発明においては、基板3の取付面34に5個の発光チップ40〜44もしくは4個の発光チップ41〜44を囲う土手部材を設け、この土手部材中に封止部材を設けたもの(特願2010−172591参照)であっても良い。また、この土手部材に光学部材を設けたもの(特願2010−172592参照)であっても良い。
【0109】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、基板3が1枚ものから構成されているものである。ところが、この発明においては、基板を2分割したもの(特願2010−186526参照)であっても良い。
【0110】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、カバー部12、ランプレンズ102により配光制御するものである。ところが、この発明においては、カバー部12、ランプレンズ102のうち少なくともいずれか一方により、あるいは、反射面やレンズなどにより、配光制御するようにしても良い。
【0111】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、取付部材としての基板3の取付面34に、発光チップ40〜44、配線素子の導体51〜57、抵抗RT、RS、RP、ダイオードDT、DSを実装したものである。ところが、この発明においては、基板3を使用せずに、放熱部材8の取付面(当接面80)に絶縁層を介して発光チップ40〜44、配線素子の導体51〜57、抵抗RT、〜RS、RP、ダイオードDT、DSを実装したものであっても良い。この場合において、放熱部材8が取付部材となる。
【0112】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、コネクタ14として、コネクタ部13に機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられる3ピンタイプあるいは2ピンタイプの標準品(規格品)を使用するものである。ところが、この発明においては、コネクタとして、コネクタ部13の構造に合わせた特注品(規格外)であっても良い。
【符号の説明】
【0113】
1 光源ユニット
10 光源部
11 ソケット部
12 カバー部(光学部品)
13 コネクタ部
14 コネクタ
141、142、143 メスターミナル
144、145、146 ハーネス
15 電源
150 可動接点
151 第1固定接点
152 第2固定接点
153 第3固定接点
154 共通固定接点
100 車両用灯具
101 ランプハウジング
102 ランプレンズ
103 リフレクタ
104 透孔
105 灯室
106 透孔
107 反射面
108 パッキン
3 基板
30 高反射面
31、32、33 挿通孔
34 取付面(実装面)
35 当接面(固定面)
40 第1ランプ機能の発光チップ
41、42、43、44 第2ランプ機能の発光チップ
51、52、53、54、55、56、57 導体(配線素子)
7 絶縁部材
70 取付部
71 鍔部
73 ロック部
74 開口部
8 放熱部材
80 当接面(固定面)
81、82、83 切欠
91、92、93 給電部材
910、920、930 オスターミナル
911、921、931 接続部
F 焦点
O 中心
O−O 中心線、光源ユニットの車両用灯具への取付方向
RS、RT、RP 抵抗(制御素子)
DS、DT ダイオード(制御素子)
SW スイッチ
A 奥行き寸法を小さくした分
B 放熱部材が絶縁部材から大きく露出する部分
C 放熱部材が絶縁部材から小さく露出する部分
D 電源側のコネクタのコネクタ部への取付方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットにおいて、
光源部と、前記光源部が取り付けられているソケット部と、を備え、
前記光源部は、取付面および当接面を有する取付部材と、半導体型光源の発光チップと、前記発光チップの発光を制御する制御素子と、前記制御素子を介して前記発光チップに給電する配線素子と、を備え、前記発光チップおよび前記制御素子および前記配線素子は、前記取付部材の前記取付面に取り付けられていて、
前記ソケット部は、絶縁部材と、前記取付部材の前記当接面が当接されている当接面を有しかつ前記光源部で発生する熱を外部に放射させる放熱部材と、前記光源部に給電する複数本の給電部材と、を備え、前記放熱部材と前記給電部材とは、前記絶縁部材に相互に絶縁状態で組み込まれていて、
前記ソケット部には、電源側のコネクタが機械的に着脱可能に電気的に断続的に取り付けられるコネクタ部が、前記光源部および前記ソケット部の中心に対して偏って設けられていて、
前記コネクタ部は、前記絶縁部材の一部および前記給電部材の一端部から構成されていて、
前記放熱部材のうち少なくとも前記コネクタ部と反対側の部分は、前記絶縁部材から露出していて、
前記光源ユニットの前記車両用灯具への取付方向は、前記取付部材の前記取付面に対して垂直もしくはほぼ垂直であり、
前記電源側のコネクタの前記コネクタ部への取付方向は、前記光源ユニットの前記車両用灯具への取付方向に対して垂直もしくはほぼ垂直である、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項2】
前記給電部材は、前記光源部および前記ソケット部の中心に対して前記コネクタ部側に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項3】
前記コネクタ部は、前記取付部により前記車両用灯具に取り付けたときに、前記光源部および前記ソケット部の中心に対して下側に位置するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項4】
前記放熱部材のうち少なくとも前記絶縁部材から露出している部分は、フィン形状をなし、
前記放熱部材のフィン形状の方向は、前記取付部により前記車両用灯具に取り付けたときに、空気の流れる方向に一致もしくはほぼ一致する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項5】
複数本の前記給電部材のうち前記コネクタ部を構成する一端部は、前記光源ユニットの前記車両用灯具への取付方向に対して垂直もしくはほぼ垂直に一列に配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項6】
前記コネクタ部のうち、前記取付部により前記車両用灯具に取り付けたときに、前記車両用灯具と反対側の面以外の面には、前記電源側のコネクタの取付状態をロックするロック部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項7】
半導体型光源を光源とする車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、
を備える、ことを特徴とする車両用灯具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate