説明

車両用灯具

【課題】車両用灯具の組み付け作業性を向上する。
【解決手段】車両用灯具10は、複数のLEDチップ23と、LEDチップ23に給電するためのクリアランスランプ用基板24基板とを有するクリアランスランプ20と、ハイビームランプ14、ロービームランプ16、およびターンシグナルランプ18を備える。ハイビームランプ14、ロービームランプ16、およびターンシグナルランプ18は、クリアランスランプ用基板24を介して、車両用灯具外部のECUから電源の供給を受ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、特に複数の灯具ユニットを有する車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ランプボディとカバーで構成される灯室内に、ロービームランプ、ハイビームランプ、ターンシグナルランプなどの複数の灯具ユニットが組み込まれたコンビネーションヘッドランプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたヘッドランプは、複数の光源と、該複数の光源を収容するケースと、光源各々に取り付けられた光源用コネクタと、ケースに取り付けられた集約コネクタと、光源用コネクタと集約コネクタを接続する複数の電線とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−220433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたヘッドランプのように、ケースに取り付けられた集約コネクタから各光源に電線を接続する構成とした場合、電線の取り回し距離が長くなるため、組み付け作業が煩雑になるおそれがある。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、組み付け作業性を向上できる車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用灯具は、光源を搭載するための光源搭載部と、光源に給電するための基板とを有する第1灯具ユニットと、第2灯具ユニットとを備える。第2灯具ユニットは、第1灯具ユニットの基板を介して車両用灯具の外部から電源の供給を受ける。
【0008】
第1灯具ユニットは、車両用灯具内において下方に配置されていてもよい。
【0009】
基板は、車両用灯具内において、車幅方向に長く形成されていてもよい。
【0010】
複数の光源搭載部が基板の車幅方向に並べられていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、組み付け作業性を向上できる車両用灯具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用灯具の概略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両用灯具の概略分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用灯具の概略斜視図である。また、図2は、本発明の実施形態に係る車両用灯具の概略分解斜視図である。
【0015】
本実施形態に係る車両用灯具10は、ランプボディ12とカバー(図示せず)とにより構成される灯室内に、ハイビームランプ14、ロービームランプ16、ターンシグナルランプ18、およびクリアランスランプ20が収容されたコンビネーションヘッドランプである。
【0016】
本実施形態において、ハイビームランプ14およびロービームランプ16は、プロジェクタ型の灯具ユニットとして構成されている。ハイビームランプ14およびロービームランプ16は、プロジェクタ型に限定されず、リフレクタ型など他の種類の灯具ユニットを用いることができる。
【0017】
ロービームランプ16の下方には、ロービームランプ16の光軸をスイブルさせるためのスイブルアクチュエータ22が設けられている。
【0018】
ターンシグナルランプ18は、リフレクタ型の灯具ユニットとして構成されているが、特にリフレクタ型に限定されず、他の種類の灯具ユニットを用いることができる。
【0019】
ハイビームランプ14、ロービームランプ16、およびターンシグナルランプ18は、灯室内において車幅方向に並設されている。
【0020】
クリアランスランプ20は、昼間に点灯させて歩行者や対向車に車両の存在を知らせるためのランプである。クリアランスランプ20は、灯室内において、ハイビームランプ14、ロービームランプ16、およびターンシグナルランプ18の下方に配置されている。
【0021】
クリアランスランプ20は、複数のLEDチップ23と、複数のLEDチップ23に給電するためのクリアランスランプ用基板24と、LEDチップ23からの光を灯具前方に反射する複数のリフレクタ25とを備える。
【0022】
クリアランスランプ用基板24は、灯室内において車幅方向に長く形成された基板である。本実施形態において、クリアランスランプ用基板24は、ランプボディ12の車幅方向両側面にかけて形成されている。ランプボディ12の車幅方向両側面には、クリアランスランプ用基板24を支持するための基板支持部13が形成されている。
【0023】
LEDチップ23は、クリアランスランプ用基板24上に形成されたLED搭載部に搭載される。LED搭載部は、車幅方向に一列に並んでいる。従って、複数のLEDチップ23は、クリアランスランプ用基板24上に、車幅方向に一列に並んで搭載されている。また、クリアランスランプ用基板24上には、LEDチップ23を覆うようにリフレクタ25が配置される。
【0024】
図2に示すように、クリアランスランプ用基板24には、複数のLEDチップ23に給電するためのクリアランスランプ用配線26が形成されている。クリアランスランプ用配線26は、クリアランスランプ用基板24に設けられた集約コネクタ27aと接続されている。
【0025】
集約コネクタ27aは、集約ワイヤハーネス28aを介して、ランプボディ12の外部(ランプボディ12の下方)に設けられた点灯制御用のECU(Electronic Control Unit)に接続されている。ランプボディ12の底面部12aには、ランプボディ12の内部から外部に集約ワイヤハーネス28aを通すための穴部12bが設けられている。
【0026】
クリアランスランプ20のLEDチップ23は、集約ワイヤハーネス28aおよびクリアランスランプ用配線26aを介して、ECUから給電される。
【0027】
さらに、クリアランスランプ用基板24には、スイブルアクチュエータ22に給電するためのスイブルアクチュエータ用配線26bと、ロービームランプ16に給電するためのロービームランプ用配線26cと、ハイビームランプ14に給電するためのハイビームランプ用配線26dと、ターンシグナルランプ18に給電するためのターンシグナルランプ用配線26eとが形成されている。
【0028】
スイブルアクチュエータ用配線26bは、クリアランスランプ用基板24に設けられたスイブルアクチュエータ用コネクタ27bと集約コネクタ27aとを接続している。スイブルアクチュエータ用コネクタ27bは、スイブルアクチュエータ用ワイヤハーネス28bを介して、スイブルアクチュエータ22に設けられたコネクタ22aに接続される。スイブルアクチュエータ22は、集約ワイヤハーネス28a、スイブルアクチュエータ用配線26b、およびスイブルアクチュエータ用ワイヤハーネス28bを介して、ECUから給電される。
【0029】
ロービームランプ用配線26cは、クリアランスランプ用基板24に設けられたロービームランプ用コネクタ27cと集約コネクタ27aとを接続している。ロービームランプ用コネクタ27cは、ロービームランプ用ワイヤハーネス28cを介して、ロービームランプ16に設けられたコネクタ16aに接続される。ロービームランプ16は、集約ワイヤハーネス28a、ロービームランプ用配線26c、およびロービームランプ用ワイヤハーネス28cを介して、ECUから給電される。
【0030】
ハイビームランプ用配線26dは、クリアランスランプ用基板24に設けられたハイビームランプ用コネクタ27dと集約コネクタ27aとを接続している。ハイビームランプ用コネクタ27dは、ハイビームランプ用ワイヤハーネス28dを介して、ハイビームランプ14に設けられたコネクタ14aに接続される。ハイビームランプ14は、集約ワイヤハーネス28a、ハイビームランプ用配線26d、およびハイビームランプ用ワイヤハーネス28dを介して、ECUから給電される。
【0031】
ターンシグナルランプ用配線26eは、クリアランスランプ用基板24に設けられたターンシグナルランプ用コネクタ27eと集約コネクタ27aとを接続している。ターンシグナルランプ用コネクタ27eは、ターンシグナルランプ用ワイヤハーネス28eを介して、ターンシグナルランプ18に設けられたコネクタ(図示せず)に接続される。ターンシグナルランプ18は、集約ワイヤハーネス28a、ターンシグナルランプ用配線26e、およびターンシグナルランプ用ワイヤハーネス28eを介して、ECUから給電される。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係る車両用灯具10は、ロービームランプ16、ハイビームランプ14、ターンシグナルランプ18およびスイブルアクチュエータ22がクリアランスランプ用基板24を介して車両用灯具10のECUから電源の供給を受けるよう構成されている。これにより、ECUから各灯具ユニット等に直接ワイヤハーネスを接続する場合よりもワイヤハーネスの取り回し距離を短くできるので、車両用灯具10の組み付け作業性を向上できる。
【0033】
本実施形態では、ECUからの給電を中継する基板として、クリアランスランプ用基板24を用いたが、他の灯具ユニット、例えばハイビームランプ14やロービームランプ16の基板を中継用の基板としてもよい。但し、本実施形態のように、車幅方向に長く形成されたクリアランスランプ用基板24を中継用の基板とした場合、灯室内の複数の装置に対して給電を中継することができるため好ましい。
【0034】
また、本実施形態において、クリアランスランプ20は、灯室内において、ハイビームランプ14、ロービームランプ16、およびターンシグナルランプ18の下方に配置されている。灯室内において、ハイビームランプ14やロービームランプ16は最も高熱となるが、これらのランプから発生した熱は灯室の上方に伝わりやすく、下方には伝わりにくい。従って、このようにクリアランスランプ20を配置することで、クリアランスランプ20がハイビームランプ14やロービームランプ16からの熱の影響を受けにくくなる。
【0035】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0036】
10 車両用灯具、 14 ハイビームランプ、 16 ロービームランプ、 18 ターンシグナルランプ、 22 スイブルアクチュエータ、 20 クリアランスランプ、 23 LEDチップ、 24 クリアランスランプ用基板、 12 ランプボディ、 25 リフレクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を搭載するための光源搭載部と、前記光源に給電するための基板とを有する第1灯具ユニットと、
第2灯具ユニットと、
を備える車両用灯具であって、
前記第2灯具ユニットは、前記第1灯具ユニットの基板を介して車両用灯具の外部から電源の供給を受けることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第1灯具ユニットは、車両用灯具内において下方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記基板は、車両用灯具内において、車幅方向に長く形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
複数の前記光源搭載部が前記基板の車幅方向に並べられていることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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