説明

車両用自動開閉装置

【課題】スライドドアを全閉位置にまで引き込むクローザ機構の構成を簡素化して、車体への搭載性を高めた車両用自動開閉装置を提供することである。
【解決手段】ロワーレール17に支持されるローラアッシー21に開側ケーブル25aと閉側ケーブル25bとを連結し、これらのケーブル25a,25bを駆動ユニット31により駆動してスライドドアを自動開閉動作させる。閉側ケーブル25bに閉鎖用ケーブル52の一端を作動的に連結し、閉鎖用ケーブル52の他端を切替え機構61に導く。切替え機構61はスライドドアが半ドア位置にまで閉じられたときに閉鎖用ケーブル52の他端をローラアッシー22に作動的に連結する。これにより、半ドア位置にまで閉じられたスライドドアは、閉側ケーブル25bの牽引力が連結ユニット53を介して閉鎖用ケーブル52に伝達されることで牽引されて全閉位置にまで引き込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワゴン車やワンボックス車等の車の車体側部には、乗降用の開口部を開閉するためのドアとしてスライドドアが設けられる。このようなスライドドアは支持アームを備え、この支持アームの先端にはローラアッシーが設けられる。一方、車体側部には車両前後方向に延びるガイドレールが固定され、このガイドレールに沿ってローラアッシーが移動することにより、スライドドアは車両前後方向にスライド式に開閉する。また、ガイドレールの閉側(車両前方側)の部分には車室内側に向けて曲がる曲部が設けられ、ローラアッシーが曲部に案内されることにより、スライドドアは車室内側に引き込まれて車体側面と面一となるように閉じられる。
【0003】
一方、スライドドアの開閉操作を容易にするために、電動モータを駆動源としてスライドドアを自動的に開閉するようにした車両用自動開閉装置が開発されている。このような自動開閉装置としては、ローラアッシーに開閉方向(車両前後方向)から連結される開側と閉側の一対のケーブルと電動モータを駆動源とした駆動ユニット(駆動手段)とを備え、各ケーブルを駆動ユニットにより駆動することにより、スライドドアを当該ケーブルで牽引して自動開閉動作させるようにしたケーブル式のものがある。
【0004】
ところで、スライドドアの全閉時において、スライドドアと車体とが対向する部位の一方側には、スライドドア全閉時の車室内側への雨水の浸入を防止するためのドアシール材が設けられ、全閉時に他方側に弾性的に当接可能に配されている。このため、スライドドアが半ドア位置にまで閉じられて、さらに全閉位置にまで引き込む際には、このシール材を変形(または圧縮)させる力が必要になり、駆動ユニットだけの力で半ドア位置(所定開度以下)から全閉位置にまで引き込むことが困難な場合がある。
【0005】
そこで、例えば特許文献1に示される自動開閉装置では、スライドドアを自動的に開閉するための駆動ユニットに加えて引き込み動作用のクローザ機構を別に設け、半ドア位置にまで閉じられたスライドドアをクローザ機構により駆動して全閉位置にまで引き込むようにしている。
【特許文献1】特開平6−323057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示されるクローザ機構には、スライドドア開閉用の駆動ユニットとは別に引き込み動作用の駆動源(電動モータ)や駆動機構等が設けられることになり、部品点数の増大、コスト増大等の課題がある上、スライドドア自動開閉装置としてもその容積が大きいものとなる。そのため、例えば軽自動車など車体スペースが限られた車両に駆動ユニットとクローザ機構の両方を搭載することは困難となる。
【0007】
本発明の目的は、スライドドアを全閉位置にまで引き込むクローザ機構の構成を簡素化して、車体への搭載性を高めた車両用自動開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の車両用自動開閉装置は、車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、車体または前記スライドドアのいずれか一方に固定されるガイドレールと、前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、前記ガイドレールに移動自在に支持される支持アームと、前記ガイドレールに沿って配置され、前記支持アームに開閉方向から連結される開側と閉側の索条体と、前記車体または前記スライドドアのいずれか一方に配置され、前記索条体を駆動して前記スライドドアを開閉動作させる駆動手段と、一端が前記閉側の索条体に作動的に連結され、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに他端が前記支持アームに作動的に連結される閉鎖用の索条体とを有し、所定開度にまで閉じた前記スライドドアを前記閉鎖用の索条体により全閉位置にまで牽引することを特徴とする。
【0009】
本発明の車両用自動開閉装置は、車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、車体または前記スライドドアのいずれか一方に固定される第1と第2のガイドレールと、前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、対応する前記ガイドレールに移動自在に支持される第1と第2の支持アームと、前記第1のガイドレールに沿って配置され、前記第1の支持アームに開閉方向から連結される開側と閉側の索条体と、前記車体または前記スライドドアのいずれか一方に配置され、前記索条体を駆動して前記スライドドアを開閉動作させる駆動手段と、一端が前記閉側の索条体に作動的に連結され、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに他端が前記第1または第2の支持アームに作動的に連結される閉鎖用の索条体とを有し、所定開度にまで閉じた前記スライドドアを前記閉鎖用の索条体により全閉位置にまで牽引することを特徴とする。
【0010】
本発明の車両用自動開閉装置は、車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、車体または前記スライドドアのいずれか一方に固定される第1のガイドレールと、前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に固定される第2のガイドレールと、前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、前記第1のガイドレールに移動自在に支持される第1の支持アームと、前記車体または前記スライドドアのいずれか一方に設けられ、前記第2のガイドレールに移動自在に支持される第2の支持アームと、前記第1のガイドレールに沿って配置され、前記第1の支持アームに開閉方向から連結される開側と閉側の索条体と、前記車体または前記スライドドアのいずれか一方に配置され、前記索条体を駆動して前記スライドドアを開閉動作させる駆動手段と、一端が前記閉側の索条体に作動的に連結され、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに他端が前記第1または第2の支持アームに作動的に連結される閉鎖用の索条体とを有し、所定開度にまで閉じた前記スライドドアを前記閉鎖用の索条体により全閉位置にまで牽引することを特徴とする。
【0011】
本発明の車両用自動開閉装置は、車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、車体または前記スライドドアのいずれか一方に固定されるガイドレールと、前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、前記ガイドレールに移動自在に支持される支持アームと、前記ガイドレールに沿って配置され、前記ガイドレールの各端部に連結される開側と閉側の索条体と、前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に配置され、前記索条体を駆動して前記スライドドアを開閉動作させる駆動手段と、一端が前記閉側の索条体に作動的に連結され、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに他端が前記支持アームに作動的に連結される閉鎖用の索条体とを有し、所定開度にまで閉じた前記スライドドアを前記閉鎖用の索条体により全閉位置にまで牽引することを特徴とする。
【0012】
本発明の車両用自動開閉装置は、車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、車体または前記スライドドアのいずれか一方に固定される第1と第2のガイドレールと、前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、対応する前記ガイドレールに移動自在に支持される第1と第2の支持アームと、前記第1のガイドレールに沿って配置され、前記第1のガイドレールの各端部に連結される開側と閉側の索条体と、前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に配置され、前記索条体を駆動して前記スライドドアを開閉動作させる駆動手段と、一端が前記閉側の索条体に作動的に連結され、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに他端が前記第1または第2の支持アームに作動的に連結される閉鎖用の索条体とを有し、所定開度にまで閉じた前記スライドドアを前記閉鎖用の索条体により全閉位置にまで牽引することを特徴とする。
【0013】
本発明の車両用自動開閉装置は、車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、車体または前記スライドドアのいずれか一方に固定される第1のガイドレールと、前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に固定される第2のガイドレールと、前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、前記第1のガイドレールに移動自在に支持される第1の支持アームと、前記車体または前記スライドドアのいずれか一方に設けられ、前記第2のガイドレールに移動自在に支持される第2の支持アームと、前記第1のガイドレールに沿って配置され、前記第1のガイドレールの各端部に連結される開側と閉側の索条体と、前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に配置され、前記索条体を駆動して前記スライドドアを開閉動作させる駆動手段と、一端が前記閉側の索条体に作動的に連結され、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに他端が前記第1または第2の支持アームに作動的に連結される閉鎖用の索条体とを有し、所定開度にまで閉じた前記スライドドアを前記閉鎖用の索条体により全閉位置にまで牽引することを特徴とする。
【0014】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記ガイドレールの両端部に配置され、前記開側と閉側の索条体の移動方向を反転させる一対の反転用回転体と、前記閉鎖用の索条体の一端に回転自在に設けられ、前記閉側の索条体の前記駆動手段と前記反転用回転体との間の部分が掛け渡される動滑車とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記閉鎖用の索条体の一端に回転自在に設けられ、前記閉側の索条体の前記駆動手段と前記支持アームとの間の部分が掛け渡される動滑車とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記動滑車の移動に伴う前記開側の索条体の弛みを吸収するテンショナー機構を有することを特徴とする。
【0017】
本発明の車両用自動開閉装置は、前記閉鎖用の索条体の他端に連結されるラッチと、前記ガイドレールの閉側の端部に固定される係止ブロックと、前記支持アームに設けられ、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに前記ラッチに当接して該ラッチを前記係止ブロックにより係止される係止状態から前記係止ブロックによる係止が解除される解除状態に駆動するとともに解除状態となった前記ラッチに連結される駆動部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スライドドアが所定開度にまで閉じられたときには、閉側の索条体に作動的に連結される閉鎖用の索条体により支持アームが牽引されてスライドドアは全閉位置にまで引き込まれるので、クローザ機構用の駆動源や駆動機構等を不要とすることができる。これにより、クローザ機構を小型化して、この車両用自動開閉装置の車体への搭載性を高めることができる。
【0019】
本発明によれば、第1の支持アームに開側と閉側の索条体を連結し、スライドドアが所定開度にまで閉じられたときには、閉側の索条体に作動的に連結される閉鎖用の索条体により第2の支持アームを牽引してスライドドアを全閉位置にまで引き込むようにしたので、各索条体を2つの支持アームに向けて分散させて配策することができ、車体への搭載性をより高めることができる。
【0020】
本発明によれば、閉鎖用の索条体に回転自在に設けられる動滑車に閉側の索条体を掛け渡して閉側の索条体と閉鎖用の索条体とを連結する構造としたので、動滑車の作用により閉側の索条体から閉鎖用の索条体に伝達される張力を増加させることができる。これにより、閉鎖用の索条体の駆動力を高めて、スライドドアを確実に全閉位置にまで引き込むことができる。
【0021】
本発明によれば、動滑車の移動に伴って生じる開側の索条体の弛みはテンショナー機構により吸収されるので、閉側の索条体の張力を利用して閉鎖用の索条体を駆動する構造としても、開側の索条体に弛みを生じさせることなく、この車両用自動開閉装置を確実に作動させることができる。
【0022】
本発明によれば、スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに、ラッチが駆動部により係止状態から解除状態に駆動されて、ラッチと駆動部とを介して閉鎖用の索条体がスライドドアに連結されるようにしたので、スライドドアを通常の閉動作から引き込み動作へ切り替えるための構成を簡素化して、この車両用自動開閉装置のコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1はスライドドアを備えたワンボックスタイプの車両の側面図であり、この車両11の車体12の側部には、後部座席への乗降用の開口部13を開閉するために、スライドドア14が設けられる。
【0025】
スライドドア14の車体12と対向する部位には、スライドドア12が全閉した際の車室内側への雨水の浸入を防止するためのドアシール材14aがスライドドア開口端の上下方向に沿って設けられており、全閉時に車体12に弾性的に当接可能に配されている。なお、図示しないが、このドアシール材14aはスライドドア14の他の3辺にも設けられており、スライドドア14の全周からの雨水の浸入を防止するようになっている。
【0026】
図2は図1に示すスライドドアの車体への取付け構造を示す平面図であり、このスライドドア14の車両前方側(閉側)の下端部には第1の支持アームとしてのロワーアーム15が設けられ、スライドドア14の車両後方側(開側)であって車両上下方向の略中間部には第2の支持アームとしてのセンターアーム16が設けられる。一方、車体12の開口部13の下縁部には第1のガイドレールとしてのロワーレール17が固定され、車体12の側部の開口部13の車両後方側であって車両上下方向の略中間部には第2のガイドレールとしてのセンターレール18が固定される。ロワーレール17は車両前後方向に延びる直線状の直線部17aと直線部17aに対して車室内側に傾斜する傾斜部17bとを備え、傾斜部17bを車両前方側(閉側)に向けて車体12に固定される。また、センターレール18は車両前後方向に延びる直線状の直線部18aと直線部18aに対して車室内側に曲がる曲部18bとを備え、曲部18bを車両前方側(閉側)に向けて車体12に固定される。
【0027】
各アーム15,16の先端にはそれぞれローラアッシー21,22が設けられ、ロワーアーム15のローラアッシー21はロワーレール17に移動自在に組み込まれ、センターアーム16のローラアッシー22はセンターレール18に移動自在に組み込まれる。これにより、各アーム15,16は対応するレール17,18に移動自在に支持され、各アーム15,16が対応するレール17,18に沿って移動すると、スライドドア14は車体12の側部に沿って車両前後方向にスライド式に開閉することができる。また、ロワーレール17の傾斜部17bにローラアッシー21が案内されるとともにセンターレール18の曲部18bにローラアッシー22が案内されることにより、スライドドア14は車体12の外側に引き出された位置から車室内側(車体12の内側)に引き込まれて車体側面と面一となるように閉じられる。
【0028】
なお、図示はしないが、スライドドア14の車両前方側の上端部にはアッパーアームが設けられ、図1に示すように車体12の開口部13の上縁部にはアッパーレール23が固定され、アッパーアームの先端に設けられるローラアッシー(不図示)がアッパーレール23に移動自在に組み込まれる。
【0029】
この車両11には、スライドドア14を自動的に開閉するために、車両用自動開閉装置24が搭載される。
【0030】
図3は本発明の一実施の形態である車両用自動開閉装置の詳細を示す斜視図であり、この車両用自動開閉装置24(以下、開閉装置24とする)はケーブル式となっており、開側の索条体としての開側ケーブル25aと閉側の索条体としての閉側ケーブル25bとを備えている。各ケーブル25a,25bはそれぞれロワーレール17に沿って配置され、開側ケーブル25aの一端はロワーアーム15のローラアッシー21に車両後方側(開方向)から連結され、閉側ケーブル25bの一端はロワーアーム15のローラアッシー21に車両前方側(閉方向)から連結される。
【0031】
各ケーブル25a,25bを駆動してスライドドア14を開閉動作させるために、ロワーレール17の車両後方側(開側)の長手方向端部に隣接した車体12のプロアパネルの内部には、駆動手段としての駆動ユニット31が配置される。
【0032】
ローラアッシー21からロワーレール17に沿って車両後方側に導かれた開側ケーブル25aは、ロワーレール17の車両後方側の端部に配置された反転用回転体としての反転用プーリ32aによりその移動方向を略180度反転されて車両後方側から駆動ユニット31に導かれ、ローラアッシー21からロワーレール17に沿って車両前方側に導かれた閉側ケーブル25bはロワーレール17の車両前方側(閉側)の端部に配置された反転用回転体としての反転用プーリ32bによりその移動方向を略180度反転されて車両前方側から駆動ユニット31に導かれる。
【0033】
駆動ユニット31と各反転用プーリ32a,32bとの間にはアウターチューブ33a,33b,33cが設けられる。これらのアウターチューブ33a,33b,33cはそれぞれ可撓性を有する樹脂材料により形成されて湾曲自在となっており、その一端は対応する反転用プーリ32a,32b、また、後述する連結ユニット53等にそれぞれ固定される。駆動ユニット31と対応する反転用プーリ32a,32bとの間においては、各ケーブル25a,25bはそれぞれ対応するアウターチューブ33a,33b,33cに軸方向に移動自在に収容され、当該アウターチューブ33a,33b,33cに沿って移動する。
【0034】
図4は駆動ユニットの詳細を示す一部切り欠き断面図であり、駆動ユニット31はユニットケース34を備え、ユニットケース34の内部には駆動用回転体であるドラム35が回転自在に収容される。ドラム35は円筒状に形成され、その外周には駆動ユニット31にまで導かれた開側ケーブル25aと閉側ケーブル25bとが互いに逆向き方向に巻き付けられる。
【0035】
また、駆動ユニット31には、各ケーブル25a,25bの弛みを吸収して所定の張力を付与するために、それぞれ開側ケーブル25a、閉側ケーブル25bに対応した一対のテンショナー機構36a,36bが設けられる。これらのテンショナー機構36a,36bはそれぞれ対応するアウターチューブ33a,33bの一端部に固定される樹脂製のスライドキャップ37a,37bを備え、これらのスライドキャップ37a,37bは駆動ユニット31のユニットケース34に進退移動自在に支持される。アウターチューブ33aの他端部は反転用プーリ32aに固定され、アウターチューブ33bの他端部は後述する連結ユニット53の引き込み部54bに固定されている。また、ユニットケース34の内部にはスプリング38,38が設けられ、このスプリング38によりスライドキャップ37a,37bはユニットケース34から押し出される方向に付勢される。スライドキャップ37a,37bがスプリング38によりユニットケース34から押し出される方向に付勢されると、駆動ユニット31と反転用プーリ32a、連結ユニット53との間でアウターチューブ33a,33bの長さ(湾曲度合い)が見かけ上増加し、アウターチューブ33a,33b内に挿通されるケーブル25a,25bはその増加分だめアウターチューブ33a,33b内に引き込まれる。これにより、各ケーブル25a,25bに所定の張力が付与されるとともに、その張力によって各ケーブル25a,25bが弛むことも防止される。なお、符号36a1,36b1は、テンショナー機構36a,36bの各スプリング38,38を、圧縮状態と作動状態とに選択的に切換えるための切換えレバーである。
【0036】
ユニットケース34には駆動ユニット31の駆動源となる電動モータ41が取り付けられる。電動モータ41の出力は図示しない減速機やクラッチ機構(電磁クラッチ)を介してドラム35に伝達され、ドラム35はこの電動モータ41により正逆両方向に回転駆動される。また、電動モータ41には制御装置42が接続され、運転席や携帯端末等に設けられる図示しない開閉スイッチが操作されると、その操作信号やスライドドア14の開閉速度、開閉位置等に基づいて制御装置42により電動モータ41の作動が制御される。
【0037】
なお、電動モータ41としては例えばブラシ付きモータ等の正逆両方向に回転可能なものが用いられ、制御装置42としては、例えばCPU(中央演算処理装置)やメモリ等を備えたマイクロコンピュータが用いられる。
【0038】
図示しない開閉スイッチの開側が操作されると、電動モータ41が正転してドラム35が図4中時計回り方向に回転し、開側ケーブル25aがドラム35に巻き取られる。これにより、開側ケーブル25は駆動ユニット31により駆動されて車両後方側に移動し、ローラアッシー21(ロワーアーム15)つまりスライドドア14が開側ケーブル25aに牽引されて開動作する。反対に、図示しない開閉スイッチの閉側が操作されると、電動モータ41が逆転してドラム35が図4中反時計回り方向に回転し、閉側ケーブル25bがドラム35に巻き取られる。これにより、閉側ケーブル25bは駆動ユニット31により駆動されて車両前方側に移動し、ローラアッシー21(ロワーアーム15)つまりスライドドア14は閉側ケーブル25bに牽引されて閉動作する。このように、この開閉装置24は、車体12のフロアパネルの内部に駆動ユニット31を収容し、ロワーレール17に支持されるロワーアーム15を各ケーブル25a,25bにより駆動してスライドドア14を開閉させるロワーアーム駆動タイプとなっている。
【0039】
この開閉装置24には、所定開度つまり半ドア位置にまで閉じられたスライドドア14をドアシール材14aの弾性力に抗して全閉位置にまで引き込むために、クローザ機構51が設けられる。
【0040】
なお、本実施の形態においては、ローラアッシー22がセンターレール18の曲部18bに達したときにスライドドア14が半ドア位置となるように設定され、ローラアッシー22が曲部18bを移動することにより駆動ロスを生じる範囲でスライドドア14をクローザ機構51により引き込むようにしている。
【0041】
図3に示すように、このクローザ機構51は閉鎖用の索条体としての閉鎖用ケーブル52を備えている。また、閉側ケーブル25bの駆動ユニット31と反転用プーリ32bとの間の部分には連結ユニット53が設けられ、閉鎖用ケーブル52の一端は連結ユニット53を介して閉側ケーブル25bに作動的に連結される。
【0042】
図5は連結ユニットの内部構造を示す斜視図であり、この連結ユニット53はバスタブ状のケース54を備え、閉鎖用ケーブル52の一端は当該ケース54の長手方向の一端側に設けられる引き込み部54aからケース54の内部に引き込まれる。ケース54の内部にはホルダ55が収容され、閉鎖用ケーブル52の一端はこのホルダ55に固定されている。ホルダ55はケース54の内部で引き込み部54aに対して接近離反する方向に移動自在となっており、ケース54の内部に収容されるスプリング56(ばね部材)により引き込み部54aから離れる方向に付勢されている。
【0043】
ケースの長手方向の他端側には一対の引き込み部54b,54cが並べて設けられ、閉側ケーブル25bの反転用プーリ32bと駆動ユニット31との間の中間部分は連結ユニット53の内部を経由するようにこれら引き込み部54b,54cを介して配策されている。
【0044】
ホルダ55には支軸57により動滑車58が回転自在に装着され、ケース54の内部に配索された閉側ケーブル25bはこの動滑車58に掛け渡されている。つまり、閉側ケーブル25bの反転用プーリ32bと駆動ユニット31との間の部分は、閉鎖用ケーブル52の一端にホルダ55を介して回転自在に設けられる動滑車58に掛け渡され、これにより、閉鎖用ケーブル52の一端はホルダ55と動滑車58とを介して閉側ケーブル25bに作動的に連結される。また、引き込み部54cと反転用プーリ32bとの間はアウターチューブ33cが固定されており、閉側ケーブル25bはこのアウターチューブ33c内に挿通されている。
【0045】
スライドドア14が半ドア位置にまで閉じられたときに、センターレール18に支持されるセンターアーム16つまりローラアッシー22を閉鎖用ケーブル52に連結してスライドドア14の動作を通常の閉動作から引き込み動作に切り替えるために、この閉鎖装置24には、図3に示すように、センターレール18の閉側の長手方向端部には切替え機構61が設けられる。
【0046】
図6は図3に示す切替え機構の詳細を示す説明図であり、図7は図6に示すラッチの詳細を示す斜視図であり、図8は図6に示す係止ブロックの詳細を示す斜視図であり、図9はローラアッシーがラッチに連結された状態を示す斜視図である。
【0047】
この切替え機構61は切り替え用のラッチ62を備えている。図7に示すように、ラッチ62は鋼板等の板材をコの字形状に折り曲げて形成され、その長手方向の一端側には互いに対向する一対の本体部62aが設けられ、長手方向の他端側には当該本体部62aから突出する一対の連結脚部62bが設けられる。また、各本体部62aにはそれぞれ互いに同軸に連結孔62cが設けられる。
【0048】
一方、車体12にはセンターレール18の閉側の長手方向端部つまり切替え機構61に隣接して案内用プーリ63が配置され、連結ユニット53から引き出された閉鎖用ケーブル52の他端はこの案内用プーリ63を介して切替え機構61に導かれる。また、閉鎖用ケーブル52の他端には円柱状のケーブルエンド52aが固定され、このケーブルエンド52aが連結孔62cに挿通されることにより、閉鎖用ケーブル52はラッチ62に回動自在に連結される。
【0049】
なお、連結ユニット53と案内用プーリ63との間にはそれぞれアウターチューブ64が接続され、連結ユニット53と案内用プーリ63との間においては、閉鎖用ケーブル52はアウターチューブ64に軸方向に移動自在に収容され、当該アウターチューブ64に沿って移動する。また、ラッチ62は連結孔62cの軸方向を車両上下方向に向けて配置され、閉鎖用ケーブル52は各本体部62aの間で水平面に沿って回動自在とされる。
【0050】
ラッチ62をその移動が規制される係止状態に支持するために、センターレール18の閉側の長手方向端部には係止ブロック65が固定される。
【0051】
係止ブロック65は鋼材等により形成され、図8に示すように、そのセンターレール18の軸方向を向く端面は係止面65aとなっている。係止面65aはラッチ62の本体部62aの形状に対応した凹形状の曲面に形成され、また、その車両上下方向の幅寸法はラッチ62の厚み寸法(連結孔62cの軸方向を向く幅寸法)よりも僅かに大きくなっている。また、係止面65aの後述するガイド壁65c側の端部には、円弧状に形成された角部65dが設けられている。
【0052】
スライドドア14が半ドア以上に開かれているときには、図6に示すように、ラッチ62はその長手方向(本体部62aから連結脚部62bに向く方向)がセンターレール18に沿う方向(センターレール18の軸方向)に対してほぼ直交した姿勢となり、本体部62aは係止ブロック65の係止面65aに当接し、連結脚部62bは係止ブロック65に対してセンターレール18の外側に向くように当該係止ブロック65の側方(センターレール18の軸方向にほぼ直交し且つ水平な方向)に突出する。
【0053】
ここで、連結ユニット53に設けられるホルダ55はスプリング56により引き込み部54aから離れる方向に付勢されているので、閉鎖用ケーブル52を介してホルダ55に連結されるラッチ62の本体部62aは、スプリング56のばね力つまり閉鎖用ケーブル52の張力により係止ブロック65の係止面65aに押し付けられる。つまり、係止面65aはラッチ62の形状に合わせた凹形状の曲面に形成され、ラッチ62が係止状態となったときには閉鎖用ケーブル52は係止面65aに交差する方向に配索されるので、閉鎖用ケーブル52の張力によりラッチ62は係止面65aに確実に支持される。これにより、ラッチ62は係止ブロック65によってセンターレール18に沿った閉側への移動が規制された係止状態となり、また、閉鎖用ケーブル52を介してラッチ62に連結されるホルダ55つまり動滑車は図5に示す初期位置に保持される。
【0054】
なお、係止ブロック65には、その車体外側に向く側面に開口するとともにセンターレール18の軸方向に沿って延びる逃げ溝65bが設けられ、ラッチ62が係止状態のときには、閉鎖用ケーブル52はこの逃げ溝65bを通って案内用プーリ63に導かれる。
【0055】
一方、図6,図9に示すように、センターレール18に移動自在に支持されるローラアッシー22(センターアーム16)には、ラッチ62を係止状態から係止ブロック65による係止が解除される解除状態に駆動するために、駆動部71が設けられる。
【0056】
ローラアッシー22にはセンターレール18に案内される一対の案内用ローラ72とセンターレール18を走行する走行用ローラ73とを回転自在に支持する本体ブラケット74を備え、駆動部71は本体ブラケット74の各ローラ72,73に対して閉側(センターレール18の閉側の端部に近い側)にずれた部分に当該本体ブラケット74と一体に形成される。また、駆動部71は軸方向を車両上下方向に向けた円柱状となっており、図6に示すように、係止ブロック65に対してその側方にオフセットした位置を通過するように配置され、その移動径路上にラッチ62の連結脚部62bが位置するようになっている。
【0057】
スライドドア14が半ドア位置にまで閉じられると、駆動部71はラッチ62の連結脚部62bに当接し、当該連結脚部62bを閉方向に押してラッチ62を係止ブロック65の角部を支点として回動させる。これにより、図9に示すように、ラッチ62は駆動部71により駆動されて、その軸方向がセンターレール18の軸方向に沿う方向に向く解除状態とされる。その後、スライドドア14のドアシール材14aが車体12に当接すると、その弾性力によって駆動ユニット31によるスライドドア14の閉動作が一時的に停止または減速した状態となる。
【0058】
ラッチ62が解除状態となると、駆動部71はラッチ62の本体部62aに係合し、当該ラッチ62に作動的に連結される。つまり、スライドドア14が半ドア位置にまで閉じられると、ラッチ62と駆動部71とを介して閉鎖用ケーブル52の他端がローラアッシー22つまりセンターアーム16に連結される。また、ラッチ62が解除状態となると、係止ブロック65によるラッチ62の係止が解除され、ラッチ62は係止ブロック65の側面に沿ってセンターレール18の軸方向に移動自在となる。このとき、係止ブロック65の側面の上下両端部には一対のガイド壁65cが設けられ、解除状態となったラッチ62はこれらのガイド壁65cに案内されて当該係止ブロック65の側面に沿って移動可能となる。また、解除状態となったラッチ62にはスプリング56のばね力が作用するため、ラッチ62が駆動部71を引っ張った状態、つまり、ラッチ62が駆動部71を牽引可能な状態となる。
【0059】
図10(a)〜(d)はそれぞれ切替え機構の動作を示す説明図であり、図11(a)、(b)はそれぞれ連結ユニットの作動を示す説明図である。
【0060】
次に、図10、図11に基づいて、この開閉装置24に設けられるクローザ機構51の動作について説明する。
【0061】
スライドドア14が半ドア位置以上に開かれた状態のときには、図10(a)に示すように、ラッチ62は係止ブロック65に係止されて係止状態となり、図11(a)に示すように、連結ユニット53に設けられる動滑車58は引き込み部54aの側に引き寄せられた初期位置に保持される。なお、切替えラッチ62は、前述したように連結用ケーブル52の張力によって係止ブロック65の係止面65aに押し付けられている。
【0062】
この状態で図示しない開閉スイッチの閉側が操作されると、駆動ユニット31により閉側ケーブル25bが駆動され、ロワーレール17に支持されるローラアッシー21が閉側ケーブル25bにより牽引されてスライドドア14は自動閉動作する。このとき、ラッチ62が係止ブロック65に係止されているので、閉側ケーブル25bの張力が動滑車58に加えられても、動滑車58は移動せずに図11(a)に示す初期位置に保持される。
【0063】
スライドドア14が自動閉動作し、センターレール18に支持されるローラアッシー22が曲部18bに達すると、図10(b)に示すように、ローラアッシー22に設けられる駆動部71によりラッチ62の連結脚部62bが閉側(案内用プーリ63の側)に向けて押され、ラッチ62は係止ブロック65の角部65dを支点として図中反時計回り方向に回動する。そして、スライドドア14が半ドア位置にまで閉じられると、図10(c)に示すように、ラッチ62は解除状態にまで回動して、ローラアッシー22がラッチ62に作動的に連結される。つまり、ラッチ62は駆動部71に駆動されて係止状態から解除状態となる。その後、スライドドア14のドアシール材14aが車体12に当接すると、その弾性力によって駆動ユニット31によるスライドドア14の閉動作が一時的に停止または減速した状態となる。
【0064】
ラッチ62が解除状態となると、閉鎖用ケーブル52を介してラッチ62に連結されるホルダ55つまり動滑車58はケース54の内部で移動可能となる一方、ホルダ55にはスプリング56のばね力と駆動ユニット31により駆動される閉側ケーブル25bの張力とが加わって、図11(b)に示すように、ホルダ55は引き込み部54aから離れる方向つまり閉鎖用ケーブル52を引く方向に移動する。また、ラッチ62によって駆動部71を牽引可能な状態となる。
【0065】
ここで、閉側ケーブル25bの中間部分は移動方向が180度反転されるように動滑車58に掛け渡されるので、動滑車58が閉鎖用ケーブル52に付与する張力は閉側ケーブル25bの牽引力の2倍となる。また、スライドドア14のドアシール材14aが車体12に当接して、その弾性力によって駆動ユニット31によるスライドドア14の閉動作が一時的に停止または減速した状態となると、閉側ケーブル25bのロワーアーム15との連結部が一時的に固定点となって、駆動ユニット31による閉側ケーブル25bの牽引力はロワーアーム15を牽引する力からその中間部分で動滑車58を牽引する力となる。
【0066】
ここで、動滑車58が初期位置から閉鎖用ケーブル52を引く方向に移動すると当該動滑車58に掛け渡されるアウターチューブ33bから引き出された閉側ケーブル25bの長さが短縮されるので、スライドドア14が全閉位置となるまで閉側ケーブル25bを駆動ユニット31のドラム35により巻き取ると、開側ケーブル25aに弛みが生じることになるが、この弛みはテンショナー機構36aにより吸収される。
【0067】
動滑車58が閉側ケーブル25bの牽引力により閉鎖用ケーブル52を引く方向に移動すると、図10(d)、図11(b)に示すように、ラッチ62が閉鎖用ケーブル52に引かれてセンターレール18の閉側の端部に向けて移動する。これにより、ラッチ62に連結されたローラアッシー22(駆動部71)は閉鎖用ケーブル52によりセンターレールの閉側の端部に向けて牽引される。つまり、半ドア位置にまで閉じられたスライドドア14は、閉鎖用ケーブル52により牽引されてドアシール材14aの弾性力に抗して半ドア位置から全閉位置にまで引き込まれ、スライドドア14が全閉すると図示しないドアロック装置によりスライドドアの全閉状態が保持される。
【0068】
反対に、スライドドア14が全閉位置にあるときに、図示しない開閉スイッチの開側が操作されると、ドアロック装置が解除(リリース)されるとともに、駆動ユニット31により開側ケーブル25aが駆動され、ロワーレール17に支持されるローラアッシー21が開側ケーブル25aにより牽引されてスライドドア14は自動開動作する。
【0069】
スライドドア14が自動開動作する際には、先ずドアロック装置が解除され、スライドドア14はドアシール材14aの弾性力により開方向に僅かに作動し、ラッチ62を初期位置側へ移動させる力となって作用する。そして、センターレール18に支持されるローラアッシー22は当該センターレール18に沿って開側に移動し、ラッチ62は本体部62aに駆動部71が当接することにより駆動部71つまりローラアッシー22に連結されて、当該ローラアッシー22がラッチ62を牽引するように開側に移動する。このとき、ラッチ62と連結用ケーブル52との連結部分(ケーブルエンド52aの係止部)は駆動部71とラッチ62との連結部分よりも開側にあり、且つ、ラッチ62と連結用ケーブル52との連結部分と駆動部71とを結ぶ線に対して連結用ケーブル52の張力の方向が車室内側に傾いているので、ラッチ62には連結用ケーブル52の張力により図10中で駆動部71を中心とした時計回り方向の回転力が付与されている。また、ラッチ62の移動に伴って動滑車58は閉鎖用ケーブル52により引かれてスプリング56のばね力に抗して初期位置に向けて移動する。
【0070】
スライドドア14が半ドア位置にまで開かれると、ラッチ62は閉鎖用ケーブル52から付与される前述の回転力により、図10(b)に示すように、係止ブロック65の角部を支点として図10中時計回り方向に回動する。そして、スライドドア14がさらに開方向に移動し、駆動部71とラッチ62との連結が解除されると、ラッチ62は閉鎖用ケーブル52の張力(スプリング56のばね力)によりその本体部62aが係止面65aに押し付けられる係止状態に保持され、図11(a)に示すように、動滑車58は初期位置に達してその移動が規制される。
【0071】
このように、この開閉装置24では、スライドドア14が半ドア位置にまで閉じたときには、連結ユニット53を介して閉側ケーブル25bに作動的に連結される閉鎖用ケーブル52によりセンターアーム16のローラアッシー22を牽引してドアシール材14aの弾性力に抗してスライドドア14を全閉位置にまで引き込むことができる。つまり、閉側ケーブル25bの張力を利用してスライドドア14を全閉位置にまで引き込むことができる。したがって、クローザ機構51に駆動源や駆動機構等を設ける必要がなく、これにより、クローザ機構51を備えたこの開閉装置24を小型化して、その車体12への搭載性を高めることができる。また、クローザ機構51に電動モータや駆動機構等を設ける必要がないので、この開閉装置24を軽量化し、また、そのコストを低減することができる。
【0072】
さらに、この開閉装置24では、閉鎖用ケーブル52にホルダ55を固定し、このホルダ55に回転自在に支持される動滑車58に閉側ケーブル25bの中間部分を掛け渡して閉側ケーブル25bと閉鎖用ケーブル52とを連結する構造としたので、閉側ケーブル25bの張力を動滑車58の作用により増加させて閉鎖用ケーブル52に伝達することができる。したがって、大きな電動モータ41を用いることなく閉鎖用ケーブル52の張力つまり駆動力を高めて、当該閉鎖用ケーブル52によりスライドドア14を確実に全閉位置にまで引き込むことができる。また、閉側ケーブル25bの張力を動滑車58の作用により増加させて閉鎖用ケーブル52に伝達することができるので、電動モータ41を小型化して、この開閉装置24を小形、軽量化し、また、そのコストを低減することができる。
【0073】
さらに、この開閉装置24では、動滑車58の移動に伴って生じる開側ケーブル25aの弛みをテンショナー機構36aにより吸収するようにしたので、閉側ケーブル25bの張力を利用して閉鎖用ケーブル52を駆動する構造としても、開側ケーブル25aに弛みを生じさせることなく、この開閉装置24を確実に作動させることができる。
【0074】
さらに、この開閉装置24では、切替え機構61をラッチ62と係止ブロック65と駆動部71とで構成し、スライドドア14が半ドア位置にまで閉じられたときに、ラッチ62が駆動部71により駆動されて、ラッチ62と駆動部71つまりセンターアーム16と閉鎖用ケーブル52とが作動的に連結されるようにしたので、スライドドア14を通常の閉動作から引き込み動作へ切り替えるための切替え機構61の構成を簡素化して、この開閉装置24のコストを低減することができる。
【0075】
図12(a)〜(d)および図13(a)〜(d)はそれぞれ図2に示す開閉装置の変形例を概略で示す説明図である。なお、図12、図13においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
【0076】
図2に示す開閉装置24では、ガイドレールとして第1と第2のガイドレールを用い、第1のガイドレールとしてのロワーレール17と第2のガイドレールとしてのセンターレール18を車体12に固定し、それぞれ対応する支持アームとして第1と第2の支持アームを用い、第1の支持アームとしてのロワーアーム15と第2の支持アームとしてのセンターアーム16をスライドドア14に設け、車体12のフロアパネルの内部に駆動ユニット31を配置し、開側ケーブル25aと閉側ケーブル25bをロワーアーム15に連結するとともに、閉側ケーブル25bの駆動ユニット31と反転プーリ32bとの間の部分に連結ユニット53を設けて、連結ユニット53とセンターレール18の閉側の長手方向端部に設けたクローザ機構51との間に閉鎖用ケーブル52を配策するようにしている。
【0077】
これに対して、図12(a)に示す変形例では、ガイドレールとしてのセンターレール18を車体12に固定し、支持アームとしてのセンターアーム16をスライドドア14に設け、車体12の内装パネルの内部に駆動ユニット31を配置し、開側ケーブル25aと閉側ケーブル25bをセンターアーム16に連結するとともに、閉側ケーブル25bの駆動ユニット31と反転プーリ32bとの間の部分に連結ユニット53を設けて、連結ユニット53とセンターレール18の閉側の長手方向端部に設けた切替え機構61との間に閉鎖用ケーブル52を配策するようにしている。この場合には、センターレール18とセンターアーム16に変えて、ロワーレール17とロワーアーム15に対して適用することもできる。
【0078】
また、図12(b)に示す変形例では、ガイドレールとしてのセンターレール18をスライドドア14に固定し、支持アームとしてのセンターアーム16を車体12に設け、スライドドア14の内部に駆動ユニット31を配置し、開側ケーブル25aと閉側ケーブル25bをセンターアーム16に連結するとともに、閉側ケーブル25bの駆動ユニット31と反転プーリ32bとの間の部分に連結ユニット53を設けて、連結ユニット53とセンターレール18の閉側の長手方向端部に設けた切替え機構61との間に閉鎖用ケーブル52を配策するようにしている。この場合にも、センターレール18とセンターアーム16に変えて、ロワーレール17とロワーアーム15に対して適用することもできる。
【0079】
さらに、図12(c)に示す変形例では、ガイドレールとして第1と第2のガイドレールを用い、第1のガイドレールとしてのロワーレール17を車体12に固定し、第2のガイドレールとしてのセンターレール18をスライドドア14に固定し、それぞれ対応する支持アームとして第1と第2の支持アームを用い、第1の支持アームとしてのロワーアーム15をスライドドア14に設け、第2の支持アームとしてのセンターアーム16を車体12に設け、車体12のフロアパネルの内部に駆動ユニット31を配置し、開側ケーブル25aと閉側ケーブル25bをロワーアーム15に連結するとともに、閉側ケーブル25bの駆動ユニット31と反転プーリ32bとの間の部分に連結ユニット53を設けて、連結ユニット53とスライドドア14に設けたセンターレール18の閉側の長手方向端部に設けた切替え機構61との間に閉鎖用ケーブル52を配策するようにしている。
【0080】
さらに、図12(d)に示す変形例では、ガイドレールとして第1と第2のガイドレールを用い、第1のガイドレールとしてのロワーレール17を車体12に固定し、第2のガイドレールとしてのセンターレール18をスライドドア14に固定し、それぞれ対応する支持アームとして第1と第2の支持アームを用い、第1の支持アームとしてのロワーアーム15をスライドドア14に設け、第2の支持アームとしてのセンターアーム16を車体12に設け、スライドドア14の内部に駆動ユニット31を配置し、開側ケーブル25aと閉側ケーブル25bをセンターアーム16に連結するとともに、閉側ケーブル25bの駆動ユニット31と反転プーリ32bとの間の部分に連結ユニット53を設けて、連結ユニット53と車体12に設けたロワーレール18の閉側の長手方向端部に設けた切替え機構61との間に閉鎖用ケーブル52を配策するようにしている。
【0081】
さらに、図13(a)に示す変形例では、ガイドレールとしてのセンターレール18を車体12に固定し、支持アームとしてのセンターアーム16をスライドドア14に設け、スライドドア14の内部に駆動ユニット31を配置し、開側ケーブル25aと閉側ケーブル25bをセンターアーム16を介してセンターレール18の長手方向の各端部に連結するとともに、閉側ケーブル25bの駆動ユニット31とセンターアーム16との間の部分に連結ユニット53を設けて、連結ユニット53とセンターレール18の閉側の長手方向端部に設けた切替え機構61との間に閉鎖用ケーブル52を配策するようにしている。この場合には、センターレール18とセンターアーム16に変えて、ロワーレール17とロワーアーム15に対して適用することもできる。
【0082】
さらに、図13(b)に示す変形例では、ガイドレールとして第1と第2のガイドレールを用い、第1のガイドレールとしてのセンターレール18と第2のガイドレールとしてのロワーレール17を車体12に固定し、支持アームとして第1と第2の支持アームを用い、第1支持アームとしてのセンターアーム16と第2の支持アームとしてのロワーアーム15をスライドドア14に設け、スライドドア14の内部に駆動ユニット31を配置し、開側ケーブル25aと閉側ケーブル25bをセンターアーム16を介してセンターレール18の長手方向の各端部に連結するとともに、閉側ケーブル25bの駆動ユニット31とセンターアーム16との間の部分に連結ユニット53を設けて、連結ユニット53とロワーレール17の閉側の長手方向端部に設けた切替え機構61との間に閉鎖用ケーブル52を配策するようにしている。
【0083】
さらに、図13(c)に示す変形例では、ガイドレールとしてのセンターレール18をスライドドア14に固定し、支持アームとしてのセンターアーム16を車体12に設け、車体12の内装パネルの内部に駆動ユニット31を配置し、開側ケーブル25aと閉側ケーブル25bをセンターアーム16を介してセンターレール18の長手方向の各端部に連結するとともに、閉側ケーブル25bの駆動ユニット31とセンターアーム16との間の部分に連結ユニット53を設けて、連結ユニット53とセンターレール18の閉側の長手方向端部に設けた切替え機構61との間に閉鎖用ケーブル52を配策するようにしている。この場合にも、センターレール18とセンターアーム16に変えて、ロワーレール17とロワーアーム15に対して適用することもできる。
【0084】
さらに、図13(d)に示す変形例では、ガイドレールとして第1と第2のガイドレールを用い、第1のガイドレールとしてのセンターレール18をスライドドア14に固定し、第2のガイドレールとしてのロワーレール17を車体12に固定し、支持アームとして第1と第2の支持アームを用い、第1支持アームとしてのセンターアーム16を車体12に設け、第2の支持アームとしてのロワーアーム15をスライドドア14に設け、車体12の内装パネルの内部に駆動ユニット31を配置し、開側ケーブル25aと閉側ケーブル25bをセンターアーム16を介してセンターレール18の長手方向の各端部に連結するとともに、閉側ケーブル25bの駆動ユニット31とセンターアーム16との間の部分に連結ユニット53を設けて、連結ユニット53とロワーレール17の閉側の長手方向端部に設けた切替え機構61との間に閉鎖用ケーブル52を配策するようにしている。
【0085】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施の形態おいては、駆動ユニット31によりロワーレール17に支持されるローラアッシー21を駆動してスライドドア14を開閉動作させるとともに、クローザ機構51によりセンターレール18に支持されるローラアッシー22を駆動してスライドドア14を引き込み動作させるようにしているが、これに限らず、例えば、駆動ユニット31によりセンターレール18に支持されるローラアッシー22を駆動してスライドドア14を開閉動作させるとともに、クローザ機構51によりロワーレール17に支持されるローラアッシー21を駆動してスライドドア14を引き込み動作させるように各ガイドレールと対応する支持アームとを任意に入れ換えるようにしてもよい。
【0086】
また、前記実施の形態においては、開側ケーブル25aと閉側ケーブル25bは別体に形成されるが、これに限らず、1本のケーブルの中間部位をドラム35に巻き付け、その一端側を開側ケーブル25a、他端側を閉側ケーブル25bとしてもよい。
【0087】
さらに、前記実施の形態においては、各索条体はそれぞれケーブル25a,25b,52とされ、各反転用回転体はそれぞれ反転用プーリ32a,32bとされているが、これに限らず、索条体としてゴムベルトやワイヤ、チェーン等も用いてもよく、これに対応して反転用回転体としてスプロケット等を用いるようにしてもよい。
【0088】
さらに、前記実施の形態においては、テンショナー機構36a,36bはアウターチューブ33a,33bに固定されるスライドキャップ37a,37bをスプリング38,38により付勢することにより、各ケーブル25a,25bのアウターチューブ33a,33bから引き出される長さを増減させて当該ケーブル25a,25bに張力を不要する構造となっているが、これに限らず、動滑車58の移動に伴う各ケーブル25a,25bの弛みを吸収できる構造であれば、例えば、ユニットケース34の内部にケーブル25a,25bが掛け渡される可動プーリを配置し、この可動プーリをスプリング等のばね部材によりケーブル25a,25bの移動経路を増加させる方向に付勢するようにしたテンショナー機構など、他の構造のテンショナー機構を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】スライドドアを備えたワンボックスタイプの車両の側面図である。
【図2】図1に示すスライドドアの車体への取付け構造を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である車両用自動開閉装置の詳細を示す斜視図である。
【図4】駆動ユニットの詳細を示す一部切り欠き断面図である。
【図5】連結ユニットの内部構造を示す斜視図である。
【図6】図3に示す切替え機構の詳細を示す説明図である。
【図7】図6に示すラッチの詳細を示す斜視図である。
【図8】図6に示す係止ブロックの詳細を示す斜視図である。
【図9】ローラアッシーがラッチに連結された状態を示す斜視図である。
【図10】(a)〜(d)はそれぞれ切替え機構の動作を示す説明図である。
【図11】(a)、(b)はそれぞれ連結ユニットの作動を示す説明図である。
【図12】(a)〜(d)はそれぞれ図2に示す開閉装置の変形例を概略で示す説明図である。
【図13】(a)〜(d)はそれぞれ図2に示す開閉装置の変形例を概略で示す説明図である。
【符号の説明】
【0090】
11 車両
12 車体
13 開口部
14 スライドドア
14a ドアシール材
15 ロワーアーム(第1の支持アーム)
16 センターアーム(第2の支持アーム)
17 ロワーレール(第1のガイドレール)
17a 直線部
17b 傾斜部
18 センターレール(第2のガイドレール)
18a 直線部
18b 曲部
21,22 ローラアッシー
23 アッパーレール
24 車両用自動開閉装置
25a 開側ケーブル(開側の索条体)
25b 閉側ケーブル(閉側の索条体)
31 駆動ユニット(駆動手段)
32a,32b 反転用プーリ(反転用回転体)
33a,33b,33c アウターチューブ
34 ユニットケース
35 ドラム
36a,36b テンショナー機構
37a,37b スライドキャップ
38 スプリング
41 電動モータ
42 制御装置
51 クローザ機構
52 閉鎖用ケーブル(閉鎖用の索条体)
52a ケーブルエンド
53 連結ユニット
54 ケース
54a,54b,54c 引き込み部
55 ホルダ
56 スプリング
57 支軸
58 動滑車
61 切替え機構
62 ラッチ
62a 本体部
62b 連結脚部
62c 連結孔
63 案内用プーリ
64 アウターチューブ
65 係止ブロック
65a 係止面
65b 逃げ溝
65c ガイド壁
65d 角部
71 駆動部
72 案内用ローラ
73 走行用ローラ
74 本体ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
車体または前記スライドドアのいずれか一方に固定されるガイドレールと、
前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、前記ガイドレールに移動自在に支持される支持アームと、
前記ガイドレールに沿って配置され、前記支持アームに開閉方向から連結される開側と閉側の索条体と、
前記車体または前記スライドドアのいずれか一方に配置され、前記索条体を駆動して前記スライドドアを開閉動作させる駆動手段と、
一端が前記閉側の索条体に作動的に連結され、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに他端が前記支持アームに作動的に連結される閉鎖用の索条体とを有し、
所定開度にまで閉じた前記スライドドアを前記閉鎖用の索条体により全閉位置にまで牽引することを特徴とする車両用自動開閉装置。
【請求項2】
車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
車体または前記スライドドアのいずれか一方に固定される第1と第2のガイドレールと、
前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、対応する前記ガイドレールに移動自在に支持される第1と第2の支持アームと、
前記第1のガイドレールに沿って配置され、前記第1の支持アームに開閉方向から連結される開側と閉側の索条体と、
前記車体または前記スライドドアのいずれか一方に配置され、前記索条体を駆動して前記スライドドアを開閉動作させる駆動手段と、
一端が前記閉側の索条体に作動的に連結され、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに他端が前記第1または第2の支持アームに作動的に連結される閉鎖用の索条体とを有し、
所定開度にまで閉じた前記スライドドアを前記閉鎖用の索条体により全閉位置にまで牽引することを特徴とする車両用自動開閉装置。
【請求項3】
車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
車体または前記スライドドアのいずれか一方に固定される第1のガイドレールと、
前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に固定される第2のガイドレールと、
前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、前記第1のガイドレールに移動自在に支持される第1の支持アームと、
前記車体または前記スライドドアのいずれか一方に設けられ、前記第2のガイドレールに移動自在に支持される第2の支持アームと、
前記第1のガイドレールに沿って配置され、前記第1の支持アームに開閉方向から連結される開側と閉側の索条体と、
前記車体または前記スライドドアのいずれか一方に配置され、前記索条体を駆動して前記スライドドアを開閉動作させる駆動手段と、
一端が前記閉側の索条体に作動的に連結され、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに他端が前記第1または第2の支持アームに作動的に連結される閉鎖用の索条体とを有し、
所定開度にまで閉じた前記スライドドアを前記閉鎖用の索条体により全閉位置にまで牽引することを特徴とする車両用自動開閉装置。
【請求項4】
車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
車体または前記スライドドアのいずれか一方に固定されるガイドレールと、
前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、前記ガイドレールに移動自在に支持される支持アームと、
前記ガイドレールに沿って配置され、前記ガイドレールの各端部に連結される開側と閉側の索条体と、
前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に配置され、前記索条体を駆動して前記スライドドアを開閉動作させる駆動手段と、
一端が前記閉側の索条体に作動的に連結され、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに他端が前記支持アームに作動的に連結される閉鎖用の索条体とを有し、
所定開度にまで閉じた前記スライドドアを前記閉鎖用の索条体により全閉位置にまで牽引することを特徴とする車両用自動開閉装置。
【請求項5】
車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
車体または前記スライドドアのいずれか一方に固定される第1と第2のガイドレールと、
前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、対応する前記ガイドレールに移動自在に支持される第1と第2の支持アームと、
前記第1のガイドレールに沿って配置され、前記第1のガイドレールの各端部に連結される開側と閉側の索条体と、
前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に配置され、前記索条体を駆動して前記スライドドアを開閉動作させる駆動手段と、
一端が前記閉側の索条体に作動的に連結され、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに他端が前記第1または第2の支持アームに作動的に連結される閉鎖用の索条体とを有し、
所定開度にまで閉じた前記スライドドアを前記閉鎖用の索条体により全閉位置にまで牽引することを特徴とする車両用自動開閉装置。
【請求項6】
車両に設けられるスライドドアを自動的に開閉する車両用自動開閉装置であって、
車体または前記スライドドアのいずれか一方に固定される第1のガイドレールと、
前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に固定される第2のガイドレールと、
前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、前記第1のガイドレールに移動自在に支持される第1の支持アームと、
前記車体または前記スライドドアのいずれか一方に設けられ、前記第2のガイドレールに移動自在に支持される第2の支持アームと、
前記第1のガイドレールに沿って配置され、前記第1のガイドレールの各端部に連結される開側と閉側の索条体と、
前記車体または前記スライドドアのいずれか他方に配置され、前記索条体を駆動して前記スライドドアを開閉動作させる駆動手段と、
一端が前記閉側の索条体に作動的に連結され、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに他端が前記第1または第2の支持アームに作動的に連結される閉鎖用の索条体とを有し、
所定開度にまで閉じた前記スライドドアを前記閉鎖用の索条体により全閉位置にまで牽引することを特徴とする車両用自動開閉装置。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用自動開閉装置において、
前記ガイドレールの両端部に配置され、前記開側と閉側の索条体の移動方向を反転させる一対の反転用回転体と、
前記閉鎖用の索条体の一端に回転自在に設けられ、前記閉側の索条体の前記駆動手段と前記反転用回転体との間の部分が掛け渡される動滑車とを有することを特徴とする車両用自動開閉装置。
【請求項8】
請求項4〜6のいずれか1項に記載の車両用自動開閉装置において、前記閉鎖用の索条体の一端に回転自在に設けられ、前記閉側の索条体の前記駆動手段と前記支持アームとの間の部分が掛け渡される動滑車とを有することを特徴とする車両用自動開閉装置。
【請求項9】
請求項7または8記載の車両用自動開閉装置において、前記動滑車の移動に伴う前記開側の索条体の弛みを吸収するテンショナー機構を有することを特徴とする車両用自動開閉装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用自動開閉装置において、
前記閉鎖用の索条体の他端に連結されるラッチと、
前記ガイドレールの閉側の端部に固定される係止ブロックと、
前記支持アームに設けられ、前記スライドドアが所定開度にまで閉じられたときに前記ラッチに当接して該ラッチを前記係止ブロックにより係止される係止状態から前記係止ブロックによる係止が解除される解除状態に駆動するとともに解除状態となった前記ラッチに連結される駆動部とを有することを特徴とする車両用自動開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−24381(P2009−24381A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−187927(P2007−187927)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】