説明

農業機械

【課題】例えば、農業機械が盗難にあったときに、この機械はどの地域でも使用することができるが、設定した地域以外では、使用できないようにしようとするものである。
【解決手段】GPS等により農業機械の地上位置を検出する地上位置検出装置3と、農業機械の作業可能地域を設定する地域設定装置4とを設けた農業機械において、前記地域設定装置4で設定した地域以外においては、農業機械としての機能の一部又は全部を規制する制御装置7を設けたことを特徴とする農業機械の構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
地域設定装置で設定された地域以外で農業機械を利用したときには、この機械は機械としての機能の一部又は全部を規制した技術であり、農業機械として利用できる。
【背景技術】
【0002】
特開2003−267190号公報で示すように、この農業機械に正規のキーがキーシリンダに挿入されているか否かが検出されることにより、正規のキーがキーシリンダへ挿入されていないと、エンジンの始動を阻止すると共に、このエンジンの始動関係のハーネスと、本体の制御系との接続部を、合成樹脂材により、覆って固めているものであった。
【特許文献1】特開2003−267190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
キーを抜き忘れたとき、又、キー及びスペアキーが盗難にあったときには、農業機械も盗難にあうことがある。盗んだこの農業機械を遠隔地へ運搬すると、この遠隔地では、作業を行うことができるが、この問題を解決して盗難された農業機械では、作業ができないようにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
即ち、請求項1に記載の発明においては、GPS等により農業機械の地上位置を検出する地上位置検出装置(3)と、農業機械の作業可能地域を設定する地域設定装置(4)とを設けた農業機械において、前記地域設定装置(4)で設定した地域以外においては、農業機械としての機能の一部又は全部を規制する制御装置(7)を設けたことを特徴とする農業機械としたものである。
【0005】
農業機械には、この農業機械の現在位置を検出するGPS等の地上位置検出装置(3)を設けると共に、この農業機械の作業可能地域を設定する地域設定装置(4)等とを設けている。
【0006】
前記農業機械を地域設定装置(4)で設定した作業可能地域以外で作業をしようとすると、地上位置検出装置(3)が作業可能地域以外であると検出され、この検出が制御装置(7)へ入力され、この入力により、この制御装置(7)で農業機械の機能の一部又は全部が規制され、この農業機械で作業を行うことができない。又、作業可能地域内に存在することが、地上位置検出装置(3)で検出されると、この検出が制御装置(7)へ入力され、この入力により、この制御装置(7)で農業機械が運転可能とされるので、農作業を開始することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明においては、GPS等により農業機械の地上位置を検出する地上位置検出装置(3)と、農業機械の作業可能地域を設定する地域設定装置(4)とを設けた農業機械において、エンジン(5)の始動及び停止操作をするキー(6a)を挿入するキーシリンダ(6b)等とを設け、前記地域設定装置(4)で設定した地域以外においては、前記エンジン(5)の始動を規制する制御装置(7)を設けたことを特徴とする農業機械としたものである。
【0008】
前記農業機械を地域設定装置(4)で設定した作業可能地域以外で作業をしようとすると、地上位置検出装置(3)が作業可能地域以外であると判断し、この判断が制御装置(7)へ入力され、この入力により制御装置(7)は、農業機械のエンジン(5)を始動操作するキー(6a)をキーシリンダ(6b)へ挿入してエンジン(5)の始動操作をしても始動が規制されるので、エンジン(5)は始動されずに、農業機械での作業を行うことができない。又、作業可能地域内であると地上位置検出装置(3)は作業可能地域内と判断され、この判断が制御装置(7)へ入力され、この入力によりこの制御装置(7)でキー(6a)の操作によりエンジン(5)が始動され、作業を開始することができる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明においては、作業可能地域を設定する地域設定装置(4)で設定された地域が、作業可能地域以外であると、農業機械としての機能の一部又は全部を制御装置(7)で規制されることになる。一部の機能の規制である場合においては、走行部以外を規制した時には、工場出荷から納入先までの設定地域外での自走が可能である。全部が規制された場合においては、走行ができないので、牽引等により移動する。又、盗難等にあった場合、設定地域外では使用できないので、盗難を未然に防止することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明においては、作業可能地域を設定する地域設定装置(4)で設定した地域が、作業可能地域以外であると、キー(6a)を操作しても、エンジン(5)の始動が制御装置(7)で規制されることにより、盗難によって他県などで使用しようとしても、エンジン(5)が始動しないことにより、盗難の防止ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
農業機械を、例えば、コンバイン1で説明すると、このコンバイン1へ盗難防止装置2を装着している。このコンバイン1には、GPS等の地上位置検出装置3と、作業可能地域を設定する地域設定装置4を設けている。この地域設定装置4で設定した地域以外においては、このコンバイン1を機械としての機能を果たす一部を規制する操作装置6内には、制御装置7を設けている。
【0012】
前記コンバイン1の走行車台8の前方部に立毛穀稈を刈取り移送する刈取機9を設けると共に、上側の一方側にこの刈取機9から刈取り穀稈を引継ぎ脱穀する脱穀機10を載置し、この脱穀機10の横側に穀稈済み穀粒を受けて、貯留する穀粒貯留タンク10dを載置している。又、この穀粒貯留タンク10dの前部で走行車台8の上側には、エンジン5を載置している。
【0013】
まず、前記コンバイン1の構成を説明する。
前記コンバイン1の走行車台8の下側には、図1で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ11aを張設した走行装置11を配設し、走行車台8の上側面に脱穀機10を載置した構成である。走行車台8の前方部の刈取機9で立毛穀稈を刈取りして、後方上部へ移送し、脱穀機10のフィードチェン10aと、挟持杆10bとで引継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済みの穀粒は、脱穀機10の右横側へ配設した穀粒貯留タンク10d内へ供給され、一時貯留される。又、脱穀機10の横側へ設けている穀粒貯留タンク10dの上側面には、GPS等の地上位置検出装置3(アンテナ)を設けて、コンバイン1の位置を検出させている。
【0014】
前記走行車台8の前方部には、図1で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド12a、及び複数個の分草体12bと、立毛穀稈を引起す複数個の引起装置12cと、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置13の各掻込装置13aと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置12dと、刈取りされた穀稈を挟持移送して脱穀機10のフィードチェン10aと挟持杆10bとへ受渡しする穀稈掻込移送装置13の根元・穂先移送装置14a・14b等とからなる刈取機9を設けている。該刈取機9は、油圧駆動による伸縮シリンダ15により、土壌面に対して、昇降する構成である。
【0015】
前記刈取機9の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆16aの上端部に設ける支持パイプ杆16bを走行車台8の上側面に設けた支持装置16cで回動自在に支持させている。伸縮シリンダ15を作動させると支持杆16aと共に、刈取機9が上下回動する構成である。
【0016】
前記刈取機9の穀稈掻込移送装置13によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、脱穀機10への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ9aを設けた構成である。
【0017】
前記穀粒貯留タンク10d側の前部には、図1で示すように、コンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う制御装置7を内装した、操作装置6と、操縦席17とを設け、この操縦席17の下側にエンジン5を載置している。又、この操作装置6内には、コンバイン1を使用可能地域を設定する地域設定装置4を設けている。この地域設定装置4は外部からは操作できない構成としている。操作装置6には、エンジン5を始動、及び停止のときに操作するキー6aへ挿入するキーシリンダ6bを設けている。
【0018】
前記走行車台8の前端部に装架した走行用のミッションケース18内の伝動機構18aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ18bを設けている。
【0019】
前記穀粒貯留タンク10d内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク10dの後側には、図1で示すように、縦移送螺旋19aを内装した縦移送筒19を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この縦移送筒19の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋20aを伸縮自在に内装した排出オーガ20を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設した構成である。
【0020】
コンバイン1の盗難防止装置2の操作装置6へ設けた、地域設定装置4の操作により、工場出荷時に、図2で示すように、例えば、秋田県が作業可能地域であると設定した、このコンバイン1が設定した地域以外の、例えば、岩手県で使用して、穀稈の刈取り作業をしようとすると、このコンバイン1を使用する地域が地上位置検出装置3で岩手県であると検出され、この検出が操作装置6の制御装置7へ入力され、この入力と、設定の作業可能地域とが比較され、設定の作業可能地域以外であると判定される。
【0021】
前記の判定により、作業可能地域以外のときには、前記コンバイン1は、走行のみの機能を有する。例えば、脱穀機10、又は刈取機9の作動を操作装置6の制御装置7により、規制されて回転駆動されない構成である。又、可能地域内であると判定された時には、コンバイン1の各部が回転駆動され、穀稈の収穫作業ができる。
【0022】
作業可能地域を設定する地域設定装置4で設定した地域が、作業可能地域以外であると、コンバイン1は機械としての機能の一部を制御装置7で規制されることにより、例えば、脱穀機10の機能を規制したときには、工場出荷から納入先までの、規制域以外での自走が可能である。又、盗難等にあって設定地域外では、脱穀機10、又は刈取機9が使用できない。このコンバイン1の納品の規制は無しで、盗難の防止を図ることができる。
【0023】
前記コンバイン1の盗難防止装置2の操作装置6へ設けた、地域設定装置4の操作により、工場出荷時に、図2で示すように、例えば、秋田県が作業可能地域であると設定した、このコンバイン1が設定した地域外の岩手県で使用して、穀稈の刈取り作業をしようとして、エンジン用のキー6aを操作装置6へ設けた機へシリンダ6bへ挿入して、エンジン5を始動操作しようとしても、コンバイン1を使用する地域が地上位置検出装置3で岩手県であると検出され、この検出が操作装置6の制御装置7へ入力され、この入力と、設定の作業可能地域とが比較され、設定の作業可能地域以外であると判定されると、キー6aをキーシリンダ6bへ挿入し、始動操作していても、エンジン5の始動が制御装置7で制御され、エンジン5は回転駆動されない構成である。又、作業可能地域内であると、制御装置7で判定された時には、このエンジン5はキー6aの始動操作により、回転駆動され、穀稈の収穫作業ができる。
【0024】
作業可能地域を設定する前記地域設定装置4で設定した地域が、作業可能地域以外であると、エンジン5の始動が制御装置7で規制されることにより、盗難によって他県などで使用しようとしても、エンジン5が始動しないことにより、盗難の防止ができる。又、位置情報によって、収量等の情報処理機能を有するコンバイン1等においては、現有の装置で実施可能であり、コストの上昇を抑えることができる。
【0025】
アクティブノイズコントロール機能を有する携帯電話21において、図3で示すように、複数の検知マイク22a,22aと、携帯電話21と複数の使用状態(携帯電話を当てている側)検知センサ22b,22bと、エラーマイク22cと、消音スピーカ22d等とを内装して設けている。又、制御部23を内装して設けている。更に、受音部、通話部のどちらにアクティブノイズコントロールを用いてもよい。消音口22eの近傍部へアクティブノイズコントロールを設けている。
【0026】
又、制御は図4で示すように、各検知マイク22a,22aで騒音信号を、エラーマイク22cで消音状態の信号が制御部23へ入力され、この制御部23で両者の信号を比較されると共に、この制御部23から消音スピーカ22dへ逆位相の音が出力される。
【0027】
これにより、通常携帯電話21を使用する時は、左右いずれかの耳に携帯電話を当てて使用する。従って、騒音は、耳へ当てている反対側から入ってくる方が多いが、本発明により、騒音源を一つとして扱えるために、構成の簡素化が可能である。又、消音口22の近傍部へアクティブノイズコントロールを設けたことにより、受音の音量の改善を図ることができる。
【0028】
図5で示すように、前記携帯電話21の通話口22fの近傍部には、アクティブノイズコントロールを設けている。又、制御構成は、図4で示すものと同じである。
これにより、前記携帯電話21で通話中に周囲の騒音で会話音が聞きづらいことがあるが、通話口22fの近傍へ周囲音をキャンセルするアクティブノイズコントロールを設けたことにより、通話音質の改善を図ることができる。
【0029】
図6で示すように、貯留箱24内には、複数個の貯留タンク24a,24b,24c等を設け、この貯留タンク24a内には、眠り防止用の香料を貯留し、貯留タンク24b内には、疲労回復用の香料を貯留し、24b内には、前記両者に効果のある香料を貯留している。貯留タンク24aと、運転作業者が操縦席17へ着座して、運転操作する運転室を形成するキャビン(共に図示せず)とは、接続具27で接続して、各種香料をキャビン内へ案内させる。
【0030】
前記キャビン内には、図7で示すように、運転作業者の眠り状態を検出する眠り検出センサ26aと、疲労状態を検出する疲労検出センサ26bとを設けている。これら各センサ26a,26bの検出値は、操作装置6へ内装した制御装置7内へ入力される。この入力の眠り値が所定値以上であると、ヒータプレート25aへ設けたヒータ25bが「入」操作され、眠り防止用の香料が気化されて、この香料の香りが接続具27を経てキャビン内へ挿入される。又、疲労値が所定値以上であると、ヒータプレート25cのヒータ25dが「入」操作され、疲労用の香料が気化されて、この香料の香りが接続具27を経てキャビン内へ挿入される。眠り値、及び疲労値の両者が所定値以上であると、ヒータプレート25eのヒータ25fが「入」操作され、混合の香料が気化されて、この香料の香りが接続具27を経てキャビン内へ挿入される。27a,27b,27cは、ハーネスである。
【0031】
これにより、運転作業者の体調に応じた香を発生させることにより、安全性の向上、及び集中力の維持を図ることができる。
前記操縦席17は、図8で示すように、座席部17aと、背もたれ部17bに分割された構成であり、この背もたれ部17bには、排風口17cを設ける。又、コンバイン1には、送風機を載置した構成であるときには、この送風機と、操縦席17の座席部17aとは、接続パイプ28を設けて接続させている。この送風機より発生する起風を送風し、背もたれ部17bの排風口17cから排風する。座席部17a、及び背もたれ部17bへ付着した水分等を除去する。
【0032】
これにより、前記操縦席17へ移っている水分等を効率的に除去することにより、常に快適な作業を行うことができる。
前記操縦席17は、図9、及び図10で示すように、座席部17aの下側と、背もたれ部17bとには、通風性のよい布、又はレザーを貼付している。又、コンバイン1には、冷暖器を載置した構成においては、この冷暖器と、座席部17aの下側へ設けた漏斗28aとは、接続パイプ28を設けて接続させている。この漏斗28aの上側には、摺動自在にシャッタ28bを設け、送風、及び遮断を行うことができる。冷暖器から発生する冷風、又は暖風を操縦席17内へ送風して、背もたれ部17bへ設けた排風口17cから排出する。座席部17a、及び背もたれ部17bへ付着した水分等を除去する。
【0033】
これにより、前記操縦席17へ移っている水分等を効率的に除去することにより、常に快適な作業ができる。冷却、加温が任意に行える。個人に応じた快適性の向上を図ることができる。
【0034】
図11で示すように、前記コンバイン1の操作装置6には、1cタグリーダ29を設け、刈取機9の任意位置へ刈取1cタグ29aを設けると共に、脱穀機10の任意位置へ脱穀1cタグ29bを設けている。これらコンバイン1を構成する構成部品に、各1cタグ29a,29b等を設け、構成部品を管理し、設定した構成部品以外で構成された時には、コンバイン1としての機能を制限する。又、同時に履歴管理に用いてもよい。更に、1cタグの組合せは自由である。
【0035】
制御は、図12で示すように、行われる。スタートが開始され、(ステップ101)、キー「ON」が検出され(ステップ102)、「NO」と検出されると(101)へ戻る。「YES」と検出されると、各1cタグ29a,29b読み取りされ(ステップ103)、正規の組合せが検出され(ステップ104)、「YES」と検出されるとエンジン5の始動が許可され(ステップ105)、「NO」と検出されると不正コンバインと判断される(ステップ106)、エンジン始動不許可され(ステップ107)、(ステップ105)、及び(ステップ107)は、リターンへ進む(ステップ108)。又、※印部の管理は、脱穀機10の回転等でもよい。
【0036】
これにより、盗難品の組み換え防止、及び不正改造を防止できる。結果として盗難等を防止できる。
認証機能付の前記コンバイン1には、図13で示すように、操作装置6、及び操縦席17等を設ける操作室を形成するキャビンを設けた構成において、このキャビンには、キャビン用の開閉ドア30を設け、この開閉ドア30に開閉用の把持具30aを設けると共に、指等をクリーニングする布等よりなるクリーニング部30bを設け、又、この指の指紋を検出する指紋センサ部30cを設けている。指紋、静脈などは、土で汚れる可能性のある部位で認証するときは、前記クリーニング部30bで土等の除去後に、指紋センサ部30cで指紋を検出する。
【0037】
図14で示すように、指紋認証では、端点と、分岐点等の情報が重要なデータとなることにより、クリーニング部30bが必要である。又、指紋の認証と、設定した指紋とが一致しないと、コンバイン1は始動しない構成である。
【0038】
これにより、認証機能付きの前記コンバインにおいては、土や有機物に直接触れる場合が多く、指紋認証等においては、認証率が低下する場合があるが、これを解消することができる。
【0039】
図15、及び図16で示すように、穀稈が脱穀機10へ引継ぎされて供給される前段部に、穀稈の株元部と穂先部との境界部を検出する複数箇所に反射光量を検出する発光部と、受光部よりなる境界検出センサ31aを設けている。複数のセンサ信号の比率を基に、予め設定した閾値、又は比率信号を基に算出する閾値とによって境界を検出する。穀稈の測定は、図15で示すように、測定される。
【0040】
図16の(a)は、穂部の測定領域である。図16の(b)は、稈部の測定領域である。更に、図17の(a)は、測定領域(穂部)のパワースペクトルを示しているが、方向性が弱い。図17の(b)は、測定領域(稈部)のパワースペクトルを示しているが、方向性が強い。これにより、穂部と稈部との境界部を検出し、穀稈の扱ぎ深さの調節を行う。
【0041】
これにより、複数のセンサ信号の比率を基にすることにより、安定した検出を行うことができる。
前記コンバイン1には、図18で示すように、画像入力部と、画像処理機能とを有した構成において、刈取機9で穀稈の刈取りから脱穀機10の脱穀室へ供給までの移送途中の箇所へ画像入力部を設ける。又、穀稈の画像を周波分析を行い、パワースペクトルを算出し、パワースペクトルの傾きによって、フィードチェン10aの内側へ設けた補助チェン31bのチェン速度を調節制御し、穀稈を脱穀機10内へ供給する供給角度を変更制御する。31bは画像入力装置である。
【0042】
穀稈が前記脱穀機10内へ供給されるときに、図19で示すように、穀稈がばらけた状態で供給される。又、測定箇所は、測定領域(a)である。この測定領域(a)のパワースペクトルは、図20で示すように、方向性がない。
【0043】
又、図21で示すように、穀稈がそろった状態で供給される。又、測定箇所は、測定領域(b)である。この測定領域(b)のパワースペクトルは、図22で示すように方向性がある。
【0044】
図23で示すように、各パワースペクトルの分布により、角度(θ)を出して、穀稈の傾きを検出する。この角度(θ)が適性範囲であり、この適性範囲になるように、補助チェン31bのチェン速度を制御する。
【0045】
これにより、脱穀機10へ供給される穀稈は、最良の状態で供給されることにより、安定した脱穀作業ができる。又、脱穀性能の向上を図ることができる。
前記コンバイン1には、画像入力部と、画像解析機能とを有するものにおいて、周波数分析によって得られるパワースペクトルの分析の広がり状態から穀稈のばらけ状態を検出して、ばらけているときには、穀稈の移送速度を早くする。又、警報を発するようにしてもよい。
【0046】
図24で示すように、移送穀稈がばらけていない状態である。このときには、図25で示すように、測定領域のパワースペクトルは、方向性がある。
又、図26で示すように、移送穀稈がばらけている状態である。このときには、図27で示すように、測定領域のパワースペクトルは、方向性がない。これら両者の判定は、図28で示すように、予め設定した半径上のパワースペクトルの強度から分布を判定する。
【0047】
これにより、穀稈の移送姿勢の乱れの防止、及び脱穀性能の精度向上を図ることができる。
図29で示すように、前記脱穀機10の脱穀室32内へ軸支内装した扱胴32aの外周部へ装着する線材よりなる扱歯32bの先端中央部から回転方向後側部を切断して形成している。又、33cは、内側の板材よりなる補助扱歯である。更に、扱歯32bの下部には、三角形状の補強板32dを固着するもよい。
【0048】
これにより、従来は、回転方向後側の前記扱歯32bへ藁、及び藁屑等が巻き付き、このために、脱粒性が低下したり、脱穀時の負荷が増大することがあったが、これらを解消することができる。
【0049】
図30で示すように、前記脱穀機10内には、脱穀室32等で脱穀処理された脱穀処理物の供給を受けて、穀粒と、藁屑、及び塵埃等とに、揺動選別する揺動選別装置33を設けている。
【0050】
前記揺動選別装置33の移送移端部に設けた複数の山形状の揺動棚33aの下側には、蓄熱材の、例えば、酢酸ナトリウム水和物を封入した蓄熱材容器33bを設けると共に、この蓄熱材容器33bの下側には、熱源を送付する熱源配管33を設けている。ぬれ扱ぎ等の時に揺動棚33aの移送面を乾燥させる。
【0051】
これにより、前記揺動棚33aの移送面に付着する水分を、例えば、エンジン5等の熱風を送風して、乾燥させることにより、揺動選別性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】コンバインの左側全体側面図
【図2】作業可能地域と作業不可能地域との作用図
【図3】他の実施例を示す図で、携帯電話の全体側面斜視図
【図4】他の実施例を示す図で、ブロック図
【図5】他の実施例を示す図で、携帯電話の全体側面斜視図
【図6】他の実施例を示す図で、香料貯留部の拡大正面図
【図7】他の実施例を示す図で、ブロック図
【図8】他の実施例を示す図で、操縦席部の拡大側断面図
【図9】他の実施例を示す図で、操縦席部の拡大側断面図
【図10】他の実施例を示す図で、操縦席の接続パイプ部の拡大側面斜視図
【図11】他の実施例を示す図で、コンバインの左側全体側面図
【図12】他の実施例を示す図で、フローチャート図
【図13】他の実施例を示す図で、操作室の開閉ドア部の拡大側面図
【図14】他の実施例を示す図で、指紋状態図
【図15】他の実施例を示す図で、穀稈の測定点部の拡大平面図
【図16】(a)他の実施例を示す図で、穀稈の穂部の測定領域図 (b)他の実施例を示す図で、穀稈の稈部の測定領域図
【図17】他の実施例を示す図で、穀稈の穂部と、稈部とのパワースペクトル図
【図18】他の実施例を示す図で、穀稈を脱穀機へ供給部の拡大側面斜視図
【図19】他の実施例を示す図で、穀稈の測定領域(A)部の拡大平面図
【図20】他の実施例を示す図で、穀稈の測定領域(A)部のパワースペクトル図
【図21】他の実施例を示す図で、穀稈の測定領域(B)部の拡大平面図
【図22】他の実施例を示す図で、穀稈の測定領域(B)部のパワースペクトル図
【図23】他の実施例を示す図で、パワースペクトルの分布による適性範囲図
【図24】他の実施例を示す図で、穀稈のばらけていない状態の測定領域図
【図25】他の実施例を示す図で、穀稈のばらけていない状態のパワースペクトル図
【図26】他の実施例を示す図で、穀稈のばらけた状態の測定領域図
【図27】他の実施例を示す図で、穀稈のばらけた状態のパワースペクトル図
【図28】他の実施例を示す図で、パワースペクトルにおける拡大分布図
【図29】他の実施例を示す図で、扱胴へ植設した扱歯の拡大正面図
【図30】他の実施例を示す図で、揺動選別装置の揺動棚部の拡大側面図
【符号の説明】
【0053】
3 地上位置検出装置
4 地域設定装置
5 エンジン
6a キー
6b キーシリンダ
7 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS等により農業機械の地上位置を検出する地上位置検出装置(3)と、農業機械の作業可能地域を設定する地域設定装置(4)とを設けた農業機械において、前記地域設定装置(4)で設定した地域以外においては、農業機械としての機能の一部又は全部を規制する制御装置(7)を設けたことを特徴とする農業機械。
【請求項2】
GPS等により農業機械の地上位置を検出する地上位置検出装置(3)と、農業機械の作業可能地域を設定する地域設定装置(4)とを設けた農業機械において、エンジン(5)の始動及び停止操作をするキー(6a)を挿入するキーシリンダ(6b)等とを設け、前記地域設定装置(4)で設定した地域以外においては、前記エンジン(5)の始動を規制する制御装置(7)を設けたことを特徴とする農業機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2007−168533(P2007−168533A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366527(P2005−366527)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】