説明

選択的触媒削減流体の分配および循環システム

【課題】排気ガス削減剤を供給する流体分配システムを備える選択的触媒削減システムにおいて、尿素溶液の凝固に対し供給経路の流体を管理する手段を提供する。
【解決手段】循環導管出口88が貯蔵タンク容積の底部に、他の分配モジュール構成要素の近くに配置されて、流体分配期間中のモジュール構成要素の周りにおける液体循環を促進し、モジュール構成要素のおよびその周りの凍結した還元剤の解凍を促進し、液体を流体ポンプ30へ確実に連続して供給できる。分配モジュール16が、貯蔵タンクの外側に配置された流体導管から液体をパージし、パージされた液体をタンク容積へ還流させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に選択的触媒削減システムにおける流体の分配に関する。
【背景技術】
【0002】
選択的触媒削減(Selective Catalytic Reduction、SCR)システムは、内燃機関または他の燃料燃焼装置などの燃焼型動力装置からの排気ガスを処理することに用いることのできる技術であり、低有害になり得る別の化合物に変換することによって排気ガス流からの所定の型の汚染物資を除去する。たとえば、選択的触媒削減の1つとして、還元剤を触媒の存在する排気ガス流に導入してNOx化合物を排気ガスから除去し水蒸気、窒素、および/または炭酸ガスに変換する。他にNOx化合物用の還元剤として、アンモニア、アンモニア化合物、尿素がある。尿素は無害で保存および輸送に比較的安全であるので用途によって好適とも言える。
【0003】
自動車または他の移動装置に搭載される選択的触媒削減システムは、還元剤を保存する貯蔵タンクおよび還元剤を排気ガス流に分配する分配システムを備えて良い。尿素が還元剤として使用される場合、尿素が実使用の所望の濃度に水に溶かされて貯蔵タンクに保存される。尿素溶液の凝固点を最小にする濃度であっても、その溶液の凝固点は世界の多くの地域で通常の冷涼な気候温度内である。尿素溶液を加熱する手段を備えた選択的触媒削減システムであっても、加熱源がしばしばシステムの特定の場所に限定されて分配システム全体を効率的に加熱できない場合もある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施形態として、流体貯蔵タンクに使用される流体分配モジュールには、ポンプ入口およびポンプ出口を有する流体ポンプが設けられる。ポンプ入口が流体貯蔵タンクの内部タンク容積の底部から流体を受ける構成とされ、ポンプ出口がモジュール出口ポートに流体的に連結される。また、分配モジュールが流体を分配モジュールからおよびタンク容積に排出する出口を有する循環導管を備える。循環導管出口がタンク容積の底部に配されてポンプ出口またはモジュール入口ポートの一方に流体的に連結される。また、分配モジュールがタンク容積から循環導管への流体流れを防止できる循環バルブを備え、分配モジュールが貯蔵タンクに形成されたモジュール開口で貯蔵タンクに取り付けられる。
【0005】
別の実施形態では、流体分配モジュールを使用する流体ポンプ組立が流体ポンプおよびバルブ連結管を備える。流体ポンプがポンプ入口およびポンプ出口を有し、バルブ連結管が流体ポンプに取り付けれたバルブ連結管収容部を有することで、ポンプ入口および出口が連結管収容部によって覆われる。また、流体ポンプ組立が入口導管、パージ導管、およびパージバルブを備える。入口導管およびパージ導管が連結管収容部内に形成されて互いにおよび他のポンプ入口に流体的に連結される。入口バルブが入口導管を介してポンプ入口からの流体流れを防止するように働く。少なくとも1つのバルブが連結管収容部と物理的に接触する。
【0006】
別の実施形態では、SCRシステムをパージ(purge)する方法が、(a)流体貯蔵タンクの内部タンク容積から、前記貯蔵タンクの少なくとも一部外側に位置する機器供給導管を介して還元剤をポンプで汲み上げて、還元剤の少なくともある程度使用する機器に供給する工程と、(b)工程(a)の期間に、余剰な還元剤を、前記機器供給導管に流体的に連結された循環導管を介して前記貯蔵タンク容積へポンプで流す工程と、(c)続けて、前記機器供給導管から還元剤に含侵する出口を介して前記貯蔵タンクの内部容積へポンプで還元剤を供給する工程と、(d)工程(c)の期間の還元剤と同じ方向に、前記機器供給導管を介してパージガスを流す工程と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】1つの実施形態によるシングル導管流体分配システムを有するSCRシステムの概略図である。
【図2】デュアル導管流体分配システムを有するSCRシステムの概略図である。
【図3】デュアル導管流体分配システムを有するSCRシステムの概略図である。
【図4】シングル導管流体分配システムを有するSCRシステムの分解図である。
【図5】デュアル導管流体分配モジュールを示す上面斜視図である。
【図6】図5の分配モジュールの分解図である。
【図7】流体貯蔵タンクの底部に実装された図5の分配モジュールを有する流体分配モジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
SCRシステムの尿素溶液の凝固に関連する問題を解決する1つの方法が、システムを停止する前に、システムの部分から流体をパージして流体貯蔵タンクに該流体を戻すことである。システムからパージすることで凝固する流体がいずれも貯蔵タンクに残留するので、凝固した材料を溶融するのに必要な熱は既知の位置に向けられれば良い。
【0009】
分配システムによっては、流体を使用する機器に必要な量を超える量の流体を供給しても良い。余剰な流体がさまざまな方法および/またはさまざまな場所で貯蔵タンクに戻されて良い。凍結したタンクが完全に液化する前に流体の上の位置で貯蔵タンクに戻される余剰分は、固体物の上面に留まり、底部に実装された流体ポンプまで到達することなく、したがって、少なくともシステムによっては、当然にポンプが稼働できず、分配システムが働くことを妨げる。また、このことはタンク容積内の流体の循環を停止させ、さらには溶解処理を遅らせる。
【0010】
この問題を解決するため、循環流体が固体タンク内容物をさらに溶解できて、流体ポンプが流体を継続的に供給維持できるように、固体分配システムにおける余剰流体がすべて貯蔵タンクのタンク容積底部近くに戻されても良い。しかしながら、余剰流体をタンク容積の底部に戻す場合の1つの問題がシステム停止前の次のパージ期間に生じる。余剰流体が貯蔵タンクに戻される、タンク容積の底部に配された導管またはポートが、流体レベル以下、すなわち、貯蔵された流体に含侵されても良い。戻り導管またはポートは、流体ポンプが少なくとも間接的に流体ポンプ出口に接続されていて、パージ期間に反対の動作をする際に流体を貯蔵タンクから抜き取っても良く、これによって、分配システムの導管のリフィルによってパージが無効にされる。
【0011】
以下に述べる構造は、流体を流体タンクから流体分配システムの1つまたは複数の分配点へ分配し、流体分配システムをパージすることに有用であり、他の知られた構造および方法に対して貯蔵タンクの流体管理を改善する。開示する流体分配システム要素の配置および動作方法は、ある地域またはある季節では通常の外気温内の凍結点である流体の場合に特に役立つ。たとえば、流体分配システムの余剰流体がタンク内の流体レベル以下である位置に貯蔵タンクに戻されて良く、パージ期間にシステム導管のリフィルを防ぐ。
【0012】
ここで、図1〜3はシステム内の実際の要素サイズや配置を示しているものではないことに注意されたい。むしろ、SCRまたは流体分配システムの例としてに過ぎず、異なるシステム要素が互いにどのように配置できるか、これらの要素がどのように動作するかを示しているに過ぎない。個々のシステム要素の例は、他の図を参照しながらさらに詳細に検討する。さらに、流体分配システムのこれらおよび他の実施形態はSCRシステムに限定されず、他の流体分配システムにおいても、これら教示の有利な点が明らかになるであろう。
【0013】
図1が、1つの実施形態に基づく流体分配システム12を有するSCRシステム10の概略図である。分配システム12が流体貯蔵タンク14および流体分配モジュール16を備える。分配モジュール16が貯蔵タンク14の1つまたは複数の壁で形成されるモジュール開口(図示せず)で貯蔵タンク14に取り付けられて良く、分配モジュール16の少なくとも一部分がモジュール開口を貫通して延在して良い。分配モジュール16が単一または複数の要素組立として製造されて、容易に内部に、またはタンクのモジュール開口を貫通して、搭載されても良い。
【0014】
また、SCRシステム10が機器18、この場合は液体注入器、および分配システム12を注入器18に接続する機器供給導管20を備えて良い。例示において、ベント導管26を貫流する、たとえば燃焼エンジンからの排気ガス流れ24に還元剤を処方するために、液体流体22が貯蔵タンク14から注入器18へ分配されても良い。SCRシステムで使用される還元剤の1つが尿素であって、しかしながら他の化合物、たとえば他の窒素含有化合物が使用されても良い。尿素は所望濃度の水溶液の状態で良く、たとえば溶液の凝固点を最低にする濃度で良い。排気ガス流れ24からNOx化合物を除去できる実際の還元剤が尿素分解の副生成物であるが、本明細書で使用するような「還元剤」という言葉は一般に溶液(場合によって凝固物)を指す。
【0015】
例示のように、流体分配モジュール16の少なくとも一部が貯蔵タンク14の内部タンク容積内にあっても良く、他の部分がタンク容積の外側で良い。本実施形態の分配モジュール16が液体ポンプ30、入口導管32、出口導管34、循環導管36、およびパージ導管38を備える。本明細書で用いられるように、「導管」という用語は従来の導管に限定されず、流体がそこを流れるシステムの要素を広義に指す。たとえば、導管は2つのポートの間を液体が通過できる硬い接続の、バルブや、バルブ体、チャンネル、液体が通過できる要素内の中空部などであって良い。また、本実施形態の液体分配モジュール16が入口バルブ40、循環バルブ42、およびパージバルブ44を備えても良い。本実施形態のバルブ40〜44が、一方向のみの流体流れを許可する圧力差で機能する逆止弁で良い。入口バルブ40が、タンク容積28から入口ポート32への流体流れを許可し、入口導管からタンク容積への液体流れを防止するように働く。循環バルブ42が、循環導管35からタンク容積28への流体流れを許可し、タンク容積から循環導管への流体流れを防止するように働く。パージバルブ44が、パージ導管38からタンク容積28への流体流れを許可し、タンク容積からパージ導管38への流体流れを防止するように働く。
【0016】
分配期間の間、液体流体22を機器18に供給したい場合、ポンプ30が作動して流体22をポンプ入口46に汲んで流体をポンプ出口48から排出する。ポンプ入口46が貯蔵タンク容積28の底部から液体を受けるように構成されるが、ここで、貯蔵タンク容積または貯蔵タンクの液体で占めるタンク容積部分の半分が、半分(half full)として定義するものとする。流体22が入口導管32に流れ、入口バルブ40を通って、ポンプ入口46を経由して液体ポンプ30に流れ、ポンプ出口48を経由して流体ポンプから出て、出口導管34および循環導管36へ流れ、流体が加圧される。導管圧力をモニタする、および/または制御システムにフィードバッグするように、適宜に圧力変換器が使用されて良い。循環バルブ42が特定の圧力でそこを開くか貫流させるように構成されて、液体がモジュール16から循環導管出口52でタンク容積28に排出されても良い。出口52がタンク容積28の底部に配設されて良い。この配置によって、たとえば、他の流体導管よりも小さいオリフィスを通過して液体が噴射され、区域を融かすのが困難なところの凍結材料を融かし、または流体ポンプ30またはタンク容積28の他の領域の流体を循環させるのに役立つ。適宜、分配管54が循環導管36から排出される流体をさらに一様に分配できる。
【0017】
他のタイプの分流器(図1で示さず)が、循環導管36から排出された流体を循環導管出力52に向けるように使われても良い。このような分流器は液体の強力な噴流が凍結した溶液に単に穴を切り取ったり穴を掘ったりすることを防止できるものであり、凍結した材料の反対側に流体ポンプから遠ざけて流体を搬送してポンプを凍結し得る状態を防止できる。分流器の1つが、少なくとも部分的に、貯蔵タンク容積28内に配設されるモジュール16の部分を囲んで、流体循環を流体分配モジュール16およびそれの構成要素の領域または周りの領域に封じるのに役立つ。この種の分流器56の一例を図7の破線で示すが、流体流れが分流器の外側から分流器のモジュール側へ向わせるスロットや他の開口など他の機能を有しても良い。
【0018】
引き続き、パージ期間について、図1を参照して説明する。パージ期間中、流体ポンプ30が反対に作用し、流体をポンプ出口48に汲み上げてポンプ入口46から排出しても良い。図1に例示のシステム10において、注入器18が開口位置に設定されて、ベント導管26のガスが、タンク容積28へ戻る液体流体に置換されて良い。パージ期間中、循環バルブ42が閉じて、タンク容積28から循環導管への流体流れが防止される。また、入口バルブ40が閉じて、入口導管32を介しての流体流れが防止される。パージバルブ44が開口して、流体が導管またはバルブの1つまたは複数に残っても、実質的にモジュール16から排出される。もちろん、他のバルブおよび導管が含まれても良いが、図1の概略図は、液体流体のタンク容積内での移動を促進するように配設された循環導管36を使用することを含め、システム12の基本的な動作の一例を示しているにすぎない。図1のSCRシステム10は、シングル導管システムと呼ばれるが、というのは、シングル導管が流体分配システム12を装置18に接続しているからである。
【0019】
次に、図2を参照すると、SCRシステム12’の別の実施形態が示される。例示のSCRシステム10’が流体分配システム12’および装置18の間に配設された戻り導管58を有するデュアル導管システムである。戻り導管58が、装置18に供給導管20を介して供給された余剰の液体流体をタンク容積28に戻すことができる。この例では、液体流体が戻り導管58を介して循環導管36へ供給される。流体分配モジュール16’がまたベントガス入口62およびベントバルブ64のあるパージベント導管60を有する。本例では、ベント導管60が流体的にパージガス源を循環導管36に接続する。ベントバルブ64がパージガスをタンク容積28(または他のパージガス源)からベント導管60に流れるように作用し、パージベント導管60からベントガス入口を介してタンク容積28への流体流れを防止するように作用する。本実施形態での分配期間中、流体液体22が供給導管20を介して装置18へ供給される。流体の一部が排気ガス流れ24の中に注入され、余剰の液体が戻り導管58を介して流れて循環導管52を介してタンク容積28に戻される。図1に示される出口52の場合のように、循環導管出口からの液体流れが、所望の方向に向けられて、タンク容積内の液体循環に役立って、凍結材料の領域を融かすのに容易でないところに達することなどができる。
【0020】
図2に示す実施形態の場合のパージ期間中、流体ポンプ30が反対に作用し、注入器18が閉位置に設定されるが、開位置が機能する場合もある。ポンプ30が供給導管20および戻り導管58から流体を汲み上げると、循環バルブ42が閉じ、ベントバルブ64がパージガス源に開いて、ガスがタンク容積28に戻された液体流体に置換されることができる。この場合、パージガス源がタンク容積28の上部または液体流体22の上方の空間であり、パージベント導管60が配設されることで、ベントガス入口62がタンク容積の上部に位置される。パージガス源の他には、大気や別の利便性のある/または所望のガス源なども可能である。この配置によって、余剰の流体流れがタンク容積の下部の位置でタンク容積28に戻ることができ、すなわち、貯蔵流体がパージ期間中に供給導管20または戻り導管58に汲み上げられることなく、循環導管出口52が液体22に浸水される。パージ期間中、図1に示すシングル導管システムの場合のように、流体が流体分配システム16からシステムの同じ部分のタンク容積28へ排出される。
【0021】
図3を参照すると、デュアル導管SCRシステム10’’の別の実施形態が例示される。また、この実施形態がパージガス源としてタンク容積28の上部と流体的に連通するベントガス入口62を有するパージベント導管60を備える。本実施形態では、パージベント導管60が、パージガス源からポンプ入口への流体流れを選択的に可能とする1つまたは複数のバルブを介してポンプ入口46および入口導管32へパージガス源を流体的に連結する。この例では、バルブが2方向または3方向のベントバルブ64’であり、流体分配モジュール16’が専用のパージ導管またはパージバルブを備えない。ベントバルブ64’が第1(または入口)位置および第2(またはパージ)位置を有する。第1位置では、バルブ64’が、入口導管32およびポンプ入口46との間の流体流れを可能とし、パージベント導管60を閉じる。第2位置では、バルブ64’がパージベント導管60およびポンプ入口46との間の流体流れを可能とし、入口導管32を閉じる。バルブ64’が図示のように入口導管32とパージベント導管60との接合点に、または個々の導管32、60の何れかに沿って位置付けされる。
【0022】
分配期間中、バルブ64’が第1位置の場合、システム10’’が、図2のシステム10’と同様に作用し、余剰の流体が戻り導管58および循環導管32を介してタンク容積28に戻る状態で、流体を入口導管32を介してポンプ30に導出し、導管34および20を介して注入器18に導出する。この実施形態では、パージ期間中に、流体ポンプ30がそれぞれの導管を介して同じ方向に流体を汲み上げ続ける。この例では、ポンプが流体に圧力を加える方向を変えるというよりも、バルブ64’が第2位置またはパージ位置に変更される。このことは、たとえばコントローラによって操作されるアクチュエータを通して達成できる。バルブ64’が他に例示の実施形態の1方向チェックバルブよりもさらに複雑でも良いが、例示の流体分配システム12’’には、やはりチェックバルブや補助の流体導管が省略される。パージ期間中、タンク容積28の上部からのパージガスがベントガス入口62を介してパージベント導管60に入り、ポンプ30を介して続く。この実施形態では、注入器18が閉位置にあって、供給および戻り導管20、58の中の液体が循環導管出口52へ向うようにしても良い。この例では、流体ポンプ30がシステムを通して空気、他の気体を吸い込んでそこから液体を排出する。
【0023】
図4を参照すると、流体分配モジュール16の一例が分解図に示される。モジュール16が図1〜3ですでに示す構成要素をそれぞれ結合して液体貯蔵タンク内に取り付けられ、および/または流体貯蔵タンク内に部分的にまたは全体的に配設されて、流体分配システムまたはSCRシステムの少なくとも一部を画定する。この実施形態では、流体分配モジュール16が底部実装モジュールとして構成され、フランジ66によって支持される流体ポンプ組立65を有している。流体ポンプ組立65が、ハウジング70に収容されたモータ68によって動作する流体ポンプ30、および流体ポンプ30に取り付けられたバルブ連結管72を有する。例示のモジュール16には、図1を参照して説明したように流体分配システムの部分として機能するに必要なすべての構成要素が設けられている。
【0024】
液体ポンプ30が流体をポンプ入口46に導出しポンプ出口48から排出する。流体ポンプ30がギアポンプやgerotorポンプなどの容積式ポンプや、羽根車方式ポンプ、流体が入口に流入し出口から流出する他の任意のポンプであって良い。1つの実施形態では、ポンプ30が、gerotorポンプであって内部ギアが反対方向に回転する時に液体流体の方向を反転できる。ポンプの内部ギアを回転させるのに様々な方法が使用され、その中には、そこに連結された任意で種々の電気モーターがある。この実施形態では、DCモータ68が磁気連結を介してポンプ30に連結される。1つの実施形態では、モータ68がブラシレスDCモータである。簡潔のために電気リード線が図4から省略されている。
【0025】
磁気連結の一部分74がモータ68に取り付けられて示され、別部分74’がポンプ30の部分として示される。分配モジュール16が組み立てられると、モータ68が連結部74と共にフランジ66のハウジング70に配設されてカバー76によって正しい位置に保持される。ポンプ30が図示のようにフランジ66内の成形された外観によって保持され、連結部74’が連結部74に隣接されかつハウジング70が連結部74、74’の間に挟まれた状態で、帯金78を用いてフランジに取り付けられる。連結部の1つが磁気材料を含み、他が磁気または強磁性体の材料を含んで、モータ回転時に、ポンプの内部ギアが回転する。
【0026】
流体分配モジュールが流体分配期間とパージ期間との間で切り替わる時に開位置と閉位置との間で切り替われる少なくとも1つのバルブを、バルブ連結管72が有する。連結管72がポンプ30に取り付けられる必要はないが、この実施形態では、連結管ハウジング80が備えられて、ポンプの入口46および出口48に渡ってバルブ40〜44と共に配設される。連結管ハウジング80が外部表面82およびそこに形成された1つまたは複数の流体導管またはチャンネルを有する。流体導管には、ハウジング80の材料厚み内で形成される1つまたは複数のキャビティによって互いに流体的に連結されるものもあり、および/または、ハウジング80の内表面(図4には表示せず)およびポンプ30との間に作られたキャビティによって互いに流体的に連結されるものもある。この特殊な実施形態では、入口導管32およびパージ導管38がハウジング80に形成されてポンプ入口46に流体的に連結される。さらに具体的には、導管32および38は、組み立てられると、連結管ハウジング80およびポンプ30との間の空間に形成される共通の入口キャビティ84に流体的に連結される。たとえば、導管32および38がそれぞれ連結管ハウジング80の厚みを貫通して外表面82から内表面へ延在しても良い。入口バルブ40が入口導管32に配設され入口導管を介してポンプ入口46からの流体流れを防止するように働く。パージバルブ44がパージ導管38に配設されパージ導管からポンプ入口への流体流れを防止するように働く。この例では、連結管72がポンプ30に組み付けられるとき、形成された入口キャビティ84が入口導管32、パージ導管38、およびポンプ入口42に流体的に連結される。また、入口キャビティ84の位置が図1の概略図に示されて明らかにしている。
【0027】
分離出口キャビティ86が、連結管ハウジング80の厚み内かまたは連結管ハウジング80の内表面の別部分およびポンプ30との間に形成される。出口キャビティ86(ここでは隠れ線で表示している)がポンプ出口48に流体的に連結され、この例では、循環導管36、循環導管出口52、さらには出口導管34およびモジュール出口ポート88に流体的に連結されるように構成される。循環バルブ42が循環導管36および出口キャビティ86との間の連結管ハウジング80に配設されて、出口52から出口キャビティへの流体流れが防止されるように作用する。別法では、バルブ42が分離して取り付けられた循環導管36に配設されても良く、該循環導管が図示のように複数の構成要素を含んでも良い。循環導管出口52が連結管72に取り付けられた端部の反対の循環導管36の端部に配設される。循環導管36の構成要素には、出口52から予期される流体流れ用に貫通して形成される知られている大きさのオリフィスを有する1つまたは複数の管継手が備えられても良い。
【0028】
出口導管34が出口ポート88を有し、バルブ連結管72に取り付けられる。出口導管34が出口キャビティ86に流体的に連結されることで、出口ポート88がポンプ出口48に流体的に連結される。本実施形態における出口導管34がフランジ66の上の連結管72に取り付けられた一端からフランジ66の下の反対側自由端に延在し、迅速交換式管継手を介して機器供給導管(図1〜3の供給導管20など)に連結されて構成される。図1の圧力変換器50などの付加的な構成要素がモジュール16に設けられおよび/または連結管72に取り付けられ、連結管80に形成される付加導管またはチャネルを介して出口キャビティ86に取り付けられても良い。
【0029】
連結管ハウジング80の材質と物理的に接触しかつほぼ完全に囲まれる分配モジュールバルブの少なくともいくつかが互いに密着している状態で組み立てられることは、モジュール16が、分離導管タイプの流体導管が複数個所で一緒に取り付けられるのに比べていくらか簡易に組み立てられる。また、連結管ハウジング80が熱伝導材、たとえば耐腐食性であるステンレス鋼やニッケル基材合金、他の材料で構成される。1つの例では、連結管ハウジング80が熱伝導性ポリマー材から構成される。伝導性材料が、モジュール16に組み込まれるポンプ30、モータ68および/または補助の熱要素からの熱伝搬を促進して流体がバルブで凍結することを防止するのに役立つ。尚、本明細書に開示された分配モジュールを使用するため例として示して説明したバルブは、多くが圧力動作一方向チェックバルブであるが、適当なバルブが開示された多くのバルブの代わりに使用されても良い。フラップバルブ、ソレノイド動作バルブ、流体動作バルブ等が事例によっては好適である。
【0030】
フランジ66が他のモジュール構成要素を多く保持し、液体貯蔵タンクに形成されたモジュール開口を覆おうように構成される。図示の底部実装構成において、フランジ66が実装されたときにタンクを囲う貯蔵タンクに隣接して良いオフセット外縁90を有する。モジュール開口を少なくとも部分的に突出して良いフランジに形成される段差の直ぐ外側に外縁90が設けれれて良い。上記の構成要素には、フランジの部分として、ハウジング70およびモータカバー76など、ならびにポンプ30の位置決め、保持、取付け用の保持部が設けられるものもあって良い。フランジ66が様々な材料で構成されて良い。一例では、プラスチック材料から作られて、優れた耐腐食性を示す。別の実施形態では、フランジ66が良好な耐腐食性のあるステンレス鋼から作られて、相当のプラスチックフランジよりも相当に薄くなり得て、かつプラスチック材よりも桁違いに高い熱伝導性を有する。ある応用例では、金属材の優れた熱伝導性によって電気的に動作される構成要素からの熱が他の構成要素に伝搬されて液体がそれの回りで凍結しないようにすることができる。
【0031】
濾過器またはフィルター92が図示のようにフランジ66の上面を覆うように横たわるが、他の様々なモジュール構成要素の周りに適合して形成された薄型ポロン材でも良い。流体が濾過器92を貫通して入口導管32に達し、また、入口バルブ40がパージ期間中に濾過器を介しての逆流を防止する。例示に限定されるものではなく、ほとんどの何れの好適なポロン材が液体から粒子または固体を入口導管32に入る前に濾過するように使用されて良い。図示の個別の濾過器92が比較的広い領域でかつ薄型に設計されているため、システムの中で大きいスペースを取らない。
【0032】
図5および6に、流体分配モジュール16’の別の実施形態が示されており、図5が上面斜視図、図6がモジュール16’の分解図である。本実施形態がデュアル導管システムの部分としての使用に適する点で図2の概略図に類似して動作し、該システムでは供給導管を介して注入器または他の機器に供給される余剰流体が流体タンク容積に還流される。この実施形態には、SCRシステムの戻り導管と流体に連結するための第1の循環導管(図6の部分36’および36’’)、および出口導管34と流体的に連結されている第2の循環導管136が設けられている。例示のモジュール16’には、たとえば図4に示されるフランジ6や流体ポンプ組立65およびモータ68に類似して組み立てられて配置される構成要素が設けられる。さらには、図5および6に示される、底部カバー94がフランジ66の内側表面および底部表面との間の内容積を提供し、下記に記載するものなどのモジュール構成要素を収容されて還元剤および環境から保護する。
【0033】
図5および図6の実施形態に示されるのは、ベントガス入口62およびそこに配設されるベントバルブ64を有するパージベント導管60である。パージベント導管60が本例では垂直配列チューブであり、フランジ66の開口から延在する。液体貯蔵タンクの底部に実装されて、流体分配モジュール16’が、パージガスを、貯蔵タンク容積の上部から導出してパージ期間中に供給、戻り、および/または循環導管から流体ポンプによって吸い上げられる流体と置換する。本例におけるパージベント導管60が循環導管出口52および循環バルブ42を有する第1の循環導管の端部36’と合体される。前述したように、パージガスがパージ期間中の貯蔵タンクの液体上部の空間以外の何れの発生源から発生しても良い。たとえば、ベントガス入口62がタンクの上壁に配設されて濾過開口を介して大気を受けても良い。パージベント導管60が真っすぐでおよび/または垂直である必要はない。別の実施形態では、圧力パージ空気が入口62に案内されてシステムの流体導管から液体を除去する。
【0034】
底部カバー94が、圧力変換器50および/または何れの他の構成要素などの構成要素を収容するように使用される。熱源が、バルブや他の構成要素など凍結し易い構成要素に近くに配されるように、具体的には、電力ヒータや熱要素などの熱源が、底部カバー94によって保持または覆われても良い。図6に図示のように、配管接合部が内部容積内の底部カバー94およびフランジ66との間の配設されて、環境および/または還元剤から保護されても良い。カバー94がタンク容積の外側に配設される分配モジュール16’の部分でも良く、モジュール入口ポート96と共にモジュール出口ポート88へ連絡して、流体を注入器または他の機器へ供給しそれらに余剰流体を還流させる供給導管および適宜の戻り導管のそれぞれ取付用に提供されても良い。モジュール16’がフランジ66の下側に取り付けられた底部カバー94に組み付けられと、内部循環導管端部36’を有するパージベント導管60がカバーを通って延在し入口ポート96を有する底部カバー94に位置付けられた循環導管部36’’に取り付けられる。
【0035】
また、図6に図示するのは、電気リード98、コネクタ本体100、温度センサ102、および溶液品質センサ104である。電気リード98がモータ68から延在する。電気リード98の端部は、組み立てられると、電源および/または制御部への接続のためにコネクタ本体100に収容される。この実施形態では、温度センサ104がモータ収容部70に実装されて周囲の液体および/またはモジュール16’の温度を監視する。適宜の溶液品質センサ104が貯蔵タンクの流体の1つまたは複数の、一例として尿素濃度に関連する特性などの特性を測定できる様々なセンサの何れかで良い。供給される場合は、図示のように補助センサポート106など、圧力変換器50と共に出口導管34に沿うか隣接して取り付けられて良い。
【0036】
上記したように、図5、6の流体分配モジュール16’が2つ以上の循環導管を有する。前に説明したように、本実施形態の部分36’および36’’を有する第1循環導管がパージベント導管60に流体的に連結され、SCRシステム戻り導管に入口ポート96を介して流体的に連結するために構成される。第2循環導管136が、分配モジュールからおよびタンク容積に流体を排出するための第2循環導管出口152を有し、循環バルブ142を介して出口導管34に図1および図4のそれと同様に流体的に連結される。このように、分配期間中、循環導管出口52および152それぞれからの流体が異なる方向に排出されるか、または貯蔵タンク内で流体が循環できるようにされ、および/または、凍結材料を溶解させるようにされる。図示の実施形態では、一般に第1出口52がモジュール16’の中央、ポンプ組立65、およびモータ68に向けられ、一方で一般に第2出口152がモジュール16’の中央から離れて向けられる。デュアル導管システムにおいて、第2循環導管136および関連する構成要素が適宜とされ、第1循環導管を介して戻り導管からタンク容積に還流する流体が十分な流体循環を提供することで、流体の凍結および解凍をより良く管理できる。しかしながら、第2循環導管136が、第1循環導管とはたとえば異なる方向に流体を向けるために堤供されても良く、その場合、流体ポンプが補助循環導管を加圧するのに十分に強力とされる。別の実施形態では、第1循環導管が2つ以上の出口52を有して様々な方向に流体を向ける。
【0037】
図5および図6の流体分配モジュール16’の他の特徴に、シングル導管SCRシステムへの使用にもまた適していることがある。言い換えると、入口ポート96で戻り導管が取り付けられていなくても、モジュールが貯蔵タンク容積内の循環を第2循環導管136を介して促進し、流体導管をパージすることは、ポンプ30を反対に作動させ、注入器を開位置に設定することでも可能である。この場合、第1バルブ42が閉状態でタンク容積からの流体がタンクから未使用の入口ポート96を介して流出されることを防止される。
【0038】
図7が貯蔵タンク14の底部に搭載されて部分的にモジュール開口108を貫通する図5、6の流体分配モジュール16’を含む流体分配モジュール12’の等角図である。本明細書に示すように、システム12’がタンク壁を貫通して形成された別のモジュール開口114に相補的な形状のフランジ112を有する上部モジュール110をさらに備えても良い。上部モジュール110が、様々な構成要素を有し、および/または様々な機能を果たしても良い。たとえば、そのいくつか示すが、貯蔵タンク、レベルセンサや、パージベント導管用の支持、空気を吸い込むパージベント導管用の開口、フィラーパイプ、フィラー開口などから圧力を解放するベントバルブを有しても良い。これがパネルとして機能し、タンクを排水したり、流体分配モジュール16’を外すことなくタンク容積への連絡を可能とする。例示の実施形態では、上部モジュール110が一般にモジュール16’と配置されるが、どこに配置されても良い。
【0039】
上記の1つまたは複数の実施形態または他の実施形態で実施可能な方法を説明する。流体導管をフィル、およびパージする方法には、両端が流体に含侵されて、流体を流体導管を介して第1端から第2端へポンプで供給することである。たとえば、前の図に使用された構成要素の参照番号を参照すると、流体ポンプ30が流体を流体導管を介してポンプで供給する工程を実行する。たとえば、流体導管が図2のポンプ入口46から循環導管出口52へ連続する流体通路を有しても良く、それぞれが流体導管の第1端および第2端を画定し液体22に含侵される。この方法が、流体導管が少なくとも部分的にフィルされた後に、液体を流体導管を介して反対方向にポンプで供給することをさらに有しても良い。たとえば、駆動モータへの直流電流の極性を切り替えてポンプ30が反対方向に作動しても良い。該第2のポンプ工程中に液体の流体導管の第2端への流れが遮られても良い。例示の代わりに、モータの反対作動中に循環バルブ42が流体の導管の第2端への流れを遮っても良い。さらには、流体導管の第2端が第2のポンプ工程中に排気されて、ガスが流体導管から汲み上げられる液体に置換されて良い。パージベント導管60がこの工程を実行するように用いられても良い。
【0040】
続いて図に用いられた構成要素の参照番号を参照し、SCRシステム10をパージする方法の1つの実施形態には、最初に少なくとも部分的にシステムの1つまたは複数の流体導管をフィルし、導管をパージすることが含まれる。1つまたは複数の流体導管をフィルする工程が、機器供給導管20を介して内部タンク容積28から機器18に向けて還元剤22をポンプで供給することを有しても良く、該供給導管が少なくとも部分的に貯蔵タンク14の外側に配設される。同時に、余剰の還元剤22が供給導管29に流体的に連結されている循環導管36を介してタンク容積28へポンプされる。少なくとも部分的に供給導管20を還元剤22でフィルするのに続いて、この方法にはさらに、還元剤22を、供給導管からタンク内の還元剤に含侵されている出口を介してタンク容積28へポンプで供給する工程が含まれる。機器供給導管20からタンク容積22へ還元剤22を戻して汲み上げている間に、パージガスが供給導管を介して還元剤と同じ方向に流れる。
【0041】
少なくとも幾つかの実施形態において、たとえば図1、2に示されたSCRシステムの場合、パージ期間には供給導管20を介して分配期間中に対して反対方向に還元剤をポンプで供給すると共に、循環バルブ42を閉じて還元剤が内部タンク容積から循環導管に流入することを防止することを有しても良い。図1、2それぞれの含侵されている出口がパージ導管38である。図1のSCRシステム10の場合、機器19が分配期間中およびパージ期間中に開位置のままで、その結果、パージガスがパージ期間中に機器を介して供給導管20に流入する。図2のSCRシステム10’’の場合、戻り導管58を有して、余剰還元剤22が分配期間中に機器18を避けて戻り導管を介して汲み上げられ、パージサイクル中に機器18が閉位置に置かれる。また、図2のベントバルブ64がパージ期間中に開口され、パージガスがベントガス入口62、戻り導管58、および供給導管20を介して流入する。図3の場合には、この方法には、ベントバルブ64’を開口し機器供給導管20を介して、還元剤22が分配期間中に流れるのと同じ方向にポンプで供給する工程が含まれる。この場合、含侵された出口が循環導管出口52である。
【0042】
本明細書で開示した発明の形態が現在の好適な実施形態を構成するが、他の実施形態も数多く可能である。本明細書に、本発明と等価なまたは変更可能な実施形態をすべて説明するものではない。ここに用いた用語は、単に説明用であり、これに限定されるものではないこと、および、発明の主旨または範囲から逸脱することなく多くの変更が可能であることは、明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体貯蔵タンクに用いられる流体分配モジュールであって、
ポンプ入口およびポンプ出口を有し、前記ポンプ入口が前記液体貯蔵タンクの内部のタンク容積の底部から液体を受け、前記ポンプ出口がモジュール出口ポートに流体的に連結されて構成された流体ポンプと、
前記流体分配モジュールから前記タンク容積へ流体を排出するための出口を有し、前記タンク容積の底部に配設され、かつ、前記ポンプ出口またはモジュール入口ポートの一方に流体的に連結された循環導管と、
前記タンク容積から前記循環導管への流体流れを防止するように動作する循環バルブと、を備え、
前記流体分配モジュールが、前記貯蔵タンクに形成されているモジュール開口において前記貯蔵タンクに取り付けられている
ことを特徴とする流体分配モジュール。
【請求項2】
前記循環導管に流体的に連結されているモジュール入口ポートと、
前記循環バルブと前記モジュール入口ポートとの間の前記循環導管に沿った位置でパージガス源を前記循環導管に流体的に連結するパージベント導管と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の流体分配モジュール。
【請求項3】
前記分配モジュールから前記タンク容積に流体を排出するための第2の出口を有し、前記ポンプ出口または前記モジュール入口ポートの他方に流体的に連結される第2の循環導管と、
前記タンク容積から前記第2の循環導管への流体流れを防止するように動作する第2の循環バルブと、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の流体分配モジュール。
【請求項4】
前記循環導管の出口が、前記流体分配モジュールからの流体をそれぞれ異なる方向に排出することを特徴とする請求項3に記載の流体分配モジュール。
【請求項5】
前記循環導管が前記ポンプ出口に流体的に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の流体分配モジュール。
【請求項6】
パージガス源から前記ポンプ入口への流体流れを選択的に許可するバルブを介して前記パージガス源を前記ポンプ入口に流体的に連結するパージベント導管をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の流体分配モジュール。
【請求項7】
前記流体分配モジュールが流体分配期間とパージ期間との間で切り替わる際に開位置と閉位置との間で切り替わる少なくとも1つのバルブを有し、かつ、前記流体ポンプに取り付けられるバルブ連結管をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の流体分配モジュール。
【請求項8】
前記バルブ連結管が、
前記流体分配期間に開いて前記タンク容積から前記ポンプ入口への流体流れを許可し、かつ、前記パージ期間に閉じる入口バルブと、
前記パージ期間に開いて前記ポンプ入口から前記タンク容積への流体流れを許可し、かつ、前記流体分配期間に閉じるパージバルブと、を備えている
ことを特徴とする請求項7に記載の流体分配モジュール。
【請求項9】
前記バルブ連結管のハウジングに形成され、前記ポンプ出口と流体的に連結され、前記モジュール出口ポートに流体的に連結される出口キャビティをさらに備えていることを特徴とする請求項8に記載の流体分配モジュール。
【請求項10】
前記出口キャビティが、循環導管出口へ流体的に連結されることを特徴とする請求項9に記載の流体分配モジュール。
【請求項11】
選択的触媒削減(SCR)システムのパージ方法であって、
(a)液体の貯蔵タンクの内部のタンク容積から、少なくとも一部が前記貯蔵タンクの外側に位置する機器供給導管を介して、少なくとも一部の前記還元剤を使用する機器に、還元剤をポンプで供給する工程と、
(b)工程(a)の期間に、余剰な還元剤を、前記機器供給導管に流体的に連結された循環導管を介して前記タンク容積へポンプで供給する工程と、
(c)続けて、還元剤を、還元剤に含侵する出口を介して前記機器供給導管から前記タンク容積へポンプで供給する工程と、
(d)工程(c)の期間に、パージガスを、前記還元剤と同じ方向に、前記機器供給導管を介して流す工程と、
を有することを特徴とする選択的触媒削減システムのパージ方法。
【請求項12】
前記工程(c)が、
前記還元剤を工程(a)とは反対の方向に前記機器供給導管を介してポンプで供給する工程と、
前記還元剤が前記タンク容積から前記循環導管に進入することを防止するように、循環バルブを閉じる工程と、
を有していることを特徴とする請求項11に記載の選択的触媒削減システムのパージ方法。
【請求項13】
前記工程(c)の期間に、前記機器が開位置にあって、前記パージガスが前記機器を介して前記機器供給導管に進入することを特徴とする請求項12に記載の選択的触媒削減システムのパージ方法。
【請求項14】
前記工程(b)の期間に、前記余剰な還元剤を、少なくとも一部が前記貯蔵タンクの外側に配設された戻り導管を介して、前記機器からポンプで供給する工程と、
前記工程(c)の期間に、前記機器を閉位置に設定して、前記パージガスが前記戻り導管を介して流入するようにベントバルブを開く工程と、
をさらに有していることを特徴とする請求項12に記載の選択的触媒削減システムのパージ方法。
【請求項15】
前記工程(c)が、ベントバルブを開口させる工程と、前記パージガスを前記機器供給導管を介して前記工程(a)の還元剤の流れと同じ方向にポンプで供給する工程と、を有していることを特徴とする請求項11に記載の選択的触媒削減システムのパージ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−15140(P2013−15140A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−146234(P2012−146234)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(502429154)ティーアイ グループ オートモーティヴ システムズ リミテッド ライアビリティー カンパニー (39)
【Fターム(参考)】