説明

配管継ぎ手構造、および車両用冷凍サイクル装置

【課題】 冷媒配管の振動強度の耐久性を向上する。
【解決手段】 エンジンクーリングモジュールが振動して、この振動に伴って冷媒配管31に振動が伝わると、冷媒配管32は、第1の状態から第2の状態までの範囲内で軸線方向に振動してその振動を吸収する。第1状態では、冷媒配管32のフランジ部32dが冷媒配管31のフランジ部31bに当接して、かつフランジ部32が停止部50に当接している。第2状態では、冷媒配管31aのフランジ部31bがフランジ部32dから離れ、かつ冷媒配管31の受入部31aの端面31cが停止部51に当接している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管継ぎ手構造、および車両用冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両空調装置用の冷凍サイクル装置において、コンデンサがエンジンルームの車両前側に配置され、膨張弁がエンジンルームの車両後側に配置され、コンデンサと膨張弁との間には、冷媒配管としてのアルミニウム製のリキッドチューブ(以下、Lチューブという)が接続されている。
【0003】
ここで、コンデンサ単体が車体側に相対移動不能にボルトによりに締結されている。このため、走行用エンジン等からの振動がコンデンサに伝わっても、コンデンサの振動は小さい。したがって、Lチューブが受ける振動は小さいものとなるため、Lチューブが十分な強度を保つことができる。
【0004】
また、冷凍サイクル装置の冷媒配管を接続するために好適な配管継ぎ手構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−316749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年、コンデンサ、ラジエータ及び電動ファンを1つのユニットに一体化したエンジンクーリングモジュール(ECM)が主流になりつつある。
【0006】
このエンジンクーリングモジュールは、走行時の車両の振動(主に走行用エンジンの振動)を減衰させるダイナミックダンパの役割を担っている。
【0007】
このため、エンジンクーリングモジュール自体が大きく振動するため、Lチューブに大きな振動が発生する。その結果、Lチューブに発生する歪量が急増し、Lチューブの振動強度耐久性の低下が課題となっている。
【0008】
本発明は、上記に鑑みて、冷媒配管の振動強度の耐久性を向上する車両用冷凍サイクル装置を提供することを第1の目的とし、配管の振動強度の耐久性を向上する配管継ぎ手構造を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明では、第1の配管(31)に設けられた受入部(31a)に、第2の配管(32)に設けられた挿入部(32a)を挿入することにより、前記第1の配管と前記第2の配管とを接続する配管継ぎ手構造であって、
前記受入部と前記挿入側とを収納し、前記挿入部が前記受入部に挿入された状態を保持するケース部(40)と、
前記挿入部および前記受入部のうち一方に保持され、前記挿入部と前記受入部との間を密閉した状態で他方に対して摺動するシール部材(32c)と、
前記第2の配管のうち前記挿入部(32a)の軸方向中間側に設けられ、径外方向に突出するフランジ部(32d)と、
前記ケース部に設けられ、前記受入部が当接して前記第1の配管がその軸方向中間側に移動することを止める第1の停止部(51)と、
前記ケース部に設けられ、前記フランジ部が当接して前記第2の配管がその軸方向中間側に移動することを止める第2の停止部(50)と、を備え、
図9(a)に示すように、前記第2の配管のフランジ部(32d)が前記第1の配管の先端部(31b)に当接した第1の状態で、前記フランジ部(32d)が前記第2の停止部(50)に当接し、
図9(b)に示すように、前記第1の配管の先端部(31b)が前記フランジ部(32d)から離れた第2の状態で、前記第1の配管の受入部(31a)が前記第1の停止部(51)に当接し、
前記第1、第2の配管は、前記シール部材が前記挿入部と前記受入部との間を密閉した状態で摺動して、前記第1、第2の状態のうち一方から他方に移動可能に形成されていることを第1の特徴とする。
【0010】
これにより、第1の配管が軸方向に振動した際には、第1の配管が第1の状態から第2の状態までの範囲内で移動して振動を吸収する。したがって、第1、2の配管に歪が生じ難くなり、配管の振動強度の耐久性を向上できる。なお、軸線方向中間側は、軸線方向のうち先端側と反対側を意味する。
【0011】
本発明では、第1の配管(31)に設けられた受入部(31a)に、第2の配管(32)に設けられた挿入部(32a)を挿入することにより、前記第1の配管と前記第2の配管とを接続する配管継ぎ手構造であって、
前記受入部と前記挿入側とを収納し、前記挿入部が前記受入部に挿入された状態を保持するケース部(40)と、
前記挿入部および前記受入部のうち一方に保持され、前記挿入部と前記受入部との間を密閉した状態で他方に対して摺動するシール部材(32c)と、
前記第2の配管のうち前記挿入部(32a)の軸方向中間側に設けられ、径外方向に突出するフランジ部(32d)と、
前記ケース部に設けられ、前記受入部が当接して前記第1の配管がその軸方向中間側に移動することを止める第1の停止部(51)と、
前記ケース部に設けられ、前記フランジ部が当接して前記第2の配管がその軸方向中間側に移動することを止める第2の停止部(50)と、を備え、
図10(a)に示すように、前記第2の配管のフランジ部(32d)が前記第1の配管の先端部(31b)に当接した第1の状態で、前記第1の配管の受入部(31a)が前記第1の停止部(51)に当接し、
図10(b)に示すように、前記第2の配管のフランジ部(32d)が前記第1の配管の先端部(31b)から離れた第2の状態で、前記第2の配管のフランジ部(32d)が前記第2の停止部(50)に当接し、
前記第1、第2の配管は、前記シール部材が前記挿入部と前記受入部との間を密閉した状態で摺動して、前記第1、第2の状態のうち一方から他方に移動可能に形成されていることを第2の特徴とする。
【0012】
これにより、第2の配管が軸方向に振動した際には、第2の配管が第1の状態から第2の状態までの範囲内で移動して振動を吸収する。したがって、第1、2の配管に歪が生じ難くなり、配管の振動強度の耐久性を向上できる。
【0013】
本発明では、請求項1または2に記載の配管継ぎ手構造が適用される車両用冷凍サイクル装置であって、
冷媒を圧縮する圧縮機(1)と、
前記圧縮機により圧縮された冷媒を冷却するコンデンサ(2)と、
前記コンデンサの下流側冷媒を減圧する減圧器(3)と、
前記減圧器により減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器(4)と、を備え、
前記第1、第2の配管のうちいずれか一方の配管は、前記コンデンサ(2)の冷媒出口に接続される第1の冷媒配管であり、
前記第1、第2の配管のうち残りの配管は、前記減圧器の冷媒入口に接続される第2の冷媒配管であり、
前記コンデンサと、エンジン冷却水を冷却するラジエータと、前記コンデンサおよびラジエータに送風する送風機とは、一体化された1つのユニットを構成し、
前記1つのユニットは、車両搭載時に車両走行時の振動を減衰させるダイナミックダンパを構成することを第3の特徴とする。
【0014】
これにより、1つのユニットがダイナミックダンパとして機能する場合には、コンデンサからの振動が減圧器側に伝わるものの、請求項1または2に記載の発明と同様、第1、2の冷媒配管のうち一方が移動して振動を吸収する。したがって、第1、2の冷媒配管に歪が生じ難くなり、冷媒配管の振動強度の耐久性を向上できる。
【0015】
本発明では、前記受入部(21)および前記挿入部(11)は、軸方向が車両前後方向に一致するように配置されていることを第4の特徴とする。
【0016】
これにより、冷媒配管が車両前後方向に振動する場合には、第1、第2の冷媒配管のうちコンデンサ側冷媒配管が車両前後方向に振動するので、良好に振動を吸収できる。
【0017】
本発明では、前記受入部(21)および前記挿入部(11)は、軸方向が鉛直方向に一致するように配置されていることを第5の特徴とする。
【0018】
これにより、冷媒配管が鉛直方向に振動する場合には、第1、第2の冷媒配管のうちコンデンサ側冷媒配管が鉛直方向に振動するので、良好に振動を吸収できる。
【0019】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1〜図3に本発明の車両用冷凍サイクル装置の一実施形態を示す。図1は車両用冷凍サイクル装置の構成を示す図、図2は車両用冷凍サイクル装置の搭載状態を示す図である。
【0021】
図1に示すように、車両用冷凍サイクル装置10は、圧縮機1、コンデンサ2、膨張弁3、および蒸発器4等からなるものである。圧縮機1は冷媒を圧縮し、コンデンサ2は圧縮機1から吐出した高圧冷媒を外気により冷却する。膨張弁3はコンデンサ2にて冷却された高圧冷媒を減圧し、蒸発器4は、膨張弁3で減圧された低圧冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮させる。
【0022】
圧縮機1およびコンデンサ2は、図2に示すように、車両前方側エンジンルーム21内に搭載されている。膨張弁3および蒸発器4は、車室内の室内空調ユニット20内に配置されている。なお、膨張弁3および蒸発器4は、図2中省略されている。
【0023】
圧縮機1の冷媒吸入口とコンデンサ2の冷媒入口との間には、ゴム製の冷媒配管30が接続されている。コンデンサ2の冷媒出口と膨張弁3の冷媒入口との間には、アルミニウム製の冷媒配管31、32が接続されている。蒸発器4の冷媒出口側と圧縮機1の吸入口との間にはゴム製の冷媒配管33が接続されている。冷媒配管31、32は、後述するように、室内空調ユニット20(すなわち、膨張弁3)側の図2中A部分で接続されている。なお、本発明の配管継ぎ手構造は、冷媒配管31、32の間の継ぎ手構造に用いられている。冷媒配管31、32の間の継ぎ手構造については後述する。
【0024】
図3にコンデンサ2の車両への組み付け状態を示す。コンデンサ2は、ラジエータ11および送風機13とともに一体化された1つのユニットとしてのエンジンクーリングモジュールを構成しており、エンジンクーリングモジュールは、車体側の梁状のブラケット12に対して振動可能に固定される。エンジンクーリングモジュールは、車両走行時の振動(主に走行用エンジンから発生する振動)を減衰させるダイナミックダンパとして機能する。
【0025】
ラジエータ11はエンジン冷却水を冷却する熱交換器であり、送風機13はラジエータ11およびコンデンサ2に外気を送風する電動送風機である。
【0026】
次に、冷媒配管31、32の間の継ぎ手構造について図4〜図8を参照して説明する。
【0027】
図4は冷媒配管31、32の単体を示す半断面図であり、軸線Sの上側は配管内部を示し、軸線Sの下側は配管外観を示している。図5は冷媒配管31、32の継ぎ手構造を示す分解斜視図であり、図6は冷媒配管31、32の継ぎ手構造を示す上面図、図7は冷媒配管の継ぎ手構造を示す下面図、図8は図6のA−A断面図である。
【0028】
図4に示すように、冷媒配管(第1の配管)31の先端側には受入部31aが設けられており、受入部31aは、冷媒配管31の軸線方向中間側に比べて径寸法が大きくなっている。受入部31aの先端部には、径外方向に突起する環状のフランジ部31bが設けられている。
【0029】
冷媒配管(第2の配管)32の先端側には挿入部32aが設けられており、挿入部32aは冷媒配管32の軸線方向中間側に比べて径寸法が大きくなっている。挿入部32aには、2つの環状溝部32bが設けられており、2つの環状溝部32bにはOリング32c(シール部材)が装着されている。これにより、2つのOリング32cは、冷媒配管32の挿入部32aに保持されていることになる。2つのOリング32cは、受入部31aの内周面と挿入部32aの外周面との間をそれぞれ密閉する。
【0030】
冷媒配管32のうち挿入部32aの軸線方向中間側には、径外方向に突起する環状フランジ部32dが設けられている。挿入部32aおよび受入部31aは軸線方向が車両前後方向に一致するように配置されている。
【0031】
冷媒配管32の挿入部32aは、冷媒配管31の受入部31aに挿入される。挿入部32aおよび受入部31aは、図5に示すように、ケース40内に収納されている。
【0032】
ケース部40は、挿入部32a、フランジ部32d、および受入部31aを外側から覆うように形成されて、挿入部32aが受入部31aに挿入された状態を保持する。
【0033】
具体的には、図5に示すように、ヒンジ部40aを中心に分割ケース42、43を揺動させて、挿入部32a、フランジ部32d、および受入部31aを分割ケース42、43にて挟み込むようにして挿入状態を保持するものである。
【0034】
分割ケース43のうち冷媒配管31、32を挟んでヒンジ部40aと反対側には、爪部44が設けられている。分割ケース42には爪部44が挿入されて係合される孔部45が設けられている。これにより、爪部44が孔部45内で係合されて分割ケース42、43がヒンジ部40aを中心に開くことを防止できる。
【0035】
図5に示すように、ケース部40内部にて冷媒配管32の軸線方向中間側には、停止部50が設けられている。停止部50はフランジ部32dが当接して冷媒配管32がその軸線方向中間側に移動することを止める。停止部50は、分割ケース42、43の両側に形成されている。なお、分割ケース43中の停止部50は省略されている。
【0036】
ケース部40内部にて冷媒配管31の軸線方向中間側には、停止部51が設けられている。停止部51は受入部31aの軸線方向中間側端面31cが当接して冷媒配管31がその軸線方向中間側に移動することを止める。停止部50は分割ケース42、43の内壁両側に形成されている。
【0037】
次に、本実施形態の作動として、冷媒配管31の振動の主成分が車両前後方向の振動である場合の具体例について図9(a)、(b)を参照して説明する。
【0038】
図9(a)、(b)は、冷媒配管31の受入部31aおよび冷媒配管32の挿入部32aを示す半断面図(これは、図中上半分内部を示している)であり、図9(a)、(b)では、停止部50、51が簡略的に示されている。
【0039】
エンジンクーリングモジュールが振動して、この振動に伴って冷媒配管31に振動が伝わると、図9(a)に示す第1の状態から図9(b)に示す第2の状態までの範囲内で軸線方向に移動して振動を吸収する。
【0040】
図9(a)の第1状態では、冷媒配管32のフランジ部32dが冷媒配管31のフランジ部31bに当接して、かつフランジ部32dが停止部50に当接している。
【0041】
図9(b)の第2状態では、冷媒配管31aのフランジ部31bがフランジ部32dから離れ、かつ冷媒配管31の受入部31aの端面31cが停止部51に当接している。
【0042】
ここで、冷媒配管32が移動する際には、2つのOリング32cは受入部31aと挿入部32aとの間を密閉した状態で、受入部31aの内周面に対して摺動する。
【0043】
以上説明した本実施形態において、エンジンクーリングモジュール(すなわち、コンデンサ2)が振動して、この振動に伴って冷媒配管32に振動が伝わると、冷媒配管32は、ケース部40の内部で軸線方向に移動して振動を吸収する。したがって、冷媒配管31、32に歪が生じ難くなり、冷媒配管の振動強度の耐久性を向上できる。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、冷媒配管31が移動して振動を吸収した例について説明したが、これに代えて、本第2実施形態では、冷媒配管32が振動により移動して振動を吸収する。
本実施形態では、冷媒配管31に代えて、冷媒配管32がコンデンサ2の冷媒出口に接続されているだけで、その他の構成、すなわちケース部40の内部構造、受入部31a、および挿入部32aは、上述の第1実施形態と同様である。図10において、図9と同一符号は同一のものを示す。
以下、本実施形態の作動について図10を参照して説明する。
【0044】
図10(a)、(b)は、冷媒配管31の受入部31aおよび冷媒配管32の挿入部32aを示す半断面図であり、図10(a)、(b)では、停止部50、51が簡略的に示されている。
【0045】
エンジンクーリングモジュールが振動して、この振動に伴って冷媒配管32に振動が伝わると、冷媒配管32は、図10(a)に示す第1の状態から図10(b)に示す第2の状態までの範囲内で軸線方向に振動してその振動を吸収する。
【0046】
図10(a)の第1状態では、冷媒配管32のフランジ部32dが冷媒配管31のフランジ部31bに当接して、かつ冷媒配管31の受入部31aの端面31cが停止部51に当接している。
【0047】
図10(b)の第2状態では、冷媒配管31aのフランジ部31bがフランジ部32dから離れ、かつフランジ部32dが停止部50に当接している。
【0048】
ここで、冷媒配管32が移動する際には、2つのOリング32cは受入部31aと挿入部32aとの間を密閉した状態で、受入部31aの内周面に対して摺動する。
【0049】
以上説明した本実施形態では、エンジンクーリングモジュール(すなわち、コンデンサ2)が振動して、この振動に伴って冷媒配管32に振動が伝わると、冷媒配管32は、ケース部40の内部で軸線方向に移動して振動を吸収する。したがって、冷媒配管31、32に歪が生じ難くなり、冷媒配管の振動強度の耐久性を向上できる。
(他の実施形態)
上述の第1、第2実施形態では、挿入部32aおよび受入部31aの軸線方向が車両前後方向に一致するように挿入部32aおよび受入部31aを配置した例について説明したが、これに代えて、挿入部32aおよび受入部31aの軸線方向が車両搭載時に天地方向に一致するように挿入部32aおよび受入部31aを配置してもよい。
これにより、車両搭載時に冷媒配管31(または32)の振動の主成分が天地方向の振動である場合には、冷媒配管31(または32)の振動を良好に吸収できる。
上述の第1、第2実施形態では、本発明の配管継ぎ手構造を車両用冷凍サイクル装置の冷媒配管に適用した例について説明したが、これに限らず、本発明の配管継ぎ手構造を冷媒配管以外の水配管、ガス配管、オイル配管等の他の配管に適用してよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態の車両用冷凍サイクル装置の構成を示す図である。
【図2】第1実施形態の車両用冷凍サイクル装置の車両搭載状態を示す図である。
【図3】図2のコンデンサの車両への組み付け状態を示す図である。
【図4】図3中の冷媒配管の受入部および挿入部を示す図である。
【図5】第1実施形態のケース部内部構造を示す図である。
【図6】第1実施形態のケース部の外観を示す上面図である。
【図7】第1実施形態のケース部の外観を示す下面図である。
【図8】図6中A−A断面図である。
【図9】第1実施形態の冷媒配管の作動状態を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態の冷媒配管の作動状態を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1…圧縮機、2…コンデンサ、3…膨張弁、4…蒸発器、
11…ラジエータ、32c…Oリング、13…送風機、
31、32…冷媒配管、31a…受入部、31b、32d…フランジ部、
32a…挿入部、40…ケース部、42、43…分割ケース、
50、51…停止部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配管(31)に設けられた受入部(31a)に、第2の配管(32)に設けられた挿入部(32a)を挿入することにより、前記第1の配管と前記第2の配管とを接続する配管継ぎ手構造であって、
前記受入部と前記挿入側とを収納し、前記挿入部が前記受入部に挿入された状態を保持するケース部(40)と、
前記挿入部および前記受入部のうち一方に保持され、前記挿入部と前記受入部との間を密閉した状態で他方に対して摺動するシール部材(32c)と、
前記第2の配管のうち前記挿入部(32a)の軸方向中間側に設けられ、径外方向に突出するフランジ部(32d)と、
前記ケース部に設けられ、前記受入部が当接して前記第1の配管がその軸方向中間側に移動することを止める第1の停止部(51)と、
前記ケース部に設けられ、前記フランジ部が当接して前記第2の配管がその軸方向中間側に移動することを止める第2の停止部(50)と、を備え、
前記第2の配管のフランジ部(32d)が前記第1の配管の先端部(31b)に当接した第1の状態で、前記フランジ部(32d)が前記第2の停止部(50)に当接し、
前記第1の配管の先端部(31b)が前記フランジ部(32d)から離れた第2の状態で、前記第1の配管の受入部(31a)が前記第1の停止部(51)に当接し、
前記第1、第2の配管は、前記シール部材が前記挿入部と前記受入部との間を密閉した状態で摺動して、前記第1、第2の状態のうち一方から他方に移動可能に形成されていることを特徴とする配管継ぎ手構造。
【請求項2】
第1の配管(31)に設けられた受入部(31a)に、第2の配管(32)に設けられた挿入部(32a)を挿入することにより、前記第1の配管と前記第2の配管とを接続する配管継ぎ手構造であって、
前記受入部と前記挿入側とを収納し、前記挿入部が前記受入部に挿入された状態を保持するケース部(40)と、
前記挿入部および前記受入部のうち一方に保持され、前記挿入部と前記受入部との間を密閉した状態で他方に対して摺動するシール部材(32c)と、
前記第2の配管のうち前記挿入部(32a)の軸方向中間側に設けられ、径外方向に突出するフランジ部(32d)と、
前記ケース部に設けられ、前記受入部が当接して前記第1の配管がその軸方向中間側に移動することを止める第1の停止部(51)と、
前記ケース部に設けられ、前記フランジ部が当接して前記第2の配管がその軸方向中間側に移動することを止める第2の停止部(50)と、を備え、
前記第2の配管のフランジ部(32d)が前記第1の配管の先端部(31b)に当接した第1の状態で、前記第1の配管の受入部(31a)が前記第1の停止部(51)に当接し、
前記第2の配管のフランジ部(32d)が前記第1の配管の先端部(31b)から離れた第2の状態で、前記第2の配管のフランジ部(32d)が前記第2の停止部(50)に当接し、
前記第1、第2の配管は、前記シール部材が前記挿入部と前記受入部との間を密閉した状態で摺動して、前記第1、第2の状態のうち一方から他方に移動可能に形成されていることを特徴とする配管継ぎ手構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の配管継ぎ手構造が適用される車両用冷凍サイクル装置であって、
冷媒を圧縮する圧縮機(1)と、
前記圧縮機により圧縮された冷媒を冷却するコンデンサ(2)と、
前記コンデンサの下流側冷媒を減圧する減圧器(3)と、
前記減圧器により減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器(4)と、を備え、
前記第1、第2の配管のうちいずれか一方の配管は、前記コンデンサ(2)の冷媒出口に接続される第1の冷媒配管であり、
前記第1、第2の配管のうち残りの配管は、前記減圧器の冷媒入口に接続される第2の冷媒配管であり、
前記コンデンサと、エンジン冷却水を冷却するラジエータと、前記コンデンサおよびラジエータに送風する送風機とは、一体化された1つのユニットを構成し、
前記1つのユニットは、車両搭載時に車両走行時の振動を減衰させるダイナミックダンパを構成することを特徴とする車両用冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記受入部(21)および前記挿入部(11)は、軸方向が車両前後方向に一致するように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用冷凍サイクル装置。
【請求項5】
前記受入部(21)および前記挿入部(11)は、軸方向が鉛直方向に一致するように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用冷凍サイクル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−85373(P2009−85373A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−257562(P2007−257562)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】