説明

野菜収穫機

【課題】空のコンテナが確実に載置されるとともに、コンテナを容易に搬送できるようにした野菜収穫機を提供する。
【解決手段】機体の右側に配置されたコンテナ台75に載置された空のコンテナ80が、機体の前方および機体側にずれて倒れることを防止するための前方転倒防止杆304と、側方転倒防止杆300と、を設けた。前方転倒防止部材304は、機体後部で操作可能な操作杆305と連結され、操作杆305の操作により、コンテナ台75上を前後に移動するものである。また、機体フレーム5の後部に回動可能に取り付けられ、右搬送台71Rの傾斜下側の端部でコンテナ80を係止するための係止部材311を設け、係止部材311と機体フレーム5の間にバネ318を介装した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体を進行させながら野菜を収穫する自走式の野菜収穫機に関し、特に、機体の左右一側に配置するコンテナ台と、搬送装置の後方に配置するコンテナ搬送台に関し、空のコンテナが確実に載置されるとともに、コンテナを容易に搬送できるようにした野菜収穫機を提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から野菜収穫機の搬送装置の後部に調製部を配置し、その後部または側方にコンテナを載置する台を設けた技術は公知となっている。
このような野菜収穫機は、圃場に植生した野菜を畝から引き抜いて、不要な葉部や根部を搬送途中で切断して、必要な葉部や根部を搬送装置後部で調製して、その後方または側方に載置したコンテナに収容するようにしていた。(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】特開平10−248354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1における野菜収穫機は、圃場の野菜を引き抜いて斜め上後方に搬送しながら根茎部を切断して、搬送装置後部の調製部に搬送し、調製部の後部に作業者が位置し、作業者の左右両側に空箱を配置し、後部に収穫物を収納した収穫箱を積載するようにしていた。空のコンテナは、機体の左右両側もしくは一側のコンテナ台に重ね積みされる。しかし、コンテナ台の周囲には囲い等がないため、走行時の振動等により空のコンテナがずれて倒れ、収穫作業が一旦停止となったり、コンテナが機体等に接触して機体等に損傷をきたすことがある。
また、作業者は調製後の収穫物を側方で箱詰めし、いっぱいになると収穫作業を一旦停止して後方の収穫箱積載用スペースに積載していた。よって、箱詰め用スペースへの空箱の供給、及び、箱詰め後の箱を積載スペースへの移載は手作業で箱を持ち上げながら移動するので、労力が必要となる。また、機体の運転者とは別に作業が必要となる。
そこで、本発明は、以上の問題に鑑み、空のコンテナが確実に載置されるとともに、コンテナを容易に搬送できるようにした野菜収穫機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、機体下部に配設するクローラ走行装置と、機体最前部に配設される掻き込み部と、該掻き込み部の後方に連設される野菜搬送部と、前記クローラ走行装置の後部上方に配設されるコンテナ搬送部と、操作部とを備えて、前記クローラ走行装置を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する自走式の野菜収穫機であって、機体の左右一側に空のコンテナを載置するコンテナ台を設け、該コンテナ台の前端に前方転倒防止部材を配置し、該コンテナ台の左右一側に側方転倒防止部材を設けたものである。
【0006】
請求項2においては、前記前方転倒防止部材は、側方転倒防止部材に前後摺動可能に取り付けるものである。
【0007】
請求項3においては、前記前方転倒防止部材は、前方転倒防止杆と操作杆より構成し、該操作杆を側方転倒防止部材に回動可能に支持し、前方転倒防止杆を操作杆を中心に回動可能に構成したものである。
【0008】
請求項4においては、機体下部に配設するクローラ走行装置と、機体最前部に配設される掻き込み部と、該掻き込み部の後方に連設される野菜搬送部と、前記クローラ走行装置の後部上方に配設されるコンテナ搬送部と、操作部とを備え、前記野菜搬送部の搬送装置の後部下方にコンテナ搬送台を左右一側が下がるように傾斜配置し、該コンテナ搬送台を左右に分割し、左右の搬送台にそれぞれコンテナを載置可能とし、左右一側の搬送台上に載置したコンテナに前記搬送装置から落下する収穫物を収容するように落下シュートを設けるとともに、左右他側の搬送台を略水平状態から下方に傾斜可能に構成して、前記クローラ走行装置を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する自走式の野菜収穫機であって、機体フレームの後部に回動可能に取り付けられ、該左右一側の搬送台の傾斜下側の端部でコンテナを係止するための係止部材を設け、該係止部材と機体フレームの間に弾性部材が介装されているものである。
【0009】
請求項5においては、前記コンテナ搬送台の左右一側にコンテナを載置するコンテナ台を設け、該コンテナ台のクローラ外側端からの突出長さを、クローラ内側端から前記左右一側の搬送台の内側端までの長さよりも短く構成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、コンテナ台に載置されている空のコンテナが走行時の振動等によりずれて、前方や側方に倒れることを防止でき、収穫作業が一旦停止となったり、倒れたコンテナが機体に接触することにより機体に損傷をきたすことがない。
【0012】
請求項2においては、従来は、作業者等は後方のコンテナを使用すると、収穫作業を一旦停止して前方のコンテナを後方まで運ぶ必要があったが、収穫作業を一旦停止することなく前方転倒防止部材を操作して、前方のコンテナを後方に容易に移動させることができる。
【0013】
請求項3においては、前方転倒防止部材を傾倒回動させることで、積まれた各コンテナの中央部分に当てることが可能となり、安定して後方へ引き寄せることができる。
【0014】
請求項4においては、コンテナをコンテナ搬送台の左右一側の搬送台上に載せるだけで、係止手段に当たるまで移動して停止し、位置決めが容易にできる。また、収穫物でいっぱいになったコンテナを左右他側の搬送台上に移動させる場合に、一定以上の強さで側方へ移動させることで係止手段は、弾性部材に抗して回動し、コンテナを持ち上げることなく、軽い力で他側の搬送台上に移動させて、コンテナを圃場上に降ろすことができるとともに、移動後には係止手段は弾性部材により元の位置に戻り、係止手段を戻す操作も不要である。
【0015】
請求項5においては、圃場端まで作業をして次の条に回行して作業を続行しても、コンテナ台は前の条の畝上に降ろしたコンテナと当接することがなく、コンテナやコンテナ台に損傷を与えることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
まず、野菜収穫機1の全体的な構成について、図1乃至図4を用いて説明する。図1は野菜収穫機の前方全体斜視図、図2は同じく平面図、図3は同じく後面図、図4は同じく右側面図である。
尚、以下の説明においては、機体の進行方向を前後方向とし、また、平面視で機体進行方向に対し直行する方向を左右方向とし、また、側面視で機体進行方向に対し垂直に直行する方向を上下方向とする。
【0017】
本実施例の野菜収穫機1は、エンジンを搭載した自走式に構成されており、クローラ走行装置2を駆動して機体を畝に沿って前進させながら、畝から引き抜かれて畝上に置かれている野菜を拾い上げてコンテナ80に収容する。
野菜収穫機1において、掻き込み部3が機体最前部に配設され、該掻き込み部3の下方に野菜搬送部4の前部が配置される。そして、該野菜搬送部4は、前低後高に形設され収穫物を斜め後方へ搬送する。その最後部の下方に選別部6が配設される。選別部6の下方には、コンテナ搬送部7が配設される。
この構成において、野菜として玉葱を収穫する実施例により説明するが、掘り起こされたじゃがいもや人参等の野菜を収穫することもできる。玉葱(収穫物)は、掻き込み部3により掻き込まれて野菜搬送部4に受け渡され、該野菜搬送部4にて後方へ搬送される。野菜搬送部4の終端まで搬送された玉葱は、選別部6に移送され、該選別部6での選別後、コンテナ搬送部7のコンテナ搬送台71上にセットされるコンテナ80中へ収納される。
【0018】
前記クローラ走行装置2は図19、図20に示すように、駆動スプロケット101と従動スプロケット102と転輪103・103・103とクローラベルト104とトラックフレーム105と昇降機構106等からなり、左右のクローラ式走行装置2・2の下部を昇降可能として、野菜収穫機1の本体を水平に保てるようにしている。即ち、左右一側のクローラ式走行装置2について説明すると、従動スプロケット102及び転輪103・103・103を支持するトラックフレーム105の前後には平行リンクを構成するリンク107・107の先端が枢支され、該リンク107・107の他端は支点軸108・108に固定され、該支点軸108・108は機体フレーム5に枢支されている。一方(後側)の支点軸108にはアーム109の一端(下端)が固設され、該アーム109の他側には長孔109aが開口され、該長孔109aに油圧シリンダ110のピストンロッド先端が枢支され、該油圧シリンダ110は機体フレーム5に前後略水平方向に固定されている。
【0019】
そして、該油圧シリンダ110は電磁バルブからなる制御バルブ111の切り換えにより圧油の送油方向が切り換えられて油圧シリンダ110を伸縮できるようにしている。該制御バルブ111はコントローラ112と接続され、該コントローラ112には角度設定器113と野菜収穫機1の任意位置(本実施例では機体フレーム5)に配置された角度センサー114と接続されている。前記角度設定器113は操作部90に配設されている。
【0020】
このような構成において、角度設定器113により機体の角度を水平または所望の角度に設定することにより、作業時において、クローラ式走行装置2・2が畝間を走行するときに凹凸があって左右に傾いても、その左右方向の傾斜を角度センサー114が検知して、機体の左右低い側のトラックフレーム105を持ち上げるように、または、左右の高い側のトラックフレーム105を下げるように油圧シリンダ110を伸長または縮小させるように駆動して、機体を設定した角度に維持するように構成している。つまり、クローラが地表の凸部にさしかかると機体が持ち上げられるので、図19の如く油圧シリンダ110を伸長させてトラックフレーム105を持ち上げて機体を下げて水平となるようにする。逆に、凹部にさしかかると、図20に示すように、油圧シリンダ110を縮小させて、トラックフレーム105を下げ、機体を上昇させて水平とするのである。こうして畝上面の傾斜に合わせて掻き込み部3及び野菜搬送部4を傾斜させて確実に玉葱を拾い上げられるようにしている。
【0021】
また、図4に示すごとく、機体フレーム5の前後中途部に立設される左右の支柱8の上部には、回動支持部9が設けられており、該回動支持部9にて、搬送装置40の左右の駆動ケース49の後端部が枢支され、斜め下方に搬送装置40を延設している。該搬送装置40の駆動ケース49と機体フレーム5との間には油圧シリンダ41が枢結され、該油圧シリンダ41を伸縮させることにより、前記回動支持部9を支点として、搬送装置40を上下方向に回動可能として、高さを調節できるようにしている。
【0022】
そして、作業を行う畝の高さに対応して搬送装置40先端の高さを設定できるように高さ設定装置11を設けている。該高さ設定装置11は図4に示すように、機体フレーム5の前部に設けて搬送装置40を下降させた時の当たりとなるように構成している。即ち、高さ設定装置11は機体フレーム5の前部両側または片側に配置して、搬送装置40の駆動ケース49の前部下方が当接するように配設され、作業をするときには、搬送装置40を上昇させてから、高さ設定装置11の高さを畝上面の高さに合うように調節して、搬送装置40を下降させて、駆動ケース49の下部が高さ調節装置11に当接させる。なお、駆動ケース49下面に高さ調節装置11の上端と当接する当接板17を配設している。こうして、搬送装置40前部及び掻き込み部3が畝の高さに合うようになり、作業中に搬送装置40前部が作業中に土中に突っ込まないようにしている。
【0023】
高さ調節装置11の具体的構成は、ボス体12と該ボス体12に螺装されるネジ体13より構成し、ボス体12の下部が支持軸14に固設され、該支持軸14は機体フレーム5に枢支され、前後回動可能としている。該支持軸14に操作アーム15を突設して、該操作アーム15に操作杆16が連結され、該操作杆16は操作部90に設けた図示しない操作レバーと連結されている。
【0024】
このように構成することにより、ネジ体13を回動することによりネジ体13の上端の高さを所望の高さに調節することができる。また、高さ調節装置11を前方または後方に倒しておくことにより、野菜搬送部4を最下降位置まで下降させて安定して格納でき、また、路上走行時等では最下降位置より若干上昇させて、搬送装置40の下端が障害物に当接しないようにし、かつ、掻き込み部3が前方の視界を妨げないようにすることができる。
【0025】
そして、作業時においては、搬送装置40を最上昇位置まで上昇させてから高さ調節装置11を操作レバーの操作で起立させて、ネジ体13を回動して畝の高さに合わせる。そして、搬送装置40を下降させることで、掻き込み部3下方の搬送装置40先端の高さを畝高さに略一致させることができる。こして作業時には、土中に突っ込むことなく玉葱を拾い上げることができるのである。但し、高さ調節装置11はボス体12とネジ体13の代わりにシリンダで構成することもでき、スイッチ等を操作することにより油圧またはモータ等でシリンダを伸縮させて当たりの高さを操作部90で調節できるように構成することもできる。また、高さ調節装置11は搬送装置40側に設けることも可能である。
【0026】
次にデバイダ210について図1、図4及び図5を用いて説明する。
デバイダ210は、野菜搬送部に固定する支持部材211と、上部部材212と、下部部材213とからなる。支持部材211は搬送装置40の駆動ケース49の前端にボルトで固定されているが、支持部材211には上下方向に長い長孔で構成したボルト孔が開口され、ボルトを緩めることで駆動ケース49に対して上下方向へ移動し、固定することで高さ調節可能となっている。また上部部材212は支持部材211と溶接等により連結固定している。下部部材213は上部部材212にボルトで固定されているが、下部部材213には上下方向に長い長孔によりボルト孔が開口されており、ボルトを緩めることで支持部材211に対して上下方向へ移動し、固定することで高さ調節可能となっている。
従って、畝の高さが左右で異なる場合や、左右中央部が高く、左右両側が低い場合などでは、両側の下部部材213を下げることで、畝面に接地させることが可能となり、更に両側が低い場合には支持部材211を更に下げて接地させることもできる。こうして左右両側の玉葱を中央側に寄せて確実に拾い上げることが可能となる。
【0027】
また、図6及び図7は従来技術にかかるデバイダと本発明にかかるデバイダ210を比較した図である。右は従来技術に係るデバイダ、左は本発明に係るデバイダ210を示している。
畝の高さが高い場合には、図6のように搬送装置40の地面に対する角度は小さくなり、従来のデバイダでは、畝の左右方向両端で隙間ができていたが、本発明に係るデバイダ210では、支持部材211の位置を下げることにより、地面との隙間を埋めることが可能となる。また、支持部材211の位置を下げるだけでは、地面との隙間が埋まらない場合は、下部部材213の位置を下げることにより、隙間を埋めることも可能となる。一方畝の高さが低い場合には、図7のように搬送装置40の地面に対する角度は大きくなり、従来のデバイダでは、畝の左右方向両端で土に沈み込んでいたが、本発明に係るデバイダ210では、支持部材211の位置を上げることにより、土に沈み込むことなく接地することが可能となる。また畝が風雨により崩れ落ちて、畝溝に土がたまっているような場合でも、支持部材211の位置を調節することが可能となる。
このように構成することにより、玉葱を車体左右方向に逃すことなく拾い上げることが可能となる。
【0028】
また、前記搬送装置40の駆動ケース49の後部には、掻き込み装置30を支える支持アーム31・31の回動支持部10が設けられており、該回動支持部10にて、掻き込み装置30の支持アーム31の後端部が枢支されている。該掻き込み装置30は、前記搬送装置40の側部に枢結される油圧シリンダ32により、前記回動支持部10を支点として支持アーム31を回動させることにより、上下方向に移動されるようになっている。以上の構成により、油圧シリンダ32を動作させることにより、掻き込み装置30の地上高さを個別に設定できる。
【0029】
また、前記油圧シリンダ32を用いる代わりに弾性部材を用いて高さ調節と弾性付勢しながら支持する構成とすることもできる。即ち、図18、図21に示すように、左右の駆動ケース49の前後中途部の側部に支持杆55・55を設ける。また、前記左右支持アーム31・31には支持杆56を横設する。該支持杆55・56からステー55a・56aを突設して、該ステー55a・56aにそれぞれ枢支ピン57・58を枢支し、該枢支ピン57・58に軸心に対して直角方向にネジ杆59を貫通して略上下方向に配置している。該ネジ杆59の下端をナット60により枢支ピン57に固定し、枢支ピン58の両側のネジ杆59に弾性部材としてバネ61・62を外嵌し、該バネ61・62の両側にはそれぞれ座金63・63・64・64を配置している。そして、下側の座金63の下部にはナット65を螺装し、上側の座金64の上側にはナット66を螺装している。67はロックナットである。
【0030】
このように構成することにより、支持アーム31に固定されている枢支ピン58はバネ61・62により上下方向から弾性付勢され、掻き込み部3が畝上の凸部に当接したり他の障害物と当接したり等しても、枢支ピン58が上下に摺動して、バネ61・62の付勢力によりショックが緩和され、破損等を回避することができる。
【0031】
また、下側のナット65または上側のナット66を回動することにより、搬送装置40に対する掻き込み部3の高さを調整することが可能であり、一方または両方を回動することにより付勢力を変更することが可能である。即ち、下側のナット65を上方へ摺動するように(右回りに)回動することにより、枢支ピン58も上方へ摺動して、駆動ケース49と支持アーム31の間の角度を大きくして両者の間隔を広げて掻き込み部3を上昇させることができる。また、ナット66を下方へ摺動するように(左回りに)回動すると、枢支ピン58も下方へ摺動して、駆動ケース49と支持アーム31の間の角度を小さくして両者の間隔を狭めて掻き込み部3を下降させることができる。
【0032】
また、前記搬送装置40は左右の無端体となるチェーンに複数の棒状体を左右方向に横架して平行に配置することですだれ状に構成して、前後の駆動スプロケットと従動スプロケットに巻回して、回転駆動することにより収穫物を搬送できるようにしている。即ち、図15に示すごとく、複数本の第1搬送棒44・44・・・と、第2搬送棒45・45・・・を交互に配置してなる、無端帯の野菜搬送面46が構成される。
これら搬送棒44・45の左右両端は、駆動ケース49(図15参照)に内装される無端体で構成した搬送チェーン43・43に取り付けられており、この搬送チェーン43・43を図示せぬ駆動装置にて駆動することにより、搬送棒44・45を下方から上方に向かって移動させるようにしている。
【0033】
前記第1搬送棒44は、軸部材44aと中空のカラー44bとからなり、該カラー44bの中空部分に軸部材44aが挿入される構成となっている。そして、軸部材44aが搬送チェーン43・43に取り付けられ、該軸部材44aに対してカラー44bが回転自在となっている。そして、軸部材44aが搬送チェーン43・43に取り付けられ、該軸部材44aに対してカラー44bが回転自在となっている。このように、カラー44bを軸部材44aに対して、回転自在としているため、仮に、拾い上げられた玉葱が第1搬送棒44上に落下した場合でも、カラー44bの回転により落下によるショックが和らげられ、玉葱を傷つけることなく搬送できる。
【0034】
しかし、玉葱のように重量のある野菜を搬送することにより、カラー44bが玉葱の落下による衝撃や重みにより変形してしまい、軸部材44aに対して回転できなくなる場合があった。そこで、カラー44bは左右方向略中央で切断して二つに分割されている。本実施例では、中央一箇所のみ切断しているが、複数箇所切断することも可能である。つまり、カラー44bは軸心方向に二つ以上に分割して構成することも可能である。好ましくは、分割数を多くするほうが、抵抗が小さくなり回転し易くなる。このようにカラー44bを複数個に分割することで、玉葱の落下による衝撃や重みにより、カラー44bの一端が変形したとしても軸部材44aに対して回転が可能となるように構成している。
【0035】
他方、前記第2搬送棒45は、平面視(正面視)で長手方向に凹凸を有する形状となっており、搬送チェーン43・43に取り付けられる両端部を凸部45a・45aとし、該凸部45a・45a以外の部分を玉葱の搬送面に対して略垂直に窪ませた凹部45bとして形成している。つまり、第2搬送棒45は、搬送チェーン43・43との連結部分以外を、搬送面に対して窪ませて形成している。そして、第2搬送棒45において、長手方向の殆どの部分を凹部45bが占めるようにしている。
【0036】
そして、第2搬送棒45の凹部45bと、その前後の第1搬送棒44・44の上下方向の位置関係は、前記凹部45bが、第1搬送棒44・44よりも低くなるので、該凹部45bと、第1搬送棒44・44により、側面視(第1搬送棒44の長手方向から臨む側面視)において、三角形状の載置スペース47が形成されるようになっている。
また、この載置スペース47の搬送方向の幅や、深さは、第1・第2搬送棒44・45の配列間隔、及び、凹部45bの窪みにより決定されるものであるから、穫される玉葱のサイズに合わせて、適宜、前記配列間隔・窪みを変更することにより、載置スペース47の搬送方向の幅や、深さを変更することができる。
【0037】
また、この載置スペース47に玉葱が自然に収められるようになるため、玉葱を安定させた状態で搬送することができる。また、一つの載置スペース47につき、左右方向に複数の玉葱を載せて搬送することができ、多量の玉葱の搬送に対応することができる。
また、凸部45a・45aにより、玉葱の左右方向への移動が規制されるため、玉葱が搬送チェーン43・43と接触して損傷することを防止できる。また、各搬送棒の間には、隙間が形成されるため、該隙間を通じて玉葱に付着した土砂を地面へ効率よくふるい落とすことができる。
【0038】
また、第1搬送棒44・44・・・と、第2搬送棒45・45・・・を交互に配置してなる無端帯の野菜搬送面46の上方には、該野菜搬送面46の傾きに沿わせるようにして、二本の棒状の搬送ガイド48・48が配置されている。この搬送ガイド48・48は、それぞれの下端部が、例えば駆動ケース49・49に固定され、上端部が、野菜搬送面46の上側終端部に配置されるようになっている。そして、この搬送ガイド48・48は、平面視において、略「八」字状が形成されるべく、それぞれ、該下端部から上端部に向かう程に、野菜搬送面46の左右中心に近づくように屈曲されている。
【0039】
この搬送ガイド48・48の存在により、搬送装置40の下部において、左右方向に幅広く載置された玉葱は、上方へ向かって搬送されるに伴い、搬送ガイド48・48によってガイドされ、搬送装置40の上部においては、左右中央側に集められる。
【0040】
そして、以上によれば、玉葱が左右に広がって前記搬送チェーン43・43に接触して損傷するといったことを防止でき、また、玉葱の流れを搬送装置40の左右幅の範囲内に集束させることができ、コンテナ80の中に確実に収集することができる。
また、搬送ガイド48・48を取り外し可能に構成するとともに、野菜の種別に応じて、形状の異なる別の搬送ガイドに適宜交換することによれば、収穫する野菜の種別に応じた最適な集束幅を実現することができ、収穫する野菜の種類・大きさが変わっても、コンテナ80の中に確実に収集することができる。
【0041】
また、搬送ガイド48・48は、野菜搬送面46と略平行となるべく構成されるものであり、簡易な構造となっている。尚、搬送装置40の上側終端部付近においては、搬送ガイド48・48が地上面と略水平となるべく屈曲させて、野菜搬送面46と搬送ガイド48・48との上下方向の隙間を小さく構成することとしており、これにより、当該隙間に玉葱を通過させることなく、確実にコンテナ80が配置される方向へ案内することができる。
【0042】
また、搬送装置40の搬送途中には、エアーを吹きつけて収穫物の乾燥を促し、付着した土等を除去する吹付装置120が配設されている。該吹付装置120は図21に示すように、左右の駆動ケース49の前後中途部にエアーパイプ121が架設され、該エアーパイプ121の水平部が野菜搬送面46の上方位置で左右方向に配設される。該エアーパイプ121の水平部の下面には適宜間隔をあけて吐出口が開口されて、エアーを野菜搬送面46側に吐出するようにしている。なお、本実施例では前記支持杆55をパイプで構成して、エアーパイプと兼用して構成している。
前記エアーパイプ121の一端は閉じられて、他端にはホース等を介して図示しないコンプレッサまたは送風機等からなる空気圧送手段の吐出口と接続されている。該空気圧送手段の吸入口がエンジン近傍に配置され、または、ホースがエンジン近傍を通過するように配設されて、圧送する空気を温めるようにしている。該空気圧送手段の吸入口がエンジン近傍に配置することにより、熱風を吸入することができ、この熱風を野菜搬送面46に吹きつけることにより、土上にあって湿気を含んだ搬送される野菜は乾燥され、腐敗等を防ぎ日持ちが良くなるとともに、付着した土等も除去されて、選別や清掃の手間を軽減することができる。特に、エンジンの冷却ファンの排出口に空気圧送手段の吸入口を配置することにより、エンジンの冷却効率を高めるとともに、野菜の乾燥も促進することができる。
【0043】
そして、この搬送装置40によって収穫物を後方へ搬送して終端から後述する落下シュート85を介してコンテナ80へ投入するようにしている。ところが、搬送時において収穫物の葉または根等が搬送棒45・46に絡み付いて離脱せず前下方に落下してコンテナ80に収納できないことがあった。特に、小ぶりの野菜は軽いため葉部が絡み付き易く、落下し難く、搬送装置40後端から前下方へ回り込み易かったのである。
【0044】
そこで、本発明は図17に示すように、回動支持部9には駆動軸50が支柱8・8間に左右方向に横架され、該駆動軸50の左右両側に駆動スプロケット51・51が固設されている。一方、駆動ケース49の前端に図示しない従動軸を横架して、該従動軸の左右両側に従動スプロケットを固定して、該従動スプロケットと前記駆動スプロケット51・51の間に前記搬送チェーン43・43を巻回している。
【0045】
そして、テンションローラー52を前側の従動スプロケットと後側の駆動スプロケット51の間に配置して搬送チェーン43を緊張している。該テンションローラー52の配置位置は、野菜搬送面46と反対側の下面側の非搬送面側であって、駆動スプロケット51の近傍に配置している。言い換えれば、テンションローラー52は駆動スプロケット51の斜め前下方に配置して、搬送チェーン43の後下部が後端から水平若しくは前上方へ延びるように緊張する。そして、落下シュート85の前上端は側面視該台形状となるように平らにしており、落下シュート85前端と野菜搬送面46との間にテンションローラー52を配置している。
【0046】
このように構成することにより、駆動スプロケット51下部において、搬送チェーン43は野菜の落下方向から逃げる方向に回動することになり、野菜が落下し易くなる。そして、後端から前方へ延びる搬送チェーン43と駆動スプロケット51と従動スプロケットの下側接線を結ぶ線との間の角度αは従来よりも大きくすることができるので、特に、小ぶりの野菜は従来よりも角度αに逃げるようになるので、絡みつきが生じ難くなる。また、搬送チェーン43と落下シュート85の間に構成される空間Aが、落下シュート85の前上端を平らにすることにより広くなり、駆動スプロケット51の下部と落下シュート85との間の距離Bを十分にとることができるので、搬送装置の搬送棒と落下シュート85との間に収穫物が詰まることもなくなるのである。
【0047】
また、図2乃至図4、及び図23に示すように、搬送装置40の後端であって落下シュート85の上部に葱分別機構200を設けている。葱分別機構200は弾性を有する複数のピアノ線等の鋼棒、または、合成樹脂等で構成した棒体を平行に支持具201から後上方に突出して、櫛状に構成し、落下シュート85の上部後面(内側)より後斜め上方に延伸している。前記左右方向に配置した支持具201の両端は着脱可能に落下シュート85の後面内側の上端で機体フレーム(または搬送装置40の搬送フレーム)に固定されている。なお、本実施例では、棒状体としてピアノ線を用いているが、弾性のある細い鋼棒やバネを用いることも可能である。また、本実施例では棒状体を櫛状に略平行としたが、網状とすることや、格子状とすることも可能である。
【0048】
このように構成することで、搬送装置40より車体後方へと玉葱の玉の部分とともに切断された玉葱の葉(葱)の部分も搬送されるが、この葱の部分は葱分別機構200の棒状体上に引っ掛かり滞留することになり、落下シュート85からコンテナ80に入るのを防ぐことが可能となる。なお、玉葱の玉の部分は弾性体である棒状体を左右押しのけて落下するか、あるいは棒状体上で跳ねて後方へ落ちる。また、滞留した葱の部分は一定の量堆積すると、その上方を回動している搬送装置40の搬送棒44により前下方へ押されて、搬送装置40の非搬送面の下方に配置した仕切り板上に落ちて、そのまま下方へ滑り落ち、圃場面上に放出されるようにしている。
【0049】
また、図1及び図16に示すごとく、掻き込み部3において、左右の支持アーム31・31には駆動軸35が横架され、該駆動軸35の両端部に回転輪24・25が固定されている。
また、右側の支持アーム31に並設される駆動ケース31aには、前記駆動軸35の動力伝達機構が内装され、該動力伝達機構から動力を受けて駆動軸35が回転される。
また、左右の回転輪24・25には、それぞれアーム24a・25aが放射状に半径方向に4方向に突設されており、左右のアーム24a・25aの先端間には支持軸26が軸架されている。該支持軸26には、軸方向に幅のある取付部26a(図16参照)が突設され、該取付部26aに掻込体34が固定されている。この掻込体34は、左右方向を長手とする長方形の形状とされ、左右方向の複数箇所において、上下方向の切目(図1参照)が適宜設けられている。
【0050】
また、右側の回転輪25の外側方には、該回転輪25と偏心させた回転輪27が軸架されている。該回転輪27には、アーム27a・27a・・・が4方向に突設されている。
そして、該回転輪27のアーム27aの先端に設けた回転軸27bには、連動アーム28の一端が枢支され、また、該連動アーム28の他端が、前記支持軸26に固定されている。
【0051】
以上の構成により、各支持軸26に取付ける各掻込体34が常に下向き、即ち、垂直面を形成した状態を維持しながら回転するようになっている。
尚、該掻込体34は樹脂(例えば、ゴムやビニール)等の弾性部材で形成されており、玉葱を掻きこむ際に、玉葱を傷つけないようにしている。また、掻込体34を肉厚に形成して、一枚の掻込体34で複数の玉葱を同時に掻き込むことを容易としている。また、該掻込体34に別途補強板を設けることにより、玉葱側から受ける反力によって容易に撓まないように構成することもできる。
【0052】
また、図4に示すごとく、前記掻き込み装置30の支持アーム31には、前後位置調節機構33が設けられており、該前後位置調節機構33により掻き込み装置30の前後位置の調節が可能となっている。
【0053】
また、図2に示すごとく、搬送装置40の上側終端の後方斜め下方には、コンテナ搬送台71が設けられている。該コンテナ搬送台71には、前後方向に配置されるローラ71a・71aが複数回転自在に配設され、機体進行方向に対して左右方向にコンテナ80が搬送される搬送面が形成されている。
このコンテナ搬送台71は、図3に示すごとく、クローラ走行装置2・2の上方に左右方向に配置されて、図17に示すように、前端が機体フレーム5の後部に枢支され、上方へ回動して収納できるようにしている。また、コンテナ搬送台71の左側上方には、操作部90が配置される。また、コンテナ搬送台71の右側には、空のコンテナ80を載置するコンテナ台75が配置される。
野菜収穫機1は、コンテナ台75に載置されているコンテナ80が機体側にずれて倒れることを防止するための側方転倒防止杆300と、前方にずれて倒れることを防止するためのもの前方転倒防止杆304が設けられている。
【0054】
次に、コンテナ80の転倒防止部材について説明する。
【0055】
通常、空のコンテナ80は、一のコンテナ80の開口部と他のコンテナ80の開口部を重ね合わせて、図8および図9に示す如く、上下方向に4段、前後方向に4列のコンテナ80がコンテナ台75に載置される。さらに、一のコンテナ80と他のコンテナ80の内部には、別のコンテナ80が収納される。なお、ここでは、コンテナ80の最下段を1段目、最上段を4段目、最前列を1列目、最後列を4列目とする。
1段目と2段目のコンテナ80の内部と、3段目と4段目のコンテナ80の内部には、それぞれ別のコンテナ80が収納されているため、1段目と2段目のコンテナ80の間や3段目と4段目のコンテナ80の間で、コンテナ80がずれて倒れることはない。したがって、側方転倒防止杆300および前方転倒防止杆304を、2段目と3段目のコンテナ80に当接する位置に配設することで、コンテナ80がずれて倒れないように防止する。
【0056】
側方転倒防止杆300は、コンテナ台75に載置されているコンテナ80が機体側にずれて倒れることを防止するためのものである。
図9に示す如く、側方転倒防止杆300は、側面視略門型に形成されたパイプの前側の垂直部分を中途部で後斜め下方に折り曲げ、さらに、後側の垂直部と前側の垂直部の間を略水平に配置した連結杆301により連結されて補強されている。側方転倒防止杆300は、前後方向の長さはコンテナ80の4列の前後方向の長さと略一致し、上下方向の高さはコンテナ台75から3段目のコンテナ80の中途部に位置するように構成されている。
側方転倒防止杆300の後端は、第1取付部材302により機体フレーム5側の支柱8に固定され、側方転倒防止杆300の前端は、第2取付部材303により機体フレーム5に取り付けられ、機体にボルト等により固定されている。
【0057】
このような構成において、コンテナ台75は外側(右側)端が高くなるように傾斜した状態で外方に張り出した状態とするようにしているため、コンテナ台75上に載置したコンテナ80は内方(左側)へ倒れようとするが、側方転倒防止杆300により、上下方向に対しては、2段目と3段目のコンテナ80の間で、コンテナ80がずれて倒れることを防止することができ、前後方向に対しては、1列目から4列目までのコンテナ80を押さえることにより、コンテナ台75に載置されているコンテナ80が機体側にずれて倒れることを防止でき、収穫作業が一旦停止となったり、倒れたコンテナが機体に接触することにより機体に損傷をきたすことがない。
【0058】
前方転倒防止杆304は、発進・停止や振動等により、コンテナ台75に載置されているコンテナ80が前方にずれて倒れることを防止するためのものである。
図8に示す如く、前方転倒防止杆304は、中途部でパイプが略90度に折り曲げられて上下方向部分304aと横方向部分304bを形成し、横方向部分304bは中途部で斜め上方に正面視へ字状に折り曲げられて斜め方向部分304cが形成されて構成されている。前方転倒防止杆304は、左右方向の長さはコンテナ80の左右方向の長さの半分より長く、上下方向の高さはコンテナ台75から3段目のコンテナ80の中途部に位置するように構成されている。
前方転倒防止杆304は、中途部(上下方向部分304aと横方向部分304bの折り曲げ部近傍)が操作杆305の前端に上下両側を挟む第1プレート306と第2プレート307等を介して取り付けられている。
【0059】
操作杆305は、側面視略L字状に構成されて、後端の下方に折り曲げた部分をレバー310としている。操作杆305の前後水平部分の後部が、側方転倒防止杆300の後部垂直部分に固定した第1取付部材302に開口した通し孔に、回動自在かつ摺動自在に挿入され、操作杆305の前後中途部が連結杆301の前後中途部に取り付けられた第3取付部材308の通し孔に回動自在かつ摺動自在に挿入されている。該通し孔は、孔径が操作杆305の外径より若干大きく形成され、かつ略水平状態に設けられているため、操作杆305は前後方向に摺動させて、かつ左右方向に回動させることができる。
操作杆305の前端には、上側に第1プレート306、下側に第2プレート307が上下平行に固設され、ボルト等により操作杆305に固定されている。また、第1プレート306の上面には、側面視略L型の第3プレート309が固設されて、該第3プレート309の後面に前方転倒防止杆304が上下方向に取り付けられて、前方転倒防止杆304と操作杆305を第1プレート306と第2プレート307と第3プレート309を介して連結固定している。さらに、第1プレート306と第2プレート307の前端には、正面視略台形の第4プレート319が略垂直に固設され、第4プレート319の前端面が前部の側方転倒防止杆300の後面に当接するようにして、ストッパーの役目を果たすようにしている。
【0060】
前方転倒防止杆304は、第1プレート306と第2プレート307と第3プレート309の通し孔に回動可能に挿入され、前方転倒防止杆304を使用しないときには後方へ回動して収納できるようにしている。
図24に示す如く、前方転倒防止杆304は、横方向部分304bが第3プレート309の垂直部分に当接することにより、前方転倒防止杆304の前方への回動が規制されている。そして、前方転倒防止杆304の上下方向部分304aの上部が連結杆301に当接可能とし、下端が機体フレーム5に当接可能として、前方転倒防止杆304の機体内方への回動が規制されている。また、前方転倒防止杆304は、デテント機構により、コンテナ80が前方にずれて倒れることを防止する状態や、後方へ回動して収納する状態を保持し、一定以上の力で操作することにより回動されるように構成されている。このため、発進・停止や振動等により、前方転倒防止杆304が回動されることがない。なお、図25に示す如く、第1プレート306の上方であって、上下方向部分304aの上部にステー323を固設し、コンテナ80が前方にずれて倒れることを防止する状態で、ステー323にピン孔と第1プレート306に第1のピン孔を開口する。また、後方へ回動して収納する状態で、第1プレート306の上面に第2のピン孔を開口する。コンテナ80が前方にずれて倒れることを防止する状態で、該ピン孔と第1のピン孔を一致させて、ピン324を挿入して固定する。そして、ピン324を引き抜き、後方へ回動して収納する状態で、該ピン孔と第2のピン孔を一致させて、ピン324を挿入して固定するように構成することも可能である。
【0061】
このような構成において、収穫作業時等には、前方転倒防止杆304の横方向部分304bおよび斜め方向部分304cが、コンテナ80の左右方向と略平行な状態にすることにより、2段目と3段目のコンテナ80の間で、コンテナ80がずれて前方へ倒れることを防止することができ、収穫作業が一旦停止となったりすることがない。また、上下方向部分304aを後方向に回動させて前後方向に向けて折り畳んだ状態にすることにより、格納時等にコンテナ台75が上方向に回動されて折り畳んで収納されることを妨げることがない。
また、前方転倒防止杆304は、左右方向の長さが、コンテナ80の左右方向の長さの半分より長く、前方転倒防止杆304の左右方向の長さの範囲内にコンテナ80の重心が位置するように構成されているため、コンテナ80が前方転倒防止杆304と接触した箇所を支点として回転して、倒れることがない。また、上下方向の高さがコンテナ台75から3段目のコンテナ80の中途部に位置するように構成されているため、2段目と3段目のコンテナ80の間でずれて倒れることを防止することができる。
【0062】
また、操作杆305の後端には、レバー310が形成されており、作業者等はレバー310を握り、操作杆305を操作して、前方転倒防止杆304を一定範囲で前後方向に移動させたり、左右方向に回動させたりすることができる。
【0063】
このような構成において、図8および図10に示す如く、レバー310を正面視時計回りに回動させると、前方転倒防止杆304も連動して時計回りに回動されて、前方転倒防止杆304の上端が4段目のコンテナ80の中途部に位置され、前方転倒防止杆304の下端が1段目のコンテナ80の中途部に位置されて、前方転倒防止杆304により1段目から4段目までのコンテナ80が係止される。そして、図9に示す如く、レバー310を後方に引くことにより、第1プレート306と第2プレート307が、第3取付部材308に当接するまで、すなわち、前方2列分のコンテナ80を後方2列分のコンテナ80の位置まで移動させることができる。
従来、作業者等は後方から順番に4列目、3列目のコンテナ80を使用すると、収穫作業を一旦停止して2列目、1列目のコンテナ80を後方まで運ぶ必要があったが、操作杆305により、収穫作業を一旦停止することなく前方転倒防止杆304を操作して、前方のコンテナ80を後方に容易に移動させることができる。なお、コンテナ台75の底面の内側は、パイプにより構成されており、コンテナ80とコンテナ台75の接地面積が小さいため、コンテナ80はコンテナ台75上を滑らかに移動することができる。
【0064】
また、図11、図12に示すように、レバー310の基部にはプレート320が固定され、該プレート320の垂直面にはピン321が前方に突設されている。また、後部側方転倒防止杆300の後面に固設した第1取付部材302にピン孔を開口して、前記ピン321を挿入可能としている。一方、第3取付部材308の前方の操作杆305上にはトーションバネ322が外嵌され、該トーションバネ322の一端は操作杆305に固定し、他端は第1プレート306、第2プレート307、第3取付部材308、側方転倒防止杆300等の本機に固定するが、本実施例では図24(図25)に示す第1プレート306に固定し、操作杆305を前方へ摺動するように付勢するとともに、後面視時計方向に回動するように付勢している。
このように構成することで、作業者等はレバー310を握り、トーションバネ322の付勢力に抗して操作杆305を後方に引いてピン321をピン孔から抜き、レバー310を後面視反時計方向に回動して、後方へ引っ張ることによりコンテナ80を後方へ引き寄せることができる。そして、レバー310を放すと、自動的に操作杆305と前方転倒防止杆304が前方の元の位置に戻るように構成されている。このため、後方に引いた前方転倒防止杆304を前方に戻す操作も不要である。
【0065】
なお、側方転倒防止杆300および前方転倒防止杆304の形状は限定するものではなく、コンテナ80がずれて倒れることを防止できる形状であればよい。また、前方転倒防止杆304は操作杆305を回動操作して、1段目から4段目までのコンテナ80が係止されるように構成されているが、前方転倒防止杆304の上下方向部分304aに曲げ加工等を施すことにより、1段目もしくは2段目のコンテナ80に係止されるようにし、操作杆305を回動操作せずに1段目から4段目までのコンテナ80が係止されるように構成してもよい。
【0066】
また、図3に示すごとく、コンテナ搬送台71の搬送面の地上高は、コンテナ台75側が高く操作部90側が低くなるよう、左右方向に傾斜させて設けられている。
そして、該コンテナ搬送台71は、搬送台71Lと搬送台71Rに左右に分割されており、左側の操作部90に近い側の搬送台71Lは収穫物でいっぱいになったコンテナ80を圃場面に降ろすためのものとし、右側の搬送台71Rは落下シュート85を介して投入するコンテナ80の台としている。なお、該左搬送台71Lの上方には落下シュート85が覆うように配置されて直接収穫物が入らないようにしている。
こうして前記右側の搬送台71Rの左端上には後述する係止部材311が設けられて、コンテナ台75上の空のコンテナ80を右搬送台71R上に移動させると係止部材311に止められる。この状態で搬送装置40から搬送される収穫物は落下シュート85を介してコンテナ80内に収容される。そして、右搬送台71R上のコンテナ80が収穫物でいっぱいになると、そのコンテナ80を手で操作部90側へ引き寄せて右搬送台71R上を転がせながら係止部材311を回動させて左搬送台71L上に移動させ、左搬送台71Lが後下方へ回動することでコンテナ80を圃場上へ降ろすようにしている。
【0067】
即ち、左搬送台71Lは図17に示すように、前後に分割されて前台71bと後台71cを構成し、該前台71bと後台71cを前後方向に足した長さはコンテナ80の前後長と略同じとして、後台71cの前後長は前台71bの前後長よりも若干長く構成して、前台71bの前部は機体フレーム5に枢支して、略水平の状態から上方へ回動可能として非作業時等で収納できるようにしている。該前台71bの後部と後台71cの前部が左右方向に配置した支点軸72により連結されて、後台71cが下方へ回動可能に支持され、該前台71bと後台71cの間にはバネ73が介装されて、該バネ73により後台71cを上方へ回動するように付勢し、通常は前台71bと後台71cの上面は一直線状の略水平状態となるようにしている。なお、バネ73の一端の係止部にボルト・ナット等でバネ力調製部材を構成して配置することもできる。
このような構成において、収穫物でいっぱいとなった右搬送台71R上のコンテナ80を左搬送台71L上へ移動させると、収穫物を収納したコンテナ80の重心は支点軸72よりも後方に位置するので、コンテナ80と収穫物の自重で後台71cの後部が下方へ回動し、コンテナ80も後方へ傾斜して後台71c上を滑り自動的に圃場面に降ろすことができる。後台71c上にコンテナ80がなくなると、バネ73の付勢力により後台71cは上昇回動して元の位置に戻るのである。なお、前記重心はコンテナ80内に均一に収穫物が収納された状態であって前後左右上下略中央に位置すると仮定している。
【0068】
また、収穫物でいっぱいとなったコンテナを左搬送台71Lに載せられたことを確認してから圃場上へ降ろすようにすることもできる。即ち、前記と同様に左搬送台71Lを前後に分割して、前台71bと後台71cを前後方向に足した長さは右搬送台71Rの前後長と略同じとして、後台71cの前後長は前台71bの前後長よりも若干短く構成して、両者間には前記と同様にバネ73を介装する。
このような構成において、収穫物でいっぱいとなったコンテナ80を右搬送台71Rより左搬送台71L上に移動させると、収穫物を収納したコンテナ80の重心は支点軸72よりも前方に位置するので、コンテナ80は前台71b上に載り一時的に保持されて、コンテナの横方向への移動時に後台71cが下降回動してコンテナ80がひっくり返るようなことがなく、この水平の状態からコンテナ80の後側を手で押し下げることで、コンテナ80は後方へ傾斜し、重心は支点軸72よりも後方に移動して後台71c上を自重で滑り落ちるようになり圃場面に降ろすことができる。
また、左搬送台71Lは前後に分割しない一体構成として、シリンダ等のアクチュエータ79で下降回動する構成とすることもできる。即ち、左搬送台71Lと機体フレーム5の間にシリンダ等のアクチュエータを介装して、スイッチやレバー等の操作で左搬送台71Lを下降または上昇回動させるようにすることも可能である。この場合、昇降スイッチを操作部90に配置して、オペレーターのスイッチ操作で昇降させる。または、コンテナの有無を検知する接触または光センサーまたは重量センサー等よりなるセンサー21を左搬送台71L上に配置し、左搬送台71L上にコンテナ80が位置すると下降し、左搬送台71L上からなくなると上昇するように構成することもできる。この場合、図3に示すように、コンテナ検知センサー21は左搬送台71Lの後左端部に配置し、アクチュエータ79は左搬送台71Lの左側面に配置し、コンテナ検知センサー21とアクチュエータ79はコントローラ23と接続される。
【0069】
次に、係止部材311によりコンテナ80が左搬送台71Lへ移動しないようにする実施例について説明する。
【0070】
係止部材311は、コンテナ80が右搬送台71Rの左端でローラ71aの転動により、右搬送台71Rから左搬送台71Lへ移動しないように一時的に止めるためのものである。
係止部材311は、図13および図14に示す如く、平面視略へ字状、側面視略コ字状のパイプ部材であって、係止部材311の両端は、上下方向に配置したロッド313の上部と中途部に固定されている。該ロッド313の下部は機体フレーム5の後部に設けられた中空の円筒部材312の内部に回動可能に支持され、コンテナ80が右搬送台71Rから左搬送台71Lへ移動する方向に対して、略直交するように配置されている。
ロッド313の下面には、平面視略三角形のプレート314がボルト315により固定されている。また、プレート314には、下側に突起する第1突起部316が設けられ、第1突起部316と機体フレーム5の第2突起部317の間にはバネ318が介装されている。
【0071】
このような構成において、コンテナ台75より、空のコンテナ80を左方向へ滑らせて右搬送台71R上へ移動させると、コンテナ80の左側面が係止部材311に当接し、左搬送台71Lへ移動しないように一時的に止められる。そして、右搬送台71R上に載置したコンテナ80内に収穫物が投入されていっぱいとなると、作業者等がそのコンテナ80を操縦部90側へ引き寄せると、または、コンテナ台75側から操縦部90側へ押すと、バネ318の付勢力に抗して、係止部材311を左方向に回動させて左搬送台71L上に載せることができる。係止部材311は、バネ318の付勢力により自動的に元の状態に戻るため、係止部材311を戻す操作も不要である。
【0072】
なお、ロッド313および係止部材311の形状は、限定するものではなく、コンテナ80を係止できる形状であればよい。例えば、係止部材311は、板状部材にしてもよいし、ロッド313に係止部材311を片持ち式に設けることもできる。また、ロッド313および係止部材311を同一部材で構成することもできる。また、ロッド313および係止部材311の高さや係止部材311の水平長さは、コンテナ80の大きさ等に応じて調整することができる。
【0073】
また、右搬送台71R上に載置したコンテナ80を自動的に左搬送台71L上に載せるようにすることも可能である。即ち、右搬送台71R上に重量センサー22を配置して、コンテナ80の重量を検知する。一方、係止部材311はコンテナ80がローラ71aの転動により左搬送台71Lへ移動しないように一時的に止める部材であり、凸状の部材で構成して簡単に乗り越えられるような部材とし、係止部材311を昇降可能に構成して、係止部材311をシリンダまたはモータ等のアクチュエータ78により昇降できるように構成する。そして、該アクチュエータ78と重量センサー22とをコントローラ23に接続する。
【0074】
このような構成において、右搬送台71R上に載置したコンテナ80内に収穫物が投入され、そのコンテナ80の重量は重量センサー22により検知されコントローラ23にその値が入力されている。そして、重量センサー22の検出値が設定値に達すると、つまり、コンテナ80の重量が収穫物で略いっぱいとなる設定重量に達すると、アクチュエータ78を作動させて係止部材311を下降させる。すると、右搬送台71Rに載置されたコンテナ80は、係止部材311の係止が解除され、コンテナ搬送台71の傾斜により、自重によりローラを転動させて左搬送台71L上へと自動的に移動するのである。そして、右搬送台71R上にコンテナ80がなくなることにより重量センサー22の値は設定値以下となり、係止部材311は元の位置まで上昇され次の空のコンテナ80を係止することができる。左搬送台71L上のコンテナ80は前述のように、左搬送台71Lが後下方へ傾斜されて圃場上に降ろされるのである。
但し、コンテナ台75に空のコンテナ80がないと、左搬送台71L上へコンテナ80を移動すると収穫物を収容することができなくなるので、右搬送台71Rの右側方のコンテナ台75に空コンテナ検知センサー29を配置し、該空コンテナ検知センサー29をコントローラ23と接続し、該コントローラ23には主クラッチの操作アクチュエータ81またはエンジンを停止させるためのアクチュエータと接続する。
こうして、前記重量センサー22がコンテナ80の重量が設定重量であることを検知すると、空コンテナ検知センサー29により空のコンテナ80がコンテナ台75上にあるかどうかを検知し、あればアクチュエータ78を作動させて係止部材311を下降してコンテナ80を左搬送台71Lへ移動させ、同時に空のコンテナ80もコンテナ台75から右搬送台71R上に移動する。空のコンテナ80がコンテナ台75上にない場合には、アクチュエータ81を作動させて、走行及び搬送を停止、または、エンジンを停止させて、空のコンテナを補給するようにする。
【0075】
そして、コンテナ台75上には、空のコンテナ80を載置して待機するようにしており、該コンテナ台75より、コンテナ搬送台71へコンテナ80が供給されるようになっている。このコンテナ台75とコンテナ搬送台71により、一連のコンテナ搬送部7が形成されることとしている。
【0076】
また、図2、図3、図4、図17に示すごとく、搬送装置40の終端の下後方には、落下シュート85が設けられており、搬送装置40の終端まで搬送された玉葱は、落下シュート85の上に受け継がれた後、コンテナ80内へ投入される。該落下シュート85の上部左端は、前記左側の搬送ガイド48よりも左側に位置して、斜め右下方に延設されて、下右端は右搬送台71R上に載置したコンテナ80の左端よりも右側のコンテナ80内側となる位置としている。但し、搬送装置40の終端下方と落下シュート85との間にゴム等の弾性体よりなるクッションを配置することもできる。
このように構成することにより、搬送装置40により搬送された玉葱は搬送ガイド48・48にガイドされながら左右中央に寄せられ、搬送装置40後端より落下して、落下シュート85にガイドされて、右搬送台71R上に載置したコンテナ80内に収容されることになるのである。
【0077】
また、図3に示すごとく、前記コンテナ台75の左端は、機体フレーム5に立設されるステー77に設けたヒンジ部76を中心として回動自在に設けられており、移動時等、コンテナ台75が使用されない場合には、コンテナ台75を上方向に回動して折り畳んで収納できるように構成されている。また、機体フレーム5より立設される支柱8には、コンテナ台75の固定部88が設けられており、該固定部88にてコンテナ台75を保持することにより、コンテナ台75を折り畳んだ状態が維持されるようになっている。
【0078】
また、図3に示すごとく、コンテナ台75の搬送面の地上高は、広げた状態において、前記ヒンジ部76に近い側が低くなるように傾斜させて設けられる、つまりは、機体から最も離れた右端部が高く、前記ヒンジ部76側が低くなるよう、図3において、左右方向に傾斜させて設けられている。
そして、コンテナ台75は作業時に、機体より進行方向右側方に突出して配設され、圃場端で右旋回して、次の条の収穫作業を行うときには、コンテナ台75は前の条側にコンテナ台75が突出するが、前の条の畝上に降ろしたコンテナ80にコンテナ台75が衝突しないようにしている。つまり、図22に示すように、コンテナ台75のヒンジ部76はクローラ2の上方に配置され、クローラ2の外側端からコンテナ台75の先端までの長さ(突出長さ)Bは、クローラ2の内側端から左搬送台71Lの右端までの距離(コンテナ80までの距離)Aよりも短くなるように構成している(A>B)。
このように構成することにより、畝間にクローラ2を位置させて走行しながら作業を行い、圃場端で旋回して、次の条を収穫する時に、コンテナ台75が前の条側に突出しても、コンテナ台75の先端は前の条の作業で降ろしたコンテナ80に当接することがなく、コンテナ80やコンテナ台75等を傷めることがないのである。
【0079】
また、図2に示すごとく、操作部90には、クラッチレバー91、サイドクラッチレバー92・93、アクセルレバー94、エンジンスイッチ95等が設けられている。
クラッチレバー91のシフトガイドは低速側(作業時使用)と高速側(移動時使用)を有するU字状に構成されている。
クラッチレバー91を低速側(作業時使用)に入れると、作業部(搬送装置40、掻き込み装置30)に駆動を入力するためのクラッチと、走行部(クローラ走行装置2)に駆動を入力するためのクラッチの両方が接続される。これにより、作業可能な状態となる。
また、前記アクセルレバー94をニュートラルの位置として、前記クラッチレバー91が低速側に入れられると、作業部(搬送装置40、掻き込み装置30)に駆動を入力するためのクラッチが接続されて、停止状態において、作業部を駆動させることができる。
【0080】
他方、クラッチレバー91を高速側(移動時使用)に入れると、作業部(搬送装置40、掻き込み装置30)に駆動を入力するためのクラッチが切断され、走行部(クローラ走行装置2)に駆動を入力するためのクラッチが接続される。これにより、走行可能な状態となる。
また、前記エンジンスイッチ95は、例えば、押しボタン式に構成され、当該スイッチが操作されると、エンジンが停止されて、作業部・走行部の駆動が停止される。この構成により、作業時において、コンテナ80の交換等の必要が生じた際には、前記エンジンスイッチ95の一つの操作により、作業部・走行部の駆動を迅速に停止させることができ、作業性の向上が図られる。
また、前記作業部(搬送装置40、掻き込み装置30)の駆動系と、走行部(クローラ走行装置2)の駆動系は、互いに独立した駆動系としているので、例えば、搬送装置40、掻き込み装置30の駆動速度を一定としつつ、アクセルレバー94の操作にて走行速度のみを遅くし、玉葱を確実に掻き込むようにするといったことが可能となる。
【0081】
また、なお、図4に示す構成において、左右の配置を逆に構成する、即ち、機体進行方向に対し、コンテナ台75を左側(図4の紙面において下側)に配し、また、操作部90を右側に配する構成とするものであってもよい。
【0082】
以上の如く、本実施例の野菜収穫機1は、機体下部に配設するクローラ走行装置2と、機体最前部に配設される掻き込み部3と、掻き込み部3の後方に連設される野菜搬送部4と、クローラ走行装置2の後部上方に配設されるコンテナ搬送部7と、操作部90とを備えて、クローラ走行装置2を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する自走式の野菜収穫機1であって、機体の左右一側に空のコンテナ80を載置するコンテナ台75を設け、コンテナ台75の前端に前方転倒防止杆304を配置し、コンテナ台75の左右一側に側方転倒防止杆300を設けたものである。
このように構成することにより、コンテナ台75に載置されている空のコンテナ80が走行時の振動等によりずれて、前方や側方に倒れることを防止でき、収穫作業が一旦停止となったり、倒れたコンテナ80が機体に接触することにより機体に損傷をきたすことがない。
そして、前方転倒防止杆304は、側方転倒防止杆300に前後摺動可能に取り付けるものである。
このように構成することにより、従来は、作業者等は後方のコンテナ80を使用すると、収穫作業を一旦停止して前方のコンテナ80を後方まで運ぶ必要があったが、収穫作業を一旦停止することなく前方転倒防止杆304を操作して、前方のコンテナ80を後方に容易に移動させることができる。
また、前方転倒防止部材は、前方転倒防止杆304と操作杆305より構成し、操作杆305を側方転倒防止杆300に回動可能に支持し、前方転倒防止杆304を操作杆305を中心に回動可能に構成したものである。
このように構成することにより、前方転倒防止杆304を傾倒回動させることで、積まれた各コンテナ80の中央部分に当てることが可能となり、安定して後方へ引き寄せることができる。
さらに、機体下部に配設するクローラ走行装置2と、機体最前部に配設される掻き込み部3と、掻き込み部3の後方に連設される野菜搬送部4と、クローラ走行装置2の後部上方に配設されるコンテナ搬送部7と、操作部90とを備え、野菜搬送部4の搬送装置40の後部下方にコンテナ搬送台71を左側が下がるように傾斜配置し、コンテナ搬送台71を左右に分割し、左右の搬送台71L・71Rにそれぞれコンテナ80を載置可能とし、右側の搬送台71R上に載置したコンテナ80に搬送装置40から落下する収穫物を収容するように落下シュート85aを設けるとともに、左側の搬送台71Lを略水平状態から下方に傾斜可能に構成して、クローラ走行装置2を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する自走式の野菜収穫機1であって、機体フレーム5の後部に回動可能に取り付けられ、右側の搬送台71Rの傾斜下側の端部でコンテナ80を係止するための係止部材311を設け、係止部材311と機体フレーム5の間にバネ318が介装されているものである。
このように構成することにより、コンテナ80をコンテナ搬送台71の右側の搬送台71R上に載せるだけで、係止部材311に当たるまで移動して停止し、位置決めが容易にできる。また、収穫物でいっぱいになったコンテナ80を左側の搬送台71L上に移動させる場合に、一定以上の強さで側方へ移動させることで係止部材311は、バネ318に抗して回動し、コンテナ80を持ち上げることなく、軽い力で左側の搬送台71L上に移動させて、コンテナ80を圃場上に降ろすことができるとともに、移動後には係止部材311はバネ318により元の位置に戻り、係止部材311を戻す操作も不要である。
そして、コンテナ搬送台71の左右一側にコンテナ80を載置するコンテナ台75を設け、コンテナ台75のクローラ2外側端からの突出長さを、クローラ2内側端から搬送台71Lの内側端までの長さよりも短く構成したものである。
このように構成することにより、圃場端まで作業をして次の条に回行して作業を続行しても、コンテナ台75は前の条の畝上に降ろしたコンテナ80と当接することがなく、コンテナ80やコンテナ台75に損傷を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】野菜収穫機の前方全体斜視図。
【図2】野菜収穫機の全体平面図。
【図3】野菜収穫機の後面図。
【図4】野菜収穫機の右側面図。
【図5】デバイダ210の平面図。
【図6】畝高さが高い場合の従来のデバイダと本発明に係るデバイダ210の正面図。
【図7】畝高さが低い場合の従来のデバイダと本発明に係るデバイダ210の正面図。
【図8】側方転倒防止杆と前方転倒防止杆の正面図。
【図9】側方転倒防止杆と前方転倒防止杆の右側面図。
【図10】前方転倒防止杆と操作杆の取付部の正面図。
【図11】レバーを後面視反時計方向に回動させて、後方へ引っ張った状態を示す平面図。
【図12】レバーの後面図。
【図13】係止部材の平面図。
【図14】係止部材の左側面図。
【図15】搬送装置の搬送面の構成について示す図。
【図16】掻き込み装置の側面図。
【図17】搬送装置後部とコンテナ搬送台の側面図。
【図18】搬送装置と掻き込み部の高さ調節部の側面図。
【図19】クローラ式走行装置と傾斜制御のブロック図で機体を下降させた状態を示す図。
【図20】クローラ式走行装置と傾斜制御のブロック図で機体を上昇させた状態を示す図。
【図21】搬送装置と吹付装置斜視図。
【図22】クローラの外側端からコンテナ台の先端までの長さBとクローラの内側端から左搬送台の右端までの距離Aの関係を示す図。
【図23】葱分別機構の斜視図。
【図24】第3プレートによる前方転倒防止杆の前方への回動を規制する構成を示す平面図。
【図25】ステーとピンによる前方転倒防止杆の前方への回動を規制する構成を示す平面図。
【符号の説明】
【0084】
1 野菜収穫機
2 クローラ走行装置
3 掻き込み部
4 野菜搬送部
5 機体フレーム
7 コンテナ搬送部
40 搬送装置
71 コンテナ搬送台
71L・71R 搬送台
75 コンテナ台
80 コンテナ
85 落下シュート
90 操作部
200 葱分別機構
210 デバイダ
300 側方転倒防止杆
304 前方転倒防止杆
305 操作杆
311 係止部材
318 バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体下部に配設するクローラ走行装置と、機体最前部に配設される掻き込み部と、該掻き込み部の後方に連設される野菜搬送部と、前記クローラ走行装置の後部上方に配設されるコンテナ搬送部と、操作部とを備えて、前記クローラ走行装置を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する自走式の野菜収穫機であって、
機体の左右一側に空のコンテナを載置するコンテナ台を設け、該コンテナ台の前端に前方転倒防止部材を配置し、該コンテナ台の左右一側に側方転倒防止部材を設けたことを特徴とする野菜収穫機。
【請求項2】
前記前方転倒防止部材は、側方転倒防止部材に前後摺動可能に取り付けることを特徴とする請求項1に記載の野菜収穫機。
【請求項3】
前記前方転倒防止部材は、前方転倒防止杆と操作杆より構成し、該操作杆を側方転倒防止部材に回動可能に支持し、前方転倒防止杆を操作杆を中心に回動可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の野菜収穫機。
【請求項4】
機体下部に配設するクローラ走行装置と、機体最前部に配設される掻き込み部と、該掻き込み部の後方に連設される野菜搬送部と、前記クローラ走行装置の後部上方に配設されるコンテナ搬送部と、操作部とを備え、前記野菜搬送部の搬送装置の後部下方にコンテナ搬送台を左右一側が下がるように傾斜配置し、該コンテナ搬送台を左右に分割し、左右の搬送台にそれぞれコンテナを載置可能とし、左右一側の搬送台上に載置したコンテナに前記搬送装置から落下する収穫物を収容するように落下シュートを設けるとともに、左右他側の搬送台を略水平状態から下方に傾斜可能に構成して、前記クローラ走行装置を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する自走式の野菜収穫機であって、
機体フレームの後部に回動可能に取り付けられ、該左右一側の搬送台の傾斜下側の端部でコンテナを係止するための係止部材を設け、該係止部材と機体フレームの間に弾性部材が介装されていることを特徴とする野菜収穫機。
【請求項5】
前記コンテナ搬送台の左右一側にコンテナを載置するコンテナ台を設け、該コンテナ台のクローラ外側端からの突出長さを、クローラ内側端から前記左右一側の搬送台の内側端までの長さよりも短く構成したことを特徴とする請求項4に記載の野菜収穫機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2007−61012(P2007−61012A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252097(P2005−252097)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(391025914)八鹿鉄工株式会社 (131)
【Fターム(参考)】