説明

金属三座配位子触媒を使用したカルボニル化プロセス

【課題】アルコールおよび/またはその反応性誘導体の触媒カルボニル化を用いて、カルボン酸および/またはカルボン酸のアルコールエステルを生成する改善されたプロセスを得る。
【解決手段】カルボニル化触媒として三座配位子を配位したコバルト、ロジウムまたはイリジウムを採用して、一酸化炭素とのアルコールおよび/またはその反応性誘導体をカルボニル化することによって、カルボン酸および/またはカルボン酸のアルコールエステルを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、アルコールおよび/またはその反応性誘導体を液相カルボニル化するプロセスに関する。特に本発明は、三座配位子を配位したコバルト、ロジウムまたはイリジウムを含有する触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
ロジウム触媒カルボニル化プロセスによるカルボン酸の調製は既知であり、例えば欧州特許出願公開第0632006号明細書および米国特許4,670,570号明細書に記載されている。
【0003】
欧州特許出願公開第0632006号明細書は、メタノールまたはその反応性誘導体の液相カルボニル化プロセスを開示し、該プロセスは一酸化炭素を、メタノールまたはその反応性誘導体を含有する液体反応組成物と、ハロゲンプロモータと、ロジウム成分と二座リン硫黄配位子を含有するロジウム触媒系とを接触させることを含み、該配位子は二つの結合炭素原子または一つの結合炭素と一つの結合リン原子とを含有する略非反応性骨格構造によって、硫黄配位または陰イオン中心に結合されたリン配位中心を含有する。
【0004】
イリジウム触媒カルボニル化プロセスによるカルボン酸の調製は、既知であり、例えば欧州特許出願公開第0786447号明細書、欧州特許出願公開第0643034号明細書および欧州特許出願公開第0752406号明細書に記載されている。
【0005】
欧州特許出願公開第0643034号明細書は、メタノールまたはその反応性誘導体のカルボニル化による酢酸の生成プロセスを記載し、該プロセスは、メタノールまたはその反応性誘導体をカルボニル化リアクタ中の液体反応組成物中の一酸化炭素と接触させることを含み、該液体組成物は、(a)酢酸と、(b)イリジウム触媒と、(c)ヨウ化メチルと、(d)少なくとも有限量の水と、(e)酢酸メチルと、(f)プロモータとしてルテニウムとオスミウムのうち少なくとも一つとを含有することを特徴とする。
【0006】
カルボニル化プロセスにおいてリンまたはヒ素の二座キレート配位子を使用することは、例えば英国特許第2,336,154号明細書、米国特許第4,102,920号明細書および米国特許第4,102,921号明細書より既知である。
【0007】
英国特許第2,336,154号明細書は、化学式RX−Z−YRから成り、XおよびYが独立してN、P、As、SbまたはBiであり、Zが二価の結合基である二座配位子の存在下で、カルボン酸を生成する、アルコールおよび/またはその反応性誘導体の液相カルボニル化プロセスを記載する。
【0008】
米国特許第4,102,920号明細書は、多座ホスフィンまたはヒ素キレート配位子を備えたロジウム錯体の存在下で、アルコール、エステル、エーテルおよびハロゲン化合物のカルボニル化プロセスを記載する。米国特許第4,102,921号明細書は、多座ホスフィンまたはヒ素キレート配位子を備えたイリジウム錯体の存在下での、類似のプロセスを記載する。
【0009】
しかしながら、二座ロジウム錯体はカルボン酸を生成するためのカルボニル化反応に対して活性を示しているものの、二座配位子およびこれに関連する錯体は多くの場合不安定であり、反応中、または、生成物分離段階等、カルボニル化生成物の処理中に分解してしまう。
【0010】
さらにカルボン酸を生成するためのカルボニル化反応には通常比較的高純度の一酸化炭素を必要とするが、これには多額の費用を伴う。特に、例えば炭化水素の改質によって生成された炭化水素/一酸化炭素混合物等比較的高レベルの水素を含有する一酸化炭素を利用することが望ましいであろう。しかし、酢酸を生成するためにメタノールのカルボニル化においては、水素の存在の結果、アセトアルデヒド、エタノールおよびプロピオン酸等の望ましくない液体副生成物を形成することが知られている。プロピオン酸を酢酸生成物から分離するためには、高価でエネルギー集約的な蒸留塔を必要とする。さらにアセトアルデヒドは、最終的に高有機のヨウ化化合物を生成するために、一連の縮合およびその他の反応を経ることもある。これら物質のうちのいくつか、特に例えばヨウ化ヘキシルは従来の蒸留では除去が困難であり、十分な純度の酢酸を生成するためにはさらなる処理ステップが必要なこともある。メタノールを酢酸にカルボニル化するイリジウム触媒プロセスを記載する欧州特許出願公開第0849251号明細書は、一酸化炭素供給物中の水素量は好適には1モル%未満であり、リアクタ中の水素分圧は好適には1バール未満と記載している。同じように、メタノールを酢酸にカルボニル化するロジウム触媒プロセスを記載する欧州特許出願公開第0728727号明細書は、リアクタ中の水素分圧は好適には2バール未満であると記載している。
【0011】
また、メタノールをカルボニル化する所定のロジウム触媒を使用すると、一酸化炭素供給物中に水素が存在すると、酢酸の生成量がごくわずかであるエタノールおよびアセトアルデヒドを生成することもこれまでわかっている。
【0012】
米国特許第4,727,200号明細書は、例えば、ロジウム含有触媒系を使用した、合成ガスとの反応によるアルコールの増炭プロセスを記載している。合成ガス供給物と一緒に形成される主要な生成物は、エタノール、酢酸であり相対的にあまり主要でない。
【0013】
Moloyら(Organometallics、1989、8、pp2883〜2893)は、ジホスフィン配位子の存在下で合成ガスを使用して、メタノールのロジウム触媒還元的カルボニル化を行って、高レベルのアセトアルデヒドを生成するプロセスを記載している。触媒にルテニウムを添加することによって、水素化を促進してエタノールを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0632006号明細書
【特許文献2】米国特許4,670,570号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0786447号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0643034号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第0752406号明細書
【特許文献6】英国特許第2,336,154号明細書
【特許文献7】米国特許第4,102,920号明細書
【特許文献8】米国特許第4,102,921号明細書
【特許文献9】欧州特許出願公開第0849251号明細書
【特許文献10】欧州特許出願公開第0728727号明細書
【特許文献11】米国特許第4,727,200号明細書
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Moloyら(Organometallics、1989、8、pp2883〜2893)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
このように、アルコールおよび/またはその反応性誘導体の触媒カルボニル化を用いて、カルボン酸および/またはカルボン酸のアルコールエステルを生成する改善されたプロセスへの必要性が依然として残っている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
改善されたカルボニル化プロセスは、三座配位子を配位したコバルト、ロジウムまたはイリジウムを含有する触媒を使用することによって達成できることがこれまでわかってきた。
【0018】
有利には、本発明による三座配位子を配位したコバルト、ロジウムまたはイリジウムを含有する触媒は、二座配位子を配位した該金属を含有する触媒と比較して、アルコールの一酸化炭素とのカルボニル化におけるより改善したカルボニル化速度を提供することがこれまでわかってきた。さらに、本発明による金属三座配位子錯体は、金属二座配位子錯体よりも、カルボニル化プロセス中においてより高い安定性を有することがある。
【0019】
したがって、本発明はカルボン酸および/またはカルボン酸のアルコールエステルを生成するプロセスを提供し、該プロセスは、カルボニル化リアクタ中の液体反応組成物中の一酸化炭素によってアルコールおよび/またはその反応性誘導体をカルボニル化することを含み、該液体反応組成物は該アルコールおよび/またはその反応性誘導体と、カルボニル化触媒と、ハロゲン化アルキル共触媒と、オプションで有限濃度の水とを含有し、触媒は三座配位またはその混合物が配位されたコバルト、ロジウムまたはイリジウムを含有することを特徴とする。
【0020】
また本発明は、カルボン酸および/またはカルボン酸のアルコールエステルを生成するプロセスにおいて、三座配位子またはその混合物を配位したコバルト、ロジウムまたはイリジウムを含有するカルボニル化触媒の使用も提供し、該プロセスは、カルボニル化リアクタ中の液体反応組成物中の一酸化炭素によってアルコールおよび/またはその反応性誘導体をカルボニル化することを含み、該液体反応組成物は、該触媒と、該アルコールおよび/またはその反応性誘導体と、ハロゲン化アルキル共触媒と、オプションで有限濃度の水とを含有する。
【0021】
三座配位子は三つの配位基を有し、この配位基を介して配位子がコバルト、イリジウムまたはロジウム金属中心に配位されている。この三つの配位基は、L1、L2およびL3と表してもよい。好適にはL1、L2およびL3は、ドナー(配位)原子として、P、As、Sb、O、N、Sおよびカルベンを含有する基から独立して選択される。
【0022】
好適には三座配位子は、化学式L1(R1)L2(R2)L3によって表され、該化学式においてR1とR2は、それぞれL1をL2に、およびL2をL3に結合させる結合基であるが、該結合基は、アリレン基、アルケニル基およびアルキル基から独立して選択される。結合基R1およびR2それ自体は、L2を含有する少なくとも一つの環構造を形成してもよく、該構造は以下の一般構造式Aで表してもよい。
【0023】
【化1】

【0024】
好適には、三座配位子は上述した化学式L1(R1)L2(R2)L3によって表され、L1からL3のうちの二つが金属中心に対して互いにトランス位となるよう、架橋立体構造中の触媒金属中心に配位される。本明細書中全体にわたって使用される「互いにトランス位となる」は、例えばL1−M−L3、ここでMはCo、RhまたはIrの金属中心である、二つの配位子と金属中心によって形成される角度が少なくとも145°、好適には少なくとも150°であることを意味する。この角度は、例えばX線結晶学等、従来の技術を用いて測定してもよい。
【0025】
好適には、三座配位子は、L1基、L2基およびL3基中のドナー原子が金属中心に対してメリジオナル(mer−)位の配位様式となるよう配位される。好適には三座配位子は、L1基、L2基およびL3基のドナー原子が、金属中心に対し略平面構成となるよう配位される。
【0026】
好適には、L1からL3のうち少なくとも二つは、P、AsおよびSb含有基から独立して選択される。ここでえ、三座配位子は、L1とL3とが互いにトランス位となり、好適には少なくともL1とL3がP、AsまたはSb含有基である架橋立体構造中の金属中心に対して配位される。
【0027】
より好適には、L1およびL3はリン含有基であり、L2は酸素(O)であり、三座配位子は化学式P1−R1−O−R2−P2を有し、該化学式においてP1およびP2は一般化学式R3R4PおよびR5R6Pから成るリン含有基であり、R3、R4、R5およびR6は、アルケニル基、アルキル基、アリール基、特にフェニル基、および該アルケニル基、アルキル基、アリール基の非置換誘導体から、それぞれ独立して選択される。好適には、三座配位子中のR3、R4、R5およびR6はそれぞれフェニル基から選択される。フェニル基はそれぞれ置換または非置換であってもよい。P1およびP2はそれぞれジフェニルホスフィン基(PPh)であってもよい。あるいは、P1基およびP2基中のR3、R4、R5およびR6フェニル基のうち一つまたは複数が置換されている。適切にはフェニル基は、一つまたは複数のオルト位において、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ(alkyloxy)(OR)基から選択される少なくとも一つの基によって置換してもよい。特に好適なオルト置換基はMe、CF、Et、iso−PrおよびOMeである。
【0028】
液体反応組成物中の三座配位子、ひいては触媒の溶解性を高めるため、三座配位子上にあるR1、R2、R3、R4、R5およびR6基のうち一つまたは複数は、一つまたは複数の親水基および/または極性基によって置換してもよい。このような基の例として、−COH、−COMe、−OH、−SOH、−SONa、−NH、−NHおよび−NRが含まれる。
【0029】
本発明における用途に適切なホスフィン含有三座配位子の具体的な例としては、キサントフォス、チキサントフォス、シキサントフォス、ホモキサントフォス、ホスキサントフォス、イソプロプキサントフォス、ニキサントフォス、ベンゾキサントフォス、DPEフォス、DBFフォスおよびR−ニキサントフォスが含まれ、これらの構造1〜11を下記に示す。R−ニキサントフォスのR基は好適には、アルキル基およびアリール基から選択され、より好適にはメチル、エチル、プロピルおよびベンジルから選択される。
【0030】
【化2】

【0031】
適切には、上記の構造1から11は、例えば一つまたは複数のアルキル基等、一つまたは複数の置換基によって置換してもよい。t−Bu−キサントフォスの構造は、下記の構造12に示すとおりである。
【0032】
【化3】

【0033】
上記構造1から12によって表されるリン含有三座配位子において、ジフェニルホスフィン基はすでに定義したようにP1基およびP2基によって置換してもよい。特に、好適なP1基およびP2基はR3R4PおよびR5R6Pであり、ここではR3、R4、R5およびR6はそれぞれフェニル基類および置換フェニル基類からそれぞれ独立して選択され、R3、R4、R5およびR6基のうち一つまたは複数が、好適には一つまたは複数のオルト位において、アルキル基、アリール基またはアルキルオキシ(OR)基によって置換されている。特に好適なオルト置換基はMe、CF、Et、iso−PrおよびOMeである。
【0034】
液体反応組成物中の構造1から12によって表される三座配位子、ひいては触媒の溶解性を向上させるため、該三座配位子上は、一つまたは複数の親水基および/または極性基、特に三座配位子上の一つまたは複数のホスフィン基上で置換してもよい。適切な置換基の例として、−COH、−COMe、−OH、−SOH、−SONa、−NH、−NHおよび−NRが含まれる。
【0035】
適切には、上記構造1から12のうち任意、または上述のこれらの置換変異体を含有するホスフィン含有三座配位子は、L2における酸素原子を硫黄原子(S)または窒素原子(N)で置換してもよい。
【0036】
好適なヒ素含有およびスチビン含有三座配位子は、上記構造1から12または上述のこれらの異性体を含み、リン原子はヒ素原子またはアンチモン原子によって置換されている。好適な混合三座配位子は、上記構造1から12または上述のこれらの異性体を含み、L1およびL3として、リン、ヒ素およびアンチモン含有基から選択される二つの基の組み合わせを含有する。
【0037】
例えば、As,As−t−Bu−キサントフォスおよびP,As−t−Bu−キサントフォスの構造は以下に示される。
【0038】
【化4】

【0039】
【化5】

【0040】
三座配位子は、当業において既知の方法にしたがって合成されてもよく、商業利用可能なものであってもよい。より具体的には、構造1から14によって表される配位子および上述のこれらの異性体は、上記の方法にしたがって合成してもよく、あるいはvan der Veenら、Chem.Commun.、2000、333に記載されるこれらの類似体であってもよく、該文献の内容は参照により本明細書中に包含される。
【0041】
本発明のプロセスにおける触媒は、コバルト、ロジウムまたはイリジウム触媒であり、好適にはロジウムまたはイリジウム触媒であり、最も好適にはロジウム触媒である。
【0042】
本発明の触媒は、イリジウム、ロジウムまたはコバルト含有化合物に三座配位子を配位することによって調製してもよい。該触媒は、イリジウム、ロジウムまたはコバルト含有化合物と三座配位子とを液体反応組成物に個別に添加することによって、液体反応組成物中においてin−situで形成してもよい。該イリジウム、ロジウムまたはコバルト含有化合物は、液体反応組成物に溶解するか溶解可能な形態に変換可能であれば任意の適切な形態で添加してもよい。しかし好適には触媒は、三座配位子がイリジウム、ロジウムまたはコバルト含有化合物に配位された形成前金属三座配位子錯体の形態で、液体反応組成物に添加される。形成前金属三座配位子錯体は、液体反応組成物への添加に先立って、例えばメタノール等適切な溶媒中の三座配位子と置換可能な基を有する、適切なイリジウム、ロジウムまたはコバルト含有化合物と例えば混合することによって調製してもよい。
【0043】
形成済のイリジウム−三座配位子錯体の例には、[{L1(R1)L2(R2)L3}Ir(COMe)I]、[{L1(R1)L2(R2)L3}Ir(CO)I]、[{L1(R1)L2(R2)L3}Ir(CO)]および[{L1(R1)L2(R2)L3}IrI(CO)Me]があげられ、この場合L1(R1)L2(R2)L3は上記に記載された三座配位子を表す。
【0044】
形成済ロジウム三座配位子錯体の例には、[{L1(R1)L2(R2)L3}Rh(COMe)I]、[{L1(R1)L2(R2)L3}Rh(CO)I]、[{L1(R1)L2(R2)L3}Rh(CO)]および[{L1(R1)L2(R2)L3}RhI(CO)Me]があげられ、この場合L1(R1)L2(R2)L3は、例えば[{キサントフォス}Rh(COMe)I]等、上記に記載された三座配位子を表す。
【0045】
好適には、イリジウム、ロジウムまたはコバルト含有化合物は、酢酸塩等、塩素を含有しない化合物であり、一つまたは複数の液体反応組成物成分中に溶解し、このため反応中の反応に溶液として添加してもよい。
【0046】
適切なイリジウム含有化合物の例としては、IrCl、IrI、IrBr、[Ir(CO)I]、[Ir(CO)Cl]、[Ir(CO)Br]、[Ir(CO)、[Ir(CO)Br、[Ir(CO)、[Ir(CH)I(CO)、Ir(CO)12、IrCl・4HO、IrBr・4HO、Ir(CO)12、イリジウム金属、Ir、IrO、Ir(acac)(CO)、Ir(acac)、酢酸イリジウム、[IrO(OAc)(HO)][OAc]、およびヘキサクロロイリジウム酸H[IrCl]、好適には酢酸類、シュウ酸塩類、アセトアセテート類等の塩素を含有しないイリジウム錯体などが含まれる。
【0047】
適切なロジウム含有化合物の例としては、[Rh(CO)Cl]、[Rh(CO)I]、[Rh(Cod)Cl]、塩化ロジウム(III)、塩化ロジウム(III)三水和物、臭化ロジウム(III)、ヨウ化ロジウム(III)、酢酸ロジウム(III)、ロジウムジカルボニルアセチルアセトン錯体、RhCl(PPhおよびRhCl(CO)(PPhなどが含まれる。
【0048】
適切なコバルト含有化合物の例としては、CoI、CoCl六水和物、Co(acac)、Co(CO)、Co(CO)12、Co(acetate)・四水和物および[Co(CO)]などが含まれる。
【0049】
好適には、液体反応組成物中のイリジウム濃度は、イリジウム重量比で100〜6000ppmの範囲内にあり、より好適には400〜5000ppmの範囲内、例えば重量比500〜3000ppmの範囲内にある。
【0050】
好適には、液体反応組成物中のロジウム濃度は、ロジウム重量比で25〜5000ppmの範囲内にあり、より好適には250〜3500ppmの範囲内にある。
【0051】
好適には、液体反応組成物中のコバルト濃度は、コバルト重量比で25〜5000ppmの範囲内にあり、より好適には250〜3500ppmの範囲内にある。
【0052】
リアクタ中におけるコバルト、ロジウムまたはイリジウムの三座配位子に対するモル比は、特に形成済の金属三座配位子錯体が使用される場合、最適には約1:1である。あるいは、特に、例えば金属三座配位子錯体がin−situで形成される場合、余剰の配位子が液体反応組成物中に存在する可能性がある。このように、三座配位子に対するコバルト、ロジウムまたはイリジウム金属のモル比は、1:1未満であってもよく、適切には1:1から1:2の範囲にある。
【0053】
また金属反応組成物はプロモータ金属を含有してもよい。適切なプロモータ(促進剤)は、ルテニウム、オスミウム、レニウム、カドミウム、水銀、亜鉛、ガリウム、インジウムおよびタングステンから選択される。好適なプロモータは、オスミウムおよびルテニウムから選択され、最も好適にはルテニウムである。プロモータは、液体反応組成物中に溶解する任意の適切なプロモータ金属含有化合物を含有していてもよい。プロモータは、液体反応組成物中に溶解するかまたは溶解形態に変換可能な任意の適切な形態において、カルボニル化反応を行うために液体反応組成物に添加されてもよい。
【0054】
プロモータの生成源として使用してもよい適切なルテニウム含有化合物の例としては、塩化ルテニウム(III)、塩化ルテニウム(III)三水和物、塩化ルテニウム(IV)、臭化ルテニウム(III)、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、ギ酸ルテニウム(III)、[Ru(CO)]−H、[Ru(CO)、[Ru(CO)]、[Ru(CO)、テトラ(アセト)クロロルテニウム(II、III)、酢酸ルテニウム(III)、プロピオン酸ルテニウム(III)、ブチルルテニウム(III)、ペンタカルボニルルテニウム、ドデカカルボニルトリルテニウム、および例えば、ジクロロトリカルボニルルテニウム(II)二量体、ジブロモトリカルボニルルテニウム(III)二量体等の混合ルテニウムハロカルボニル類、および例えばテトラクロロビス(4−シメン)ジルテニウム(II)、テトラクロロビス(ベンゼン)ジルテニウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5ジエン)ルテニウム(II)重合体、トリス(アセチルアセトネート)ルテニウム(III)等その他有機錯体が含まれる。
【0055】
プロモータの生成源として使用してもよい適切なオスミウム含有化合物の例としては、塩化オスミウム(III)水和物および無水物、オスミウム金属、四酸化オスミウム、ドデカカルボニルトリオスミウム、[Os(CO)]、[Os(CO)、[Os(CO)]-H、ペンタクロロ−μ−ニトロジオスミウム、および例えばトリカルボニルジクロロオスミウム(II)二量体等の混合オスミウムハロカルボニル類、およびその他オルガノオスミウム錯体が含まれる。
【0056】
プロモータの生成源として使用してもよい適切なルテニウム含有化合物の例としては、Re(CO)10、Re(CO)Cl、Re(CO)Br、Re(CO)I、ReCl.xHO、[Re(CO)I]、Re(CO)およびReCl.yHOが含まれる。
【0057】
使用してもよい適切なカドミウム含有化合物の例としては、Cd(OAc)、CdI、CdBr、CdCl、Cd(OH)およびカドミウムアセチルアセトネートが含まれる。
【0058】
使用してもよい適切な水銀含有化合物の例としては、Hg(OAc)、HgI、HgBr、HgCl、HgおよびHgClが含まれる。
【0059】
使用してもよい適切な亜鉛含有化合物の例としては、Zn(OAc)、Zn(OH)、ZnI、ZnBr、ZnClおよび亜鉛アセチルアセトネートが含まれる。
【0060】
使用してもよい適切なガリウム含有化合物の例としては、ガリウムアセチルアセトネート、酢酸ガリウム、GaCl、GaBr、GaI、GaClおよびGa(OH)が含まれる。
【0061】
使用してもよい適切なインジウム含有化合物の例としては、インジウムアセチルアセトネート、酢酸インジウム、InCl、InBr、InIおよびIn(OH)が含まれる。
【0062】
使用してもよい適切なタングステン含有化合物の例としては、W(CO)、WCl、WCl、WBr、WI、C12W(CO)、および任意のタングステンのクロロカルボニル、ブロモカルボニル、ヨードカルボニル化合物が含まれる。
【0063】
好適には、プロモータは、液体組成物中および/またはカルボン酸回収段階からカルボニル化リアクタへと回収される任意の液体プロセスにおいて、溶解性の範囲となる有効量存在する。プロモータは、プロモータのイリジウム、ロジウムまたはコバルトに対するモル比0.1:1〜20:1で、好適には0.5:1〜10:1で、さらに好適には2:1〜10:1で、液体反応組成物中に存在する。適切なプロモータ濃度は8000ppm未満、例えば400〜7000ppmである。
【0064】
液体反応組成物は、アルカリ金属ヨウ化物、アリカリ土類金属ヨウ化物、I−生成能を有する金属錯体類、I−生成能を有する塩類およびこれらのうち二つまたはそれ以上からなる混合物から選択される、有効量の安定剤および/またはプロモータ化合物もまた含有してもよい。適切なアルカリ金属ヨウ化物の例としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウム、好適にはヨウ化リチウムが含まれる。適切なアルカリ土類金属ヨウ化物の例としては、ヨウ化カルシウムが含まれる。I−生成能を有する金属錯体の例としては、例えばサマリウムおよびガドリニウム、セリウム等、ランタノイド金属、およびモリブデン、ニッケル、鉄、アルミニウム、クロミウム等、他の金属の錯体が含まれる。I−生成能を有する塩類の例としては、例えば、in−situでのI−、典型的にはLiOAcへの変換能を有するアセテート類、および例えば、四級アンモニウムヨウ化物およびヨウ化ホスホニウム等の有機塩類等が含まれ、上記のように添加してもよい。
【0065】
適切には、使用される化合物の量は、触媒系の溶解性の向上に有効な量であり、好適には、カルボニル化反応速度を大幅に低下させない量である。
【0066】
反応速度に対して影響を及ぼす可能性がある例えばクロム、鉄、モリブデン等の腐食金属は、適切な耐腐食性構造である物質を使用することによって最小化することができる。腐食性金属および他のイオン性不純物は、液体反応組成物または好適には触媒回収液を処理する適切なイオン交換樹脂床の使用によって低減することができる。このようなプロセスは、米国特許第4,007,130号明細書に記載されている。
【0067】
ハロゲン化アルキル共触媒は、適切にはより低級の、例えばCからCハロゲン化アルキルであってもよい。好適にはハロゲン化アルキルは、例えばヨウ化メチル等、ヨウ化アルキルである。液体反応組成物中のハロゲン化アルキル共触媒の濃度は、適切には1〜30重量%、例えば1〜20重量%の範囲にある。
【0068】
本発明のプロセスでは、アルコールおよび/またはその反応性誘導体から選択される反応剤は、一酸化炭素によってカルボニル化され、カルボン酸および/またはカルボン酸のアルコールエステルを生成する。
【0069】
適切なアルコール反応剤は、1〜20個の炭素原子と一つの任意のヒドロキシ基を有する任意のアルコールである。好適には、アルコールは単官能脂肪族アルコールであり、好適には1〜8個の炭素原子を有する。最も好適にはアルコールはメタノール、エタノールおよび/またはプロパノールである。二つ以上のアルコールを含有する混合物を使用してもよい。アルコールのカルボニル化生成物は、アルコールおよび/またはアルコールおよびカルボン酸生成物のエステルよりも炭素原子が1個多いカルボン酸となるであろう。特に好適なアルコールはメタノールであり、このカルボニル化生成物は酢酸および/または酢酸メチルである。
【0070】
アルコールのこのような適切な反応性誘導体には、エステル類、ハロゲン化物類およびエーテル類が含まれる。
【0071】
適切なエステル反応剤は、アルコールおよびカルボン酸のエステルである。好適には、エステル反応剤はカルボン酸およびアルコールのエステルであり、該アルコールは1〜20個の炭素原子を有する。より好適には、エステル反応剤はカルボン酸および単官能脂肪族アルコールのエステルであり、該アルコールは1〜8個の原子を有する。最も好適には、エステル反応剤はカルボン酸、メタノール、エタノールまたはプロパノールのエステルである。好適にはエステル反応剤は、アルコールおよびカルボン酸生成物のエステルである。好適にはエステル反応剤は20個までの炭素原子を有する。エステル反応剤の混合物を使用してもよい。エステル反応剤のカルボン酸カルボニル化生成物は、エステル反応剤のアルコール成分よりも炭素原子が1個多いカルボン酸であろう。特に好適なエステル反応剤は、酢酸メチルであり、そのカルボニル化生成物は酢酸である。
【0072】
適切なハロゲン化反応剤は、炭素原子を20個まで有する任意のヒドロカルビルハロゲン化物である。好適には該ハロゲン化反応剤は、ヨウ化物または臭化物である。より好適には、ヒドロカルビルハロゲン化物反応剤のハロゲン化物成分は、ハロゲン化アルキル共触媒の反応剤と同じハロゲン化物である。最も好適には、ヒドロカルビルハロゲン化物はヨウ化ヒドロカルビルであり、最も好適にはヨウ化メチル、ヨウ化エチルまたはヨウ化プロピルである。ヒドロカルビルハロゲン化物の混合物を使用してもよい。ヒドロカルビルハロゲン化物反応物のエステルカルボニル化生成物は、ヒドロカルビルハロゲン化物およびヒドロカルビルハロゲン化物よりも炭素原子が1個多いカルボン酸のエステルであろう。
【0073】
適切なエーテル反応剤は、炭素元素を20個まで有する任意のヒドロカルビルエーテルである。好適にはエーテル反応剤はジアルキルエーテルであり、最も好適にはジメチルエーテル、ジエチルエーテルまたはジプロピルエーテルである。エーテル類の混合物を使用してもよい。エーテル反応剤のカルボニル化生成物は、エーテルおよび/またはそのエステル誘導体のヒドロカルビル基のそれぞれよりも炭素原子が1個多いカルボン酸であろう。特に好適なエーテル反応物は、ジメチルエーテルでそのカルボン酸生成物は酢酸である。
【0074】
アルコール、エステル、ハロゲン化物およびエーテル反応剤の混合物を、カルボニル化プロセスに使用してもよい。二つ以上のアルコール、エステル、ハロゲン化物および/またはエーテルを使用してもよい。特に好適な反応剤は、メタノールおよび/または酢酸メチルであり、これらのカルボニル化生成物は酢酸である。
【0075】
液体反応組成物は無水であってもよいが、好適には有限濃度の水を含有する。本明細書に使用される無水とは、液体反応組成物に実質上水が存在せず、液体反応組成物が0.1重量%未満の水を含有することを意味する。本明細書中に使用される有限濃度の水とは、液体反応組成物が少なくとも0.1重量%の水を含有することを意味する。好適には、水は液体反応組成物の全重量に基づく重量比で、0.1〜30%の範囲内の濃度で、例えば1〜15%の範囲内で、より好適には1〜10%の範囲内で存在してもよい。水は所望であれば液体反応組成物に添加してもよく、あるいはin−situでのカルボニル化反応において形成されてもよい。例えば、メタノールのカルボニル化において、水はメタノール反応剤と酢酸生成物とのエステル化反応によって形成してもよい。
【0076】
水は、例えば酢酸メチル等、エステル類といった他の反応剤といっしょにまたは分離して、カルボニル化リアクタに導入してもよい。液体反応組成物中における所要濃度を維持するために、水を、液体反応組成物から分離し、リアクタから離脱させ、その管理量を回収してもよい。
【0077】
カルボン酸生成物、例えば酢酸が、本発明の液体反応組成物における溶媒として存在してもよい。
【0078】
本発明に使用される一酸化炭素は(水素供給物に別々に供給される場合)、概ね純粋であってもよく、あるいは二酸化炭素、メタン、窒素、希ガス、水およびCからCパラフィン系炭化水素等、不活性な不純物を含有してもよい。一酸化炭素は、一酸化炭素、二酸化炭素および水素の混合物を生成する炭化水素類の改質等、商業的な供給源から入手してもよい。したがって、一酸化炭素は、一酸化炭素、水素および/または二酸化炭素の混合物として、リアクタ領域に供給してもよい。
【0079】
カルボニル化反応における一酸化炭素の分圧は、適切には1〜70bargの範囲内にあってもよい。
【0080】
カルボニル化反応は、全圧10〜100bargの範囲内で実行してもよい。温度は適切には50〜250℃の範囲内、典型的には120〜200℃の範囲内にあってもよい。
【0081】
プロセスはバッチ処理でまたは継続的に、好適には継続的に作動してもよい。
【0082】
カルボン酸生成物は、蒸気および/または液体をカルボニル化リアクタから分離し、分離した物質からカルボン酸を回収することによって、液体反応物から回収してもよい。好適には、カルボニル化リアクタから継続的に液体反応組成物を分離し、一つまたは複数の蒸留段階の一瞬および/または一部によって分離した液体反応組成物からカルボン酸を回収することによって、カルボン酸は液体反応組成物から回収される。該蒸留段階では、この酸は、コバルト、ロジウムまたはイリジウム触媒、ハロゲン化アルキル共触媒、オプションでのプロモータ、カルボン酸エステル、未反応アルコール、オプションでの水およびカルボン酸溶媒等、液体反応組成物の他の成分から分離され、これら成分はリアクタに回収されてもよい。
【0083】
本発明による三座配位子を配位したコバルト、ロジウムまたはイリジウムを含有する触媒を使用することによって、水素の存在下において、カルボン酸生成物に対する感度が上昇すること、およびアルコール類およびアルデヒド類等の液体水素副生成物に対する感度が低下することがこれまでわかっている。カルボン酸を生成する従来のプロセスでは、水素をリアクタ内の低い分圧に維持するために、通常はパージを行っている。(in−situで形成される一酸化炭素供給物および水素中の不純物のレベルが原因となって、水素が蓄積する。)低濃度の水素だけが容認できるため、多くの場合パージは低濃度の水素および、廃棄される高濃度の一酸化炭素を含有している。本発明のプロセスが、リアクタ内の水素が高濃度である場合に作動可能なことがわかってきたため、パージ液は高濃度の水素を含有し、したがって、リアクタからパージする必要がある一酸化炭素は大幅に少なく、このため全CO生成量が増加するであろう。
【0084】
本発明のプロセスのさらなる利点は、水素の存在下においては所望の液体生成物に対して高い感度を達成することができることであり、これによってカルボニル化プロセスでは、水素含有量の高い一酸化炭素の液体供給物を使用することができる。これによって大幅な費用の節約が可能である。特に、1モル%のHよりも大きい一酸化炭素供給物を利用することによって、例えば膜分離技術等、極低温の合成ガス分離方法をより低価格で採用することができる。
【0085】
したがってさらに別の実施態様では、本発明はカルボン酸および/またはカルボン酸のアルコールエステルの生成プロセスを提供し、該プロセスは、カルボニル化リアクタ中の液体反応組成物中の一酸化炭素によってアルコールおよび/またはその反応性誘導体をカルボニル化することを含み、該液体反応組成物は、該アルコールおよび/またはその反応性誘導体と、該カルボニル化触媒と、ハロゲン化アルキル共触媒と、オプションで有限濃度の水とを含有し、該プロセスにおいてカルボニル化リアクタ中において少なくとも1:100の水素:一酸化炭素比で水素が維持され、および/または一酸化炭素が少なくとも1モル%の水素を含有する供給液としてカルボニル化リアクタに供給される。
【0086】
水素は一酸化炭素供給物とは別個にリアクタへと供給してもよいが、好適には一酸化炭素との混合物として供給される。供給物が一酸化炭素と水素の混合物を含有する場合、供給物は、少なくとも1モル%の水素、例えば少なくとも2モル%の水素、より好適には少なくとも5モル%の水素を含有する。供給物における水素の対COモル比は最も好適には1:100〜10:1、例えば1:20〜5:1である。リアクタには、(例えば、酸素分圧リアクタ、蒸気改質器および/または自己熱改質器等の)合成ガス装置中における炭化水素の改質等、商業的な供給源から得た一酸化炭素供給源を供給して、CO、水素およびCOの混合物(合成ガス)を生成してもよい。合成ガスは典型的には水素を、COに対するモル比5:1〜1.5:1の範囲で含有している。
【0087】
水素がCOと一緒にリアクタに供給される場合、リアクタ内のCO消費によって、一般に、リアクタ内の水素の対COモル比は、リアクタへの供給物中の水素の対COモル比よりも一般に高くなる。リアクタに供給される水素に加えて、水素は水素ガスシフト反応によってin−situで生産することができる。このように、水素が、リアクタへの供給物中に存在し、例えばバッチプロセス等、高いCO変換率で作動するカルボニル化プロセスを行うために存在する場合、リアクタ内のCO濃度は非常に低くなり、リアクタ内水素の対COモル比も、例えば100:1以上等、これに応じて高くなる。しかし好適には、リアクタ内の水素の対COモル比は100:1未満に維持されている。リアクタ内において、水素の対COモル比は、少なくとも1:100、例えば少なくとも1:10であってもよく、より好適には少なくとも1:1である。リアクタ中の水素分圧は、好適には1バールよりも大きく、最も好適には2バールよりも大きい。
【発明を実施するための形態】
【0088】
次に、以下の実施例をほんの一例として、および以下の実施例を参照して、本発明を説明する。
【0089】
実施例
比較実施例A、Bおよび実施例1のカルボニル化反応は、水素の非存在下で実施したが、比較実施例C、D、Eおよび実施例2、4は水素の存在下で実施した。
【0090】
一般反応法A
酢酸メチル、ヨウ化メチル、dppe(dppe=ビス−1,2−ジフェニルホスフィノエタン)、および[{Rh(CO)Cl}]をAldrichから入手した。キサントフォスをStrem Chemicalsから入手した。実験は、ガス分散推進装置と、液体触媒注入装置と冷却コイルとを備えた磁気駆動攪拌器を有する300mlのジルコニウムオートクレーブを用いて実施した。オートクレーブへのガス供給はバラスト容器から供給され、供給ガスが、オートクレーブを反応中に一定圧に維持するために供給されている。ガス取り込み速度を使用して、ある特定のリアクタ組成物(冷却脱気体積に基づくリアクタ組成物)における、1時間あたりのリアクタ組成物1リットルあたりの消費反応剤のモル数{モル1−1時間−1}として、カルボニル化速度を計算した。消費される一酸化炭素1モルあたり1モルの酢酸メチルが消費されると仮定して、初期組成物に始まる反応の過程における酢酸メチルの濃度を計算した。オートクレーブのヘッドスペース中の有機成分に対して許容差は与えなかった。
【0091】
比較実施例A
この実験は、三座配位子の非存在下におけるロジウム触媒によるメタノールのカルボニル化を示す。
【0092】
0.151gの[{Rh(CO)Cl}]を酢酸投入液の一部に溶解させ、液体注入装置に投入した。リアクタは次に、窒素で圧力検査を行い、ガス採取装置を介して放出され、一酸化炭素で数回洗い流した。反応組成物のうち所望量残存液体成分(酢酸メチル、残存する酢酸投入液、水およびヨウ化メチル)を、液体添加ポートを介してオートクレーブに投入した。次にオートクレーブを5bargの一酸化炭素で加圧し、ゆっくりと通気した。次にオートクレーブを、一酸化炭素(約5barg)で加圧し、攪拌(1500r.p.m.)によって反応温度190℃となるまで加熱した。バラスト容器から一酸化炭素を供給することによって、全圧を所望の作動圧力よりも約3barg低いところまで上昇させた。ひとたび温度が安定すると(約15分)、一酸化炭素の過剰圧を使用して触媒を注入した。触媒注入装置は90%を上回る効率を有する。実験の間ずっとバラスト容器から気体を供給することによってリアクタ圧を一定値(±0.5barg)に維持した。Eurotherm(商標)制御システムに接続された加熱用マントルによって、反応温度を所望の反応温度から±1℃以内に維持した。さらに、冷却コイルによって反応の余剰熱を除去した。実験はガスの取り込みが終了するまで継続した。次にバラスト容器を分離し、冷却コイルを使用してリアクタを急速に冷却した。投入物の組成を表1に示す。得られたカルボニル化速度のデータを表2に示す。得られた酢酸は、非常に少量のプロピオン酸およびその前駆体を含有した。
【0093】
比較実施例B
この実験は、ロジウムdppe系触媒によるメタノールのカルボニル化を示す。Dppeはリン二座配位子の例である。
【0094】
この実験では、形成済のジホスフィン系ロジウム触媒を使用した。0.71gの[(dppe)RhI(CO)]をオートクレーブに入れ、酢酸投入物(約10g)に浸漬した。液体注入装置中にMeI共触媒を少量の酢酸(3g)とともに配置した。次に実験を上記の比較実施例Aにしたがって実施した。使用される投入物の組成を表1に示す。得られたカルボニル化速度のデータを表2に示す。
【0095】
実施例1
この実施例はロジウムキサントフォス系触媒によるメタノールのカルボニル化を示す。
【0096】
この実施例では、ホスフィン−ロジウム錯体をin−situで生成した。0.151gの[{Rh(CO)Cl}]と、0.45gのキサントフォスをオートクレーブ内に入れ、圧力検査に先立ち、酢酸注入物の一部(約10g)に浸漬した。MeI共触媒を少量の酢酸(約3g)とともに液体注入装置に入れた。次に実験を比較実施例Aのように実施した。使用した投入物の組成を表1に示す。得られたカルボニル化速度を表2に示す。
【0097】
【表1】

【0098】
【表2】

【0099】
表2の検査より比較実施例Bと比較すると、キサントフォス(三座配位子)によって修飾されたロジウム触媒の実施例を使用することによって、比較実施例Bで使用された二座配位子よりも、速度が大幅に増加したことが、明らかにわかる。実施例1と比較実施例Aとを比較すると、三座配位子を使用することによって、修飾されていないロジウム触媒を使用して得られた速度よりも速度が増加することを示す。
【0100】
一般反応法B
メタノール、ヨウ化メチル、RuCl−水和物およびdppp(dppp=ビス−1,3−ジフェニルホスフィンプロパン)をAldrichから入手した。(acac)Rh(CO)およびキサントフォスはStrem Chemicalsから入手した。RuClはJohnson Mattheyから入手した。実験は、ガス分散推進装置、液体触媒注入装置、冷却コイルを備えた磁気駆動攪拌器を有する300mlのジルコニウムオートクレーブを用いて実施した。オートクレーブへのガス供給はバラスト容器から供給され、供給されるガスは、オートクレーブを反応中は一定圧に維持するために供給されている。
【0101】
比較実施例C
この実験は、dpppおよびルテニウムプロモータの存在下におけるロジウム触媒による、水素の存在下におけるメタノールと一酸化炭素との2時間の実行時間中の反応を示す。dpppは、ホスフィン二座配位子である。H:COモル比2:1の水素と一酸化炭素との混合物が使用された。2.031グラムの(dppp)Rh(COMe)Iおよび2.115グラムのRuClをメタノール投入液の一部に懸濁させ、オートクレーブに投入した。リアクタは次に、窒素で圧力検査を行い、ガス採取装置を介して放出され、合成ガスで3回洗い流した。反応組成物の残存する液体成分(残存するメタノールおよびヨウ化メチル)を、液体添加ポートを介してオートクレーブに投入した。次にオートクレーブを5bargの合成ガスで加圧し、ゆっくりと通気した。次にオートクレーブを、合成ガス(約20barg)で加圧し、攪拌(1220r.p.m.)によって反応温度140℃まで加熱した。ひとたび温度が安定すると(約15分)、バラスト容器から合成ガスを供給することによって、全圧を所望の作動圧力まで上昇させた。実験全体にわたってバラスト容器から気体を供給することによってリアクタ圧を一定値(±0.5barg)に維持した。バラスト容器から取り込んだ気体を、実験の過程全体にわたってデータログ装置を使用して測定した。Eurotherm(商標)制御システムに接続された加熱用マントルによって、反応温度を所望の反応温度から±1℃以内に維持した。適切な時間T(表1bを参照)の後、バラスト容器を分離し、冷却コイルを使用してリアクタを急速に冷却した。投入組成物データを表3aに示し、反応条件を表3bに示す。得られた生成物分布を表4に示し、生成物の感度データを表5に示す。
【0102】
比較実施例D
この実験は、dpppおよびルテニウムプロモータの存在下におけるロジウム触媒による、水素の存在下におけるメタノールと一酸化炭素との30分の実行時間中の反応を示す。H:CO比2:1の水素と炭素の混合物を使用した。この実験では、ホスフィン−ロジウム錯体をin−situで生成した。メタノール投入物(約60g)の一部に、1.114グラムのdpppと、0.658グラムの(acac)Rh(CO)とを配置し、触媒前駆体懸濁液を生成した。オートクレーブ内に2.590グラムのRuCl.3HOを約5グラムのメタノールとともに配置し、オートクレーブを圧力検査した。MeI共触媒をオートクレーブに添加し、引き続き触媒前駆体懸濁液を添加した。残存するメタノールを添加し、オートクレーブを合成ガス(約20barg)で加圧した。次に比較実施例Cに対する実験を実施した。投入組成物のデータおよび反応条件を表3aおよび3bにそれぞれ示す。得られた生成物分布データおよび生成物感度データを表4および5にそれぞれ示す。
【0103】
比較実施例E
この実験は、dpppの存在下であるが、ルテニウムプロモータの非存在下でのロジウム触媒による、水素の存在下におけるメタノールと一酸化炭素との2時間の実行時間中の反応を示す。H:CO比2:1の水素と炭素の混合物を使用した。反応は、表3aおよび3bに詳細に示す投入組成物および反応条件を使用して、比較実施例Dの方法について実施した。生成物分布データおよび生成物感度データを表4および5にそれぞれ示す。
【0104】
実施例2
この実施例は、ルテニウムプロモータの存在下でロジウムキサントフォス系触媒と水素の存在下でのメタノールと一酸化炭素との反応を示す。H:CO比2:1の水素と炭素の混合物を使用した。この実験では、ホスフィンロジウム錯体をin−situで生成した。メタノール投入液(約60g)の一部に、1.571グラムのキサントフォスを0.646グラムの(acac)Rh(CO)と2.084グラムのRuClとを一緒に配置し、触媒前駆体懸濁液を生成した。MeI共触媒を少量のメタノール(5グラム)と一緒に触媒注入システムに添加した。触媒前駆体懸濁液、続いて残存するメタノールをオートクレーブに添加し、オートクレーブを合成ガス(約20barg)で加圧した。次に、下記の表3aおよび3b中にそれぞれ示す投入物組成および反応条件を用いて、比較実施例C用の実験を実施した。得られた生成物分布データを表4に示し、生成物感度データを表5に示す。
【0105】
実施例3
この実施例は水素の存在下であるがルテニウムプロモータの非存在下で、ロジウムキサントフォス系触媒によるメタノールと一酸化炭素との反応を示す。H:CO比2:1の水素と炭素の混合物を使用した。反応は、下記の表3aおよび3b中にそれぞれ示す投入物組成および反応条件を用いて、比較実施例Eの方法にしたがって実行した。得られた生成物分布データを表4に示し、生成物感度データを表5に示す。
【0106】
【表3a】

【0107】
【表3b】

【0108】
【表4】

【0109】
【表5】

【0110】
(a)メタノール変換率は、液体生成物中に回収されたメタノール(変換率%=100×(MeOHinitモル−MeOHrecovモル)/MeOHinitモル)から求めた。典型的な質量平衡は80〜90%の範囲にあり、主要損失はオートクレーブを排気する際の揮発性DMEの損失である。計算目的において、化合物MeOEt、MeOAcおよびジメトキシエタン中のDME基およびOMe基は未反応エタノールと考える。
(b)エタノールおよび誘導体に対する感度は、回収された全液体生成物のうちEtO、MeOEtおよびEtOAc中のEtOHおよびエチル基に対する感度の合計を基本とした。
(c)酢酸および誘導体に対する感度は、回収された全液体生成物中のうちAcOH、MeOAcおよびEtOAc中の酢酸および酢酸基に対する感度の合計を基本とした。
(d)アセトアルデヒドおよび誘導体に対する感度は、回収された全液体生成物中のうちジメトキシエタン中のアセトアルデヒドおよびエチリデン基に対する感度の合計を基本とした。
(e)メタンに対する感度は、反応終了時のオートクレーブのヘッドスペースで解析されるメタンの量を基本とした。
【0111】
表5から明らかにわかるように、三座配位子キサントフォスで修飾したロジウム触媒を使用することによって、比較実施例CおよびDで得られた結果と比べて、カルボニル化生成物、酢酸およびメチル酢酸に対する感度は、大幅に減少する。さらに、比較実施例CおよびDにおいて得られた感度と比較して、実施例2の水素生成物、エタノールおよびその誘導体に対する感度も大幅に減少している。
【0112】
同じように、ルテニウムプロモータの非存在下において、実施例3で得られたカルボニル化生成物に対する感度は比較実施例Eで得られたよりも大幅に高い。さらに、比較実施例Eと比較して実施例3では水素生成物に対する感度は大幅に低い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸および/またはカルボン酸のアルコールエステルを生成する方法であって、前記方法は、カルボニル化リアクタ中の液体反応組成物中の一酸化炭素によってアルコールおよび/またはその反応性誘導体をカルボニル化することを含み、前記液体反応組成物はアルコールおよび/またはその反応性誘導体と、カルボニル化触媒と、ハロゲン化アルキル共触媒と、オプションで有限濃度の水とを含有し、前記触媒は三座配位子が配位されたコバルト、ロジウムまたはイリジウムまたはこれらの混合物を含有することを特徴とする生成する方法。
【請求項2】
リアクタ内において、水素が少なくとも1に対してCOが100の比で維持されている、および/またはリアクタへの一酸化炭素供給物が少なくとも1モル%の水素を含有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
水素が少なくとも1に対してCOが10の比である請求項2記載の方法。
【請求項4】
一酸化炭素供給物が少なくとも5モル%の水素を含有する請求項2または3の方法。
【請求項5】
一酸化炭素と水素が別々にまたは混合物としてリアクタに対して供給される請求項2から4のいずれか記載の方法。
【請求項6】
一酸化炭素および水素が炭化水素の改質から得られる請求項2から5いずれか記載の方法。
【請求項7】
触媒がロジウムまたはイリジウム、好適にはロジウムを含有する、請求項1から6いずれか記載の方法。
【請求項8】
三座配位子がP、As、Sb、O、N、Sおよびカルベンから構成される群から選択されるドナー原子を含有する配位基を有する請求項1から7いずれか記載の方法。
【請求項9】
少なくとも二つの配位基がP、AsおよびSbから構成される群から選択されるドナー原子を含有する請求項8記載の方法。
【請求項10】
三座配位子が一般構造式Aを有し、
【化1】

L1からL3がドナー原子を有する配位基であり、R1およびR2が結合基である請求項1から9のいずれか記載の方法。
【請求項11】
配位基のうち二つが金属に対して互いにトランスとなるよう、構造Aが架橋立体構造中のロジウム、コバルトまたはイリジウムに対して配位される請求項10記載の方法。
【請求項12】
L1とL3とが、ロジウム、イリジウムまたはコバルトに対して互いにトランスとなる配位される請求項10記載の方法。
【請求項13】
配位基のそれぞれL1およびL3は、P、AsおよびSbから構成される群から選択されるドナー原子を有する請求項12記載の方法。
【請求項14】
L1からL3のドナー原子が、ロジウム、イリジウムまたはコバルト金属に対してメリジオナル配位モードにある請求項10から13いずれか記載の方法。
【請求項15】
三座配位子のL1およびL3配位基がそれぞれ、リンドナー原子およびL2が酸素ドナー原子を含有する請求項10から14いずれか記載の方法。
【請求項16】
三座配位子は化学式P1−R1−O−R2−P2を有し、該化学式においてP1およびP2は化学式R3R4PおよびR5R6Pから成るリン含有基であり、R3〜R6のそれぞれは、置換または非置換のアルケニル基、アルキル基、アリール基から独立して選択される請求項15記載の方法。
【請求項17】
R3からR6がそれぞれ、置換または非置換フェニルである請求項16記載の方法。
【請求項18】
フェニルが、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基から選択される少なくとも一つの置換基によって置換される請求項17記載の方法。
【請求項19】
フェニルが、メチル、CF、エチル、イソプロピル、メトキシから選択される少なくとも一つの置換基によって置換される請求項18記載の方法。
【請求項20】
一つまたはそれ以上の置換基がオルトである請求項18または19記載の方法
【請求項21】
P1およびP2のうち少なくとも一つがジフェニルホスフィン基である請求項16記載の方法。
【請求項22】
三座配位子が、置換または非置換のキサントフォス、ホスキサントフォス、ベンゾキサントフォス、チキサントフォス、イソプロプキサントフォス、DPEフォス、シキサントフォス、ニキサントフォス、DBFフォス、ホモキサントフォスおよびR−ニキサントフォスから構成される群から選択され、Rがアルキル基またはアリール基である請求項15記載の方法。
【請求項23】
三座配位子が一つまたはそれ以上のアルキル基によって置換される請求項22記載の方法。
【請求項24】
カルボニル化触媒が事前形成された金属三座配位子錯体として液体反応組成物に添加されるか、または液体反応組成物中でin−situで生成される請求項1から23のいずれか記載の方法。
【請求項25】
ロジウム、イリジウムまたはコバルト金属の三座配位子に対するモル比が1:1〜1:2の範囲にある請求項1から24のいずれか記載の方法。
【請求項26】
液体反応組成物が促進剤も含有する請求項1から25のいずれか記載の方法。
【請求項27】
促進剤がルテニウム、オスミウム、レニウム、カドミウム、水銀、亜鉛、ガリウム、インジウムおよびタングステンから構成される群から選択される請求項26記載の方法。
【請求項28】
液体反応組成物が、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ土類金属ヨウ化物、I−生成能を有する金属錯体、I−生成能を有する塩類およびこれらの混合物から構成される群から選択される有効量の化合物をさらに含有する請求項1から27のいずれか記載の方法。
【請求項29】
ハロゲン化アルキル共触媒がCからCハロゲン化アルキル、好適にはヨウ化メチルである請求項1から28のいずれか記載の方法。
【請求項30】
アルコールがCからC脂肪族アルコール、好適にはメタノールである請求項1から29のいずれか記載の方法。
【請求項31】
反応性誘導体がエステル類、ハロゲン化物類、エーテル類およびこれらの混合物から構成される群から選択される請求項1から30のいずれか記載の方法
【請求項32】
液体反応組成物が少なくとも0.1重量%の水を含有する請求項1から31のいずれか記載の方法。
【請求項33】
液体反応組成物が0.1〜30重量%、好適には1〜15重量%、より好適には1〜10重量%の範囲内にある水を含有する請求項32記載の方法。
【請求項34】
カルボニル化生成物が酢酸、酢酸メチルおよびこれらの混合物である請求項1から33のいずれか記載の方法。
【請求項35】
CO分圧は、1〜70bargの範囲内にある請求項1から34のいずれか記載の方法。
【請求項36】
方法が継続的な方法である請求項1から35のいずれか記載の方法。
【請求項37】
カルボン酸および/またはカルボン酸のアルコールエステルを生成するためのカルボニル化方法に、三座配位子またはその混合物を配位したコバルト、ロジウムまたはイリジウムを含有するカルボニル化触媒を使用する方法であって、該方法は、カルボニル化リアクタ中の液体反応組成物中の一酸化炭素によってアルコールおよび/またはその反応性誘導体をカルボニル化することを含み、該液体反応組成物は、該触媒と、該アルコールおよび/またはその反応性誘導体と、ハロゲン化アルキル共触媒と、オプションで有限濃度の水とを含有するカルボニル化方法に対して該触媒を使用する方法。

【公開番号】特開2012−6957(P2012−6957A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177358(P2011−177358)
【出願日】平成23年8月13日(2011.8.13)
【分割の表示】特願2006−530477(P2006−530477)の分割
【原出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【出願人】(591001798)ビーピー ケミカルズ リミテッド  (66)
【氏名又は名称原語表記】BP CHEMICALS LIMITED
【Fターム(参考)】