説明

銅微粒子分散液、導電膜形成方法及び回路基板

【課題】銅微粒子が分散される銅微粒子分散液の配合を提供する。
【解決手段】銅微粒子分散液は、銅微粒子と、この銅微粒子を含有する少なくとも1種の分散媒と、この銅微粒子を分散媒中で分散させる少なくとも1種の分散剤とを有する。銅微粒子は、中心粒子径が1nm以上100nm未満である。分散媒は、極性分散媒である。分散剤は、少なくとも1個の酸性官能基を有する分子量が200以上100000以下の化合物又はその塩である。これにより、分散剤は分散媒との相溶性を有し、銅微粒子は、分散剤分子で表面が覆われるので、分散媒中に分散される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅微粒子分散液、該銅微粒子分散液を使用した導電膜形成方法、及び該導電膜形成方法を用いて製造される回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、銅箔から成る回路をフォトリソグラフィによって基板上に形成したプリント基板がある。フォトリソグラフィは、銅箔をエッチングする工程を有し、エッチングで発生する廃液の処理等にコストがかかる。
【0003】
エッチングを要しない技術として、銅微粒子(銅ナノ粒子)を分散媒中に含有する銅微粒子分散液(銅インク)を用いて基板上に導電膜(導電性フィルム)を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、銅微粒子分散液の皮膜が基板上に形成され、皮膜が乾燥された後、露光によって皮膜内の銅微粒子が溶融され、皮膜が導電性にされる。
【0004】
しかしながら、このような銅微粒子分散液において、銅微粒子が分散される具体的な配合例はいくつか知られていたが、銅微粒子が分散される一般的な配合は知られていなかった。
【0005】
また、銅微粒子分散液は、使用前の保存中に、分散媒中の銅微粒子が時間の経過とともに凝集して沈殿(ケーキング)を生じることがあり、分散安定性の向上が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許US2008/0286488号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題を解決するものであり、銅微粒子が分散される銅微粒子分散液の配合を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の銅微粒子分散液は、銅微粒子と、前記銅微粒子を含有する少なくとも1種の分散媒と、前記銅微粒子を前記分散媒中で分散させる少なくとも1種の分散剤とを有するものであって、前記銅微粒子は、中心粒子径が1nm以上100nm未満であり、前記分散媒は、極性分散媒であり、前記分散剤は、少なくとも1個の酸性官能基を有する分子量が200以上100000以下の化合物又はその塩であることを特徴とする。
【0009】
この銅微粒子分散液において、前記極性分散媒は、プロトン性分散媒及び比誘電率が30以上の非プロトン性極性分散媒の少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0010】
この銅微粒子分散液において、前記プロトン性分散媒は、1個のヒドロキシル基を有する炭素数が5以上30以下の直鎖又は分岐鎖状のアルキル化合物若しくはアルケニル化合物であることが好ましい。
【0011】
この銅微粒子分散液において、前記プロトン性分散媒は、2個以上6個以下のヒドロキシル基を有する炭素数が2以上30以下の直鎖又は分岐鎖状のアルキル化合物若しくはアルケニル化合物であってもよい。
【0012】
この銅微粒子分散液において、前記プロトン性分散媒は、1個以上10個以下のエーテル結合を有してもよい。
【0013】
この銅微粒子分散液において、前記プロトン性分散媒は、1個以上5個以下のカルボニル基を有してもよい。
【0014】
この銅微粒子分散液において、前記非プロトン性極性分散媒は、プロピレンカーボネート、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン及びγ−ブチロラクトンからなる群から選択されることが好ましい。
【0015】
この銅微粒子分散液において、前記分散剤の酸性官能基は、リン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基、硫酸基及びカルボキシル基からなる群から選択されることが好ましい。
【0016】
本発明の導電膜形成方法は、前記銅微粒子分散液から成る皮膜を物体表面に形成する工程と、形成された前記皮膜を乾燥する工程と、乾燥された前記皮膜に光を照射する光焼成によって導電膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0017】
本発明の回路基板は、前記導電膜形成方法によって形成された導電膜を有する回路を基板上に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、分散剤が酸性官能基を有し、分散媒が極性分散媒であることから、分散剤は分散媒との相溶性を有する。銅微粒子は、分散剤分子で表面が覆われるので、分散媒中に分散される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る銅微粒子分散液を説明する。銅微粒子分散液は、銅微粒子と、この銅微粒子を含有する少なくとも1種の分散媒と、少なくとも1種の分散剤とを有する。分散剤は、銅微粒子を分散媒中で分散させる。本実施形態では、銅微粒子は、中心粒子径が1nm以上100nm未満の銅の粒子である。分散媒は、極性分散媒としている。極性分散媒は、プロトン性を有するか、非プロトン性の場合は比誘電率が30以上である。分散剤は、分子量が200以上100000以下の化合物又はその塩であり、少なくとも1個の酸性官能基を有する。
【0020】
この銅微粒子は、中心粒子径が1nm以上100nm未満の銅の粒子であり、同一中心粒子径のものを単独で使用しても2種類以上の中心粒子径を持つものを混合して用いてもよい。中心粒子径が100nm以上であると、粒子の重量が大きくなるため分散安定性が良くない。
【0021】
銅微粒子の濃度は、銅微粒子分散液に対して1重量%以上80重量%以下である。銅微粒子の濃度が1重量%未満であると導電膜を形成するのに十分な銅微粒子量が得られず、80重量%を超えると銅微粒子が多すぎるため分散安定性が良くない。
【0022】
プロトン性分散媒は、1個のヒドロキシル基を有する炭素数が5以上30以下の直鎖又は分岐鎖状のアルキル化合物若しくはアルケニル化合物である。このプロトン性分散媒は、1個以上10個以下のエーテル結合を有してもよく、1個以上5個以下のカルボニル基を有してもよい。炭素数が4以下であると、分散媒の極性が高くなるため銅微粒子の分散効果は得られるが、銅微粒子の分散媒中への溶出(腐食)が発生し、分散安定性が良くない。炭素数が30を超えると分散媒の極性が低下し、分散剤を溶解しなくなる。
【0023】
このようなプロトン性分散媒としては、例えば、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、2−オクタノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
プロトン性分散媒は、2個以上6個以下のヒドロキシル基を有する炭素数が2以上30以下の直鎖又は分岐鎖状のアルキル化合物若しくはアルケニル化合物であってもよい。このプロトン性分散媒は、1個以上10個以下のエーテル結合を有してもよく、1個以上5個以下のカルボニル基を有してもよい。
【0025】
このようなプロトン性分散媒としては、例えば、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
比誘電率が30以上の非プロトン性極性分散媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルフォスフォラミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、ニトロベンゼン、N、N−ジエチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、フルフラール、γ−ブチロラクトン、エチレンスルファイト、スルホラン、ジメチルスルホキシド、スクシノニトリル、エチレンカーボネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
これらの極性分散媒は、1種類を単独で用いても、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0028】
この分散剤は、少なくとも1個以上の酸性官能基を有する分子量200以上100000以下の化合物又はその塩である。分散剤の酸性官能基は、酸性、すなわち、プロトン供与性を有する官能基であり、例えば、リン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基、硫酸基及びカルボキシル基である。
【0029】
これらの分散剤を使用する場合、1種類を単独で用いても、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。分散剤の濃度は、銅微粒子分散液に対して0.5重量%以上50重量%以下である。分散剤の濃度が0.5重量%未満であると十分な分散効果が得られず、50重量%を超えると、銅微粒子分散液を印刷法に用いた場合に印刷特性に良くない影響を及ぼす。
【0030】
これらの銅微粒子分散液には、用途に応じてレベリング剤、表面調整剤、消泡剤、防食剤、樹脂成分、光焼成調整剤などを分散安定性を損なわない範囲で適宜加えることができる。
【0031】
上記のように配合された銅微粒子分散液において、分散剤が酸性官能基を有し、分散媒が極性分散媒であることから、分散剤は分散媒との相溶性を有する。
【0032】
さらに、分散媒がプロトン性分散媒である場合、プロトン供与性を有するので、分散媒分子間で水素結合を形成し、分散剤の酸性官能基と相互作用を及ぼす。分散媒が非プロトン性極性分散媒である場合、プロトン供与性を有しないが、比誘電率が30以上と高いため、分散剤の酸性官能基はプロトン(H)を解離できる。
【0033】
銅微粒子は、分散剤分子で表面が覆われるので、分散剤と分散媒の静電的相互作用によって分散媒中に分散される。銅微粒子は、粒子径が小さいので、分散剤と分散媒の静電的相互作用が大きければ凝集が防がれ、凝集しなければ、沈降せず、銅微粒子分散液の分散安定性が高くなる。
【0034】
プロトン性分散媒は、エーテル結合やカルボニル基を有する場合、極性が大きくなるので、分散剤との相溶性が高くなり、銅微粒子分散液の分散安定性が高くなる。
【0035】
このような銅微粒子分散液の配合は、本願発明の発明者が数多くの実験によって見出したものである。この銅微粒子分散液の分散安定性の高さは、概ね下記のような作用によると考えられる。銅微粒子は、大気中に含まれる酸素によって最表面が酸化されるため、酸化銅から成る薄い表面酸化皮膜が形成される。本実施形態では、分散媒分子は、極性を有する。薄い表面酸化皮膜で覆われた銅微粒子は、極性溶媒にはほとんど溶けない。一方、酸性官能基を有する分散剤は、分子が極性を有するため、極性分散媒との相溶性を有する。極性分散媒がプロトン性分散媒又は比誘電率が30以上の非プロトン性極性分散媒を含む場合、極性が大きいため、分散剤との相溶性が高くなる。分散剤が分散媒中に溶かされると、分散剤の酸性官能基は、プロトン(H)を解離する。解離されたプロトンは、電気陰性度の大きな酸素原子に引かれて表面酸化皮膜の酸化銅に付加される。銅微粒子は、酸化銅へのプロトンの付加によって正に帯電する。プロトンを解離した酸性官能基は、負に帯電しているため、静電的相互作用によって銅微粒子の表面に吸着し、分散剤分子から成る吸着層を形成する。銅微粒子は、この吸着層で覆われ、分散媒中に分散される。
【0036】
分散媒中において、正に帯電した各々の銅微粒子と負に帯電した吸着層は、電気二重層を形成する。銅微粒子同士が接近すると、電気二重層を有する粒子間相互作用のポテンシャルエネルギーが大きくなるため、反発力が生じる。また、分散剤は、分子量が200以上100000以下の化合物であるので、分散剤分子で覆われた銅微粒子は、分散剤分子の立体安定化の作用によって互いに反発力を生じる。このような電気二重層及び立体安定化に起因する反発力によって、銅微粒子の凝集が防がれる。
【0037】
銅微粒子は、中心粒子径が1nm以上100nm未満であるので、凝集しなければ、ストークスの式で表される沈降速度よりも、ブラウン運動の効果の方が大きくなり、沈降しない。銅微粒子が沈降しないため、銅微粒子分散液は、銅微粒子の沈殿が生じず、分散安定性が高くなる。
【0038】
なお、上述の作用は、実験結果を説明するための一説であり、銅微粒子分散液を限定するものではない。
【0039】
本実施形態の銅微粒子分散液を使用した導電膜形成方法について説明する。先ず、銅微粒子分散液から成る皮膜が、物体表面に形成される。物体は、例えば、ポリイミドやガラスから成る基板である。銅微粒子分散液から成る皮膜は、例えば、印刷法で形成される。印刷法では、銅微粒子分散液が印刷用のインクとして用いられ、印刷装置によって物体上に所定のパターンが印刷され、そのパターンの皮膜が形成される。銅微粒子分散液から成るベタ膜をスピンコーティング等によって形成してもよい。
【0040】
次に、銅微粒子分散液から成る皮膜が乾燥される。皮膜の乾燥によって、銅微粒子分散液中の分散媒と分散剤が蒸発し、銅微粒子が残る。皮膜の乾燥時間は、分散媒によって異なるが、概ね100℃空気雰囲気下で30分以内には完了する。
【0041】
次に、乾燥された皮膜に光が照射される。光の照射によって、銅微粒子が焼成される。光の照射による焼成(光焼成)において、銅微粒子の表面酸化皮膜の還元と、銅微粒子の焼結とが起きる。銅微粒子は、焼結において互いに溶融し、基板に溶着する。光焼成は、大気下、室温で行われる。光焼成に用いられる光源は、例えば、キセノンランプである。光源にレーザー装置を用いてもよい。光源から照射される光のエネルギー範囲は、0.1J/cm以上、100J/cm以下である。照射時間は、0.1ms以上、100ms以下である。照射回数は、1回でも複数回の多段照射でもよい。光焼成された皮膜は、導電性となる。これにより、導電膜が形成される。形成された導電膜の形態は、連続した皮膜である。導電膜の抵抗率は、2μΩ・cm〜9μΩ・cmである。
【0042】
この導電膜形成方法を用いて製造される回路基板について説明する。この回路基板は、回路を基板上に有する。基板は、ポリイミド、ガラス等の絶縁物を板状に成形したものであり、例えば、フレキシブル基板又はリジッド基板である。基板は、シリコンウエハ等、半導体から成るものであってもよい。回路は、この導電膜形成方法によって形成された導電膜を有する。導電膜は、例えば、回路素子間を電気的に接続する導線を構成する。導電膜は、回路素子又はその一部、例えば、コイル、キャパシターの電極等を構成してもよい。
【0043】
本発明の実施例としての銅微粒子分散液、及び比較のための銅微粒子分散液を作った。銅微粒子分散液は以下の方法で作成し、評価を行った。所定の濃度にはかりとり、相溶させた分散剤と分散媒に、銅微粒子を徐々に添加していき、分散機にて一定温度で一定時間混合安定化した。こうして作成した銅微粒子分散液の分散性は、沈殿物がないことと、後に示すドローダウン法により印刷した後、皮膜上に粗粒がないことより確認した。分散安定性は、銅微粒子分散液を5℃で1か月保存し、沈殿物がないことより確認した。
【0044】
銅微粒子分散液から形成される導電膜の評価は、以下の方法で行った。銅微粒子分散液をポリイミド基板上にドローダウン法にて約0.5μmの膜厚に印刷し、大気雰囲気下100℃、15分間乾燥を行った後、キセノンランプを用いたフラッシュ照射装置にて光焼成を行った。光焼成は0.5〜30J/cmのエネルギー範囲で0.1ms〜10msの時間実施し、1回あるいは複数回の光照射で最適な抵抗率の導電膜を得られるまで行った。
【実施例1】
【0045】
中心粒子径20nmの銅微粒子を用い、分散媒を3−メトキシ−3−メチルブタノール(プロトン性)とし、分散剤をリン酸基を有する分子量約1500の化合物(ビックケミー社製、商品名「DISPERBYK(登録商標)−111」)とした銅微粒子分散液を作った。分散剤の濃度は3.6wt%(重量%)、銅微粒子の濃度は40wt%とした。分散媒の濃度はそれらの残部である。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無く、分散安定性が高いことが確認された。
【実施例2】
【0046】
中心粒子径40nmの銅微粒子を用い、分散媒を3−メトキシ−3−メチルブタノール(プロトン性)とし、分散剤をリン酸基を有する分子量約1500の化合物(ビックケミー社製、商品名「DISPERBYK(登録商標)−111」)とした銅微粒子分散液を作った。分散剤の濃度は1.8wt%、銅微粒子の濃度は40wt%とした。分散媒の濃度はそれらの残部である。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無く、分散安定性が高いことが確認された。
【実施例3】
【0047】
中心粒子径70nmの銅微粒子を用い、分散媒を3−メトキシ−3−メチルブタノール(プロトン性)とし、分散剤をリン酸基を有する分子量約1500の化合物(ビックケミー社製、商品名「DISPERBYK(登録商標)−111」)とした銅微粒子分散液を作った。分散剤の濃度は5wt%、銅微粒子の濃度は70wt%とした。分散媒の濃度はそれらの残部である。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無く、分散安定性が高いことが確認された。
【実施例4】
【0048】
分散剤の濃度を0.9wt%、銅微粒子の濃度を45wt%とした以外は、実施例3と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用い、光焼成によって形成した導電膜の抵抗率は、7μΩ・cmであり、所望の値が得られた。
【実施例5】
【0049】
分散剤の濃度を高くした以外は、実施例4と同様にして銅微粒子分散液を3種作った。分散剤の濃度は、1.8wt%、9wt%、18wt%とした。いずれの場合も銅微粒子は分散した。これらの銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。これらの銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、それぞれ、5μΩ・cm、6μΩ・cm、6μΩ・cmであった。
【実施例6】
【0050】
銅微粒子の濃度を20wt%とした以外は、実施例4と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、6μΩ・cmであった。
【実施例7】
【0051】
分散剤をリン酸基を有する分子量数万の化合物(ビックケミー社製、商品名「DISPERBYK(登録商標)−2001」)とし、その濃度を3.6wt%とした以外は、実施例4と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、5μΩ・cmであった。
【実施例8】
【0052】
分散剤の濃度を高くした以外は、実施例7と同様にして銅微粒子分散液を2種作った。分散剤の濃度は、7.2wt%、18wt%とした。いずれの場合も銅微粒子は分散した。これらの銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。これらの銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、それぞれ、5μΩ・cm、4μΩ・cmであった。
【実施例9】
【0053】
分散剤をポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル(分子量200以上500以下)とし、その濃度を1.8wt%とした以外は、実施例4と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、7μΩ・cmであった。
【実施例10】
【0054】
分散剤をポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル(分子量200以上500以下)とした以外は、実施例9と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、7μΩ・cmであった。
【実施例11】
【0055】
分散媒をトリエチレングリコールモノメチルエーテル(プロトン性)とし、分散剤の濃度を1.8wt%とした以外は、実施例4と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、8μΩ・cmであった。
【実施例12】
【0056】
分散媒をジエチレングリコールモノブチルエーテル(プロトン性)とし、分散剤を商品名「DISPERBYK(登録商標)−111」と商品名「DISPERBYK(登録商標)−2001」とを1:2で混合したものとし、分散剤の濃度を3.6wt%とした以外は、実施例11と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、6μΩ・cmであった。
【実施例13】
【0057】
分散媒をジエチレングリコールモノメチルエーテル(プロトン性)とし、分散剤の濃度を1.8wt%とした以外は、実施例7と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、7μΩ・cmであった。
【実施例14】
【0058】
分散媒をジエチレングリコールモノメチルエーテル(プロトン性)とした以外は、実施例12と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、7μΩ・cmであった。
【実施例15】
【0059】
分散媒をプロピレングリコールモノブチルエーテル(プロトン性)とした以外は、実施例11と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、7μΩ・cmであった。
【実施例16】
【0060】
分散媒をエチレングリコールモノヘキシルエーテル(プロトン性)とした以外は、実施例15と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、5μΩ・cmであった。
【実施例17】
【0061】
分散媒を2−メチルペンタン−2,4−ジオール(プロトン性)とした以外は、実施例16と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、5μΩ・cmであった。
【実施例18】
【0062】
分散媒をエチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル(プロトン性)とした以外は、実施例17と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、9μΩ・cmであった。
【実施例19】
【0063】
分散媒をエチレングリコール(プロトン性)とした以外は、実施例18と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。
【実施例20】
【0064】
分散媒をプロピレングリコール(プロトン性)とした以外は、実施例19と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、6μΩ・cmであった。
【実施例21】
【0065】
分散媒をプロピレンカーボネート(非プロトン性極性、比誘電率64)とした以外は、実施例20と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、7μΩ・cmであった。
【実施例22】
【0066】
分散媒を1,5−ペンタンジオール(プロトン性)とした以外は、実施例21と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。
【実施例23】
【0067】
分散媒を2−オクタノール(プロトン性)とした以外は、実施例22と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、8μΩ・cmであった。
【実施例24】
【0068】
分散媒を3−メトキシ−3−メチルブタノールと2−メチルペンタン−2,4−ジオールとを1:1で混合したもの(プロトン性)とした以外は、実施例23と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、6μΩ・cmであった。
【実施例25】
【0069】
分散媒を1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(非プロトン性極性、比誘電率38)とし、分散剤をカルボキシル基を有する分子量200以上2000以下の化合物(ビックケミー社製、商品名「BYK(登録商標)−P105」)とした以外は、実施例24と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、5μΩ・cmであった。
【実施例26】
【0070】
分散媒をN,N−ジメチルアセトアミド(非プロトン性極性、比誘電率38)とした以外は、実施例24と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、7μΩ・cmであった。
【実施例27】
【0071】
分散媒をN,N−ジメチルホルムアミド(非プロトン性極性、比誘電率37)とした以外は、実施例26と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、4μΩ・cmであった。
【実施例28】
【0072】
分散媒をN−メチルピロリドン(非プロトン性極性、比誘電率32)とした以外は、実施例27と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、5μΩ・cmであった。
【実施例29】
【0073】
分散媒をγ−ブチロラクトン(非プロトン性極性、比誘電率39)とした以外は、実施例28と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、6μΩ・cmであった。
【実施例30】
【0074】
分散媒をγ−ブチロラクトン(非プロトン性極性、比誘電率39)とし、分散剤の濃度を3.6wt%とした以外は、実施例7と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、7μΩ・cmであった。
【実施例31】
【0075】
分散媒を1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(非プロトン性極性、比誘電率38)とした以外は、実施例29と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、5μΩ・cmであった。
【実施例32】
【0076】
分散剤を商品名「DISPERBYK(登録商標)−111」と商品名「DISPERBYK(登録商標)−2001」とを1:2で混合したものとし、その濃度を3.6wt%とした以外は、実施例31と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、5μΩ・cmであった。
【実施例33】
【0077】
分散剤をリン酸基を有する分子量1000以上10000未満のリン酸塩(ビックケミー社製、商品名「DISPERBYK(登録商標)−145」)とした以外は、実施例32と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、4μΩ・cmであった。
【実施例34】
【0078】
分散剤を低分子のポリアミノアマイドと酸ポリマー塩(ビックケミー社製、商品名「ANTI−TERRA(登録商標)−U100」)とした以外は、実施例33と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、2μΩ・cmであった。
【実施例35】
【0079】
分散媒をプロピレンカーボネート(非プロトン性極性、比誘電率64)とし、分散剤の濃度を1.8wt%とした以外は、実施例30と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、変化が無かった。この銅微粒子分散液を用いて形成した導電膜の抵抗率は、7μΩ・cmであった。
【0080】
(比較例1)
分散媒をプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(非極性)とした以外は、実施例31と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、沈殿が生じ、分散安定性が高くないことが確認された。
【0081】
(比較例2)
分散媒をブトキシエチルアセテートとプロピレングリコールメチルエーテルアセテートとを5:1で混合したもの(非極性)とした以外は、比較例1と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、沈殿が生じた。
【0082】
(比較例3)
分散媒をジエチレングリコールメチルエチルエーテル(非極性)とした以外は、比較例2と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、沈殿が生じた。
【0083】
(比較例4)
分散媒をテトラエチレングリコールジメチルエーテル(非極性)とした以外は、比較例3と同様にして銅微粒子分散液を作ろうとしたが、銅微粒子は分散しなかった。
【0084】
(比較例5)
分散媒をエチレングリコールモノフェニルエーテル(プロトン性、フェニル基を含むため本発明の技術的範囲外)とした以外は、比較例3と同様にして銅微粒子分散液を作ろうとしたが、銅微粒子は分散しなかった。
【0085】
(比較例6)
分散媒をジエチレングリコールブチルメチルエーテル(非極性)とした以外は、比較例3と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、沈殿が生じた。
【0086】
(比較例7)
分散媒をトリエチレングリコールブチルメチルエーテル(非極性)とした以外は、比較例6と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、沈殿が生じた。
【0087】
(比較例8)
分散媒をジエチレングリコールジブチルエーテル(非極性)とした以外は、比較例7と同様にして銅微粒子分散液を作ろうとしたが、銅微粒子は分散しなかった。
【0088】
(比較例9)
分散媒をジエチレングリコールジエチルエーテル(非極性)とした以外は、比較例7と同様にして銅微粒子分散液を作った。銅微粒子は分散した。この銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、沈殿が生じた。
【0089】
(比較例10)
分散媒を酢酸エチル(非極性)とした以外は、比較例9と同様にして銅微粒子分散液を作ろうとしたが、銅微粒子は分散しなかった。
【0090】
(比較例11)
分散媒をヘキサン(非極性)とした以外は、比較例9と同様にして銅微粒子分散液を作ろうとしたが、銅微粒子は分散しなかった。
【0091】
(比較例12)
分散媒をトルエン(非極性)とした以外は、比較例9と同様にして銅微粒子分散液を作ろうとしたが、銅微粒子は分散しなかった。
【0092】
(比較例13)
分散媒をアセトン(非プロトン性、比誘電率21)とした以外は、比較例9と同様にして銅微粒子分散液を作ろうとしたが、銅微粒子は分散しなかった。
【0093】
(比較例14)
分散媒を水、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール(ヒドロキシル基1個、炭素数4以下)とした以外は、比較例9と同様にして銅微粒子分散液を作った。いずれも銅微粒子は分散した。これらの銅微粒子分散液を5℃で1か月保存したところ、いずれも銅微粒子の分散媒への溶出(腐食)が生じ、液の変色、沈殿が生じた。
【0094】
(比較例15)
中心粒子径400nmの銅微粒子を用い、分散媒を3−メトキシ−3−メチルブタノール(プロトン性極性)とし、分散剤をリン酸基を有する分子量約1500の化合物(ビックケミー社製、商品名「DISPERBYK(登録商標)−111」)とした銅微粒子分散液を作った。分散剤の濃度は3.6wt%、銅微粒子の濃度は40wt%とした。分散媒の濃度はそれらの残部である。銅微粒子は分散しなかった。
【0095】
上記の実施例及び比較例から、銅微粒子を分散させるためには、酸性官能基を有する分散剤を用い、分散媒を極性分散媒とすることが好ましいことが分かった。銅微粒子分散液の分散安定性を高めるためには、極性分散媒は、プロトン性分散媒及び比誘電率が30以上の非プロトン性極性分散媒の少なくとも一方を含むことが好ましいことが分かった。
【0096】
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅微粒子と、前記銅微粒子を含有する少なくとも1種の分散媒と、前記銅微粒子を前記分散媒中で分散させる少なくとも1種の分散剤とを有する銅微粒子分散液であって、
前記銅微粒子は、中心粒子径が1nm以上100nm未満であり、
前記分散媒は、極性分散媒であり、
前記分散剤は、少なくとも1個の酸性官能基を有する分子量が200以上100000以下の化合物又はその塩であることを特徴とする銅微粒子分散液。
【請求項2】
前記極性分散媒は、プロトン性分散媒及び比誘電率が30以上の非プロトン性極性分散媒の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の銅微粒子分散液。
【請求項3】
前記プロトン性分散媒は、1個のヒドロキシル基を有する炭素数が5以上30以下の直鎖又は分岐鎖状のアルキル化合物若しくはアルケニル化合物であることを特徴とする請求項2に記載の銅微粒子分散液。
【請求項4】
前記プロトン性分散媒は、2個以上6個以下のヒドロキシル基を有する炭素数が2以上30以下の直鎖又は分岐鎖状のアルキル化合物若しくはアルケニル化合物であることを特徴とする請求項2に記載の銅微粒子分散液。
【請求項5】
前記プロトン性分散媒は、1個以上10個以下のエーテル結合を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の銅微粒子分散液。
【請求項6】
前記プロトン性分散媒は、1個以上5個以下のカルボニル基を有することを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の銅微粒子分散液。
【請求項7】
前記非プロトン性極性分散媒は、プロピレンカーボネート、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン及びγ−ブチロラクトンからなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の銅微粒子分散液。
【請求項8】
前記分散剤の酸性官能基は、リン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基、硫酸基及びカルボキシル基からなる群から選択されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の銅微粒子分散液。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の銅微粒子分散液から成る皮膜を物体表面に形成する工程と、
形成された前記皮膜を乾燥する工程と、
乾燥された前記皮膜に光を照射する光焼成によって導電膜を形成する工程とを有することを特徴とする導電膜形成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の導電膜形成方法によって形成された導電膜を有する回路を基板上に備えることを特徴とする回路基板。


【公開番号】特開2013−104089(P2013−104089A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248126(P2011−248126)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【特許番号】特許第5088760号(P5088760)
【特許公報発行日】平成24年12月5日(2012.12.5)
【出願人】(000197975)石原薬品株式会社 (83)
【出願人】(505131522)アプライド・ナノテック・ホールディングス・インコーポレーテッド (27)
【Fターム(参考)】