説明

開閉式の通信端末およびヒンジ装置

【課題】回動軸とカバー部材との間の隙間が小さく、回動軸の回転半径が小さな小型のヒンジ装置および当該ヒンジ装置を備えた開閉式の通信端末を提供すること。
【解決手段】回動可能な中空状の第1回動軸125と、この第1回動軸125に回動可能に交差させた第2回動軸126と、第1回動軸125の中に設けられ、かつ第2回動軸126に装着されたカム132を所定位置で案内する案内軸128と、第1回動軸125に一体に装着される第1筐体部材と、第1回動軸に一体に装着される第2筐体部材と、第1回動軸125と第2回動軸126を覆うフロントカバー141およびリアカバー142とを備え、このフロントカバー141およびリアカバー142を締結ネジ143で第1回動軸125に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動軸とカバー部材との間の隙間が小さく、回動軸の回転半径が小さな小型のヒンジ装置および当該ヒンジ装置を備えた開閉式の通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の開閉式の通信端末としては、例えば、一方の筐体が開閉方向に対して直交方向に回転する、特開2001−251406号公報に開示されたものがある。当該公報の開閉式携帯端末装置は、情報を入力する入力部と、動作状態のモニタや受信データを表示する表示部と、入力部および表示部を制御する制御部と、筐体とを備えて構成されている。なお、入力部は、数字キー等の第1の入力部と、ファンクションキー等の第2の入力部を有している。また、筐体は、第2の入力部が設けられた第1の筐体と、表示部および第2の入力部が設けられた第2の筐体とに分割されヒンジ部で回動自在に連結され、第1の筐体と第2の筐体はヒンジ部を回転軸にして開閉自在に構成されている。
【0003】
このようなヒンジ部を実現するヒンジ装置としては、例えば、特開2000−240636号公報に示されているものがある。以下、図11に参照して、特開2000−240636号公報に開示されているヒンジ装置について説明する。図11は、特開2000−240636号公報のヒンジ装置の平面図(A)および側面図(B)である。
【0004】
図11に示すヒンジ装置は、開閉軸支持部201に回動可能に支持された開閉軸202と、開閉軸202を直交状態で回転可能に貫通した回転軸203と、開閉軸支持部201と開閉軸202に相互に当接するように設けられた角度規制片204と、回転軸203に突設された規制フランジ205と、開閉軸支持部201に取り付けられた規制フランジ205に臨む回転規制部206とを備えて構成されている。当該ヒンジ装置を前述した開閉式の通信端末に適用した場合、回転軸としてヒンジ部の大きさは、回転軸203の回転と連動する角度規制片204の先端と回転軸203の軸心との距離Rで決定される。
【0005】
また、従来の開閉式の通信端末として、特開平6−311216号公報に開示されたものがある。当該公報の携帯電話は、第1のフロントケースと第1のリアカバーとから構成される第1の筐体と、第2のフロントケースと第2のリアカバーとから構成される第2の筐体とがヒンジ部により回動可能に接続されている。また、第1のフロントケースの端部に設けられた円弧状の第1の曲面部と、第1のリアカバーの端部に設けられた円弧状の第2の曲面部とが係合し第1の筐体の端部に当該筐体と内通する略円筒状の第1の空洞部を構成し、第2の筐体の端部には当該筐体と内通する略円筒状の第2の空洞部を構成し、第1の空洞部と第2の空洞部が隣接して同軸上に配置されている。また、第1の筐体内の電気回路と第2の筐体内の電気回路を接続するフレキシブルプリント基板を第1の空洞部および第2の空洞部の内径に沿って螺旋状に巻いて通すと共に、螺旋状に巻かれたフレキシブルプリント基板の径内には両筐体に跨がって内在するケーブルが延長されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−251406号公報
【特許文献2】特開2000−240636号公報
【特許文献3】特開平6−311216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の通信端末にあっては、小型化が要求される携帯電話等の装置に従来のヒンジ部を搭載して開閉式の携帯電話等を実現しても、ヒンジ部の大きさのために装置の大型化を招いてしまうという問題点があった。また、ヒンジ部の大きさは開閉軸の直径や、回転軸端に設けた角度規制片の回転半径で決定されるが、回転軸の端部に角度規制片を設けた構成では回転半径が大きくなってしまい、ヒンジ部のサイズが大きくなってしまうという問題点があった。
【0008】
さらに、開閉式の携帯電話等は、開閉動作に伴いフレキシブルプリント基板に曲げ応力とねじり応力が生じる構造となっているため、フレキシブルプリント基板の導体部(回路パターン)が切断してしまう恐れがあった。
【0009】
図12は、従来のヒンジ部を挿通するフレキシブルプリント基板の平面図である。同図に示すように、フレキシブルプリント基板300は、第1筐体と第2筐体(図示せず)にそれぞれ設けられたコネクタと接続されるために、ヒンジ部の中でらせん状に巻かれる。下側より上側に向かって右巻きに巻かれているフレキシブルプリント基板の捻じれ角P(図12参照)は、筐体が折り畳まれる場合でも変わらない。なお、折り畳んだ場合を2点鎖線で示している。
【0010】
しかしながら、フレキシブルプリント基板の両端は、第1の筐体と第2の筐体に固定される位置(左右方向)が変わらないため、開いた状態から折り畳むと、捻じれ角Pが略P/2へと変化する。即ち、折り畳むことによりフレキシブルプリント基板には曲げ応力と捻じれ応力とが加わる構造となっている。
【0011】
一般に、フレキシブルプリント基板は可撓性を有し、曲げ応力に対して十分強い構造ではあるが、複合的に様々な応力が作用すると断線や破断等を招いてしまう。したがって、従来の開閉式の携帯電話にあっては、開閉動作を繰り返すとフレキシブルプリント基板の断線や破断等を招いてしまうため、この点で改良の余地があった。
【0012】
また、上記説明した特開2000−240636号公報に記載のヒンジ装置(図11参照)では、開閉軸202と回転軸203を覆う外装カバーを設ける場合において、開閉軸支持部201の中で開閉軸202が回動する構成であるため、開閉軸支持部201との磨耗を回避するためには、外装カバーを開閉軸支持部201と密着させることができない。そのため、外装カバーと開閉軸202との間には隙間が出来てしまうが、この隙間に雨水等が浸入して機器の腐食を招いてしまう恐れがあった。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、回動軸とカバー部材との間の隙間が小さいヒンジ装置および当該ヒンジ装置を備えた開閉式の通信端末を提供することを目的としている。さらに、回動軸の回転半径が小さな小型のヒンジ装置および当該ヒンジ装置を備えた開閉式の通信端末を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明に係る開閉式の通信端末は、ヒンジ部によって開閉可能に連結されている2つの筐体部材によって構成された開閉式の通信端末であって、前記ヒンジ部は、前記2つの筐体部材が所定方向に回動する際の軸となる中空状の第1回動軸と、前記2つの筐体部材の一方が他方に対して、前記第1回動軸を軸とした回動方向と直交する方向に回動する際の軸となる第2回動軸と、前記第1回動軸および前記第2回動軸を覆うカバー部材と、有し、前記カバー部材は前記第1回動軸に固着されている。
【0015】
したがって、第1回動軸の回動に連れてカバー部材が同時に回動するため、当該カバー部材を第1回動軸に常に密着させることができる。この結果、第1回動軸を軸とした回動の際に第1回動軸とカバー部材との間に隙間が生じないため、雨水等の浸入を防ぐことができる。
【0016】
また、本発明に係る開閉式の通信端末は、前記第1回動軸の中空状となった内部に、前記2つの筐体部材の状態に応じて、前記第1回動軸を軸とした回動および前記第2回動軸を軸とした回動を規制する回動規制手段を有する。したがって、第1回動軸を軸とした回転半径を小さくできるため、ヒンジ部を小型化できる。
【0017】
また、本発明に係る開閉式の通信端末は、前記回動規制手段の規制による当該通信端末の安定的な状態は、前記2つの筐体部材がそれぞれ対向する折り畳まれた状態と、前記第1回動軸を軸として第1の所定角度まで回動することによって前記折り畳まれた状態の通信端末を開いた第1の開状態と、前記第1の開状態から前記第2回動軸を軸として前記第2の所定角度まで回動した第2の開状態と、のいずれかであることが望ましい。
【0018】
また、本発明に係る開閉式の通信端末は、前記回動規制手段は、前記第1の開状態では、前記第2回動軸を軸とした回動を所定方向および第2の所定角度に限定し、前記第2の開状態では、前記第1回動軸を軸とした回動を禁止し、かつ、前記第2回動軸を軸とした回動を前記第2の所定方向とは反対の方向および前記所定角度に限定し、前記折り畳まれた状態から前記第1の開状態となるまでの間の状態では、前記第2回動軸を軸とした回動を禁止する。
【0019】
したがって、ユーザが誤操作しようとした場合でも、一方の筐体部材によって他方の筐体部材に打痕を与えることを防止することができる。
【0020】
また、本発明に係る開閉式の通信端末は、前記カバー部材は締結ネジによって前記第1回動軸に固着され、前記締結ネジは、前記折り畳まれた状態および前記第1の開状態では前記筐体部材によって覆われ、前記第1の開状態から前記第2の開状態となるまでの間の状態のとき露呈する位置で、前記カバー部材を前記第1回動軸に固着している。
【0021】
このように、前記折り畳まれた状態および前記第1の開状態では締結ネジの頭部が隠れるため、外観上の見栄えを向上させることができる。また、前記第1の開状態から前記第2の開状態となるまでの間の状態とすれば締結ネジの頭が露呈するため、第1回動軸からカバー部材の取り外すことが容易となる。
【0022】
また、本発明に係る開閉式の通信端末は、前記第1の開状態から前記第2の開状態となるために前記第2回動軸を軸として回動する前記第2の所定角度が180度であり、当該通信端末の前記第1の開状態または前記第2の開状態を検出する状態検出手段を備え、前記2つの筐体部材の一方が、片面にカメラ部および当該カメラ部で撮影された映像を表示可能な第1表示部を有し、前記片面とは反対側の面に前記カメラ部で撮影された映像に基づく映像を表示可能な第2表示部を有し、前記折り畳まれた状態または前記第1の開状態では、前記第1表示部は前記カメラ部で撮影された映像の鏡像を表示し、前記第2の開状態では、前記第1表示部は前記カメラ部で撮影された映像の鏡像を表示すると共に、前記第2表示部は前記鏡像の反転鏡像を表示する。
【0023】
したがって、当該通信端末を手に持つユーザは、第2表示部に表示される反転鏡像を見ることで確認することが可能となり、一方、被写体である前方の人は、自分がどのように撮影されているかを第1表示部に表示される鏡像を見ることで確認することができる。
【0024】
さらに、本発明に係るヒンジ装置は、請求項1〜6のいずれか一項記載の開閉式の通信端末における前記ヒンジ部を構成するものである。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明に係る開閉式の通信端末およびヒンジ装置によれば、第1回動軸の回動に連れてカバー部材が同時に回動するため、当該カバー部材を第1回動軸に常に密着させることができる。この結果、第1回動軸を軸とした回動の際に第1回動軸とカバー部材との間に隙間が生じないため、雨水等の浸入を防ぐことができる。また、第1回動軸を軸とした回転半径を小さくできるため、ヒンジ部を小型化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る開閉式の通信端末の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態において、通信端末を開閉式の携帯電話として説明するが、携帯電話に限らず開閉式であれば他の装置においても適用可能である。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信端末の閉じた状態を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る通信端末の第1の開いた状態を示す斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係る通信端末の第2の開いた状態を示す斜視図である。図4は、本発明の一実施形態に係る通信端末の横断面図である。図5は、本発明の一実施形態に係る通信端末の電気的構成を示すブロック図である。
【0028】
図1〜5に示すように、本実施形態の開閉式の通信端末は、筐体101と、ヒンジ部102と、アンテナ103と、バイブレータ部104と、操作部105と、受話部(レシーバ)106と、スピーカ107と、送話部(マイクロフォン)108と、カメラ部109と、第1のホール素子110と、第2のホール素子111と、第1の表示部112と、第2の表示部113と、第1の永久磁石114と、第2の永久磁石115と、プリント基板116とを備えて構成されている。なお、プリント基板116は、図5に示す送受信部117、データ変換部118、音声処理部119、画像処理部120、情報記録部121および制御部122を有している。
【0029】
以下、本実施形態の通信端末が有する各構成要素について説明する。
まず、筐体101について説明する。筐体101は、第1の筐体部材101aおよび第2の筐体部材101bから構成されている。図6は、本実施形態の通信端末が備える筐体101の分解斜視図である。同図に示すように、第2の筐体部材101bには、ヒンジ部102を保持するヒンジ装着部101c,101dが形成されている。ヒンジ装着部101cにはヒンジ部102を保持するためのD形の穴101eが形成され、ヒンジ装着部101dにはヒンジ部102を支承する軸受部101fが形成されている。
【0030】
このため、筐体101は、ヒンジ部102を軸として第1の筐体部材101aと第2の筐体部材101bが開閉可能である。なお、以下の説明では、第2の筐体部材101bに対して第1の筐体部材101aが閉じた状態を「閉状態」といい、第2の筐体部材101bに対して第1の筐体部材101aが開いた状態を「開状態」という。通常、通信端末の携帯時は閉状態、使用時は開状態で用いられる。なお、図2に示すように、閉状態の筐体101を開いた、第1の筐体部材101aと第2の筐体部材101bとの角度が略180度の状態を「第1の開状態」という。
【0031】
また、第1および第2の筐体部材101a,101bは、図6に示すように、開状態で開閉方向に対して直交方向に回動可能なように連結されている。なお、当該直交方向に回動可能な構成については後述する。また、図3に示すように、第1の開状態から第1の筐体部材101aを開閉方向とは直交する方向(S方向)に略180度回転した状態を「第2の開状態」という。
【0032】
また、本実施形態では、閉状態のときに第1の筐体部材101aと当接する第2の筐体部材101bの表面に突起123bが形成されている。このため、開状態のときに、第1の筐体部材101aと第2の筐体部材101bとの間にはクリアランス123bが形成される。
【0033】
次に、他の構成要素について説明する。図5に示すように、送受信部117は、アンテナ103に接続されており、アンテナ103で受信したデータを処理してデータ変換部118に伝達するものである。データ変換部118は、受信データを音声データに変換して音声処理部119に伝達するものである。音声処理部119では音声データを復元化して音声信号を生成した後、レシーバ106やスピーカ107に伝達する。レシーバ106やスピーカ107は、音声処理部からの受信信号に応答して音声を出力する。
【0034】
また、音声処理部119は、マイクロフォン108が受けた音声を符号化して音声データを生成した後、データ変換部118に伝達する。データ変換部118は、伝達された音声データを通信データに変換した後、送受信部117に送出する。送受信部117は、受け取った通信データを処理し、アンテナ103から無線信号の電波として送信する。
【0035】
また、図5に示すように、カメラ部109、第1表示部112および第2表示部113は、画像処理部120に接続されている。また、レシーバ106、スピーカ107およびマイクロフォン108は音声処理部119に接続されており、音声処理部119はデータ変換部118に接続されている。また、制御部122は、バイブレータ部104、操作部105、第1ホール素子110、第2ホール素子111、送受信部117、データ変換部118および情報記録部121に接続され、これらの構成要素の制御を行う。また、制御部122は電池124に接続され、電池124から電力が供給される。
【0036】
バイブレータ部104は、着信時に起振することにより着信を振動で報知するものである。また。操作部105は、受話や終話の操作、レシーバ106やスピーカ107から出力される音量の調節、文字や記号、数字の入力、カメラ部109を操作するためのものである。
【0037】
第1表示部112および第2表示部113は、液晶表示器等により構成することが可能であり、文字や記号、数字、画像、地図等を表示するものである。第1表示部112は、筐体101を閉じたときには操作部105と対向し、筐体101を開いたときには露呈する第1の筐体部材101aの側面に設けられている。また、第2表示部113は、第1表示部112が設けられる側面とは反対側の側面(背面)に設けられている。
【0038】
カメラ部109は、図2に示すように第1表示部112と隣接し、第1表示部112の前方を撮像するように設けられている。カメラ部109が捉えた被写体からの入射光は、光信号から電気信号に変換され、画像情報が生成される。当該画像情報は、画像処理部120にて処理された後、第1表示部112または第2表示部113で表示される。なお、画像情報は、所定の操作が行われると情報記録部121に記録される。情報記録部121は、他にも、電話番号情報や音声情報、撮像した画像の画像情報以外の画像情報(受信した画像情報等)、作成中または送受信したメール等の文字情報を記録することができる。
【0039】
スピーカ107は、着信時に着信音を出力することによって、ユーザに着信を報知するものである。スピーカ107は第2の筐体部材101bのヒンジ装着部101c,101dから離れた位置の端部側に設けられているため、筐体101が閉状態のときに、対向する第1の筐体部材101a側へ向けて音声を出力する。なお、スピーカ107は、ハンズフリー時やTV電話時などに、レシーバ106よりも音量の大きい音声を出力することができる。
【0040】
レシーバ106は、本実施形態の通信端末を通常の携帯電話として使用する際に音声を出力するものである。レシーバ106から出力される音声は、第1表示部112の前方に向けて出力され、筐体101が閉状態のときに、スピーカ107と向かい合う第1の筐体部材101aの端部側に設けられている。ユーザは、受信時には筐体101を第1の開状態とし、所定の操作後、レシーバ106に耳を当てて音声を聞き取る。また、マイクロフォン108は、第2の筐体部材101bの主面101gのヒンジ装着部101d近傍に設けられている。
【0041】
第1永久磁石114は、第1の筐体部材101aの第1表示部112の近傍に設けられている。第1ホール素子110は、筐体101が閉状態で第1永久磁石114と対向するように、第2の筐体部材101bに設けられている。また、第2永久磁石115は、ヒンジ部102の中に設けられている。第2ホール素子111は、筐体101が閉状態および第1の開状態で第2永久磁石115と対向するように、第1の筐体部材101aに設けられている。
【0042】
筐体101が閉状態では、第1永久磁石114が第1ホール素子110に近接するため、第1ホール素子110が第1永久磁石114を検出して制御部122に検出信号を与える。また、筐体101が閉状態でなければ(第1、第2の開状態)、第1永久磁石114が第1ホール素子110から離隔されるので、第1ホール素子110は第1永久磁石114を検出できないため、第1ホール素子110は検出信号を生成しない。
【0043】
また、筐体101が閉状態および第1の開状態では、第2永久磁石115が第2ホール素子111に近接するため、第2ホール素子111が第2永久磁石115を検出して制御部122に検出信号を送出する。また、筐体101が第2の開状態では、第2永久磁石115が第2ホール素子111から離隔され、第2ホール素子111は第2永久磁石115を検出できないため検出信号を生成しない。即ち、制御部122は、第1、第2ホール素子110,111からの検出信号を受けるか否かによって、第1の筐体部材101aおよび第2の筐体部材101bの開閉状態および回動状態を認識することができる。なお、特許請求の範囲の状態検出手段は、第1、第2ホール素子110,111および制御部122に該当する。
【0044】
次に、図6〜図9を参照してヒンジ部102について詳述する。図6は、本発明の一実施形態に係る通信端末の筐体101の分解斜視図である。図7は、図6に示すヒンジ部の分解斜視図である。図8は、筐体101が第1の開状態におけるヒンジ部102の断面図である。図9は、ヒンジ部102に装着されるカムの動作について説明する説明図(カム線図)である。
【0045】
図6〜図8に示すように、本実施形態の通信端末が備えたヒンジ部102は、第1回動軸125、第2回動軸126、支承板127、特許請求の範囲の回動規制手段に該当する案内軸128、第1コイルばね129、第1クリック凸板130、第1クリック凹板131、カム132、第2クリック凸板133、第2コイルばね134、ブラケット135、Eリング136および第1回動軸軸受137を有するヒンジユニット138と、可撓性基板139と、ケーブル140と、特許請求の範囲のカバー部材に該当するフロントカバー141とおよびリアカバー142と、締結ネジ143とから構成されている。
【0046】
中空状の第1回動軸125は、中央部に切欠き部125a、第2回動軸126を支承する支承部125b、仕切り部125c、スリット125d、ネジ穴125e、第2永久磁石保持部125fを有する。なお、切欠き部125aには支承板127が設置される。支承板127には、凹部127aと、第2回動軸126を支承する支承孔127bとが形成されている。第1回動軸125の内部には、図7中の左側から、案内軸128、第1コイルばね129、第1クリック凸板130および第1クリック凹板131が装着される。
【0047】
案内軸128は、太径部128aと小径部128bを有する。太径部128aには平行溝128cが形成されており、小径部128bの先端にはDカット部128dが形成されている。第1クリック凸板130は案内軸128に回動不能であり、小径部128bのスラスト方向のみに移動可能に設けられる。また、第1クリック凹板131は、小径部128bが回動可能に挿通されると共に、第1回動軸125の端部側に固定される。
【0048】
第1コイルばね129は、第1クリック凸板130を第1クリック凹板131側へ付勢する。筐体101が閉状態および第1の開状態において、第1クリック凸板130の凸部130aは、第1クリック凹板131の凹部131aに係合する。なお、筐体101を第1の開状態から閉状態にする場合は凸部130aと凹部131aとの係合が解除され、一方、閉状態から第1の開状態にすると凸部130aと凹部131aとが係合する。即ち、これにより、凸部130aと凹部131aとの係合または係合の解除の際に、ユーザにクリック感が得られる。
【0049】
第2回動軸126には、図7中段から上側から、カム132、支承板127、第2クリック凸板133、第2コイルばね134およびブラケット135が装着される。第2回動軸126は、第1回動軸125の切欠き部125aに取り付けられる支承板127と、第1回動軸125の支承部125bに支承される。第2回動軸126の先端にはEリング136が設けられ、第1回動軸125に回動可能に保持される。第2クリック凸板133は、第2回動軸126のスラスト方向のみに移動可能に設けられる。また、第2コイルばね134は、第2クリック凸板133を支承板127側へ付勢する。
【0050】
筐体101が閉状態から第1の開状態となるまで、または第2の開状態の場合にのみ、第2クリック凸板133の凸部133aは支承板127の凹部127aに係合する。第1の開状態から第2の開状態に移行するときは、第2クリック凸板133の凸部133aと支承板127の凹部127aとの係合が解除され、第2の開状態で再び係合する。即ち、前述した第1クリック凸板130の凸部130aと第1クリック凹板131の凹部131aと同様の構成によって、ユーザにクリック感を与えるように構成されている。
【0051】
ブラケット135には、第1の筐体部材101aにネジ(図示せず)によって共締め固定される孔135aが形成されている。
【0052】
カム132は、第2回動軸126に固定され、第1回動軸125の仕切り部125cと案内軸128の太径部128aとの間に挟まれるようにして、第1回動軸125の中に収容されている。カム132と案内軸128の平行溝128cとは、筐体101が閉状態では交差し、第1の開状態では平行になるように構成されている。第1の開状態では、第2回動軸125の回動と共に回動するカム132は平行溝128cの中に案内可能となるため、第1の筐体部材101aをS方向に回動させることができる。ここで、上記の動きを、図9に示すカム線図を用いて説明する。
【0053】
図9に示すカム線図において、右側の斜線部は仕切り部125cを示す。また、左側の斜線部は案内軸128の太径部128aを示し、円弧部は平行溝128cを示す。ここで、筐体101が閉状態にあるときのカム132の位置を位置aで示す。また、筐体101が第1の開状態のときのカム132の位置を位置bで示す。
【0054】
位置aでは、カム132の左右端面はそれぞれ仕切り部125cと案内軸128の太径部128aとに囲まれているため、カム132は回動できないようになっている。位置bでは、カム132の右端面側に仕切り部125cがあるため、S方向とは反対側に回動できないようになっている。カム132の左端面側には平行溝128cがあるため、S方向へ180度回動できる。S方向へ180度回動した状態(第2の開状態)ではカム132の一部が平行溝128cの中にあり、この状態では、カム132の板厚方向が平行溝128cに囲まれるため、筐体101が閉状態へ変化しようとしても抑制される。
【0055】
したがって、筐体101が閉状態から第1の開状態までの間の状態においては、第1の筐体部材101aは第2回動軸126を軸とした回動を行うことができない。また、第1の開状態では、第1の筐体部材101aをS方向に180度までは回動可能であるが、S方向の反対方向には回動できない。さらに、第2の開状態および第1の開状態から第2の開状態の間の状態においては、第1回動軸125は回動できないため、筐体101の開閉ができない。
【0056】
第1回動軸125の内部には、図7の中段右側から、中空状の第1回動軸軸受137が装着される。この第1回動軸軸受137の溝137aはスリット125dと同方向に向けられて取り付けられている。
【0057】
ヒンジユニット138には、可撓性基板139とケーブル140とが組み付けられる。コーナー部139aを有する可撓性基板139は、第1の筐体部材101aと第2の筐体部材101bを電気的に接続する。コーナー部139aの片端側は第1回動軸軸受137の廻りに巻回されて第1巻回部139bを形成し、コーナー部139aは溝137aから第1回動軸軸受137の中に通される。コーナー部139aの他端側はスリット125dを通過して第1回動軸125の外へ脱出し、第1回動軸125廻りを約半周巻回され、さらに、第2回動軸126廻りに巻回されて第2巻回部139cを形成し、第1の筐体部材101aに接続される。
【0058】
第1の筐体部材101aに設けられたアンテナ103と第2の筐体部材101bに設けられた送受信部117とを電気的に接続するケーブル140は、第1回動軸軸受137の端部より第1回動軸軸受137の中に通され、スリット125dから出て第1の筐体部材101a側へと延設され、第2巻回部139cの内側を通ってアンテナ103に接続される。
【0059】
ヒンジユニット138に可撓性基板139とケーブル140とが組付けられた後、外装用のフロントカバー141およびリアカバー142が締結ネジ143によって固定される。フロントカバー141およびリアカバー142には、それぞれ係合爪141a,142aとネジ挿通穴141b,142bが設けられている。ネジ挿通穴141b,142bは第2回動軸126に設けたブラケット134側を向くように設けられている。また、フロントカバー141とリアカバー142は、ヒンジユニット138を囲むように挟んで係合爪141a,142aを係合させ、締結ネジ143がネジ挿通穴141b,142bを通して第1回動軸125のネジ穴125eに螺着されて、この構成によりヒンジ部102が完成する。
【0060】
小径部128bの先端に形成されたDカット部128dは、第2の筐体部材101bのヒンジ装着部101cに設けられたD形の穴101eに支承され、また、第1回動軸軸受137の外周は、第2の筐体部材101bのヒンジ装着部101dの軸受部101fに支承されて、ヒンジ部102は第2の筐体部材101bに装着される。また、ブラケット135には第1の筐体部材101aが装着される。
【0061】
上述のように構成された本実施形態の通信端末にあっては、第1の開状態でユーザがレシーバ106に耳を当てて使用したり、手に持ってハンズフリーで用いたりすることができる。また、メールを読んだり文字入力をする場合には、ユーザ側へ操作部105と第1表示部112が向くように持つが、このとき、左右何れの手で持ってもスピーカ107を覆うことがないため、ユーザはスピーカ107から出力される音声を明瞭に聞くことができる。
【0062】
次に、図1〜図10を参照して、本実施形態の通信端末の動作について説明する。図10は、本発明の一実施形態に係る通信端末のモード別の機能を説明するための説明図である。同図に示すように、本実施形態の通信端末に電源が投入された状態では、音声通信モードが開始され、操作部105を操作することでモード切替を実行し、非音声通信モードまたはカメラモードで各機能操作を行えるように構成されている。
【0063】
音声通信モードでは、音声および非音声通信の受信待受動作を開始する。音声の着信動作や発信動作を行うことで相手と会話をすることができる。受信待受状態において、筐体101が閉状態では第2表示部113に、開状態では第1表示部112に、それぞれ時刻等が表示されるが、着信した場合には時刻等の表示が消えて相手の発信番号が表示される。相手の発信番号が名前と共に予め電話帳に登録されているならば、相手の名前が表示される。この後、操作部105を操作することで、受話を開始することができる。
【0064】
非音声通信モードでは、受信待ち受け状態を維持しながら、操作部105より入力した文字情報を第1表示部112に表示させ、かつ、送信機能を用いて相手に文字情報や情報記録部121に保存された音声、非音声(画像等)情報を送信することができる。
【0065】
この文字情報または音声、非音声情報を受信した時に、筐体101が開いている場合ば第1表示部112に、筐体101が閉じている場合には第2表示部113に、それぞれ当該情報の受信を報知するメッセージが表示される。また、ユーザによる所定の操作によって、文字情報や画像情報を第1および第2表示部112,113に表示することができる。なお、音声または非音声通信を行うときには、送信相手を確定するために電話帳機能を利用することができる。即ち、この電話帳機能を用いて相手名を第1表示部112に表示させ、選択して確定することができる。
【0066】
カメラモードにおいて、カメラ部109による撮影は第1の開状態および第2の開状態で行える。第1の開状態で第1表示部112側のユーザ自身を撮影すると、第1表示部112に鏡像が表示されるため、ユーザは鏡を見ているときの状態と同じ状態になる。しかも、ユーザが前方の人(被写体)を撮影するために、第1の筐体部材101aを回動して第2の開状態にすると、第1表示部112に鏡像が表示され、第2表示部113に反転鏡像が表示される。したがって、ユーザは、第2表示部113に表示される反転鏡像を見ることで確認することができる。一方、被写体である前方の人は、自分がどのように撮影されているかを第1表示部112に表示される前記鏡像を見ることで確認することができる。
【0067】
撮影を行うユーザは、第2表示部113に表示される撮像画像を見ることで、どのように撮影されているかを見ることができる。また、撮影している撮像画像を前方の人に見られたくない場合には、操作部105を操作して、第2の開状態で第1表示部112に表示される撮像画像を非表示に設定することができる。
【0068】
また、撮影した撮像画像は静止画または動画として情報記録部121に記録できる。情報記録部121に記録された動画・静止画像を再生するときには、所定の操作を行って、撮像した撮像画像を第1表示部112に表示させ、目視することができる。この撮影した撮像画像は、電話番号情報に関連付けて電話帳に記憶することができる。画像情報と関連付けられた電話番号から着信があった場合、筐体101が閉状態のときは第2表示部113に撮像画像の反転鏡像が表示され、開状態であれば第1または第2表示部112,113に撮像画像の反転鏡像が表示される。即ち、撮影時には鏡像が表示されていても、録画された画像を読み出したときには反転鏡像が表示される。また、カメラ部109が撮影した撮影画像を通信相手に送信もできる。
【0069】
いずれのモードにおいても、着信した場合は当該着信を報知するため、スピーカ107から着信音が出力される。このとき、筐体101が閉状態であっても、スピーカ107から出力される着信音はクリアランス123を介して筐体101外に導かれるため、ユーザにとっては着信音が明瞭に聞こえる。また、筐体101が開状態では、スピーカ107の前方が開放されているため、ユーザが着信音を聞き取りづらくなることはない。さらに、マナーモードに設定されている場合は、着信音は出力されずバイブレータ部104だけが動作し、所定時間だけ筐体101を振動させるように構成している。
【0070】
次に、筐体101の回動動作について説明する。
閉状態の筐体101を開くと、第1回動軸125の軸心を中心に回動する。このとき、可撓性基板139の第1巻回部139bの巻回数は、第1回動軸125と共に回動する第1回動軸軸受137が回動した分だけ減少するため、可撓性基板139に生じている曲げ応力も減少する。ケーブル140は、第1回動軸125の軸心と略一致して配置されているため、曲げ応力の増減はなく、ねじり応力のみが発生する。また、筐体101が第1の開状態から閉状態に戻るときは、閉状態から開くときの動作が逆転して行われる。
【0071】
また、第1の筐体部材101aをS方向へ180度回動させ、第1の開状態から第2の開状態になるときは、可撓性基板139の第2巻回部139cの巻回数は、第2回動軸126が回動した分だけ巻回数を増減させる。可撓性基板139は巻回数を増減させるだけなので、曲げ応力のみが増減し、ねじり応力は発生しない。ケーブル140は、第2回動軸126が回動した分だけ第2回動軸126に巻き付けられるが、第2回動軸126は第1回動軸125より小径であるため、巻き付けられたときの曲率半径も小さく、大きな曲げ応力の発生を回避することができる。
【0072】
即ち、可撓性基板139は、第1、第2回動軸125,126の軸心を中心にして第1、第2巻回部139b,139cを形成しているため、第1、第2回動軸125,126が回動しても第1、第2巻回部139b,139cの曲率、巻回数が変化するのみである。そのため、回動時、可撓性基板139に発生する引張りや撓みは第1、第2巻回部139b,139cによって吸収されるため、曲げ応力のみが変化し、ねじり応力の発生は回避される。
【0073】
筐体101が閉状態、第1の開状態および第2の開状態では、締結ネジ143の頭部は第1の筐体部材101aと対向しているため、締結ネジ143は第1の筐体部材101aによって隠れている。筐体101が第1の開状態から第2の開状態へ回動しているときのみ、締結ネジ143の頭部が露呈される。しかしながら、ユーザは各モード下で当該通信端末を使用するため、締結ネジ143が露呈されている上記回動中は動作しない。したがって、閉状態や通常の使用時(開状態)に、締結ネジ143が露呈することによる外観品位の低下を回避できる。特に、雑誌やカタログ等に写真が掲載されても締結ネジ143が写らないため、デザイン性を損なわない。
【0074】
なお、本実施形態では、筐体101が閉状態のときに、第1の筐体部材101aと第2の筐体部材101bとの間にクリアランス123bを形成するための突起123aを第2の筐体部材101bの表面に形成したが、これと同様の突起を第1の筐体部材101aに設けるなど、他の部位に設けても良い。また、第1の筐体部材101aを締結するネジを隠すためのカバー部材を第1の筐体部材101aの表面から突出させるなど、他の方法を用いても良い。なお、筐体101が閉状態であっても、スピーカ107から出力される音声を筐体101外に導くことができるようにするためには、スピーカ107を配設した筐体部材と対向する筐体部材との間にクリアランス123bを形成すれば良い。
【0075】
以上説明したように、本実施形態の開閉式の通信端末によれば、第1回動軸125の回動に連れてカバー部材(フロントカバー141およびリアカバー142)が同時に回動するため、当該カバー部材を第1回動軸125に常に密着させることができる。したがって、第1回動軸125を軸とした回動の際に第1回動軸125とカバー部材との間に隙間が生じないため、雨水等の浸入を防ぐことができる。また、第2回動軸126の回動角度を第1回動軸125の内部に設けた部材で規制しているため、回転半径を小さくでき、結果としてヒンジ部102を小型化できる。
【0076】
また、第1の開状態から第2回動軸126が180度回動して第2の開状態となっているとき、第1回動軸125の回動を防止することができるため、第1の筐体部材101aのヒンジ側稜部が第2の筐体部材101bの主面101gと当接することを回避でき、ユーザが誤操作しようとした場合でも、第1の筐体部材101aによって第2の筐体部材101bの主面101gに打痕を与えることを簡単な構造で防止することができる。しかも、第1の回動軸125および第2の回動軸126の回動に際しては、簡単な構成でクリック感が得られるため、ユーザは回動の開始や終了を容易に認識することができる。
【0077】
また、筐体101が閉状態および開状態(第1の開状態および第2の開状態)では、ヒンジユニット138を構成するカバー部材(フロントカバー141およびリアカバー142)を第1回動軸125に固定するための締結ネジ143の頭部が隠れるまたは露呈しないため、外観上の見栄えを向上させることができる。また、第1の筐体部材101aを回動させている間の状態では締結ネジ143の頭部が露呈するため、カバー部材の取り外しが容易となる。さらに、当該通信端末を手に持つユーザは、第2表示部113に表示される反転鏡像を見ることで確認することが可能となり、一方、被写体である前方の人は、自分がどのように撮影されているかを第1表示部112に表示される鏡像を見ることで確認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明に係る開閉式の通信端末は、回動軸とカバー部材との間の隙間が小さいヒンジ装置又は回動軸の回転半径が小さな小型のヒンジ装置を備えた機器等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信端末の閉じた状態を示す斜視図
【図2】本発明の一実施形態に係る通信端末の第1の開いた状態を示す斜視図
【図3】本発明の一実施形態に係る通信端末の第2の開いた状態を示す斜視図
【図4】本発明の一実施形態に係る通信端末の横断面図
【図5】本発明の一実施形態に係る通信端末の電気的構成を示すブロック図
【図6】本実施形態の通信端末が備える筐体の分解斜視図
【図7】図6に示すヒンジ部の分解斜視図
【図8】筐体が第1の開状態におけるヒンジ部の断面図
【図9】ヒンジ部に装着されるカムの動作について説明する説明図(カム線図)
【図10】本発明の一実施形態に係る通信端末のモード別の機能を説明するための説明図
【図11】特開2000−240636号公報のヒンジ装置の平面図(A)および側面図(B)
【図12】従来のヒンジ部を挿通するフレキシブルプリント基板の平面図
【符号の説明】
【0080】
101 筐体
101a 第1の筐体部材
101b 第2の筐体部材
101c,101d ヒンジ装着部
101e D形の穴
101f 軸受部
102 ヒンジ部
103 アンテナ
104 バイブレータ部
105 操作部
106 レシーバ
107 スピーカ
108 マイクロフォン
109 カメラ部
110 第1ホール素子
111 第2ホール素子
112 第1表示部
113 第2表示部
114 第1永久磁石
115 第2永久磁石
116 プリント基板
117 送受信部
118 データ処理部
119 音声処理部
120 画像処理部
121 情報記録部
122 制御部
123a 突起
123b クリアランス
124 電池
125 第1回動軸
125a 切欠き部
125b 支承部
125c 仕切り部
125d スリット
125e ネジ穴
126 第2回動軸
127 支承板
127a 凹部
127b 支承孔
128 案内軸
128a 太径部
128b 小径部
128c 平行溝
128d Dカット部
129 第1コイルばね
130 第1クリック凸板
130a 凸部
131 第1クリック凹板
131a 凹部
132 カム
133 第2クリック凸板
133a 凸部
134 第2コイルばね
135 ブラケット
135a 孔
136 Eリング
137 第1回動軸軸受
137a 溝
138 ヒンジユニット
139 可撓性基板
139a コーナー部
139b 第1巻回部
139c 第2巻回部
140 ケーブル
141 フロントカバー
141a 係合爪
141b ネジ挿通孔
142 リアカバー
142a 係合爪
142b ネジ挿通孔
143 締結ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ部によって開閉可能に連結されている2つの筐体部材によって構成された開閉式の通信端末であって、
前記ヒンジ部は、
前記2つの筐体部材が所定方向に回動する際の軸となる中空状の第1回動軸と、
前記2つの筐体部材の一方が他方に対して、前記第1回動軸を軸とした回動方向と直交する方向に回動する際の軸となる第2回動軸と、
前記第1回動軸および前記第2回動軸を覆うカバー部材と、を有し、
前記カバー部材は前記第1回動軸に固着されていることを特徴とする開閉式の通信端末。
【請求項2】
前記第1回動軸の中空状となった内部に、前記2つの筐体部材の状態に応じて、前記第1回動軸を軸とした回動および前記第2回動軸を軸とした回動を規制する回動規制手段を有することを特徴とする請求項1記載の開閉式の通信端末。
【請求項3】
前記回動規制手段の規制による当該通信端末の安定的な状態は、
前記2つの筐体部材がそれぞれ対向する折り畳まれた状態と、
前記第1回動軸を軸として第1の所定角度まで回動することによって前記折り畳まれた状態の通信端末を開いた第1の開状態と、
前記第1の開状態から前記第2回動軸を軸として前記第2の所定角度まで回動した第2の開状態と、のいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の開閉式の通信端末。
【請求項4】
前記回動規制手段は、
前記第1の開状態では、前記第2回動軸を軸とした回動を所定方向および第2の所定角度に限定し、
前記第2の開状態では、前記第1回動軸を軸とした回動を禁止し、かつ、前記第2回動軸を軸とした回動を前記第2の所定方向とは反対の方向および前記所定角度に限定し、
前記折り畳まれた状態から前記第1の開状態となるまでの間の状態では、前記第2回動軸を軸とした回動を禁止することを特徴とする請求項3記載の開閉式の通信端末。
【請求項5】
前記カバー部材は締結ネジによって前記第1回動軸に固着され、
前記締結ネジは、前記折り畳まれた状態および前記第1の開状態では前記筐体部材によって覆われ、前記第1の開状態から前記第2の開状態となるまでの間の状態のとき露呈する位置で、前記カバー部材を前記第1回動軸に固着していることを特徴とする請求項3または4記載の開閉式の通信端末。
【請求項6】
前記第1の開状態から前記第2の開状態となるために前記第2回動軸を軸として回動する前記第2の所定角度が180度であり、
当該通信端末の前記第1の開状態または前記第2の開状態を検出する状態検出手段を備え、
前記2つの筐体部材の一方が、片面にカメラ部および当該カメラ部で撮影された映像を表示可能な第1表示部を有し、前記片面とは反対側の面に前記カメラ部で撮影された映像に基づく映像を表示可能な第2表示部を有し、
前記折り畳まれた状態または前記第1の開状態では、前記第1表示部は前記カメラ部で撮影された映像の鏡像を表示し、
前記第2の開状態では、前記第1表示部は前記カメラ部で撮影された映像の鏡像を表示すると共に、前記第2表示部は前記鏡像の反転鏡像を表示することを特徴とする請求項3、4または5記載の開閉式の通信端末。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項記載の開閉式の通信端末における前記ヒンジ部を構成するヒンジ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−3009(P2007−3009A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−220000(P2006−220000)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【分割の表示】特願2002−245109(P2002−245109)の分割
【原出願日】平成14年8月26日(2002.8.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】