開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置
【課題】ウィンドウガラスが全閉位置にないときもウィンドウガラスの破損を検出することができる開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置を提供する。
【解決手段】ウィンドウガラスホルダ24によりウィンドウガラス5を車両の開口部に沿って移動させるべくウィンドウガラス5が支持されている。捩りコイルばね42によりウィンドウガラスホルダ24が捩る方向に付勢されている。ウィンドウガラスの破損時にはウィンドウガラスホルダ24が捩る方向に変位し、センサ43によりウィンドウガラスホルダ24の変位が検出される。
【解決手段】ウィンドウガラスホルダ24によりウィンドウガラス5を車両の開口部に沿って移動させるべくウィンドウガラス5が支持されている。捩りコイルばね42によりウィンドウガラスホルダ24が捩る方向に付勢されている。ウィンドウガラスの破損時にはウィンドウガラスホルダ24が捩る方向に変位し、センサ43によりウィンドウガラスホルダ24の変位が検出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、盗難防止のために車両のウィンドウガラスの割れを検知する装置が開示されている。この装置においては、図10に示すように、ウィンドウガラス100が窓開口部を閉止した全閉位置にあるときに、このウィンドウガラス100を支持するケーブル式ウィンドウレギュレータ110のキャリアプレート111をウィンドウガラス100の閉止方向に付勢する圧縮コイルばね120を設け、ウィンドウガラス100が破損したときに、ウィンドウガラス100に設けたストッパピン105と車体側の係止部106とによる規制が解除され、キャリアプレート111が圧縮コイルばね120によってウィンドウガラス100の全閉位置よりも閉止側に移動することとなり、リミットスイッチ130がこれを検出してウィンドウガラス100の破損を検出する。
【特許文献1】特開平11−321564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、ウィンドウガラス100が全閉位置にないとき、即ち、換気のためにウィンドウガラス100を少し開けていたときには、上記検出装置はウィンドウガラス100が全閉位置よりも閉止側に変位することを検出する構成のため、ウィンドウガラス100の破損を検出することができなかった。
【0004】
本発明は、このような背景の下になされたものであり、その目的は、ウィンドウガラスが全閉位置にないときもウィンドウガラスの破損を検出することができる開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明では、車両の開口部を開閉自在なウィンドウガラスの破損を検出する開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置において、前記ウィンドウガラスを前記車両の開口部に沿って移動させるべく前記ウィンドウガラスを支持するウィンドウガラス支持部材と、前記ウィンドウガラス支持部材を、捩る方向に付勢する、または前記ウィンドウガラスの閉止方向と交差する方向に付勢する付勢手段と、前記ウィンドウガラスの破損に伴う前記ウィンドウガラス支持部材の変位を検出する検出手段とを備えたことを要旨とする。
【0006】
これにより、ウィンドウガラスを車両の開口部に沿って移動させるべくウィンドウガラス支持部材がウィンドウガラスを支持しており、この状態からウィンドウガラスが破損すると、付勢手段によりウィンドウガラス支持部材が捩る方向またはウィンドウガラスの閉止方向と交差する方向に変位し、検出手段によりウィンドウガラス支持部材の変位が検出される。その結果、ウィンドウガラスが全閉位置にないときも、ウィンドウガラスが破損するとウィンドウガラス支持部材は変位するため、ウィンドウガラスの破損を検出することができる。
【0007】
請求項2の記載の発明では、前記付勢手段は、ウィンドウガラスにおける、ウィンドウガラスの破損に伴う前記ウィンドウガラス支持部材が接触する部位での粉砕を行う力で付勢してなる。
【0008】
これにより、従来(特許文献1)においては、図10のウィンドウガラス100には、通常、強化ガラスが用いられている。このウィンドウガラスに衝撃が加えられた場合、粉々に破損するようになっているが、ウィンドウガラスの一部が粉砕せずに残ることがある。特に、キャリアプレート111にウィンドウガラス100が残った場合、従来装置では、閉止方向へ動かない時にはウィンドウガラス100の破損が検出されないおそれがある。これに対し本発明においては、ウィンドウガラスが破損するとその強度が低下することにより、ウィンドウガラス支持部材にウィンドウガラスの一部が残ったとしても、この部位で粉砕されウィンドウガラス支持部材が変位するため、ウィンドウガラスの破損を確実に検出することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置において、ウィンドウガラスは強化ガラスからなる。これにより実用上好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ウィンドウガラスが全閉位置にないときもウィンドウガラスの破損を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、乗用車における右前ドアでの分解斜視図であり、図2は乗用車における右前ドアでの概略正面図である。
【0012】
図1に示すように、車両ドア1はアウタパネル2とインナパネル3を具備している。アウタパネル2とインナパネル3の間に、強化ガラスからなるウィンドウガラス5が配置されている。ウィンドウガラス5の厚さは3.1mm〜5.0mm程度である。
【0013】
車両ドア1の内部には、ウィンドウガラス5を上下動するウィンドウレギュレータ10が収納されている。本実施形態においては、ウィンドウレギュレータ10としてXアーム式ウィンドウレギュレータを用いている。インナパネル3にはドア部品組付穴3aが穿設されており、このドア部品組付穴3aを塞ぐようにモジュラーパネル6が設けられている。
【0014】
Xアーム式ウィンドウレギュレータ10は、ベースプレート(固定ベース)11を介して、モジュラーパネル6の室外側の面に支持されている。即ち、モジュラーパネル6の室外側の面に固定するベースプレート11には、Xアーム式ウィンドウレギュレータ10のリフトアーム12の軸13が支持されている。ベースプレート11には電動駆動ユニット14が固定されている。リフトアーム12は、図2に示すように軸13を中心とするセクタギヤ(ドリブンギヤ)15を一体に有しており、図1の電動駆動ユニット14は、このセクタギヤ15と噛み合うピニオン16(図2)及びその駆動モータ(図示せず)を備えている。
【0015】
図2において、リフトアーム12の長さ方向の中間部分には、軸17でイコライザアーム18の中間部分が枢着されている。リフトアーム12とイコライザアーム18の上端部(先端部)にはそれぞれ、ガイドピース(ローラ)19,20が回転及び傾動可能に枢着されており、イコライザアーム18の下端部には、ガイドピース(ローラ)21が枢着されている。
【0016】
このリフトアーム12のガイドピース19と、イコライザアーム18のガイドピース20とは、ウィンドウガラスブラケット22に移動自在に嵌められ、イコライザアーム18のガイドピース21は、図1のモジュラーパネル6の室外側の面に固定するイコライザアームブラケット(姿勢維持レール)23に移動自在に案内される。
【0017】
一方、ウィンドウガラス5の下縁にはその前後においてウィンドウガラスホルダ24が固定されている。このウィンドウガラスホルダ24はウィンドウガラスブラケット22と共に上下動する。
【0018】
図2に示すように、前後一対のガラスラン26が立設されている。このガラスラン26はゴム材よりなる。レール部材としての前後一対のガラスラン26によりウィンドウガラス5が移動自在に支持されている。即ち、ウィンドウガラス5の前後の端部がガラスラン26に案内されて上下に移動することができるようになっている。
【0019】
図1の電動駆動ユニット14を介してピニオン16を正逆に駆動すると、セクタギヤ15を介してリフトアーム12が軸13を中心に揺動し、その結果、ウィンドウガラスブラケット22(ウィンドウガラス5)が、イコライザアーム18、ガイドピース19,20,21、イコライザアームブラケット23により略水平状態に保持されながら昇降運動する。このようにウィンドウガラス5が昇降され、ウィンドウガラス5により車両の開口部4が開閉自在となっている。
【0020】
図3に示すように、ウィンドウガラス支持部材としてのウィンドウガラスホルダ24はウィンドウガラス5を車両の開口部4に沿って移動させるべくウィンドウガラス5を支持しており、このウィンドウガラスホルダ24を含めて、不正侵入防止用の開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置30が構成されている。図3(a)は破損検出装置30の正面図であり、(b)は(a)のA−A線での縦断面図である。図4は図3(a)の平面図(B矢視図)である。図5は主要部品の分解斜視図である。
【0021】
図3,5において、ウィンドウガラスホルダ24は、断面U字状のガラス把持部24aと、ガラス把持部24aの下面から突出する円柱部24bを有している。円柱部24bの先端(下端)には円柱部24bよりも拡径なる抜止部24eが形成されている。断面U字状のガラス把持部24aの内部にウィンドウガラス5が差し込まれ、接着剤により固定されている。ウィンドウガラスホルダ24とウィンドウガラスブラケット22との間に配するホルダステー41は、ブロック部41aと、ブロック部41aの下面から突出するプレート部41bを有している。ホルダステー41のプレート部41bはボルト25によりウィンドウガラスブラケット22に固定されている。
【0022】
ホルダステー41のブロック部41aには溝41cが形成され、溝41cはブロック部41aの上面および一側面(図3(a)の右側面)に開口している。溝41cの内部にウィンドウガラスホルダ24の円柱部24bが位置し、かつ、抜止部24eが溝41cの底面に形成した抜止孔41eに嵌め入れられ、この状態でウィンドウガラスホルダ24がホルダステー41上で回動(摺動)することができるようになっている。即ち、ウィンドウガラスホルダ24はホルダステー41上に搭載され、かつ捩る方向に摺動可能に支持されている。また、ウィンドウガラスホルダ24の抜止部24eがホルダステー41の抜止孔41eに嵌っていることによりウィンドウガラスホルダ24とホルダステー41とは一体的に上下に移動する。
【0023】
ウィンドウガラスホルダ24の円柱部24bの周囲には捩りコイルばね42が配置されている。捩りコイルばね42はその一端がウィンドウガラスホルダ24のガラス把持部24aの下面のストッパ(突起)24cに係止されるとともに他端がホルダステー41の溝41cの底面のストッパ(突起)41dに係止されている。この捩りコイルばね42によりウィンドウガラスホルダ24に対し円柱部24bを中心として捩り力が付与されている。詳しくは、図4においてウィンドウガラスホルダ24の位置として二点鎖線で示す捩りコイルばね42に付勢力が加わっていない状態、即ち、ウィンドウガラス5に組付けていない状態から、捩りコイルばね42の付勢力に抗してウィンドウガラスホルダ24を45°回動させる(ウィンドウガラスホルダ24の位置として図4中、実線で示す状態にする)。この状態でウィンドウガラス5に組付けられ、この状態ではウィンドウガラスホルダ24が付勢手段としての捩りコイルばね42により捩る方向に所定の力以上で付勢されている。
【0024】
一方、ホルダステー41のブロック部41aの上面におけるウィンドウガラスホルダ24のガラス把持部24aと対向する部位にはセンサ43が埋め込まれ、検出手段としてのセンサ43は上方にウィンドウガラスホルダ24のガラス把持部24aが存在するか否か判定する。つまり、センサ43は、ウィンドウガラス5が破損して捩りコイルばね42の付勢力によりウィンドウガラスホルダ24が捩る方向に変位したことを検出することができるようになっている。
【0025】
センサ43に関して、具体的には、磁気式センサ、接触式センサ、光学式センサ等を用いることができ、要は、ウィンドウガラス5の破損に伴うウィンドウガラスホルダ24の変位を検出できるものであればよい。例えば、光学式センサであれば、光を上方に向かって発射してウィンドウガラスホルダ24のガラス把持部24aによる反射光を受光するか否かによりオン・オフ動作する構成を挙げることができる。
【0026】
センサ43には図3(a)に示すようにコントローラ48を介して警報装置49が接続されている。
次に、このように構成した開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の作用、即ち、ウィンドウガラス5が壊された(割られた)ときの動作を説明する。
【0027】
通常時においては、ウィンドウガラス5を車両の開口部4に沿って移動させるべくウィンドウガラスホルダ24がウィンドウガラス5を支持している。このとき、図7に示すように、図3,4に示す捩りコイルばね42によりウィンドウガラスホルダ24は捩じる方向に付勢されている。
【0028】
この状態からウィンドウガラス5が破損すると、捩りコイルばね42によりウィンドウガラスホルダ24が回動、即ち、捩る方向に変位する。これに伴い、図6,8に示すように、センサ43上にウィンドウガラスホルダ24のガラス把持部24aが存在しなくなり、センサ43がオンとなる。これによりウィンドウガラス5の破損が検出される(センサ43によりウィンドウガラスホルダ24の変位が検出される)。
【0029】
その結果、図2に示すように、ウィンドウガラス5が全閉位置にないときも、ウィンドウガラス5が破損するとウィンドウガラスホルダ24は変位するため、ウィンドウガラス5の破損を検出することができる。つまり、従来(特許文献1)においてはウィンドウガラスの全閉時のウィンドウガラスの移動を検出していたためウィンドウガラスが全閉位置にないときはウィンドウガラスの破損を検出することができなかったが、本実施形態では換気等のためにウィンドウガラスを少し開けてウィンドウガラスが全閉位置にないときもウィンドウガラスの破損を検出することができる。
【0030】
ここで、ウィンドウガラス5の破損に伴いウィンドウガラス5が完全に粉砕せずにウィンドウガラス5の下縁部分が残った場合には次のようになる。
捩りコイルばね42によるウィンドウガラスホルダ24のウィンドウガラス5への付勢力は、ウィンドウガラス5における、ウィンドウガラス5の破損に伴うウィンドウガラスホルダ24が接触する部位での粉砕を行うことができるものとなっている。よって、強化ガラスからなるウィンドウガラス5の一部が破損すると、ウィンドウガラス5のすべてにひびが入り強度が著しく低下する。この状態で捩りコイルばね42の付勢力により強化ガラス(ウィンドウガラス5)が部分的に粉々にされる。これにより、図6,8に示すように、ウィンドウガラスホルダ24が回動、即ち、捩る方向に変位しセンサ43がオンしてウィンドウガラスホルダ24の変位が検出される。
【0031】
従来(特許文献1)においては、図10のウィンドウガラス100には、通常、強化ガラスが用いられ、ウィンドウガラスに衝撃が加えられた場合、粉々に破損するようになっているが、ウィンドウガラスの一部が粉砕せずに残ることがある。特に、キャリアプレート111付近にウィンドウガラス100が残った場合、従来装置では、閉止方向へ動かない時にはウィンドウガラス100の破損が検出されないおそれがあった。これに対し本実施形態においては、ウィンドウガラスが破損するとその強度が低下することにより、ウィンドウガラスホルダ24にウィンドウガラスの一部が残ったとしても、この部位で粉砕されウィンドウガラスホルダ24が変位するため、ウィンドウガラスの破損を確実に検出することができる。
【0032】
このようにして、強化ガラスは一部が割れるとすべてにひびが入り強度が著しく低下する特徴を利用して未検知、誤検知を極力少なくすることができる。
センサ43がオン動作することによりウィンドウガラス5の破損が検出されると、図3のコントローラ48は警報装置49を作動して警報を発する。
【0033】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置として、ウィンドウガラス5を車両の開口部4に沿って移動させるべくウィンドウガラス5を支持するウィンドウガラスホルダ(ウィンドウガラス支持部材)24と、ウィンドウガラスホルダ24を捩る方向に付勢する捩りコイルばね(付勢手段)42と、ウィンドウガラス5の破損に伴うウィンドウガラスホルダ24の変位を検出するセンサ(検出手段)43とを備えた。これにより、換気等のためにウィンドウガラスを少し開けてウィンドウガラスが全閉位置にないときもウィンドウガラスの破損を検出することができる。
【0034】
また、従来技術(特許文献1)においてはレギュレータへの細工が必要であり、信頼性、品質が低下する可能性があるが、本実施形態ではレギュレータへの細工が不要であり、信頼性、品質に優れたものとすることができる。また、従来技術においては構造が複雑であるためコストアップを招きやすいが、本実施形態では簡単な構成とでき比較的安価にウィンドウガラスの破損検出装置を提供することができる。
【0035】
(2)捩りコイルばね42は、ウィンドウガラス5における、ウィンドウガラス5の破損に伴うウィンドウガラスホルダ24が接触する部位での粉砕を行う力で付勢している。これにより、ウィンドウガラス5の破損に伴いウィンドウガラス5が完全に粉砕せずに残るような場合でもウィンドウガラスホルダ24が変位するため、ウィンドウガラスの破損を確実に検出することができる。
【0036】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
上述した実施形態においてはウィンドウガラス支持部材としてのウィンドウガラスホルダ24を捩る方向に付勢しウィンドウガラス5の破損時にウィンドウガラスホルダ24が捩る方向に変位したことを検出したが、これに代わり、図9に示すように圧縮コイルばね50によりウィンドウガラスホルダ24をウィンドウガラス5の閉止方向と交差する方向に付勢し、ウィンドウガラス5の破損時にウィンドウガラスホルダ24がウィンドウガラスの閉止方向と交差する方向に変位したことを検出するようにしてもよい。詳しくは、ホルダステー41のブロック部41aにはその上面および一側面に開口する溝41cが形成され、溝41c内に、ウィンドウガラスホルダ24のガラス把持部24aの下面から突出する突起24dが図9(a)での右方向に摺動可能であり、溝41c内に配した圧縮コイルばね50によりウィンドウガラスホルダ24が図9(a)での右方向に付勢されている。そして、ウィンドウガラス5の破損時にウィンドウガラスホルダ24を図9(a)での右方向に移動(変位)させセンサ43にて検出する。
【0037】
ウィンドウレギュレータとしてXアーム式ウィンドウレギュレータを用いたが、ケーブル式ウィンドウレギュレータを用いてもよい。
また、駆動手段としてはモータを有するものだけではなく、乗員の手動によるものでもよい。
【0038】
また、ウィンドウガラスの破損検出装置を乗用車における右前ドアに適用したが、他の側部ドアに適用してもよいことは云うまでもなく、また、側部ドアの他にも、後部ドアや屋根に設けられた開閉式ガラスルーフに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】乗用車における右前ドアでの分解斜視図。
【図2】乗用車における右前ドアでの概略正面図。
【図3】(a)は開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の正面図、(b)は(a)のA−A線での縦断面図。
【図4】図3(a)のB矢視図。
【図5】開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の主要部品の分解斜視図。
【図6】作用を説明するための図3(a)のB矢視図。
【図7】開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の斜視図。
【図8】開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の斜視図。
【図9】(a)は別例の開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の正面図、(b)は(a)のA−A線での縦断面図。
【図10】従来技術を説明するための検出装置の正面図。
【符号の説明】
【0040】
1…車両ドア、4…開口部、5…ウィンドウガラス、24…ウィンドウガラスホルダ、30…開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置、42…捩りコイルばね、43…センサ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、盗難防止のために車両のウィンドウガラスの割れを検知する装置が開示されている。この装置においては、図10に示すように、ウィンドウガラス100が窓開口部を閉止した全閉位置にあるときに、このウィンドウガラス100を支持するケーブル式ウィンドウレギュレータ110のキャリアプレート111をウィンドウガラス100の閉止方向に付勢する圧縮コイルばね120を設け、ウィンドウガラス100が破損したときに、ウィンドウガラス100に設けたストッパピン105と車体側の係止部106とによる規制が解除され、キャリアプレート111が圧縮コイルばね120によってウィンドウガラス100の全閉位置よりも閉止側に移動することとなり、リミットスイッチ130がこれを検出してウィンドウガラス100の破損を検出する。
【特許文献1】特開平11−321564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、ウィンドウガラス100が全閉位置にないとき、即ち、換気のためにウィンドウガラス100を少し開けていたときには、上記検出装置はウィンドウガラス100が全閉位置よりも閉止側に変位することを検出する構成のため、ウィンドウガラス100の破損を検出することができなかった。
【0004】
本発明は、このような背景の下になされたものであり、その目的は、ウィンドウガラスが全閉位置にないときもウィンドウガラスの破損を検出することができる開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明では、車両の開口部を開閉自在なウィンドウガラスの破損を検出する開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置において、前記ウィンドウガラスを前記車両の開口部に沿って移動させるべく前記ウィンドウガラスを支持するウィンドウガラス支持部材と、前記ウィンドウガラス支持部材を、捩る方向に付勢する、または前記ウィンドウガラスの閉止方向と交差する方向に付勢する付勢手段と、前記ウィンドウガラスの破損に伴う前記ウィンドウガラス支持部材の変位を検出する検出手段とを備えたことを要旨とする。
【0006】
これにより、ウィンドウガラスを車両の開口部に沿って移動させるべくウィンドウガラス支持部材がウィンドウガラスを支持しており、この状態からウィンドウガラスが破損すると、付勢手段によりウィンドウガラス支持部材が捩る方向またはウィンドウガラスの閉止方向と交差する方向に変位し、検出手段によりウィンドウガラス支持部材の変位が検出される。その結果、ウィンドウガラスが全閉位置にないときも、ウィンドウガラスが破損するとウィンドウガラス支持部材は変位するため、ウィンドウガラスの破損を検出することができる。
【0007】
請求項2の記載の発明では、前記付勢手段は、ウィンドウガラスにおける、ウィンドウガラスの破損に伴う前記ウィンドウガラス支持部材が接触する部位での粉砕を行う力で付勢してなる。
【0008】
これにより、従来(特許文献1)においては、図10のウィンドウガラス100には、通常、強化ガラスが用いられている。このウィンドウガラスに衝撃が加えられた場合、粉々に破損するようになっているが、ウィンドウガラスの一部が粉砕せずに残ることがある。特に、キャリアプレート111にウィンドウガラス100が残った場合、従来装置では、閉止方向へ動かない時にはウィンドウガラス100の破損が検出されないおそれがある。これに対し本発明においては、ウィンドウガラスが破損するとその強度が低下することにより、ウィンドウガラス支持部材にウィンドウガラスの一部が残ったとしても、この部位で粉砕されウィンドウガラス支持部材が変位するため、ウィンドウガラスの破損を確実に検出することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置において、ウィンドウガラスは強化ガラスからなる。これにより実用上好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ウィンドウガラスが全閉位置にないときもウィンドウガラスの破損を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、乗用車における右前ドアでの分解斜視図であり、図2は乗用車における右前ドアでの概略正面図である。
【0012】
図1に示すように、車両ドア1はアウタパネル2とインナパネル3を具備している。アウタパネル2とインナパネル3の間に、強化ガラスからなるウィンドウガラス5が配置されている。ウィンドウガラス5の厚さは3.1mm〜5.0mm程度である。
【0013】
車両ドア1の内部には、ウィンドウガラス5を上下動するウィンドウレギュレータ10が収納されている。本実施形態においては、ウィンドウレギュレータ10としてXアーム式ウィンドウレギュレータを用いている。インナパネル3にはドア部品組付穴3aが穿設されており、このドア部品組付穴3aを塞ぐようにモジュラーパネル6が設けられている。
【0014】
Xアーム式ウィンドウレギュレータ10は、ベースプレート(固定ベース)11を介して、モジュラーパネル6の室外側の面に支持されている。即ち、モジュラーパネル6の室外側の面に固定するベースプレート11には、Xアーム式ウィンドウレギュレータ10のリフトアーム12の軸13が支持されている。ベースプレート11には電動駆動ユニット14が固定されている。リフトアーム12は、図2に示すように軸13を中心とするセクタギヤ(ドリブンギヤ)15を一体に有しており、図1の電動駆動ユニット14は、このセクタギヤ15と噛み合うピニオン16(図2)及びその駆動モータ(図示せず)を備えている。
【0015】
図2において、リフトアーム12の長さ方向の中間部分には、軸17でイコライザアーム18の中間部分が枢着されている。リフトアーム12とイコライザアーム18の上端部(先端部)にはそれぞれ、ガイドピース(ローラ)19,20が回転及び傾動可能に枢着されており、イコライザアーム18の下端部には、ガイドピース(ローラ)21が枢着されている。
【0016】
このリフトアーム12のガイドピース19と、イコライザアーム18のガイドピース20とは、ウィンドウガラスブラケット22に移動自在に嵌められ、イコライザアーム18のガイドピース21は、図1のモジュラーパネル6の室外側の面に固定するイコライザアームブラケット(姿勢維持レール)23に移動自在に案内される。
【0017】
一方、ウィンドウガラス5の下縁にはその前後においてウィンドウガラスホルダ24が固定されている。このウィンドウガラスホルダ24はウィンドウガラスブラケット22と共に上下動する。
【0018】
図2に示すように、前後一対のガラスラン26が立設されている。このガラスラン26はゴム材よりなる。レール部材としての前後一対のガラスラン26によりウィンドウガラス5が移動自在に支持されている。即ち、ウィンドウガラス5の前後の端部がガラスラン26に案内されて上下に移動することができるようになっている。
【0019】
図1の電動駆動ユニット14を介してピニオン16を正逆に駆動すると、セクタギヤ15を介してリフトアーム12が軸13を中心に揺動し、その結果、ウィンドウガラスブラケット22(ウィンドウガラス5)が、イコライザアーム18、ガイドピース19,20,21、イコライザアームブラケット23により略水平状態に保持されながら昇降運動する。このようにウィンドウガラス5が昇降され、ウィンドウガラス5により車両の開口部4が開閉自在となっている。
【0020】
図3に示すように、ウィンドウガラス支持部材としてのウィンドウガラスホルダ24はウィンドウガラス5を車両の開口部4に沿って移動させるべくウィンドウガラス5を支持しており、このウィンドウガラスホルダ24を含めて、不正侵入防止用の開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置30が構成されている。図3(a)は破損検出装置30の正面図であり、(b)は(a)のA−A線での縦断面図である。図4は図3(a)の平面図(B矢視図)である。図5は主要部品の分解斜視図である。
【0021】
図3,5において、ウィンドウガラスホルダ24は、断面U字状のガラス把持部24aと、ガラス把持部24aの下面から突出する円柱部24bを有している。円柱部24bの先端(下端)には円柱部24bよりも拡径なる抜止部24eが形成されている。断面U字状のガラス把持部24aの内部にウィンドウガラス5が差し込まれ、接着剤により固定されている。ウィンドウガラスホルダ24とウィンドウガラスブラケット22との間に配するホルダステー41は、ブロック部41aと、ブロック部41aの下面から突出するプレート部41bを有している。ホルダステー41のプレート部41bはボルト25によりウィンドウガラスブラケット22に固定されている。
【0022】
ホルダステー41のブロック部41aには溝41cが形成され、溝41cはブロック部41aの上面および一側面(図3(a)の右側面)に開口している。溝41cの内部にウィンドウガラスホルダ24の円柱部24bが位置し、かつ、抜止部24eが溝41cの底面に形成した抜止孔41eに嵌め入れられ、この状態でウィンドウガラスホルダ24がホルダステー41上で回動(摺動)することができるようになっている。即ち、ウィンドウガラスホルダ24はホルダステー41上に搭載され、かつ捩る方向に摺動可能に支持されている。また、ウィンドウガラスホルダ24の抜止部24eがホルダステー41の抜止孔41eに嵌っていることによりウィンドウガラスホルダ24とホルダステー41とは一体的に上下に移動する。
【0023】
ウィンドウガラスホルダ24の円柱部24bの周囲には捩りコイルばね42が配置されている。捩りコイルばね42はその一端がウィンドウガラスホルダ24のガラス把持部24aの下面のストッパ(突起)24cに係止されるとともに他端がホルダステー41の溝41cの底面のストッパ(突起)41dに係止されている。この捩りコイルばね42によりウィンドウガラスホルダ24に対し円柱部24bを中心として捩り力が付与されている。詳しくは、図4においてウィンドウガラスホルダ24の位置として二点鎖線で示す捩りコイルばね42に付勢力が加わっていない状態、即ち、ウィンドウガラス5に組付けていない状態から、捩りコイルばね42の付勢力に抗してウィンドウガラスホルダ24を45°回動させる(ウィンドウガラスホルダ24の位置として図4中、実線で示す状態にする)。この状態でウィンドウガラス5に組付けられ、この状態ではウィンドウガラスホルダ24が付勢手段としての捩りコイルばね42により捩る方向に所定の力以上で付勢されている。
【0024】
一方、ホルダステー41のブロック部41aの上面におけるウィンドウガラスホルダ24のガラス把持部24aと対向する部位にはセンサ43が埋め込まれ、検出手段としてのセンサ43は上方にウィンドウガラスホルダ24のガラス把持部24aが存在するか否か判定する。つまり、センサ43は、ウィンドウガラス5が破損して捩りコイルばね42の付勢力によりウィンドウガラスホルダ24が捩る方向に変位したことを検出することができるようになっている。
【0025】
センサ43に関して、具体的には、磁気式センサ、接触式センサ、光学式センサ等を用いることができ、要は、ウィンドウガラス5の破損に伴うウィンドウガラスホルダ24の変位を検出できるものであればよい。例えば、光学式センサであれば、光を上方に向かって発射してウィンドウガラスホルダ24のガラス把持部24aによる反射光を受光するか否かによりオン・オフ動作する構成を挙げることができる。
【0026】
センサ43には図3(a)に示すようにコントローラ48を介して警報装置49が接続されている。
次に、このように構成した開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の作用、即ち、ウィンドウガラス5が壊された(割られた)ときの動作を説明する。
【0027】
通常時においては、ウィンドウガラス5を車両の開口部4に沿って移動させるべくウィンドウガラスホルダ24がウィンドウガラス5を支持している。このとき、図7に示すように、図3,4に示す捩りコイルばね42によりウィンドウガラスホルダ24は捩じる方向に付勢されている。
【0028】
この状態からウィンドウガラス5が破損すると、捩りコイルばね42によりウィンドウガラスホルダ24が回動、即ち、捩る方向に変位する。これに伴い、図6,8に示すように、センサ43上にウィンドウガラスホルダ24のガラス把持部24aが存在しなくなり、センサ43がオンとなる。これによりウィンドウガラス5の破損が検出される(センサ43によりウィンドウガラスホルダ24の変位が検出される)。
【0029】
その結果、図2に示すように、ウィンドウガラス5が全閉位置にないときも、ウィンドウガラス5が破損するとウィンドウガラスホルダ24は変位するため、ウィンドウガラス5の破損を検出することができる。つまり、従来(特許文献1)においてはウィンドウガラスの全閉時のウィンドウガラスの移動を検出していたためウィンドウガラスが全閉位置にないときはウィンドウガラスの破損を検出することができなかったが、本実施形態では換気等のためにウィンドウガラスを少し開けてウィンドウガラスが全閉位置にないときもウィンドウガラスの破損を検出することができる。
【0030】
ここで、ウィンドウガラス5の破損に伴いウィンドウガラス5が完全に粉砕せずにウィンドウガラス5の下縁部分が残った場合には次のようになる。
捩りコイルばね42によるウィンドウガラスホルダ24のウィンドウガラス5への付勢力は、ウィンドウガラス5における、ウィンドウガラス5の破損に伴うウィンドウガラスホルダ24が接触する部位での粉砕を行うことができるものとなっている。よって、強化ガラスからなるウィンドウガラス5の一部が破損すると、ウィンドウガラス5のすべてにひびが入り強度が著しく低下する。この状態で捩りコイルばね42の付勢力により強化ガラス(ウィンドウガラス5)が部分的に粉々にされる。これにより、図6,8に示すように、ウィンドウガラスホルダ24が回動、即ち、捩る方向に変位しセンサ43がオンしてウィンドウガラスホルダ24の変位が検出される。
【0031】
従来(特許文献1)においては、図10のウィンドウガラス100には、通常、強化ガラスが用いられ、ウィンドウガラスに衝撃が加えられた場合、粉々に破損するようになっているが、ウィンドウガラスの一部が粉砕せずに残ることがある。特に、キャリアプレート111付近にウィンドウガラス100が残った場合、従来装置では、閉止方向へ動かない時にはウィンドウガラス100の破損が検出されないおそれがあった。これに対し本実施形態においては、ウィンドウガラスが破損するとその強度が低下することにより、ウィンドウガラスホルダ24にウィンドウガラスの一部が残ったとしても、この部位で粉砕されウィンドウガラスホルダ24が変位するため、ウィンドウガラスの破損を確実に検出することができる。
【0032】
このようにして、強化ガラスは一部が割れるとすべてにひびが入り強度が著しく低下する特徴を利用して未検知、誤検知を極力少なくすることができる。
センサ43がオン動作することによりウィンドウガラス5の破損が検出されると、図3のコントローラ48は警報装置49を作動して警報を発する。
【0033】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置として、ウィンドウガラス5を車両の開口部4に沿って移動させるべくウィンドウガラス5を支持するウィンドウガラスホルダ(ウィンドウガラス支持部材)24と、ウィンドウガラスホルダ24を捩る方向に付勢する捩りコイルばね(付勢手段)42と、ウィンドウガラス5の破損に伴うウィンドウガラスホルダ24の変位を検出するセンサ(検出手段)43とを備えた。これにより、換気等のためにウィンドウガラスを少し開けてウィンドウガラスが全閉位置にないときもウィンドウガラスの破損を検出することができる。
【0034】
また、従来技術(特許文献1)においてはレギュレータへの細工が必要であり、信頼性、品質が低下する可能性があるが、本実施形態ではレギュレータへの細工が不要であり、信頼性、品質に優れたものとすることができる。また、従来技術においては構造が複雑であるためコストアップを招きやすいが、本実施形態では簡単な構成とでき比較的安価にウィンドウガラスの破損検出装置を提供することができる。
【0035】
(2)捩りコイルばね42は、ウィンドウガラス5における、ウィンドウガラス5の破損に伴うウィンドウガラスホルダ24が接触する部位での粉砕を行う力で付勢している。これにより、ウィンドウガラス5の破損に伴いウィンドウガラス5が完全に粉砕せずに残るような場合でもウィンドウガラスホルダ24が変位するため、ウィンドウガラスの破損を確実に検出することができる。
【0036】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
上述した実施形態においてはウィンドウガラス支持部材としてのウィンドウガラスホルダ24を捩る方向に付勢しウィンドウガラス5の破損時にウィンドウガラスホルダ24が捩る方向に変位したことを検出したが、これに代わり、図9に示すように圧縮コイルばね50によりウィンドウガラスホルダ24をウィンドウガラス5の閉止方向と交差する方向に付勢し、ウィンドウガラス5の破損時にウィンドウガラスホルダ24がウィンドウガラスの閉止方向と交差する方向に変位したことを検出するようにしてもよい。詳しくは、ホルダステー41のブロック部41aにはその上面および一側面に開口する溝41cが形成され、溝41c内に、ウィンドウガラスホルダ24のガラス把持部24aの下面から突出する突起24dが図9(a)での右方向に摺動可能であり、溝41c内に配した圧縮コイルばね50によりウィンドウガラスホルダ24が図9(a)での右方向に付勢されている。そして、ウィンドウガラス5の破損時にウィンドウガラスホルダ24を図9(a)での右方向に移動(変位)させセンサ43にて検出する。
【0037】
ウィンドウレギュレータとしてXアーム式ウィンドウレギュレータを用いたが、ケーブル式ウィンドウレギュレータを用いてもよい。
また、駆動手段としてはモータを有するものだけではなく、乗員の手動によるものでもよい。
【0038】
また、ウィンドウガラスの破損検出装置を乗用車における右前ドアに適用したが、他の側部ドアに適用してもよいことは云うまでもなく、また、側部ドアの他にも、後部ドアや屋根に設けられた開閉式ガラスルーフに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】乗用車における右前ドアでの分解斜視図。
【図2】乗用車における右前ドアでの概略正面図。
【図3】(a)は開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の正面図、(b)は(a)のA−A線での縦断面図。
【図4】図3(a)のB矢視図。
【図5】開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の主要部品の分解斜視図。
【図6】作用を説明するための図3(a)のB矢視図。
【図7】開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の斜視図。
【図8】開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の斜視図。
【図9】(a)は別例の開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置の正面図、(b)は(a)のA−A線での縦断面図。
【図10】従来技術を説明するための検出装置の正面図。
【符号の説明】
【0040】
1…車両ドア、4…開口部、5…ウィンドウガラス、24…ウィンドウガラスホルダ、30…開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置、42…捩りコイルばね、43…センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の開口部を開閉自在なウィンドウガラスの破損を検出する開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置において、
前記ウィンドウガラスを前記車両の開口部に沿って移動させるべく前記ウィンドウガラスを支持するウィンドウガラス支持部材と、
前記ウィンドウガラス支持部材を、捩る方向に付勢する、または前記ウィンドウガラスの閉止方向と交差する方向に付勢する付勢手段と、
前記ウィンドウガラスの破損に伴う前記ウィンドウガラス支持部材の変位を検出する検出手段と
を備えたことを特徴とする開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置。
【請求項2】
前記付勢手段は、ウィンドウガラスにおける、ウィンドウガラスの破損に伴う前記ウィンドウガラス支持部材が接触する部位での粉砕を行う力で付勢してなる
ことを特徴とする請求項1に記載の開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置。
【請求項3】
前記ウィンドウガラスは強化ガラスからなる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置。
【請求項1】
車両の開口部を開閉自在なウィンドウガラスの破損を検出する開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置において、
前記ウィンドウガラスを前記車両の開口部に沿って移動させるべく前記ウィンドウガラスを支持するウィンドウガラス支持部材と、
前記ウィンドウガラス支持部材を、捩る方向に付勢する、または前記ウィンドウガラスの閉止方向と交差する方向に付勢する付勢手段と、
前記ウィンドウガラスの破損に伴う前記ウィンドウガラス支持部材の変位を検出する検出手段と
を備えたことを特徴とする開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置。
【請求項2】
前記付勢手段は、ウィンドウガラスにおける、ウィンドウガラスの破損に伴う前記ウィンドウガラス支持部材が接触する部位での粉砕を行う力で付勢してなる
ことを特徴とする請求項1に記載の開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置。
【請求項3】
前記ウィンドウガラスは強化ガラスからなる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の開閉式ウィンドウガラスの破損検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−73264(P2009−73264A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242632(P2007−242632)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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