説明

電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラム

【課題】複数系統の電力源を有効利用し、本構成を有しない場合に比べて、省エネルギー化を向上する。
【解決手段】第2のモードの電力源として、商用電源14を直接供給する場合(第1の電源)、商用電源14の電力を蓄電デバイス30の充電に利用する場合(第2の電源)、商用電源14以外の電力源(本実施の形態では、回生エネルギー蓄積部32、ソーラーパネル34)の電力量を充電に利用する場合(第3の電源)が選択される。
通常は、第3の電源を供給し、電力が不足(充電が足りない)とき第2の電源に切り替え、さらに、電力切替コントローラ12の動作を維持できない電力に近い場合は第1の電源を供給している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の画像処理装置では、太陽電池や二次電池による電源を省エネルギーモードに利用することが提案されている。
【0003】
特許文献1には、太陽電池等の第2のエネルギー摂取手段が摂取するエネルギーを優先的に消費し、規定値を下回る恐れのある場合、商用電源からな第1のエネルギー摂取手段が消費するように制御することが記載されている。
【0004】
特許文献2には、二次電池の給電状況を監視し、しきい値電圧に応じて、二次電池からの供給、主電源からの供給を切り替えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−271249号公報
【特許文献2】特開2003−29579公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、複数系統の電力源を有効利用し、本構成を有しない場合に比べて、省エネルギー化を向上することができる電力供給制御装置、画像処理装置、電力供給制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、商用電源から電力の供給を受けて全稼働状態となる第1のモード、通常状態で商用電源以外から充電された蓄電部材からの電力の供給を受けて、少なくとも処理の受付を許可する必要最小限の稼動状態となる第2のモードの何れかを選択する選択手段と、前記選択手段で選択されたモードで電力を供給する電力供給手段と、前記第2のモードで適用される前記蓄電部材の蓄電量を計測する蓄電量計測手段と、前記蓄電量計測手段で計測した蓄電量が、予め定めた所定値以下の場合に緊急状態と判断し、前記商用電源の電力で蓄電する緊急蓄電手段と、を有している。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記緊急蓄電手段による充電率が、100%よりも低くし、前記商用電源以外からの電力の供給を受けて残りを充電する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第2のモードを実行することで達成した、節電情報を出力可能に記憶する記憶手段をさらに有する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記処理を実行するデバイスとして、原稿画像を読み取る画像読取手段と、画像データに基づいて記録用紙へ画像を形成する画像形成手段と、外部と画像を送受信するファクシミリ通信手段と、を有する画像処理装置である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、コンピュータを、前記請求項1〜請求項3の何れか1項記載の電力供給制御装置として実行させる電力供給制御プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、請求項4、請求項5記載の発明によれば、複数系統の電力源を有効利用し、本構成を有しない場合に比べて、省エネルギー化を向上することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、商用電源以外の電力源を有用とすることができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、省エネルギー化の効果を実感し、所謂「見える化」を明確にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態に係る画像処理装置の概略図である。
【図2】本実施の形態に係るメインコントローラと電源装置との概略構成図である。
【図3】本実施の形態に係る電力供給系を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係る電力切替コントローラにおける、電源供給回路と充電基切替制御のための機能ブロック図である。
【図5】本実施の形態に係るメインコントローラにおける電力供給制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態に係る電力切替コントローラにおける電力供給制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態に係る充電基切替制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】(A)はメインコントローラにおける消費電力履歴表示制御ルーチンを示すフローチャート、(B)は図8(A)の制御のUIタッチパネル上での表示例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部240と、原稿画像を読み取る画像読取部238と、ファクシミリ通信制御回路236を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ200を備えており、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ通信制御回路236を制御して、画像読取部238で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部240又はファクシミリ通信制御回路236へ送出したりする。
【0017】
メインコントローラ200には図示しないインターネット等のネットワーク通信回線網が接続され、ファクシミリ通信制御回路236には図示しない電話回線網が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、ネットワーク通信回線網を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路236を介して電話回線網を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
【0018】
画像形成部240は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、顕像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0019】
画像読取部238は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0020】
(メインコントローラ200)
図2は、前記メインコントローラ200の概略構成図である。
【0021】
図2に示される如く、メインコントローラ200は、CPU204、RAM206、ROM208、I/O(入出力部)210、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス212を有している。I/O210には、UI制御回路214を介してUIタッチパネル216が接続されている。また、I/O210には、ハードディスク(HDD)218、節電ボタン219が接続されている。ROM208やハードディスク218等に記録されているプログラムに基づいて、CPU204が動作することによって、メインコントローラ200の機能を実現する。なお、該プログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをインストールし、これに基づいてCPU204が動作することにより画像処理機能を実現してもよい。
【0022】
なお、節電ボタン219は、所謂ハードスイッチ(物理的に操作するスイッチ)であり、押圧操作する毎に、装置に対して、節電、節電解除を交互に指示するようになっている。
【0023】
本実施の形態のメインコントローラ200は、画像処理デバイスに対して、待機モード、スリープモードを指示するようになっている。待機モードは電力供給状態であり、スリープモードは電力遮断状態である。また、本実施の形態では、メインコントローラ200自体も、電力遮断状態となる場合がある(スリープ0状態)。
【0024】
I/O210には、タイマ回路220、通信回線I/F222が接続されている。さらに、I/O210には、デバイス選択I/F234に接続されている。
【0025】
デバイス選択I/F234は、ファクシミリ通信制御回路(モデム)236、画像読取部238、画像形成部240の各デバイスに接続されている。
【0026】
なお、前記タイマ回路220は、前記ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240を節電状態(電源非供給状態)とするための契機として、初期設定時間の計時を行うものである。
【0027】
メインコントローラ200及び各画像処理デバイス(ファクシミリ通信制御回路236、画像読取部238、画像形成部240)は、電力切替コントローラ12(図3参照)から電源が供給される。
【0028】
(電力供給系統)
図3には、本実施の形態の示される如く、メインコントローラ200及び各画像処理デバイスへ電力を供給するためのシステム図が示されている。なお、図3では、電源線を1本の点線で示しているが、実際には2本〜3本の配線である。
【0029】
画像処理装置10は、図1に示すように壁面Wまで配線された商用電源14の配線プレート16にコンセント18を差し込むことで電力の供給を受けるようになっている。
【0030】
図3に示される如く、コンセント18は、主電源スイッチ20の一端部に接続されている。また、主電源スイッチ20の他端部は、トライアック22を介して、定着部電圧供給部24、第1の低電圧供給部26(以下、「LVPS1」という場合がある)、第2の低電圧供給部28(以下、「LVPS2」という場合がある)にそれぞれ接続されている。定着部電圧供給部28は、主として画像形成部240の定着部に適用されるヒータ(ハロゲンランプやIHヒータ等)の加熱に適用される。また、LVPS1は、主として、画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ(FAX)通信制御回路236の動作系に適用される。さらに、LVPS2は、主としてメインコントローラ200の電力源として適用される。
【0031】
ここで、LVPS2は、直接メインコントローラ200へ電力を供給する配線はなされておらず、電力切替コントローラ12に接続されている。
【0032】
この電力切替コントローラ12には、蓄電デバイス30が接続されている。すなわち、本実施の形態は、メインコントローラ200へ商用電力を供給する第1のモードと、前記蓄電デバイス30から電力を供給する第2のモードを設定している。
【0033】
蓄電デバイス30には、予め定められた電力量が蓄積されるようになっており、その電力源として、前記商用電源の電力他、回生用モータ46からの電力、ソーラーパネル34による発電電力が供給され、充電される。
【0034】
例えば、蓄電デバイス30には、70%の電力を商用電源からの電力で充電し、残りの30%を回生用モータ46及びソーラーパネル34からの電力で充電するように設定されている。なお、この設定は一例であり、全て回生用モータ46或いはソーラーパネル34で充電する設定であってもよい。
【0035】
前記メインコントローラ200では、処理(以下、「ジョブ」という場合がある)の受付が予め定めた時間連続してない場合、或いは、節電ボタン219が操作された場合、画像処理デバイス(画像形成部240、画像読取部238、ファクシミリ(FAX)通信制御回路236)への電力供給を遮断する制御を実行する。
【0036】
このとき、電力切替コントローラ12では、蓄電デバイス30の電力量が予め定めた電力量以上となっている場合、メインコントローラ200への商用電源14からの電力の供給も遮断する。この電力遮断は、メインコントローラ200から電力切替コントローラ12を介して、トライアック22の通電を遮断することにより実現される。このため、メインコントローラ200は、そのほとんどの機能を失うことになる。
【0037】
但し、メインコントローラ200の一部において、ジョブ受付等の起動信号を受けて機能を復帰させるICチップ(例えば、ブートROM)のみに電力を供給する必要があるため、電力切替コントローラ12から蓄電デバイス30に蓄積された電力を供給する。この電力は、例えば、1W〜1.5W程度である。
【0038】
この状態の画像処理装置10は、商用電源14からの電力を一切受けていないため、消費電力が0の状態(「スリープ0」状態)である。
【0039】
この状態で、例えば、リモートジョブを受け付けた場合(すなわち、ネットワーク通信回線網からプリント指示等を受け付けた場合)、メインコントローラ200では、起動プログラムによって起動する。この起動は、電力切替コントローラ12がトライアック22に対して通電することにより実現される。
【0040】
商用電源14からの電力の供給が復帰すると、メインコントローラ200では、各画像処理デバイスに対して電力供給を制御して、受け付けたジョブを実行する。
【0041】
ここで、本実施の形態では、第2のモードの電力源として、商用電源14を直接供給する場合(第1の電源)、商用電源14の電力を蓄電デバイス30の充電に利用する場合(第2の電源)、商用電源14以外の電力源(本実施の形態では、回生エネルギー蓄積部32、ソーラーパネル34)の電力量を充電に利用する場合(第3の電源)が選択される。
【0042】
通常は、第3の電源を供給し、電力が不足(充電が足りない)とき第2の電源に切り替え、さらに、電力切替コントローラ12の動作を維持できない電力に近い場合は第1の電源を供給している。
【0043】
図4は、電力切替コントローラ12における、電力供給回路に設けられた切替制御のための機能ブロック図が示されている。
【0044】
電力切替コントローラ12の主要制御部である第2のモード管理制御部40には、商用電源14から第1の切替スイッチ42を介して、電力が供給されるようになっている(第1の電源)。
【0045】
この商用電源14は、第2の切替スイッチ44を介して、蓄積デバイス30のプラス側端子に接続されている。蓄電デバイス30のマイナス側はアースされている。これにより、蓄電デバイス30には、商用電源14からの電力が充電されるようになっている(第2の電源)。
【0046】
画像処理装置10内に設けられた何れかの回生用モータ46(特に、限定されない)の駆動によって発生する発電部(例えば、回転中の回転軸に取り付けられたダイナモや、停止時の逆起電力等を蓄積する回生エネルギー蓄積部32)に配線された信号線48、及びソーラーパネル34によって発生する発電部に配線された信号線50は、蓄電デバイス30のプラス側端子に接続されている。蓄電デバイス30のマイナス側はアースされている。これにより、蓄電デバイス30には、回生エネルギー蓄積部30、ソーラーパネル34からの電力が充電されるようになっている(第3の電源)。
【0047】
蓄電デバイス32の両端には、それぞれ電圧検出信号線52、54が接続され、充電量監視部56の一部を構成する電圧センサ58に接続されている。
【0048】
電圧センサ58は、電圧値取込部60に接続され、適宜電圧値が取り込まれるようになっている。
【0049】
電圧取込部60は、判定部62に接続されている。判定部62は、予め定められた充電量しきい値(電圧値)と比較することで、蓄電デバイス32の充電量が充分か否か(OK/NG)が判断され、その結果を電源系統切替制御部64へ出力する。
【0050】
電源系統切替部64は、第1の切替スイッチ42、第2の切替スイッチ44を切り替えるための信号を生成し、信号線66、68によって出力する役目を有しており、この電源系統切替部64から出力される信号線により、第2のモードにおける電源系統が選択されるようになっている。
【0051】
また、前記第2のモード管理制御部40には、電力消費量監視部70が接続されており、低電圧供給部28(LVPS2)からの消費電力情報と、蓄電デバイス32からの消費電力情報とが、入力されるようになっている。この電力消費量監視部70では、双方の電力消費量に基づいて、その比率を演算し、演算結果を電力消費量履歴記憶部72へ送出する。
【0052】
電力消費量履歴記憶部72では、年月日、時間を横軸とした電力消費量遷移特性が記憶されるようになっている。なお、記憶容量に応じて、所謂先入れ先出しの法則に従い、古い順に削除してくようにしてもよい。
【0053】
電力消費量履歴記憶部72に記憶された情報は、メインコントローラ200が通常に電力が供給されているときに読み出され、電力消費量遷移特性がUIタッチパネル216等の指示に基づき、表示されるようになっている。
【0054】
以下、本実施の形態の作用を説明する。
【0055】
図5及び図6は、電力供給制御の流れを示すフローチャートである。
【0056】
図5は、メインコントローラ200における電力供給制御であり、ステップ100では、ジョブを受け付けたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ102へ移行して、ジョブの実行処理を行い、このルーチンは終了する。
【0057】
また、ステップ100で否定判定されると、ステップ104へ移行して所定時間が経過したか否かが判断される。このステップ104で否定判定されると、ステップ106へ移行して、節電ボタン219が操作されたか否かが判断される。また、このステップ106で否定判定されると、このルーチンは終了する。
【0058】
前記ステップ104で肯定判定されると、ステップ110へ移行して、画像処理デバイスをスリープモードへ遷移させ、次いでステップ112へ移行して、蓄電デバイス30の電力用を読み出し、ステップ114へ移行する。ステップ114では、商用電源14を遮断しても充分な電力量が蓄積されているか否か(商用電源遮断OKか否か)が判断され、肯定判定されると、ステップ116へ移行して第2のモードへ遷移させる。第2のモードは、蓄電デバイス30から電力が供給されるモードである。
【0059】
次のステップ118では、電力切替コントローラ12へ制御主体を移行して、このルーチンは終了する。また、ステップ114で否定判定、すなわち、商用電源14を遮断できないと判断(蓄積デバイス30の電力量が不十分と判断)された場合は、メインコントローラ200には、商用電源14から電力を供給し、このルーチンは終了する。なお、このフローチャートでは、記載しないが、例えば、商用電源14又はソーラーパネル34からの充電が進み、蓄電デバイス30が充分な電力量となった時点で、第2のモードへ遷移させるようにしてもよい。
【0060】
前記ステップ106で肯定判定された場合、すなわち、節電ボタン219が操作された場合は、ステップ104で肯定判定(所定時間が経過したとき)と同じ制御であり、ステップ110へ移行して、上記工程を実行する。
【0061】
次に、図6は、電力切替コントローラ200における電力供給制御であり、ステップ152では、節電ボタン219が操作されたか否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ154へ移行して、メインコントローラ200からジョブ受付情報があったか否かが判断される。このステップ154で否定判定された場合は、ステップ152へ戻り、ステップ152、154の何れかで肯定判定されるまで繰り返す。
【0062】
ステップ152又はステップ154で肯定判定されると、ステップ156へ移行して、第1のモードへ遷移させる。この第1のモードは、商用電源14から電力が供給されるモードであり、具体的には、トライアック22をオンさせる動作である。
【0063】
次のステップ158では、メインコントローラ200が制御可能な状態に立ち上がったか否かが判断される。この「制御可能な状態に立ち上がる」とは、LVPS1、LVPS2の一次側に商用電源14の電力が供給され、二次側から正常電圧(例えば、5V)が出力されたか否かが判断される。このステップ158で肯定判定されると、ステップ166へ移行して、メインコントローラ200へ制御主体を移行して、この電力切替コントローラ12での電力供給制御を終了する。
【0064】
次に、図7のフローチャートに従い、蓄電デバイスの充電量監視制御ルーチンを示す。
【0065】
ステップ170では、蓄電デバイス32の電力量を計測し、次いでステップ172へ移行して充電量の判定を実行する。
【0066】
次のステップ174では、判定の結果で充電量が充分か(OK?)否か(NG?)、或いは異常状態かを判断する。異常状態は、何らかの原因で蓄電デバイス32の電力量が極めて少なく、電力切替コントローラ12の稼動を維持できない状態となった場合であり、この異常状態と判定された場合は、ステップ176へ移行して、第1の切替スイッチ42を切り替えて、商用電源14で直接電力切替コントローラ12を制御する(第1の電源)。
【0067】
また、ステップ174で、NGと判定された場合は、ステップ178へ移行して、商用電源14の電力を直接供給中か否かが判断される。
【0068】
ステップ178で肯定判定された場合は、ステップ180へ移行して、商用電源14の電力の直接供給を終了して、ステップ182へ移行する。また、ステップ178で否定判定された場合は、ステップ182へ移行する。
【0069】
ステップ182では、商用電源14で蓄電デバイス32を充電中か否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ184へ移行して、第2の切替スイッチ44を切り替えて、商用電源14で蓄電デバイス32の充電を開始し、このルーチンは終了する。また、ステップ182で肯定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0070】
前記ステップ174で、OKと判定された場合は、ステップ186へ移行して、商用電源14の電力を直接供給中か否かが判断される。
【0071】
ステップ186で肯定判定された場合は、ステップ188へ移行して、商用電源14の電力の直接供給を終了して、ステップ190へ移行する。また、ステップ186で否定判定された場合は、ステップ190へ移行する。
【0072】
ステップ190では、商用電源14で蓄電デバイス32を充電中か否かが判断され、肯定判定された場合は、ステップ192へ移行して、第2の切替スイッチ44を切り替えて、商用電源14での蓄電デバイス32の充電を終了し、このルーチンは終了する。また、ステップ190で否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0073】
図8は、メインコントローラ200における、消費電力履歴表示制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0074】
ステップ300では、UIタッチパネル216の操作で表示指示があったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ302へ移行して電力消費履歴記憶部72から情報を読み出し、ステップ304へ移行する。ステップ304では、取得した情報を編集し、次いでステップ306へ移行して、電力消費量履歴を表示する。表示形態は、例えば、図8(B)のようなグラフィカルな遷移特性であってもよいし、数字の羅列であってもよい。
【0075】
また、ステップ300で否定判定された場合は、ステップ308へ移行して、表示終了の指示があったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ310へ移行して、表示を終了する。
【0076】
なお、本実施の形態では、図4の回路図上で、第1の切替スイッチ42、第2の切替スイッチ44を、単純なメカ的スイッチの記号で示したが、半導体スイッチ等に置き換えてもよい。また、第1の切替スイッチ42において、低電圧供給部28(LVPS2)から電力を受けるときと、蓄電デバイス32から電力を受ける場合との切替時期に、双方からの給電が遮断されず、両者の給電時期が重なり、かつ逆流しない構成とすることが好ましい。例えば、単純に、低電圧供給部28(LVPS2)からの電源線と、蓄電デバイス32からの電源線との接続点の上流側に、それぞれ互いにカソード側を対向させるようにダイオードを介在させるようにすればよい。
【符号の説明】
【0077】
10 画像処理装置
W 壁面
14 商用電源
16 配線プレート
18 コンセント
20 メインスイッチ
22 トライアック
24 高電圧供給部
26 第1の低電圧供給部
28 第2の低電圧供給部
30 蓄電デバイス
32 回生エネルギー蓄積部
34 ソーラーパネル
40 第2のモード管理制御部
42 第1の切替スイッチ
44 第2の切替スイッチ
46 モータ
48 信号線
50 信号線
52、54 電圧検出信号線
56 充電量監視部
58 電圧センサ
60 電圧値取込部
62 判定部
64 電源系統切替制御部
66、68 信号線
200 メインコントローラ
204 CPU
206 RAM
208 ROM
210 I/O(入出力部)
212 バス
214 UI制御回路
216 UIタッチパネル
218 ハードディスク
219 節電ボタン
220 タイマ回路
222 通信回線I/F
234 デバイス選択I/F
236 ファクシミリ通信制御回路
238 画像読取部
240 画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源から電力の供給を受けて全稼働状態となる第1のモード、通常状態で商用電源以外から充電された蓄電部材からの電力の供給を受けて、少なくとも処理の受付を許可する必要最小限の稼動状態となる第2のモードの何れかを選択する選択手段と、
前記選択手段で選択されたモードで電力を供給する電力供給手段と、
前記第2のモードで適用される前記蓄電部材の蓄電量を計測する蓄電量計測手段と、
前記蓄電量計測手段で計測した蓄電量が、予め定めた所定値以下の場合に緊急状態と判断し、前記商用電源の電力で蓄電する緊急蓄電手段と、
を有する電力供給制御装置。
【請求項2】
前記緊急蓄電手段による充電率を100%よりも低くし、前記商用電源以外からの電力の供給を受けて残りの充電率分を充電する請求項1記載の電力供給制御装置。
【請求項3】
前記第2のモードを実行することで達成した、節電情報を出力可能に記憶する記憶手段をさらに有する請求項1又は請求項2記載の電力供給制御装置。
【請求項4】
前記請求項1〜請求項3の何れか1項記載の電力供給制御装置を備え、前記処理を実行するデバイスとして、原稿画像を読み取る画像読取手段と、画像データに基づいて記録用紙へ画像を形成する画像形成手段と、外部と画像を送受信するファクシミリ通信手段と、を有する画像処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、前記請求項1〜請求項3の何れか1項記載の電力供給制御装置として実行させる電力供給制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−199983(P2011−199983A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62447(P2010−62447)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】