説明

電力変換システムのための最大電力点追尾およびその方法

【課題】電力変換システムのための最大電力点追尾およびその方法を提供する。
【解決手段】ソーラパワー変換システム10は、ソーラパワーソース12と電力グリッド18との間をインターフェースするように構成されたソーラパワーコンバータ14と、最大電力点追尾回路26と、電力コントローラ16とを含む。最大電力点追尾回路26は、ソーラパワーソース12から電流信号Ipv_fbkおよび電圧信号Vpv_fbkを受け取り、MPPT基準信号Vmppt_ref、Imppt_ref、Pmppt_refを生成する。電力コントローラ16は、MPPT基準信号Vmppt_ref、Imppt_ref、Pmppt_refと出力電圧フィードバック信号Vline_fbkと出力電流フィードバック信号Iline_fbk基づいて出力交流電力電力調節制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、電力を変換して電気システムに送るための電力変換システムおよび方法に関し、より詳細には、改良された最大電力点追尾能力を有する電力変換システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽発電システムによって生成されるソーラパワーなどの再生可能な電力は、世界中で大きなエネルギー源になりつつある。典型的な太陽発電システムは、相互接続された複数の太陽電池を有する1つまたは複数の光電池アレイ(PVアレイ)を含む。PVアレイの太陽電池はソーラエネルギーをDC電力に変換する。PVアレイの出力を電力グリッドにインターフェースするために、通常、ソーラパワーコンバータを使用し、PVアレイからのDC電力をAC電力に変え、電力グリッドに供給する。
【0003】
PVアレイからのDC電力出力をAC電力に変換するために、種々のソーラパワーコンバータ構成が存在する。ソーラパワーコンバータの一実装形態は、DC−DCコンバータ段およびDC−ACコンバータ段を含む2つの段を有する。DC−DCコンバータは、PVアレイからDCバスへのDC電力の流れを制御する。DC−ACコンバータ段は、DCバスに供給されるDC電力を、電力グリッドへと出力され得るAC電力に変換する。既存のソーラパワーコンバータは、電力コンバータコントローラをさらに使用し、DCバス電圧およびAC格子電圧および周波数などの種々のシステム変数を補償するようにDC−DCコンバータおよびDC−ACコンバータを調節する。
【0004】
ソーラパワーソースの固有の非線形的な特性により、ソーラパワーソースの最適な動作点を正確に予測することは容易ではない。したがって、ほとんどすべての既存のソーラパワーコンバータコントローラは、太陽発電プロセス中にソーラパワーソースから確実に最大電力が抽出されるようにするための最大電力点追尾(maximum power point tracking(MPPT))機能を有するように構成される。このMPPT機能は、例えば、摂動・観測(perturbation and observation(P&O))アルゴリズムおよびインクリメンタルコンダクタンス(incremental conductance)アルゴリズムなどの、種々のMPPTアルゴリズムのうちの1つを実装することによって達成され得る。ソーラパワー変換システムが電力グリッドに接続される場合、これらの従来のMPPTアルゴリズムを実装するにはいくつかの制限がある。1つの問題は、MPPT出力電力がライン側出力電力より大きくなることによりDCバスで電力不均衡が起こる可能性があることである。したがって、電力変換システムが電力源から生成された追加の電力を処理するために迅速に反応することができない場合、DCバスで過電圧の問題が起こる。この電力不均衡問題は、電圧および周波数の変化が大きい可能性がある弱い電力グリッド(weak power grid)に電力変換システムが接続されている場合に、深刻になる可能性がある。
【0005】
したがって、上述の問題に対処するシステムおよび方法を提供することが所望される。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に開示される一実施形態によれば、電力変換システムが提供される。この電力変換システムは、最大電力点追尾(MPPT)ユニット、DCバス、電力コンバータおよびコンバータコントローラを有する。MPPTユニットが電力源からフィードバック電流信号およびフィードバック電圧信号を受け取り、これらのフィードバック電流信号およびフィードバック電圧信号に少なくとも部分的に基づいてMPPT基準信号を生成する。DCバスが電力源からDC電力を受け取る。電力コンバータがDCバス上のDC電力を交流(AC)電力に変換する。コンバータコントローラがMPPTユニットからMPPT基準信号と、電力コンバータの出力で測定される出力電力フィードバック信号とを受け取り、次いで、MPPT基準信号および出力電力フィードバック信号に少なくとも部分的に基づいてAC電力調節および最大電力抽出のための制御信号を生成し、次いで、電力コンバータに制御信号を送る。
【0007】
本明細書に開示される別の実施形態によれば、動力変換システムを動作させる方法が提供される。この方法は、電力源の出力で測定されるフィードバック電流信号およびフィードバック電圧信号に少なくとも部分的に基づいて最大電力点追尾(MPPT)基準信号を生成するステップと、MPPT基準信号および電力変換システムの出力で測定される出力電力フィードバック信号に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成するステップと、電力不均衡状態を軽減しながら電力源から最大電力が抽出されるのを可能にするために電力コンバータに制御信号を適用するステップとを含む。
【0008】
本明細書に開示される別の実施形態によれば、ソーラパワー電力変換システムが提供される。このソーラパワー変換システムは、最大電力点追尾(MPPT)ユニット、DCバス、ライン側コンバータおよびライン側コントローラを有する。MPPTユニットが光電池(PV)電力源からフィードバック電流信号およびフィードバック電圧信号を受け取り、フィードバック電流信号およびフィードバック電圧信号に少なくとも部分的に基づいてMPPT基準信号を生成する。DCバスがPV電力源からDC電力を受け取る。ライン側コンバータがDCバス上のDC電力をAC電力に変換するためにDCバスに結合される。ライン側コントローラが、MPPT基準信号、および、ライン側コンバータの出力で測定される出力電力フィードバック信号に少なくとも部分的に基づいてAC電力調節および最大電力抽出のための制御信号を生成し、その制御信号をライン側コンバータに供給する。
【0009】
本開示のこれらのおよび別の特徴、態様および利点は、複数の図面を通して同様の参照符号が同様の部品を示している添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによりより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示の例示の実施形態によるソーラパワー変換システムを示す概略的なブロック図である。
【図2】本開示の例示の実施形態による、図1に示されるライン側コントローラによって実装される制御図である。
【図3】本開示の例示の実施形態による、図2に示されるMPPT回路に関連する有効電力レギュレータを示す詳細な制御図である。
【図4】本開示の別の例示の実施形態による、図2に示されるMPPT回路に関連する有効電力レギュレータを示す詳細な制御図である。
【図5】本開示の別の例示の実施形態による、図2に示されるMPPT回路に関連する有効電力レギュレータを示す詳細な制御図である。
【図6】本開示の例示の実施形態による、図1に示されるPV側コントローラを示す詳細な制御図である。
【図7】本開示の別の例示の実施形態による、図1に示されるPV側コントローラを示す詳細な制御図である。
【図8】本開示の別の例示の実施形態による、図1に示されるPV側コントローラを示す詳細な制御図である。
【図9】本開示の別の例示の実施形態による、図1に示されるPV側コントローラを示す詳細な制御図である。
【図10】本開示の例示の実施形態による、ソーラパワー変換システムのための最大電力点追尾を改良して実施するための方法を示すフローチャートである。
【図11】本開示の例示の実施形態によるソーラパワーソースのPV電圧に対するPV電力を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で開示される実施形態は、概して、改良された最大電力点追尾(MPPT)能力を有する電力変換システムを動作させることに関する。本明細書で使用される「MPPT能力」は、ソーラパワーソースから最大電力を抽出することができるような、ソーラパワーソースの動作点を検出するための、ソフトウェアまたはハードウェア内に実装される制御構成または制御方式を意味する。より詳細には、本明細書で説明されるMPPTを実装することは電圧源制御構成または電圧源制御方式に基づく。本明細書で使用される「電圧源制御構成または電圧源制御方式」は1つの制御実施形態を意味し、この実施形態では、主制御パラメータのうちの1つが、電圧変換システムの電圧振幅コマンドおよび位相角コマンドを含むAC電圧である。さらに、電圧源制御構成に基づいて、MPPT能力は、MPPT発電がライン側出力電力に確実に調和するように、実装される。したがって、この電力変換システムは、従来のソーラパワー変換システムに通常存在してソーラパワーソースから生成される追加の電力を貯蔵するのに使用される追加のエネルギー貯蔵デバイスを用いずに実装され得る。
【0012】
以下では本開示の1つまたは複数の特定の実施形態を説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、実際の実装形態のすべてのフィーチャが本明細書で説明されるわけではない。任意の工学プロジェクトまたは設計プロジェクトの場合のように、任意のこのような実際の実装形態を開発する際、システム関連の制約および事業関連の制約に対するコンプライアンスなどの、実装形態ごとに変化する可能性がある開発者特有の目標を達成するために多くの実装形態固有の決定がなされなければならないことを理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間を要する可能性があるが、本開示の利益を享受する当業者にとっては、設計、製作および製造の通常の仕事であることを理解されたい。
【0013】
特に定義されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。本明細書で使用される「第1の」、「第2の」などの語は、順序、量または重要性を一切意味せず、1つ要素を別の要素と区別するのに使用される。また、「a」および「an」の単語は量を制限することを意味せず、参照するアイテムが少なくとも1つ存在することを意味する。「or(または)」は包括的であることを意味し、列記されるアイテムのいずれかまたはすべてを意味する。本明細書で「including」、「comprising」または「having」、およびそれらの語尾変化を使用することは、後ろに列記されるアイテムおよびその均等物さらには追加のアイテムを包含することを意味する。「connected(接続)」および「coupled(結合)」という単語は、物理的または機械的な接続または結合に限定されず、直接的または間接的であっても電気的な接続または結合を含むことができる。さらに、「circuit」および「circuitry」ならびに「controller(コントローラ)」という単語は単一の構成要素または複数の構成要素のいずれも含むことができ、これらは能動的なものおよび/または受動的なもののいずれかであり、説明される機能を提供するために一体に接続されるかまたはそれ以外では一体に結合される(例えば、1つまたは複数の集積回路チップとして)。
【0014】
図1は、本開示の例示の実施形態による電力変換システム10のブロック図を示している。以下では、本開示の最良の形態をより良く理解できるように、電力変換システム10はソーラパワー変換システムとして図示および説明される。しかし、本開示の特定の態様が、例えば、燃料電池システム、風力発電システムおよび潮力発電システムを含む、別の電力変換システムに対して同様に適用され得るので、本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態がソーラ用途のみに限定されるべきではないことを、当業者であれば容易に理解するであろう。
【0015】
概して、ソーラパワー変換システム10は、ソーラパワーソース12と電力グリッド18との間をインターフェースするように構成されたソーラパワーコンバータ14を含む。より具体的には、ソーラパワーコンバータ14は、ソーラパワーソース12から生成される直流(DC)電圧または電流の形態の電力(以下では、DC電力と称される)を、電力グリッド18として示される電気システムに送られるのに適する交流(AC)電圧または電流の形態の電力(以下では、AC電力と称される)に変換するように構成される。一実施形態では、ソーラパワーソース12は、光起電力効果を介してソーラエネルギーをDC電力に変換することができる複数の相互接続される複数の太陽電池を有する1つまたは複数の光電池アレイ(PVアレイ)を含むことができる。一実施形態では、電気システム18はAC電力グリッドを有することができ、ソーラパワー変換システムは、適切な周波数および振幅の三相AC電力をAC電力グリッド18に送達するように構成される。
【0016】
一実装形態では、図1に示される電力コンバータ14は、PV側コンバータ142およびライン側コンバータ144を含む2段構成に基づく。PV側コンバータ142は、電力源12から受けるDC電圧を増大させてより高いDC電圧をDCバス146に出力する、DC−DCブーストコンバータなどのDC−DCコンバータを有することができる。DCバス146は、DCバス146の電圧を特定のレベルに維持するために並列または直列に結合される1つまたは複数のコンデンサを含むことができ、したがって、DCバス146から電力グリッド18へのエネルギーの流れが管理され得る。ライン側コンバータ144は、DCバス146上のDC電圧をAC電力グリッド18に送られるのに適するAC電圧に変換するDC−ACコンバータを有することができる。別の実装形態では、電力コンバータ14は、DCバスでのDC電圧を、電力グリッド18に送るのに適切な周波数および電圧振幅を有するAC電圧に変換するためのDC−ACコンバータを含む単段コンバータ構成に基づくことができる。単段実施形態または多段実施形態のいずれでも、電力コンバータ14はAC電力調節および最大電力抽出の両方を実現するように制御される。本明細書で使用される「AC電力調節」は、有効電力コマンド信号または無効電力コマンド信号に従って電力コンバータからの有効電力出力または無効電力出力を調節することを意味し、「最大電力抽出」は、ソーラパワーソースから最大量の電力出力を得るためにソーラパワーソースの動作点を電力曲線上の最も高い点(これは、照射または温度変化などの環境変化に反応して変化する可能性がある)へと動的に移動させることを意味する。
【0017】
一実装形態では、図1に示される電力変換システム10は、ソーラパワーソース12からのPV電力出力を調節しさらにはライン側コンバータ144の出力での有効電力または無効電力を調節するように構成された電力コンバータコントローラ16をさらに有する。一実装形態では、上述した2段コンバータ構成に対応して、電力コンバータコントローラ16はPV側コントローラ162およびライン側コントローラ164を有するように構成される。PV側コントローラ162は、種々のコマンド信号およびフィードバック信号に従ってソーラパワーソース12からのPV電力出力を調節するために、PV側制御信号166をPV側コンバータ142に送るように構成される。ライン側コントローラ164は、種々のコマンド信号およびフィードバック信号に従ってライン側コンバータ144からの有効電力出力または無効電力出力を調節するために、ライン側制御信号168をライン側コンバータ144に送るように構成される。PV側コンバータ142は、ハーフブリッジコンバータ、フルブリッジコンバータまたはプッシュプルコンバータなどの、任意のタイプのコンバータトポロジを有することができる。ライン側コンバータ144は、2レベルコンバータまたは3レベルコンバータなどの、任意のタイプのDC−ACコンバータトポロジを有することができる。PV側コンバータ142およびライン側コンバータ144は複数の半導体スイッチングデバイス(図示せず)を有することができ、これには、限定しないが、集積ゲート整流サイリスタ(integrated gate commutated thyristor(IGCT))および絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(insulated gate bipolar transistor(IGBT))が含まれる。このスイッチングデバイスは、PV側制御信号166およびライン側制御信号168にそれぞれ反応してオンおよびオフを切り換えられる。2つのコントローラ162、164が示されているが、別の実施形態では、PV側コンバータ142およびライン側コンバータ144の両方を制御するのに単一のコントローラが使用されてもよい。
【0018】
一実装形態では、図1に示される電力変換システム10は、ソーラパワーソース12からのDC電力出力のリップル成分およびPV側コンバータ142からソーラパワーソース12へ伝達される阻害するリップル信号を取り除くための1つまたは複数の容量性要素(capacitive element)または誘導性要素(inductive element)を有するPV側フィルタ22をさらに有することができる。電力変換システム10は、ライン側コンバータ144からの3相AC電力出力の各相の高調波信号を取り除くための1つまたは複数の誘導性要素または容量性要素(図示せず)を有するライン側フィルタ24をさらに含むことができる。
【0019】
一実装形態では、PV側コントローラ162は、DCバス146の出力に配置されるDC電圧センサによって測定されるDC電圧フィードバック信号156を受け取る。PV側コントローラ162はさらにDC電圧コマンド信号292を受け取る。PV側コントローラ162は、DCバス146に生成されるDC電圧を制御するためにDC電圧フィードバック信号156およびDC電圧コマンド信号292に従ってPV側制御信号166を調整する。代替の実施形態では、ライン側コントローラ164を指す破線292で示されるように、ライン側コントローラ164が、代替的または追加的に、DCバス146に生成されるDC電圧を制御する仕事を行うことができる。より具体的には、ライン側コントローラ164が電圧フィードバック信号156およびDC電圧コマンド信号292を受け取る。一実施形態では、ライン側コントローラ164は、DC電圧コマンド信号292からDC電圧フィードバック信号156を減じることによって得られるDC電圧誤差信号に従ってライン側制御信号168を調整する。
【0020】
一実装形態では、図1に示される電力変換システム10は最大電力点追尾(MPPT)回路26をさらに有する。説明のため、MPPT回路26は電力コンバータコントローラ16の外部に配置されて示されている。代わりに、MPPT回路26は電力コンバータコントローラ16の中に構成されてもよく、またはより具体的には、PV側コントローラ162内に構成されてよい。一実施形態では、MPPT回路26はソーラパワーソース12から最大電力を抽出するためのMPPTアルゴリズムを実装することができる。
【0021】
図1に示されるように、MPPT回路26は、ソーラパワーソース12、PV側コントローラ162およびライン側コントローラ164に電気的に接続される。通常の動作中、MPPT回路26はソーラパワーソース12からフィードバックDC電流信号112およびフィードバックDC電圧信号114を受け取る。フィードバックDC電流信号112およびフィードバック電圧信号114はソーラパワーソース12の出力に配置される電流センサ28および電圧センサ32によって測定され得る。MPPT回路26はMPPTアルゴリズムを実装しており、例えば、電流基準信号、電圧基準信号または電力基準信号を含んでよい、多数の基準信号158を生成する。一実施形態では、MPPT回路26から生成される基準信号158はライン側コントローラ164に供給される。この場合、MPPT摂動がライン側コントローラ164に加えられる。ライン側コントローラ164は、ソーラパワーソース12から最大電力が確実に抽出されるようにするために基準信号158に従ってライン側コンバータ144のためのライン側制御信号168を調整する。加えて、ライン側コンバータ144がMPPT回路26からの基準信号158に従って制御されるので、ライン側コンバータ144からの電力出力およびソーラパワーソース12からの電力出力が、DCバス146に過度のストレスを与えることなく少なくとも電力バランスの恩恵が得られるように調整される。別の実施形態では、MPPT回路26から生成される基準信号158はPV側コントローラ162に適宜加えることができ、PV側コントローラ162はMPPT摂動により迅速に反応することを実現するという利点が得られる。
【0022】
図2は、本開示の例示の実施形態によるライン側コントローラ164の全体の制御図の一部分を示している。図2に示される機能ブロックはハードウェアまたはソフトウェアあるいはその組み合わせの中に実装され得る。実際的な用途では、ライン側コントローラ164はマイクロコントローラまたはデジタル信号プロセッサ(DSP)によって実装され得る。一般に、図2に示されるライン側コントローラ164は電圧源制御構成を有するように構築される。電圧源制御構成に基づいて、ライン側コンバータ144の出力での実際の有効電力および無効電力が、命令された有効電力および無効電力に従って調節され得る。示される実施形態では、ライン側コントローラ164は、有効電力レギュレータ210、無効電力またはVARレギュレータ220および信号発生器240を含む。
【0023】
図2に示される有効電力レギュレータ210は、命令された有効電力に従ってライン側コンバータ144からの有効出力を調節するように構成される。より具体的には、一実施形態では、有効電力レギュレータ210は、電力フィードバック信号214およびMPPT電力コマンド信号212を受け取り、位相角コマンド信号216を生成する。MPPT電力コマンド信号212は、ライン側コンバータ144(図1を参照)の出力ターミナルとグリッド18との間を送達される所望の電力を表す。電力フィードバック信号214は、ライン側コンバータ144の出力ターミナルとグリッド18との間を送達される実際の測定電力である。一実施形態では、電力フィードバック信号214は、例えばライン側コンバータ144とグリッド18(図1)との間に配置される電流センサ34および電圧センサ36からの、獲得され得るフィードバック電流信号154およびフィードバック電圧信号152を乗算することによって獲得され得る。一実施形態では、位相角コマンド信号216はライン側コンバータ144からのAC電圧出力の所望の位相角を表す。
【0024】
継続して図2を参照すると、無効電力レギュレータ220が、命令された無効電力に従ってライン側コンバータ144からの無効電力出力を調節するように構成されている。より具体的には、一実施形態では、無効電力レギュレータ220は、無効電力フィードバック信号224および無効電力コマンド信号222を受け取り、電圧振幅コマンド信号226を生成する。無効電力コマンド信号222は、共通の結合部の1つのポイント(電流センサ34および電圧センサ36が結合されるポイント)にある出力とグリッド18との間を送達される所望の無効電力を表すものであり、グリッドのオペレータによって決定され得る。無効電力フィードバック信号224は、ライン側コンバータ144の出力とグリッド18との間を送達される実際の測定無効電力である。無効電力フィードバック信号224は、フィードバック電流信号154およびフィードバック電圧信号152(図1を参照)を乗算することによって獲得され得る。電圧振幅コマンド信号226はライン側コンバータ144からのAC電圧出力の所望の電圧振幅を表す。一実施形態では、無効電力レギュレータ220は、無効電力コマンド信号222から無効電力フィードバック信号224を減じることにより無効電力誤差信号を生成するための加算要素(summation element)(図示せず)を有することができる。無効電力レギュレータ220は、VARレギュレータと、得られる無効電力誤差信号を使用して電圧振幅コマンド信号226を生成するための電圧レギュレータ(図示せず)とをさらに有することができる。
【0025】
継続して図2を参照すると、信号発生器240が、位相角コマンド信号216および電圧振幅コマンド信号226に従ってライン側コンバータ144のためのライン側制御信号168を生成するように構成されている。一実装形態では、信号発生器240は、ライン側コンバータ144のためのパルス幅変調(pulse width modulation(PWM))パターンのライン側制御信号168を生成するためのパルス幅変調(PWM)信号発生器であってよい。
【0026】
図3は、本開示の一実施形態による、図2に示されるMPPT回路26および有効電力レギュレータ210のより詳細な制御図を示している。示される実施形態では、MPPT回路26はPV電力計算ユニット262およびMPPT基準ユニット264を含む。PV電力計算ユニット262は、DC電流信号112およびDC電圧信号114を乗算することによりソーラパワーソース12から得られる最新の実際の電力を計算するのに使用される。MPPT基準ユニット264は、フィードバックPV電力信号266を受け取り、少なくともそのフィードバックPV電力信号266に基づいてMPPT電力基準信号268を生成するのに使用される。より具体的には、MPPT電力基準信号268は、フィードバックPV電力信号266を前の基準電力信号と比較することによって生成される。本明細書で使用される「前の基準電力信号」は、MPPTアルゴリズム実装形態から生成される信号であり、ソーラパワーソース12から抽出される予測される目標電力を指示するのに使用される。フィードバックPV電力と前の基準電力との間の絶対差が所定の閾値より小さいと決定された場合、MPPT電力基準信号268は、得られた最新のフィードバックPV電力に所定の電力ステップ値を加えることによって生成される。上で言及したように、「所定の電力ステップ値」は、システム条件および用途によって決定される固定電力値または変動電力値であってよい。フィードバックPV電力と前の基準電力との間の絶対差が所定の閾値より大きいと決定された場合、MPPT電力基準信号268は、得られた最新のフィードバックPV電力から所定の電力ステップ値を減じることによって生成される。
【0027】
図3でさらに示されるように、MPPT回路26から生成されるMPPT電力基準信号268は、有効電力レギュレータ210の加算要素250に供給される。加算要素250は、MPPT電力基準信号268から電力フィードバック信号214を減じ、MPPT電力基準信号268と電力フィードバック信号214との間の差を表す電力誤差信号252を提供する。電力誤差信号252は有効電力レギュレータ210の電力レギュレータ254に供給され、電力レギュレータ254が、電力誤差信号をゼロに向かうように変えるように設計される、電力誤差信号252に従う周波数コマンド信号256を生成する。周波数コマンド信号256は有効電力レギュレータ210の位相角発生器270に供給され、位相角発生器270が周波数コマンド信号256に従って位相角コマンド信号216を生成する。一実装形態では、位相角発生器270は、位相角コマンド信号216を生成するために周波数コマンド信号256を積分するための積分要素を使用することができる。
【0028】
図4は、本開示の別の実施形態による、図2に示されるMPPT回路26および有効電力レギュレータ210のより詳細な制御図を示しており、これは、PV電力計算ユニット262によって計算されたPV電力フィードバック信号266に従ってMPPT電流基準信号267を生成するように構成されたMPPT基準−マッピングユニット265をさらに含む。さらに、有効電力レギュレータ210には乗算要素232が含まれ、この乗算要素232が、MPPT電流基準信号267およびフィードバックPV電圧信号114を乗算することによりMPPT電力基準信号234を生成する。図3に関連させて上述した内容と同様に、MPPT電力基準信号234はさらに、周波数コマンド信号256および位相角コマンド信号216を生成するのに使用される。
【0029】
図5は、本開示の別の実施形態による、図2に示されるMPPT回路26および有効電力レギュレータ210のより詳細な制御図を示している。図5に示される制御図では、MPPT回路26内のMPPT基準−マッピングユニット265は、PV電力フィードバック信号266に従ってMPPT電圧基準信号269を生成するように構成される。MPPT電圧基準信号269は、MPPT・PV電力基準信号234を生成するための乗算要素232によりPV電流フィードバック信号112と乗算され、さらに、周波数コマンド信号256および位相角コマンド信号216を生成するのに使用される。
【0030】
図6は、本開示の一実施形態による、図1に示されるPV側コントローラ162の詳細な制御図を示している。上で説明したように、一態様では、PV側コントローラ162はDCバス146に生成されるDC電圧を調節する仕事を行う。PV側制御信号162は、第1の加算要素320、DC電圧コントローラ324、マッピングユニット328、第2の加算要素331およびPV電流レギュレータ358を含む。図6に示されるように、外側電圧ループ321内では、DC電圧フィードバック信号156が、第1の加算要素320に供給され、次いで、DC電圧コマンド信号292とDC電圧フィードバック信号156との間の差を表すDC電圧誤差信号322を生成するためにDC電圧コマンド信号292から引かれる。DC電圧コマンド信号292はDCバス146で達成される所望のDC電圧を表す。DC電圧誤差信号322がPV電力コマンド信号326を生成するためにDC電圧コントローラ324によって調節される。PV電力コマンド信号326に従い、PV電流コマンド信号332がマッピングユニット328によってマッピングされる。本明細書で使用される「マッピング」は、PV電力コマンド信号に従って電力曲線上のPV電力コマンド信号を得ることを意味する。図6にさらに示されるように、内側電圧ループ333では、PV電流フィードバック信号112が、第2の加算要素331に供給され、次いで、PV電流コマンド信号332から引かれる。第2の加算要素331から得られるPV電流誤差信号334は、PV側コンバータ142のためのPV側制御信号166を生成するためにPV電流レギュレータ358によって調節される。
【0031】
図7は、本開示の別の実施形態による、図1に示されるPV側コントローラ162の詳細な制御図を示している。図7に示される制御図では、フィードフォワード制御がさらに含まれる。より具体的には、一実施形態では、MPPT回路26から生成されるMPPT電力基準信号268が外側電圧ループ321に加えられる。一実施形態では、MPPT電力基準信号268が、図3に関連させて上で考察したようにPV電力フィードバック信号266に従ってMPPT基準ユニット264によって生成される。このMPPT電力基準信号268は外側ループ321内の第3の加算要素330に供給される。MPPT電力基準信号268は、組み合わされたPV電力コマンド信号344を生成するためにPV電力コマンド信号326に組み合わされる。図6に関連させて上述した内容と同様に、組み合わされたPV電力コマンド信号344はさらにPV側制御信号166を生成するのに使用される。フィードフォワード制御を追加することにより、ソーラパワーソース12(図1)の最適な動作点を検出するためにMPPT制御がより迅速に反応できることを理解されたい。さらに、フィードフォワード制御を用いることにより、PV側コントローラ162およびライン側コントローラ164にさらなる調整が行われ、結果としてDCバス146の電圧ストレスを減らすことができる。
【0032】
図8は、本開示の別の実施形態による、図1に示されるPV側コントローラ162の詳細な制御図を示している。図8の実施形態では、図7に関連して説明したMPPT電力基準信号268の代わりに、MPPT電流基準信号267がフィードフォワード制御に使用される。より具体的には、MPPT電流基準信号267が、PV電力フィードバック信号266に従ってMPPT回路26のMPPT基準−マッピングユニット265から生成される。さらなる違いは、図8に示されるDC電圧コントローラ324がPV電力コマンド信号の代わりにPV電流コマンド信号332を生成するように構成されることである。PV電流コマンド信号332がMPPT電流基準信号267に組み合わされるために加算要素354に供給され、それにより、組み合わされたPV電流コマンド信号356が生成される。組み合わされたPV電流コマンド信号356は、PV側コンバータ142のためのPV側制御信号166を生成するためにPV電流レギュレータ358によって調節される。
【0033】
図9は、本開示の別の実施形態による、図1に示されるPV側コントローラ162の詳細な制御図を示している。図9に示されるDC電圧コントローラ324は、PV電流コマンド信号またはPV電力コマンド信号の代わりにPV電圧コマンド信号362を生成するように構成される。それに対応して、MPPT回路26は、PV電圧コマンド信号362と組み合わせるためにMPPT電圧基準信号269を加算要素364に供給するのにMPPT基準−マッピングユニット265を使用する。組み合わされたPV電圧コマンド信号366は、PV側コンバータ142のためのPV側制御信号166を生成するためにPV電圧レギュレータ336によって調節される。
【0034】
図10は、例示の実施形態による、最大電力を抽出することができるソーラパワーソースの最適な動作点を追尾するための方法のフローチャートを示している。方法3000は、プロセッサによって実行されるときに方法3000の種々のステップを実施する、コンピュータ可読媒体に記憶されるソフトウェア命令を用いてプログラムされ得る。コンピュータ可読媒体は、任意の方法または技術で実装される、揮発性および不揮発性の、取り外し式および非取り外し式の媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体には、限定しないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは別のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または別の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または別の磁気記憶デバイス、あるいは、所望の情報を記憶するために使用することができ、かつ命令実行システムがアクセスすることができる任意の別の非一時的な媒体が含まれる。
【0035】
一実装形態では、方法3000はブロック3002で開始することができる。ブロック3002で、ソーラパワーソース12(図1を参照)のフィードバックPV電圧信号114およびフィードバックPV電流信号112が得られる。一実装形態では、フィードバックPV電圧信号114およびフィードバックPV電流信号112はDC信号であり、電流センサ28および電圧センサ32(図1を参照)によってそれぞれ獲得される。
【0036】
ブロック3004で、ソーラパワーソース12のフィードバックPV電力が計算される。一実装形態では、ソーラパワーソース12のフィードバックPV電力は、ブロック3002で得られたフィードバックPV電圧信号114およびフィードバック電流信号112を乗算することによって計算される。
【0037】
ブロック3006で、計算されたフィードバックPV電力と基準PV電力との間の差が計算される。一実装形態では、基準PV電力はMPPT回路26に関連するメモリ要素内に記憶させることができ、ソーラパワーソース12から抽出される予測されるPV電力を表す。一実装形態では、計算されたフィードバックPV電力と基準PV電力との絶対差の値がブロック3006で計算される。
【0038】
ブロック3008で、ブロック3006で計算された電力差が所定の基準を満たしているかどうかに関する判定がなされる。一実装形態では、計算された電力差が閾値より小さいかどうかの判定がなされる。計算された電力差が閾値より小さい場合、得られた最新のPVフィードバック電力が前の基準電力に従っていることが示され、電力基準信号を増大させるべきであることが示される。この肯定的な決定の後、この手順はブロック3012に進む。計算された電力差が閾値より大きい場合、得られた最新のPVフィードバック電力が前の基準電力に従っていないことが示され、電力基準信号を低下させるべきであることが示される。この否定的な決定の後、この手順はブロック3014に進む。
【0039】
ブロック3012で、所定の電力ステップ値を増大させることにより基準電力信号が更新される。一実施形態では、所定の電力ステップ値は固定される。別の実施形態では、所定の電力ステップ値は変動可能であってよい。図11を参照すると、PV電圧の関数であるPV電力の曲線410が示されている。曲線410は、ソーラパワーソース12から最大電力を抽出することができる最適な動作点をA5に有する。第1の事例では、ソーラパワーソース12は曲線410の右側の第1の動作点A1から開始することができる。第1の動作点A1では、ソーラパワーソース12はP1の実際のPV電力を有する。第1の動作点A1は最適な動作点A5から離れたところに位置しているので、探索時間を短縮するために、比較的大きい値を有する第1の電力ステップΔP1が電力摂動を行うのに使用され得る。すなわち、P1の実際のPV電力に第1の電力ステップを加えることにより基準電力信号が更新される。矢印412で示されるように、動作点は、第1の電力ステップを用いた電力摂動後にA1からA2に移動することができる。第2の事例では、ソーラパワーソース12はグラフ410の左側の第3の動作点A3から開始することができる。第3の動作点A3では、ソーラパワーソース12はP3の実際のPV電力を有する。第3の動作点A3は最適な動作点A5の近くに位置するので、最適な動作点A5の周囲で揺動する問題を回避するために、新たな基準電力信号を得るためにP2の実際のPV電力に加えるのに、比較的小さい値を有する第2の電力ステップΔP2が使用される。矢印414で示されるように、動作点は、第2の電力ステップを用いた電力摂動後にA3からA4に移動することができる。
【0040】
ブロック3014で、所定の電力ステップ値を減少させることにより基準電力信号が更新される。ブロック3012で上述した場合と同様に、所定の電力ステップ値は固定されたものでもよく、または、探索時間および精度条件などの実際の要求条件に応じて変動可能であってもよい。より具体的には、得られた最新のフィードバックPV電力から所定の電力ステップ値を減じることにより基準電力信号が生成される。
【0041】
ブロック3016で、電力差の計算をさらに行うために、更新された基準電力信号がブロック3006に伝達される。
【0042】
例示の実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更を加えることができ、また、本発明の要素の代わりに均等物を使用することができることが当業者には理解されよう。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために種々の修正がなされ得る。したがって、本発明は本発明を実施するために企図される最良の形態として開示された特定の実施形態のみに限定されないことが意図され、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0043】
10 電力変換システム
12 ソーラパワーソース、電力源
16 電力コンバータコントローラ
18 電力グリッド、電気システム
14 電力コンバータ
24 ライン側フィルタ
26 最大電力点追尾回路
28、34 電流センサ
32、36 電圧センサ
112 フィードバックDC電流信号
114 フィードバックDC電圧信号
142 PV側コンバータ
144 ライン側コンバータ
146 DCバス
152 フィードバック電圧信号
154 フィードバック電流信号
156 DC電圧フィードバック信号
158 基準信号
162 PV側コントローラ
164 ライン側コントローラ
166 PV側制御信号
168 ライン側制御信号
210 有効電力レギュレータ
212 MPPT電力コマンド信号
214 電力フィードバック信号
216 位相角コマンド信号
220 無効電力またはVARレギュレータ
222 無効電力コマンド信号
224 無効電力フィードバック信号
226 電圧振幅コマンド信号
232 乗算要素
234 MPPT電力基準信号
240 信号発生器
250 加算要素
252 電力誤差信号
254 電力レギュレータ
256 周波数コマンド信号
262 PV電力計算ユニット
264 MPPT基準ユニット
265 MPPT基準−マッピングユニット
266 フィードバックPV電力信号
267 MPPT電流基準信号
268 MPPT電力基準信号
269 MPPT電圧基準信号
270 位相角発生器
292 DC電圧コマンド信号
320 第1の加算要素
321 外側電圧ループ
322 DC電圧誤差信号
324 DC電圧コントローラ
326 PV電力コマンド信号
328 マッピングユニット
330 第3の加算要素
331 第2の加算要素
332 PV電流コマンド信号
333 内側電圧ループ
336 PV電圧レギュレータ
344 PV電力コマンド信号
356 組み合わされたPV電流コマンド信号
358 PV電流レギュレータ
362 PV電圧コマンド信号
364 加算要素
366 組み合わされたPV電圧コマンド信号
410 PV電力の曲線
412、414 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力源からフィードバック電流信号およびフィードバック電圧信号を受け取り、前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号に少なくとも部分的に基づいてMPPT基準信号を生成するための、最大電力点追尾(MPPT)ユニットと、
前記電力源からDC電力を受け取るためのDCバスと、
前記DCバス上の前記DC電力を交流(AC)電力に変換するための電力コンバータと、
前記MPPTユニットからの前記MPPT基準信号および前記電力コンバータの出力で測定される出力電力フィードバック信号を受け取り、
前記MPPT基準信号および前記出力電力フィードバック信号に少なくとも部分的に基づいて、AC電力調節および最大電力抽出のための制御信号を生成し、
前記制御信号を前記電力コンバータに送る
のためのコンバータコントローラと
を備える電力変換システム。
【請求項2】
前記電力コンバータが、前記DCバス上の前記DC電力を前記AC電力に変換するためのライン側コンバータを有し、前記コンバータコントローラが、前記MPPT基準信号および前記出力電力フィードバック信号に少なくとも部分的に基づいて内部周波数コマンド信号を生成すさらには前記内部周波数コマンド信号を積分することにより位相角コマンド信号を生成すさらには前記位相角コマンド信号を使用して前記制御信号の少なくとも一部を生成するための、ライン側コントローラを有し、前記制御信号の前記少なくとも一部が前記ライン側コンバータを制御するためのものである、請求項1記載の電力変換システム。
【請求項3】
前記ライン側コントローラがさらに、前記DCバスで測定されるDCバス電圧フィードバック信号およびDCバス電圧コマンド信号に少なくとも部分的に基づいて前記ライン側コンバータのための追加の制御信号を生成するように構成されている、請求項2記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記MPPTユニットが、
前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を受け取り、前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を乗算することにより前記電力源のソース電力フィードバック信号を計算するための、電力計算ユニットと、
前記ソース電力フィードバック信号を受け取り、前記ソース電力フィードバック信号を前の基準電力信号と比較することによりMPPT電力基準信号を生成するためのMPPT基準ユニットであって、前記ライン側コントローラがさらに、前記ライン側コンバータのための前記制御信号を生成するときに前記MPPT電力基準信号を使用するように構成されている、MPPT基準ユニットと、
を有する、
請求項2記載の電力変換システム。
【請求項5】
前記MPPTユニットが、
前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を受け取り、前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を乗算することにより前記電力源のソース電力フィードバック信号を計算するための、電力計算ユニットと、
前記ソース電力フィードバック信号を受け取り、前記ソース電力フィードバック信号に従ってMPPT電流基準信号を生成するための、MPPT基準−マッピングユニットと
を有し、
前記ライン側コントローラが、前記MPPT電流基準信号および前記フィードバック電圧信号を乗算することによりMPPT電力基準信号を生成するための乗算要素をさらに有し、前記ライン側コントローラがさらに、前記ライン側コンバータのための前記制御信号を生成するときに前記MPPT電力基準信号を使用するように構成されている、
請求項2記載の電力変換システム。
【請求項6】
前記MPPTユニットが、
前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を受け取り、前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を乗算することにより前記電力源のソース電力フィードバック信号を計算するための、電力計算ユニットと、
前記フィードバック電力信号を受け取り、前記ソース電力フィードバック信号に従ってMPPT電圧基準信号を生成するための、MPPT基準−マッピングユニットと
を有し、
前記ライン側コントローラが、前記MPPT電圧基準信号および前記フィードバック電流信号を乗算することによりMPPT電力基準信号を生成するための乗算要素をさらに有し、前記ライン側コントローラがさらに、前記ライン側コンバータのための前記制御信号を生成するときに前記MPPT電力基準信号を使用するように構成されている、
請求項2記載の電力変換システム。
【請求項7】
前記電力コンバータが、前記電力源からACまたはDC電力を受け取り、前記ACまたはDC電力を変換し前記DCバスに前記DC電力を供給するためのソース側コンバータを有し、前記コンバータコントローラが、前記DCバス上で測定されるDCバス電圧フィードバック信号およびDCバス電圧コマンド信号に少なくとも部分的に基づいて前記ソース側コンバータのための制御信号を生成するように構成されたソース側コントローラを有する、請求項1記載の電力変換システム。
【請求項8】
前記ソース側コントローラが、
前記DCバス電圧フィードバック信号と前記DCバス電圧コマンド信号との間の差に基づいて電力コマンド信号を生成するためのDC電圧コントローラと、
前記電力コマンド信号に従って電流コマンド信号をマッピングするためのマッピングユニットと、
前記電流コマンド信号と前記フィードバック電流信号との間の差に基づいて前記ソース側コンバータのための前記制御信号を生成するための電流レギュレータと
を有する、
請求項7記載の電力変換システム。
【請求項9】
前記MPPTユニットが、
前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を受け取り、前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を乗算することにより前記電力源のソース電力フィードバック信号を計算するための、電力計算ユニットと、
前記ソース電力フィードバック信号を受け取り、前記ソース電力フィードバック信号を前の基準電力信号と比較することによりMPPT電力基準信号を生成するための、MPPT基準ユニットと
を有し、
前記ソース側コントローラが、前記電流コマンド信号をマッピングするために前記MPPT電力基準信号と前記電力コマンド信号とを組み合わせるための加算要素をさらに有する、
請求項8記載の電力変換システム。
【請求項10】
前記ソース側コントローラが、
前記DCバス電圧フィードバック信号と前記DCバス電圧コマンド信号との間の差に基づいて電流コマンド信号を生成するためのDC電圧コントローラと、
前記電流コマンド信号と前記フィードバック電流信号との間の差に基づいて前記ソース側コンバータのための前記制御信号を生成するための電流レギュレータと
を有する、
請求項7記載の電力変換システム。
【請求項11】
前記MPPTユニットが、
前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を受け取り、前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を乗算することにより前記電力源のソース電力フィードバック信号を計算するための、電力計算ユニットと、
前記ソース電力フィードバック信号を受け取り、前記ソース電力フィードバック信号に従ってMPPT電流基準信号を生成するための、MPPT基準−マッピングユニットと
を有し、
前記ソース側コントローラが、前記差を前記電流レギュレータに提供する前に、前記MPPT電流基準信号および前記電流コマンド信号を組み合わせて前記フィードバック電流信号を減じるための、加算要素をさらに有する、
請求項10記載の電力変換システム。
【請求項12】
前記ソース側コントローラが、
前記DCバス電圧フィードバック信号と前記DCバス電圧コマンド信号との間の差に基づいて電圧コマンド信号を生成するための、DC電圧コントローラと、
前記電圧コマンド信号と前記フィードバック電圧信号との間の差に基づいて前記ソース側コンバータのための前記制御信号を生成するための、電圧コントローラと
を有する、
請求項7記載の電力変換システム。
【請求項13】
前記MPPTユニットが、
前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を受け取り、前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を乗算することにより前記電力源のソース電力フィードバック信号を計算するための、電力計算ユニットと、
前記ソース電力フィードバック信号を受け取り、前記ソース電力フィードバック信号に従ってMPPT電圧基準信号を生成するための、MPPT基準−マッピングユニットと
を有し、
前記ソース側コントローラが、前記差を前記電圧レギュレータに提供する前に前記MPPT電圧基準信号および前記電圧コマンド信号を組み合わせて前記フィードバック電圧信号を減じるための、加算要素をさらに有する、
請求項12記載の電力変換システム。
【請求項14】
電力変換システムを動作させる方法であって、
電力源の出力で測定されるフィードバック電流信号およびフィードバック電圧信号に少なくとも部分的に基づいて最大電力点追尾(MPPT)基準信号を生成するステップと、
前記MPPT基準信号および前記電力変換システムの出力で測定される出力電力フィードバック信号に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成するステップと、
電力不均衡状態を軽減しながら前記電力源から最大電力が抽出されるのを可能にするために前記電力変換システムの電力コンバータに前記制御信号を適用するステップと
を含む方法。
【請求項15】
前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を乗算することにより前記電力源のソース電力フィードバック信号を計算するステップと、
前記ソース電力フィードバック信号に従ってMPPT電力基準信号を生成するステップと、
前記電力変換システムのライン側コンバータのための制御信号を生成するために前記MPPT電力基準信号を使用するステップと
をさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記計算されたソース電力フィードバック信号を前の基準電力信号と比較するステップと、
前記計算されたソース電力フィードバック信号と前記前の基準電力信号との間の差が閾値を満たすかどうかを判定するステップと、
前記計算されたソース電力フィードバック信号と前記前の基準電力信号との間の前記差が前記閾値を満たすという決定に基づいて、前記計算されたソース電力フィードバック信号を所定のステップ値だけ増大させることにより、前記MPPT電力基準信号を生成するステップと
をさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記計算されたソース電力フィードバック信号と前記前の基準電力信号との間の前記差が前記閾値を満たさないという決定に基づいて、前記計算されたソース電力フィードバック信号を所定のステップ値だけ減少させることにより、前記MPPT電力基準信号を生成するステップ、をさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号を乗算することにより前記電力源のソース電力フィードバック信号を計算するステップと、
前記ソース電力フィードバック信号に従ってMPPT電力基準信号を生成するステップと、
前記電力変換システムのソース側コンバータのための制御信号を生成するために前記MPPT電力基準信号を使用するステップと
をさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項19】
光電池(PV)電力源からフィードバック電流信号およびフィードバック電圧信号を受け取り、前記フィードバック電流信号および前記フィードバック電圧信号に少なくとも部分的に基づいてMPPT基準信号を生成するための、最大電力点追尾(MPPT)ユニットと、
前記PV電力源からDC電力を受け取るためのDCバスと、
前記DCバス上の前記DC電力をAC電力に変換するための、前記DCバスに結合されるライン側コンバータと、
前記MPPT基準信号および前記ライン側コンバータの出力で測定される出力電力フィードバック信号に少なくとも部分的に基づいて、AC電力調節および最大電力抽出のための制御信号を生成し、
前記制御信号を前記ライン側コンバータに供給する
ためのライン側コントローラと
を備えるソーラパワー変換システム。
【請求項20】
ソース側コンバータと、前記MPPT基準信号、前記DCバス上で測定されるDCバス電圧フィードバック信号、および、DCバス電圧コマンド信号に少なくとも部分的に基づいて、前記ソース側コンバータにより変換される前記DC電力を調節するための制御信号を生成し、さらには、前記制御信号を前記ソース側コンバータに供給するための、ソース側コントローラと、をさらに有する、請求項19記載のソーラパワー変換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−69267(P2013−69267A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−165281(P2012−165281)
【出願日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】