説明

電動作業機

【課題】電池の出力に依存せずに安全にモータの回転数を制御できる、出力の異なる電池を着脱可能な電動作業機を提供する。
【解決手段】メインスイッチ12をONすると、電動作業機1は待機モードになる。待機モードにおいてトリガ13を引くと、電源回路16は、駆動部30に電圧を印可する。電源回路16は、駆動部30に印加される電圧がトリガ13の引き量に対応した電圧になるように調整する。また、駆動部30に流れる電流が、駆動部30の定格を超すと、電源回路16は、自動的に駆動部30への電力の供給を停止する。また、電池50の出力電圧が低下し、電池50が過放電状態になると、自動的に駆動部30への電力の供給を停止する。また、電池50が異常であることを検知すると、自動的に駆動部30への電力の供給を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータで駆動される電動作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、モータで回転刃が駆動される電動作業機(例えば電動刈払機)が注目され多用されるようになってきている。電動作業機(電動刈払機)は、電力を動力源とし、静音で排気ガスを出さず、ランニングコストにも優れる。
【0003】
例えば、特許文献1には、モータの回転数を調整可能な電動刈払機が開示されている。この電動刈払機は、コンバータでモータの印加電圧を変化させることによってモータの回転数を変更することができる。これによって、刈る対象やその形状に応じて刃の回転スピードを変えることが可能である。また、電動によって駆動するため駆動音が静かである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−217843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電動刈払機の回転数は電池の出力に応じて変化する。そのため、出力の違う電池を取り付けると、所望の回転数でモータを回転させることができず、不都合であった。また、電池は出力により重量が異なるため、出力の異なる電池を取り付けた場合に電動刈払機の重量バランスが変化して作業性が低下する恐れもあった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、取り付けられた電池の出力に依存せずにモータの回転数を制御できる、出力の異なる電池を着脱可能な電動作業機を提供することを目的とする。また、軽量でバランスが良く、作業性の優れた電動作業機を提供することを目的とする。さらに、出力の異なる電池を取り付けた場合でもバランスを良好に保持し、作業性の優れた電動作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第一の観点に係る電動作業機は、
電池を取り付ける電池取付部を備える電源部と、
前記電池から入力される電圧を変換して出力する電圧変換部と、
連動して回転する作業具が接続され、前記電圧変換部から出力される電力を動力に変換して回転する電動モータと、
前記電動モータに印加される電圧を計測して前記電圧変換部に出力する速度調整部と、
を備え、
前記電圧変換部は、前記速度調整部の出力する電圧が所定の高さになるように出力する電圧を調整する、
ことを特徴とする。
【0008】
例えば、前記電池取付部は、出力電圧の異なる電池が着脱されてもよい。
【0009】
前記電動モータに流れる電流が所定の量を超えると、前記電動モータに流れる電流を遮断する、過電流保護部を更に備えても良い。
【0010】
また、前記電動モータに流れる電流が所定の量を超えると、過電流が流れたことを報知する第1の報知部を更に備えても良い。
【0011】
前記電池の出力する電圧が当該電池の過放電する電圧以下になると、前記電動モータに流れる電流を遮断する、過放電保護部を更に備えても良い。
【0012】
また、前記電池の出力する電圧が当該電池の過放電する電圧以下になると、前記電池が過放電であることを報知する第2の報知部を更に備えても良い。
【0013】
また、前記電池の出力する当該電池の電池情報から当該電池の過放電する電圧を決定する過放電電圧決定部を更に備えてもよい。
【0014】
また、前記電池の異常時に、当該電池の出力する電池異常信号に応じて前記電動モータに流れる電流を遮断する、電池異常停止部を更に備えても良い。
【0015】
また、前記電池異常停止部は、前記電池異常信号が入力されると、前記電池が前記電池取付部から外されるまで、前記電動モータに流れる電流を遮断してもよい。
【0016】
また、前記電池の異常時に、前記電池が異常であることを報知する第3の報知部を更に備えても良い。
【0017】
また、トリガを更に備え、
前記速度調整部は、前記トリガの引き量に応じて前記電圧変換部に印加する電圧を変化させても良い。
【0018】
また、前記トリガの引き量が所定の量に満たない場合、前記電動モータに流れる電流を遮断するトリガスイッチ部を更に備え、
前記トリガの引き量が所定の量以上の場合、前記電池の出力する電力が、前記トリガスイッチ部を介して前記電動モータに供給されてもよい。
【0019】
前記電池から前記トリガスイッチに流れる電流を遮断するメインスイッチ部を更に備え、
前記電池の出力する電力が、前記メインスイッチ部がONで前記トリガの引き量が所定の量以上の場合、前記メインスイッチ部と前記トリガスイッチ部と前記電圧変換部とを介して前記電動モータに供給されてもよい。
【0020】
また、例えば、前記メインスイッチ部がONの場合に点灯する第1の発光部を更に備えてもよい。
【0021】
また、前記電池の出力する電圧に応じて段階的に電池残量を表示する電池残量表示部を更に備えても良い。
【0022】
更に、前記電池の出力する電圧から定電圧を出力する定電圧回路を備えても良い。
【0023】
更に、前記定電圧回路の出力する電圧が印加されることで動作し、音楽データをデコードして音情報を再生する音楽再生部を備えても良い。
【0024】
更に、前記定電圧回路の出力する電圧が印可されることで動作し、アンテナの受信した電波から音情報を検波するラジオを備えても良い。
【0025】
更に、前記定電圧回路の出力する電圧で前記音情報を増幅して発声するスピーカーを備えても良い。
【0026】
また、前記電動モータはコアレスモータであることが好ましい。
【0027】
また、一端部が前記電源部に支持され、他端部に前記電動モータを配置される連結部を更に備えてもよい。
【0028】
更に、前記電動モータに電力が供給されると発光する第2の発光部を備えても良い。
【0029】
また、例えば、前記電動モータに電力が供給されると、電力の供給を報知する第4の報知部を更に備えてもよい。
【0030】
更に、前記コアレスモータは、出力軸が固定された回転子と、固定子とを有すると共に、
前記回転子と前記固定子との何れか一方は、前記出力軸の軸線方向視において前記出力軸を中心として円周方向に配列された略環状の複数のコイルを有する円板状のコイル基板を備え、
前記回転子と前記固定子との何れか他方は、前記コイル基板を前記出力軸の軸線方向に通過する磁束を発生するようマグネットを備えてもよい。
【0031】
また、上記目的を達成するため、本発明の第二の観点に係る電動作業機は、
コアレスモータと、
リチウム蓄電池を着脱可能に取付ける取付部を備えた電源部と、
一端に前記コアレスモータを保持し、他端に前記電源部を保持する連結部とを備え、
前記コアレスモータは、出力軸が固定された回転子と、固定子とを有すると共に、
前記回転子と前記固定子との何れか一方は、前記出力軸の軸線方向視において前記出力軸を中心として円周方向に配列された略環状の複数のコイルを有する円板状のコイル基板を備え、
前記回転子と前記固定子との何れか他方は、前記コイル基板を前記出力軸の軸線方向に通過する磁束を発生するようマグネットを備える、
ことを特徴とする。
【0032】
更に、上記目的を達成するため、本発明の第三の観点に係る電動作業機は、コアレスモータと、
蓄電池を着脱可能に取付ける取付部を備えた電源部と、
一端に前記コアレスモータを保持し、他端に前記電源部を保持する連結部と、
前記連結部の長手方向に延び、前記コアレスモータの駆動を制御するための作業者が操作可能なトリガを有し、前記電源部と連続して設けられたグリップ部と、
前記電源部及び前記グリップ部とから離間した前記連結部上に設けられた作業者が把持可能なハンドルとを備え、
前記コアレスモータは、
出力軸が固定された回転子と、固定子とを有すると共に、
前記回転子と前記固定子との何れか一方は、前記出力軸の軸線方向視において前記出力軸を中心として円周方向に配列された略環状の複数のコイルを有する円板状のコイル基板を備え、
前記回転子と前記固定子との何れか他方は、前記コイル基板を前記出力軸の軸線方向に通過する磁束を発生するようマグネットを備え、
前記コアレスモータの重量を前記取付部に取付けられる前記蓄電池の重量より大きくして、重心を前記ハンドルよりも前記コアレスモータ側に位置させる、
ことを特徴とする。
【0033】
また、前記コアレスモータは、前記回転子を収容するアルミニウム合金製のモータケースを備えてもよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、電池の出力に依らず、安定した出力を得ることが可能で、異なる出力の電池を着脱可能な電動作業機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る電動作業機の外観を表す図である。
【図2】図1の電動作業機の操作部の拡大図である。
【図3】図1の電動作業機の駆動部の断面図である。
【図4】図1の電動作業機の回転子の分解断面図である。
【図5】図4の回転子の上面図である。
【図6】図4の回転子のコイル基板部の上面図である。
【図7】図1の電動作業機の操作部の接続関係を示す図である。
【図8】図1の電動作業機の応用例を示す図である。
【図9】図5の電動作業機の操作部の接続関係を示す図である。
【図10】図1の電動作業機の操作部に内蔵された電源回路のブロック図である。
【図11】図7の電源回路の昇圧回路と速度調整部の具体例の回路図である。
【図12】図7の電源回路の電流検出部の具体例の回路図である。
【図13】図7の電源回路の電池電圧検出部の具体例の回路図である。
【図14】図1の電動作業機の変形例を示す図である。
【図15】図14の電動作業機を保持した状態を示す図である。
【図16】図14の電動作業機を保持するためのベルトの外観図である。
【図17】図14の電動作業機での作業状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態に係る電動作業機を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態に係る電動作業機は、モータで回転刃が駆動される電動刈払機1を例にして説明する。
【0037】
電動刈払機1は、図1に示すように、操作部10と、操作部10の前端部に一端部を保持された連結部20と、連結部20の他端部に保持された駆動部30と、駆動部30に連結されるブレード(作業具)39と、から構成される。また、操作部10の後端部には電池取付部11が配置され、上面部にはメインスイッチ12と電池残量表示部14とメインLED(Light Emitting Diode)15とが配置され、内部には電源回路16が配置される。連結部20の操作部10から離間した位置にはD字型ハンドル21が配置され、隣接する部分にはトリガ13を備えたグリップ22が配置される。駆動部30の上面部には、運転表示用LED40が配置される。
【0038】
電池取付部11は、電池50を取り付ける部分である。電池取付部11は、取り付けられた電池50の出力を電源回路16に供給する。
【0039】
メインスイッチ12は、電源回路16をON・OFFするスイッチである。メインスイッチ12がONされると、電源回路16は待機モードになる。メインスイッチ12がOFFの場合、電源回路16は起動せず、電源回路16は電力を出力しない。
【0040】
トリガ13は、電源回路16から駆動部30への電力の供給量を制御するスイッチである。メインスイッチ12がONの待機モードにおいてトリガ13が引かれると、トリガ13の引き量に応じた電力が電源回路16から駆動部30へ供給される。
【0041】
電池残量表示部14は、電池50の出力に応じて表示を変化させる、例えば、液晶画面である。電池残量表示部14の表示する画面を見ることでユーザは電動刈払機1のおおよその残り使用可能時間を知ることができる。
【0042】
メインLED15は、メインスイッチ12がONされると光を発する第1の発光部である。メインLED15はメインスイッチ12がONとなった際に光を発するため、メインスイッチ12のON/OFFを作業者が確認し易くなる。
【0043】
電源回路16は、電池50から出力される電圧を、電池50の出力電圧の大きさによらずに、トリガ13の引き量に応じた値の電圧に変換して出力する。また、電源回路16は、過電流や過電圧から電池50及び駆動部30の保護する機能を備えており、電池50の出力電圧や、駆動部30に供給される電流量に応じて、出力を強制的にOFFする。電源回路16の動作、回路例は、後に詳しく説明する。
【0044】
電源回路16が、電池50の出力電圧にかかわらず、トリガ13の引き量に応じて値の電圧を駆動部30に供給するため、電池50の種類は問われない。本実施例では、電池50は、例えば、リチウムイオン蓄電池であるとして説明する。電池50は、基板と、基板上に配置された複数の電池セルと、基板上に配置されたプラス端子とマイナス端子とを備える。また、電池50はLD端子を備え、電池50の基板上に配置された回路が電池セルからの過放電を検出すると、LD端子から異常信号が出力される。また、電池50はID端子を備え、電池50の基板上のメモリに記憶された電池50のスペック等の電池情報がID端子から出力される。電池50は、プラス端子とマイナス端子との間の電圧を電源回路16に印加する。
【0045】
また、後述するように、電動刈払機1は、スピーカーやラジオ、音楽再生機を備えるとともに、これらは、操作部10から供給される電力によって駆動される。
【0046】
連結部20は、アルミニウム合金や強化プラスチック等、軽量で丈夫な素材から形成された中空管である。連結部20は、操作部10と駆動部30とを機械的に接続し、また、内部を通る導線によって、電源回路16から出力される電力を駆動部30へ供給する。
【0047】
D字型ハンドル21とグリップ22とをユーザが保持することで、電動刈払機1は使用される。連結部20に、前述したように操作部10と駆動部30とが離間して配置されることによって、電動刈払機1の重心が操作部10から離れるため、ユーザに適度な重量がかかり、作業性が向上する。
【0048】
駆動部30は、入力される電力により取り付けられた刃を回転させる。駆動部30は、例えば、コアレスモータである。
【0049】
駆動部30がコアレスモータであることで、より高い静音性が確保できる。更に、リチウムイオン電池でコアレスモータを駆動するようにしたことで、軽量で、消費電力が少なく長時間の駆動が可能な電動刈払機1を構成することもできる。また、後述する昇圧回路300を用いることで、容量の小さい電池でも十分に高い回転数で作業を行うことが可能となる。
【0050】
運転表示用LED40は、駆動部30に電力が供給されている場合に光る第2の発光部である。運転表示用LED40は、例えば、有機ELである。運転表示用LED40は、駆動部30に電力が供給されている場合に光るため、例えば、トルクが足りないため駆動部30が回転しなくとも、運転表示用LED40は光る。よって、ユーザは、運転表示用LED40によって、駆動部30に電力が供給されているか否かを確認することができる。また、駆動部30の駆動音によって、駆動部30が駆動しているか否かをユーザが判断できない場合には、運転表示用LED40によって、駆動部30が駆動中か否かをユーザは判断できる。
【0051】
電池取付部11は、図2に示すように、上面部方向から下面部方向に、電池50を嵌合することで着脱可能に形成されている。電池50が電池取付部11に嵌合することで、電池50の出力端子が操作部10の入力端子に接続される。
【0052】
コアレスモータである駆動部30は、図3に示すように、モータケース29と、コイル基板31と、中心軸(出力軸)32と、ブラシ33と、整流子34と、上ヨーク35と、下ヨーク36と、マグネット部37と、ブラシキャップ38と、ブレード39と、を主な構成とする。
【0053】
モータケース29は、上ヨーク35と、下ヨーク36と、ブラシキャップ38を固定する。コイル基板31は、モータケース29の中心を貫通する中心軸32によって固定されている。また、コイル基板31の一面には整流子34が固定されている。上ヨーク35は、図示していない箇所において、モータケース29に固定されている。下ヨーク36は、モータケース29に嵌合して固定されており、一方の面にマグネット部37が固定されている。ブラシキャップ38は、モータケース29に固定され、備えられたバネによって、ブラシ33を支持されると共に整流子34側に付勢されている。
【0054】
モータケース29は、アルミニウム合金や強化プラスチック等、軽量で丈夫な素材から形成された中空状のケースである。コイル基板31は、複数のコイルが並べて配置された略円盤状の板である。
【0055】
中心軸32は、コイル基板31および整流子34を貫通してコイル基板31に固定され、コアレスモータの回転子し、中心軸32が回転することによって、コイル基板31と整流子34とが一体化して回転する。ブラシ33は、連結部20内部を通る導線を介して操作部10から供給される電力を、ブラシ33を介してコイル基板31に供給する。整流子34は、コイル基板31に接続された整流子片と絶縁片が交互に組み合わされ、中心軸のまわりに円周状に並ぶ。整流子34は、ブラシ33から供給される一方向の電流のみをコイル基板31に流す。マグネット部37は、軸方向に着磁された平板状のマグネットが周方向に配列され、上ヨーク35と下ヨーク36を介して磁気回路を形成する。
【0056】
(追加図面5〜7に関連する追加部分)
図4に示すように、コアレスモータの回転子は、中心軸32、フランジ132と、図4中で上から1つの整流子34と5つのコイル基板部131で構成されるコイル基板31とを備える。整流子34とコイル基板31とは、絶縁体基板と導体パターンとから構成されたプリント配線板である。
【0057】
図5に示すように、整流子34の上面には、ブラシ33と接触する整流子片134の導体パターンが形成され、中心軸32の軸方向視において、それぞれ中心軸32を中心とする円環状に設けられる。各整流子片134の外側端部には、整流子34を貫通するスルーホールが形成されている。コイル基板部131上面には、導体パターンにより、中心軸32を中心として放射状に配置され、中心軸32の軸回りの所定方向に曲折して形成された複数のコイル片131aが形成される。
【0058】
図6に示すように、各コイル片131cの内側端部は、対応する整流子片134にスルーホールを介して接続されて形成される。尚、各コイル片131cの外側端部には、コイル基板部131を貫通する複数のスルーホールが形成される。
【0059】
コイル基板部131下面には、図5及び図6に示されたコイル片131a、131cと略同様の導体パターンにより、中心軸32を中心として放射状に形成された図略の複数のコイル片が形成される。図略の各コイル片の外側端部は、スルーホールに充填された半田を介して、上面の対応するコイル片に接続される。また、図略の各コイル片の内側端部は、スルーホールに充填された半田を介して、整流子34の対応する整流子片134に接続される。これにより、コイル領域の複数のコイル片131a、131cと図略の複数のコイル片とは、中心軸32の軸方向視において略コ字状に形成された複数のコイルを構成している。複数のコイルは、中心軸32を中心として周方向に配列される。また、各コイルの端末は、整流子34の対応する整流子片134に接続される。
【0060】
また、整流子34の整流子片134の導体パターンは、ブラシ33との摩耗による損傷を抑制するため、コイル基板部のコイル片よりも、厚く形成される。尚、上述の整流子34とコイル基板31との間、及び複数のコイル基板部131の間には、図略の絶縁層が介在して積層されている。
【0061】
上ヨーク35と下ヨーク36を介して形成される磁気回路の磁束はコイル基板31のコイルを中心軸32の軸方向に通過する。これらのマグネット部37、上ヨーク35、下ヨーク36が設けられたモータケース29はコアレスモータの固定子を構成する。そして、コアレスモータは、回転子としての中心軸32および中心軸32に固定されたコイル基板31と、固定子としてのマグネット部37および上ヨーク35、下ヨーク36と、ブラシ33とから、コアレスモータの直流整流子モータとして構成される。なお、マグネット部37、上ヨーク35、下ヨーク36は磁気回路を形成する磁束発生手段を構成するが、磁束発生手段はコイル基板31のコイルを磁束が中心軸32の軸方向に通過するものであれば、この構成に限られるものでは無く、例えば、複数の永久磁石、電磁石、またはコイルのみ等から構成されるものであってもよい。
【0062】
ブレード39は、中心軸32の回転に連動して回転する。ブレード39が回転することによって、対象を刈払うことが可能になる。
【0063】
図1の電動刈払機1の、操作部10とトリガ13との接続関係は、詳しくは図4のようになる。
【0064】
グリップ22は、操作部10と一体に形成され、連結部20の外周に沿って設けられている。グリップ22には回転軸25が配置され、回転軸25にはトリガ13が連結される。トリガ13にはワイヤ24が接続され、トリガ13はこのワイヤ24を介して操作部10に配置された可変速スイッチ26に連結している。
【0065】
トリガ13が引かれると、回転軸25を軸にしてワイヤ24が牽引され、トリガ13が引かれた量をワイヤ24が可変速スイッチ26に伝達する。可変速スイッチ26は電源回路16にトリガ13の引き量を入力し、電源回路16は、トリガ13の引き量に応じて出力する電圧を調整する。
【0066】
電動刈払機1は、D字型ハンドル21の代わりに、図5に示すようなU字型ハンドル23を取りつけることも可能である。この場合、U字型ハンドル23は、操作部10から離間するように連結部20に配置され、トリガ13がU字型ハンドル23の一端部に配置される。
【0067】
U字型ハンドル23は、U字型の中空状のパイプから形成され、両端にそれぞれグリップ22が備えられる。一方のグリップ22にはトリガ13が備え付けられる。
【0068】
図6に示すようにU字型ハンドル23は、その両端に備えられたグリップ22と、一方のグリップ22に配置された回転軸25と、回転軸25に連結されたトリガ13と、操作部10に配置された可変速スイッチ26とトリガ13とを連結するワイヤ24と、ワイヤ24を覆うように配置された樹脂製カバー27と、を備える。
【0069】
トリガ13が引かれると、回転軸25を軸にしてワイヤ24が牽引され、トリガ13が引かれた量をワイヤ24が可変速スイッチ26に伝達する。可変速スイッチ26は電源回路16にトリガ13の引き量を入力し、電源回路16は、トリガ13の引き量に応じて出力する電圧を調整する。樹脂製カバー27は、機械的応力からワイヤ24を保護する。
【0070】
次に、電源回路16について図10乃至図13を参照して説明する。
【0071】
電源回路16は、図10に示すように、入力端子I1,I2,I3,I4と、メインスイッチ回路100と、トリガスイッチ回路200と、昇圧回路300と、速度調整回路400と、制御回路500と、電流検出回路600と、電池電圧検出回路700と、電池異常検出回路800と、定電圧回路900と、出力端子O1,O2と、を備える。
【0072】
電池50を電池取付部11に取り付けると、入力端子I1は電池50のプラス端子(+)に、入力端子I2は電池50のマイナス端子(−)に、入力端子I3は電池50のLD端子に、入力端子I4は電池50のID端子に接続される。また、出力端子O1と出力端子O2の間に運転表示用LED40と駆動部30が直列に接続される。
【0073】
入力端子I1はメインスイッチ回路100に接続され、入力端子I2は接地される。入力端子I3は電池異常検出回路800に接続される。入力端子I4は制御回路500に接続される。
【0074】
メインスイッチ回路100の出力は、トリガスイッチ回路200と、電池電圧検出回路700と、定電圧回路900と、メインLED15のアノードと、に入力される。メインLED15のカソードは電池残量表示部14に接続される。メインスイッチ回路100は、例えば、メインスイッチ12がONされることによって投入されるスイッチと、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの自己消弧型素子によって構成される。
【0075】
トリガスイッチ回路200は、メインスイッチ回路100と昇圧回路300との間に接続される。トリガスイッチ回路200は、例えば、トリガ13を引くことによって投入されるスイッチと、IGBTやMOSFETなどの自己消弧型素子によって構成される。
【0076】
昇圧回路300は、トリガスイッチ回路200と出力端子O1との間に接続される。昇圧回路300は、例えば、フライバック式の昇圧回路である。
【0077】
速度調整回路400は、昇圧回路300の出力を昇圧回路300にフィードバックするように接続されている。速度調整回路400は、例えば、分圧抵抗とトリガ13の引き量に応じて抵抗が変わる可変抵抗とから構成される。
【0078】
制御回路500には、定電圧回路900の出力と、電流検出回路600の出力と、電池電圧検出回路700の出力と、入力端子I4と、が入力される。制御回路500の出力は、メインスイッチ回路100と、トリガスイッチ回路200と、スピーカー910と、に入力される。制御回路500は、例えばマイコンである。
【0079】
電流検出回路600は、一方の端子を出力端子O2と接続され、他方の端子を接地される。電流検出回路600は、例えば、電流計である。
【0080】
電池電圧検出回路700は、前述したように、メインスイッチ回路100の出力に接続される。電池電圧検出回路700の出力は、制御回路500に入力される。
【0081】
電池異常検出回路800の出力は、メインスイッチ回路100に入力される。電池電圧検出回路700は、例えば、オフラッチ回路である。
【0082】
定電圧回路900の出力は、制御回路500と、スピーカー910と、音楽再生回路920と、ラジオ930とに入力される。定電圧回路900は、電池50の出力する電圧から一定の値の電圧を出力する回路で、例えば、3端子レギュレータと平滑用のコンデンサから構成される。
【0083】
以上説明した構成の電源回路16は、入力端子I1と入力端子I2の間に印加された電圧によって駆動される。
【0084】
電池50が電池取付部11に取り付けられると、メインスイッチ回路100に電池50から電力が供給される。
【0085】
メインスイッチ回路100は、メインスイッチ12のON・OFFに連動するスイッチである。メインスイッチ12がONされると、メインスイッチ回路100はONになり、メインスイッチ12がOFFされると、メインスイッチ回路100はOFFになる。また、メインスイッチ回路100は、メインスイッチ12がONの場合、更に制御回路500によってON・OFFを制御される。
【0086】
メインスイッチ12がONの場合、メインスイッチ回路100は、電池50が出力した電力を、トリガスイッチ回路200と、定電圧回路900と、電池残量表示部14に供給する。メインスイッチ12がOFFの場合、メインスイッチ回路100は、電池50から供給された電力を遮断する。
【0087】
トリガスイッチ回路200は、トリガ13に連動するスイッチで、トリガ13の引き量が一定以上になると、トリガスイッチ回路200はONになる。また、トリガスイッチ回路200は、更に制御回路500によってON・OFFを制御される。トリガスイッチ回路200がONであると、トリガスイッチ回路200は、メインスイッチ回路100が供給した電力を昇圧回路300に供給する。トリガスイッチ回路200がOFFの場合、トリガスイッチ回路200は電力を遮断する。
【0088】
昇圧回路300は、トリガスイッチ回路200から供給された電力を昇圧して出力端子O1から出力する。また、昇圧回路300の出力は、速度調整回路400によって調整される。昇圧回路300は、速度調整回路400から入力される電圧が常に一定になるように、出力を調整する。
【0089】
速度調整回路400は、モータに印加される電圧を計測し、トリガ13の引き量に応じて昇圧回路300の出力を調整する回路である。速度調整回路400が、昇圧回路300の出力をフィードバックすることにより、昇圧回路300は目標の値の電圧を出力する。速度調整回路400は、分圧抵抗と可変抵抗とで分圧された電圧を昇圧回路300に入力する。
【0090】
電流検出回路600は、駆動部30に流れる電流を検出し、制御回路500に出力する。電池電圧検出回路700は、電池50の出力する電圧を検出し、制御回路500に出力する。
【0091】
制御回路500は、駆動部30に流れる電流が駆動部30の定格を超えた場合や、電池50の出力する電圧が所定の値より低くなった場合などに、メインスイッチ回路100、あるいは、トリガスイッチ回路200を強制的にOFFにする。制御回路500は、予めメモリに記憶されたプログラムを実行することで、電流検出回路600により検出される駆動部30に流れる電流や、電池電圧回路700により検出される電池50の出力する電圧に応じて、メインスイッチ回路100あるいはトリガスイッチ回路200をOFFする。また、制御回路500は、メインスイッチ回路100がONされているが、駆動部30に電力が一定時間供給されていないことを検知すると、自動的にメインスイッチ回路100をOFFする。また、制御回路500は、入力端子4を介してID端子から電池情報が入力される。電池情報が入力されると、制御回路500は、内部のメモリに予め記憶されたテーブルを参照して、電池情報からその電池が過放電になる電圧を読み取る。例えば、制御回路500は、電池情報に定格14.4Vという情報が含まれていれば、過放電電圧を8Vとし、定格18Vであれば過放電電圧を10Vとする。制御回路500は、電池50の出力電圧が過放電電圧を下回ると、自動的に、メインスイッチ回路100をOFFする。
【0092】
電池異常検出回路800は、LD端子から信号を入力されるとメインスイッチ回路100をOFFにし、LD端子からの入力が無くなるまで、または、電池50が外されるまで、メインスイッチ回路100を強制的にOFFし続ける。
【0093】
定電圧回路900は、電池50の出力する電圧から一定の値の電圧を出力する回路である。定電圧回路900の出力は、制御回路500に供給される他、スピーカー910と音楽再生回路920とラジオ930とに供給される。
【0094】
スピーカー910は、入力された音情報に基づいて音を発生する。
【0095】
また、駆動部30に所定の量を超える電流が流れたことを電流検出回路600が検出すると、制御回路500がスピーカー910に過電流があった場合に対応する音をスピーカー910に鳴音させる。同様に、電池50が過放電を起こすとスピーカー910は過放電があることを報知し、電池50に異常があるとスピーカー910は電池50に異常があることを報知する。
【0096】
音楽再生回路920は、定電圧回路900の出力によって動作し、内部のメモリに記憶された音楽データや音声データをデコードしてスピーカー910に出力する。ラジオ930は、アンテナを備え、このアンテナの特性をチューニングすることで特定の周波数の電波を受信し、受信した電波から搬送波に重畳された音情報を検波し、検波した音情報をスピーカーに出力する。これらは、定電圧回路900の出力によって動作するため、メインスイッチ回路100がONされることによって起動される。
【0097】
次に、昇圧回路300の具体的な回路の例について説明する。
【0098】
図11に示すように、昇圧回路300は、例えば、平滑コンデンサ301と、昇圧回路310と、整流ダイオード320と、平滑コンデンサ330と、から構成される。速度調整回路400は、分圧抵抗410と分圧抵抗420と可変抵抗430との直列回路から構成される。
【0099】
平滑コンデンサ301は、トリガスイッチ回路200と、昇圧回路310の間に並列に接続される。昇圧回路310は、トリガスイッチ回路200と整流ダイオード320の間に直列に接続される。整流ダイオード320は、昇圧回路310と出力端子O1との間に直列に配置される。平滑コンデンサ330は、整流ダイオード320と出力端子O1との間に並列に配置される。
【0100】
速度調整回路400は、出力端子O1と出力端子O2との間に接続される。速度調整回路400の出力は、昇圧回路310に接続される。速度調整回路400は、分圧抵抗410と分圧抵抗420が直列に接続され、更に、可変抵抗430が直列に接続される。
【0101】
また、昇圧回路310は、例えば、FET(Field Effect Transistor)311と、スイッチングIC(Integrated Circuit)312と、チョークコイル313と、から構成される昇圧チョッパ回路である。
【0102】
平滑コンデンサ301は、トリガスイッチ回路200から供給された電圧の余計な振動を除去し、波形を滑らかにする。
【0103】
昇圧回路310は、スイッチングIC312がFET311のON・OFFを繰り返し切り替えることで、チョークコイル313のフライバック効果によって、入力された電圧を昇圧して出力する。
【0104】
FET311は、スイッチングIC312から閾値電圧以上の電圧をゲート端子に印加されるとONになり、ソース端子−ドレイン端子間を電流が導通できるようになる。また、ゲート端子に印加される電圧が閾値電圧に満たない場合はOFFとなり、ソース端子−ドレイン端子間を電流は導通できない。
【0105】
スイッチングIC312は、FET311のゲート端子に、FET311の閾値電圧以上のハイレベルまたは閾値電圧未満のローレベルの電圧を印加することによって、速度調整回路400から入力される電圧に従ってFET311のON・OFFを切り替える。スイッチングIC312は、速度調整回路400から入力される電圧が目標の値になるように、FET311のゲート端子に印加する電圧をON・OFFを切り替える頻度を調整する。例えば、速度調整回路400から入力される電圧が目標の値より低い場合、スイッチングIC312はFET311のON・OFFを切り替える速度を上げ、速度調整回路400から入力される電圧が目標の値より高い場合、スイッチングIC312はFET311のON・OFFを切り替える速度を下げる。
【0106】
チョークコイル313はFET311のON・OFFが切り替わることによりフライバック効果を起こす。フライバック効果が起こることによって、チョークコイル313の端子間電圧は上昇する。
【0107】
整流ダイオード320は、昇圧回路310の出力を整流する。平滑コンデンサ330は、整流ダイオード320で整流された電圧の余計な振動を除去し、波形を滑らかにする。
【0108】
分圧抵抗410と、分圧抵抗420及び可変抵抗430と、で分圧された電圧がスイッチングIC312に入力される。
【0109】
可変抵抗430は、トリガ13の引き量に応じて抵抗が変わる可変抵抗である。可変抵抗430は、トリガ13の引き量が増えると抵抗が下がり、トリガ13の引き量が減ると抵抗が上がる。
【0110】
例えば、ユーザがトリガ13の引き量を増やすと、可変抵抗430の抵抗が下がり、速度調整回路400からスイッチングIC312に印加される電圧が下がる。このため、スイッチングIC312は、FET311の切り替える周期を早める。FET311のON・OFFが切り替わる周期が早くなると、チョークコイル313の端子間電圧のピーク値が上昇し、速度調整回路400からスイッチングIC312に入力される電圧は上昇する。
【0111】
このように、速度調整回路400が昇圧回路300との出力をフィードバックすることにより、昇圧回路300は、速度調整回路400から入力される電圧が常に一定になるように出力を調整する。
【0112】
また、電池50の出力が低下したり、電池50を他の電池に着脱したりして、トリガスイッチ回路200から昇圧回路300に供給される電圧が変化した場合も、同様の動作が行われる。電池50の出力が落ちると、それに比例して昇圧回路300の出力する電圧は低下する。昇圧回路300の出力が低下すると、速度調整回路400から昇圧回路300に入力される電圧が低下するため、昇圧回路300は出力する電圧をさらに昇圧する。昇圧回路300の出力する電圧は、速度調整回路400から入力される電圧が目標の値になるまで調整される。
【0113】
このようにして、昇圧回路300と速度調整回路400とによって、電動刈払機1は、電池50の出力の違いに依らずに、目的の回転数で運転することができる。
【0114】
なお、分圧抵抗410と分圧抵抗420と可変抵抗430はそれぞれ、駆動部30と比較して高いインピーダンスを持つ。これにより、速度調整回路400で消費される電力はほとんどない。
【0115】
次に、図12及び図13を参照して、電源回路16の制御回路500と電流検出回路600と電圧検出回路700と電池異常検出回路800とについて説明する。
【0116】
図12に示すように、電流検出回路600は、例えば、電流検出用抵抗610と、オペアンプ620と、接地抵抗621と、帰還抵抗622と、電流制限用抵抗630とから構成される。
【0117】
電流検出用抵抗610は、昇圧回路300と速度調整回路400と駆動部30と、接地部と、を接続している。電流検出用抵抗610の接地されていない側の端子は、オペアンプ620の+端子に接続される。オペアンプ620の出力は、帰還抵抗622を介してオペアンプ620自身の−端子に接続され、更に接地抵抗621を介して接地される。また、オペアンプ620の出力は、電流制限用抵抗630を介して制御回路500に入力される。
【0118】
電流検出用抵抗610は、昇圧回路300と速度調整回路400と駆動部30とに流れる電流の合計を検出する。ただし、昇圧回路300及び速度調整回路400から接地部に流れる電流は、駆動部30に流れる電流に比べ微量なので、昇圧回路300と速度調整回路400と駆動部30とに流れる電流の合計は、駆動部30に流れる電流の量におおよそ等しい。
【0119】
オペアンプ620と接地抵抗621と帰還抵抗622は非反転増幅回路を形成する。オペアンプ620の+端子は非反転入力端子(+)として機能し、オペアンプ620の−端子は非反転入力端子(−)として機能する。オペアンプ620の非反転入力端子(+)には、電流検出量抵抗610と接地部との間の電圧が入力される。オペアンプ620の非反転入力端子(−)は接地抵抗621を介して接地され、オペアンプ620の出力から帰還抵抗622によって負帰還がかかっている。増幅された出力は、電流制限用抵抗630によって電流を制限されて、制御回路500に入力される。
【0120】
制御回路500は、電流検出回路600から閾値以上の電圧を持った信号が入力されると、トリガスイッチ回路200を強制的にOFFする。トリガスイッチ回路200が強制的にOFFされると、トリガ13が引かれたとしても、メインスイッチ回路100から供給される電力は昇圧回路300に供給されない。なお、電流検出用抵抗610と、接地抵抗621と、帰還抵抗622と、電流制限用抵抗630とは、検出した電流が、駆動部30の定格に近い値(例えば15A)を超えれば、制御回路500に閾値以上の電圧の信号が入力されるように調整されている。
【0121】
このように、駆動部30に流れる電流が所定の値以上になると、制御回路500は、トリガスイッチ回路200を強制的にOFFにする。ただし、トリガスイッチ回路200をOFFするが、メインスイッチ回路100はONのままなので、定電圧回路900に電力が供給される。
【0122】
このように、電流検出回路600が検出した駆動部30に流れる電流が異常値になると、制御回路500はトリガスイッチ回路200を強制的にOFFにし、駆動部30への電力の供給を止める。
【0123】
また、制御回路500は、電池電圧検出回路700が検出する電池50の出力電圧が一定以下になった場合、メインスイッチ回路100を強制的にOFFする。電池電圧検出回路700は、例えば、図13に示すように、分圧抵抗710と分圧抵抗720との直列回路から構成される。
【0124】
分圧抵抗710の一端部はメインスイッチ回路100の出力に接続され、他端部は分圧抵抗720の一端部に接続される。分圧抵抗720の他端部は接地される。
【0125】
制御回路500には、分圧抵抗720に印加される電圧が入力され、入力される電圧が電池50の過放電になる電圧以下になると、制御回路500はメインスイッチ回路100を強制的にOFFにする。
【0126】
このように、電池電圧検出回路700は、メインスイッチ回路100から出力される電圧を測定することによって、電池50の出力する電圧を計測し、制御回路500に出力する。電池電圧検出回路700が検出した電池50の出力電圧が異常値になると、制御回路500はメインスイッチ回路100をOFFにして、電池50の出力を止める。これによって、電池50が過放電を起こすことを防止することができる。
【0127】
また、制御回路500は、電池電圧検出回路700から電圧が入力され、電流検出回路600から電圧が入力されない期間が、メモリに記憶してある一定の期間を超すと、自動的にメインスイッチ回路100をOFFする。これによって、メインスイッチ回路がONのまま、電動刈払機1が放置された場合などに、自動的に電動刈払機1の電源を自動的に落とすことができる。
【0128】
また、電池異常検出回路800によって、電池50の基板に備えられた回路が電池セルの異常を検知した際にも、電池50からの電力の供給を自動的に止めることができる。
【0129】
以上説明したように、本発明によれば、電動刈払機において、電力源の種類や出力によらず、決まった出力でモータを駆動させることができる。また、電池の過放電が起きた場合や、モータの定格を超す電流が流れた場合や、電池に異常が起きた場合に、電源を自動的に落とすことができる
【0130】
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0131】
例えば、上記実施例では連結部20は円柱状のパイプだとして説明したが、内部に操作部10の電力を駆動部30に供給する電線があれば良く、連結部20の形状は上記に限定されない。連結部20は、例えば円弧状であってもよいし、形を変えられるフレキシブルな素材で構成されていてもよい。
【0132】
また、上記実施例では、電池残量表示部14は、液晶画面であるとして説明したが、電池の残量を確認できれば、液晶画面である必要はない。例えば、電池50の出力する電圧を直接、あるいは分圧などをして印加電圧に対し輝度が大きく変化する発光ダイオードに印加してもよい。この場合、発光ダイオードの輝度は電池50の出力に比例するため、電池50の電力が減り出力電圧が下がるのに伴い、発光ダイオードの輝度は低下する。発光ダイオードの輝度を見ることによってユーザは電池50の残り残量を確認することができる。
【0133】
また、上記実施例では、運転表示用LED40によって、駆動部30の駆動中か否かを確認できるようにしたが、発光体である必要はない。例えば、スピーカー910から音を発生させることで作業者に報知するようにしてもよいし、別途、駆動を報知する用のスピーカーを備えてもよい。
【0134】
また、上記実施例では、過放電時、過電流時に、制御回路500がメインスイッチ回路100及びトリガスイッチ回路200のON・OFFを制御するとして説明したが、制御回路500が制御する必要はない。例えば、駆動部30に流れる電流が所定の量を超えた場合次のようにすればよい。電池50と駆動部30の間に直列に接続されたGTO(ゲート・ターンオフ・サイリスタ)を、この自己消弧型素子の閾値電圧に略等しい降伏電圧を持つツェナーダイオードをこのGTOのゲートに接続し、駆動部30に所定の電流量を流れた時、降伏電圧を超える電圧がこのツェナーダイオードに印加されるようにすればよい。このようにすれば、駆動部30に流れる電流が所定の値を超えた場合、GTOのゲートに電流が流れ込み、GTOはOFFする。GTOがOFFすると、電池50から出力される電力は駆動部30に供給されない。
【0135】
また、上記実施例では、電池異常検出回路900は、電池50のLD端子からの信号を基に、電池50の異常を検出したが、LD端子からの信号に基づく必要はない。例えば、電池異常検出回路900が電池50の温度を計測し、一定の温度を超えたときに、電池50が異常であるとしてもよいし、電池50のT端子の抵抗を測り、T端子の抵抗によって電池の異常を検出してもよい。また、電池50はリチウムイオン電池であるとして説明したが、電源回路16に電力を供給する機能があればよく、鉛蓄電池でもニッケルカドミウム電池でもよいし、ほかの種類の電池でもよい。なお、電池50がニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池よりも軽量であるリチウムイオン電池とする場合には、連結部20の反対側に配置されているモータが軽量なコアレスモータであってもバランスが良くなり、全体的に軽量な作業性の良い電動刈払機1を提供することができる。
【0136】
また、上記実施例では、制御回路500は、内部のメモリに記憶されたテーブルを参照して、電池50の出力する電池情報から電池50の放電電圧を決めたが、これに限定されない。例えば、電池情報に含まれる特定の情報から放電電圧を決めてもよい。この場合、電池情報に含まれる電池50の定格電圧の半分の値を放電電圧にしてもよい。
【0137】
また、上記実施例では、電源部10と駆動部30とは離間して連結部20に配置されたが、電源部10と駆動部30は、電源部10の出力する電力が駆動部30に供給されれば、離間して配置される必要はないし、連結部20に配置される必要もない。例えば、連結部20の片側に電源部10と駆動部30が近接して配置されてもよいし、電源部10と駆動部30とが導線でのみ接続されており、連結部20がなくてもよい。
【0138】
なお、電動刈払機1は、図14に示すように、連結部20に対してブレード39が傾斜するよう配置されていてもよい。これは、図17に示すようにグリップ(グリップ部)22(図示せず)及びD型ハンドル21を握る手を腰周りで矢印Oのようにスイングしながら作業を行なう一般的な電動刈払機1での作業時に、作業者が自然な体勢を保てるようにするためである。図14に示す電動刈払機1は、例えば、全長Aが約180cm、連結部に対するブレードの傾斜角度Bが約38度となり、グリップ22と地面との距離Cが作業者の腰より少し上方となる70〜90cmの位置で、ブレード39が地面と略平行になるよう構成されている。また、D型ハンドル21は作業者が連結部20上で任意の位置に取付け可能である。そして、作業者が力を加えるトリガ13からD型ハンドル21の把持部までの距離であるD型ハンドル21とグリップ22との離間距離Eは、作業時に作業者が自然な体勢で作業が行なえるよう、作業者の肩幅分程度の距離、例えば、少なくとも20cm、望ましくは30cmに設定される。
【0139】
なお、D型ハンドル21とグリップ22との間には、図15、図16に示す作業者の肩に掛けることができるベルト65を保持するベルト保持部28が取付けられており、図15、図17に示すように、ベルト65をベルト保持部28に係合させ、ベルト65を肩に掛け、電動刈払機1の重量を肩で受けながら作業を行なうことで、作業者の疲労を軽減することができる。
【0140】
また、電動刈払機1は、共通の取付け部形状を有する14.4V、18Vのリチウムイオン(Li−ion)電池(リチウム蓄電池)及びニカド(Ni−Cd)電池が電源部10に取付け可能となっている。なお、14.4Vのリチウム電池は、例えば、リチウムイオン電池セル8本を4本ずつ並列に配置した重量約550g、容量3.0Ahのもの、リチウムイオン電池セル4本を直列に配置した重量約300g、容量1.5Ahのものがある。また、18Vのリチウムイオン電池は、例えば、リチウムイオン電池セル10本を5本ずつ並列に配置した重量約700g、容量3.0Ahのもの、リチウムイオン電池セル5本を直列に配置した重量約400g、容量1.5Ahのものがある。さらに、14.4Vニカド電池は、例えば、ニカド電池セル12本を直列に配置した重量約800g、容量3.0Ahのもの、18Vのニカド電池は、例えば、ニカド電池セル15本を直列に配置した重量約1000g、容量3.0Ahのものである。
【0141】
電動刈払機1の駆動部30は、ギヤ及びコアがないため比較的軽量であるが、モータケース29をアルミニウム合金で成型しており、ブレード39を含めた駆動部30の重量は、例えば、約1500gである。このため、図14に示すように、例えば、電源部10に18Vのニカド電池を取付けた場合の電動刈払機1の重心の位置G1、容量3.0Ahの18Vのリチウムイオン電池を取付けた場合の重心の位置G2、容量3.0Ahの14.4Vリチウムイオン電池を取付けた場合の重心の位置G3、および、容量1.5Ahの14.4Vリチウムイオン電池を取付けた場合の重心の位置G4のそれぞれは、D型ハンドル21よりも駆動部30側に位置する。つまり、上述のいずれの電池を電源部10に取付けたとしても、電動刈払機1の重心の位置はD型ハンドル21よりも駆動部30側に位置する。
【0142】
重心の位置がD型ハンドル21よりも電源部10側に位置すると、D型ハンドル21を上方に持ち上げながら横方向にスイングさせる作業形態となってしまう。しかし、電動刈払機1の重心の位置はD型ハンドル21よりも駆動部30側に位置するので、グリップ22及びD型ハンドル21を把持して電動刈払機1を保持した際に、自ずとコアレスモータが地面側に位置する前傾姿勢となるため、作業中に電動刈払機1を前傾姿勢にするような力を加えなくとも良く作業者の負担が小さくなり、作業性を向上させることができる。また、D型ハンドル21とグリップ22との間にベルト保持部28が位置するため、ベルト65を肩に掛けた際に、自ずとコアレスモータが地面側に位置する前傾姿勢となり、作業性が良い。なお、ベルト65を肩に掛けた状態においては、ベルト保持部28の後方側に位置するグリップ22を握りながらグリップ22に地面側への力を加えれば、ベルト保持部28とグリップ22とで電動刈払機1が支えられることになり、D型ハンドル21にスイング方向への力を加えるだけで電動刈払機1がベルト保持部28を支点として揺動するので、ブレード39を狙ったところへ移動させ易く操作性を向上させることができる。
【0143】
なお、上記実施形態では、モータケース29をアルミニウム合金で成型したが、モータケース29を樹脂で形成するとともに、重心位置をD型ハンドル21よりも駆動部30側にするために、駆動部30付近にウェイトを設ける構成としても良い。しかしながら、モータケース29をアルミニウム合金で成型した構成の方が、冷却作用が高くなり、コイル基板31の温度向上を抑制することができると共に強度を高めることができ、寿命を向上させることができる。
【0144】
また、電動刈払機1は、ブレード39がコアレスモータの中心軸32に直接駆動される構成、即ちギヤ等を介さずにコアレスモータにブレード39が直結される構成であるため、機械的な損失を抑制でき、更にギヤ音が発生せず騒音の発生を抑制することができる。さらに、コアレスモータは、コイル基板31を中心軸32の軸方向に通過する磁束が発生することで回転する構成である。このため、駆動部30側(ブレード39側)にモータが配置された構成でありながら、中心軸32の方向にモータが突出することが無く、駆動部30の中心軸32の方向の寸法を大幅に抑えることができる。したがって、駆動部30の中心軸32の方向の突出による作業性の低下を抑制することができる。
【0145】
(請求項24の追加記載部分に対応)
なお、上述の実施形態におけるコアレスモータは、回転子側にコイル基板31、固定子側にマグネット部37を備えたブラシ33を有するコアレスモータであったが、固定子側にコイル基板、回転子側にマグネットの構成をしたブラシレスタイプのコアレスモータであってもよい。
【0146】
また、上述の実施形態では、14.4V、18Vのリチウムイオン電池及びニカド蓄電池のいずれの電池を取付けても、重心位置がD型ハンドル21よりもコアレスモータ側に位置するよう構成している。しかし、全体的な軽量化を図りながらバランスが良く、静かで長時間の駆動が可能な電動刈払機を提供するという観点からは、リチウムイオン電池のみを取付け可能な構成としても良い。
【0147】
また、上記実施例では、電動モータを用いた電動刈払機に適用した電動作業機の例を説明したが、本発明は任意の電気機器に応用でき、他の電動モータを用いた作業機にも同様に広く適用できる。特に、サンダ、ポリッシャ、ルータ、集じん機など電動モータの回転が減速機を介さず作業具(回転刃、ファン等)に直接伝達されるものに適する。
【符号の説明】
【0148】
1 電動刈払機
10 操作部
11 電池取付部
12 メインスイッチ
13 トリガ
14 電池残量表示部
15 メインLED
16 電源回路
20 連結部
21 D字型ハンドル
22 グリップ
23 U字型ハンドル
24 ワイヤ
25 回転軸
26 可変速スイッチ
27 樹脂製カバー
30 駆動部
40 運転表示用LED
50 電池
100 メインスイッチ回路
200 トリガスイッチ回路
300 昇圧回路
400 速度調整回路
500 制御回路
600 電流検出回路
700 電池電圧検出回路
800 電池異常検出回路
900 定電圧回路
910 スピーカー
920 音楽再生回路
930 ラジオ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池を取り付ける電池取付部を備える電源部と、
前記電池から入力される電圧を変換して出力する電圧変換部と、
連動して回転する作業具が接続され、前記電圧変換部から出力される電力を動力に変換して回転する電動モータと、
前記電動モータに印加される電圧を計測して前記電圧変換部に出力する速度調整部と、
を備え、
前記電圧変換部は、前記速度調整部の出力する電圧が所定の高さになるように出力する電圧を調整する、
ことを特徴とする電動作業機。
【請求項2】
前記電池取付部は、出力電圧の異なる電池が着脱される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電動作業機。
【請求項3】
前記電動モータに流れる電流が所定の量を超えると、前記電動モータに流れる電流を遮断する、過電流保護部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電動作業機。
【請求項4】
前記電動モータに流れる電流が所定の量を超えると、過電流が流れたことを報知する第1の報知部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項5】
前記電池の出力する電圧が当該電池の過放電する電圧以下になると、前記電動モータに流れる電流を遮断する、過放電保護部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項6】
前記電池の出力する電圧が当該電池の過放電する電圧以下になると、前記電池が過放電であることを報知する第2の報知部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項7】
前記電池の出力する当該電池の電池情報から当該電池の過放電する電圧を決定する過放電電圧決定部を更に備える、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の電動作業機。
【請求項8】
前記電池の異常時に、当該電池の出力する電池異常信号に応じて前記電動モータに流れる電流を遮断する、電池異常停止部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項9】
前記電池異常停止部は、前記電池異常信号が入力されると、前記電池が前記電池取付部から外されるまで、前記電動モータに流れる電流を遮断する、
ことを特徴とする請求項8に記載の電動作業機。
【請求項10】
前記電池の異常時に、前記電池が異常であることを報知する第3の報知部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項11】
トリガを更に備え、
前記速度調整部は、前記トリガの引き量に応じて前記電圧変換部に印加する電圧を変化させる、
ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項12】
前記トリガの引き量が所定の量に満たない場合、前記電動モータに流れる電流を遮断するトリガスイッチ部を更に備え、
前記トリガの引き量が所定の量以上の場合、前記電池の出力する電力が、前記トリガスイッチ部を介して前記電動モータに供給される、
ことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項13】
前記電池から前記トリガスイッチに流れる電流を遮断するメインスイッチ部を更に備え、
前記電池の出力する電力が、前記メインスイッチ部がONで前記トリガの引き量が所定の量以上の場合、前記メインスイッチ部と前記トリガスイッチ部と前記電圧変換部とを介して前記電動モータに供給される、
ことを特徴とする請求項12に記載の電動作業機。
【請求項14】
前記メインスイッチ部がONの場合に点灯する第1の発光部を更に備える、
ことを特徴とする請求項13に記載の電動作業機。
【請求項15】
前記電池の出力する電圧に応じて段階的に電池残量を表示する電池残量表示部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項16】
前記電池の出力する電圧から定電圧を出力する定電圧回路を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項17】
前記定電圧回路の出力する電圧が印加されることで動作し、音楽データをデコードして音情報を再生する音楽再生部を更に備える、
ことを特徴とする請求項16に記載の電動作業機。
【請求項18】
前記定電圧回路の出力する電圧が印可されることで動作し、アンテナの受信した電波から音情報を検波するラジオを更に備える、
ことを特徴とする請求項16または17に記載の電動作業機。
【請求項19】
前記定電圧回路の出力する電圧で前記音情報を増幅して発声するスピーカーを更に備える、
ことを特徴とする請求項16乃至18の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項20】
前記電動モータはコアレスモータである、
ことを特徴とする請求項1乃至19の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項21】
一端部が前記電源部に支持され、他端部に前記電動モータを配置される連結部を更に備える、
ことを特徴とする、請求項20に記載の電動作業機。
【請求項22】
前記電動モータに電力が供給されると発光する第2の発光部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至21の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項23】
前記電動モータに電力が供給されると、電力の供給を報知する第4の報知部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至22の何れか1項に記載の電動作業機。
【請求項24】
前記コアレスモータは、出力軸が固定された回転子と、固定子とを有すると共に、
前記回転子と前記固定子との何れか一方は、前記出力軸の軸線方向視において前記出力軸を中心として円周方向に配列された略環状の複数のコイルを有する円板状のコイル基板を備え、
前記回転子と前記固定子との何れか他方は、前記コイル基板を前記出力軸の軸線方向に通過する磁束を発生するようマグネットを備える、
ことを特徴とする請求項20記載の電動作業機。
【請求項25】
コアレスモータと、
リチウム蓄電池を着脱可能に取付ける取付部を備えた電源部と、
一端に前記コアレスモータを保持し、他端に前記電源部を保持する連結部とを備え、
前記コアレスモータは、出力軸が固定された回転子と、固定子とを有すると共に、
前記回転子と前記固定子との何れか一方は、前記出力軸の軸線方向視において前記出力軸を中心として円周方向に配列された略環状の複数のコイルを有する円板状のコイル基板を備え、
前記回転子と前記固定子との何れか他方は、前記コイル基板を前記出力軸の軸線方向に通過する磁束を発生するようマグネットを備える、
ことを特徴とする電動作業機。
【請求項26】
コアレスモータと、
蓄電池を着脱可能に取付ける取付部を備えた電源部と、
一端に前記コアレスモータを保持し、他端に前記電源部を保持する連結部と、
前記連結部の長手方向に延び、前記コアレスモータの駆動を制御するための作業者が操作可能なトリガを有し、前記電源部と連続して設けられたグリップ部と、
前記電源部及び前記グリップ部とから離間した前記連結部上に設けられた作業者が把持可能なハンドルとを備え、
前記コアレスモータは、
出力軸が固定された回転子と、固定子とを有すると共に、
前記回転子と前記固定子との何れか一方は、前記出力軸の軸線方向視において前記出力軸を中心として円周方向に配列された略環状の複数のコイルを有する円板状のコイル基板を備え、
前記回転子と前記固定子との何れか他方は、前記コイル基板を前記出力軸の軸線方向に通過する磁束を発生するようマグネットを備え、
前記コアレスモータの重量を前記取付部に取付けられる前記蓄電池の重量より大きくして、重心を前記ハンドルよりも前記コアレスモータ側に位置させる、
ことを特徴とする電動作業機。
【請求項27】
前記コアレスモータは、前記回転子を収容するアルミニウム合金製のモータケースを備える、
ことを特徴とする請求項26に記載の電動作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−92178(P2011−92178A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6186(P2010−6186)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】