説明

電圧試験プラグ

【課題】電圧試験の作業効率を向上させ、配線作業の結線ミスや操作ミスを防止することができる電圧試験プラグを提供すること。
【解決手段】電圧試験プラグ40は、運転するときには電気装置9の端末と外部電源回路8の端末とを接続する一方、電気装置9を試験するとき電気装置9の端末と外部電源回路8とを切り離すため、電圧試験端子30へ挿入することによって電気装置9の端末と外部電源回路8の端末とを切り離し、電気装置9の端末と試験器7の端末とを接続するものであり、電圧試験プラグ40が電圧試験端子30へ挿入されたとき電気装置9の端末に電気的に接続される第1の端子(内部接続端子)54と、試験器7の端末と電気的に接続される第2の端子(中心接続端子)43と、第1の端子(内部接続端子)54と第2の端子(中心接続端子)43とを選択的に電気的に接続、非接続の状態に切り換えできるスイッチ手段43(中心接続端子)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器の保守・点検に用いられる電圧試験プラグに係り、特に、電力用配電盤や継電器盤などの電気装置の試験などに用いられる電圧試験プラグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気装置(例えば電力用配電盤、継電器盤、制御装置)の電圧回路の機能試験や保守・点検を行う場合に電気装置を外部電源回路(例えば電力系統)と切り離し、代わりに試験器などを用いて試験入力を印加するために、電気装置と外部電源回路の間に設置された電圧試験端子に電圧試験プラグを挿入することにより電気装置と外部からの電圧回路を切り離し、切り離した後に電圧試験プラグに試験器を接続することが行われている。
【0003】
図11に示す通り、保守員は、電圧試験プラグ140を用いて、電力用配電盤や継電器盤などの機器100の試験を行う。試験は、機器100の内部にある複数の電圧試験端子30のうち必要な電圧試験端子に電圧試験プラグ140を挿入した状態で行われる。
【0004】
図11は、従来の電圧試験プラグ、及び一般的な電圧試験端子の構成を示している。図11(a)は、従来の電圧試験プラグが一般的な電圧試験端子に挿入されていない状態における一つの極の断面図である。他の極の断面図も同じであるため、特に図示しない。図11(b)は、従来の電圧試験プラグが一般的な電圧試験端子に挿入されている状態における一つの極の断面図である。一つの極の断面図のみ示されているが他の極の断面図も同じであるため、特に図示しない。図11(c)は、従来の電圧試験プラグの上面図である。
【0005】
電圧試験端子30は、絶縁性材料からなるフランジ31、及び同じく絶縁性材料からなる電圧試験端子筐体35により形成され、その内部に、外部電源回路8に接続する電圧試験端子一次外部接続部36a、電圧試験端子一次外部接続部36aに電気的に接続していると共に電圧試験プラグ140の対応接続部に接続される電圧試験端子一次接続部39a、及び電気装置9に接続する電圧試験端子二次外部接続部32a、電圧試験端子二次外部接続部32aに電気的に接続していると共に電圧試験プラグ140の対応接続部に接続される電圧試験端子二次接続部38aが設けられている。
【0006】
電圧試験端子一次接続部39aには一次側ターミナル37aが、電圧試験端子二次接続部38aには二次側ターミナル33aがそれぞれ接続されている。図11(a)で示す通り、一次側ターミナル37a、及び二次側ターミナル33aは、バネ部材29a、バネ部材34aによりそれぞれ付勢されているため、電圧試験端子30に電圧試験プラグ140が挿入されてない状態では、お互いに接触し、電気的に接続されている。すなわち、機器100の通常の使用状態では外部電源回路8は、電圧試験端子30を介して電気装置9に接続されている。
【0007】
電圧試験プラグ140は、絶縁性材料からなる電圧試験プラグ筐体145により形成され、電圧試験プラグ筐体145から電圧試験端子30に電圧試験プラグ140が挿入された場合に電圧試験端子一次接続部39aと接続する電圧試験プラグ一次接続部146a、同じく電圧試験端子二次接続部38aと接続する電圧試験プラグ二次接続部142aがそれぞれ突出している。電圧試験プラグ一次接続部146a、及び電圧試験プラグ二次接続部142aの間には絶縁部材144が設けられている。
【0008】
電圧試験プラグ二次接続部142aの他方は、溶着のような接続手段により端子部143aに電気的に接続されている。端子部143aは、ねじが形成された棒状の部材である。端子部143aにはナット141aが螺合されている。換言すると、ナット141aは、これが回転することにより、試験器7に接続されたケーブル71aを端子部143aに締め付けて、端子部143aとケーブル71aとを電気的に接続させることができるように、端子部143aに設けられている。
【0009】
電圧試験プラグ一次接続部146aの他方は、溶着のような接続手段により端子部147aに電気的に接続されている。端子部147aは、ねじが形成された筒状の部材である。端子部147aには、ナット149aが螺合されている。
【0010】
端子部147aは、端子部143aに電気的に非接続な状態で端子部143aの側面を環状状態に囲むように、形成されている。
【0011】
図11(b)で示す通り、継電器盤などの点検時、電圧試験端子30に電圧試験プラグ140を挿入すると、電圧試験プラグ一次接続部146a及び電圧試験プラグ二次接続部142aが電圧試験端子一次接続部39a及び電圧試験端子二次接続部38aの間に押し込まれることにより一次側ターミナル37aと二次側ターミナル33aとの接触がなくなり、電気装置9の内部回路が外部電源回路8から切り離される。そして、電気装置9が外部電源回路8と切り離された後に、試験器7からのケーブル71aを端子部143aに接続することができる。
【0012】
ここで、誤って試験器7からのケーブル71aを端子部143aに接続したまま電圧試験プラグ140を電圧試験端子30に挿入する、或は電圧試験端子30から抜き出す場合、ある位置で一次側ターミナル37aと二次側ターミナル33aとが非接触となるが、非接触となる寸前、或は、接触が始まる直後では、電圧試験プラグ一次接続部146aと電圧試験端子一次接続部39a、電圧試験プラグ二次接続部142aと電圧試験端子二次接続部38aとが接触している上に、電圧試験プラグ二次接続部142a、ケーブル71aを介して試験器7が接続状態になる。従ってこのとき、外部電源回路8に試験器7が接続されてしまうことになり、この場合に試験器7に可変電圧昇降器や試験電圧発生器などが用いられていると、これらの内部インピーダンスは、電気装置9のインピーダンスに比べ低い値であるため、外部電源回路8に低いインピーダンスが接続されたことと同じ状態になる。これにより過負荷状態になり、電圧回路の保護ヒューズが切れたり、電圧回路の電圧の低下を起こし、電気装置9の誤動作や損傷、或は、同じ電圧回路につながる他の電気装置の誤動作や損傷を引き起こすことがあるという問題がある。
【0013】
また、従って、試験器7からのケーブル71aを端子部143aから外した状態で、電圧試験プラグ140を電圧試験端子30に挿入する、或は電圧試験端子30から抜き出す必要があるため、ケーブル71aの取り付け、取り外しの作業に多くの手間及び時間を要するので機器100の試験の作業効率が悪いという問題がある。
【0014】
また、電圧試験ではケーブル接続、取り外しを繰り返し行うため、結線ミスの可能性があるという問題がある。
【0015】
これらの問題について、試験器と電圧試験プラグとの間に閉回路が形成されているか否かを検出する閉回路検出手段と、電圧試験端子へ挿入された電圧試験プラグの位置を検出する位置検出手段と、電圧試験端子側に設けられた電圧試験プラグの挿入及び引き抜きを阻止する電圧試験端子ロック機構部とにより、閉回路が検出され、かつ、電圧試験プラグが挿入前と判別されたとき、電圧試験プラグの挿入を阻止する一方、閉回路が検出され、かつ、電圧試験プラグが挿入されたと判別されたとき電圧試験プラグの引き抜きを阻止することにより、試験器がつながったまま電圧試験プラグが抜き差しされることによる電気装置や外部の電圧回路の誤動作や損傷を防止できるようにするといった技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0016】
この文献には、試験器を接続したまま電圧試験プラグを抜き差しすることを阻止し電気装置や外部の電圧回路の誤動作や損傷を防止する技術が開示されているが、電圧試験の作業効率、配線作業の結線ミスや操作ミスに関するものは見当たらない。
【0017】
【特許文献1】特開平7−12844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、以上のような問題を解決し、電圧試験の作業効率を向上させ、配線作業の結線ミスや操作ミスを防止することができる電圧試験プラグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の課題を解決するため、本発明者らは、試験器ケーブルに繋がる電気経路を電圧試験プラグの内部で接続、或は非接続と切り換えできるようにし、切り換えは電圧試験プラグの各極をまとめて操作できるようにし、電圧試験プラグが接続、或は非接続のいずれの状態か識別可能とすることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0020】
(1) 運転するときには電気装置の端末と外部電源回路の端末とを接続する一方、前記電気装置を試験するとき前記電気装置の端末と前記外部電源回路とを切り離すための電圧試験端子へ挿入することによって前記電気装置の端末と前記外部電源回路の端末とを切り離し、前記電気装置の端末と試験器の端末とを接続する電圧試験プラグであって、前記電圧試験プラグが前記電圧試験端子へ挿入されたとき前記電気装置の端末に電気的に接続される第1の端子と、前記試験器の端末と電気的に接続される第2の端子と、前記第1の端子と前記第2の端子とを選択的に電気的に接続、非接続の状態に切り換えできるスイッチ手段を備えた電圧試験プラグ。
【0021】
(1)に記載の発明は、電圧試験プラグの内部に設けたスイッチ手段で、試験器の端末に繋がる電気経路を接続、或は非接続と切り換えしているので、試験器の端末からのケーブルを取り付けたまま、電気的に接続、或は非接続と切り換えすることができる。
【0022】
(2) 運転するときには電気装置の端末と外部電源回路の端末とを接続する一方、前記電気装置を試験するとき前記電気装置の端末と前記外部電源回路とを切り離すための電圧試験端子へ挿入することによって前記電気装置の端末と前記外部電源回路の端末とを切り離し、前記電気装置の端末と試験器の端末とを接続する電圧試験プラグであって、前記電圧試験プラグに設けられた外側接続端子と、前記外側接続端子の内部を摺動可能に、かつ前記外側接続端子と絶縁状態を保持されると共に前記試験器の端末と電気的に接続される中心接続端子と、前記電圧試験プラグが前記電圧試験端子へ挿入されたとき前記電気装置の端末に電気的に接続される内部接続端子と、を備え、前記中心接続端子が摺動することにより、前記中心接続端子と前記内部接続端子とを選択的に電気的に接続、非接続の状態に切り換えできる、電圧試験プラグ。
【0023】
(2)に記載の発明は、電圧試験プラグの内部に設けた、摺動可能に保持された中心接続端子と接続端子により、試験器の端末に繋がる電気経路を接続、或は非接続と切り換えしているので、試験器の端末からのケーブルを取り付けたまま、電気的に接続、或は非接続と切り換えすることができる。
【0024】
さらに、(1)に記載の電圧試験プラグは、その付勢力により、前記スイッチ手段を前記第1の端子と前記第2の端子とを電気的に通常非接続の状態に保持するバネ部材を有する、電圧試験プラグとしてもよい。
【0025】
このようにすることにより、スイッチ手段が通常状態で、すなわち保守員がスイッチ手段の操作を行わないとき、電気的に非接続になるように設定されているので、電圧試験の操作ミスは更に発生しにくい。
【0026】
さらに、(2)に記載の電圧試験プラグは、その付勢力により、前記中心接続端子を前記中心接続端子と前記内部接続端子とを電気的に通常非接続の状態に保持するバネ部材を有する、電圧試験プラグとしてもよい。
【0027】
このようにすることにより、中心接続端子と内部接続端子との間が通常状態で、すなわち保守員が中心接続端子の操作を行わないとき電気的に非接続になるように設定されているので、電圧試験の操作ミスは更に発生しにくい。
【0028】
さらに、(1)に記載の電圧試験プラグは、前記スイッチ手段を前記第1の端子と前記第2の端子とを電気的に接続する状態に保持するロック手段を有する、電圧試験プラグとしてもよい。
【0029】
さらに、(2)に記載の電圧試験プラグは、前記中心接続端子を前記中心接続端子と前記内部接続端子とを電気的に接続する状態に保持するロック手段を有する電圧試験プラグとしてもよい。
このようにすることにより、これら発明は、スイッチ手段、或は中心接続端子が試験器の端末と電気装置の端末とを電気的に接続する位置にあるとき、すなわち保守員が電圧試験を行うとき、スイッチ手段、或は中心接続端子を確実に係止できるため電圧試験を確実に、かつ作業効率良く行うことができる。
【0030】
(3) 運転するときには電気装置の各極の端末と外部電源回路の対応する各極の端末とをそれぞれ接続する一方、前記電気装置を試験するとき前記電気装置と前記外部電源回路とを切り離すため電圧試験端子へ挿入することによって前記電気装置の各極の端末と前記外部電源回路の対応する各極の端末とをそれぞれ切り離し、前記電気装置の各極の端末と試験器の各極に対応する端末とをそれぞれ接続する電圧試験プラグであって、前記電圧試験プラグが前記電圧試験端子へ挿入されたとき前記電気装置の各極の端末にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の端子と、前記試験器の各極に対応する端末とそれぞれ電気的に接続される複数の第2の端子と、前記複数の第1の端子と前記複数の第2の端子との対応する極同士とを、各極同時に、選択的に電気的に接続、非接続の状態に切り換えできる一括スイッチ手段と、を備えた電圧試験プラグ。
【0031】
(3)に記載の発明は、電圧試験プラグの内部に設けた一括スイッチ手段で、試験器の端末に繋がる電気経路を各極同時に接続、或は非接続と切り換えしているので、試験器の端末からのケーブルを取り付けたまま、各極同時に一括して電気的に接続状態から非接続状態へ、或は非接続状態から接続状態へと切り換えすることができ、電圧試験の作業効率が更に良い。
【0032】
(4) 運転するときには電気装置の各極の端末と外部電源回路の対応する各極の端末とをそれぞれ接続する一方、前記電気装置を試験するとき前記電気装置と前記外部電源回路とを切り離すため電圧試験端子へ挿入することによって前記電気装置の各極の端末と前記外部電源回路の対応する各極の端末とをそれぞれ切り離し、前記電気装置の各極の端末と試験器の各極に対応する端末とをそれぞれ接続する電圧試験プラグであって、前記電圧試験プラグに設けられた各極に対応する複数の外側接続端子と、前記複数の外側接続端子の内部をそれぞれ摺動可能に、かつ前記外側接続端子と絶縁状態を保持されると共に前記試験器の各極に対応する端末とそれぞれ電気的に接続される複数の中心接続端子と、前記電圧試験プラグが前記電圧試験端子へ挿入されたとき前記電気装置の各極の端末にそれぞれ電気的に接続される複数の内部接続端子と、前記複数の中心接続端子をそれぞれ電気的に絶縁状態で一体に連結する連結部材と、を備え、前記連結部材によって連結された複数の中心接続端子が同時に摺動することにより、前記複数の中心接続端子と前記複数の内部接続端子との対応する極同士とを、各極同時に、選択的に電気的に接続、非接続の状態に切り換えできる、電圧試験プラグ。
【0033】
(4)に記載の発明は、電圧試験プラグの内部に設けた、連結部材によりお互い絶縁状態を保たれると共に、一体となって摺動可能に保持された複数の中心接続端子と複数の内部接続端子により、試験器の端末に繋がる電気経路を各極同時に接続、或は非接続と切り換えしているので、試験器の端末からのケーブルを取り付けたまま、各極同時に一括して電気的に接続状態から非接続状態へ、或は非接続状態から接続状態へと切り換えすることができるので、電圧試験の作業効率が更に良い。
【0034】
(5) (4)に記載の発明において、前記連結部材を前記内部接続端子側に移動させると前記電圧試験プラグの外側に向けて突出する突出部材を更に備え、前記連結部材を前記内部接続端子側に移動させて前記中心接続端子と前記内部接続端子との対応する極同士とを電気的に接続の状態にして前記突出部材を外側に突出させると、突出した前記突出部材により、前記電圧試験端子への前記電圧試験プラグの挿入が阻害されるか、或は前記電圧試験端子からの前記電圧試験プラグの抜き出しが阻害されると共に、前記連結部材を前記内部接続端子とは反対側に移動させて前記中心接続端子と前記内部接続端子との対応する極同士とを電気的に非接続の状態にして前記突出部材の突出を解消すると、前記電圧試験端子への前記電圧試験プラグの挿入が可能となるか、或は前記電圧試験端子からの前記電圧試験プラグの抜き出しが可能となる、電圧試験プラグ。
【0035】
(5)に記載の発明は、突出部材を外側に突出させると、電圧試験端子への電圧試験プラグの挿入が阻害されるか、或は電圧試験端子からの電圧試験プラグの抜き出しが阻害されるため、電気的に接続状態において、誤って、電圧試験端子へ電圧試験プラグを挿入したり、電圧試験端子から電圧試験プラグを抜き出すことが防止される。一方、突出部材の突出を解消すると、電気的に非接続状態の状態で、電圧試験端子へ電圧試験プラグを挿入することが可能となると共に、電圧試験端子から電圧試験プラグを抜き出すことが可能となる。
【0036】
さらに、(4)に記載の電圧試験プラグは、前記連結部材は、電圧試験プラグを覆うカバーである、電圧試験プラグとしてもよい。
このような発明は、複数の中心接続端子を電気的に絶縁状態で一体に連結する連結部材を、電圧試験プラグを覆うカバーとしているので、切り換え操作が容易であり、電圧試験の作業効率が更に良い。また、電圧試験プラグを覆うカバーにすることにより、露出している試験器との接続結線部分を保護することができるので感電などの恐れがなく更に安全である。また、カバーの一部に切り欠き部を有し、前記電圧試験プラグを電圧試験端子に挿入するとき保守員の指が前記カバーに干渉することなく前記電圧試験プラグを操作できる、電圧試験プラグにすれば、電圧試験の作業効率が更に良い。
さらに、(3)に記載の電圧試験プラグであって、その付勢力により、前記一括スイッチ手段を、前記複数の第1の端子と前記複数の第2の端子との対応する極同士とをそれぞれ電気的に通常非接続の状態に保持するバネ部材を有する、電圧試験プラグ。
【0037】
このような発明は、一括スイッチ手段が通常状態で、すなわち保守員が一括スイッチ手段の操作を行わないとき、電気的に非接続になるように設定されているので、電圧試験の操作ミスは更に発生しにくい。
【0038】
また、次のような変形例も考えられる。
(4)に記載の電圧試験プラグであって、その付勢力により、前記複数の中心接続端子を、前記複数の中心接続端子と前記複数の内部接続端子との対応する極同士とをそれぞれ電気的に通常非接続の状態に保持するバネ部材を有する、電圧試験プラグとすれば、通常状態で、すなわち保守員が中心接続端子の操作を行わないとき電気的に非接続になるように設定されているので、電圧試験の操作ミスは更に発生しにくい。
【0039】
また、(3)に記載の電圧試験プラグであって、前記一括スイッチ手段を、前記複数の第1の端子と前記複数の第2の端子との対応する極同士とをそれぞれ電気的に接続する状態に保持するロック手段を有する、電圧試験プラグ、或は(4)に記載の電圧試験プラグであって、前記複数の中心接続端子を、前記複数の中心接続端子と前記複数の内部接続端子との対応する極同士とをそれぞれ電気的に接続する状態に保持するロック手段を有する、電圧試験プラグとすれば、一括スイッチ手段、或は複数の中心接続端子が試験器の端末と電気装置の端末とを電気的に接続する位置にあるとき、すなわち保守員が電圧試験を行うとき、一括スイッチ手段、或は複数の中心接続端子を確実に係止できるため電圧試験を確実に、かつ作業効率良く行うことができる。
【0040】
更に、(1)に記載の電圧試験プラグであって、前記スイッチ手段が前記第1の端子と前記第2の端子とを電気的に接続、或は非接続のいずれの状態にあるかを表示する表示手段を有する電圧試験プラグ、(2)に記載の電圧試験プラグであって、前記中心接続端子が前記中心接続端子と前記内部接続端子とを電気的に接続、或は非接続のいずれの状態にあるかを表示する表示手段を有する電圧試験プラグ、(3)に記載の電圧試験プラグであって、前記一括スイッチ手段が前記複数の第1の端子と前記複数の第2の端子との対応する極同士とを電気的に接続、或は非接続のいずれの状態にあるかを表示する表示手段を有する電圧試験プラグ、或は(4)に記載の電圧試験プラグであって、複数の中心接続端子が前記複数の中心接続端子と前記複数の内部接続端子との対応する極同士とを電気的に接続、或は非接続のいずれの状態にあるかを表示する表示手段を有する電圧試験プラグとすれば、試験器の端末と電圧試験プラグが電圧試験端子へ挿入されたとき電気装置の端末に電気的に接続される端子とが、電気的に接続、或いは非接続のいずれの状態であるかを表示手段により表示することができる。従って、保守員は、この接続、或いは非接続のいずれの状態かを簡単に認識することができるため、試験器の端末と電圧試験プラグが電圧試験端子へ挿入されたとき電気装置の端末に電気的に接続される端子とが電気的に接続しているとき電圧試験プラグを電圧試験端子へ挿入する、或は電圧試験端子から抜き出してしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、電圧試験の作業効率を向上させ、配線作業の結線ミスや操作ミスを防止することができる電圧試験プラグを提供することができる。また、表示手段が設けられているため、保守員は中心接続端子と内部接続端子とが電気的に接続、或いは非接続のいずれの状態であるかを簡単に認識することができ、試験器の端末と電圧試験プラグが電圧試験端子へ挿入されたとき電気装置の端末に電気的に接続される端子とが電気的に接続しているとき電圧試験プラグを電圧試験端子へ挿入する、或は電圧試験端子から抜き出してしまうことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付した図面を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0043】
[第1の実施例]
図1、及び図2は、本発明に係る電圧試験プラグ40の構成を示す断面図である。図1は、本発明に係る電圧試験プラグ40が一般的な電圧試験端子30に挿入されていない状態における一つの極の断面図である。図2は、本発明に係る電圧試験プラグ40が一般的な電圧試験端子30に挿入されている状態における一つの極の断面図である。図1及び図2において、一つの極の断面図のみ示しているが、他の極の断面図も同じであるため、特に図示しない。
【0044】
図1(a)及び図2(a)に示す電圧試験プラグ40は、図11(従来の電圧試験プラグ、及び一般的な電圧試験端子の構成)に示す一般的な電圧試験端子30と共に使用され、機器100の試験を行う場合、機器100の内部にある複数の電圧試験端子30のうち必要な電圧試験端子に電圧試験プラグ40を挿入した状態で行われる。電圧試験端子30の構成は、前述の通りであるので、繰り返しを避けるためここでは説明を省略する。
【0045】
図1(a)及び図2(a)に示すように、電圧試験プラグ40は、LCP,フェノール樹脂、などの絶縁性材料からなる電圧試験プラグ筐体45により形成され、電圧試験プラグ筐体45から電圧試験プラグ一次接続部46a、電圧試験プラグ二次接続部42aがそれぞれ突出している。電圧試験プラグ一次接続部46aは、電圧試験端子30に電圧試験プラグ40が挿入された場合に電圧試験端子一次接続部39aと接続される。電圧試験プラグ二次接続部42aは、同様に電圧試験端子二次接続部38aと接続される。電圧試験プラグ一次接続部46a、及び電圧試験プラグ二次接続部42aの間には絶縁部材44が設けられている。
【0046】
図1(b)及び図2(b)に示すように、電圧試験プラグ筐体45の他方には、金属など導電性材料からなる筒状の外側接続端子47aが、貫通した状態で固定されている。外側接続端子47aの中心軸は、電圧試験プラグ一次接続部46a、及び電圧試験プラグ二次接続部42aとほぼ平行であり、外側接続端子47aの外側の端部外周面にはねじが形成され、ナット49aが螺合されている。外側接続端子47aの他端は、溶着、或は螺子止めなどの手段により電圧試験プラグ一次接続部46aに電気的に接続されている。
【0047】
外側接続端子47aの内部には、金属など導電性材料からなる棒状の中心接続端子43aが、摺動可能に保持されている。中心接続端子43aの周側面には、樹脂などの絶縁性材料からなる筒状絶縁部材51aが固着されており、筒状絶縁部材51aは、中心接続端子43aと一体になっており、筒状絶縁部材51aの周側面が外側接続端子47aの内周面と滑らかに摺動すると共に、中心接続端子43aの周側面が外側接続端子47aの内周面に接触することを阻止している。すなわち、中心接続端子43aは、外側接続端子47aの内部を摺動可能に、かつ外側接続端子47aと絶縁状態を保持されている。
【0048】
中心接続端子43aの外側の端部外周面にはねじが形成され、ナット41aが螺合されている。ナット41aは、これが回転することにより、試験器7に接続されたケーブル71aを中心接続端子43aに締め付けて、中心接続端子43aとケーブル71aとを電気的に接続させることができるように、中心接続端子43aに設けられている。中心接続端子43aの他端、すなわち電圧試験プラグ筐体45の内側の端部は接続端面53aを形成している。
【0049】
電圧試験プラグ二次接続部42aは、電圧試験プラグ筐体45の内部で、接続端面53aに向かって延び、その端部に内部接続端子54aが形成され、接続端面53aと内部接続端子54aは対向している。内部接続端子54aは、電圧試験プラグ二次接続部と一体でなくてもよく、例えば、舌片状の内部接続端子54aを電圧試験プラグ筐体45の内面に螺子止めなどの手段により取り付け、電圧試験プラグ二次接続部42aを溶着、或は螺子止めなどの手段により内部接続端子54aに電気的に接続してもよい。
【0050】
接続端面53aと内部接続端子54aは、図1に示すように、中心接続端子43aが電圧試験プラグ一次接続部46a、及び電圧試験プラグ二次接続部42aから遠ざかる方向に電圧試験プラグ筐体45に対して摺動すると接続端面53aと内部接続端子54aは離れ、逆に図2に示すように、中心接続端子43aが電圧試験プラグ一次接続部46a、及び電圧試験プラグ二次接続部42aに近づく方向に電圧試験プラグ筐体45に対して摺動すると接続端面53aは内部接続端子54aに当接する位置になるようそれぞれ配置されている。
【0051】
図1に示すように、中心接続端子43aが電圧試験プラグ一次接続部46a及び電圧試験プラグ二次接続部42aから遠ざかる方向に摺動すると、接続端面53aと内部接続端子54aとは離れ、その結果、試験器からのケーブル71aに電気的に接続されている中心接続端子43aと、電圧試験プラグ40が電圧試験端子30へ挿入されたとき電気装置9に電気的に接続される内部接続端子54aとは電気的に非接続の状態になる。この状態を以下、「非接続状態」といい、この状態であれば、試験器からのケーブル71aを電圧試験プラグ40から取り外すことなく、電圧試験プラグ40を問題なく電圧試験端子30へ挿入する、或は電圧試験端子30から抜き出すことができる。
【0052】
図2に示すように、中心接続端子43aが電圧試験プラグ一次接続部46a及び電圧試験プラグ二次接続部42aに近づく方向に摺動すると、接続端面53aと内部接続端子54aとは接触し、その結果、試験器からのケーブル71aに電気的に接続されている中心接続端子43aと、電圧試験プラグ40が電圧試験端子30へ挿入されたとき電気装置9に電気的に接続される内部接続端子54aとは電気的に接続された状態になる。この状態を以下、「接続状態」といい、この状態で試験器7を用いて電気装置9の電圧試験を行うことができる。
【0053】
従って、保守員は、必要に応じてナット41aを操作するなどして中心接続端子43aを電圧試験プラグ筐体45に対して摺動させることにより、電圧試験プラグ40を「非接続状態」から「接続状態」に、或は「接続状態」から「非接続状態」に切り換えることができる。
【0054】
内部接続端子54aは、「接続状態」において確実に接続端面53aと内部接続端子54aとの間の電気的接続を確保するため、弾性を有する部材であることが望ましい。
【0055】
外側接続端子47aは、その内周面に内径縮小部を有し、その内径縮小部は電圧試験プラグ一次接続部46a、及び電圧試験プラグ二次接続部42aに向かう方向と反対側に面する外筒部環状壁面56aを有する。また、中心接続端子43aの周側面に固着されている筒状絶縁部材51aは、その外周面に外径縮小部を有し、その外径縮小部は電圧試験プラグ一次接続部46a、及び電圧試験プラグ二次接続部42aに向かう方向に面する筒状絶縁部材環状壁面55aを有する。従って、外側接続端子47a、及び筒状絶縁部材51aは、その間に、外筒部環状壁面56a、及び筒状絶縁部材環状壁面55aを両端とするパイプ形状の空隙部を有している。
【0056】
この空隙部の中に、外筒部環状壁面56a、及び筒状絶縁部材環状壁面55aにその両端が当接するバネ部材52aが設けられている。このバネ部材52aの付勢力により、中心接続端子43aは、その周側面に固着されている筒状絶縁部材51aと共に、電圧試験プラグ一次接続部46a、及び電圧試験プラグ二次接続部42aから遠ざかる方向に付勢され、電圧試験プラグ40は、通常状態すなわち保守員が中心接続端子43aを特に操作していないときには「非接続状態」になっている。
【0057】
図3は、電圧試験プラグ40の構成、特に電圧試験プラグ筐体45の外側である、外側接続端子47a、中心接続端子43a、及びその周側面に固着されている筒状絶縁部材51aの構成を示す外形図である。図3において、一つの極の断面図のみ示しているが、他の極の断面図も同じであるため、特に図示しない。
【0058】
図3(a)は、電圧試験プラグ40が「非接続状態」、すなわち中心接続端子43aが電圧試験プラグ一次接続部46a、及び電圧試験プラグ二次接続部42aから遠ざかる方向に電圧試験プラグ筐体45に対して摺動している状態を示す。ここで、中心接続端子43aの周側面を覆っている筒状絶縁部材51aは、その周側面に突起部61aを有し、一方、外側接続端子47aは、中心接続端子43aの摺動方向に伸びる溝部62aを有しており、突起部61aは、溝部62aに係合すると共に中心接続端子43aの摺動に伴い溝部62aの中を移動するよう構成されている。
【0059】
図3(b)は、中心接続端子43aが電圧試験プラグ一次接続部46a、及び電圧試験プラグ二次接続部42aに近づく方向に電圧試験プラグ筐体45に対して摺動して、電圧試験プラグ40が「接続状態」になっている状態を示す。この状態で、突起部61aは溝部62aの突き当たり部に当接し、中心接続端子43aが過剰に摺動することを阻止しているが、溝部62aは突き当たり部でその側面に突起部61aを受け入れ可能な凹部63aを有する。
【0060】
従って、図3(c)に示すように、保守員は、この状態でナット41aを操作するなどして中心接続端子43aを回転することにより突起部61aを凹部63aに係合させ、中心接続端子43aの摺動を係止し、電圧試験プラグ40を「接続状態」にロックすることができる。
【0061】
また、図3(a)に示すように、筒状絶縁部材51aの周側面には、「非接続状態」を示す、例えば、「非接続」、或は「遮断」などの文字表示、緑色などの色表示からなる表示部64aが設けられている。図3(a)のように、電圧試験プラグ40が「非接続状態」のときはこれらの表示は表れているが、図3(b)及び図3(c)のように、「接続状態」になるとこれらの表示が外側接続端子47aによって覆われることにより電圧試験プラグ40が「接続状態」であることを示す。これらの構成は、電圧試験プラグ40が「非接続状態」、或は「接続状態」のいずれであるかを示す表示手段となっている。
【0062】
表示手段は、これに限らず、可動部と固定部からなる構成であれば何でもよく、例えば、「接続」と「遮断」の文字表示、或は赤色と緑色の色表示を用いて、該当するものを例えば矢印で指し示す、或は該当するものを窓部、切り欠き部を介して表示するなどの変形例が可能である。
【0063】
[第2の実施例]
図4は、電圧試験プラグ40Aの構成、特に電圧試験プラグ筐体45の外側の、外側接続端子47a、中心接続端子43a、及びその周側面に固着されている筒状絶縁部材51aに形成された、電圧試験プラグ40Aを「接続状態」にロックする手段の別の実施例を示す斜視図である。図示していないが、電圧試験プラグ40Aのうち、電圧試験プラグ一次接続部46a、電圧試験プラグ二次接続部42a、及び電圧試験プラグ筐体45など、電圧試験プラグ40Aを「接続状態」にロックする手段以外の部分は、第1の実施例の通りである。
【0064】
図4(a)に示す通り、第1の実施例と同様に、筒状絶縁部材51aは、その周側面に突起部61aを有し、一方、外側接続端子47aは、図示しない中心接続端子43aの摺動方向に伸びる溝部62aを有しており、突起部61aは、溝部62aに係合すると共に中心接続端子43aの摺動に伴い溝部62aの中を移動するよう構成されている。中心接続端子43aが図示しない電圧試験プラグ一次接続部46a、及び電圧試験プラグ二次接続部42aに近づく方向に電圧試験プラグ筐体45に対して摺動して、電圧試験プラグ40Aが「接続状態」になると、突起部61aは溝部62aの突き当たり部まで移動する。外側接続端子47aには、溝部62aの突き当たり部に位置するホック66aを有するスプリング片65aが設けられ、スプリング片65aはホック66aを溝部62aに押し付けている。
【0065】
図4(b)は、図4(a)のX−X断面を示しているが、ホック66aは、突起部61aを受け入れ可能な、例えば、なべ底状の凹部を有すると共に円環状の斜面からなる縁面を持ちその間に円環状の山部67aを有する。従って、突起部61aを溝部62aの突き当たり部まで移動するとき、すなわち電圧試験プラグ40Aが「接続状態」になるとき、突起部61aは、スプリング片65aの押し付け力に一旦抗して山部67aを乗り越えて凹部に係合するため、「接続状態」になる直前で中心接続端子43aの摺動に対して抵抗力を与えることが出来る。逆に突起部61aを溝部62aの突き当たり部から戻すとき、すなわち電圧試験プラグ40Aが「接続状態」を離れるときも、突起部61aは、スプリング片65aの押し付け力に一旦抗して山部67aを乗り越えて凹部から離れるため、「接続状態」を離れる直前で中心接続端子43aの摺動に対して抵抗力を与えることが出来る。この構成により、保守員は、電圧試験プラグ40Aが「接続状態」になったことを確認できると共に、電圧試験プラグ40Aを「接続状態」にロックすることができる。
【0066】
[第3の実施例]
図5は、電圧試験プラグ40Bの構成、特に電圧試験プラグ筐体45の内部の中心接続端子43a、及び内部接続端子の構成に関する別の実施例を示す断面図である。ここでは一つの極の断面図のみ示しているが、他の極の断面図も同じであるため、特に図示しない。
【0067】
図5(a)に示す通り、外側接続端子47aと絶縁状態を保ちつつ、外側接続端子47aの内部を摺動可能に保持されている中心接続端子43aは、電圧試験プラグ筐体45の内部の端面近傍の外周面に、凹面59aを有する。電圧試験プラグ二次接続部42aは、電圧試験プラグ筐体45の内部で、凹面59aに向かって延び、その端部に内部接続端子58aが形成され、凹面59aと内部接続端子58aは対向している。つまり、内部接続端子58aの先端は、凹面59aが形成する空間に、凹面59aと内部接続端子58aが電気的に絶縁状態で、配置されている。凹面59aの表面には絶縁処理が施されていてもよい。内部接続端子58aは、電圧試験プラグ二次接続部と一体でなくてもよく、例えば、舌片状の内部接続端子58aを電圧試験プラグ筐体45の内面に螺子止めなどの手段により取り付け、電圧試験プラグ二次接続部42aを溶着、或は螺子止めなどの手段により内部接続端子58aに電気的に接続してもよい。
【0068】
凹面59aと内部接続端子58aは、図5(a)に示すように、中心接続端子43aが電圧試験プラグ一次接続部46a及び電圧試験プラグ二次接続部42aに近づく方向に電圧試験プラグ筐体45に対して摺動すると、凹面59aと内部接続端子58aとは離れ、逆に図5(b)に示すように、中心接続端子43aが電圧試験プラグ一次接続部46a及び電圧試験プラグ二次接続部42aから遠ざかる方向に電圧試験プラグ筐体45に対して摺動すると、凹面59aは内部接続端子58aに当接する位置になるようそれぞれ配置されている。
【0069】
図5(a)に示すように、凹面59aと内部接続端子58aとが離れると、試験器からのケーブル71aに電気的に接続されている中心接続端子43aと、電圧試験プラグ40Bが電圧試験端子30へ挿入されたとき電気装置9に電気的に接続される内部接続端子58aとは電気的に非接続の状態になり、「非接続状態」になる。
【0070】
図5(b)に示すように、逆に、凹面59aと内部接続端子58aとが接触すると、試験器からのケーブル71aに電気的に接続されている中心接続端子43aと、電圧試験プラグ40Bが電圧試験端子30へ挿入されたとき電気装置9に電気的に接続される内部接続端子58aとは電気的に接続された状態になり、「接続状態」とになる。
【0071】
また、図5(a)、及び図5(b)に示すように、中心接続端子43aの周側面に固着されている筒状絶縁部材51aは、電圧試験プラグ筐体45の内部であって、外側接続端子47aから突き出ているその周側面に、凹部68aを有する。凹部68aには、螺子止め、或は嵌合などの手段により電圧試験プラグ筐体45の内側面に装着されているバネ部材69aが係合し、中心接続端子43aに対して電圧試験プラグ一次接続部46a、及び電圧試験プラグ二次接続部42aに近づく方向(電圧試験プラグ40Bが「非接続状態」になる方向)の付勢力を加えている。
【0072】
この実施例の構成では、中心接続端子43aを電圧試験プラグ一次接続部46a、及び電圧試験プラグ二次接続部42aに近づく方向に電圧試験プラグ筐体45に対して摺動させると、すなわち中心接続端子43aを電圧試験プラグ筐体45に押し込む方向に摺動させると「非接続状態」になる操作特性(逆に、中心接続端子43aを電圧試験プラグ筐体45から引き抜く方向に摺動させると「接続状態」になる操作特性)が得られ、第1の実施例の場合とは逆の操作特性が得られる。従って、電圧試験の状況によって、中心接続端子43aを電圧試験プラグ筐体45に押し込むと「非接続状態」の方が望ましい場合に用いることができる。
【0073】
また、ここで述べた中心接続端子43a、及び内部接続端子58aの構成に関する部分以外は、第1の実施例、及び第2の実施例の構成を適宜用いることが出来ることは言うまでもない。
【0074】
[第4の実施例]
図6は、本発明に係る電圧試験プラグ40Cの構成を示す断面図である。ここでは、一つの極の断面図のみ示しているが、他の極の断面図も同じであるため、特に図示しない。
【0075】
図6に示す通り、筒状絶縁部材51aは、図示しない筒状絶縁部材51b、51c、及び51dと共に、好ましくは樹脂材料から形成されたカバー部材90によって連結されている。カバー部材90には、取り付け穴91a、及び図示しない取り付け穴91b、91c、及び91dが設けられ、筒状絶縁部材51a、51b、51c、及び51dが、それぞれ嵌合などの手段により固着されている。すなわち、この構成により、「図示しない外側接続端子47a、47b、47c、及び47dの内部を、それぞれ、摺動可能に、かつ絶縁状態を保持されて摺動する、図示しない中心接続端子43a、43b、43c、及び43d」は、一体となって移動する。また、カバー部材90は、箱型の形状であり、電圧試験プラグ筐体45の一部を覆っている。従って、保守員は、それぞれの電極を個々に操作することなく、カバー部材90を電圧試験プラグ筐体45に対してスライドさせることにより、電圧試験プラグ40Cを一括して「接続状態」、或は「非接続状態」に切り換えることが出来る。
【0076】
図7は、電圧試験プラグ40Cの構成を示す三角図である。図7(a)は、カバー部材90の正面図であり、カバー部材90には、前述の通り、電圧試験プラグ40Cに設けられている筒状絶縁部材51a、51b、51c、及び51dに対応する位置に、取り付け穴91a、91b、91c、及び91dが設けられている。また、カバー部材90には、その一部に、好ましくは左右2個の切り欠き部97が設けられ、保守員が電圧試験プラグ40Cを電圧試験端子30に挿入するとき、或は抜き出すとき保守員の指がカバー部材90に干渉することがないようにされている。
【0077】
図7(b)及び図7(c)では、電圧試験プラグ40Cは「非接続状態」となっている。また、図7(d)及び図7(e)では、電圧試験プラグ40Cは「接続状態」となっている。カバー部材90にはストッパー95が設けられ、ストッパー95は、「接続状態」で電圧試験プラグ筐体45に当接することにより、中心接続端子43aが過剰に摺動することを阻止している。
【0078】
図7(b)乃至図7(e)に示される通り、電圧試験プラグ筐体45には、「非接続状態」を示す、例えば、「非接続」、或は「遮断」などの文字表示、緑色などの色表示からなる表示部96が設けられている。図7(b)及び図7(c)のように、電圧試験プラグ40Cが「非接続状態」のときはこれらの表示は表れているが、図7(d)及び図7(e)のように、「接続状態」になるとこれらの表示はカバー部材90によって覆われることにより電圧試験プラグ40Cが「接続状態」であることを示す。
【0079】
この実施例では、図6に示す通り、電圧試験プラグ一次接続部46a、電圧試験プラグ二次接続部42a、電圧試験プラグ筐体45、中心接続端子43a、筒状絶縁部材51a、及び外側接続端子47aなどの構成は第1の実施例と同じ構成としているが、第2の実施例、及び第3の実施例の構成を適宜用いることが出来ることは言うまでもない。例えば、電圧試験プラグ40Cを「接続状態」にロックする手段は、第2の実施例で説明した、筒状絶縁部材51a(一方)に設けられた突起部61a、及び外側接続端子47(相対的に移動する他方)に設けられた溝部62a、スプリング片65a、及びホック66aからなる構成を同様に各電極に用いることが出来る。この、突起部61a、及び溝部62a、スプリング片65a、及びホック66aからなる構成は、一部の電極(例えば、端の2電極)にのみ設けることも可能であり、また、電圧試験プラグ筐体45に突起部61aを設け、カバー部材90に溝部62a、スプリング片65a、及びホック66aを設けることも可能である。
【0080】
[第5の実施例]
図8は、本発明に係る電圧試験プラグ40Dの構成を示す斜視図である。図8(a)は「非接続状態」を示す斜視図であり、図8(b)は「接続状態」を示す斜視図である。図9は、図8に示す電圧試験プラグの模式図である。図9(a)は正面図であり、図9(b)は「非接続状態」を示す上面図であり、図9(c)は「接続状態」を示す上面図である。図10(a)及び(b)は、電圧試験プラグ40Dの効果を示す模式的断面図である。
【0081】
第5の実施例は、第4の実施例に比して、カバー部材90が設けられていない。その代わりに、電圧試験プラグ筐体45を覆わない連結部材92が設けられている。すなわち、図8及び図9に示す通り、4個の筒状絶縁部材51a、51b、51c、及び51dは、平行四辺形の頂点を形成するように配列しており、樹脂材料などから形成された連結部材92によって連結されている。図9(c)に示すように、連結部材92には、筒状絶縁部材51a、51b、51c、及び51dに対応する位置にそれぞれ取り付け穴93a、93b、93c、及び93dが設けられている。取り付け穴93a、93b、93c、及び93dには、それぞれ筒状絶縁部材51a、51b、51c、及び51dが嵌合などの手段により固着されている。
【0082】
連結部材92は、電圧試験プラグ筐体45を覆わない点を除き、カバー部材90と同様に機能する。すなわち、第5の実施例においても、第4の実施例と同様に、「図示しない外側接続端子47a、47b、47c、及び47dの内部を、それぞれ、摺動可能に、かつ絶縁状態を保持されて摺動する、図示しない中心接続端子43a、43b、43c、及び43d」は、一体となって移動する。
【0083】
図8(a)及び図9(b)では、電圧試験プラグ40Dは「非接続状態」となっている。また、図8(b)及び図9(c)では、電圧試験プラグ40Dは「接続状態」となっている。
第5の実施例においては、第1の実施例などと同様に、図示しないバネ部材の付勢力により、図示しない中心接続端子43a、43b、43c、及び43dは、その周側面に固着されている筒状絶縁部材51a、51b、51c、及び51dと共に、電圧試験プラグ一次接続部46a、46b、46c、及び46d(「46d」のみ図示)、並びに電圧試験プラグ二次接続部42a、42b、42c、及び42dから遠ざかる方向に付勢されており、そのため、電圧試験プラグ40Dは、通常状態すなわち保守員が中心接続端子43a、43b、43c、及び43dを特に操作していないときには「非接続状態」になっている。
【0084】
一方、図示しない中心接続端子43a、43b、43c、及び43dは、その周側面に固着されている筒状絶縁部材51a、51b、51c、及び51dと共に、電圧試験プラグ一次接続部46a、46b、46c、及び46d、並びに電圧試験プラグ二次接続部42a、42b、42c、及び42dに近づく方向摺動すると、「接続状態」となる。
従って、保守員は、それぞれの電極を個々に操作することなく、連結部材92を電圧試験プラグ筐体45に対してスライドさせることにより、電圧試験プラグ40Dを一括して「接続状態」、或は「非接続状態」に切り換えることが出来る。
【0085】
連結部材92の本体部92aは、取り付け穴93a、93b、93c、及び93dを結ぶ、中抜きの平行四辺形状を有している。また、連結部材92は、本体部92aにおける取り付け穴93aと93bとを結ぶ辺の中央部、及び取り付け穴93cと93dとを結ぶ辺の中央部から、それぞれ電圧試験プラグ筐体45及び絶縁部材44の幅方向外方に延出する一対の延出部92b、92bを備えている。
【0086】
連結部材92には、本体部92aにおける取り付け穴93aと93cとを結ぶ辺の中央部、及び取り付け穴93bと93dとを結ぶ辺の中央部に、それぞれストッパー95、95が設けられている。ストッパー95は、図8(b)及び図9(c)に示すように、「接続状態」で電圧試験プラグ筐体45に当接することにより、連結部材92を介して連結された中心接続端子43a、43b、43c、及び43dが過剰に摺動することを阻止している。また、ストッパー95は、その先端部に設けられた雄ねじを、電圧試験プラグ筐体45の正面に設けられた雌ねじ95a(図8(a)参照)に螺合することにより、ストッパー95が電圧試験プラグ筐体45に当接した状態、すなわち「接続状態」を保持することができる。
【0087】
図9(b)及び(c)は、後述する押圧棒94a、突出部材94b、及びバネ部材94cなどの配置、動きなどを示すために、一部の部材の図示を省略して示す模式図である。
図8及び図9に示すように、一対の延出部92bにおける内部接続端子(図示せず)側の面(すなわち、「接続状態」にするときの摺動方向側の面)には、該摺動方向側に突出する押圧棒94a、94aがそれぞれ設けられている。押圧棒94aは、電圧試験プラグ筐体45を貫通し、絶縁部材44の側面に沿って、絶縁部材44の中空部に配設されている。
【0088】
第5の実施例においては、連結部材92を内部接続端子(図示せず)側に移動させると電圧試験プラグ40の外側に向けて突出する突出部材94bを更に備えている。詳細には、絶縁部材44の中空部における側面44a近傍には、両側面44aそれぞれに対応して、三角柱状の突出部材94b、94bが一対設けられている。突出部材94bの上面及び底面は、直角二等辺三角形状を有している。絶縁部材44の側面44aには、その中空部と外部とを連通する開口部44b(図8(b)参照)が設けられている。
【0089】
突出部材94bは、二等辺のうちの一方の辺に対応する側面が、絶縁部材44の開口部44b側に位置し、絶縁部材44の開口部44bを封鎖していると共に、二等辺のうちの他方の辺に対応する側面が、絶縁部材44の中空部内で、絶縁部材44の挿入先端側を向いている。従って、突出部材94bにおける、直角二等辺三角形における斜辺に対応する側面は、絶縁部材44の中空部内で、押圧棒94aの先端に斜めに対向している。
【0090】
図9に示すように、絶縁部材44の中空部には、一対のバネ部材94c、94cが設けられている。バネ部材94cは、突出部材94bの内側に連結されており、そのため、バネ部材94cの付勢力により、突出部材94bは、絶縁部材44の幅方向内方に向けて付勢されている。
突出部材94bは、押圧棒94aにより押圧されていない状態(すなわち自然状態)においては、その一方の側面が、絶縁部材44の側面44aの開口部44bに位置し、いわゆる「つらいち状態」となる。尚、突出部材94bは、絶縁部材44の中空部に設けられた、図示しないストッパーにより、それ以上、絶縁部材44の中空部に進入しないようになっている。
【0091】
連結部材92は、自然状態においては、第4の実施例におけるカバー部材90と同様に、内部接続端子(図示せず)から遠ざかる方向に付勢されている。このとき、押圧棒94aの先端は、突出部材94bに接しておらず、そのため、突出部材94bは、押圧棒94aにより押圧されていない。
一方、連結部材92を内部接続端子(図示せず)側にスライドさせると、押圧棒94aの先端は、突出部材94bにおける斜辺に対応する側面を押圧する。これにより、突出部材94bは、バネ部材94cの付勢力に抗して、絶縁部材44の幅方向外側に摺動する。その結果、図8(b)及び図9(c)に示すように、突出部材94bの一部が絶縁部材44の側面44aよりも突出する。
【0092】
従って、第5の実施例によれば、「接続状態」では、突出部材94bが突出しているため、図10(a)に示すように、突出部材94bが電圧試験端子30の挿入口に引っ掛かり、電圧試験プラグ40を電圧試験端子30に挿入することができない。また、図10(b)に示すように、例えば、突出部材94bが電圧試験端子30の内部に設けられた凹部30aに引っ掛かり、電圧試験端子30に挿入されている電圧試験プラグ40を電圧試験端子30から抜き出すことができない。
【0093】
つまり、連結部材92を内部接続端子(図示せず)側に移動させて中心接続端子43a、43b、43c、及び43dと前記内部接続端子との対応する極同士とを電気的に接続の状態にして突出部材94bを外側に突出させると、突出した突出部材94bにより、電圧試験端子30への電圧試験プラグ40の挿入が阻害されるか、或は電圧試験端子30からの電圧試験プラグ40の抜き出しが阻害される。
突出部材94bの突出長さ、或は一対の突出部材94b、94bの間隔は、上記の効果を達成可能な大きさに設定される。
【0094】
反対に、「非接続状態」では、突出部材94bが突出していないため、電圧試験プラグ40を電圧試験端子30に挿入することができ、或は、電圧試験端子30に挿入されている電圧試験プラグ40を電圧試験端子30から抜き出すこともできる。
つまり、連結部材92を内部接続端子(図示せず)とは反対側に移動させて中心接続端子43a、43b、43c、及び43dと前記内部接続端子との対応する極同士とを電気的に非接続の状態にして突出部材94bの突出を解消すると、電圧試験端子30への電圧試験プラグ40の挿入が可能となるか、或は電圧試験端子30からの電圧試験プラグ40の抜き出しが可能となる。
【0095】
この実施例では、電圧試験プラグ一次接続部46a、電圧試験プラグ二次接続部42a、電圧試験プラグ筐体45、中心接続端子43a、筒状絶縁部材51a、及び外側接続端子47aなどの構成は第1の実施例と同様の構成としているが、第2の実施例〜第4の実施例の構成を適宜用いることが出来ることは言うまでもない。
また、突出部材94bの構成は、第5の実施例におけるその構成に制限されない。例えば、突出部材94bの立体形状は、三角柱形状に制限されない。突出部材94bの位置は、絶縁部材44の側面44a側ではなくてもよく、絶縁部材44の上面側又は下面側でもよい。突出部材94bの個数は、2個に制限されず、1個又は3個以上でもよい。
突出部材94bを電圧試験プラグ40の外側に突出させる構成は、第5の実施例における構成に制限されない。例えば、リンク機構やカム機構を用いることができる。
【0096】
以上、本発明の実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが出来る。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術範囲に含まれ得ることは、特許記載の範囲の記載から明らかである。
例えば、カバー部材90の形状は、箱型として説明したが、これに限られず平板をコの字状に曲げたものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明に係る電圧試験プラグの構成「非接続状態」を示す断面図である。
【図2】本発明に係る電圧試験プラグの構成「接続状態」を示す断面図である。
【図3】図1に示す電圧試験プラグの外形図である。
【図4】本発明に係る別の電圧試験プラグの構成を示す外形図である。
【図5】本発明に係る更に別の電圧試験プラグの構成を示す断面図である。
【図6】本発明に係る更に別の電圧試験プラグの構成を示す断面図である。
【図7】図6に示す電圧試験プラグの外形図である。
【図8】本発明に係る更に別の電圧試験プラグの構成を示す斜視図である。
【図9】図8に示す電圧試験プラグの外形図である。
【図10】図8に示す電圧試験プラグの効果を示す模式的断面図である。
【図11】従来の電圧試験プラグ、及び電圧試験プラグが挿入される一般的な電圧試験端子の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0098】
7 試験器
8 外部電源回路
9 電気装置
30 電圧試験端子
39 電圧試験端子一次接続部
38 電圧試験端子二次接続部
40、40A、40B、40C、40D 電圧試験プラグ
46 電圧試験プラグ一次接続部
42 電圧試験プラグ二次接続部
43 中心接続端子(第2の端子、及びスイッチ手段)
47 外側接続端子
51 筒状絶縁部材
52 バネ部材
54、58 内部接続端子(第1の端子)
61 突起部
62 溝部
63 凹部
64 表示部
90 カバー部材
92 連結部材
94b 突出部材
96 表示部
97 切り欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転するときには電気装置の端末と外部電源回路の端末とを接続する一方、前記電気装置を試験するとき前記電気装置の端末と前記外部電源回路とを切り離すため、電圧試験端子へ挿入することによって前記電気装置の端末と前記外部電源回路の端末とを切り離し、前記電気装置の端末と試験器の端末とを接続する電圧試験プラグであって、
前記電圧試験プラグが前記電圧試験端子へ挿入されたとき前記電気装置の端末に電気的に接続される第1の端子と、
前記試験器の端末と電気的に接続される第2の端子と、
前記第1の端子と前記第2の端子とを選択的に電気的に接続、非接続の状態に切り換えできるスイッチ手段を備えた電圧試験プラグ。
【請求項2】
運転するときには電気装置の端末と外部電源回路の端末とを接続する一方、前記電気装置を試験するとき前記電気装置の端末と前記外部電源回路とを切り離すため、電圧試験端子へ挿入することによって前記電気装置の端末と前記外部電源回路の端末とを切り離し、前記電気装置の端末と試験器の端末とを接続する電圧試験プラグであって、
前記電圧試験プラグに設けられた外側接続端子と、
前記外側接続端子の内部を摺動可能に、かつ前記外側接続端子と絶縁状態を保持されると共に前記試験器の端末と電気的に接続される中心接続端子と、
前記電圧試験プラグが前記電圧試験端子へ挿入されたとき前記電気装置の端末に電気的に接続される内部接続端子と、を備え、
前記中心接続端子が摺動することにより、前記中心接続端子と前記内部接続端子とを選択的に電気的に接続、非接続の状態に切り換えできる、電圧試験プラグ。
【請求項3】
運転するときには電気装置の各極の端末と外部電源回路の対応する各極の端末とをそれぞれ接続する一方、前記電気装置を試験するとき前記電気装置と前記外部電源回路とを切り離すため、電圧試験端子へ挿入することによって前記電気装置の各極の端末と前記外部電源回路の対応する各極の端末とをそれぞれ切り離し、前記電気装置の各極の端末と試験器の各極に対応する端末とをそれぞれ接続する電圧試験プラグであって、
前記電圧試験プラグが前記電圧試験端子へ挿入されたとき前記電気装置の各極の端末にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の端子と、
前記試験器の各極に対応する端末とそれぞれ電気的に接続される複数の第2の端子と、
前記複数の第1の端子と前記複数の第2の端子との対応する極同士とを、各極同時に、選択的に電気的に接続、非接続の状態に切り換えできる一括スイッチ手段と、を備えた電圧試験プラグ。
【請求項4】
運転するときには電気装置の各極の端末と外部電源回路の対応する各極の端末とをそれぞれ接続する一方、前記電気装置を試験するとき前記電気装置と前記外部電源回路とを切り離すため、電圧試験端子へ挿入することによって前記電気装置の各極の端末と前記外部電源回路の対応する各極の端末とをそれぞれ切り離し、前記電気装置の各極の端末と試験器の各極に対応する端末とをそれぞれ接続する電圧試験プラグであって、
前記電圧試験プラグに設けられた各極に対応する複数の外側接続端子と、
前記複数の外側接続端子の内部をそれぞれ摺動可能に、かつ前記外側接続端子と絶縁状態を保持されると共に前記試験器の各極に対応する端末とそれぞれ電気的に接続される複数の中心接続端子と、
前記電圧試験プラグが前記電圧試験端子へ挿入されたとき前記電気装置の各極の端末にそれぞれ電気的に接続される複数の内部接続端子と、
前記複数の中心接続端子をそれぞれ電気的に絶縁状態で一体に連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材によって連結された複数の中心接続端子が同時に摺動することにより、前記複数の中心接続端子と前記複数の内部接続端子との対応する極同士とを、各極同時に、選択的に電気的に接続、非接続の状態に切り換えできる、電圧試験プラグ。
【請求項5】
前記連結部材を前記内部接続端子側に移動させると前記電圧試験プラグの外側に向けて突出する突出部材を更に備え、
前記連結部材を前記内部接続端子側に移動させて前記中心接続端子と前記内部接続端子との対応する極同士とを電気的に接続の状態にして前記突出部材を外側に突出させると、突出した前記突出部材により、前記電圧試験端子への前記電圧試験プラグの挿入が阻害されるか、或は前記電圧試験端子からの前記電圧試験プラグの抜き出しが阻害されると共に、
前記連結部材を前記内部接続端子とは反対側に移動させて前記中心接続端子と前記内部接続端子との対応する極同士とを電気的に非接続の状態にして前記突出部材の突出を解消すると、前記電圧試験端子への前記電圧試験プラグの挿入が可能となるか、或は前記電圧試験端子からの前記電圧試験プラグの抜き出しが可能となる、請求項4記載の電圧試験プラグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−36599(P2009−36599A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−200215(P2007−200215)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】