説明

電子カメラ

【課題】
ハイアングル撮影をおこなう場合の操作性を向上させた電子カメラの提供。
【解決手段】
電子カメラの人体と対面する側に人体検出手段を設け、人体が検出されて電源投入が継続されている時に、前記人体検出手段からの人体検出信号が無い状態で撮影がおこなわれ、その後人体検出信号が送られてきた時、ハイアングル撮影がおこなわれたとして前記人体検出信号が無い期間におこなわれた撮影画像を再生するよう制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の像を撮像素子で撮像し、記憶媒体に画像をデジタル的に記録するようにした電子カメラに関し、特に撮影者を検出して電子カメラの制御に用いるようにした電子カメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CCDなどの撮像素子を備え、画像をデジタル的に記録できるようにした電子カメラは、従来のフィルムを用いたカメラのように現像、焼き付けなどが不用で撮った画像をすぐ見ることができ、しかもCCDなどの撮像素子は、1素子当たりの画素数が年々増大しているにもかかわらず従来のフィルムよりも小さく、それによってカメラ自体を小型に構成できるという利点がある。
【0003】
またこういった電子カメラには、小型化のため、撮影時以外はレンズを本体内に収納する沈胴式とし、ズームレンズの焦点距離変更に伴ってレンズを伸縮させるようにしたものや、カメラを液晶等の表示装置を備えた操作部と撮影用ズームレンズを備えた撮像部とに分割し、両ユニットを相対的に回転可能に連結することで、ズームレンズの焦点距離を変更した場合も光学系の全長が変化しないようにしたもの、特許文献1に示したように、液晶等の表示部を備えたカメラ本体に対して撮像レンズと撮像素子とを内蔵した撮像部を回転可能に構成し、撮影時には撮像部をカメラ本体に対して撮影したい方向へ回転させ、非撮影時には撮像部をカメラ本体内方向へ回転させて本体内に収納することができるようにしたものなどがある。
【特許文献1】特許第2931907号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらこういった電子カメラ用いて、例えば運動会などで前に大勢の人がいるところでトラックにいる人物を撮るために腕を頭の上に伸ばしてハイアングルによる撮影をカンによっておこなうことがあるが、こういった場合撮影者は、うまく撮れているかどうかを撮影後に表示装置で確認するケースが多い。しかしながらこの場合、電子カメラを撮影モードから再生モードに切り替え、数ある撮影画像の中から今撮影した画像を選択して表示し、さらに撮影モードに戻して撮影を続行する、といった操作をする必要があり、画像を確認した結果うまく撮れていなかった、という場合、既にシャッターチャンスが無くなっていることが多い。
【0005】
また、電子カメラを液晶等の表示装置を備えた操作部と撮影用ズームレンズを備えた撮像部とに分割し、両ユニットを相対的に回転可能に連結した電子カメラや、特許文献1のように、表示部を備えたカメラ本体に対して撮像レンズと撮像素子とを内蔵した撮像部を回転可能に構成した電子カメラにおいては、このように腕を頭の上に伸ばしてハイアングル撮影をおこなう場合、表示装置を見ながら撮影することも可能なカメラも提案されているが、この場合は目とカメラの距離が大きくなるから、表示されている文字が見にくい場合がある。
【0006】
そのため本発明においては、ハンドバックなどに収容して持ち歩いた場合の誤動作を防止し、かつ、ハイアングル撮影をおこなう場合の操作性を向上させた電子カメラを提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明は、表示装置を備えた電子カメラにおいて、前記電子カメラの前記表示装置の表示面側に設けた人体検出手段と、前記人体検出手段からの信号を受けて前記表示装置の表示を制御する表示制御手段と、を備え、前記人体検出手段から人体検出信号が無い状態で撮影がおこなわれ、その後人体検出信号が送られてきたとき、ハイアングル撮影がおこなわれたとして、前記表示制御手段は前記人体検出信号が無い期間におこなわれた撮影画像を再生するよう制御することを特徴とする。
【0008】
このように電子カメラを構成することにより、前記人体検出手段からの人体検出信号が無い状態で撮影がおこなわれ、その後人体検出信号が送られてきたとき、ハイアングル撮影がおこなわれたとして前記人体検出信号が無かった期間におこなわれた撮影画像を再生するよう制御することにより、ハイアングル撮影後の画像確認をスピーディにおこなうことができ、シャッターチャンスを逃すといったことが無くなる。すなわち人体が検出されなくなったということは、撮影者がカメラ保持を止めて単にテーブルなどに放置した場合と三脚などに取り付けた場合、及びハイアングル撮影などによる場合があるが、放置した場合は撮影動作がおこなわれず、三脚に取り付けた場合は記念写真などによるセルフタイマー撮影がおこなわれて通常の撮影動作とは異なり、ハイアングル撮影のみは通常のシャッター押下動作があるからハイアングル撮影であることが簡単にわかる。そのため前記したように、人体検出手段からの人体検出信号が無くなった状態で撮影がおこなわれ、その後人体検出信号が送られてきたときは、ハイアングル撮影がおこなわれたとして撮影画像を自動的に再生することにより、うまく撮れているかの確認をすぐにおこなうことができるから、うまく撮れていない場合はすぐに次の撮影動作をおこなうことができ、シャッターチャンスを逃すことが少なくなって電子カメラの操作性が非常に良くなる。
【0009】
好適には、前記人体検出手段から人体検出信号が無い状態で撮影がおこなわれるとき、前記表示制御手段は前記表示装置への表示文字を拡大するよう制御することを特徴とする。撮影時にカメラが遠くにあっても文字が大きく表示され、文字が読みにくいといったことが解消される。
【0010】
好適には、前記人体検出手段は、赤外線センサであることを特徴とする。赤外線センサとすることにより、安価に人体検出手段を構成することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上種々述べてきたように本発明によれば、人体が検出されて電源投入が継続されている時、前記人体検出手段からの人体検出信号が無くなった状態で撮影がおこなわれ、その後人体検出信号が送られてきたとき、ハイアングル撮影がおこなわれたとして前記人体検出信号が無かった期間におこなわれた撮影画像を再生するよう制御することにより、ハイアングル撮影後の画像確認をスピーディにおこなうことができ、シャッターチャンスを逃すといったことが無くなって操作性の良い電子カメラを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0013】
なお、以下の説明では本発明を、図1、図2に示したような電子カメラに適用した場合を例に説明して行くが、本発明は、前記特許文献1に示したような電子カメラや、沈胴式のズームレンズを備えた電子カメラなどにも適用できることは明かである。
【0014】
図1は本発明の一実施形態における電子カメラの全体構成図、図2は本発明の一実施形態における電子カメラのレンズを被写体方向に向けた撮影状態を示した図、図3は本発明の一実施形態における電子カメラの制御回路ブロック図、図4は本発明の一実施形態における電子カメラの電源投入時とハイアングル撮影時の動作フロー図である。
【0015】
図中100は本実施形態における電子カメラ、101は撮像部、102は操作部、103は撮影レンズ窓、104はストロボなどの発光装置、105は液晶などを用いた表示装置、106はシャッター釦、107は電源釦、108は十字キーと決定キーで構成され、表示装置105に表示された機能や項目を選択するための選択決定キー、109は光学系ズーミングを指示するズームキー、110はカメラモードメニューのオン、オフを切り替えるメニュー釦、111は表示装置105の表示内容と照明のオン、オフを切り替えるディスプレイ釦、112は表示装置105の表示内容をシーンセレクト選択画面に切り替えるシーン釦、113は絞り優先モードやシャッター優先モード、高速で動く被写体を撮影するスポーツモード、近距離のものを撮影するマクロモード、ストロボの強制発光や発光停止等のストロボ制御、動画撮影、再生などのモードを選択するモードセレクト釦、114はスピーカ、115は赤外線センサなどを使った人体検出手段である。
【0016】
図3において、10は電子カメラ100における撮像部101の撮像用光学系における焦点距離を変化させるためのズームレンズ、11は同じく撮像用光学系の中に含まれる合焦(オートフォーカス:AF)用レンズ、12はCCDなどを用いた撮像素子、13はズーム用レンズを移動させるカム機構などを駆動するズームモータ、14は合焦(AF)用レンズを移動させるAFモータ、15はズームモータ駆動用のドライバ回路、16は合焦用のAFモータを駆動するAFモータドライバ回路、20は撮像素子12の駆動回路、21は信号処理回路で、後述する表示装置ドライバ回路と共に表示制御手段を構成する。22は各種の制御情報などを記憶しているメモリで、例えばハイアングル撮影がおこなわれているかどうかの判断や処理手順などが記憶してある。23は外部機器とのデータや信号のやりとりをするためのUSBなどの外部インターフェース、24は撮像された画像を記憶するためのメモリカードなどの外部記憶装置、25はこのメモリカード24のインターフェース、26は表示装置105のドライバ回路、27は被写体の光量や色温度などを測定する測光・調光ブロック、28は発光装置としてのストロボとその駆動回路、29は前記した選択決定キー108、ズームキー109、メニュー釦110、ディスプレイ釦111、シーン釦112、モードセレクト釦113などの各種釦からキー入力信号、30は電源のオン状態など、電子カメラ100の状態を外部に知らせるための外部LED表示装置の駆動回路、31は赤外線センサなどを使った人体検出手段115のドライバ回路(センサドライバ)、32は撮像部101と操作部102の相対的回動角度を検出するためのフォトリフレクタなどを使った光電素子である。
【0017】
本実施形態における電子カメラ100は、図1、図2に示したように、操作部102側に表示装置105と一般的な撮影用操作釦類106乃至113を配し、この操作部102にヒンジ機構などの回転機構で回動可能に接続された撮像部101の一端側には、撮影レンズ窓103、その操作部102側に発光装置用の窓104を配してある。そしてこの撮像部101の内部には、撮影レンズ窓103の背後に撮影用ズームレンズが、そしてその隣に、ズームレンズを構成するレンズ群を進退させるためのカム機構が配され、これらズームレンズとカム機構の奥側、すなわち撮影レンズ窓103と逆側に発光装置用コンデンサなどの電装部品が配されている。そして操作部102における撮影用操作釦類106乃至113は、Yシャツの胸ポケットやGパンの臀部ポケットなどに収容した場合でも引っかかりや違和感を感じさせないよう、操作部102の外カバーの平面から突出しないように設けられ、さらに、シャッター釦106はカメラ100を右手で保持したときに人差し指で操作可能とし、ズームキー109、選択決定キー108、メニュー釦110、モードセレクト釦113などは、同じく右手でカメラ100を保持したとき、親指の届く範囲に配置して操作性を高めてある。
【0018】
そして本実施形態における電子カメラ100は、表示装置105を常時視認できるよう撮影者の方に向けたまま、図2に示したように撮像部101を被写体の方に向けたり、逆に回動させて撮影レンズ窓103がカメラ操作者(自分)の方を向くようにし、自分撮りもできるようになっている。また本実施形態の電子カメラ100は、撮像部101の撮影レンズ窓103が設けられている側面の撮影レンズ窓103側の端から発光装置用の窓104側の端までの長さを、例えば左手人差し指の先端から第2関節近辺までの長さとし、かつ、発光装置窓104部分の光軸方向厚さを略人差し指の厚さとしてRを付けて操作部102側に張り出して構成してある。このようにすることで、操作部102における表示装置105の右側に操作釦類を配置するためのスペースを作ることができ、小型でありながら、操作性の良い電子カメラを構成することができる。また撮影レンズ窓103からヒンジ機構の回動中心までの距離は、ヒンジ機構の回動中心から撮影レンズ窓103とは逆側の端までの距離より大きくとってあり、撮像部101の撮影レンズ窓103と発光装置窓104の部分を左手の人差し指と中指で挟んで回動させることにより、回動を容易にできると共に電子カメラ100をしっかり保持できる。
【0019】
最初に本実施形態における電子カメラ100の通常の撮影動作について説明すると、まず、電源釦107を押下することで図3のシステムコントローラ33に信号が送られて電源がオンとなるから、前記したように親指で各操作釦を操作すると、これらの信号は図3のキー入力29からシステムコントローラ33に送られ、それぞれの釦(キー)で指示された内容がこのシステムコントローラ33で実行される。すなわち、モードセレクト釦113によって選択された絞り優先モードやシャッター優先モードなどの撮影条件、高速で動く被写体を撮影するスポーツモード、近距離のものを撮影するマクロモード、ストロボの強制発光や発光停止等のストロボ制御、動画撮影、再生などのモードを選択すると、それぞれの選択結果に応じた動作がおこなわれ、また、必要に応じてメニュー釦110を押下して表示装置105に例えば画像のサイズ、撮影感度、測光方式などの各種メニューを表示させ、十字キーと決定キーで構成された選択決定キー108の十字キーで項目を選択し、中央の決定釦で決定することにより、これらの選択結果が同様にしてシステムコントローラ33に送られて実行される。
【0020】
そして、図2に示したように被写体の方に撮影レンズ窓103を向け、表示装置105に映し出された被写体を見ながら右手親指で撮像部101のズームキー109を操作し、所定の倍率を選択して構図を決定した後、右手人差し指でシャッター釦106を押下する。すると、これらの釦からの信号がシステムコントローラ33、信号処理回路21を介してズームモータドライバ15、AFモータドライバ16に送られ、ズームモータ13、AFモータ14が駆動されて所望倍率にまでズームされて合焦されると共に、測光・調光ブロック27からの信号によって露出が決定され、内蔵されたCCDなどの撮像素子12によって撮影された画像が撮像素子駆動回路20、信号処理回路21、カードインターフェース25を介してメモリカード24に送られて記録される。
【0021】
こうして撮影が済んだら、モードセレクト釦113を操作して再生モードにすると、その信号がやはりシステムコントローラ33から信号処理回路21を介してメモリカードインターフェース25、表示装置ドライバ26に送られ、記録された画像が表示装置105に表示され、選択決定キー108における十字キーを操作することで順次撮影した画像を表示させることができる。なお、動画撮影モードの場合は、全く同様にして動画をメモリカード24に記録し、シーン釦112によって必要なシーンを選択し、スピーカ114によって音声も同時に再生させることができる。
【0022】
以上が本実施形態の電子カメラ100における通常の撮影動作であるが、本実施形態における電子カメラ100は、図4のフロー図におけるステップS2で電子カメラ100を起動するため電源釦107を押下すると、前記したように、まず図3のシステムコントローラ33に信号が送られて電源がオンとなる。そしてこのシステムコントローラ33は、信号処理回路21に信号を送ってセンサドライバ31を駆動し、表示装置105側に設けられた赤外線センサなどで構成した人体検出手段115により、この表示装置105側に人がいるかどうかを検出する。すなわち、こういった電子カメラを使おうとする撮影者は、通常、図2に示したように表示装置105を自分の方に向け、撮像部101を回転させないか若しくは撮影窓103を被写体の方を向けて電源釦107を押下するから、人体から発せられた赤外線がこの人体検出手段115に向かい、撮影者が電源釦107を押下した場合は人体検出手段115によって赤外線が検出される。
【0023】
そのため、この赤外線センサなどで構成した人体検出手段115から赤外線が検出された、すなわち人体が検出されたという信号が来ると、それが人体検出手段のセンサドライバ31から信号処理回路21を介してシステムコントローラ33に送られ、システムコントローラ33は、撮影者が電源釦107を押下したとしてステップS4に記したように電源投入状態を維持し、次のステップS5に進む。また、このステップS3で人体が検出されなかった場合、すなわち、電子カメラ100がハンドバックなどに収容され、一緒に入っていた物で電源釦107が押されて電源が投入されたような場合、赤外線センサなどで構成した人体検出手段115は人体から発せられる赤外線を検出できないから、人体が検出されなかったとしてステップS12に進み、電源をオフとしてステップS13で終了する。
【0024】
そして、電源投入が維持された場合、システムコントローラ33はステップS5で同じようにして人体が検出されるかどうかを監視し、検出されている場合はステップS11で撮影待機、若しくは前記した撮影動作をおこない、このサイクルを繰り返す。
【0025】
そしてこの状態で人体が検出されなくなった場合、次のステップS6に進む。すなわち、電源投入が維持された状態で人体検出手段115が人体を検出しなくなった場合は、前記したように撮影者がカメラ保持を止めて単にテーブルなどに放置した場合と三脚などに取り付けた場合、及びハイアングル撮影などによる場合がある。そのためシステムコントローラ33は、これらの場合を見分けられるようこのステップS6でまず時間計測をおこない、次のステップS7で所定時間内に撮影動作、すなわちキー入力信号29によりズームレンズ10の駆動やモードセレクト釦113による撮影条件の選択、及びシャッター釦106の押下があったかどうかを検出する。そして、これらの動作が無かった場合は撮影者がカメラ保持を止めて単にテーブルなどに放置したと判断し、ステップP12に進んで電源をオフし、終了する。また、セルフタイマーがセットされた場合はそれを検出し、ステップS11を経由してステップS5に戻る。
【0026】
そして所定時間内に撮影動作(すなわちズームレンズ10の駆動やシャッター釦106の押下)があった場合、システムコントローラ33はハイアングル撮影がおこなわれたとして次のステップS8に進み、人体が検出されたかどうかを判断する。すなわちハイアングル撮影は、通常数ショットの撮影をおこなうと撮影者はその撮影した画像を確認しようとするから、その確認に際しては必ず人体を検出することができる。そのためシステムコントローラ33は、信号処理回路21を介して人体検出手段115のドライバ31からの信号を参照し、人体検出の信号が送られてこない場合はそのまま撮影動作を継続し、人体検出信号が送られてきた場合はステップS9に進んで撮影画像の再生をおこなう。そのためこのステップS9でシステムコントローラ33は、ステップS7で撮影された画像を再生するよう信号処理回路21を介してメモリカードインターフェース25に指示し、撮影した画像を読み出して表示装置ドライバ26を介して表示装置105に表示する。
【0027】
そして次のシステムコントローラ33は、ステップS10で再生が終了したかどうかを判断し、終了した場合はステップS11に進む。すなわちこのように、ステップS4による電源投入継続時、人体検出手段115からの人体検出信号が無くなった状態で撮影がおこなわれ、その後人体検出信号が送られてきたときはハイアングル撮影がおこなわれたとして撮影画像を自動的に再生することにより、うまく撮れているかの確認をすぐにおこなうことができるから、うまく撮れていない場合はすぐに次の撮影動作をおこなうことができ、シャッターチャンスを逃すことが少なくなって電子カメラの操作性が非常に良くなる。
【0028】
なお以上の説明では、単に電源の投入と人体の検出の場合を例に説明してきたが、前記したように本実施形態の電子カメラに、操作部に対する相対的な回動角度を検出する装置を設け、それによって表示装置105への表示、すなわちハイアングルに伴う撮影画像の再生の制御行うようにしても良い。すなわち、ハイアングル撮影は通常頭の上にカメラをかざし、表示装置が見えるように撮像部と操作部の角度が所定角度以上になることが多いから、人体検出信号と操作部と撮像部の回動位置関係が所定範囲の回動位置である場合はハイアングル撮影であることが多く、その場合は前記と同様撮影画像を自動的に再生することにより、うまく撮れているかの確認をすぐにおこなうことができるから、うまく撮れていない場合はすぐに次の撮影動作をおこなうことができ、シャッターチャンスを逃すことが少なくなって電子カメラの操作性が非常に良くなる。
【0029】
このように本発明の一実施形態によれば、通常撮影者はカメラ100を保持しながら電源釦107を押下するから、電源投入時に人体検出手段115が人体を検出できなかった場合は電源釦107の誤操作である可能性が大きく、この場合は電子カメラ100の電源をオフすることによって電源を無駄に消費することが無く、また、前記したような沈胴式レンズの場合でも、無用にレンズが繰り出されることが無いから壊れるといった事故を防止することができる。
【0030】
そして制御手段は、電源投入継続時、前記人体検出手段からの人体検出信号が無くなった状態で撮影がおこなわれ、その後人体検出信号が送られてきたとき、ハイアングル撮影がおこなわれたとして前記人体検出信号が無かった期間におこなわれた撮影画像を再生するよう制御することにより、ハイアングル撮影後の画像確認をスピーディにおこなうことができ、シャッターチャンスを逃すといったことが無くなって電子カメラの操作性が非常に良くなる。
【0031】
また制御手段は電源投入継続時、前記人体検出手段115からの人体検出信号が無くなった状態で撮影がおこなわれたとき、ハイアングル撮影がおこなわれたとして前記表示装置105への表示文字を拡大するよう制御することにより、ハイアングル撮影でカメラが遠くにあっても文字が大きく表示され、文字が読みにくいといったことが解消される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態における電子カメラの全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態における電子カメラのレンズを被写体方向に向けた撮影状態を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態における電子カメラの制御回路ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態における電子カメラの電源投入時とハイアングル撮影時の動作フロー図である。
【符号の説明】
【0033】
10 ズームレンズ
11 合焦(オートフォーカス:AF)用レンズ
12 撮像素子
13 ズームモータ
14 AFモータ
15 ズームモータドライバ回路
16 AFモータドライバ回路
20 撮像素子駆動回路
21 信号処理回路
22 メモリ
23 インターフェース
24 外部記憶装置(メモリカード)
25 メモリカードインターフェース
26 表示装置ドライバ回路
27 測光・調光ブロック
28 ストロボと駆動回路
29 キー入力信号
30 外部LED表示装置駆動回路
31 人体検出手段のセンサドライバ
32 光電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置を備えた電子カメラにおいて、
前記電子カメラの前記表示装置の表示面側に設けた人体検出手段と、
前記人体検出手段からの信号を受けて前記表示装置の表示を制御する表示制御手段と、を備え、
前記人体検出手段から人体検出信号が無い状態で撮影がおこなわれ、その後人体検出信号が送られてきたとき、ハイアングル撮影がおこなわれたとして、前記表示制御手段は前記人体検出信号が無い期間におこなわれた撮影画像を再生することを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
前記人体検出手段から人体検出信号が無い状態で撮影がおこなわれるとき、前記表示制御手段は前記表示装置への表示文字を拡大することを特徴とする請求項1に記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記人体検出手段は、赤外線センサであることを特徴とする請求項1または2に記載した電子カメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−77421(P2009−77421A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290020(P2008−290020)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【分割の表示】特願2003−205212(P2003−205212)の分割
【原出願日】平成15年7月31日(2003.7.31)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】