電子カメラ
【構成】イメージセンサ16は、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する。CPU26は、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定し、設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する。CPU26はまた、調整処理の下でイメージセンサ16から出力された画像を記録媒体40に記録する。
【効果】操作性を高めることができる
【効果】操作性を高めることができる
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に取得された現在位置によって処理の実行を制御する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、現在位置の緯度経度情報が、GPSに基づき受信部11によって取得される。地名情報とそれに対応した緯度経度情報とから構成される地名テーブルが位置情報DB14に格納されている。MPU12によって、位置情報DB14内が検索され、受信部11で取得された緯度経度情報に一致あるいは近似する緯度経度情報が抽出され、抽出された緯度経度情報に対応する地名情報が取得される。取得された地名情報は、映像信号とともに表示制御部22によって表示部23に表示される。取得された地名情報は、映像信号とともに記録制御部18によって情報媒体15に記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−164534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、複数回取得された現在位置が互いに異なる場合、カメラが置かれた環境に応じた映像信号を取得するために、カメラが移動する毎に映像信号を調整する必要があり、操作性が低下する恐れがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、操作性を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段(16)、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定手段(S39, S61, S101~S105, S113~S117)、設定手段によって設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する調整手段(S125~S129)、および調整手段の処理の下で撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録手段(S135~S137)を備える。
【0007】
好ましくは、登録操作によって指定された撮影スポットを登録撮影スポットとして定義する定義手段(S1~S17)、および設定手段の設定処理に関連して報知を発生する報知手段((54, S47))をさらに備える。
【0008】
さらに好ましくは、定義手段は登録操作によって指定された撮影スポットの位置を保持する位置保持手段(S5)を含み、設定手段は、現在位置を取得する取得手段(52, S71)、および取得手段によって取得された現在位置が位置保持手段によって保持された位置の近傍であるか否かを判別する位置判別手段(S79)を含む。
【0009】
好ましくは、定義手段は登録操作に関連した距離登録操作によって指定された距離を保持する距離保持手段(S11)を含み、位置判別手段は距離保持手段によって保持された距離に基づいて位置判別処理を実行する。
【0010】
好ましくは、定義手段は登録操作に関連した調整基準登録操作によって指定された調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準として保持する調整基準保持手段(S17)を含む。
【0011】
好ましくは、撮像面の前方に設けられたフォーカスレンズをさらに備え、調整手段は、撮像面の露光量を調整する露光量調整手段(S125, S127)、およびフォーカスレンズと撮像面との距離を調整する距離調整手段(S129)を含む。
【0012】
好ましくは、設定手段の設定処理に関連して撮像手段を起動する起動手段(S45)をさらに備える。
【0013】
この発明に従う撮像制御プログラムは、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)のプロセッサ(26, 44)に、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定ステップ(S101~S105, S113~S117)、設定ステップによって設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する調整ステップ(S125~S129)、および調整ステップの処理の下で撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録ステップ(S135~S137)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う外部制御プログラムは、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段(16)、およびメモリ(42)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(28, 44)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定ステップ(S101~S105, S113~S117)、設定ステップによって設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する調整ステップ(S125~S129)、および調整ステップの処理の下で撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録ステップ(S135~S137)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0015】
この発明に従う電子カメラ(10)は、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段(16)、外部制御プログラムを受信する受信手段(56)、および受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリ(42)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26, 44)を備える電子カメラ(10)であって、外部制御プログラムは、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定ステップ(S101~S105, S113~S117)、設定ステップによって設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する調整ステップ(S125~S129)、および調整ステップの処理の下で撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録ステップ(S135~S137)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0016】
電子カメラを所持する撮影者が登録撮影スポットに近づくと、登録撮影スポットに対応する調整基準が設定される。撮像パラメータは設定された調整基準を参照して調整され、このような調整処理の下で撮像手段から出力された画像が記録媒体に記録される。これによって、操作性を高めることができる。
【0017】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】目的地選択画面の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例によって参照されるレジスタの一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例によって参照されるテーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図6】図2実施例によって参照されるレジスタの登録状態の一例を示す図解図である。
【図7】到着判別処理の一部を示す図解図である。
【図8】到着判別処理の他の一部を示す図解図である。
【図9】図2実施例によって参照される他のレジスタの一例を示す図解図である。
【図10】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】図2実施例に適用される他のCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図14】図2実施例に適用される他のCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図15】図2実施例に適用される他のCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図16】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図17】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図18】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0020】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。撮像手段1は、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する。設定手段2は、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する。調整手段3は、設定手段2によって設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する。記録手段4は、調整手段3の処理の下で撮像手段1から出力された画像を記録媒体に記録する。
[実施例]
【0021】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、電源回路46を含む。電源回路46は、互いに異なる電圧値を各々が示す複数の直流電源をバッテリ48に基づいて生成する。生成された複数の直流電源の一部はサブCPU44に直接的に与えられ、生成された複数の直流電源の他の一部は主電源スイッチ50を介してシステム全体に与えられる。したがって、サブCPU44は常時起動されるのに対して、システム全体を構成する要素は主電源スイッチ50のオン/オフに応答して起動/停止される。
【0022】
キー入力装置28上の電源ボタン28pwによって電源オン操作が行われると、サブCPU44は、主電源スイッチ50を制御してメインCPU26を含むシステム全体を起動する。
【0023】
メインCPU26は、キー入力装置28に設けられたモード設定スイッチ28mdによってカメラモードが選択されているとき撮像タスクを起動し、同じモード設定スイッチ28mdによって目的地設定モードが選択されているとき目的地選択タスクを起動する。
【0024】
目的地選択タスクが起動されたとき、メインCPU26は、目的地選択画面をLCDモニタ36に表示する。目的地選択画面は図3に示すように電子地図を含む。目的地選択画面中の電子地図は、キー入力装置28を通じた操作者の操作によって表示範囲の移動および縮尺の変更が可能である。また、目的地選択画面中の電子地図は緯度情報および経度情報を含む。操作者は、目的地選択画面中の電子地図をキー入力装置28を通じて操作して、ディジタルカメラ10を用いて撮影を行う予定の地点を検索し、目的地として選択する。
【0025】
また、観光地など多くの人が訪れることが予想される地点は地点を示す名称ならびに緯度情報および経度情報とともにあらかじめ準備され、操作者は準備された地点を目的地として選択することもできる。この場合、操作者は、ディジタルカメラ10を用いて撮影を行う予定の地点を示す名称をキー入力装置28を通じた文字入力により検索し、準備された地点を目的地として選択する。
【0026】
図2および図4を参照して、キー入力装置28に向けて目的地選択操作が行われるとメインCPU26は、選択された目的地に対応する緯度および経度をサブCPU44のレジスタRGSTdstに登録する。
【0027】
メインCPU26は次に、到着判別用半径選択画面をLCDモニタ36に表示する。操作者は、選択された目的地を中心とした所望の範囲を定義する半径をキー入力装置28を通じて選択する。キー入力装置28に向けて半径選択操作が行われるとメインCPU26は、選択された半径を登録された目的地に関連してサブCPU44のレジスタRGSTdstに登録する。なお、登録された半径は、ディジタルカメラ10を所持した操作者が目的地の近傍に到着したか否かを、後述する到着判別処理においてサブCPU44が判別する際に、用いられる。
【0028】
メインCPU26は次に、撮像シーン選択画面をLCDモニタ36に表示する。ディジタルカメラ10には複数の撮像シーンが準備され、各々の撮像シーンは、撮像タスクが実行されたときの撮像条件の調整基準を示したものである。図5を参照して、各々の撮像シーンに関連してAE基準およびAF基準が登録され、AE基準およびAF基準の組み合わせは撮像シーンごとに異なる。なお、各々の撮像シーンに関連したAE基準およびAF基準は、撮像シーンテーブルTBLscnによって定義される。
【0029】
操作者は、キー入力装置28を通じて、登録された目的地で使用したいいずれかの撮像シーンを選択する。キー入力装置28に向けて撮像シーン選択操作が行われるとメインCPU26は、選択された撮像シーンを登録された目的地に関連してサブCPU44のレジスタRGSTdstに登録する。
【0030】
なお、あらかじめ準備された地点に関連して、半径および撮像シーンも準備されている。準備された地点が目的地として選択された場合、到着判別用半径選択画面および撮像シーン選択画面においてはそれぞれ、目的地に関連した半径および撮像シーンが、既定値としてLCDモニタ36に表示される。操作者は、既定の半径または撮像シーンを選択してもよいし、異なる半径または撮像シーンを選択してもよい。
【0031】
撮像シーンの登録が完了するとメインCPU26は、目的地選択画面を再びLCDモニタ36に表示する。2つ目以降の目的地を登録するべくキー入力装置28に向けて目的地選択操作,半径選択操作,および撮像シーン選択操作が行われたときメインCPU26は、目的地,半径,および撮像シーンの組み合わせをサブCPU44のレジスタRGSTdstに追加登録する。
【0032】
モード設定スイッチ28mdによってカメラモードに切り替えられたときメインCPU26は、目的地設定タスクを終了し、撮像タスクを起動する。電源ボタン28pwによって電源オフ操作が行われたときは、メインCPU26は目的地設定タスクを終了し、サブCPU44は主電源スイッチ50を制御してシステム全体を停止する。
【0033】
サブCPU44は、タイマ値を10分としてタイマ44tのリセット&スタートを繰り返し実行し、タイマ44tにタイムアウトが発生したときに次の要領で到着判別処理を実行する。なお、タイマ値に設定した10分という期間は例示であり、10分と異なる期間を設定するようにしてもよい。また、以下に説明する到着判別処理において、取得した現在位置を記録するようにしてディジタルカメラ10の移動速度を算出し、算出された移動速度に応じて異なる期間をタイマ値に設定するようにしてもよい。
【0034】
サブCPU44はまず、GPS装置52に向けて測地命令を発行する。測地命令を受けたGPS装置52は、上空にある複数のGPS衛星から送信された信号を参照して現在位置を測定し、測定結果をサブCPU44に返送する。サブCPU44は、返送された測定結果に基づいて、ディジタルカメラ10の現在位置を取得する。
【0035】
サブCPU44は次に、変数Nを“1”に設定し、変数Nの可変範囲を定義するべくレジスタRGSTdstに登録された目的地の数をNmaxに設定する。続いて、変数Nが“1”〜“Nmax”の各々に設定され、サブCPU44は、N番目の目的地に対応する緯度および経度ならびにN番目の目的地に関連した半径を、レジスタRGSTdstから読み出す。
【0036】
サブCPU44は、GPS装置52の測定結果に基づいて取得したディジタルカメラ10の現在位置が、読み出された緯度,経度,および半径によって定義される目的地近傍の一定の範囲に含まれるか否かを判別する。判別結果が肯定的なものであった場合サブCPU44は、変数DSTが示す値と現時点の変数Nが示す値とが等しいか否かを判別する。
【0037】
変数DSTが示す値と変数Nが示す値とが異なる場合サブCPU44は、変数DSTを変数Nが示す値に設定し、目的地近傍への到着を表明するべくフラグFLGarvを“1”に設定し、到着判別処理を終了する。
【0038】
変数DSTが示す値と現時点の変数Nが示す値とが等しい場合サブCPU44は、ディジタルカメラ10が同一の目的地の近傍に継続して存在すると判断し、そのまま到着判別処理を終了する。
【0039】
ディジタルカメラ10の現在位置が“1”番目〜“Nmax”番目のいずれの目的地の近傍にも含まれなかった場合サブCPU44は、変数DSTを“0”に設定し、到着判別処理を終了する。
【0040】
図6を参照して、3つの目的地が登録されている場合を例として、到着判別処理を説明する。レジスタRGSTdstには、目的地D1,D2,およびD3が登録されている。目的地D1に関連して半径r1およびポートレートシーンが登録され、目的地D2に関連して半径r2および標準シーンが登録され、目的地D3に関連して半径r3および夜景シーンが登録されている。
【0041】
図7を参照して、ディジタルカメラ10を所持した操作者が、目的地D1の近傍に到着したか否かを判別する範囲は半径r1で定義され、目的地D2の近傍に到着したか否かを判別する範囲は半径r2で定義され、目的地D3の近傍に到着したか否かを判別する範囲は半径r3で定義される。
【0042】
図7に示す例において、ディジタルカメラ10の現在位置がCRNT1,CRNT2,CRNT3,およびCRNT4の順に取得されたとき、到着判別処理は、次の要領で実行される。
【0043】
現在位置CRNT1は、目的地D1,D2,およびD3のいずれの目的地の近傍にも含まれない。よって、現在位置CRNT1が取得されたとき、変数DSTが“0”に設定される。
【0044】
現在位置CRNT2は、目的地D3を中心とした半径r3の範囲内に含まれる。よって、変数Nは、“3”に設定されたとき変数DSTが示す値と比較される。変数DSTは現在位置CRNT1において“0”に設定されたので、変数DSTおよび変数Nの各々が示す値は互いに異なる。よって、変数Nが示す“3”が変数DSTに設定され、目的地近傍への到着を表明するべくフラグFLGarvが“1”に設定される。
【0045】
現在位置CRNT3は、目的地D3を中心とした半径r3の範囲内に含まれる。よって、変数Nは、“3”に設定されたとき変数DSTが示す値と比較される。変数DSTは現在位置CRNT2において“3”に設定されたので、変数DSTおよび変数Nの各々が示す値は等しい。よって、到着判別処理はそのまま終了する。
【0046】
現在位置CRNT4は、目的地D1,D2,およびD3のいずれの目的地の近傍にも含まれない。よって、現在位置CRNT4が取得されたとき、変数DSTは再び“0”に設定される。
【0047】
図8を参照して、目的地D1を中心とした半径r1の範囲,目的地D2を中心とした半径r2の範囲,および目的地D3を中心とした半径r3の範囲の各々の一部が互いに重なる場合、重なった範囲(ハッチングで示す範囲)は目的地D1の近傍とみなされる。重なった範囲内に現在位置が存在する場合、変数Nが“1”に設定されたときにディジタルカメラ10が目的地D1の近傍にあると判別され、変数Nが“2”または“3”に設定されるとことなく到着判別処理が終了するからである。したがって、レジスタRGSTdstに登録された複数の範囲の各々の一部が互いに重なる場合、重なった範囲は先に登録された目的地の近傍とみなされる。なお、目的地の選択時または登録時において、複数の目的地近傍の範囲が互いに重ならないようにしてもよい。
【0048】
システム全体が停止中の場合、到着判別処理によってフラグFLGarvに“1”が設定されたとき、サブCPU44は、主電源スイッチ50を制御してメインCPU26を含むシステム全体を起動する。サブCPU44はまた、音声出力回路54を制御してアラーム音を出力し、目的地近傍への到着を操作者に向けて報知する。
【0049】
システム全体が起動中の場合、到着判別処理によってフラグFLGarvに“1”が設定されたとき、サブCPU44は、音声出力回路54を制御してアラーム音を出力し、目的地近傍への到着を操作者に向けて報知する。
【0050】
なお、サブCPU44は、電源回路46を通してバッテリ電圧(=バッテリ48から供給された直流電源の電圧値)を繰り返し検出し、検出されたバッテリ電圧が閾値THv以上の場合に限り、上述の到着判別処理を実行する。閾値THvは、到着判別処理を実行するために必要最低限のバッテリ残容量を示すバッテリ電圧に等しい。
【0051】
メインCPU26は、撮像タスクまたは目的地設定タスクと並列して、撮像設定制御タスクを実行する。撮像設定制御タスクは、メインCPU26の起動時から停止時までの間、継続して実行される。
【0052】
システム全体が起動するとメインCPU26は、撮像設定制御タスクにおいて、フラグFLGarvに“1”が設定されたか否かを判別する。判別結果が肯定的なものであったときメインCPU26は、サブCPU44のレジスタRGSTdstからDST(変数DSTが示す値)番目の目的地に関連した撮像シーンを読み出す。
【0053】
メインCPU26は次に、撮像シーンテーブルTBLscnを参照して、読み出された撮像シーンに関連したAE基準およびAF基準を図9に示すレジスタRGSTstdに登録する。メインCPU26はまた、AE基準およびAF基準の制御が完了したことを表明するべく、フラグFLGarvに“0”を設定する。
【0054】
システム全体が起動中にフラグFLGarvが“0”から“1”に変更されたとき、メインCPU26はシーン変更確認画面をLCDモニタ36に表示する。キー入力装置28に向けて確認操作が行われるとメインCPU26は、サブCPU44のレジスタRGSTdstからDST番目の目的地に関連した撮像シーンを読み出す。
【0055】
メインCPU26は起動時と同様に、撮像シーンテーブルTBLscnを参照して、読み出された撮像シーンに関連したAE基準およびAF基準をレジスタRGSTstdに登録する。メインCPU26はまた、AE基準およびAF基準の制御が完了したことを表明するべく、フラグFLGarvに“0”を設定する。
【0056】
確認操作が行われなかったときメインCPU26は、AE基準およびAF基準の制御が完了したことを表明するべくフラグFLGarvに“0”を設定する。
【0057】
また、システム全体が起動中にキー入力装置28に向けて撮像シーン変更操作が行われたとき、メインCPU26は、撮像シーンテーブルTBLscnを参照して、選択された撮像シーンに関連したAE基準およびAF基準をレジスタRGSTstdに登録する。
【0058】
撮像タスクが起動されるとメインCPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、撮像タスクの下で露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令する。ドライバ18cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージセンサ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0059】
信号処理回路20は、イメージセンサ16から出力された生画像データにディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された生画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32に書き込まれる。信号処理回路20はさらに、SDRAM32に格納された生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された生画像データに色分離処理,白バランス調整処理,YUV変換処理などの処理を施し、YUV形式に従う表示画像データを作成する。表示画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM24に書き込まれる。
【0060】
LCDドライバ34は、SDRAM32に格納された表示画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ36を駆動する。この結果、被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)がLCDモニタ36に表示される。
【0061】
図10を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVAを形成する。また、信号処理回路20は、上述した処理に加えて、生画像データを簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。
【0062】
AE評価回路22は、信号処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータを、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。AF評価回路24は、信号処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータの高周波成分を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。
【0063】
シャッタボタン28shが非操作状態のときメインCPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく簡易AE処理をレジスタRGST1に登録されたAE基準に沿って実行し、適正EV値を算出する。簡易AE処理は動画取り込み処理と並列して実行され、算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが、レジスタRGST1に登録されたAE基準に基づいて適度に調整される。
【0064】
シャッタボタン28shが半押しされると、メインCPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく厳格AE処理を、レジスタRGST1に登録されたAE基準に沿って実行する。厳格AE処理によって算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが、レジスタRGST1に登録されたAE基準に基づいて厳密に調整される。
【0065】
厳格AE処理が完了すると、メインCPU26は、AF評価回路24からの出力に基づくAF処理を、レジスタRGST1に登録されたAF基準に沿って実行する。この結果、レジスタRGST1に登録されたAF基準に基づいた合焦点にフォーカスレンズ12が配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0066】
AF処理の完了後にシャッタボタン28shが全押しされると、メインCPU26は、は、撮像タスクの下で静止画取り込み処理および記録処理を実行する。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32に取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F38によってSDRAM32から読み出され、ファイル形式で記録媒体40に記録される。
【0067】
メインCPU26は、図11〜図12に示す目的地設定タスク,図16に示す撮像設定制御タスク,および図17に示す撮像タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ42に記憶される。また、サブCPU44は、図13〜図14に示すフロー図に従う処理を実行する。
【0068】
図11を参照して、ステップS1では目的地選択画面をLCDモニタ36に表示し、ステップS3ではキー入力装置28に向けて目的地選択操作が行われたか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、目的地選択操作によって選択された目的地に対応する緯度および経度を、サブCPU44のレジスタRGSTdstにステップS5で登録する。
【0069】
ステップS7では到着判別用半径選択画面をLCDモニタ36に表示し、ステップS9ではキー入力装置28に向けて半径選択操作が行われたか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、半径選択操作によって選択された半径をサブCPU44のレジスタRGSTdstにステップS11で登録する。
【0070】
ステップS13では撮像シーン選択画面をLCDモニタ36に表示し、ステップS15ではキー入力装置28に向けて撮像シーン選択操作が行われたか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、撮像シーン選択操作によって選択された撮像シーンをサブCPU44のレジスタRGSTdstにステップS17で登録する。ステップS17の処理の完了後にステップS1に戻る。
【0071】
図13を参照して、ステップS21ではフラグFLGarvに“0”を初期設定し、ステップS23では変数DSTに“0”を初期設定する。ステップS25ではタイマ44tの値を初期化し、ステップS27ではタイマ44tのリセット&スタートを実行する。
【0072】
ステップS29ではキー入力装置28上の電源ボタン28pwによって電源オン操作が行われたか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS43に進む一方、判別結果がNOであればステップS31で電源回路46を通してバッテリ電圧を検出する。
【0073】
検出されたバッテリ電圧が閾値THv以上であるか否かをステップS33で判別し、判別結果がNOであればステップS29に戻る一方、判別結果がYESであればステップS35に進む。なお、閾値THvは、到着判別処理を実行するために必要最低限のバッテリ残容量を示すバッテリ電圧に等しい。
【0074】
ステップS35ではタイマ44tにタイムアウトが発生したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS29に戻る一方、判別結果がYESであればステップS37でタイマ44tのリセット&スタートを実行する。
【0075】
ステップS39では到着判別処理を実行し、ステップS41ではフラグFLGarvに“1”が設定されているか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS29に戻る一方、判別結果がYESであればステップS45に進む。
【0076】
ステップS43では主電源スイッチ50を制御してメインCPU26を含むシステム全体を起動する。ステップS45でも主電源スイッチ50を制御してメインCPU26を含むシステム全体を起動し、ステップS47では音声出力回路54を制御してアラーム音を出力し、目的地近傍への到着を操作者に向けて報知する。ステップS43またはステップS47の処理が完了すると、ステップS49に進む。
【0077】
ステップS49では電源ボタン28pwによって電源オフ操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS53に進む一方、判別結果がYESであればステップS51では主電源スイッチ50を制御してシステム全体を停止する。ステップS51の処理が完了すると、ステップS29に戻る。
【0078】
ステップS53では電源回路46を通してバッテリ電圧を検出する。検出されたバッテリ電圧が閾値THv以上であるか否かをステップS55で判別し、判別結果がNOであればステップS49に戻る一方、判別結果がYESであればステップS57に進む。
【0079】
ステップS57ではタイマ44tにタイムアウトが発生したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS49に戻る一方、判別結果がYESであればステップS59でタイマ44tのリセット&スタートを実行する。
【0080】
ステップS61では到着判別処理を実行し、ステップS63ではフラグFLGarvに“1”が設定されているか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS49に戻る一方、判別結果がYESであればステップS47に戻る。
【0081】
ステップS39およびステップS61の到着判別処理は、図15に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS71では、GPS装置52に向けて測地命令を発行し、GPS装置52から返送された測定結果に基づいてディジタルカメラ10の現在位置を取得する。ステップS73では変数Nに“1”を初期設定し、変数Nの可変範囲を定義するべく、レジスタRGSTdstに登録された目的地の数をステップS75でNmaxに設定する。
【0082】
ステップS77では、N番目の目的地に対応する緯度および経度ならびにN番目の目的地に関連した半径を、レジスタRGSTdstから読み出す。ステップS79では、ステップS71で取得したディジタルカメラ10の現在位置が、ステップS77で読み出された緯度,経度,および半径によって定義される一定の範囲に含まれるか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS87に進む一方、判別結果がNOであればステップS81で変数Nをインクリメントする。
【0083】
ステップS83では変数NがNmaxを超えたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS77に戻る一方、判別結果がYESであればステップS85に進む。ステップS85では変数DSTに“0”を設定し、その後に上階層のルーチンに復帰する。
【0084】
ステップS87では変数Nが示す値と変数DSTが示す値とが等しいか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS89に進む一方、判別結果がYESであれば上階層のルーチンに復帰する。
【0085】
ステップS89では変数DSTに変数Nが示す値を設定し、ステップS91ではフラグFLGarvに“1”を設定する。ステップS91の処理が完了すると、その後に上階層のルーチンに復帰する。
【0086】
図16を参照して、ステップS101ではフラグFLGarvに“1”が設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS109に進む一方、判別結果がYESであればステップS103で、サブCPU44のレジスタRGSTdstからDST番目の目的地に関連した撮像シーンを読み出す。
【0087】
ステップS105では、撮像シーンテーブルTBLscnを参照して、ステップS103で読み出された撮像シーンに関連したAE基準およびAF基準をレジスタRGSTstdに登録する。ステップS107では、AE基準およびAF基準の制御が完了したことを表明するべく、フラグFLGarvに“0”を設定する。
【0088】
ステップS109ではキー入力装置28に向けて基準変更操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS113に進む一方、判別結果がYESであればステップS111で、撮像シーンテーブルTBLscnを参照して、選択された撮像シーンに関連したAE基準およびAF基準をレジスタRGSTstdに登録する。ステップS111の処理が完了すると、ステップS109に戻る。
【0089】
ステップS113ではフラグFLGarvに“1”が設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS109に戻る。したがって、システム全体が起動中の場合、フラグFLGarvに“0”が設定されている限り、ステップS109〜ステップS113の処理が繰り返される。ステップS113の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS115でシーン変更確認画面をLCDモニタ36に表示する。
【0090】
ステップS117ではキー入力装置28に向けて確認操作が行われた否かを判別し、判別結果がYESであればステップS103に戻る一方、判別結果がNOであれば、AE基準およびAF基準の制御が完了したことを表明するべくステップS119でフラグFLGarvに“0”を設定し、その後にステップS109に戻る。
【0091】
したがって、システム全体が起動中の場合、フラグFLGarvが“1”に更新されない限り、ステップS109〜ステップS113の処理が繰り返される。
【0092】
図17を参照して、ステップS121では、動画取り込み処理を実行するべく、撮像タスクの下で露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令する。この結果、イメージセンサ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0093】
ステップS123ではシャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOであれば、レジスタRGST1に登録されたAE基準に沿ってステップS125で簡易AE処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさが、レジスタRGST1に登録されたAE基準に基づいて適度に調整される。
【0094】
ステップS123の判別結果がNOからYESに更新されると、レジスタRGST1に登録されたAE基準に沿ってステップS127で厳格AE処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさが、レジスタRGST1に登録されたAE基準に基づいて厳密に調整される。
【0095】
ステップS129では、レジスタRGST1に登録されたAF基準に沿ってAF処理を実行する。この結果、レジスタRGST1に登録されたAF基準に基づいた合焦点にフォーカスレンズ12が配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0096】
ステップS131ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOであれば、ステップS133でシャッタボタン28shが解除されたか否かを判別する。ステップS133の判別結果がNOであればステップS131に戻る一方、ステップS133の判別結果がYESであればステップS123に戻る。
【0097】
ステップS131の判別結果がYESであれば、ステップS135で静止画取り込み処理を実行する。これによって、シャッタボタン28shが全押しされた直後の1フレームの画像データがSDRAM32に取り込まれる。
【0098】
ステップS137では記録処理を実行する。ステップS135で取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理によって記録媒体40にファイル形式で記録される。記録処理が完了すると、その後にステップS123に戻る。
【0099】
以上の説明から分かるように、イメージセンサ16は、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する。CPU26は、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定し、設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する。CPU26はまた、調整処理の下でイメージセンサ16から出力された画像を記録媒体40に記録する。
【0100】
電子カメラを所持する撮影者が登録撮影スポットに近づくと、登録撮影スポットに対応する調整基準が設定される。撮像パラメータは設定された調整基準を参照して調整され、このような調整処理の下で撮像手段から出力された画像が記録媒体に記録される。これによって、操作性を高めることができる。
【0101】
なお、この実施例では、ディジタルカメラ10を所持した操作者が目的地の近傍に到着したと判別されたとき、撮像シーンを変更するようにした。しかし、ストロボ発光の有無,日付映し込みの有無,顔検出の有無,および手振れ補正の有無等を、ディジタルカメラ10を所持した操作者が目的地の近傍に到着したと判別されたときに変更するようにしてもよい。
【0102】
また、この実施例では、電子地図の操作または文字入力により目的地を選択するようにした。しかし、GPS装置52の測定結果に基づく現在位置を記録時に格納した画像ファイルを選択することにより、目的地を選択するようにしてもよい。
【0103】
また、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ42に予め記憶される。しかし、外部サーバに接続するための通信I/F56を図18に示す要領でディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ42に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0104】
また、この実施例では、メインCPU26によって実行される処理を、図11〜図12に示す目的地設定タスク,図16に示す撮像設定制御タスク,および図17に示す撮像タスクを含む複数のタスクに区分するようにし、サブCPU44が図13〜図14に示すフロー図に従うタスクを実行するようにした。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を統合するようにしてもよい。また、転送タスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0105】
また、この実施例では、ディジタルカメラを用いて説明したが、本発明は、ディジタルビデオカメラ,パーソナルコンピュータ,携帯電話端末またはスマートフォンなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0106】
10 … ディジタルカメラ
12 … フォーカスレンズ
16 … イメージセンサ
22 … AE評価回路
24 … AF評価回路
26 … CPU
44 … サブCPU44
50 … 主電源スイッチ
52 … GPS装置
54 … 音声出力回路
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に取得された現在位置によって処理の実行を制御する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、現在位置の緯度経度情報が、GPSに基づき受信部11によって取得される。地名情報とそれに対応した緯度経度情報とから構成される地名テーブルが位置情報DB14に格納されている。MPU12によって、位置情報DB14内が検索され、受信部11で取得された緯度経度情報に一致あるいは近似する緯度経度情報が抽出され、抽出された緯度経度情報に対応する地名情報が取得される。取得された地名情報は、映像信号とともに表示制御部22によって表示部23に表示される。取得された地名情報は、映像信号とともに記録制御部18によって情報媒体15に記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−164534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、複数回取得された現在位置が互いに異なる場合、カメラが置かれた環境に応じた映像信号を取得するために、カメラが移動する毎に映像信号を調整する必要があり、操作性が低下する恐れがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、操作性を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段(16)、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定手段(S39, S61, S101~S105, S113~S117)、設定手段によって設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する調整手段(S125~S129)、および調整手段の処理の下で撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録手段(S135~S137)を備える。
【0007】
好ましくは、登録操作によって指定された撮影スポットを登録撮影スポットとして定義する定義手段(S1~S17)、および設定手段の設定処理に関連して報知を発生する報知手段((54, S47))をさらに備える。
【0008】
さらに好ましくは、定義手段は登録操作によって指定された撮影スポットの位置を保持する位置保持手段(S5)を含み、設定手段は、現在位置を取得する取得手段(52, S71)、および取得手段によって取得された現在位置が位置保持手段によって保持された位置の近傍であるか否かを判別する位置判別手段(S79)を含む。
【0009】
好ましくは、定義手段は登録操作に関連した距離登録操作によって指定された距離を保持する距離保持手段(S11)を含み、位置判別手段は距離保持手段によって保持された距離に基づいて位置判別処理を実行する。
【0010】
好ましくは、定義手段は登録操作に関連した調整基準登録操作によって指定された調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準として保持する調整基準保持手段(S17)を含む。
【0011】
好ましくは、撮像面の前方に設けられたフォーカスレンズをさらに備え、調整手段は、撮像面の露光量を調整する露光量調整手段(S125, S127)、およびフォーカスレンズと撮像面との距離を調整する距離調整手段(S129)を含む。
【0012】
好ましくは、設定手段の設定処理に関連して撮像手段を起動する起動手段(S45)をさらに備える。
【0013】
この発明に従う撮像制御プログラムは、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段(16)を備える電子カメラ(10)のプロセッサ(26, 44)に、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定ステップ(S101~S105, S113~S117)、設定ステップによって設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する調整ステップ(S125~S129)、および調整ステップの処理の下で撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録ステップ(S135~S137)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う外部制御プログラムは、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段(16)、およびメモリ(42)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(28, 44)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定ステップ(S101~S105, S113~S117)、設定ステップによって設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する調整ステップ(S125~S129)、および調整ステップの処理の下で撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録ステップ(S135~S137)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0015】
この発明に従う電子カメラ(10)は、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段(16)、外部制御プログラムを受信する受信手段(56)、および受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリ(42)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26, 44)を備える電子カメラ(10)であって、外部制御プログラムは、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定ステップ(S101~S105, S113~S117)、設定ステップによって設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する調整ステップ(S125~S129)、および調整ステップの処理の下で撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録ステップ(S135~S137)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0016】
電子カメラを所持する撮影者が登録撮影スポットに近づくと、登録撮影スポットに対応する調整基準が設定される。撮像パラメータは設定された調整基準を参照して調整され、このような調整処理の下で撮像手段から出力された画像が記録媒体に記録される。これによって、操作性を高めることができる。
【0017】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】目的地選択画面の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例によって参照されるレジスタの一例を示す図解図である。
【図5】図2実施例によって参照されるテーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図6】図2実施例によって参照されるレジスタの登録状態の一例を示す図解図である。
【図7】到着判別処理の一部を示す図解図である。
【図8】到着判別処理の他の一部を示す図解図である。
【図9】図2実施例によって参照される他のレジスタの一例を示す図解図である。
【図10】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】図2実施例に適用される他のCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図14】図2実施例に適用される他のCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図15】図2実施例に適用される他のCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図16】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図17】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図18】この発明の他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0020】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。撮像手段1は、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する。設定手段2は、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する。調整手段3は、設定手段2によって設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する。記録手段4は、調整手段3の処理の下で撮像手段1から出力された画像を記録媒体に記録する。
[実施例]
【0021】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、電源回路46を含む。電源回路46は、互いに異なる電圧値を各々が示す複数の直流電源をバッテリ48に基づいて生成する。生成された複数の直流電源の一部はサブCPU44に直接的に与えられ、生成された複数の直流電源の他の一部は主電源スイッチ50を介してシステム全体に与えられる。したがって、サブCPU44は常時起動されるのに対して、システム全体を構成する要素は主電源スイッチ50のオン/オフに応答して起動/停止される。
【0022】
キー入力装置28上の電源ボタン28pwによって電源オン操作が行われると、サブCPU44は、主電源スイッチ50を制御してメインCPU26を含むシステム全体を起動する。
【0023】
メインCPU26は、キー入力装置28に設けられたモード設定スイッチ28mdによってカメラモードが選択されているとき撮像タスクを起動し、同じモード設定スイッチ28mdによって目的地設定モードが選択されているとき目的地選択タスクを起動する。
【0024】
目的地選択タスクが起動されたとき、メインCPU26は、目的地選択画面をLCDモニタ36に表示する。目的地選択画面は図3に示すように電子地図を含む。目的地選択画面中の電子地図は、キー入力装置28を通じた操作者の操作によって表示範囲の移動および縮尺の変更が可能である。また、目的地選択画面中の電子地図は緯度情報および経度情報を含む。操作者は、目的地選択画面中の電子地図をキー入力装置28を通じて操作して、ディジタルカメラ10を用いて撮影を行う予定の地点を検索し、目的地として選択する。
【0025】
また、観光地など多くの人が訪れることが予想される地点は地点を示す名称ならびに緯度情報および経度情報とともにあらかじめ準備され、操作者は準備された地点を目的地として選択することもできる。この場合、操作者は、ディジタルカメラ10を用いて撮影を行う予定の地点を示す名称をキー入力装置28を通じた文字入力により検索し、準備された地点を目的地として選択する。
【0026】
図2および図4を参照して、キー入力装置28に向けて目的地選択操作が行われるとメインCPU26は、選択された目的地に対応する緯度および経度をサブCPU44のレジスタRGSTdstに登録する。
【0027】
メインCPU26は次に、到着判別用半径選択画面をLCDモニタ36に表示する。操作者は、選択された目的地を中心とした所望の範囲を定義する半径をキー入力装置28を通じて選択する。キー入力装置28に向けて半径選択操作が行われるとメインCPU26は、選択された半径を登録された目的地に関連してサブCPU44のレジスタRGSTdstに登録する。なお、登録された半径は、ディジタルカメラ10を所持した操作者が目的地の近傍に到着したか否かを、後述する到着判別処理においてサブCPU44が判別する際に、用いられる。
【0028】
メインCPU26は次に、撮像シーン選択画面をLCDモニタ36に表示する。ディジタルカメラ10には複数の撮像シーンが準備され、各々の撮像シーンは、撮像タスクが実行されたときの撮像条件の調整基準を示したものである。図5を参照して、各々の撮像シーンに関連してAE基準およびAF基準が登録され、AE基準およびAF基準の組み合わせは撮像シーンごとに異なる。なお、各々の撮像シーンに関連したAE基準およびAF基準は、撮像シーンテーブルTBLscnによって定義される。
【0029】
操作者は、キー入力装置28を通じて、登録された目的地で使用したいいずれかの撮像シーンを選択する。キー入力装置28に向けて撮像シーン選択操作が行われるとメインCPU26は、選択された撮像シーンを登録された目的地に関連してサブCPU44のレジスタRGSTdstに登録する。
【0030】
なお、あらかじめ準備された地点に関連して、半径および撮像シーンも準備されている。準備された地点が目的地として選択された場合、到着判別用半径選択画面および撮像シーン選択画面においてはそれぞれ、目的地に関連した半径および撮像シーンが、既定値としてLCDモニタ36に表示される。操作者は、既定の半径または撮像シーンを選択してもよいし、異なる半径または撮像シーンを選択してもよい。
【0031】
撮像シーンの登録が完了するとメインCPU26は、目的地選択画面を再びLCDモニタ36に表示する。2つ目以降の目的地を登録するべくキー入力装置28に向けて目的地選択操作,半径選択操作,および撮像シーン選択操作が行われたときメインCPU26は、目的地,半径,および撮像シーンの組み合わせをサブCPU44のレジスタRGSTdstに追加登録する。
【0032】
モード設定スイッチ28mdによってカメラモードに切り替えられたときメインCPU26は、目的地設定タスクを終了し、撮像タスクを起動する。電源ボタン28pwによって電源オフ操作が行われたときは、メインCPU26は目的地設定タスクを終了し、サブCPU44は主電源スイッチ50を制御してシステム全体を停止する。
【0033】
サブCPU44は、タイマ値を10分としてタイマ44tのリセット&スタートを繰り返し実行し、タイマ44tにタイムアウトが発生したときに次の要領で到着判別処理を実行する。なお、タイマ値に設定した10分という期間は例示であり、10分と異なる期間を設定するようにしてもよい。また、以下に説明する到着判別処理において、取得した現在位置を記録するようにしてディジタルカメラ10の移動速度を算出し、算出された移動速度に応じて異なる期間をタイマ値に設定するようにしてもよい。
【0034】
サブCPU44はまず、GPS装置52に向けて測地命令を発行する。測地命令を受けたGPS装置52は、上空にある複数のGPS衛星から送信された信号を参照して現在位置を測定し、測定結果をサブCPU44に返送する。サブCPU44は、返送された測定結果に基づいて、ディジタルカメラ10の現在位置を取得する。
【0035】
サブCPU44は次に、変数Nを“1”に設定し、変数Nの可変範囲を定義するべくレジスタRGSTdstに登録された目的地の数をNmaxに設定する。続いて、変数Nが“1”〜“Nmax”の各々に設定され、サブCPU44は、N番目の目的地に対応する緯度および経度ならびにN番目の目的地に関連した半径を、レジスタRGSTdstから読み出す。
【0036】
サブCPU44は、GPS装置52の測定結果に基づいて取得したディジタルカメラ10の現在位置が、読み出された緯度,経度,および半径によって定義される目的地近傍の一定の範囲に含まれるか否かを判別する。判別結果が肯定的なものであった場合サブCPU44は、変数DSTが示す値と現時点の変数Nが示す値とが等しいか否かを判別する。
【0037】
変数DSTが示す値と変数Nが示す値とが異なる場合サブCPU44は、変数DSTを変数Nが示す値に設定し、目的地近傍への到着を表明するべくフラグFLGarvを“1”に設定し、到着判別処理を終了する。
【0038】
変数DSTが示す値と現時点の変数Nが示す値とが等しい場合サブCPU44は、ディジタルカメラ10が同一の目的地の近傍に継続して存在すると判断し、そのまま到着判別処理を終了する。
【0039】
ディジタルカメラ10の現在位置が“1”番目〜“Nmax”番目のいずれの目的地の近傍にも含まれなかった場合サブCPU44は、変数DSTを“0”に設定し、到着判別処理を終了する。
【0040】
図6を参照して、3つの目的地が登録されている場合を例として、到着判別処理を説明する。レジスタRGSTdstには、目的地D1,D2,およびD3が登録されている。目的地D1に関連して半径r1およびポートレートシーンが登録され、目的地D2に関連して半径r2および標準シーンが登録され、目的地D3に関連して半径r3および夜景シーンが登録されている。
【0041】
図7を参照して、ディジタルカメラ10を所持した操作者が、目的地D1の近傍に到着したか否かを判別する範囲は半径r1で定義され、目的地D2の近傍に到着したか否かを判別する範囲は半径r2で定義され、目的地D3の近傍に到着したか否かを判別する範囲は半径r3で定義される。
【0042】
図7に示す例において、ディジタルカメラ10の現在位置がCRNT1,CRNT2,CRNT3,およびCRNT4の順に取得されたとき、到着判別処理は、次の要領で実行される。
【0043】
現在位置CRNT1は、目的地D1,D2,およびD3のいずれの目的地の近傍にも含まれない。よって、現在位置CRNT1が取得されたとき、変数DSTが“0”に設定される。
【0044】
現在位置CRNT2は、目的地D3を中心とした半径r3の範囲内に含まれる。よって、変数Nは、“3”に設定されたとき変数DSTが示す値と比較される。変数DSTは現在位置CRNT1において“0”に設定されたので、変数DSTおよび変数Nの各々が示す値は互いに異なる。よって、変数Nが示す“3”が変数DSTに設定され、目的地近傍への到着を表明するべくフラグFLGarvが“1”に設定される。
【0045】
現在位置CRNT3は、目的地D3を中心とした半径r3の範囲内に含まれる。よって、変数Nは、“3”に設定されたとき変数DSTが示す値と比較される。変数DSTは現在位置CRNT2において“3”に設定されたので、変数DSTおよび変数Nの各々が示す値は等しい。よって、到着判別処理はそのまま終了する。
【0046】
現在位置CRNT4は、目的地D1,D2,およびD3のいずれの目的地の近傍にも含まれない。よって、現在位置CRNT4が取得されたとき、変数DSTは再び“0”に設定される。
【0047】
図8を参照して、目的地D1を中心とした半径r1の範囲,目的地D2を中心とした半径r2の範囲,および目的地D3を中心とした半径r3の範囲の各々の一部が互いに重なる場合、重なった範囲(ハッチングで示す範囲)は目的地D1の近傍とみなされる。重なった範囲内に現在位置が存在する場合、変数Nが“1”に設定されたときにディジタルカメラ10が目的地D1の近傍にあると判別され、変数Nが“2”または“3”に設定されるとことなく到着判別処理が終了するからである。したがって、レジスタRGSTdstに登録された複数の範囲の各々の一部が互いに重なる場合、重なった範囲は先に登録された目的地の近傍とみなされる。なお、目的地の選択時または登録時において、複数の目的地近傍の範囲が互いに重ならないようにしてもよい。
【0048】
システム全体が停止中の場合、到着判別処理によってフラグFLGarvに“1”が設定されたとき、サブCPU44は、主電源スイッチ50を制御してメインCPU26を含むシステム全体を起動する。サブCPU44はまた、音声出力回路54を制御してアラーム音を出力し、目的地近傍への到着を操作者に向けて報知する。
【0049】
システム全体が起動中の場合、到着判別処理によってフラグFLGarvに“1”が設定されたとき、サブCPU44は、音声出力回路54を制御してアラーム音を出力し、目的地近傍への到着を操作者に向けて報知する。
【0050】
なお、サブCPU44は、電源回路46を通してバッテリ電圧(=バッテリ48から供給された直流電源の電圧値)を繰り返し検出し、検出されたバッテリ電圧が閾値THv以上の場合に限り、上述の到着判別処理を実行する。閾値THvは、到着判別処理を実行するために必要最低限のバッテリ残容量を示すバッテリ電圧に等しい。
【0051】
メインCPU26は、撮像タスクまたは目的地設定タスクと並列して、撮像設定制御タスクを実行する。撮像設定制御タスクは、メインCPU26の起動時から停止時までの間、継続して実行される。
【0052】
システム全体が起動するとメインCPU26は、撮像設定制御タスクにおいて、フラグFLGarvに“1”が設定されたか否かを判別する。判別結果が肯定的なものであったときメインCPU26は、サブCPU44のレジスタRGSTdstからDST(変数DSTが示す値)番目の目的地に関連した撮像シーンを読み出す。
【0053】
メインCPU26は次に、撮像シーンテーブルTBLscnを参照して、読み出された撮像シーンに関連したAE基準およびAF基準を図9に示すレジスタRGSTstdに登録する。メインCPU26はまた、AE基準およびAF基準の制御が完了したことを表明するべく、フラグFLGarvに“0”を設定する。
【0054】
システム全体が起動中にフラグFLGarvが“0”から“1”に変更されたとき、メインCPU26はシーン変更確認画面をLCDモニタ36に表示する。キー入力装置28に向けて確認操作が行われるとメインCPU26は、サブCPU44のレジスタRGSTdstからDST番目の目的地に関連した撮像シーンを読み出す。
【0055】
メインCPU26は起動時と同様に、撮像シーンテーブルTBLscnを参照して、読み出された撮像シーンに関連したAE基準およびAF基準をレジスタRGSTstdに登録する。メインCPU26はまた、AE基準およびAF基準の制御が完了したことを表明するべく、フラグFLGarvに“0”を設定する。
【0056】
確認操作が行われなかったときメインCPU26は、AE基準およびAF基準の制御が完了したことを表明するべくフラグFLGarvに“0”を設定する。
【0057】
また、システム全体が起動中にキー入力装置28に向けて撮像シーン変更操作が行われたとき、メインCPU26は、撮像シーンテーブルTBLscnを参照して、選択された撮像シーンに関連したAE基準およびAF基準をレジスタRGSTstdに登録する。
【0058】
撮像タスクが起動されるとメインCPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、撮像タスクの下で露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令する。ドライバ18cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージセンサ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0059】
信号処理回路20は、イメージセンサ16から出力された生画像データにディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された生画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM32に書き込まれる。信号処理回路20はさらに、SDRAM32に格納された生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された生画像データに色分離処理,白バランス調整処理,YUV変換処理などの処理を施し、YUV形式に従う表示画像データを作成する。表示画像データは、メモリ制御回路30を通してSDRAM24に書き込まれる。
【0060】
LCDドライバ34は、SDRAM32に格納された表示画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ36を駆動する。この結果、被写界のリアルタイム動画像(スルー画像)がLCDモニタ36に表示される。
【0061】
図10を参照して、撮像面の中央には評価エリアEVAが割り当てられる。評価エリアEVAは水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVAを形成する。また、信号処理回路20は、上述した処理に加えて、生画像データを簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。
【0062】
AE評価回路22は、信号処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータを、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。AF評価回路24は、信号処理回路20によって生成されたRGBデータのうち評価エリアEVAに属するRGBデータの高周波成分を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。
【0063】
シャッタボタン28shが非操作状態のときメインCPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく簡易AE処理をレジスタRGST1に登録されたAE基準に沿って実行し、適正EV値を算出する。簡易AE処理は動画取り込み処理と並列して実行され、算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが、レジスタRGST1に登録されたAE基準に基づいて適度に調整される。
【0064】
シャッタボタン28shが半押しされると、メインCPU26は、AE評価回路22からの出力に基づく厳格AE処理を、レジスタRGST1に登録されたAE基準に沿って実行する。厳格AE処理によって算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが、レジスタRGST1に登録されたAE基準に基づいて厳密に調整される。
【0065】
厳格AE処理が完了すると、メインCPU26は、AF評価回路24からの出力に基づくAF処理を、レジスタRGST1に登録されたAF基準に沿って実行する。この結果、レジスタRGST1に登録されたAF基準に基づいた合焦点にフォーカスレンズ12が配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0066】
AF処理の完了後にシャッタボタン28shが全押しされると、メインCPU26は、は、撮像タスクの下で静止画取り込み処理および記録処理を実行する。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32に取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F38によってSDRAM32から読み出され、ファイル形式で記録媒体40に記録される。
【0067】
メインCPU26は、図11〜図12に示す目的地設定タスク,図16に示す撮像設定制御タスク,および図17に示す撮像タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ42に記憶される。また、サブCPU44は、図13〜図14に示すフロー図に従う処理を実行する。
【0068】
図11を参照して、ステップS1では目的地選択画面をLCDモニタ36に表示し、ステップS3ではキー入力装置28に向けて目的地選択操作が行われたか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、目的地選択操作によって選択された目的地に対応する緯度および経度を、サブCPU44のレジスタRGSTdstにステップS5で登録する。
【0069】
ステップS7では到着判別用半径選択画面をLCDモニタ36に表示し、ステップS9ではキー入力装置28に向けて半径選択操作が行われたか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、半径選択操作によって選択された半径をサブCPU44のレジスタRGSTdstにステップS11で登録する。
【0070】
ステップS13では撮像シーン選択画面をLCDモニタ36に表示し、ステップS15ではキー入力装置28に向けて撮像シーン選択操作が行われたか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、撮像シーン選択操作によって選択された撮像シーンをサブCPU44のレジスタRGSTdstにステップS17で登録する。ステップS17の処理の完了後にステップS1に戻る。
【0071】
図13を参照して、ステップS21ではフラグFLGarvに“0”を初期設定し、ステップS23では変数DSTに“0”を初期設定する。ステップS25ではタイマ44tの値を初期化し、ステップS27ではタイマ44tのリセット&スタートを実行する。
【0072】
ステップS29ではキー入力装置28上の電源ボタン28pwによって電源オン操作が行われたか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS43に進む一方、判別結果がNOであればステップS31で電源回路46を通してバッテリ電圧を検出する。
【0073】
検出されたバッテリ電圧が閾値THv以上であるか否かをステップS33で判別し、判別結果がNOであればステップS29に戻る一方、判別結果がYESであればステップS35に進む。なお、閾値THvは、到着判別処理を実行するために必要最低限のバッテリ残容量を示すバッテリ電圧に等しい。
【0074】
ステップS35ではタイマ44tにタイムアウトが発生したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS29に戻る一方、判別結果がYESであればステップS37でタイマ44tのリセット&スタートを実行する。
【0075】
ステップS39では到着判別処理を実行し、ステップS41ではフラグFLGarvに“1”が設定されているか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS29に戻る一方、判別結果がYESであればステップS45に進む。
【0076】
ステップS43では主電源スイッチ50を制御してメインCPU26を含むシステム全体を起動する。ステップS45でも主電源スイッチ50を制御してメインCPU26を含むシステム全体を起動し、ステップS47では音声出力回路54を制御してアラーム音を出力し、目的地近傍への到着を操作者に向けて報知する。ステップS43またはステップS47の処理が完了すると、ステップS49に進む。
【0077】
ステップS49では電源ボタン28pwによって電源オフ操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS53に進む一方、判別結果がYESであればステップS51では主電源スイッチ50を制御してシステム全体を停止する。ステップS51の処理が完了すると、ステップS29に戻る。
【0078】
ステップS53では電源回路46を通してバッテリ電圧を検出する。検出されたバッテリ電圧が閾値THv以上であるか否かをステップS55で判別し、判別結果がNOであればステップS49に戻る一方、判別結果がYESであればステップS57に進む。
【0079】
ステップS57ではタイマ44tにタイムアウトが発生したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS49に戻る一方、判別結果がYESであればステップS59でタイマ44tのリセット&スタートを実行する。
【0080】
ステップS61では到着判別処理を実行し、ステップS63ではフラグFLGarvに“1”が設定されているか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS49に戻る一方、判別結果がYESであればステップS47に戻る。
【0081】
ステップS39およびステップS61の到着判別処理は、図15に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS71では、GPS装置52に向けて測地命令を発行し、GPS装置52から返送された測定結果に基づいてディジタルカメラ10の現在位置を取得する。ステップS73では変数Nに“1”を初期設定し、変数Nの可変範囲を定義するべく、レジスタRGSTdstに登録された目的地の数をステップS75でNmaxに設定する。
【0082】
ステップS77では、N番目の目的地に対応する緯度および経度ならびにN番目の目的地に関連した半径を、レジスタRGSTdstから読み出す。ステップS79では、ステップS71で取得したディジタルカメラ10の現在位置が、ステップS77で読み出された緯度,経度,および半径によって定義される一定の範囲に含まれるか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS87に進む一方、判別結果がNOであればステップS81で変数Nをインクリメントする。
【0083】
ステップS83では変数NがNmaxを超えたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS77に戻る一方、判別結果がYESであればステップS85に進む。ステップS85では変数DSTに“0”を設定し、その後に上階層のルーチンに復帰する。
【0084】
ステップS87では変数Nが示す値と変数DSTが示す値とが等しいか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS89に進む一方、判別結果がYESであれば上階層のルーチンに復帰する。
【0085】
ステップS89では変数DSTに変数Nが示す値を設定し、ステップS91ではフラグFLGarvに“1”を設定する。ステップS91の処理が完了すると、その後に上階層のルーチンに復帰する。
【0086】
図16を参照して、ステップS101ではフラグFLGarvに“1”が設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS109に進む一方、判別結果がYESであればステップS103で、サブCPU44のレジスタRGSTdstからDST番目の目的地に関連した撮像シーンを読み出す。
【0087】
ステップS105では、撮像シーンテーブルTBLscnを参照して、ステップS103で読み出された撮像シーンに関連したAE基準およびAF基準をレジスタRGSTstdに登録する。ステップS107では、AE基準およびAF基準の制御が完了したことを表明するべく、フラグFLGarvに“0”を設定する。
【0088】
ステップS109ではキー入力装置28に向けて基準変更操作が行われたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS113に進む一方、判別結果がYESであればステップS111で、撮像シーンテーブルTBLscnを参照して、選択された撮像シーンに関連したAE基準およびAF基準をレジスタRGSTstdに登録する。ステップS111の処理が完了すると、ステップS109に戻る。
【0089】
ステップS113ではフラグFLGarvに“1”が設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS109に戻る。したがって、システム全体が起動中の場合、フラグFLGarvに“0”が設定されている限り、ステップS109〜ステップS113の処理が繰り返される。ステップS113の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS115でシーン変更確認画面をLCDモニタ36に表示する。
【0090】
ステップS117ではキー入力装置28に向けて確認操作が行われた否かを判別し、判別結果がYESであればステップS103に戻る一方、判別結果がNOであれば、AE基準およびAF基準の制御が完了したことを表明するべくステップS119でフラグFLGarvに“0”を設定し、その後にステップS109に戻る。
【0091】
したがって、システム全体が起動中の場合、フラグFLGarvが“1”に更新されない限り、ステップS109〜ステップS113の処理が繰り返される。
【0092】
図17を参照して、ステップS121では、動画取り込み処理を実行するべく、撮像タスクの下で露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令する。この結果、イメージセンサ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0093】
ステップS123ではシャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOであれば、レジスタRGST1に登録されたAE基準に沿ってステップS125で簡易AE処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさが、レジスタRGST1に登録されたAE基準に基づいて適度に調整される。
【0094】
ステップS123の判別結果がNOからYESに更新されると、レジスタRGST1に登録されたAE基準に沿ってステップS127で厳格AE処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさが、レジスタRGST1に登録されたAE基準に基づいて厳密に調整される。
【0095】
ステップS129では、レジスタRGST1に登録されたAF基準に沿ってAF処理を実行する。この結果、レジスタRGST1に登録されたAF基準に基づいた合焦点にフォーカスレンズ12が配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0096】
ステップS131ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOであれば、ステップS133でシャッタボタン28shが解除されたか否かを判別する。ステップS133の判別結果がNOであればステップS131に戻る一方、ステップS133の判別結果がYESであればステップS123に戻る。
【0097】
ステップS131の判別結果がYESであれば、ステップS135で静止画取り込み処理を実行する。これによって、シャッタボタン28shが全押しされた直後の1フレームの画像データがSDRAM32に取り込まれる。
【0098】
ステップS137では記録処理を実行する。ステップS135で取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理によって記録媒体40にファイル形式で記録される。記録処理が完了すると、その後にステップS123に戻る。
【0099】
以上の説明から分かるように、イメージセンサ16は、撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する。CPU26は、現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を登録撮影スポットに対応する調整基準に設定し、設定された調整基準を参照して撮像パラメータを調整する。CPU26はまた、調整処理の下でイメージセンサ16から出力された画像を記録媒体40に記録する。
【0100】
電子カメラを所持する撮影者が登録撮影スポットに近づくと、登録撮影スポットに対応する調整基準が設定される。撮像パラメータは設定された調整基準を参照して調整され、このような調整処理の下で撮像手段から出力された画像が記録媒体に記録される。これによって、操作性を高めることができる。
【0101】
なお、この実施例では、ディジタルカメラ10を所持した操作者が目的地の近傍に到着したと判別されたとき、撮像シーンを変更するようにした。しかし、ストロボ発光の有無,日付映し込みの有無,顔検出の有無,および手振れ補正の有無等を、ディジタルカメラ10を所持した操作者が目的地の近傍に到着したと判別されたときに変更するようにしてもよい。
【0102】
また、この実施例では、電子地図の操作または文字入力により目的地を選択するようにした。しかし、GPS装置52の測定結果に基づく現在位置を記録時に格納した画像ファイルを選択することにより、目的地を選択するようにしてもよい。
【0103】
また、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ42に予め記憶される。しかし、外部サーバに接続するための通信I/F56を図18に示す要領でディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ42に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0104】
また、この実施例では、メインCPU26によって実行される処理を、図11〜図12に示す目的地設定タスク,図16に示す撮像設定制御タスク,および図17に示す撮像タスクを含む複数のタスクに区分するようにし、サブCPU44が図13〜図14に示すフロー図に従うタスクを実行するようにした。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を統合するようにしてもよい。また、転送タスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0105】
また、この実施例では、ディジタルカメラを用いて説明したが、本発明は、ディジタルビデオカメラ,パーソナルコンピュータ,携帯電話端末またはスマートフォンなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0106】
10 … ディジタルカメラ
12 … フォーカスレンズ
16 … イメージセンサ
22 … AE評価回路
24 … AF評価回路
26 … CPU
44 … サブCPU44
50 … 主電源スイッチ
52 … GPS装置
54 … 音声出力回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段、
現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を前記登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定手段、
前記設定手段によって設定された調整基準を参照して前記撮像パラメータを調整する調整手段、および
前記調整手段の処理の下で前記撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
登録操作によって指定された撮影スポットを前記登録撮影スポットとして定義する定義手段、および
前記設定手段の設定処理に関連して報知を発生する報知手段をさらに備える、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記定義手段は前記登録操作によって指定された撮影スポットの位置を保持する位置保持手段を含み、
前記設定手段は、現在位置を取得する取得手段、および前記取得手段によって取得された現在位置が前記位置保持手段によって保持された位置の近傍であるか否かを判別する位置判別手段を含む、請求項2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記定義手段は前記登録操作に関連した距離登録操作によって指定された距離を保持する距離保持手段を含み、
前記位置判別手段は前記距離保持手段によって保持された距離に基づいて位置判別処理を実行する、請求項3記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記定義手段は前記登録操作に関連した調整基準登録操作によって指定された調整基準を前記登録撮影スポットに対応する調整基準として保持する調整基準保持手段を含む、請求項2ないし4のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記撮像面の前方に設けられたフォーカスレンズをさらに備え、
前記調整手段は、前記撮像面の露光量を調整する露光量調整手段、および前記フォーカスレンズと前記撮像面との距離を調整する距離調整手段を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記設定手段の設定処理に関連して前記撮像手段を起動する起動手段をさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項8】
撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段を備える電子カメラのプロセッサに、
現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を前記登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定ステップ、
前記設定ステップによって設定された調整基準を参照して前記撮像パラメータを調整する調整ステップ、および
前記調整ステップの処理の下で前記撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項9】
撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を前記登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定ステップ、
前記設定ステップによって設定された調整基準を参照して前記撮像パラメータを調整する調整ステップ、および
前記調整ステップの処理の下で前記撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項10】
撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段、
外部制御プログラムを受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を前記登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定ステップ、
前記設定ステップによって設定された調整基準を参照して前記撮像パラメータを調整する調整ステップ、および
前記調整ステップの処理の下で前記撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【請求項1】
撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段、
現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を前記登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定手段、
前記設定手段によって設定された調整基準を参照して前記撮像パラメータを調整する調整手段、および
前記調整手段の処理の下で前記撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
登録操作によって指定された撮影スポットを前記登録撮影スポットとして定義する定義手段、および
前記設定手段の設定処理に関連して報知を発生する報知手段をさらに備える、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記定義手段は前記登録操作によって指定された撮影スポットの位置を保持する位置保持手段を含み、
前記設定手段は、現在位置を取得する取得手段、および前記取得手段によって取得された現在位置が前記位置保持手段によって保持された位置の近傍であるか否かを判別する位置判別手段を含む、請求項2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記定義手段は前記登録操作に関連した距離登録操作によって指定された距離を保持する距離保持手段を含み、
前記位置判別手段は前記距離保持手段によって保持された距離に基づいて位置判別処理を実行する、請求項3記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記定義手段は前記登録操作に関連した調整基準登録操作によって指定された調整基準を前記登録撮影スポットに対応する調整基準として保持する調整基準保持手段を含む、請求項2ないし4のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記撮像面の前方に設けられたフォーカスレンズをさらに備え、
前記調整手段は、前記撮像面の露光量を調整する露光量調整手段、および前記フォーカスレンズと前記撮像面との距離を調整する距離調整手段を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記設定手段の設定処理に関連して前記撮像手段を起動する起動手段をさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項8】
撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段を備える電子カメラのプロセッサに、
現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を前記登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定ステップ、
前記設定ステップによって設定された調整基準を参照して前記撮像パラメータを調整する調整ステップ、および
前記調整ステップの処理の下で前記撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項9】
撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を前記登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定ステップ、
前記設定ステップによって設定された調整基準を参照して前記撮像パラメータを調整する調整ステップ、および
前記調整ステップの処理の下で前記撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項10】
撮像面で捉えられたシーンを表す画像を出力する撮像手段、
外部制御プログラムを受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
現在位置が登録撮影スポットの近傍であると判別されたとき撮像パラメータの調整基準を前記登録撮影スポットに対応する調整基準に設定する設定ステップ、
前記設定ステップによって設定された調整基準を参照して前記撮像パラメータを調整する調整ステップ、および
前記調整ステップの処理の下で前記撮像手段から出力された画像を記録媒体に記録する記録ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−182572(P2012−182572A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42767(P2011−42767)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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