説明

電子内視鏡用プロセッサおよび電子内視鏡システム

【課題】カートに配設された状態での移動を少ない労力で行うことができ、かつ電子内視鏡で撮像される被写体に対応した色再現性を有する画像を複数人で同時に観察することができる電子内視鏡用プロセッサを提供すること。
【解決手段】電子内視鏡用プロセッサは、少なくとも電気的に接続された電子内視鏡からの画像信号に所定の画像処理を施す画像処理手段と、画像処理手段によって画像処理を施された画像信号に対応する画像を外部に拡大投影する画像投影手段と、を有する構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子内視鏡、特に医療用の電子内視鏡が接続されるプロセッサおよび該プロセッサを備える電子内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検者の体腔内の部位を観察、治療するために、電子内視鏡システムが広く知られ実用に供されている。このような電子内視鏡システムは、例えば、体腔内を撮像するための電子内視鏡、電子内視鏡により取得された撮像信号に画像処理を施すプロセッサ、プロセッサにより処理され生成されたビデオ信号を表示するモニタ等の複数の機器から構成されている。このような電子内視鏡システムは、一般に、各機器を一台のカートに配設した状態で使用され、あるいは搬送される。各機器がカートに配設された状態にある電子内視鏡システムは、特許文献1に開示される。
【0003】
【特許文献1】特開2004−266738号公報
【0004】
このような電子内視鏡システムは、総重量がかなり大きなものとなる。そのため、たとえカート内に全ての機器が配設されていて搬送自在に構成されているとはいえ、実際にカートを押すあるいは引く等によって移動させることはかなりの労力が要求される。特に各機器の中でもモニタが占める空間および重量は大きなものとなっている。
【0005】
また、従来の電子内視鏡システムでは、術者に提供される画像の色再現性は、該システムを構成する複数の機器のうち、最も低い性能のものに依存してしまう。すなわち、術者が所望する色域を持つ信号を出力可能なプロセッサを使用したとしても、該信号を受信するモニタが該色域に対応した色再現性能を有していない場合、術者が望む色再現性を有する画像を提供することができない。つまり従来は、ユーザニーズに対応した色再現性を持つ画像を提供するためには、常に電子内視鏡システムを構成する複数の機器をユーザニーズに対応した規格に準拠したもので統一して構成する必要があり、費用的観点から効率的ではない。
【0006】
他にも、画面サイズや視野角といった仕様によって、該モニタに表示されている画像を複数人で同時に観察することは困難であるという問題も指摘される。従来、複数人が画像観察する場合には、随時モニタあるいはカート全体を移動、または回動させて対応せざるを得ない。そのため、上述したようなシステムの移動に際して要求される労力の低減は重要な課題とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みて、カートに配設された状態での移動を少ない労力で行うことができ、かつユーザニーズに対応した色再現性を持つ撮像画像を複数人で同時に観察することができるような状態で提供することが可能な電子内視鏡用プロセッサおよび該プロセッサを備える電子内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る電子内視鏡用プロセッサは、電子内視鏡が電気的かつ光学的に接続される電子内視鏡用プロセッサであって、被写体を照明するための光を電子内視鏡に供給する光供給手段と、電子内視鏡が光供給手段からの光を用いて撮像することにより生成される画像信号に所定の画像処理を施す画像処理手段と、画像処理手段によって画像処理を施された画像信号に対応する画像を外部に拡大投影する画像投影手段と、を有し、上記の各手段が単一のハウジング内に収納されていることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の電子内視鏡用プロセッサによれば、プロセッサ単体で画像を外部に投影表示することが可能になる。従って、モニタが不要となる分、システムを構成する機器の点数が削減され、かつ全重量が低減される。これにより、カートを介した電子内視鏡システムの移動が簡易かつ少ない労力で行われるようになる。
【0010】
また、請求項1に記載の発明によれば、モニタの代替としてプロジェクタ内部に搭載された画像投影手段を用いて内視鏡画像が拡大投影される。従って、プロセッサの設計通りの画像が術者等に提供されることになる。しかも、該画像は、複数人が同時に観察することができる。
【0011】
請求項2に記載の電子内視鏡用プロセッサによれば、画像投影手段は、投影画像を形成するための光を照射する光源部を有する。
【0012】
また、請求項3に記載の電子内視鏡用プロセッサによれば、光供給手段を光源部として機能させることが好ましい。
【0013】
これにより、単一の光供給手段によって、電子内視鏡と画像投影手段の双方に光を供給することができ、部材の共通化およびプロセッサ内に要求される部材配置用の空間を削減することができる。
【0014】
請求項4に記載の電子内視鏡用プロセッサによれば、光供給手段に電子内視鏡と画像投影手段の双方に光を供給する機能を持たせる場合、該光供給手段は、単一の光源と、光源から照射された光を所定の割合で分割して電子内視鏡および画像投影手段に導く光分岐手段と、を有することが望ましい。
【0015】
また、請求項5に記載の電子内視鏡用プロセッサによれば、電子内視鏡と画像投影手段の双方に光を供給する機能を光供給手段に持たせる場合、該光供給手段は、電子内視鏡に供給される光の光量を調整する第一の光量調整手段と、画像投影手段に供給される光の光量を調整する第二の光量調整手段と、を有し、第一の光量調整手段と第二の光量調整手段とは、互いに独立して光量調整を行う。
【0016】
請求項6に記載の電子内視鏡用プロセッサによれば、画像処理手段は、画像信号をR、G、B三系統の信号に変換して画像投影手段に出力する。
【0017】
また請求項7に記載の電子内視鏡用プロセッサによれば、画像投影手段は、光供給手段からの光からR、G、Bの各色の光を分離する色分離手段と、R信号に基づいてR光を変調するR用表示素子、G信号に基づいてG光を変調するG用表示素子、B信号に基づいてB光を変調するB用表示素子、各表示素子から射出される光を合成する合成素子、および合成素子から射出される光を外部に向かって拡大投射する拡大光学系を有することができる。
【0018】
また、請求項8に記載の電子内視鏡システムは、上記の特徴を有する電子内視鏡用プロセッサと、該プロセッサに電気的かつ光学的に接続される電子内視鏡と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る電子内視鏡用プロセッサによれば、撮像された画像を拡大投影する機能を有する。そのため、従来の電子内視鏡システムにおいて、プロセッサと別個独立した機器として必須であったモニタが不要となる。これにより、該システムを構成する機器の点数が削減され、全重量も軽減される。従って、本発明に係る電子内視鏡用プロセッサを使用すれば、より小型化、軽量化されており、しかも、より少ない労力でかつ簡易にカート移動することができる電子内視鏡システムが提供される。
【0020】
また、本発明に係る電子内視鏡用プロセッサによれば、別個独立して配設されるモニタを使用せず、一体形成された画像投影部を用いて撮像画像を投影する。つまり本発明によれば、プロセッサの性能がそのまま表示画像の色再現性に反映される。従って、ユーザは、自ら必要とする性能を有する本発明に係るプロセッサを使用することにより、常にユーザが必要とする色再現性を持った撮像画像を観察することができる。例えば、術者等がより高い色再現性を望む場合、該色再現性に対応する規格に準拠して設計、製造された本発明に係るプロセッサを採用すれば、他の周辺機器の性能の影響を受けることなく、高い色再現性を有する画像を常に表示(投影)することが可能になる。
【0021】
また本発明に係る電子内視鏡用プロセッサによれば、プロジェクタとは別個独立して配設されるモニタを表示手段として使用していた従来の構成に比べて、上記のようなユーザニーズに対応する色再現性を持つ撮像画像を複数人が同時かつ容易に観察することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本実施形態の電子内視鏡および該電子内視鏡を備える電子内視鏡システムの構成および作用について説明する。
【0023】
図1は、本実施形態の電子内視鏡システム100の概略構成を表す図である。電子内視鏡システム100は、プロセッサ10、電子内視鏡50を有する。電子内視鏡50はコネクタ部50aと先端に撮像系を持つ可撓管50bと図示しない操作部(把持部)からなる。電子内視鏡50は、コネクタ部50aを介してプロセッサ10に光学的かつ電気的に接続される。
【0024】
プロセッサ10は、システムコントローラ1、光源部2、画像投影部3、撮像素子駆動部4、タイミングコントローラ5、画像処理部6、フロントパネル7を有する。なお、システムコントローラ1、光源部2、画像投影部3、撮像素子駆動部4、タイミングコントローラ5、画像処理部6はハウジングH内部に配設されており、フロントパネル7はハウジングH表面に配設されている。
【0025】
電子内視鏡システム100を用いた基本的な撮像処理は以下のようにして行われる。まず予め術者が電子内視鏡50の先端、より詳しくは可撓管50bの先端を観察対象の近傍に配設する。例えば、観察対象が体腔内の生体組織である場合には、可撓管50bの先端を被検者体腔内の生体組織がある位置まで挿入する。
【0026】
可撓管50bの先端が観察対象近傍に位置した状態で、術者が電子内視鏡50の図示しない操作部を操作すると、プロセッサ10は所定の各制御処理を開始する。
【0027】
なお、プロセッサ10において撮像動作を制御するシステムコントローラ1は、詳しくは、プロセッサ10のみならず電子内視鏡システム100の各部位で実行される処理を統括して制御する。本実施形態のシステムコントローラ1は、電子内視鏡50が接続されると、コネクタ部50aに内蔵されたROM55から電子内視鏡50の識別情報(例えば機種名や型番等)や、仕様(例えば撮像素子の方式や画素数、γ特性等)等の内視鏡識別データを読み出す。そして、該内視鏡識別データに対応した制御を適時行う。つまり、本実施形態のプロセッサ10には、電子内視鏡50のみならず、他の種類の電子内視鏡を接続することも可能である。
【0028】
例えばフロントパネル7から撮像処理の開始に関する信号を受信すると、システムコントローラ1は、光源部2を発光制御する。光源部2は、発光部21、第一絞り22、第一絞り駆動機構23、集光レンズ24、ビームスプリッタ25、第二絞り26、第二絞り駆動機構27、ライトトンネル(登録商標)28を有する。発光部21は、システムコントローラ1からの制御信号を受信すると、光を照射する。本実施形態の発光部21には、周知の白色光源、例えばメタルハライドランプや、キセノンランプ、ハロゲンランプ等が使用される。発光部21内にはコリメートレンズが配設されており、発光部21から照射される光束は平行光である。
【0029】
発光部21から照射された光は、ビームスプリッタ25に入射する。ビームスプリッタ25は、入射する光の光路を、電子内視鏡50側と画像投影部3側に分岐する。本実施形態では、電子内視鏡50に導かれる透過成分と画像投影部3に導かれる反射成分がほぼ同量となるような反射率(透過率)を持つビームスプリッタ25を使用している。ただし、ビームスプリッタ25が持つ反射率(透過率)は、電子内視鏡50や画像投影部3で必要とされる光量に応じて任意の値に設定することができる。
【0030】
ビームスプリッタ25で反射した光は、第二絞り26を介してライトトンネル28に入射する。第二絞り26は、適切な光量の光がライトトンネル28に入射するよう第二絞り駆動機構27によって駆動されている。ライトトンネル28は、入射する光を、強度分布を均一にしつつ画像投影部3に導く。画像投影部3の説明は後に行う。
【0031】
ビームスプリッタ25を透過した光は、第一絞り22を介して集光レンズ24に入射する。第一絞り22は、適切な光量の光がライトガイドに入射するよう第一絞り駆動機構23によって駆動されている。第一絞り22によって光量調整がなされ、集光レンズ24によって収束光に変換された光は、電子内視鏡50のライトガイド51、より詳しくはライトガイド51の入射端51aに入射する。ライトガイド51は光ファイバ束である。よって、入射光は、ライトガイド51内を伝送し、射出端51bから射出される。射出光は、配光レンズ52を介して可撓管50bの先端から照射され、観察対象を照明する。
【0032】
なお、上記の通り、ビームスプリッタ25で分割された各光は、各々独立した絞りによって光量調整される。つまり、本実施形態では、電子内視鏡用(撮像用)光源と画像投影部用光源を共通化させることにより、内部構成を簡略化してプロセッサ10全体の小型化に寄与すると共に、独立した光量調整を可能とすることによって撮像用の光量および投影用の光量が互いの影響を受けて不安定になることを有効に回避している。
【0033】
照明された観察対象からの反射光は、対物レンズ53を介して撮像素子54の受光面で光学像を結ぶ。本実施形態の撮像素子54は、プロセッサ10の撮像素子駆動部4によって駆動制御されるカラーCCDである。撮像素子駆動部4は、システムコントローラ1の制御下、タイミングコントローラ5により規定される所定のタイミングで、撮像素子54に駆動信号を送信する。撮像素子54は、撮像素子駆動部4から送信される駆動信号に同期して、上記光学像に基づくR(赤)、G(緑)、B(青)の各色信号を生成し、プロセッサ10の画像処理部6に定期的に送信する。
【0034】
画像処理部6は、各色信号が入力する順に、前段画像信号処理部61、画像メモリ62、後段画像信号処理部63を有する。前段画像信号処理部61は、各色信号に信号増幅処理やA/D変換処理といった所定の処理を行う。前段画像信号処理部61から出力された各色信号は、各色に関するデータ(色データ)として対応するメモリ62R、62G、62Bにそれぞれ格納される。各メモリに格納された各色データは、タイミングコントローラ5から送信されるタイミング信号に同期して後段画像信号処理部63に一斉に出力される。該タイミング信号の送信タイミングは、例えば画像投影部3により拡大投影される画像のフレームレートに対応するように決定される。
【0035】
後段画像信号処理部63は、画像メモリ62から読み出された各色データに周知の画像処理を施す。該画像処理には例えば、色毎のゲイン調整や解像度調整、ホワイトバランスやブラックバランスの調整、ガンマ補正、エンハンス処理等がある。
【0036】
後段画像信号処理部63によって所定の画像処理を施された各色データは、後段画像処理信号処理部63に含まれるD/A変換回路によって各色のアナログ映像信号に変換され、画像投影部3に送信される。
【0037】
画像投影部3は、リレーレンズ群31、第一ダイクロイックミラー32、第一ミラー33、第二ダイクロイックミラー34、第二ミラー35、第三ミラー36、R用液晶素子37R、G用液晶素子37G、B用液晶素子37B、合成プリズム38、投影レンズ群39を有する。画像投影部3は、画像処理部6から出力された映像信号に対応した最適な処理を実行できるよう、画像処理部6が準拠する信号規格と同一の規格に準拠した設計がなされている。
【0038】
光源部2のライトトンネル28から射出された光は、リレーレンズ群31に入射する。リレーレンズ群31は、ライトトンネル28射出後発散傾向にある入射光を、再度平行光束に変換しつつ、第一ダイクロイックミラー32に導く。第一ダイクロイックミラー32は、入射する光のうち、R成分のみを何ら偏向することなく透過させ、それ以外の色成分(G、B)をほぼ直角に偏向する。
【0039】
第一ダイクロイックミラー32を透過したR成分は、第一ミラー33でほぼ直角に偏向され、R用液晶素子37Rにほぼ直角に入射する。
【0040】
また、第一ダイクロイックミラー32で反射したG成分とB成分は、次いで第二ダイクロイックミラー34に入射する。第二ダイクロイックミラー34は、入射する二種類の色成分のうち、B成分を何ら偏向することなく透過させ、G成分をほぼ直角に偏向する。
【0041】
第二ダイクロイックミラー34で反射したG成分は、G用液晶素子37Gにほぼ直角に入射する。また、第二ダイクロイックミラー34を透過したB成分は、第二、第三の各ミラー35、36で順次ほぼ直角に反射し、B用液晶素子37Bにほぼ直角に入射する。
【0042】
各液晶素子37R、37G、37Bは、いずれも透過型である。R用液晶素子37Rは、画像処理部6から出力されたR信号に基づいて、入射するR成分を変調する。他の各液晶素子37G、37Bも、それぞれ対応する色信号(G信号、B信号)に基づいて入射する色成分を変調する。
【0043】
各液晶素子を透過した各色成分は、次いで合成プリズム38に入射する。合成プリズム38は、立方体形状を有しており、詳しくは互いに同一形状である4つの直角プリズムを接合することにより形成されている。各直角プリズムの貼り合わせ面(38a、38b)には、所定の波長成分のみを反射させる特性を持つ光学膜が設けられている。具体的には、第一反射面38aはR成分のみを反射させ、第二反射面38bはB成分のみを反射させる。
【0044】
従って、合成プリズム38に入射したR成分およびB成分は第一反射面38aおよび第二反射面38bによってほぼ直角に反射し、G用液晶素子37Gから遠ざかる方向つまり投影レンズ群39がある方向に直進する。また、合成プリズム38に入射したG成分は、いずれの反射面38a、38bも透過する。ここで、各液晶素子37R、38G、37Bと合成プリズム38(より厳密には合成プリズム38から光が射出される面)間の光路長は等しく設計される。従って、観察される画像に色ずれ等が生じるおそれはない。
【0045】
このようにして、合成プリズム38から射出された各色成分は、投影レンズ群39に入射する。投影レンズ群39は、各色成分により形成される像を、プロセッサ10の外部に向かって拡大投影する。これにより、スクリーンSに電子内視鏡50により撮像されたカラー画像が映し出される。なお、スクリーンSは必ずしも設ける必要はなく、例えば診察室内の壁面等であっても良い。
【0046】
なお、プロセッサ10に配設されるフロントパネル7を操作することによって、既存のプロセッサと同様、術者は給水等の電子内視鏡50に関する操作や色調整等の画像処理に関する操作だけでなく、画像投影部3に関する操作、例えば、焦点位置調整や拡大倍率等の設定等を行うことができる。
【0047】
以上が本発明の実施形態である。なお、本発明に係る電子内視鏡や電子内視鏡システムは上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形を行うことができるように構成しても良い。
【0048】
例えば、上記実施形態では、電子内視鏡システムでは、白色光を用いて体腔内を撮像すると説明した。ここで、電子内視鏡システムの種類によっては、蛍光観察用のシステムに例示されるように、特定波長の光(例えば紫外光等)を用いて体腔内を撮像する構成もありうる。この場合、電子内視鏡用(撮像用)の光を別途配設した光源装置から供給し、プロセッサ内の光源部2は画像投影部3にのみ光を供給する構成であっても良い。または、プロセッサ内に撮像用の光供給手段と、画像投影用の光供給手段(光源部)を別個に設ける構成であっても良い。
【0049】
また、上記実施形態では、表示素子として透過型液晶素子を挙げたが、他の光空間変調素子、例えば反射型液晶素子やDMD(登録商標)などを用いても良い。
【0050】
さらに、上記実施形態では、画像処理部6から画像投影部3には、アナログ映像信号が出力されると説明したが、これに限定されるものではない。例えば、近年実用化されつつあるデジタルハイビジョン規格に準拠するように設計しておき、画像処理部6からはデジタル映像信号が出力されるように構成することも可能である。この場合、より高い色再現性を持つ画像が投影されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態の電子内視鏡システムの構成を概略的に示した図である。
【符号の説明】
【0052】
1 システムコントローラ
2 光源部
3 画像投影部
6 画像処理部
10 プロセッサ
50 電子内視鏡
54 撮像素子
100 電子内視鏡システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子内視鏡が電気的かつ光学的に接続される電子内視鏡用プロセッサであって、
被写体を照明するための光を前記電子内視鏡に供給する光供給手段と、
前記電子内視鏡が前記光供給手段からの光を用いて撮像することにより生成される画像信号に所定の画像処理を施す画像処理手段と、
前記画像処理手段によって画像処理を施された前記画像信号に対応する画像を外部に拡大投影する画像投影手段と、を有し、
前記各手段が単一のハウジング内に収納されていることを特徴とする電子内視鏡用プロセッサ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子内視鏡用プロセッサにおいて、
前記画像投影手段は、投影画像を形成するための光を照射する光源部を有することを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡用プロセッサ。
【請求項3】
請求項2に記載の電子内視鏡用プロセッサにおいて、
前記光供給手段が前記光源部でもあることを特徴とする電子内視鏡用プロセッサ。
【請求項4】
請求項3に記載の電子内視鏡用プロセッサにおいて、
前記光供給手段は、単一の光源と、前記光源から照射された光を所定の割合で前記電子内視鏡および前記画像投影手段に導く光分岐手段と、を有することを特徴とする電子内視鏡用プロセッサ。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の電子内視鏡用プロセッサにおいて、
前記光供給手段は、前記電子内視鏡に供給される光の光量を調整する第一の光量調整手段と、前記画像投影手段に供給される光の光量を調整する第二の光量調整手段と、を有し、
前記第一の光量調整手段と前記第二の光量調整手段とは、互いに独立して光量調整を行うことを特徴とする電子内視鏡用プロセッサ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子内視鏡用プロセッサにおいて、
前記画像処理手段は、前記画像信号をR、G、B三系統の信号に変換して前記画像投影手段に出力することを特徴とする電子内視鏡用プロセッサ。
【請求項7】
請求項6に記載の電子内視鏡用プロセッサにおいて、
前記画像投影手段は、
前記光供給手段からの光からR、G、Bの各色の光を分離する色分離手段と、
前記R信号に基づいてR光を変調するR用表示素子、前記G信号に基づいてG光を変調するG用表示素子、前記B信号に基づいてB光を変調するB用表示素子、各表示素子から射出される光を合成する合成素子、および前記合成素子から射出される光を外部に向かって拡大投射する拡大光学系、を有することを特徴とする電子内視鏡用プロセッサ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の電子内視鏡用プロセッサと、
前記電子内視鏡用プロセッサに電気的かつ光学的に接続される電子内視鏡と、を有することを特徴とする電子内視鏡システム。


【図1】
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【公開番号】特開2008−92974(P2008−92974A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−274555(P2006−274555)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】