説明

電子機器、自動撮影開始条件決定方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】 容易に自動撮影開始条件の設定を行うことができる電子機器を提供する。
【解決手段】 画像データに関連付けられたメタデータを読み出す読出部と、前記読出部により読み出された前記メタデータに基づいて自動撮影開始条件を決定する決定部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、自動撮影開始条件決定方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動撮影開始条件を設定可能な撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この撮像装置においては複数の項目からなる自動撮影開始条件を設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−71344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この撮像装置においては、自動撮影開始条件を構成する複数の項目の設定をユーザが操作部を用いて行う必要があった。そのため、自動撮影開始条件の設定操作が煩雑となりユーザが意図する自動撮影開始条件を設定することが困難であった。
【0005】
本発明の目的は、容易に自動撮影開始条件の設定を行うことができる電子機器、自動撮影開始条件決定方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、画像データに関連付けられたメタデータを読み出す読出部と、前記読出部により読み出した前記メタデータに基づいて自動撮影開始条件を決定する決定部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る自動撮影開始条件決定方法は、コンピュータを用いて構築されたシステムにおいて前記コンピュータが備える読出手段が、画像データに関連付けられたメタデータを読み出す手順と、前記コンピュータが備える決定手段が、前記読出手段により読み出した前記メタデータに基づいて自動撮影開始条件を決定する手順とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを画像データに関連付けられたメタデータを読み出す手段と、読み出した前記メタデータに基づいて自動撮影開始条件を決定する手段として機能させる。
【0009】
また、本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを画像データに関連付けられたメタデータを読み出す手段と、読み出した前記メタデータに基づいて自動撮影開始条件を決定する手段として機能させるためのプログラムを記録したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、容易に自動撮影開始条件の設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るカメラの自動撮影開始条件設定処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るカメラの自動撮影開始条件となりうる項目を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るカメラの撮影処理及び自動撮影開始条件に対するフィードバック処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るカメラの画像データに関連付けて記録されるメタデータのうち自動撮影開始条件となりうる項目を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るカメラの所定の項目を満たした場合の処理を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るカメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るカメラシステムの撮影処理及び自動撮影開始条件に対するフィードバック処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第1の実施の形態に係るカメラについて説明する。図1は、実施の形態に係るカメラのシステム構成を示すブロック図である。カメラ2はCPU4を備え、CPU4には、電源スイッチ8、レリーズボタン10、LCD表示部12の表示制御を行う表示制御部14、タッチパネル16、バッテリ17、鏡筒部18内に設けられた一部のレンズを駆動するモータ制御部20、鏡筒部18内に設けられたレンズの位置を検出するエンコーダ21、鏡筒部18内に設けられたレンズを介して取得された被写体像を撮像するCCD(Charge Coupled Device)或いはCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)等により構成される撮像素子22、静止画や動画から眉や目・鼻の端点、顔の輪郭点等の特徴点を検出することとによって顔を検出する顔検出部25、画像処理部26、最後に撮影が行われてからの時間を計測するタイマ27、カメラ2に着脱可能なメモリカード28、図示しないアクセサリシューを介して外付けスピードライトが取り付けられているか否かを検出するアクセサリ情報取得部29、音声を取得するマイクロホン30、カメラ2の振動を検出する加速度センサまたはジャイロセンサ等の振動検出センサ31、フラッシュRAM32が接続されている。
【0013】
バッテリ17はCPU4に対して電源を供給し、CPU4はバッテリ17から供給された電源をカメラ2の各部に供給する。なお、カメラ2に図示しないACアダプタが接続され電源の供給を受ける場合にはCPU4を介してカメラ2の各部に電源を供給する他、バッテリ17の充電を行ってもよい。
【0014】
フラッシュRAM32には、不揮発性の記憶媒体であり、CPU4が実行する各種プログラムを記憶している。また、フラッシュRAM32には、後述のフローチャートが示す処理に対応するプログラムも記憶しているものとする。
【0015】
CPU4は、各操作部による操作を検知し、検知した結果に応じた処理を実行する。CPU4は、カメラ2への電力供給がオフのときに電源スイッチ8による操作を検知した場合にはカメラ2への電力供給をオンにし、カメラ2への電力供給がオンのときに電源スイッチ8による操作を検知した場合にはカメラ2への電力供給をオフにする。レリーズボタン10には、半押し操作と全押し操作の2通りの操作状態があり、CPU4はレリーズボタン10が半押し操作された状態と全押し操作された状態とを識別して検知する。CPU4はレリーズボタン10の半押し操作を検知すると、スルー画の信号に基づいて露出値(例えば適正露光時間)を決定する。また、CPU4はレリーズボタン10の半押し操作を検知した場合には、モータ制御部20により鏡筒内18の焦点調節用の光学系を移動させ、撮像素子22により遂次(例えば30フレーム毎秒で)撮像されるモニタ用画像であるスルー画像からコントラストを検出する。そして、コントラストが最大となる焦点調節用の光学系の位置を特定し、モータ制御部20により特定した位置に焦点調節用の光学系を移動させ、焦点調節を実行する。また、CPU4は、レリーズボタン10の全押し操作を検知すると、撮像素子22により適正露光時間の間露光させるよう制御する。CPU4は、撮像素子22から出力されたアナログの撮像信号をデジタルの画像信号に変換(A/D変換)して画像処理部26に入力させる。CPU4の指示により、画像処理部26は入力されたデジタルの画像信号に対し、色補間処理、ホワイトバランス調整処理、符号圧縮処理等の画像処理を施し記録用の画像データを生成させる。このように生成された記録用の画像データは、CPU4の指示により、メモリカード28に形成された所定のフォルダ内に記録される。
【0016】
LCD表示部12は液晶パネルおよびバックライト等で構成されるカラー画像情報を再生表示する表示部である。また、この表示部に重ねて透明電極により構成されるタッチパネル16が配置され、LCD表示部12に表示された情報に対する入力操作を受け付ける。また、タッチパネル16は、この入力操作されたパネル上の位置を示す信号をCPU4に出力し、CPU4はこの位置を示す信号と、LCD表示部12に表示された情報とに応じて各種制御を実行する。
【0017】
表示制御部14はVRAMを有し、VRAMに記憶されている情報に対応する表示用画像をLCD表示部12に再生表示させる。例えば、CPU4は、メニュー操作用の画面を示す情報、記録用画像のサムネイル情報、後述の自動撮影開始条件に関する情報、撮像素子22により遂次(例えば30フレーム毎秒で)撮像されるモニタ用画像であるスルー画像のスルー画像情報等をVRAMに遂次記憶させることにより、表示制御部14を介して、LCD表示部12にこれらの情報を再生表示させる。
【0018】
次に、図2に示すフローチャートを参照して第1の実施の形態に係る自動撮影開始条件決定処理について説明する。ユーザはメニュー操作を行うことにより自動撮影開始条件の決定処理の開始を指示する。つまり、CPU4は自動撮影開始条件の決定処理の開始の指示操作を検知した場合に、図2に示す処理を開始する。CPU4は表示制御部14を制御してメモリカード28に記録されている画像データに基づくサムネイル画像情報をLCD表示部12に表示させる(ステップS1)。次に、ユーザがタッチパネル16を用いてLCD表示部12に表示されているサムネイル画像の中から複数のサムネイル画像を選択する。
【0019】
CPU4はLCD表示部12におけるサムネイル画像の表示位置に対応するタッチパネル16の位置がタッチされたことを検知した場合に、表示制御部14を制御して選択済みを示す太枠を選択されたサムネイル画像の左右上下の辺に重ねて表示させる。また、CPU4は表示制御部14を制御してサムネイル画像とともにLCD表示部12に「決定」を示す擬似的な操作釦を表示させる。そして、CPU4はこの「決定」を示す擬似的な操作釦に対応するタッチパネル16の位置がタッチされたことを検知した場合に、この時点までに選択済みとなった画像を選択された画像として受け付け(ステップS2)、CPU4は選択された画像に基づいて自動撮影開始条件の決定を行う(ステップS3)。即ち、ステップS2においてユーザが好みの画像や所望の構図の画像等の選択を行うと、選択された画像に基づいてステップS3においてユーザの意図を反映した自動撮影開始条件が決定される。
【0020】
本実施の形態に係るカメラ2においては、例えば図3に示す項目が自動撮影開始条件となりうる情報として記録され、これらの項目が画像データに関連付けられたメタデータとして記録されている。即ち、カメラ2のCPU4はレリーズボタン10を用いてレリーズ指示が行われると、撮像素子22から出力された撮像信号に基づく画像データをメモリカード28にExif等の所定のファイル形式で記憶すると共に、その画像データと関連付けるために自動撮影開始条件となりうる情報として図3に示す項目に対応する情報をその画像データの記憶されるファイルのヘッダ情報に記録する。例えば、自動撮影開始条件となりうる情報は、ヘッダ情報に含まれるメーカーノートの領域に記録する。ここで、自動撮影開始条件となりうる項目には、メタデータにおける項目を区別するために項目毎に番号が付され、項目毎にパラメータが記録されている。また、各パラメータに対応させて点数が規定されている。
【0021】
図3に示すように、例えばCPU4は、顔検出部25により検出した人物(顔)の個数に基づくパラメータを項目番号A−001に記録する。また、顔検出部25により人物の顔が検出された場合に、CPU4はフラッシュRAM32から笑顔判定プログラムを読み出し、検出された顔が笑顔か否かを判定する。笑顔である場合にはパラメータとして「笑顔度高」、笑顔でない場合には「笑顔度低」を項目番号A−002に記録する。
【0022】
また、顔検出部25により人物の顔が検出された場合に、CPU4は人物の顔のから目の上瞼線及び下瞼線を検出し、上瞼線及び下瞼線の間隔を測定する。検出した顔の大きさに対してこの間隔が所定値よりも小さい場合には、パラメータを「目つぶり有り」として項目番号A−003に記録する。一方、測定した間隔が所定値よりも大きい場合には「目つぶり無し」として項目番号A−003に記録する。なお、目つぶり判定の方法は、上瞼線及び下瞼線の間隔に基づいて判定する方法に限られるものではなく、他の目つぶり判定方法を用いてもよい。
【0023】
また、CPU4は、撮影を行った際に取得される前または後の画像との差分から動き量を算出し、動き量に応じてパラメータを「動き大」、「動き小」または「停止」として項目番号A−004に記録する。
【0024】
また、CPU4は、撮影画像から輝度及びコントラストを検出し、検出した輝度及びコントラストに応じてそれぞれ項目番号A−005及びA−006にパラメータを記録する。
【0025】
また、CPU4は撮影時にマイクロホン30を介して取得した音に基づいて、音量が所定値よりも大きい場合にはパラメータを「音量大」として、所定値よりも小さい場合にはパラメータを「音量小」として項目番号B−001に記録する。また、音が検出されない場合にはパラメータを「無音」として項目番号B−001に記録する。
【0026】
また、CPU4は撮影時に振動検出センサ31により検出したカメラの振動に基づいて、振動が所定値よりも大きい場合にはパラメータを「ブレ量大」、所定値よりも小さい場合にはパラメータを「ブレ量小」として項目番号B−002に記録する。また、CPU4は振動検出センサ31により検出したカメラの構えの方向に基づいて、「横向き」または「縦向き」のパラメータを項目番号B−003に記録する。
【0027】
また、CPU4はエンコーダ21から取得した情報に基づいてレンズ焦点距離及びF値に応じたパラメータをそれぞれ項目番号B−004及びB−005に記録する。
【0028】
また、CPU4は、アクセサリ情報取得部29から取得した情報に基づいて、外付けフラッシュの「接続有り」または「接続無し」のパラメータを項目番号C−001に記録する。また、CPU4は、ACアダプタが接続されているか否かの情報に基づいて、ACアダプタの「接続有り」または「接続無し」のパラメータを項目番号C−002に記録する。また、CPU4は、タイマ27により測定された最後の撮影からの経過時間をパラメータとして項目番号C−003に記録する。
【0029】
従って、ステップS3に示す自動撮影開始条件の決定は、ユーザにより選択された画像データに関連付けられたメタデータのうち自動撮影開始条件となりうる項目を用いて行う。
【0030】
CPU4は、選択された画像データについて解析し統計計算を行う。即ち、選択された画像データに関連付けられたメタデータのうち自動撮影開始条件となりうる項目から共通性の高い項目を複数抽出し、自動撮影開始条件の決定を行う。例えば、選択された画像において「2〜3人でカメラの方を向いている笑顔の写真」の頻度が高い場合には、CPU4は「顔の個数2個以上」、「笑顔度高」、「音量小」、「目つぶり無し」などのパラメータに関する項目を該当する画像の頻度が高い項目として抽出する。
【0031】
このとき、該当する画像の頻度が高い3つの項目を抽出し自動撮影開始条件として決定する場合には、該当する画像の頻度が高い方の項目から順に3つの項目を自動撮影開始条件として決定する。従って、該当する画像の頻度が高い方の項目から順に「顔の検出2個以上」、「笑顔度高」、「音量小」、「目つぶり無し」である場合には、CPU4は「顔の個数2個以上」、「笑顔度高」、「音声小」を自動撮影開始条件の項目として決定する。
【0032】
なお、CPU4は複数の自動撮影開始条件の決定を行ってもよい。例えば、該当する画像の頻度が高い項目が4つある場合に、CPU4は該当する画像の頻度が高い方から1番目、2番目、3番目の項目からなる自動撮影開始条件の他に、該当する画像の頻度が高い方から1番目、2番目、4番目の項目からなる自動撮影開始条件、該当する画像の頻度が高い方から1番目、3番目、4番目の項目からなる自動撮影開始条件、該当する画像の頻度が高い方から2番目、3番目、4番目の項目からなる自動撮影開始条件等の決定を行う。
【0033】
また、各パラメータに対応させて規定された点数(図3参照)を用いて自動撮影開始条件の決定を行ってもよい。CPU4は、選択された画像データに関連付けられたメタデータのうち自動撮影開始条件となりうる各項目のパラメータ毎の点数と頻度(出現回数)とを乗じることにより総加算値を算出し、総加算値が高い方の項目から順に3つの項目を自動撮影開始条件として決定する。
【0034】
例えば、10枚の画像データが選択され、自動撮影条件となりうる項目としてA−001に関するパラメータが「顔の個数0個」であるものが8枚、「顔の個数2個以上」が2枚である場合には、「顔の個数0個」であるものの総加算値は「0(点)×8(枚)=0」となり、「顔の個数2個以上」であるものの総加算値は「30(点)×2(枚)=60」となる。この場合には、「顔の個数が0個」であるものの総加算値が0となるため、「顔が検出されない」ことが自動撮影開始条件を構成する項目に含まれる可能性よりも、項目A−001の本来の特徴である「人物(顔)を検出した」ことが自動撮影開始条件を構成する項目に含まれる可能性が高くなる。なお、総加算値が高い方の項目から3つの項目に限られず、総加算値が高い方の項目から3つ未満の項目を自動撮影開始条件として決定してもよいし、3つより多い項目を自動撮影開始条件として決定してもよい。
【0035】
自動撮影開始条件の決定処理が終了すると、CPU4は表示制御部14を制御して、決定した自動撮影開始条件に関する情報をLCD表示部12に表示し(ステップS4)、タッチパネル16を用いてユーザにより選択されたか否かを判定する(ステップS5)。ここで、ステップS4において自動撮影開始条件に関する情報を1つのみ表示する場合には、CPU4は、自動撮影開始条件に関する情報に対応するタッチパネル16の位置がタッチされたことを検知した場合に自動撮影開始条件が選択されたと判定する。
【0036】
また、上述のように複数の自動撮影開始条件の決定を行った場合には、ステップS4においてCPU4は表示制御部14を制御して複数の自動撮影開始条件に関する情報をLCD12に表示する。従って、ステップS5においてユーザは複数の自動撮影開始条件の中からタッチパネル16を用いて適宜1または2以上の自動撮影開始条件に関する情報に対応する位置をタッチすることにより自動撮影開始条件を選択することができる。この場合には、CPU4は表示制御部14を制御して複数の自動撮影開始条件に関する情報とともにLCD表示部12に「決定」を示す擬似的な操作釦を表示させる。CPU4は、1または2以上の自動撮影開始条件が選択された後に、この「決定」を示す擬似的な操作釦に対応するタッチパネル16の位置がタッチされたことを検知した場合に自動撮影開始条件が選択されたと判定する。
【0037】
表示された自動撮影開始条件がタッチパネル16を用いてユーザにより選択されると(ステップS5:Y)、CPU4は選択された自動撮影開始条件をカメラ2により自動撮影を行う場合の開始条件として設定する(ステップS6)。即ち、CPU4は自動撮影開始条件をフラッシュRAM32に記憶させる。なお、フラッシュRAM32に記憶した自動開始条件は、後述するステップS12(図4参照)において自動撮影開始条件を満たすか否かを判定する際に参照する。
【0038】
一方、CPU4は、自動撮影開始条件の選択が行われなかった判定した場合には(ステップS5:N)、処理を終了する。ここで、CPU4は、表示制御部14を制御してLCD表示部12に自動撮影開始条件の表示を開始させてからタッチパネル16を用いた操作が行われずに所定時間が経過した場合に自動撮影開始条件の選択が行われなかったと判定する。また、CPU4は、表示制御部14を制御してLCD表示部12に「キャンセル」等の自動撮影開始条件の選択を行わない旨のアイコン等を表示させ、当該アイコン等に対応するタッチパネル16の位置がタッチされたことを検出した場合には、自動撮影開始条件の選択が行われなかったと判定してもよい。
【0039】
なお、図2に示すフローチャートにおける自動撮影開始条件決定処理においては、CPU4は複数枚の画像データに対応するメタデータの所定の項目に基づいて自動撮影開始条件を決定するという構成を例に説明したが、CPU4は1枚の画像データに対応するメタデータの所定の項目から自動撮影開始条件を決定してもよい。この場合には、自動撮影開始条件になりうる項目に優先度をつけることにより自動撮影開始条件を決定する。例えば、3つの項目を自動撮影開始条件とする場合には、CPU4は優先度が高い3つの項目からなる自動撮影開始条件を決定する。
【0040】
ここで、優先度は図3に示す点数を用いて定められる。即ち、画像データに関連付けられたメタデータのうち自動撮影開始条件となりうる項目毎にパラメータを読み出し、自動撮影開始条件となりうる項目の各パラメータに対して規定された点数(図3参照)を求める。次に、自動撮影開始条件となりうる項目の点数を評価し、点数の高い3つの項目からなる自動撮影開始条件を決定する。このとき、自動撮影開始条件となりうる項目間の点数が同じである場合には、図3に示す表の上位に記載された項目を上位の条件とする。
【0041】
例えば、自動撮影開始条件を決定するための1枚の画像データのヘッダ情報に記録されたパラメータ及び点数が、図5(b)に示すものである場合には、点数の高い3つの項目はA−001「顔の個数1個」、A−004「動き大」、B−001「音量大」の順となる。従って、CPU4はこれらの3つの項目からなる自動開始撮影条件を決定する。
【0042】
また、上述の自動撮影開始条件決定処理においては、CPU4は選択された複数の画像データに対応するメタデータの所定の項目に基づいて自動撮影開始条件を決定するという構成を例に説明したが、CPU4はメモリカード28に記録された全ての画像データに対応する所定の項目に基づいて自動撮影開始条件を決定する構成としてもよい。
【0043】
また、上述の自動撮影開始条件決定処理においては、図2のステップS5に示す処理において決定した自動撮影開始条件を、ステップS6においてLCD表示部12に表示しユーザにより選択された自動撮影開始条件を、自動撮影を行う場合の撮影の開始条件として設定する構成として説明したが、ステップS6に示す処理を省略し、CPU4はステップS5において決定した自動撮影開始条件をそのまま自動撮影を行う場合の撮影の開始条件としてフラッシュRAM32に記憶することにより、自動撮影開始条件を設定する構成としてもよい。
【0044】
次に、図4に示すフローチャートを参照して実施の形態に係るカメラの撮影処理及び自動撮影開始条件に対するフィードバック処理について説明する。ユーザがメニュー操作を行うことにより、設定された自動撮影開始条件を用いて撮影を行う自動撮影モードを開始する。つまり、CPU4は自動撮影モードの開始の指示操作を検知した場合に、図4に示す処理を開始する。
【0045】
CPU4は自動撮影開始条件を構成する各項目について、対応するセンサから情報を取得する(ステップS11)。即ち、撮像素子22から出力されA/D変換された信号に基づくスルー画、マイクロホン30により検出された音、振動検出センサ31において検出された加速度または角速度等に基づいて情報を取得する。次に、CPU4は取得した情報に基づいて被写体が自動撮影開始条件を満たすか否かの判定を行う(ステップS12)。
【0046】
例えば、自動撮影開始条件は図5(a)に示す項目のうちの任意の項目から構成され、自動撮影開始条件に「動きのある被写体」(番号:A−004)に関する項目が含まれる場合には、CPU4はスルー画のうち連続して取得される画像間の差分から動き量を算出し、所定の動き量よりも大きいか否かを判定する。
【0047】
また、自動撮影開始条件に「人物(顔)」(番号:A−001)、「笑顔」(番号:A−002)、「輝度」(番号:A−005)、「コントラスト」(A−006)のうちの1つ以上の項目が含まれる場合には、CPU4はスルー画の1枚の画像から、人物(顔)の数、笑顔度、輝度、コントラストを求め、所定値よりも大きいか否かを判定する。
【0048】
また、自動撮影開始条件に「音」(番号:B−001)に関する項目が含まれる場合には、CPU4は、マイクロホン30を介して音量を検出し、所定値よりも大きいか否かを判定する。
【0049】
また、自動撮影開始条件に「カメラの手ブレ」(番号:B−002)に関する項目が含まれる場合には、CPU4は振動検出センサ31により検出されたカメラの振動が所定値よりも大きいか否かを判定する。また、自動撮影開始条件に「カメラの構え方向」(番号:B−003)に関する項目が含まれる場合には、CPU4は振動検出センサ31により検出された加速度または角速度等に基づいてカメラ2の向きが縦位置撮影を行う向きであるか横位置撮影を行う向きであるかの判定を行う。
【0050】
また、自動撮影開始条件に「レンズ焦点距離」(番号:B−004)または「レンズF値」(番号:B−005)に関する項目の少なくとも一方が含まれている場合には、CPU4はエンコーダ21を介して取得したレンズの位置に基づいて焦点距離を算出し、レンズ焦点距離及びレンズF値が所定の範囲内であるか否かを判定する。なお、レンズF値を算出する際に必要となる鏡筒部18の口径は、予めフラッシュRAM32に記憶する。
【0051】
また、自動撮影開始条件に「外付けフラッシュの接続」(番号:C−001)に関する項目が含まれている場合には、CPU4はアクセサリ情報取得部29を介して外付けフラッシュが接続されているか否かを判定する。
【0052】
また、自動撮影開始条件に「ACアダプタ接続」(番号:C−002)に関する項目が含まれている場合には、CPU4はACアダプタが接続されているか否かを判定する。
【0053】
また、自動撮影開始条件に「最後の撮影から所定時間が経過した」(番号:C−003)ことに関する項目が含まれている場合には、CPU4はタイマ17により計測された時間に基づいて最後の撮影から所定時間が経過したか否かを判定する。
【0054】
CPU4により自動撮影開始条件を満たすと判定された場合には、CPU4は記録用画像の自動撮影を行う(ステップS13)。
【0055】
一方、ステップS12において自動撮影開始条件を満たさないと判定した場合には、CPU4はレリーズボタン10を用いたレリーズ指示が行われたか否かの判定を行う(ステップS14)。CPU4はレリーズボタン10を用いたレリーズ指示が行われたと判定した場合には記録用画像の撮影を行う(ステップS15)。ステップS14においてレリーズ指示が行われないと判定した場合には、ステップS11に示す処理に戻る。
【0056】
ステップS13及びステップS15において撮影を行うと、CPU4は生成された記録用画像データ及びメタデータを関連付けてメモリカード28に記録する(ステップS16)。メタデータには、自動撮影開始条件となりうる情報として例えば、図5(a)に示す項目のパラメータの行に対応する情報が含まれる。ここで、図5(a)に示す項目は、撮影により生成された画像データに関連付けられたメタデータとしてExif形式等の所定のファイル形式でメモリカード28に記録される。なお、CPU4は、メタデータに自動撮影により撮影された画像であるか否かについても記録させる。
【0057】
次に、CPU4は、ステップS13及びS15における撮影により生成された記録用画像データを用いて自動撮影開始条件へのフィードバック処理を行う(ステップS17)。即ち、現在設定されている自動撮影開始条件を決定した際に用いた画像データに関連付けられたメタデータのうち自動撮影開始条件になりうる項目に、ステップS13及びステップS15における撮影により生成された記録用画像データに関連付けられたメタデータのうち自動撮影開始条件になりうる項目を加え自動撮影開始条件の再決定を行う。この再決定においては、現在設定されている自動撮影開始条件を決定する際に行った自動撮影開始条件になりうる項目の統計計算の結果に、ステップS13及びステップS15における撮影により生成された記録用画像データに関連付けられたメタデータのうち自動撮影開始条件になりうる項目を加え統計計算を行う。統計計算結果から自動撮影開始条件になりうる項目のうち、共通性の高い項目を抽出し、新たな自動撮影開始条件の決定を行う。
【0058】
新たな自動撮影開始条件の決定を行い、新たな自動撮影開始条件が元の自動撮影開始条件と異なる場合には、自動撮影開始条件の更新を行う。即ち、CPU4は新たな自動撮影開始条件をLCD表示部12に表示し、タッチパネル16を用いてユーザにより選択が行われた場合に新たな自動撮影開始条件として設定する。なお、CPU4は決定された新たな自動撮影開始条件をユーザによる選択を経ずにそのまま設定してもよい。一方、新たな自動撮影開始条件の決定を行い、新たな自動撮影開始条件が元の自動撮影開始条件と同一条件である場合には、自動撮影開始条件の更新は行わない。
【0059】
次に、CPU4は自動撮影モードが終了したか否かを判定する(ステップS18)。ユーザがタッチパネル16を用いて自動撮影モードの終了に対応する擬似的な釦を操作することにより自動撮影モードを終了できる。つまり、CPU4は自動撮影モードの終了の指示操作を検知した場合に、図4に示す処理を終了する。
【0060】
一方、自動撮影モードの終了指示がされていない場合にはステップS11に示す処理に戻る。
【0061】
なお、図4に示すフローチャートにおいては、新たな記録用画像を1枚撮影する毎に自動撮影開始条件に対するフィードバック処理を行う構成として説明したが、CPU4は自動撮影モード開始から、または前回のフィードバック処理後からの記録用画像の撮影枚数をカウントし、CPU4により所定枚数撮影したと判定される毎に自動撮影開始条件に対するフィードバック処理を行う構成としてもよい。
【0062】
また、自動撮影開始条件に基づいて撮影を行った場合には、自動撮影開始条件が有効に機能しているか否かを判定することによりフィードバック処理を行ってもよい。即ち、CPU4が複数の自動撮影開始条件が設定されていると判定した場合に、CPU4は表示制御部14を制御し、自動撮影開始条件に基づく記録用画像の撮像が行われた頻度を示す情報をLCD表示部12に表示させてもよいし、CPU4は撮像が行われた頻度の少ない自動撮影開始条件の設定を解除してもよい。
【0063】
頻度の表示を行う場合には、例えば、CPU4は複数の自動撮影開始条件の名称とその頻度とを対応付けた棒グラフを表示させるための情報を作成し、表示制御部14を制御しその棒グラフをLCD表示部12に表示させる。このとき、CPU4は、ユーザがタッチパネル16を用いて棒グラフのうちの少なくともひとつの棒グラフが指定されたことを検知した場合に、CPU4は、その指定された棒に対応する自動撮影開始条件の名称が示す自動撮影開始条件の設定の解除を行ってもよい。
【0064】
本実施の形態に係るカメラによれば、容易に自動撮影開始条件の設定を行うことができる。また、自動撮影開始条件の使用頻度に応じて設定された自動撮影開始条件を容易に変更することができる。また、ユーザのレリーズ操作により生成された画像データに基づいて設定された自動撮影開始条件の変更を容易に行うことができる。従って、有効に機能する自動撮影開始条件を用いてユーザが好みの写真や所望の構図の写真等の撮影を行うことができる。
【0065】
なお、上述の実施の形態においては、自動撮影開始条件について説明したが、CPU4によりメタデータのうちの所定の項目が満たされたと判定された場合に、図4に示すステップS13においてCPU4は、フラッシュ非発光静止画撮影やフラッシュ発光静止画撮影、動画撮影、音声録音等の図6に示す処理を行わせてもよい。
【0066】
フラッシュ非発光静止画撮影を行う場合(番号:P−001)には、CPU4は、フラッシュを非発光として撮影を行う。また、パラメータにより指定された記録枚数分の画像を撮影する。フラッシュ発光静止画撮影を行う場合(番号:P−002)には、CPU4は、内蔵フラッシュまたは外付けフラッシュを発光させて撮影を行う。このとき、パラメータにより指定された記録枚数分の画像を撮影する。動画撮影を行う場合(番号:P−003)には、CPU4は、動画撮影を行う。このとき、パラメータにより指定された記録時間の動画を記録する。音声録音を行う場合(番号:P−004)には、CPU4は、マイクロホン30により取得した音声を記録する。このとき、パラメータにより指定された記録時間分の音声を記録する。
【0067】
また、図6の番号Q−001〜Q−009に示すように、CPU4は、撮影条件の設定変更及びリセットを行ってもよい。画像サイズ設定変更(番号:Q−001)、ホワイトバランス設定変更(番号:Q−005)、コントラスト設定変更(番号:Q−006)及び彩度設定変更(番号:Q−007)の少なくとも1つを行う場合には、CPU4は撮影した画像をメモリカード28に記憶させる際に画像処理部26により行う処理を変更し、変更した設定をフラッシュRAM32に記憶する。また、測光モード設定変更(番号:Q−002)、AFモード設定変更(番号:Q−003)、AFエリア変更設定(番号:Q−004)の少なくとも1つを行う場合には、CPU4は撮影を行う際の設定として変更した設定をフラッシュRAM32に記憶する。また、防振レンズの設定を行う場合においては防振レンズの有効または無効の設定(番号:Q−008)をフラッシュRAM32に記憶する。
【0068】
また、カメラに設定された撮影条件のリセット(番号:Q−009)を行う場合には、CPU4はフラッシュRAM32に記憶されている撮影条件を削除し、デフォルトの撮影条件にリセットする処理を行う。また、カメラの電源OFF(番号:R−001)を行う場合には、CPU4は、カメラ2の電源をオフとする処理を行う。
【0069】
また、CPU4により所定の項目が満たされたと判定された場合に、CPU4は、図6に示す複数の処理を行う構成としてもよい。例えば、CPU4により、「顔の個数1個または2個以上」かつ「音量大」かつ「ブレ量小」である場合にフラッシュ非発光での静止画撮影を1枚行い、その後、CPU4は動画の記録を10秒間行う処理等を行うように制御してもよい。
【0070】
また、上述の実施の形態においては、操作部がタッチパネル16である構成として説明したが、操作部はタッチパネルに限定されず十字キーやマルチセレクタ等の他の操作部材であってもよい。
【0071】
また、上述の実施の形態の図4のフローチャートに示す自動撮影開始条件(ステップS13)及びユーザのレリーズ指示(ステップS15)により撮影された画像データに基づいてステップS17において自動撮影開始条件へのフィードバックを行う構成としたが、ユーザのレリーズ指示により撮影された画像データに基づいて自動撮影開始条件への行い、自動撮影開始条件により撮影された画像データに基づく自動撮影開始条件へのフィードバックを行わない構成としてもよい。この場合には、よりユーザの好みを強く反映した自動撮影開始条件の決定を行うことができる。
【0072】
また、上述の実施の形態において、メモリカード28に記憶させる画像データに関連付けられたメタデータとして自動撮影開始条件となりうる項目毎のパラメータを記録する構成としたが、メタデータとして自動撮影開始条件となりうる項目毎の点数(図3参照)を記録してもよい。この場合には、CPU4はメモリカード28から読み出した画像データに関連付けられたメタデータから点数を読み出すことにより上述の総加算値の算出及び優先度を評価するための点数の算出を行う。
【0073】
次に、図面を参照して本発明の第2の実施の形態に係るカメラシステムについて説明する。この第2の実施の形態に係るカメラシステムは、第1の実施の形態に係るカメラが備える機能をカメラシステムが備えるカメラとPCとに分割したものである。従って、第1の実施の形態と同一の構成についての詳細な説明は省略し、異なる部分のみについて詳細に説明する。また、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して説明する。
【0074】
図7は、第2の実施の形態に係るカメラシステムのシステム構成を示すブロック図である。カメラシステム33は、カメラ34、コンピュータ36を備えている。
【0075】
カメラ34はカメラ34の制御を行うカメラCPU38を備え、カメラCPU38には鏡筒部18の駆動を行うモータ制御部20、撮像素子22、撮像素子22から出力された撮像信号に対してA/D変換を行い画像データを生成するA/D変換部24、マイクロホン30、振動検出センサ31、コンピュータ36との信号の送受信を無線または有線により行う通信部40、通信部40によりコンピュータ36との信号の送受信を行う際に用いるメモリであるバッファ41が接続されている。また、コンピュータ36はCPU4を備え、CPU4にはLCD表示部12の表示制御を行う表示制御部14、画像処理部26、メモリカード28、フラッシュRAM32、複数のキーにより構成されユーザによるレリーズ指示や入力操作を受け付ける操作部42、カメラ34との信号の送受信を無線または有線により行う通信部44、通信部44によりカメラ34との信号の送受信を行う際に用いるメモリであるバッファ46が接続されている。
【0076】
次に、図8に示すフローチャートを参照して第2の実施の形態に係るカメラシステムの撮影処理及び自動撮影開始条件に対するフィードバック処理について説明する。
【0077】
コンピュータ36においてユーザが操作部42を用いてメニュー操作を行うことにより、設定された自動撮影開始条件を用いて撮影を行う自動撮影モードへの移行を指示することで自動撮影モードを開始させる。つまり、CPU4は自動撮影開始条件を用いて撮影を行う自動撮影モードの開始の指示操作を検知した場合に、図8に示す処理を開始する。
【0078】
コンピュータ36のCPU4は通信部44を介してカメラ34のカメラCPU38に撮影モードが自動撮影モードとなった旨を示す信号を送信する(ステップS19)。
【0079】
カメラ34のカメラCPU38は、自動撮影モードとなった旨を示す信号を通信部40を介して受信すると(ステップS20)、カメラCPU38は、撮像素子22によりスルー画の撮影を開始させ(ステップS21)、撮像素子22から出力されたアナログの撮像信号をA/D変換部24によりA/D変換してデジタルの画像信号に変換する。そして、カメラCPU38は、デジタルの画像信号を通信部40を介してコンピュータ36へ送信する制御を開始する(ステップS22)。コンピュータ36のCPU4は通信部44を介して画像信号の受信を開始し(ステップS23)、受信したデジタルの画像信号に基づくスルー画から自動撮影開始条件に含まれる項目に関する情報を取得し(ステップS24)、自動撮影開始条件を満たすか否かの判定を行う(ステップS25)。CPU4は自動撮影開始条件を満たすと判定した場合には、通信部44を介して記録用画像の撮像開始を指示する信号をカメラ34へ送信する(ステップS27)。
【0080】
なお、スルー画以外の情報に基づいて判定する項目が自動撮影開始条件に含まれる場合には、カメラCPU38は対応するセンサにより検出した情報をコンピュータ36に送信する制御を行う。例えば、自動撮影開始条件に「音の検出」(番号:B−001)に関する項目がある場合には、カメラCPU38は、ステップS21においてスルー画の撮影を開始すると同時にマイクロホン30により音を取得し、A/D変換した後に、ステップS22においてコンピュータ36に送信する制御を行う。また、自動撮影開始条件に「カメラの振動」(番号:B−002)に関する項目がある場合には、カメラCPU38は、ステップS21においてスルー画の撮影を開始すると同時に振動検出センサ31により検出した加速度または角速度を、ステップS22においてコンピュータ36に送信する制御を行う。
【0081】
これらの場合には、CPU4は、ステップS24において自動撮影開始条件に含まれる項目に関する情報を取得し、取得した情報に基づいてステップS25において自動撮影開始条件を満たすか否かの判定を行う。
【0082】
一方、ステップS25において自動撮影開始条件を満たさないと判定した場合には、CPU4は操作部42を用いた記録用画像の撮像開始の指示が行われたか否かの判定を行う(ステップS26)。CPU4は操作部42により、記録用画像の撮像開始の指示が行われたと判定した場合には、CPU4は通信部44を介して記録用画像の撮像開始を指示する信号をカメラ34のカメラCPU38へ送信する(ステップS27)。ステップS26においてCPU4は、記録用画像の撮像開始の指示が行われていないと判定した場合には、ステップS24に示す処理に戻る。
【0083】
カメラ34のカメラCPU38は、ステップS27の処理においてコンピュータ36から送信された記録用画像の撮像開始の指示を通信部40を介して受信すると(ステップS28)、カメラCPU38は撮像素子22による記録用画像の撮像を開始させる。(ステップS29)。
【0084】
ステップS29において記録用画像の撮像を行うと、カメラ34は記録用画像の撮像により生成したアナログの撮像信号をA/D変換部24によりA/D変換して変換する。そして、カメラCPU38は、デジタルの画像データを通信部40を介してコンピュータ36に送信する(ステップS30)。このとき、画像データと共に自動撮影開始条件となりうる情報として、記録用画像の撮像時点における図5(a)に示す項目のパラメータの行に対応する情報も送信する。
【0085】
コンピュータ36のCPU4は、通信部44を介して記録用画像データ及び自動撮影開始条件となりうる情報を受信すると(ステップS31)、メモリカード28に記録用画像データ及びメタデータを関連付けて記録させる(ステップS32)。ここで、メタデータには自動撮影開始条件となりうる情報が含まれ、CPU4の指示により、自動撮影開始条件となりうる情報は、撮影により生成された記録用画像データに関連付けられたメタデータとしてExif形式等の所定のファイル形式でメモリカード28に記録される。なお、CPU4は、メタデータには自動撮影により撮影された画像であるか否かについても記録させる。
【0086】
次に、CPU4はステップS29における撮影により生成された記録用画像データを用いて自動撮影開始条件へのフィードバック処理を行う(ステップS33)。なお、ステップS33に示す処理は図4のフローチャートのステップS17に示す処理と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0087】
次に、CPU4は自動撮影モードが終了したか否かを判定する(ステップS34)。操作部42を用いてユーザが自動撮影モードの終了を指示した場合には処理を終了する。つまり、CPU4は自動撮影モードの終了の指示操作を検知した場合に、図8に示す処理を終了する。
【0088】
一方、自動撮影モードの終了が指示されていない場合にはステップS24に示す処理に戻る。
【0089】
なお、本実施の形態に係るカメラシステムにおいては、図2のフローチャートに示す自動撮影開始条件決定処理をコンピュータ36内で行うことができる。この場合において、第1の実施の形態におけるタッチパネル26を用いた操作は、第2の実施の形態においては操作部42を用いた操作に変更し処理を行う。
【0090】
本実施の形態に係るカメラシステムによれば、容易に自動撮影開始条件の設定を遠隔操作により行うことができる。従って、防犯カメラ等の遠隔操作が必要となる用途に用いることができる。例えば、防犯カメラに用いる場合には、CPU4は自動撮影開始条件となりうる項目として人物を検出したことを示す「顔の個数1個」及び「顔の個数2個以上」の項目を自動撮影開始条件としてフラッシュRAM32に設定することができる。また、CPU4は大きな音を検出したことを示す「音量大」の1項目を自動撮影開始条件としてフラッシュRAM32に設定することができる。
【0091】
なお、上述の実施の形態においてコンピュータ36が備える機能の一部をカメラ34が備える構成としてもよい。例えば、自動撮影開始条件の判定処理をカメラ34において行う構成としてもよい。この場合には、自動撮影開始条件をカメラ34において記憶し、カメラ34がスルー画の監視を行う。従って、カメラ34のカメラCPU38が自動撮影開始条件を満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合にはカメラCPU38は、撮像素子22による記録用画像の自動撮影を実行させる。また、自動撮影を行った場合にはカメラCPU38は、通信部40を介して記録用画像データと自動撮影時の上記と同様のメタデータを関連付けてコンピュータ36に送信し、コンピュータ36のCPU4は、通信部44を介して受信した記録用画像データおよびメタデータの両方を用いて統計計算を行い新たな自動撮影開始条件を決定する。カメラ34のカメラCPU38はコンピュータ36の通信部44を介してCPU4から送信された新たな自動撮影開始条件を示す情報を通信部40を介して受信することにより、新たな自動撮影開始条件を不図示のカメラ側に設けたフラッシュRAM32に記憶させる。
【0092】
また、上述の各実施の形態においては、記録用画像の撮影を行った際に自動撮影開始条件に対するフィードバック処理を行う構成として説明したが、CPU4は、記録済みの画像データのカテゴリ分類に対してフィードバック処理を行ってもよい。例えば、CPU4により複数の自動撮影開始条件が設定され自動撮影がされた場合に、CPU4はメモリカード28において画像データが自動撮影開始条件毎にフォルダ分けして記録されるようにメモリカード28に記録させる。そしてCPU4によるフィードバック処理により新たな自動撮影開始条件の設定が行われると、CPU4は画像データのフォルダ分けを新たな自動撮影開始条件に基づいて行うようにしてもよい。
【0093】
また、CPU4により新たな自動撮影開始条件が設定され自動撮影がされた場合に、CPU4は新たな自動撮影開始条件に基づいてフォルダ分けを行った場合に、表示制御部14を制御して各フォルダに含まれることとなる画像データをLCD表示部12にサムネイル表示してもよい。
【符号の説明】
【0094】
2…カメラ、4…CPU、10…レリーズボタン、12…LCD表示部、14…表示制御部、16…タッチパネル、22…撮像素子、28…メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに関連付けられたメタデータを読み出す読出部と、
前記読出部により読み出された前記メタデータに基づいて自動撮影開始条件を決定する決定部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
被写体光を撮像する撮像部と、
前記決定部により決定された前記自動撮影開始条件に基づいて前記撮像部による記録用画像の撮像を制御する撮像制御部と
を備えることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記撮像部により記録用画像が撮像される場合に、前記自動撮影開始条件となり得る情報を前記メタデータとして前記記録用画像に対応する画像データに関連付けて記録する記録制御部
を備えることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記決定部により決定された前記自動撮影開始条件をユーザに報知する報知部を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記決定部により決定された前記自動撮像開始条件を設定する設定部を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記撮像部による撮像を指示するための操作部を備え、
前記記録制御部は、前記操作部の操作により撮像された記録用画像に対応する画像データと前記メタデータとを関連付けて記録することを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記画像データを選択する選択部を備え、
前記決定部は、前記選択部により選択された前記画像データに関連付けられた前記メタデータに基づいて前記自動撮影開始条件を決定することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
コンピュータを用いて構築されたシステムにおいて
前記コンピュータが備える読出手段が、画像データに関連付けられたメタデータを読み出す手順と、
前記コンピュータが備える決定手段が、前記読出手段により読み出した前記メタデータに基づいて自動撮影開始条件を決定する手順と
を備えることを特徴とする自動開始撮影条件決定方法。
【請求項9】
コンピュータを
画像データに関連付けられたメタデータを読み出す手段と、
読み出した前記メタデータに基づいて自動撮影開始条件を決定する手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータを
画像データに関連付けられたメタデータを読み出す手段と、
読み出した前記メタデータに基づいて自動撮影開始条件を決定する手段
として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−156822(P2012−156822A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14728(P2011−14728)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】