説明

電子機器および電子機器の処理プログラム

【課題】視聴中・聴取中の放送内容の見逃しや聞き逃しを防止する電子機器を実現する。
【解決手段】CPU100は、イヤホン20の接続/非接続状態と、イヤホン20が出力する信号から判別したユーザ装着/非装着状態とに基づき、放送受信中にイヤホン20が非接続状態もしくはユーザ非装着状態になったことを検出すると、受信中の放送内容を自動的に記録し始める自動記録状態となり、その後にイヤホン20が接続され、かつユーザ装着状態に復帰すると、自動記録中の放送をタイムシフト再生(追いかけ再生)を行うので、視聴中・聴取中の放送内容の聞き逃しを防止し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視聴中あるいは聴取中の放送内容の見逃しや聞き逃しを防止する電子機器および電子機器の処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ・ラジオ放送を受信する機能を具備する携帯電話などの電子機器が各種実用化されている。例えば、この種の携帯電話として、特許文献1には、携帯電話本体とイヤホンとを無線通信にて接続するワイヤレスホンを備えたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−187060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示の携帯電話のように、ワイヤレスイヤホンを使って携帯電話でテレビ放送を視聴したりラジオ放送を聴取したりする場合に、イヤホンをしたまま携帯電話本体から通信可能距離以上離れると、本体側との無線通信が途絶えてしまい、その間、ユーザは視聴あるいは聴取している放送内容を見逃したり聞き逃したりする弊害が生じる。こうした弊害はワイヤレスイヤホンに限らず、通信ケーブルで携帯電話本体と接続される有線のイヤホンでも同様のことが起こり得る。また、携帯電話に限らず、例えば据え置き型テレビの場合でも同様のことが有り得る。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、視聴中あるいは聴取中の放送内容の見逃しや聞き逃しを防止することができる電子機器および電子機器の処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、音声データおよび映像データを含む放送内容を取得する取得手段と、放送内容を外部出力する外部出力装置に対して、前記取得手段により取得された放送内容を送出する送出手段と、前記外部出力装置の出力動作の可否状態を検出する検出手段と、前記取得手段が放送内容を取得中に、前記検出手段により検出される外部出力装置の出力動作の可否状態が動作可能から動作不能に変化した場合に、前記送出手段に外部出力装置への放送内容の送出を停止させる送出停止手段と、前記送出停止手段が前記送出手段に外部出力装置への放送内容の送出を停止させた場合に、前記取得手段により取得された放送内容の内、音声データのみを機器本体から出力させる出力手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
上記請求項1に従属する請求項2に記載の発明では、前記検出手段は、外部出力装置の出力動作の可否状態として、当該外部出力装置がユーザに装着されているか否かを検出することを特徴とする。
【0008】
上記請求項1に従属する請求項3に記載の発明では、前記検出手段は、外部出力装置の出力動作の可否状態として、当該外部出力装置が動作しているか否かを検出することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明では、コンピュータに、音声データおよび映像データを含む放送内容を取得する取得ステップと、放送内容を外部出力する外部出力装置に対して、前記取得ステップで取得された放送内容を送出する送出ステップと、前記外部出力装置の出力動作の可否状態を検出する検出ステップと、前記取得ステップにて放送内容を取得中に、前記検出ステップで検出される外部出力装置の出力動作の可否状態が動作可能から動作不能に変化した場合に、前記送出ステップによる外部出力装置への放送内容の送出を停止させる送出停止ステップと、前記送出停止ステップが前記送出ステップによる外部出力装置への放送内容の送出を停止させた場合に、前記取得ステップで取得された放送内容の内、音声データのみを機器本体から出力させる出力ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、視聴あるいは聴取している放送内容の見逃しや聞き逃しを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態による携帯電話10が有する機能の概要を説明する為のシステム構成図である。
【図2】携帯電話10の構成を示すブロック図である。
【図3】メインルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図4】メインルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図5】出力処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】出力処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】イヤホン出力制御A処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】イヤホン出力制御B処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】モニタ出力制御A処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】モニタ出力制御B処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】イヤホン動作可能処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】モニタ出力制御C処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】イヤホン動作不能処理の動作を示すフローチャートである。
【図14】モニタ動作可能処理の動作を示すフローチャートである。
【図15】イヤホン出力制御C処理の動作を示すフローチャートである。
【図16】モニタ動作不能処理の動作を示すフローチャートである。
【図17】タイムアウト処理の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第2実施形態による携帯ラジオ11が有する機能の概要を説明する為のシステム構成図である。
【図19】携帯ラジオ11の構成を示すブロック図である。
【図20】第2実施形態のメインルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図21】第2実施形態の出力処理の動作を示すフローチャートである。
【図22】第2実施形態のイヤホン動作可能処理の動作を示すフローチャートである。
【図23】第2実施形態のイヤホン動作不能処理の動作を示すフローチャートである。
【図24】第2実施形態の再生処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
A.構成
(1)システム構成
図1は、本発明の第1実施形態である携帯電話10が備える主要機能の概要を説明する為のシステム構成図である。携帯電話10は、移動無線通信機能を備える。移動無線通信機能を用いて通話する場合、携帯電話10は、位置登録している基地局BSを介して発信側の交換機SWに発呼する。発信側の交換機SWは、発呼に応じて、無線通信網RN中に設けられる加入者登録サーバ(不図示)から問い合せた着番号(加入者番号)および位置登録情報に基づき着信側の交換機SWを呼出す。着信側の交換機SWは、着信側の基地局BSを介して着信側の携帯電話10(不図示)を呼出し、これに応じて着信側が着呼応答すると、発信側の交換機SWと着信側の交換機SWとのリンクが確立して通話可能になる。
【0013】
また、携帯電話10は、移動無線通信機能を用い、基地局BS、交換機SWおよび無線通信網RNを経由してインターネットITN上のテレビ・ラジオ番組サーバ50にアクセスし、当該サーバ50がネット配信するテレビ放送又はラジオ放送を受信する機能も有する。さらに、携帯電話10は、テレビ局(又はラジオ局)40から送信基地局TSを介して無線放送されるテレビ放送又はラジオ放送を受信する直接受信機能も備える。
【0014】
携帯電話10は、外部モニタ30およびイヤホン20に対して有線接続もしくは無線接続するインタフェースを備え、上述した移動無線通信機能又は直接受信機能を用いて受信したテレビ放送の映像/音声を含むビデオ出力を外部モニタ30に送出したり、テレビ放送もしくはラジオ放送の音声出力をイヤホン20に送出する機能を有する。なお、図1では、携帯電話10が外部モニタ30と有線接続され、イヤホン20と無線接続される一例を図示している。
【0015】
図1に図示する一例の場合、イヤホン20は、ユーザに装着されているか否かを検出するセンサ(例えば温度センサなど)を備え、このセンサにより検出される状態(ユーザ装着/非装着状態)を表す信号を携帯電話10側へ送出するように構成されている。また、外部モニタ30は、動作電源がパワーオンされているか否かを検知する検知手段を備え、この検知手段により検知される状態(電源オン/非電源オン状態)を表す信号を携帯電話10側へ送出するよう構成されている。
【0016】
携帯電話10は、イヤホン20の接続/非接続状態と、イヤホン20が出力する信号から判別した状態(ユーザ装着/非装着状態)とに基づき、「テレビ放送(又はラジオ放送)の音声をイヤホン20で聴取中に、イヤホン20が非接続状態もしくはユーザ非装着状態になった場合」を検出すると、自動的に受信中のテレビ放送(又はラジオ放送)を記録する自動記録状態になり、その後にイヤホン20が接続され、かつユーザ装着状態に復帰すると、自動記録したテレビ放送(又はラジオ放送)のタイムシフト再生(追いかけ再生)を行う機能を有する。こうした機能の詳細については追って述べる。
【0017】
携帯電話10は、外部モニタ30の接続/非接続状態と、外部モニタ30が出力する信号から判別した状態(モニタ電源オン/非電源オン状態)とに基づき、「テレビ放送の映像・音声を外部モニタで視聴中に、外部モニタ30が非接続状態もしくは非電源オン状態になった場合」を検出すると、自動的に受信中のテレビ放送を記録する自動記録状態になり、その後に外部モニタ30が接続され、かつ電源オン状態に復帰すると、自動記録したテレビ放送のタイムシフト再生(追いかけ再生)を行う機能を有する。こうした機能の詳細については追って述べる。
【0018】
(2)携帯電話10の構成
次に、図2を参照して携帯電話10の構成を説明する。図2において、CPU100は、後述する操作部107が発生するイベントや、後述のイヤホン接続部109およびモニタ接続部110が発生する状態データ(後述する)に応じて、携帯電話10の各部動作を制御する。本発明の要旨に係わるCPU100の特徴的な処理動作については追って詳述する。
【0019】
ROM101は、プログラムエリアおよびデータエリアを備える。ROM101のプログラムエリアには、CPU100により実行される各種プログラムが記憶される。ここで言う各種プログラムとは、追って詳述するメインルーチン、出力処理、イヤホン動作可能処理、イヤホン動作不能処理、モニタ動作可能処理、モニタ動作不能処理およびタイムアウト処理の他、携帯電話10が有する各種機能のプログラムを含む。ROM101のデータエリアには、所定のプログラムにより参照される制御データの他、例えば待受画面などを形成する各種画面データが格納される。
【0020】
RAM102は、各種レジスタ・フラグデータを一時記憶するワークエリア(不図示)と、記録データ記憶部102aとを備える。この記録データ記憶部102aには、後述する記録再生部111が出力する圧縮符号化された記録データを、CPU100の制御の下に記憶する。なお、ここで言う記録データとは、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が出力する受信信号(テレビ受信時は映像/テレビ音声データ、ラジオ受信時はラジオ音声データ)を指す。
【0021】
無線通信送受信部103は、データ通信時にはCPU100の制御の下にアンテナANT1を介して基地局BSとデータ授受を行い、音声通話時にはアンテナANT1を介して受信復調した音声データをCPU100に出力する一方、CPU100から供給される音声データを変調して得た送信信号を高周波増幅してアンテナANT1から送出する。テレビ放送・ラジオ放送受信部104は、CPU100から与えられる選局指示に従い、アンテナANT2を介してテレビ放送信号又はラジオ放送信号を受信復調し、これにより得られる受信信号(テレビ受信時は映像/テレビ音声データ、ラジオ受信時はラジオ音声データ)を出力する。
【0022】
音声信号処理部105は、スピーカSPおよびマイクMICを備え、CPU100から供給される音声データを音声信号にD/A変換してスピーカSPから発音させたり、マイクMICから出力される音声信号を音声データにA/D変換してCPU100に供給する。また、音声信号処理部105では、イヤホン20(図1参照)がイヤホン接続部109に接続されていない状態でテレビ放送・ラジオ放送受信部104が受信動作中の場合や、記録再生部111が再生動作中の場合、CPU100から供給されるテレビ音声データ又はラジオ音声データをD/A変換した後に増幅してスピーカSPから放音する。
【0023】
表示部106は、カラー液晶パネルおよび表示ドライバから構成され、CPU100の制御の下に、待受画面や機能メニュー画面など各種画面を表示する。また、表示部106では、外部モニタ30(図1参照)がモニタ接続部110に接続されていない状態でテレビ放送・ラジオ放送受信部104がテレビ放送受信動作中の場合や、記録再生部111が再生動作中の場合、CPU100から供給される映像データを画面表示する。
【0024】
操作部107には、パワーオンオフする電源スイッチ、テレビ放送・ラジオ放送受信部104をオンオフするテレビ/ラジオ出力スイッチ、通話開始/終了時に操作されるオフフック/オンフックスイッチ、ダイヤルスイッチと兼用の文字入力スイッチ等の各種操作キーの他、各種設定に用いる操作ボタン等を有し、これらキーやボタンの操作に応じたイベントを発生してCPU100に出力する。RTC108は、時刻計時やタイマ割込みに用いるリアルタイムクロックを発生する。
【0025】
イヤホン接続部109は、所定の通信規格に従って無線データ通信する無線通信インタフェースを備える。イヤホン接続部109では、無線通信インタフェースを介してイヤホン20(図1参照)との間で通信制御データを授受して通信リンクを確立させる。イヤホン接続部109では、イヤホン20側との通信リンクが確立すると、接続中を表す接続状態データを発生してCPU100に出力し、一方、通信リンクが不確立ならば、非接続を表す接続状態データを発生してCPU100に出力する。イヤホン接続部109は、イヤホン20と接続状態にあれば、CPU100から供給される音声データを、無線通信インタフェースを介してイヤホン20に無線送出する。また、イヤホン接続部109は、イヤホン20と接続状態にあれば、イヤホン20側から送出される検出信号を受信して、イヤホンがユーザに装着されているか否かを表す装着状態データを発生してCPU100に出力する。
【0026】
モニタ接続部110は、外部モニタ30(図1参照)と接続されているか否かを検出する手段を備え、外部モニタ30と接続されていると、接続中を表す接続状態データを発生してCPU100に出力し、一方、接続されていなければ、非接続を表す接続状態データを発生してCPU100に出力する。モニタ接続部110は、外部モニタ30に接続していれば、CPU100から供給される映像データを外部モニタ30に出力する。また、モニタ接続部110は、外部モニタ30に接続していると、外部モニタ30から供給される検知信号に応じて、当該外部モニタ30の電源オン/非電源オン状態を表す電源状態データを発生してCPU100に出力する。
【0027】
記録再生部111は、CPU100の制御の下に、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が発生する受信信号(テレビ受信時は映像/テレビ音声データ、ラジオ受信時はラジオ音声データ)を記録又は再生する。すなわち、CPU100から記録指示があると、記録再生部111は、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から出力される受信信号を圧縮符号化してRAM102の記録データ記憶部102aに記録する。一方、CPU100から再生指示があると、再生指示された記録データをRAM102の記録データ記憶部102aから読み出して伸張復号化した再生データをCPU100に出力する。また、記録再生部111は、CPU100の制御の下に、記録動作しながら再生動作するタイムシフト再生(追いかけ再生)する機能も具備する。
【0028】
B.動作
次に、上記構成による携帯電話10の動作について説明する。以下では、携帯電話10のCPU100が実行する「メインルーチン」の動作を説明した後、このメインルーチンからコールされる「出力処理」、「イヤホン動作可能処理」、「イヤホン動作不能処理」、「モニタ動作可能処理」、「モニタ動作不能処理」および「タイムアウト処理」の各動作について順次説明する。
【0029】
(1)メインルーチンの動作
図3〜図4は、CPU100が実行するメインルーチンの動作を示すフローチャートである。ユーザの電源オン操作により携帯電話10がパワーオンされると、CPU100は図3に図示するメインルーチンを実行してステップSA1に処理を進める。ステップSA1では、位置登録制御シーケンスを実行して網側に位置登録を行った後、待受状態に入る待受処理を実行する。
【0030】
続いて、図3に示すステップSA2〜SA5および図8に示すステップSA6〜SA10では、「テレビ/ラジオ出力操作」、「イヤホン動作不能→動作可能検出」、「イヤホン動作可能→動作不能検出」、「モニタ動作不能→動作可能検出」、「モニタ動作可能→動作不能検出」、「外れタイマ所定時間経過」、「着信検知」、「電源オフ操作」および「その他操作」のイベントの有無を判断する。これらイベントが発生しなければ、上記ステップSA2〜SA10の各判断結果はいずれも「NO」になり、待受状態のまま待機する。一方、待受状態で上記イベントのいずれかが発生すると、その発生したイベントに対応した処理を実行する。以下、イベント毎の動作を説明する。
【0031】
a.テレビ/ラジオ出力操作が行われた場合
操作部107に設けられるテレビ/ラジオ出力スイッチ(不図示)の操作イベントを検出すると、ステップSA2の判断結果が「YES」になり、ステップSA11に進み、出力処理を実行する。出力処理では、後述するように、イヤホン接続部109が発生する接続状態データおよび装着状態データに基づき、イヤホン接続/非接続およびユーザのイヤホン装着/非装着を判別し、イヤホン接続部109に接続中のイヤホン20がユーザから外れて非装着になると、放送を受信して聴取中の音声データの外部出力を停止させ、本体(音声信号処理部105)から出力させると共に、その聴取中の音声データを記録再生部111に自動的に記録させる自動記録状態となる。
【0032】
また、出力処理では、モニタ接続部110が発生する接続状態データおよび電源状態データに基づき、モニタ接続/非接続およびモニタ電源オン/非電源オンを判別し、モニタ接続部110に接続中の外部モニタ30がパワーオンされずに非電源オンであると、放送を受信して視聴中の映像データの外部出力を停止させ、本体(表示部106)で表示出力させると共に、その視聴中の映像データ/テレビ音声データを記録再生部111に自動的に記録させる自動記録状態となる。そして、こうした出力処理が完了すると、CPU100は上記ステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0033】
b.イヤホン動作不能→動作可能検出された場合
イヤホン接続部109が、イヤホン20に接続したことを表す接続状態データと、ユーザのイヤホン装着を表す装着状態データとを発生すると、CPU100はイヤホン動作不能→動作可能イベントを検出する。すると、ステップSA3の判断結果が「YES」になり、ステップSA12に進み、イヤホン動作可能処理を実行する。
【0034】
イヤホン動作可能処理では、後述するように、イヤホン動作が可能になった時に自動記録状態でなく、かつ放送受信中ならば、イヤホン20側にのみ音声データを送出すると共に、外部モニタ30が動作状態ならば、外部モニタ30側にのみ映像データを出力し、外部モニタ30が非動作状態ならば、映像データの外部出力を停止させ、本体(表示部106)で表示出力させる。
【0035】
一方、イヤホン動作が可能になった時に自動記録状態であると、イヤホン非装着となった時点で自動記録し始めた放送内容の追いかけ再生を行い、再生される音声データについてはイヤホン20側にのみ送出し、再生される映像データについては外部モニタ30が動作状態ならば外部モニタ30側にのみ出力し、外部モニタ30が非動作状態ならば本体(表示部106)で表示出力させる。こうしたイヤホン動作可能処理が完了すると、CPU100は上記ステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0036】
c.イヤホン動作可能→動作不能検出された場合
イヤホン接続部109が、イヤホン20との非接続を表す接続状態データを発生した場合、あるいはイヤホン接続中にユーザのイヤホン非装着を表す装着状態データを発生した場合、CPU100はイヤホン動作可能→動作不能イベントを検出する。すると、ステップSA4の判断結果が「YES」になり、ステップSA13に進み、イヤホン動作不能処理を実行する。
【0037】
イヤホン動作不能処理では、後述するように、イヤホン動作が不能になった時に放送受信中であって、かつイヤホン接続期間が所定時間に達していると、その受信中の放送内容を記録再生部111に自動的に記録させる自動記録状態になると同時に、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から出力されるテレビ音声データ(又はラジオ音声データ)については本体出力(音声信号処理部105から出力)し、映像データについては外部出力(モニタ接続部110)・本体出力(表示部106)共に停止させる。そして、こうしたイヤホン動作不能処理が完了すると、CPU100は上記ステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0038】
d.モニタ動作不能→動作可能検出された場合
モニタ接続部110が、外部モニタ30に接続されたことを表す接続状態データと、その接続された外部モニタ30が電源オン中であることを表す電源状態データとを発生すると、CPU100はモニタ動作不能→動作可能検出イベントを検出する。すると、ステップSA5の判断結果が「YES」になり、ステップSA14に進み、モニタ動作可能処理を実行する。
【0039】
モニタ動作可能処理では、後述するように、モニタ動作が可能になった時に自動記録状態でなく、かつ放送受信中であると、外部モニタ30側にのみ映像データを出力すると共に、イヤホン20が接続中ならば、イヤホン20側にのみ音声データを送出し、一方、イヤホン20が非接続状態ならば、本体(音声信号処理部105)から出力させる。
【0040】
一方、モニタ動作が可能になった時に自動記録状態であると、モニタ非動作となった時点で自動記録し始めた放送内容の追いかけ再生を行い、再生される映像データについては外部モニタ30側にのみ出力し、再生される音声データについてはイヤホン20が動作可能ならば、イヤホン20側にのみ出力し、イヤホン20が動作不能であると、本体(音声信号処理部105)から出力させる。こうしたモニタ動作可能処理が完了すると、CPU100は上記ステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0041】
e.モニタ動作可能→動作不能検出された場合
モニタ接続部110が、外部モニタ30と非接続であることを表す接続状態データを発生した場合、あるいは外部モニタ接続中に非電源オンを表す電源状態データを発生した場合に、CPU100はモニタ動作不能→動作可能検出イベントを検出する。すると、図4に図示するステップSA6の判断結果が「YES」になり、ステップSA15に進み、モニタ動作不能処理を実行する。
【0042】
モニタ動作不能処理では、後述するように、モニタ動作が不能になった時に放送受信中であって、なおかつモニタ動作期間長が所定時間に達していると、その受信中の放送内容を記録再生部111に自動的に記録させる自動記録状態に設定すると共に、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から出力されるテレビ音声データ(又はラジオ音声データ)の外部出力および本体出力を停止させ、映像データについては本体(表示部106)から表示出力させる。こうしたモニタ動作不能処理が完了すると、CPU100は図3に示すステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0043】
f.外れタイマ所定時間経過した場合
イヤホン外れタイマ(後述する)により計時されるイヤホン動作不能期間あるいはモニタ外れタイマ(後述する)により計時されるモニタ動作不能期間のいずれか一方が所定時間を経過すると、CPU100はタイムアウトイベントを検出する。すると、図4に図示するステップSA7の判断結果が「YES」になり、ステップSA16に進み、タイムアウト処理を実行する。
【0044】
タイムアウト処理では、後述するように、イヤホン外れタイマによるタイムアウト(又はモニタ外れタイマによるタイムアウト)が生じた時に、自動記録状態であると、記録再生部111の記録を停止させて自動記録した放送内容の削除した後、イヤホン記録フラグ(又はモニタ記録フラグ)をゼロリセットして自動記録状態を解除すると共に、イヤホン外れタイマ(又はモニタ外れタイマ)を終了させる。そして、タイムアウト処理が完了すると、CPU100は図3に示すステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0045】
g.着信検知した場合
着信を検知すると、ステップSA8の判断結果が「YES」になり、ステップSA17に進み、着信処理を実行する。着信処理では、着信報知を行い、この着信報知中にオフフック操作されると、発呼側と回線接続して通話を開始させ、オンフック操作に応じて回線を断つ通話処理を実行する。そして、着信処理が完了すると、CPU100は図3に示すステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0046】
h.電源オフ操作が行われた場合
電源オフ操作が行われると、ステップSA9の判断結果が「YES」になり、ステップSA18に進み、電源オフ処理を実行した後、本処理を完了させる。
【0047】
i.その他の操作が行われた場合
上述した以外の、その他の操作がなされた場合には、ステップSA10の判断結果が「YES」となり、ステップSA19に進み、その他の処理を実行する。その他の処理とは、例えばメール作成やメール送信などの処理を指す。そして、その他の処理の実行後は、上記ステップSA2に処理を戻して待受状態に復帰する。
【0048】
(2)出力処理の動作
次に、図5〜図10を参照して出力処理の動作を説明する。なお、図5〜図6は出力処理の動作を示すフローチャート、図7〜図10は出力処理からコールされるイヤホン出力制御A処理、イヤホン出力制御B処理、モニタ出力制御A処理およびモニタ出力制御B処理の各動作を示すフローチャートである。
【0049】
上述したメインルーチンのステップSA11(図3参照)を介して本処理が実行されると、CPU100は図5に図示するステップSB1に処理を進める。ステップSB1では、テレビ/ラジオ出力スイッチの操作に応じて、テレビ放送受信(又はラジオ放送受信)の開始をテレビ放送・ラジオ放送受信部104に指示する。
【0050】
続いて、ステップSB2〜SB10では、イヤホン接続/非接続およびユーザのイヤホン装着/非装着に応じた処理を実行し、ステップSB11〜SB19では、モニタ接続/非接続およびモニタの電源オン/非電源オンに応じた処理を実行する。以下では、「イヤホン接続の場合」、「イヤホン非接続の場合」、「モニタ接続の場合」および「モニタ非接続の場合」に分けて動作の説明を進める。
【0051】
<イヤホン接続の場合>
ステップSB2では、イヤホン接続部109が発生する接続状態データに基づきイヤホン接続中であるか否かを判断する。そして、イヤホン接続中であると、このステップSB2の判断結果が「YES」になり、ステップSB3に進む。ステップSB3では、イヤホン接続部109が発生する装着状態データに基づきユーザのイヤホン装着/非装着を判断する。以下、イヤホン装着の場合とイヤホン非装着の場合とに分けて動作を説明する。
【0052】
a.イヤホン装着の場合
ユーザがイヤホン20を装着していると、上記ステップSB3の判断結果は「YES」になり、ステップSB4を介してイヤホン出力制御A処理を実行する。イヤホン出力制御A処理が実行されると、CPU100は図7に図示するステップSC1に処理を進め、音声データを外部出力する。すなわち、テレビ放送受信時ならば、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が受信出力するテレビ音声データをイヤホン接続部109に供給する。ラジオ放送受信時ならば、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が受信出力するラジオ音声データをイヤホン接続部109に供給する。これにより、イヤホン接続部109は、CPU100から供給されるテレビ音声データ(又はラジオ音声データ)をイヤホン20に無線送出する。次いで、ステップSC2では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が受信出力するテレビ音声データ(又はラジオ音声データ)を音声信号処理部105に出力させず、音声データの本体出力を停止させて本処理を終える。
【0053】
こうして、イヤホン20側にのみテレビ音声データ(又はラジオ音声データ)を送出させるイヤホン出力制御A処理が完了すると、CPU100は図5に図示するステップSB5に処理を進め、イヤホン接続タイマを起動した後、後述するステップSB11(図6参照)に処理を進める。なお、イヤホン接続タイマが起動されると、CPU100は所定周期毎に実行される割り込み処理(不図示)にてイヤホン接続期間(イヤホン接続状態が継続する期間)を計時し始める。
【0054】
b.イヤホン非装着の場合
ユーザがイヤホン20を装着していなければ、上記ステップSB3の判断結果は「NO」になり、ステップSB6を介してイヤホン出力制御B処理を実行する。イヤホン出力制御B処理が実行されると、CPU100は図8に図示するステップSD1に処理を進め、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が受信出力するテレビ音声データ(又はラジオ音声データ)をイヤホン接続部109に供給せず、音声データの外部出力を停止する。
【0055】
次いで、ステップSD2では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が受信出力するテレビ音声データ(又はラジオ音声データ)を音声信号処理部105に供給して本体出力させる。これにより、音声信号処理部105は、CPU100から供給されるテレビ音声データ(又はラジオ音声データ)をD/A変換した後に増幅してスピーカSPから放音する。
【0056】
こうしたイヤホン出力制御B処理が完了すると、CPU100は図5に図示するステップSB7に処理を進める。ステップSB7では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から出力される受信信号(テレビ受信時は映像データ/テレビ音声データ、ラジオ受信時はラジオ音声データ)を記録するよう記録再生部111に指示する。
【0057】
次いで、ステップSB8では、上記ステップSB7の記録指示に従って記録再生部111が圧縮符号化した受信信号を、RAM102の記録データ記憶部102aに記録させる。そして、ステップSB9では、イヤホン記録フラグを「1」にセットした後、図6に図示するステップSB11に処理を進める。なお、イヤホン記録フラグに「1」をセットすることによって、イヤホン外れ(イヤホン非装着)が生じて受信中の放送内容を自動的に記録する自動記録状態にあることを表す。
【0058】
<イヤホン非接続の場合>
一方、イヤホン非接続の場合には、上述したステップSB2の判断結果が「NO」になり、ステップSB10を介して図8に図示するイヤホン出力制御B処理を実行する。イヤホン出力制御B処理では、上述したように、音声データの外部出力を停止させ、本体(音声信号処理部105)から出力させる。この後、図6に図示するステップSB11に処理を進める。
【0059】
<モニタ接続の場合>
図6に図示するステップSB11では、モニタ接続部110が発生する接続状態データに基づきモニタ接続中であるか否かを判断する。そして、モニタ接続中ならば、このステップSB11の判断結果が「YES」になり、ステップSB12に進む。ステップSB12では、モニタ接続部110が発生する電源状態データに基づき、外部モニタ30の動作スイッチがオンされているか否か、つまり外部モニタ30の電源オン/非電源オンを判断する。以下、モニタ動作中の場合と、モニタ非動作の場合とに分けて動作を説明する。
【0060】
a.モニタ電源オン中の場合
モニタ電源オン中ならば、上記ステップSB12の判断結果は「YES」になり、ステップSB13を介してモニタ出力制御A処理を実行する。モニタ出力制御A処理が実行されると、CPU100は図9に図示するステップSE1に処理を進め、映像データを外部出力する。すなわち、テレビ放送受信時ならば、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が受信出力する映像データをモニタ接続部110に供給する。これにより、モニタ接続部110は、CPU100から供給される映像データを外部モニタ30に出力する。次いで、ステップSE2では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が受信出力する映像データを表示部106に供給させず、映像データの本体出力を停止する。
【0061】
こうしたモニタ出力制御A処理が完了すると、CPU100は図6に図示するステップSB14に処理を進め、モニタ接続タイマを起動した後、本処理を終える。なお、モニタ接続タイマが起動されると、CPU100は所定周期毎に実行される割り込み処理(不図示)にてモニタ接続期間(モニタ接続状態が継続される期間)を計時し始める。
【0062】
b.モニタ非電源オン中の場合
モニタ非電源オン中ならば、上記ステップSB12の判断結果は「NO」になり、ステップSB15を介してモニタ出力制御B処理を実行する。モニタ出力制御B処理が実行されると、CPU100は図10に示すステップSF1に処理を進め、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から出力される映像データをモニタ接続部110に供給せずに映像データの外部出力を停止する。次いで、ステップSF2では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から出力される映像データを表示部106に供給して本体出力させる。これにより、表示部106は、CPU100から供給される映像データを画面表示する。
【0063】
こうしたモニタ出力制御B処理が完了すると、CPU100は図6に図示するステップSB16に処理を進める。ステップSB16では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が受信出力する映像データ/テレビ音声データを記録するよう記録再生部111に指示する。次いで、ステップSB17では、上記ステップSB16の記録指示に従って記録再生部111が圧縮符号化した映像データ/テレビ音声データを、RAM102の記録データ記憶部102aに記録させる。そして、ステップSB18では、モニタ記録フラグを「1」にセットして本処理を終える。なお、モニタ記録フラグに「1」をセットすることによって、モニタ非電源オン時に受信中の放送内容を自動的に記録する自動記録状態にあることを表す。
【0064】
なお、イヤホン非装着により既に自動記録状態下である場合には、モニタ非電源オン中による自動記録処理(上述のステップSB16〜SB17)は無効となり、省略されるようになっている。
【0065】
<モニタ非接続の場合>
一方、モニタ非接続の場合には、上述したステップSB11の判断結果が「NO」になり、ステップSB19を介して図10に図示するモニタ出力制御B処理を実行する。モニタ出力制御B処理では、上述したように、映像データの外部出力を停止させ、本体(表示部106)から表示出力させた後、出力処理を終える。
【0066】
このように、出力処理では、イヤホン接続部109が発生する接続状態データおよび装着状態データに基づき、イヤホン接続/非接続およびユーザのイヤホン装着/非装着を判別し、イヤホン接続部109に接続中のイヤホン20がユーザから外れて非装着になると、放送受信中の音声データの外部出力を停止させ、本体(音声信号処理部105)から出力させると共に、その音声データを自動的に記録する。
【0067】
また、出力処理では、モニタ接続部110が発生する接続状態データおよび電源状態データに基づき、モニタ接続/非接続およびモニタ電源オン/非電源オンを判別し、モニタ接続部110に接続中の外部モニタ30がパワーオンされておらず非電源オンであると、放送受信中の映像データの外部出力を停止させ、本体(表示部106)で表示出力させると共に、放送受信中の映像データ/テレビ音声データを自動的に記録する。
【0068】
(3)イヤホン動作可能処理の動作
次に、図11〜図12を参照してイヤホン動作可能処理の動作を説明する。なお、図11はイヤホン動作可能処理の動作を示すフローチャート、図12はイヤホン動作可能処理からコールされるモニタ出力制御C処理の動作を示すフローチャートである。
【0069】
前述したメインルーチンのステップSA12(図3参照)を介してイヤホン動作可能処理が実行されると、CPU100は図11に図示するステップSG1に処理を進める。ステップSG1では、イヤホン記録フラグが「0」であるか否か、すなわちイヤホン外れ(イヤホン非装着)が生じて受信中の放送内容を自動的に記録する自動記録状態であるかどうかを判断する。以下、自動記録状態でない場合(イヤホン記録フラグが「0」の場合)と、自動記録状態の場合(イヤホン記録フラグが「1」の場合)とに分けて動作を説明する。
【0070】
a.自動記録状態でない場合
イヤホン20がイヤホン接続部109に接続され、かつユーザに装着されてイヤホン動作が可能になった時に、自動記録状態でなければ、上記ステップSG1の判断結果は「YES」になり、ステップSG2に進む。ステップSG2では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が放送受信中であるか否かを判断する。放送受信中でなければ、判断結果は「NO」になり、本処理を終えるが、放送受信中であると、上記ステップSG2の判断結果が「YES」になり、ステップSG3を介して前述したイヤホン出力制御A処理(図7参照)を実行し、イヤホン20側にのみ音声データ(テレビ音声データ又はラジオ音声データ)を送出する。
【0071】
次いで、ステップSG4では、モニタ出力制御C処理を実行する。モニタ出力制御C処理が実行されると、CPU100は図12に図示するステップSH1に処理を進め、モニタ接続部110が発生する接続状態データと電源状態データに基づき、外部モニタ30が動作可能であるか否か、つまりモニタ接続部110に接続されているかどうか、パワーオンされた電源オン状態にあるかどうかを判断する。外部モニタ30が動作状態(モニタ接続部110に接続されていて、かつパワーオンされた電源オン状態)であれば、判断結果は「YES」になり、ステップSH2に進み、前述したモニタ出力制御A処理(図9参照)を実行し、外部モニタ30にのみ映像データを出力する。
【0072】
一方、外部モニタ30が非動作状態(モニタ接続部110に接続されていていない、あるいは、パワーオンされていない非電源オン状態)ならば、上記ステップSH1の判断結果が「NO」になり、ステップSH3に進み、前述したモニタ出力制御B処理(図10参照)を実行し、映像データの外部出力を停止させ、本体(表示部106)で表示出力させる。この後、図11に示すステップSG5に進み、イヤホン接続タイマを起動してイヤホン動作可能処理を終える。なお、イヤホン接続タイマの起動によりイヤホン接続期間を計時し始める。
【0073】
このように、イヤホン動作が可能になった時に自動記録状態でなく、かつ放送受信中であると、イヤホン20側にのみ音声データを送出すると共に、外部モニタ30が動作状態ならば、外部モニタ30側にのみ映像データを出力し、外部モニタ30が非動作状態ならば、映像データの外部出力を停止させ、本体(表示部106)で表示出力させる。
【0074】
b.自動記録状態の場合
イヤホン20がイヤホン接続部109に接続され、かつユーザに装着されてイヤホン動作が可能になった時に、自動記録状態であると、上記ステップSG1(図11参照)の判断結果は「NO」になり、ステップSG6に進む。ステップSG6では、RAM102の記録データ記憶部102aに自動記録されている記録データを再生するよう記録再生部111に指示する。
【0075】
次いで、ステップSG7では、上記ステップSG6において再生が指示された放送内容(記録データ)を高速再生(追いかけ再生)するよう記録再生部111に指示する。そして、ステップSG8を介して前述したイヤホン出力制御A処理(図7参照)を実行し、記録再生部111が高速再生(追いかけ再生)する音声データ(テレビ音声データ又はラジオ音声データ)をイヤホン20側にのみ送出させる。これにより、イヤホン非装着となった時点で自動記録し始めた放送内容が追いかけ再生される。
【0076】
続いて、ステップSG9では、外部モニタ30が動作状態ならば、記録再生部111が高速再生(追いかけ再生)する映像データを外部モニタ30だけに出力し、外部モニタ30が非動作状態ならば、映像データの外部出力を停止させ、本体(表示部106)で表示出力させるモニタ出力制御C処理(図12参照)を実行する。
【0077】
次いで、ステップSG10では、イヤホン記録フラグをゼロリセットして自動記録状態を解除する。そして、ステップSG11では、イヤホン外れタイマを終了させる。高速再生が終了後にステップSG2に処理を進める。なお、イヤホン外れタイマは、イヤホン動作が不能になった時に起動されるタイマであり、イヤホン動作不能期間を計時する。
【0078】
このように、イヤホン動作が可能になった時に自動記録状態であると、イヤホン非動作状態となった時点で自動記録し始めた放送内容の追いかけ再生を行い、再生される音声データについてはイヤホン20側にのみ送出し、再生される映像データについては外部モニタ30が動作状態ならば外部モニタ30側にのみ出力し、外部モニタ30が非動作状態ならば本体(表示部106)で表示出力させるようになっている。
【0079】
なお、上述したステップSG4およびステップSG9において、外部モニタ30が動作中の時には映像データを外部モニタ30だけに出力し、外部モニタ30が非動作の時には映像データの外部出力を停止して本体(表示部106)で表示出力させるモニタ出力制御C処理(図12参照)を実行するようにしたが、これに限らず、ステップSG4およびステップSG9を省略し、映像データの出力先を変更させない態様としても構わない。
【0080】
(4)イヤホン動作不能処理の動作
次に、図13を参照してイヤホン動作不能処理の動作を説明する。図13は、イヤホン動作不能処理の動作を示すフローチャートである。前述したメインルーチンのステップSA13(図3参照)を介してイヤホン動作不能処理が実行されると、CPU100は図13に図示するステップSJ1に処理を進め、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が放送受信中であるか否かを判断する。放送受信中でなければ、判断結果は「NO」になり、ステップSJ11に進み、イヤホン接続タイマを終了させて本処理を終える。なお、イヤホン接続タイマを終了させることによって、イヤホン接続期間の計時が完了する。
【0081】
一方、放送受信中ならば、上記ステップSJ1の判断結果は「YES」になり、ステップSJ2に進む。ステップSJ2では、イヤホン接続タイマにより計時されるイヤホン接続期間が所定時間に達したか否かを判断する。イヤホン接続期間が所定時間に達していれば、判断結果は「YES」になり、ステップSJ3に進み、イヤホン外れタイマを起動させる。続いて、ステップSJ4では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から出力される受信信号(テレビ受信時は映像データ/テレビ音声データ、ラジオ受信時はラジオ音声データ)を記録するよう記録再生部111に指示する。
【0082】
そして、ステップSJ5では、上記ステップSJ4の記録指示に従って記録再生部111が圧縮符号化した受信信号を、RAM102の記録データ記憶部102aに記録する。次いで、ステップSJ6では、イヤホン記録フラグを「1」にセットして自動記録状態になったことを表す。
【0083】
この後、ステップSJ7〜SJ8では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から受信出力されるテレビ音声データ(又はラジオ音声データ)をイヤホン接続部109に供給せずに音声データの外部出力を停止させる一方、テレビ音声データ(又はラジオ音声データ)を音声信号処理部105に供給して本体出力させる。続いて、ステップSJ9〜SJ10では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から受信出力される映像データを、モニタ接続部110にも表示部106にも供給せず、これにより映像データの外部出力・本体出力を停止させる。そして、ステップSJ11に進み、イヤホン接続タイマを終了させた後、本処理を終える。
【0084】
さて一方、例えばユーザの誤操作により短時間だけイヤホン20とイヤホン接続部109とを接続させてしまった場合など、イヤホン接続期間が所定時間に達しなければ、上述したステップSJ2の判断結果は「NO」になり、上記ステップSJ7以降の処理を実行し、音声データの外部出力を停止させて本体出力すると共に、映像データの外部出力・本体出力を停止させる。この後、イヤホン接続タイマを終了させて本処理を終える。
【0085】
以上のように、イヤホン動作不能処理では、イヤホン動作が不能になった時に放送受信中であって、なおかつイヤホン接続期間が所定時間に達していると、その受信中の放送内容を自動的に記録する自動記録状態に設定されると共に、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から出力されるテレビ音声データ(又はラジオ音声データ)については音声信号処理部105に供給して本体出力させ、映像データについては外部出力・本体出力を停止させるようになっている。
【0086】
なお、上述したイヤホン動作不能処理では、ステップSJ8において、音声データを音声信号処理部105に供給して本体出力させるようにしたが、これに限らず、ステップSJ8の処理を省略し、音声データの本体出力を行わない態様としても構わない。
【0087】
また、ステップSJ9〜SJ10において、映像データの外部出力・本体出力を停止させたが、これに限らず、ステップSJ9〜SJ10の処理を省略し、映像データの出力先を変更させない態様としても構わない。
【0088】
(5)モニタ動作可能処理の動作
次に、図14〜図15を参照してモニタ動作可能処理の動作を説明する。なお、図14はモニタ動作可能処理の動作を示すフローチャート、図15はモニタ動作可能処理からコールされるイヤホン出力制御C処理の動作を示すフローチャートである。
【0089】
前述したメインルーチンのステップSA14(図3参照)を介してモニタ動作可能処理が実行されると、CPU100は図14に図示するステップSK1に処理を進め、モニタ記録フラグが「0」であるか否か、すなわちモニタ非動作が生じて受信中の放送内容を自動的に記録する自動記録状態であるかどうかを判断する。以下、自動記録状態でない場合(モニタ記録フラグが「0」の場合)と、自動記録状態の場合(モニタ記録フラグが「1」の場合)とに分けて動作を説明する。
【0090】
a.自動記録状態でない場合
モニタ接続部110に接続された外部モニタ30が動作状態になった時に自動記録状態でなければ、上記ステップSK1の判断結果は「YES」になり、ステップSK2に進む。ステップSK2では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が放送受信中であるか否かを判断する。放送受信中でなければ、判断結果は「NO」になり、本処理を終えるが、放送受信中であると、上記ステップSK2の判断結果が「YES」になり、ステップSK3を介して前述したモニタ出力制御A処理(図9参照)を実行し、外部モニタ30側にのみ映像データを出力させる。
【0091】
次いで、ステップSK4では、イヤホン出力制御C処理を実行する。イヤホン出力制御C処理が実行されると、CPU100は図15に図示するステップSL1に処理を進め、イヤホン接続部109が発生する接続状態データと装着状態データに基づき、イヤホン20が動作可能であるか否かを判断する。イヤホン20が動作可能(イヤホン接続部109に接続中、かつユーザに装着状態)ならば、判断結果は「YES」になり、ステップSL2に進み、前述したイヤホン出力制御A処理(図7参照)を実行し、イヤホン20側にのみ音声データを送出させる。
【0092】
一方、イヤホン20が動作不能(イヤホン接続部109に非接続、あるいは、ユーザに非装着状態)であると、上記ステップSL1の判断結果は「NO」になり、ステップSL3に進み、前述したイヤホン出力制御B処理(図8参照)を実行し、音声データの外部出力を停止させ、本体(音声信号処理部105)から出力させる。この後、図14に示すステップSK5に進み、モニタ接続タイマを起動してモニタ動作可能処理を終える。なお、モニタ接続タイマが起動されると、CPU100はモニタ動作期間を計時し始める。
【0093】
このように、モニタ動作が可能になった時に自動記録状態でなく、かつ放送受信中であると、外部モニタ30側にのみ映像データを出力すると共に、イヤホン20が接続中ならば、イヤホン20側にのみ音声データを送出し、一方、イヤホン20が非接続状態ならば、本体(音声信号処理部105)から出力させる。
【0094】
b.自動記録状態の場合
モニタ動作が可能になった時に自動記録状態であると、上記ステップSK1(図14参照)の判断結果は「NO」になり、ステップSK6に進む。ステップSK6では、RAM102の記録データ記憶部102aに自動記録されている記録データを再生するよう記録再生部111に指示する。
【0095】
次いで、ステップSK7では、上記ステップSK6において再生が指示された放送内容(記録データ)を高速再生(追いかけ再生)するよう記録再生部111に指示する。そして、ステップSK8を介して前述したモニタ出力制御A処理(図9参照)を実行し、記録再生部111が高速再生(追いかけ再生)する映像データを外部モニタ30側にのみ出力させる。これにより、モニタ非動作となった時点で自動記録し始めた放送内容の追いかけ再生が行われる。
【0096】
続いて、ステップSK9では、イヤホン20が動作可能ならば、記録再生部111が高速再生する音声データをイヤホン20側にのみ送出し、イヤホン20が動作不能であると、音声データの外部出力を停止させ、本体(音声信号処理部105)から出力させるイヤホン出力制御C処理(図15参照)を実行する。次いで、ステップSK10では、モニタ記録フラグをゼロリセットして自動記録状態を解除する。そして、ステップSK11では、モニタ外れタイマを終了させる。高速再生が終了後にステップSK2に処理を進める。なお、モニタ外れタイマの終了によりモニタ動作不能期間の計時が完了する。
【0097】
以上のように、モニタ動作が可能になった時に自動記録状態であると、モニタ非動作となった時点で自動記録し始めた放送内容の追いかけ再生を行い、再生される映像データについては外部モニタ30側にのみ出力し、再生される音声データについてはイヤホン20が動作可能ならば、イヤホン20側にのみ出力し、イヤホン20が動作不能であると、本体(音声信号処理部105)から出力させる。
【0098】
なお、上述したステップSK4およびステップSK9において、外部モニタ30が動作中の時には映像データを外部モニタ30だけに出力し、外部モニタ30が非動作の時には映像データの外部出力を停止して本体(表示部106)で表示出力させるモニタ出力制御C処理(図12参照)を実行するようにしたが、これに限らず、ステップSG4およびステップSG9を省略し、映像データの出力先を変更させない態様としても構わない。
【0099】
(6)モニタ動作不能処理の動作
次に、図16を参照してモニタ動作不能処理の動作を説明する。図16は、モニタ動作不能処理の動作を示すフローチャートである。前述したメインルーチンのステップSA15(図4参照)を介してモニタ動作不能処理が実行されると、CPU100は図15に図示するステップSM1に処理を進め、テレビ放送・ラジオ放送受信部104が放送受信中であるか否かを判断する。放送受信中でなければ、判断結果は「NO」になり、ステップSM11に進み、モニタ接続タイマを終了させて本処理を終える。なお、モニタ接続タイマの終了によりモニタ動作期間の計時が完了する。
【0100】
一方、放送受信中ならば、上記ステップSM1の判断結果は「YES」になり、ステップSM2に進む。ステップSM2では、モニタ接続タイマにより計時されるモニタ動作期間が所定時間に達したか否かを判断する。モニタ動作期間が所定時間に達していれば、判断結果は「YES」になり、ステップSM3に進み、モニタ外れタイマを起動させる。続いて、ステップSM4では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から出力される受信信号(テレビ受信時は映像データ/テレビ音声データ、ラジオ受信時はラジオ音声データ)を記録するよう記録再生部111に指示する。
【0101】
そして、ステップSM5では、上記ステップSM4の記録指示に従って記録再生部111が圧縮符号化した受信信号を、RAM102の記録データ記憶部102aに記録する。次いで、ステップSM6では、モニタ記録フラグを「1」にセットして自動記録状態になったことを表す。
【0102】
この後、ステップSM7〜SM8では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から受信出力されるテレビ音声データ(又はラジオ音声データ)の外部出力および本体出力を停止させる。続いて、ステップSM9〜SM10では、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から受信出力される映像データをモニタ接続部110に出力させず、映像データの外部出力を停止させる一方、映像データを表示部106に供給して本体で表示出力させる。そして、ステップSM11に進み、モニタ接続タイマを終了させて本処理を終える。
【0103】
さて一方、例えばユーザの誤操作により短時間だけ外部モニタ30をパワーオンして動作状態にしたとする。そうした場合には、モニタ動作期間が所定時間に達しないので、上述したステップSM2の判断結果が「NO」になり、上記ステップSM7以降の処理を実行し、音声データの外部出力および本体出力を停止すると共に、映像データを本体で表示出力させた後、モニタ接続タイマを終了させて本処理を終える。
【0104】
以上のように、モニタ動作不能処理では、モニタ動作が不能になった時に放送受信中であって、なおかつモニタ動作期間が所定時間に達していると、その受信中の放送内容を自動的に記録する自動記録状態に設定すると共に、テレビ放送・ラジオ放送受信部104から受信出力されるテレビ音声データ(又はラジオ音声データ)の外部出力および本体出力を停止させ、映像データについては本体(表示部106)から表示出力させる。
【0105】
なお、上述したモニタ動作不能処理では、ステップSM8において、音声データを音声信号処理部105に供給して本体出力させるようにしたが、これに限らず、ステップSM8の処理を省略し、音声データの本体出力を行わない態様としても構わない。
【0106】
また、ステップSM9〜SM10において、映像データの外部出力・本体出力を停止させたが、これに限らず、ステップSM9〜SM10の処理を省略し、映像データの出力先を変更させない態様としても構わない。
【0107】
(7)タイムアウト処理の動作
次に、図17を参照してタイムアウト処理の動作を説明する。図17は、CPU100が実行するタイムアウト処理の動作を示すフローチャートである。前述したメインルーチンのステップSA16(図4参照)を介してタイムアウト処理が実行されると、CPU100は図17に図示するステップSN1に処理を進め、イヤホン外れタイマによるタイムアウトであるか否かを判断する。以下、イヤホン外れタイマによるタイムアウトの場合と、モニタ外れタイマによるタイムアウトの場合とに分けて動作を説明する。
【0108】
a.イヤホン外れタイマによるタイムアウトの場合
イヤホン外れタイマによって計時されるイヤホン動作不能期間が所定時間を超えてタイムアウトになると、上記ステップSN1の判断結果が「YES」になり、ステップSN2に進む。ステップSN2では、イヤホン記録フラグが「1」、すなわち自動記録状態であるかどうかを判断する。自動記録状態でなければ、判断結果は「NO」となり、ステップSN8に進み、イヤホン外れタイマを終了させて本処理を終える。
【0109】
これに対し、自動記録状態であれば、上記ステップSN2の判断結果は「YES」になり、ステップSN3に進む。そして、ステップSN3〜SN4では、記録再生部111に記録の停止を指示すると共に、RAM102の記録データ記憶部102aへの書き込みを禁止して放送内容の記録を停止させる。次いで、ステップSN5〜SN6では、記録再生部111に自動記録した放送内容の削除を指示すると共に、RAM102の記録データ記憶部102aから削除対象とされた放送内容を削除する。
【0110】
これにより、イヤホン動作不能期間に自動記録された放送内容が、タイムアウトにより無効と見なされて削除される。つまり、ユーザが意図的にイヤホン非接続あるいは非装着とした場合に自動記録される放送内容は、イヤホン外れタイマによるタイムアウトとなった時点で自動的に消去される。この後、ステップSN7に進み、イヤホン記録フラグをゼロリセットして自動記録状態を解除する。そして、ステップSN8に進み、イヤホン外れタイマのタイマカウントを終了させて本処理を終える。
【0111】
b.モニタ外れタイマによるタイムアウトの場合
モニタ外れタイマによって計時されるモニタ動作不能期間が所定時間を超えてタイムアウトになると、上記ステップSN1の判断結果が「NO」になり、ステップSN9に進む。ステップSN9では、モニタ記録フラグが「1」、すなわち自動記録状態であるかどうかを判断する。自動記録状態下でなければ、判断結果は「NO」となり、ステップSN15に進み、モニタ外れタイマを終了させて本処理を終える。
【0112】
これに対し、自動記録状態ならば、上記ステップSN9の判断結果は「YES」になり、ステップSN10に進む。そして、ステップSN10〜SN11では、記録再生部111に記録の停止を指示すると共に、RAM102の記録データ記憶部102aへの書き込みを禁止して放送内容の記録を停止させる。次いで、ステップSN12〜SN13では、記録再生部111に自動記録した放送内容の削除を指示すると共に、RAM102の記録データ記憶部102aから削除対象とされた放送内容を削除する。
【0113】
これにより、モニタ動作不能期間に自動記録された放送内容が、タイムアウトにより無効と見なされて削除される。つまり、ユーザが意図的にモニタ非接続あるいは非電源オンとした場合に自動記録される放送内容は、モニタ外れタイマによるタイムアウトとなった時点で自動的に消去される。この後、ステップSN14に進み、モニタ記録フラグをゼロリセットして自動記録状態を解除する。そして、ステップSN15に進み、イヤホン外れタイマを終了させて本処理を終える。
【0114】
このように、タイムアウト処理では、イヤホン外れタイマによるタイムアウト(又はモニタ外れタイマによるタイムアウト)が生じた時に、自動記録状態であると、記録再生部111の記録を停止させて自動記録した放送内容の削除した後、イヤホン記録フラグ(又はモニタ記録フラグ)をゼロリセットして自動記録状態を解除すると共に、イヤホン外れタイマ(又はモニタ外れタイマ)を終了させる。
【0115】
以上説明したように、第1実施形態では、イヤホン20の接続/非接続状態と、イヤホン20が出力する信号から判別したユーザ装着/非装着状態とに基づき、放送受信中にイヤホン20が非接続状態もしくはユーザ非装着状態になったことを検出すると、受信中の放送(音声データ)を自動的に記録し始める自動記録状態となり、その後にイヤホン20が接続され、かつユーザ装着状態に復帰すると、自動記録中の放送をタイムシフト再生(追いかけ再生)を行うので、聴取中の放送内容の聞き逃しを防止することが可能になる。
【0116】
また、第1実施形態では、外部モニタ30の接続/非接続状態と、外部モニタ30が出力する信号から判別したモニタ電源オン/非電源オン状態状態とに基づき、放送受信中に外部モニタ30が非接続状態もしくは非電源オン状態になったことを検出すると、受信中の放送(映像データ/音声データ)を記録する自動記録状態になり、その後に外部モニタ30が接続され、かつ電源オン状態に復帰すると、自動記録した放送(映像データ/音声データ)のタイムシフト再生(追いかけ再生)を行うので、視聴中の放送内容の見逃しを防止することが可能になる。
【0117】
さらに、上述した第1実施形態で得られる、より具体的な効果は、下記(a)〜(i)項に記載の通りである。
(a)例えば、誤操作によって携帯電話10にイヤホン20を接続してしまい、ユーザが気付いてその後すぐに接続を外したような場合、すなわち記録が不要と考えられる場合には、不要な記録を行わず、この結果、記録処理の負担を軽減し、しかも記録容量を節約することができる。
(b)例えば、イヤホン20と携帯電話10の表示部106とでテレビ放送を視聴中にイヤホン20の接続が外れたような場合、不要な出力(表示部106での映像出力)を行わないようにするので、出力処理の負担を軽減することができる。
(c)例えば、イヤホン20と外部モニタ30とを携帯電話10に接続してテレビ放送を視聴中にイヤホン20の接続が外れた場合、不要な送出(外部モニタ30への映像送出)を行わないようにするので、送出処理の負担を軽減することができる。
(d)特別な操作を行うことなく、記録された放送内容を確認することができる。
(e)見逃したあるいは聞き逃した部分の放送内容を素早く確認することができ、その後、通常の視聴あるいは聴取に戻ることができる。
(f)例えば、ユーザが視聴するのを止めるためにイヤホン20の接続を外したような場合には、すぐにイヤホンの再接続は行われない。このような記録が不要と考えられる場合に、不要な記録を停止する為、記録処理の負担を軽減し、記録容量を節約することができる。
(g)外部出力装置(イヤホン20又は外部モニタ30)と電子機器(携帯電話10)との接続が外れたことによって、ユーザが見逃したあるいは聞き逃した放送内容を、後で確認することができる。
(h)イヤホンの装着が外れたことによってユーザが聞き逃した放送内容を後で確認することができる。
(i)モニタの電源がオフになったことによってユーザが見逃した放送内容を後で確認することができる。
【0118】
[第2実施形態]
A.構成
(1)システム構成
図18は、本発明の第2実施形態である携帯ラジオ11の主要機能を説明する為のシステム構成図である。携帯ラジオ11は、ラジオ局41から送信基地局TSを介して無線送信されるラジオ放送を受信する放送受信機能を備える。携帯ラジオ11は、イヤホン20と有線接続するインタフェースを備え、上記放送受信機能によって受信したラジオ放送の音声出力をイヤホン20に出力する機能を有する。携帯ラジオ11は、放送受信中にイヤホン20が非接続の状態になると、自動的に受信中の放送内容を記録し始め、イヤホン20が接続された時点でその記録を停止し、ユーザの再生指示操作に応じて記録した放送内容を再生する機能を有する。
【0119】
(2)携帯ラジオ11の構成
次に、図19を参照して携帯ラジオ11の構成を説明する。図19において、CPU200は、後述する操作部205が発生するイベントや、後述のイヤホン接続部206が発生する状態データ(後述する)に応じて、携帯ラジオ11の各部動作を制御する。本発明の要旨に係わるCPU200の特徴的な処理動作については追って詳述する。
【0120】
ROM201は、プログラムエリアおよびデータエリアを備える。ROM201のプログラムエリアには、CPU200により実行される各種プログラムが記憶される。ここで言う各種プログラムとは、追って詳述するメインルーチン、出力処理、イヤホン動作可能処理、イヤホン動作不能処理および再生処理を含む。ROM201のデータエリアには、例えば選局用の受信チャンネルデータなどが格納される。
【0121】
RAM202は、各種レジスタ・フラグデータを一時記憶するワークエリア(不図示)と、記録データ記憶部202aとを備える。この記録データ記憶部202aには、後述する記録再生部207が出力する圧縮符号化された記録データを、CPU200の制御の下に記憶する。なお、ここで言う記録データとは、ラジオ放送受信部203が出力する音声データを指す。
【0122】
ラジオ放送受信部203は、CPU200から与えられる選局指示に従い、アンテナANT1を介してラジオ放送信号を受信復調して得られる音声データを出力する。表示部204は、カラー液晶パネルおよび表示ドライバから構成され、CPU200の制御の下に、例えば受信中の放送局名や記録した放送内容などを画面表示する。操作部205には、パワーオンオフする電源スイッチ、記録された放送内容の再生を指示する再生スイッチあるいは受信チャンネルを指定する選局ボタン等を有し、これらスイッチやボタンの操作に応じたイベントを発生してCPU200に出力する。
【0123】
イヤホン接続部206は、イヤホン20(図18参照)と接続されているか否かを検出する手段を備え、イヤホン20に接続されている場合には接続中を表す接続状態データを発生してCPU200に出力し、一方、接続されていなければ、非接続を表す接続状態データを発生してCPU200に出力する。イヤホン接続部206は、イヤホン20に接続していれば、CPU200から供給される音声データをイヤホン20に出力する。
【0124】
記録再生部207は、CPU200の制御の下に、ラジオ放送受信部203から出力される音声データを記録又は再生する。すなわち、CPU200から記録指示があると、記録再生部207は、ラジオ放送受信部203から出力される音声データを圧縮符号化してRAM102の記録データ記憶部102aに記録する。一方、CPU200から再生指示があると、再生指示された記録データをRAM102の記録データ記憶部102aから読み出して伸張復号化した再生データをCPU200に出力する。
【0125】
B.動作
次に、図20〜図24を参照して上記構成による携帯ラジオ11の動作について説明する。ユーザが操作部205の電源スイッチをオン操作して携帯ラジオ11をパワーオンすると、CPU200は図20に図示するメインルーチンを実行してステップSP1に処理を進め、出力処理を実行する。出力処理が実行されると、CPU200は、図21に図示するステップSQ1に進み、ユーザの選局操作で指定される受信チャンネルの放送を受信するようラジオ放送受信部203に指示する。これによりラジオ放送受信部203は指定チャンネルで受信した音声データ(放送内容)を出力する。
【0126】
続いて、ステップSQ2では、イヤホン接続部206が発生する接続状態データに基づき、イヤホン接続部206にイヤホン20が接続されているか否かを判断する。イヤホン接続部206にイヤホン20が接続されていると、判断結果は「YES」になり、ステップSQ3に進み、ラジオ放送受信部203が出力する音声データをイヤホン接続部206に供給する。これにより、イヤホン接続部206は音声データをイヤホン20に外部出力する。
【0127】
一方、イヤホン接続部206にイヤホン20が接続されていなければ、上記ステップSQ2の判断結果は「NO」になり、ステップSQ4に進む。ステップSQ4では、ラジオ放送受信部203から出力される音声データ(放送内容)を記録するよう記録再生部207に指示し、続くステップSQ5では、この記録指示に従って記録再生部207が圧縮符号化した音声データを、RAM202の記録データ記憶部202aに記録する。そして、ステップSQ6に進み、ラジオ放送受信部203が出力する音声データをイヤホン接続部206に供給せず、音声データの外部出力を停止して本処理を終える。
【0128】
さて、こうした出力処理が完了すると、CPU200は図20に示すメインルーチンのステップSP2以降を実行する。ステップSP2〜SP6では、「イヤホン非接続→接続検出」、「イヤホン接続→非接続検出」、「再生操作」、「電源オフ操作」および「その他操作」のイベントの有無を判断する。これらイベントが発生しなければ、上記ステップSP2〜SP6の各判断結果はいずれも「NO」になり、ステップSP2に処理を戻す。一方、上記イベントのいずれかが発生すると、その発生したイベントに対応した処理を実行する。以下、イベント毎の動作を説明する。
【0129】
a.イヤホン非接続→接続検出された場合
イヤホン接続部206が、イヤホン20に接続したことを表す接続状態データを発生すると、CPU200はイヤホン非接続→接続検出イベントを検出する。すると、ステップSP2の判断結果が「YES」になり、ステップSP7に進み、イヤホン動作可能処理を実行する。
【0130】
イヤホン動作可能処理が実行されると、CPU200は図22に図示するステップSR1に進み、記録再生部207に記録の停止を指示する。そして、ステップSR2では、RAM202の記録データ記憶部202aへの書き込みを禁止して音声データ(放送内容)の記録を停止させる。この後、ステップSR3に進み、ラジオ放送受信部203が出力する音声データをイヤホン接続部206に供給し、当該イヤホン接続部206に接続されたイヤホン20へ音声データを外部出力して本処理を終える。こうしたイヤホン動作可能処理が完了すると、CPU200はメインルーチンのステップSP2(図20参照)に処理を戻す。
【0131】
b.イヤホン接続→非接続検出された場合
イヤホン接続部206が、イヤホン20との非接続を表す接続状態データを発生すると、CPU200はイヤホン接続→非接続検出イベントを検出する。すると、図20に図示するステップSP3の判断結果が「YES」になり、ステップSP8に進み、イヤホン動作不能処理を実行する。
【0132】
イヤホン動作不能処理が実行されると、CPU200は図23に図示するステップSS1に進む。ステップSS1では、ラジオ放送受信部203から出力される音声データを記録するよう記録再生部207に指示する。次いで、ステップSS2では、上記ステップSS1の記録指示に従い、記録再生部207が圧縮符号化した音声データをRAM202の記録データ記憶部202aに記録する。そして、ステップSS3に進み、ラジオ放送受信部203が出力する音声データをイヤホン接続部206に供給せず、音声データの外部出力を停止して本処理を終える。こうしたイヤホン動作不能処理が完了すると、CPU200はメインルーチンのステップSP2(図20参照)に処理を戻す。
【0133】
c.再生操作された場合
操作部205に配設される再生スイッチが操作されると、CPU200は再生スイッチイベントを検出する。すると、図20に図示するステップSP4の判断結果が「YES」になり、ステップSP9に進み、再生処理を実行する。再生処理が実行されると、CPU200は図24に図示するステップST1に進み、RAM202の記録データ記憶部202aに記録されている放送内容の項目を表示部204にリスト表示する。なお、ここで言う放送内容の項目とは、例えば記録開始日時および受信チャンネルを含む記録ヘッダ情報を指す。
【0134】
次いで、ステップST2では、表示部204にリスト表示された放送内容の項目の内から再生する放送内容の項目をユーザ操作に応じて選択する。そして、ステップST3では、上記ステップST2において選択された項目の放送内容を再生するよう記録再生部207に指示する。これにより、記録再生部207は、再生指示された放送内容の記録データをRAM202の記録データ記憶部202aから読み出して伸張復号化してなる再生データ(音声データ)をCPU100に出力する。そして、ステップST4では、記録再生部207から出力される再生データ(音声データ)をイヤホン接続部206に供給し、当該イヤホン接続部206に接続されたイヤホン20へ音声データを外部出力して本処理を終える。こうした再生処理が完了すると、CPU200はメインルーチンのステップSP2(図20参照)に処理を戻す。
【0135】
d.電源オフ操作が行われた場合
電源オフ操作が行われると、図20に図示するステップSP5の判断結果が「YES」になり、ステップSP10に進み、電源オフ処理を実行した後、本処理を完了させる。
【0136】
e.その他の操作が行われた場合
上述した以外の、その他の操作がなされた場合には、図20に図示するステップSP6の判断結果が「YES」となり、ステップSP11に進み、その他の処理を実行する。その他の処理とは、例えば音量レベル調整や受信チャンネル切替などの処理を指す。そして、その他の処理の実行後は、上記ステップSP2に処理を戻す。
【0137】
このように、第2実施形態では、放送受信中にイヤホン20がイヤホン接続部206からイヤホン20が外れてイヤホン非接続の状態になると、受信中の放送内容を自動的に記録し始め、イヤホン接続部206にイヤホン20が接続された時点でその記録を停止し、ユーザの再生指示操作に応じて記録した放送内容を再生する。つまり、聴取中に聞き逃した放送内容を後で確認可能にする為、放送内容の聞き逃しを防止することができる。
【0138】
さらに、第2実施形態では、イヤホン20が非接続となってイヤホン動作不能になると、音声データの外部出力を停止するので、不要な送出を行わないことで送出処理の負担を軽減することもできる。また、イヤホン動作不能からイヤホン20が接続されてイヤホン動作可能に復帰すると、イヤホン動作不能時に開始した記録を停止するので、不要な記録を行わず記録処理の負担を軽減し、しかも記録容量を節約することもできる。
【0139】
なお、上述した第1実施形態および第2実施形態は、携帯電話と携帯ラジオを一例としたが、これに限らず、例えばワンセグ放送を受信可能な携帯テレビの他、放送波を直接受信する機能もしくは無線通信網およびインターネットを介して放送サーバにアクセスして放送データを取得する機能を具備する電子機器全般に本発明が適用可能であることは言うまでもない。
【0140】
また、上述した第1および第2実施形態では、自機に備えられた記録手段(記録データ記憶手段)に放送内容を記録する態様としたが、これに限らず、例えばビデオレコーダやボイスレコーダなどの外部記録装置に対して記録指示を送信して記録させる態様であっても構わない。
【符号の説明】
【0141】
10 携帯電話
20 イヤホン
30 外部モニタ
100 CPU
101 ROM
102 RAM
102a 記録データ記憶部
103 無線通信送受信部
104 テレビ放送・ラジオ放送受信部
105 音声信号処理部
106 表示部
107 操作部
108 RTC
109 イヤホン接続部
110 モニタ接続部
111 記録再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声データおよび映像データを含む放送内容を取得する取得手段と、
放送内容を外部出力する外部出力装置に対して、前記取得手段により取得された放送内容を送出する送出手段と、
前記外部出力装置の出力動作の可否状態を検出する検出手段と、
前記取得手段が放送内容を取得中に、前記検出手段により検出される外部出力装置の出力動作の可否状態が動作可能から動作不能に変化した場合に、前記送出手段に外部出力装置への放送内容の送出を停止させる送出停止手段と、
前記送出停止手段が前記送出手段に外部出力装置への放送内容の送出を停止させた場合に、前記取得手段により取得された放送内容の内、音声データのみを機器本体から出力させる出力手段と
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記検出手段は、外部出力装置の出力動作の可否状態として、当該外部出力装置がユーザに装着されているか否かを検出することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記検出手段は、外部出力装置の出力動作の可否状態として、当該外部出力装置が動作しているか否かを検出することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
コンピュータに、
音声データおよび映像データを含む放送内容を取得する取得ステップと、放送内容を外部出力する外部出力装置に対して、前記取得ステップで取得された放送内容を送出する送出ステップと、
前記外部出力装置の出力動作の可否状態を検出する検出ステップと、
前記取得ステップにて放送内容を取得中に、前記検出ステップで検出される外部出力装置の出力動作の可否状態が動作可能から動作不能に変化した場合に、前記送出ステップによる外部出力装置への放送内容の送出を停止させる送出停止ステップと、
前記送出停止ステップが前記送出ステップによる外部出力装置への放送内容の送出を停止させた場合に、前記取得ステップで取得された放送内容の内、音声データのみを機器本体から出力させる出力ステップと
を実行させることを特徴とする電子機器の処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−34218(P2013−34218A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−205182(P2012−205182)
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【分割の表示】特願2007−161111(P2007−161111)の分割
【原出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】