説明

電子機器のスタンド保持構造

【課題】 電子機器のスタンド保持構造において、電子機器の底部の構造を簡素化するとともに電子機器の小型化を図る。
【解決手段】 スタンド部材10の枢軸12を回動自在かつ軸線方向に移動自在に支持する軸支承部には、枢軸12の係合突起15が係合する第1および第2の係合溝26a,26bが設けられている。スタンド部材10を枢軸12を中心に回動させ軸線方向に移動させ、係合突起15を第1の係合溝26aに係合させることにより、スタンド部材10が第1の角度αだけ回動した状態が保持される。スタンド部材10を枢軸12を中心に回動させ軸線方向に移動させ、係合突起15を第2の係合溝26bに係合させることにより、スタンド部材10が第2の角度βだけ回動した状態が保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の操作パネルの操作性を良好にしたり表示部の視認性を向上させる等の目的で、スタンド部材によって電子機器を起こした状態とすることができる電子機器のスタンド保持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電子機器のスタンド保持構造としては、底部に軸支持部が設けられた電子機器と、前記軸支持部に回動自在かつ軸線方向に移動自在に支持される枢軸が基端部に設けられたスタンド部材とを備え、スタンド部材を枢軸を回動中心として所定の角度だけ回動させた状態で枢軸の軸線方向へ移動させることによりスタンド部材を前記所定の角度に保持する回動規制手段を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−19923号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の電子機器のスタンド保持構造においては、回動規制手段を、電子機器の底部に突設した凸条体と回動規制部との二部材によって構成し、これら凸条体と回動規制部とによってスタンド部材を挟持する構造としている。このため、電子機器の底部にスタンド部材を挟持するためのみの専用の凸条体と回動規制部とを設けることにより、底部の構造が複雑になるばかりではなく、底部の外形寸法が大きくなるため電子機器の小型化に支障をきたすという問題があった。
【0004】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、電子機器の底部の構造を簡素化するとともに電子機器の小型化を図った電子機器のスタンド保持構造を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明は、底部に軸支持部が設けられた電子機器と、前記軸支持部に回動自在かつ軸線方向へ移動自在に支持される枢軸が基端部に設けられたスタンド部材とを備え、前記スタンド部材を枢軸を回動中心として所定の角度だけ回動させた状態で枢軸の軸線方向へ移動させることによりスタンド部材を前記所定の角度に保持する回動規制手段を設け、この回動規制手段を、前記軸支持部に設けられ前記枢軸の軸線方向に延在する係合溝と、前記枢軸に設けられ前記係合溝に係合する係合突起とによって構成したものである。
【0006】
本発明は、前記発明において、前記係合溝を前記枢軸の回動方向に複数設けたものである。
【0007】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、前記スタンド部材を、前記係合溝に前記係合突起を係合させる方向へ移動させることにより、前記スタンド部材が前記軸支持部に係合し移動が規制されるものである。
【0008】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、前記スタンド部材を前記所定の角度に保持する節度手段を備えたものである。
【0009】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、前記節度手段を、基端部が電子機器の底部に一体に連設され自由端部に凸部が設けられた弾性変形可能な舌片と、前記枢軸の外周部に回動方向に間隔をおいて設けられ前記舌片の凸部が係合する凹部とによって構成したものである。
【0010】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、複数の前記係合溝を、前記スタンド部材を所定の第1の角度に回動させた状態を保持する第1の係合溝と、この第1の角度よりも相対的に大きい第2の角度に回動させた状態を保持する第2の係合溝とによって構成し、前記節度手段に、前記第1および第2の角度に対応した第1の節度部と第2の節度部とを設けたものである。
【0011】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、前記スタンド部材を前記第1の係合溝によって前記第1の角度に保持させることにより、前記スタンド部材を支承するスタンド支承部を電子機器の底部に設けたものである。
【0012】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、前記スタンド部材を電子機器の底部に対接させることにより、前記スタンド部材が前記スタンド支承部に係合し前記枢軸の軸線方向への移動が規制されるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、回動規制手段を既存の軸支持部および枢軸を利用して形成したことにより、専用の回動規制手段を電子機器の底部に設ける必要がないため、底部の外形寸法を小さくすることができるから電子機器の小型化を図ることができるとともに、底部の構造を簡素化することができる。
【0014】
前記発明のうちの一つの発明によれば、一つの軸支持部に複数の回動規制部を設けることができるため、より一層電子機器の小型化を図ることができるとともに構造を簡素化することもできる。
【0015】
前記発明のうちの一つの発明によれば、軸支持部がスタンド部材を回動自在に支持する機能の他に、スタンド部材の軸線方向への移動を規制する機能も併せもつため、電子機器の底部の構造を簡素化することができるとともに底部を小形化することができる。
【0016】
前記発明のうちの一つの発明によれば、節度手段によってスタンド部材を所定の回動角度に位置付けることが容易になるため、スタンド部材を軸線方向に移動させて係合溝に係合突起を係合させる作業が円滑かつ確実に行えるから使い勝手が向上する。
【0017】
前記発明のうちの一つの発明によれば、電子機器を第1の角度で起こしたときに電子機器に加わる外力がスタンド部材に必要以上の負荷として加わった場合にも、回動規制部材だけでなくスタンド支承部材によってスタンド部材を支承することができるため、スタンド部材や回動規制部材の破損を防止することができる。
【0018】
前記発明のうちの一つの発明によれば、スタンド支承部がスタンド部材を支承する機能の他に、スタンド部材の軸線方向への移動を規制する機能も併せもつため、電子機器の底部の構造を簡素化することができるとともに底部を小形化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図10に基づいて説明する。図4(A)に全体を符号1で示す電子機器としての電話機は、ロアーケース2とアッパーケース3とによって筺体4が形成され、アッパーケース3には図示を省略した送受話器が載置される凹部5a,5b(図5(A)参照)と操作釦6とが設けられているとともに表示器7が角度調整自在に設けられており、電話機1の表示器7側(凹部5b側)を机8等の卓上から起こした状態とするスタンド部材10を備えている。
【0020】
スタンド部材10は、図2に示すように互いに平行となるように離間し扁平な略直方体状に形成された一対の脚部11A,11Bと、これら脚部11A,11Bの各基端部11a,11b間を連結する細長い円柱状に形成された枢軸12と、脚部11A,11Bの各揺動端部間を連結する連結部13とによって、全体が枠状を呈するように一体に形成されている。一方の脚部11Aの基端部11aは、スタンド部材10を、後述するように図5または図6に示すようにロアーケース2の底部20から第1の角度αまたは第2の角度βだけ回動させた状態で、図3中矢印A方向に移動させたとき、後述する一方の係合部26Aに係合し、スタンド部材10の矢印A方向への移動を規制する。また、他方の脚部11Bの基端部11bは、スタンド部材10を、図5または図6に示すようにロアーケース2の底部20から第1の角度αまたは第2の角度βだけ回動させた状態で、図3中矢印B方向に移動させたとき、後述する他方の軸支承部22Bに係合し、スタンド部材10の矢印B方向への移動を規制する。
【0021】
14は枢軸12と平行となるように脚部11A,11B間に一体に設けられたステーである。枢軸12の両端部には、ロアーケース2に設けられた後述する軸支持部25を構成する軸支承部22A,22Bに一体に設けられた係合部26A,26Bに形成された係合溝26a,26bに係合する係合突起15,15が一体に設けられている。枢軸12の外周部の一部には、図8に示すように枢軸12の回動方向に互いに位相を違えた3つの係合溝12a,12b,12cが設けられており、これら係合溝12a,12b,12cには、後述する舌片27の凸部27aが選択的に係合する。これら係合溝12a,12b,12cは、後述するように枢軸12が矢印A−B方向へ移動する範囲に対応して矢印A−B方向に延在している。
【0022】
図2において、16はステー14の中央部に設けられ自由端部に爪16aを有する弾性係合片であって、スタンド部材10をロアーケース2の底部20に対接させることにより、図4(B)に示すように後述する膨出部31の係合段部31aに係合する。17,17はステー14の両端部に設けられた凹部であって、スタンド部材10をロアーケース2の底部20に対接させた状態で、底部20に突設された後述するスタンド部材支承部28,28に係合し、スタンド部材10の矢印A−B方向への移動を規制する。
【0023】
ロアーケース2の底部20の中央部には、図1に示すように底面視において細長い長方形に形成された膨出部21が一体に突設されている。この膨出部21の端部の矢印A−B方向の両側には、図4(B)に示すように断面が湾曲に形成された軸受部22aを有する軸支承部22A,22Bが一体に突設されている。図1において、23は軸支承部22A,22B間で膨出部21の端部に設けられ図4(B)に示すように断面が湾曲に形成された軸受部である。図1において、24は軸支承部22,22間で、軸受部23に対向するようにロアーケース2の底部に一体に突設された軸支持片であって、図4(B)に示すように自由端部に断面が湾曲に形成された軸受部24aが設けられている。この軸支持片24の軸受部24aと軸受部23と軸支承部23の軸受部22aとによって、スタンド部材10の枢軸12を回転自在かつ枢軸12の軸線方向(矢印A−B方向)に移動自在に支持する軸支持部25が形成される。枢軸12は、軸支持片24の軸受部24aと軸支承部22A,22Bの軸受部22aとの間の開口から軸支持部25に着脱自在に取り付けられる。
【0024】
軸支承部22A,22Bには、図1に示すように係合部26A,26Bが矢印B方向に一体に突設されており、これら係合部26A,26Bには、図5(A)および図8に示すように矢印A−B方向に延在する第1の係合溝26aと第2の係合溝26bとが枢軸12の回動方向に位相を違えて二個設けられている。図1において、27は基端部がロアーケース2の底部20に連設された弾性変形可能な舌片であって、自由端部に枢軸12の係合溝12aないし12cに選択的に係合する凸部27aが設けられている。
【0025】
このような構成において、図4(A)に示すようにスタンド部材10をロアーケース2の底部20に対接させた状態とすると、同図(C)に示すように舌片27の凸部27aが係合溝12aに係合する。この状態から、スタンド部材10を、図5(A)に示すように枢軸12を回動中心として反時計方向に所定の第1の角度αだけ回動させると、同図(B)に示すように舌片27の凸部27aが係合溝12bに係合する。この係合により、スタンド部材10がロアーケース2の底部20から第1の角度αだけ回動した状態が保持され、同時に、同図(A)に示すように枢軸12の係合突起15が係合部26の第1の係合溝26aに係合可能に位置付けられる。
【0026】
したがって、凸部27aが係合溝12bに係合することにより、スタンド部材10がロアーケース2の底部20から第1の角度αだけ回動した状態が保持され、保持された状態でスタンド部材10を図3中矢印A方向に移動させることにより、図5(A)に示すように枢軸12の係合突起15が係合部26の第1の係合溝26aに係合する。このように、凸部27aと係合溝12bとの係合により、枢軸12の係合突起15を係合部26の第1の係合溝26aに円滑かつ確実に係合させることができる。
【0027】
同様に、スタンド部材10を、図6(A)に示すように枢軸12を回動中心として反時計方向に所定の第2の角度βだけ回動させると、同図(B)に示すように舌片27の凸部27aが係合溝12cに係合する。この係合により、スタンド部材10がロアーケース2の底部20から第2の角度βだけ回動した状態が保持され、同時に、同図(A)に示すように枢軸12の係合突起15が係合部26の第2の係合溝26bに係合可能に位置付けられる。
【0028】
したがって、凸部27aが係合溝12cに係合することにより、スタンド部材10がロアーケース2の底部20から第2の角度βだけ回動した状態が保持され、保持された状態でスタンド部材10を図3中矢印A方向に移動させることにより、図6(A)に示すように枢軸12の係合突起15が係合部26の第2の係合溝26bに係合する。このように、凸部27aと係合溝12cとの係合により、枢軸12の係合突起15を係合部26の第2の係合溝26bに円滑かつ確実に係合させることができる。すなわち、舌片27の凸部27aと枢軸12の係合溝12b,12cは、枢軸12の係合突起15を係合部26の第1または第2の係合溝26a,26bに係合可能な位置に位置付ける節度手段28を構成している。この節度手段28は、スタンド部材10をロアーケース2の底部20に対接させた状態で、図1に示すようにスタンド部材10の外周端(図1中スタンド部材10として二点鎖線で示す線)の内側に位置付けられている。このため、電話機1の周囲から節度手段28を目視することができないから、節度手段28によって電話機1の外観の見映えを悪くするようなことがない。
【0029】
図1において、29,29はロアーケース2の底部20に突設されたスタンド部材支承部であって、上記したように、枢軸12の係合突起15を第1の係合溝26aに係合させスタンド部材10をロアーケース2の底部20から第1の角度αだけ回動させた状態にしたときに、図5(A)に示すようにスタンド部材10に係合し、スタンド部材10を支承する。このように、第2の角度βよりも相対的に小さい第1の角度αにおいて、電話機1をスタンド部材10によって支承するとき、電話機1の操作面に外力Fが加わったとき、スタンド部材10に大きな力がかかる。したがって、スタンド部材支承部29,29を設けたことにより、相対的に大きな外力Fが加わったとしても、スタンド部材10やスタンド部材10を支持している軸支持部25等の破損を防止することができる。
【0030】
また、図3に示すようにスタンド部材10をロアーケース2の底部20に対接させた状態で、このスタンド部材支承部29,29にスタンド部材10の凹部17,17が係合する。この係合により、スタンド部材10は矢印A−B方向への移動が規制される。このように、スタンド部材支承部29がスタンド部材10を支承する機能の他に、スタンド部材10の枢軸12の軸線方向(矢印A−B方向)への移動を規制する機能も併せもつため、ロアーケース2の底部20の構造を簡素化することができるとともに底部20を小形化することができる。
【0031】
図1において、30は電話機1を壁に掛けて使用するときに用いるフック部であって、ロアーケース2の底部20に一体に膨出形成した膨出部31に設けられている。膨出部31の一側部には、図4(B)に示すように、スタンド部材10をロアーケース2の底部20に対接させた状態で弾性係合片16の爪16aが係合する係合段部31aが設けられている。この弾性係合片16と係合段部31aとは、スタンド部材10をロアーケース2の底部20に対接させた状態で、図3に示すようにスタンド部材10の外周端(図1中スタンド部材10として二点鎖線で示す線)の内側に位置付けられている。このため、電話機1の周囲から弾性係合片16と係合段部31aとを目視することができないから、弾性係合片16と係合段部31aとによって電話機1の外観の見映えを悪くするようなことがない。32,32はロアーケース2の底部20に取り付けられたゴム足である。
【0032】
次に、このように構成された電子機器のスタンド部材保持構造において、電話機1を所定の第1の角度αおよび第2の角度βに起こした状態とする操作について説明する。スタンド部材10を電話機1のロアーケース2の底部20に対接させた図4(A)に示す状態から、同図(B)においてスタンド部材10を枢軸12を回動中心として反時計方向に回動させ弾性係合片16を弾性変形させながら爪16aと係合段部31aとの係合を解除する。
【0033】
スタンド部材10をロアーケース2の底部20から第1の角度αまで回動させることにより、図5(B)に示すように舌片27の凸部27aに枢軸12の係合溝12bが係合し、係合部26の第1の係合溝26aに枢軸12の係合突起15が係合可能な状態になる。したがって、図3において一点鎖線で示すスタンド部材10を図中矢印A方向に移動させることにより、図5(A)に示すように枢軸12の係合突起15が係合部26の第1の係合溝26aに係合し、スタンド部材10の回動が規制され、電話機1は凹部5b側が所定の第1の角度αだけ起き上がった状態に保たれる。すなわち、枢軸12の係合突起15と係合部26の第1および第2の係合溝26a,26bとが、スタンド部材10を所定の第1および第2の角度α,βにおいて回動を規制する回動規制手段33を構成する。この回動規制手段33は、スタンド部材10をロアーケース2の底部20に対接させた状態で、図3に示すようにスタンド部材10の外周端(図1中スタンド部材10として二点鎖線で示す線)の内側に位置付けられている。このため、電話機1の周囲から回動規制手段33を目視することができないから、回動規制手段33によって電話機1の外観の見映えを悪くするようなことがない。
【0034】
電話機1が第1の角度αだけ起き上がった状態に保たれると、スタンド部材10の一方の脚部11Aの基端部11aが、図3に示すように係合部26に係合するため、スタンド部材10の矢印A方向への移動が規制される。このように、回動規制手段33を構成する係合部26がスタンド部材10の移動を規制する移動規制手段として機能するため、専用の移動規制手段をロアーケース2の底部20に設ける必要がない。このため、ロアーケース2の底部20の構造を簡素化することができるとともに底部を小形化することもできる。
【0035】
次に、この状態から、スタンド部材10をロアーケース2の底部20から第2の角度βまで回動させるには、一旦、スタンド部材10を、他方の脚部11Bの基端部11bが他方の軸支承部22Bに係合させるまで図3中矢印B方向へ移動させ、枢軸12の係合突起15と第1の係合溝26aとの係合を解除する。次いで、スタンド部材10を枢軸12を回動中心として反時計方向に回動させ、スタンド部材10とロアーケース2の底部20との間の角度を第2の角度βとすることにより、舌片27の凸部27aに枢軸12の係合溝12cが係合し、係合部26の第2の係合溝26bに枢軸12の係合突起15が係合可能な状態になる。
【0036】
したがって、図3において二点鎖線で示すスタンド部材10を図中矢印A方向に移動させることにより、図6(A)に示すように枢軸12の係合突起15が係合部26の第2係合溝26bに係合し、スタンド部材10の回動が規制され、電話機1は凹部5b側が所定の第2の角度βだけ起き上がった状態に保たれる。このとき、スタンド部材10の一方の脚部11Aの基端部11aが、図3に示すように係合部26に係合するため、スタンド部材10の矢印A方向への移動が規制される。
【0037】
この状態からスタンド部材10をロアーケース2の底部20に対接させるには、スタンド部材10を、他方の脚部11Bの基端部11bが他方の軸支承部22Bに係合させるまで図3中矢印B方向へ移動させ、枢軸12の係合突起15と第2の係合溝26bとの係合を解除する。次いで、スタンド部材10を、図6(B)中枢軸12を回動中心として時計方向に回動させ、スタンド部材10をロアーケース2の底部20に対接させることにより、図4(B)に示すように弾性係合片16の爪16aが係合段部31aに係合する。
【0038】
なお、本実施の形態においては、枢軸12に二個の係合溝12a,12bを設けたが、必要に応じて三個以上の係合溝を設けるようにしてもよいし、一個の係合溝としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る電子機器のスタンド部材を取り外した状態を示す底面図である。
【図2】本発明に係るスタンド部材の底面図である。
【図3】本発明に係る電子機器の底面図である。
【図4】本発明に係るスタンド部材を電子機器の底部に対接させた状態を示し、同図(A)は図3におけるIV(A)-IV(A) 線断面図、同図(B)は図3における IV(B)-IV(B) 線断面図、同図(C)は図3におけるIV(C)-IV(C)線断面図である。
【図5】本発明に係るスタンド部材を所定の第1の角度だけ回動させた状態を示し、同図(A)は図3におけるV(A)-V(A) 線断面図、同図(B)は図3におけるIV(C)-IV(C)線断面図である。
【図6】本発明に係るスタンド部材を所定の第2の角度だけ回動させた状態を示し、同図(A)は図3におけるV(A)-V(A) 線断面図、同図(B)は図3におけるIV(C)-IV(C)線断面図である。
【図7】本発明に係る電子機器のスタンド保持構造における枢軸の支持構造を示す要部の斜視図である。
【図8】本発明に係る電子機器のスタンド保持構造における節度手段を示す要部の斜視図であって、スタンド部材を電子機器の底部に対接させた状態を示す。
【図9】本発明に係る電子機器のスタンド保持構造における節度手段を示す要部の斜視図であって、スタンド部材を所定の第1の角度だけ回動させた状態を示す。
【図10】本発明に係る電子機器のスタンド保持構造における節度手段を示す要部の斜視図であって、スタンド部材を所定の第2の角度だけ回動させた状態を示す。
【符号の説明】
【0040】
1…電話機(電子機器)、2…ロアーケース、10…スタンド部材、12…枢軸、12aないし12c…係合溝、15…係合突起、16…弾性係合片、17…凹部、20…底部、22A,22B…軸支承部、25…軸支持部、26A,26B…係合部、26a…第1の係合溝、26b…第2の係合溝、27…舌片、28…節度手段、29…スタンド部材支承部、31a…係合段部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に軸支持部が設けられた電子機器と、前記軸支持部に回動自在かつ軸線方向へ移動自在に支持される枢軸が基端部に設けられたスタンド部材とを備え、
前記スタンド部材を枢軸を回動中心として所定の角度だけ回動させた状態で枢軸の軸線方向へ移動させることによりスタンド部材を前記所定の角度に保持する回動規制手段を設け、
この回動規制手段を、前記軸支持部に設けられ前記枢軸の軸線方向に延在する係合溝と、前記枢軸に設けられ前記係合溝に係合する係合突起とによって構成したことを特徴とする電子機器のスタンド保持構造。
【請求項2】
前記係合溝を前記枢軸の回動方向に複数設けたことを特徴とする請求項1記載の電子機器のスタンド保持構造。
【請求項3】
前記スタンド部材を、前記係合溝に前記係合突起を係合させる方向へ移動させることにより、前記スタンド部材が前記回動規制手段に係合し移動が規制されることを特徴とする請求項1または2記載の電子機器のスタンド保持構造。
【請求項4】
前記スタンド部材を前記所定の角度に保持する節度手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項記載の電子機器のスタンド保持構造。
【請求項5】
前記節度手段を、基端部が電子機器の底部に一体に連設され自由端部に凸部が設けられた弾性変形可能な舌片と、前記枢軸の外周部に回動方向に間隔をおいて設けられ前記舌片の凸部が係合する凹部とによって構成したことを特徴とする請求項4記載の電子機器のスタンド保持構造。
【請求項6】
複数の前記係合溝を、前記スタンド部材を所定の第1の角度に回動させた状態を保持する第1の係合溝と、この第1の角度よりも相対的に大きい第2の角度に回動させた状態を保持する第2の係合溝とによって構成し、
前記節度手段に、前記第1および第2の角度に対応した第1の節度部と第2の節度部とを設けたことを特徴とする請求項2ないし5のうちいずれか一項記載の電子機器のスタンド保持構造。
【請求項7】
前記スタンド部材を前記第1の係合溝によって前記第1の角度に保持させることにより、前記スタンド部材を支承するスタンド支承部を電子機器の底部に設けたことを特徴とする請求項6記載の電子機器のスタンド保持構造。
【請求項8】
前記スタンド部材を電子機器の底部に対接させることにより、前記スタンド部材が前記スタンド支承部に係合し前記枢軸の軸線方向への移動が規制されることを特徴とする請求項7記載の電子機器のスタンド保持構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−246541(P2009−246541A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88581(P2008−88581)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】