説明

電気機器

【課題】環境変化に対して定格銘板の膨れやへこみがなくなることにより、剥がれ等の要因もなく、表示スペースの減少や外観上も品位低下のない筐体を安価な構成で得ることができる電気機器を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも2つの筐体と、前記2つの筐体を固着するビスと、前記筐体のビスの頭部が当接する部分に配されたビス頭より大なる寸法の凹部と、前記凹部を有する筐体に前記ビス頭部の上に貼り付けられたラベルとからなり、前記凹部を有する筐体の前記ビスのねじ部に嵌合する円筒穴は鍵穴状にその径よりも小なる第一の長溝部を有し、前記凹部のビスの頭部が当接する面にも前記第一の長溝と連続してなる第二の長溝を備えたことを特徴とする電気機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定格等を表示したラベルを筐体に貼り付けた、充電器等の電気機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の充電器等の電気機器には、定格表示を筐体にラベルを貼り付けているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。従来の充電器等の電気機器の展開斜視図を図4、図5に示す。図中、41はウエケース、42はシタケースであり、内部に電気実装基板43を収納する。
【0003】
二次電池パック44はウエケース41の電池ポケット部41aに収納され電気実装基板43上の充電端子43aを介して充電される。ウエケース41とシタケース42はビス45により固着される。その際、シタケース42にはビス45の頭部45aが入り込む凹部42aが配されており、ビス45が締め付けられた後にはビス45の頭部45aがシタケース42の表面よりも突出しないように構成されている。ビス45が締め付けられた後に、図5の如くシタケース42の底面には定格銘板46が両面テープ等によって貼り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−237561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の電気機器では、定格銘板がシタケースのビス頭部が入り込む凹部を覆っているため、凹部が密閉状態になり高温放置やヒートショックなどの環境変化により凹部内の空気が膨張収縮し定格銘板に気泡のような膨れやへこみを生じさせ、剥がれ等の要因につながるという課題を有していた。また、定格銘板にシタケースの凹部と同等の穴を開けることも可能であるが、そのことにより表示スペースが減少すると共に、外観の品位の低下も招くという課題も有していた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気機器は、少なくとも2つの筐体と、
前記2つの筐体を固着するビスと、前記筐体のビスの頭部が当接する部分に配されたビス頭より大なる寸法の凹部と、前記凹部を有する筐体に前記ビス頭部の上に貼り付けられたラベルとからなり、前記凹部を有する筐体の前記ビスのねじ部に嵌合する円筒穴は鍵穴状にその径よりも小なる第一の長溝を有し、前記凹部のビスの頭部が当接する面にも前記第一の長溝と連続してなる第二の長溝を備えたというものである。
【0007】
本発明の筐体を用いることによって、シタケースのビス頭部を収納する凹部が充電器内部と空間的につながり密閉状態でなくなることとなり、凹部内の空気の膨張収縮による定格銘板への影響がなくなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、環境変化に対して定格銘板の膨れやへこみがなくなることにより、剥がれ等の要因もなく、表示スペースの減少や外観上も品位低下のない充電器を安価な構成で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1における充電器の展開斜視図
【図2】同実施の形態1における充電器の要部詳細図
【図3】同実施の形態1における充電器の要部断面図
【図4】従来の電気機器の展開斜視図
【図5】従来の電気機器の展開斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における電気機器の展開斜視図、図2はその要部詳細図、図3はその要部断面図である。ここで、図1及び図2の従来例と異なる点は、シタケース22の凹部12a内のビスのねじ部が嵌合する円筒穴が第一の長溝17aを有して鍵穴上の形状になっている。また、ビスの頭部25aが当接する面にも第一の長溝と連続してなる第二の長溝17bを有している。
【0012】
これにより、図3の用にシタケースのビス頭部を収納する凹部12aが充電器内部と空間的につながることとなり、凹部12a内の空気の膨張収縮による定格銘板26への影響がなくなるという特有の効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明にかかる電気機器は、環境変化に対して定格銘板の膨れがなくなり、剥がれ等の要因もなく、表示スペースの減少や外観上も品位低下のない電気機器を安価な構成で得ることができるので、電気機器の筐体等として有用である。
【符号の説明】
【0014】
12a 凹部
17a 第一の長溝
17b 第二の長溝
21 ウエケース
22 シタケース
23 電気実装基板
24 二次電池パック
25 ビス
25a 頭部
26 定格銘板
41 ウエケース
41a 電池ポケット部
42 シタケース
43 電気実装基板
43a 充電端子
44 二次電池パック
45 ビス
45a 頭部
46 定格銘板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの筐体と、前記2つの筐体を固着するビスと、前記筐体のビスの頭部が当接する部分に配されたビス頭より大なる寸法の凹部と、前記凹部を有する筐体に前記ビス頭部の上に貼り付けられたラベルとからなり、前記凹部を有する筐体の前記ビスのねじ部に嵌合する円筒穴は鍵穴状にその径よりも小なる第一の長溝を有し、前記凹部のビスの頭部が当接する面にも前記第一の長溝と連続してなる第二の長溝を備えたことを特徴とする電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−204833(P2011−204833A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69603(P2010−69603)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】