説明

電磁式ポンプ

【課題】可動子の推力を高めてポンプの特性を向上させ、汎用性のある電磁式ポンプを提供する。
【解決手段】可動子1は、少なくとも軟磁性体を含みかつ硬磁性体を含まない磁性体であってシリンダ2内を仕切る仕切り壁として設けられ、固定子3は、シリンダ2の外周側に所定間隔を設けて同心配置された一対の第1状ヨーク13a,13bと、一対の第1ヨーク13a,13bを介して同磁極を対向させて同心配置された一対の固定子マグネット14a,14bと、一対の第1ヨーク13a,13b及び一対の固定子マグネット14a,14bの外周側に同心配置された電磁コイル17と、電磁コイル17並びに一対の固定子マグネット14a,14bの端面を覆って同心配置された一対の第2ヨーク15a,15bと、電磁コイル17及び一対の第2ヨーク15a,15bの外周面を覆って同心配置された筒状のアウターヨーク18を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁式ポンプに関し、より詳細には気体、液体等の流体の輸送に使用されるポンプ室内で電磁駆動により可動子を往復動させて流体を送出及び吸込する動作を繰り返す電磁式ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ室の容積変化により流体を送出若しくは吸込が行われる容積型ポンプにおいては、例えばシリンダ内に往復動可能に設けられた可動子を作動させると、ポンプ室内の流体を送出及び吸込が行われる。
【0003】
図5を参照して電磁式ポンプの構成について例示して説明する。
筒状のシリンダ100内には、可動子101が長手方向へ往復動可能に設けられている。可動子101はリング状の可動子マグネット102の上下面に磁性材料よりなる仕切り部材103a,103bを重ね合わせたものが用いられる。仕切り部材103a,103bはポンプ室104とポンプ室105を仕切るように配置されている。可動子マグネット102としては、フェライト系磁石が用いられる。
【0004】
図6において、シリンダ100の外周側には、電磁コイル106,107が両端側をリング状ヨーク108a,108b、リング状ヨーク109a,109bに各々囲まれ、外周側を円筒状ヨーク110に囲まれている。電磁コイル106と電磁コイル107との間には検出コイル111が設けられている。検出コイル111は可動子マグネット102の移動に伴う鎖交磁束の変化により誘起される誘導起電力により可動子101の位置を検出するために設けられる。
【0005】
可動子101の仕切り部材103a,103bの各周縁部にはシリンダ100の長手方向両端側に向かって内壁面に沿って延出した延出部103c,103dが各々形成されている。電磁コイル106,107は通電により対向端に互いに同磁極は発生するように巻かれている。
【0006】
このため、可動子マグネット102、延出部103c、ヨーク108a,ヨーク110,ヨーク109bを通じた磁気回路と、電磁コイル106への通電によりヨーク108a,ヨーク110,ヨーク108b,延出部103cを通じた磁気回路の磁束と、電磁コイル107の逆方向への通電によりヨーク109a,ヨーク110,ヨーク109b,延出部103dを通じた磁気回路の磁束が重畳して弱め合い若しくは強め合いが生ずる。
【0007】
このように、電磁コイル106,107への通電方向を切り換えることで、可動子101に作用する上下2つの磁気回路の磁束が交互に変化する。この結果、可動子101へのシリンダ100の長手方向一方側若しくは他方側への吸引力が増大して可動子101が往復動し、ポンプ室104,105において吸込用逆止弁112a,112bを通じた流体の吸込みと送出用逆止弁113a,113bを通じた流体の送出しが交互に繰り返すようになっている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−124724号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した電磁式ポンプには様々な流体(ガス・液体)が用いられるため、ポンプ室104,105において可動子101のマグネット102も様々な流体に晒されるため、特にネオジム系磁石を用いた場合には磁石の劣化が激しく、耐久性に課題があるためフェライト系磁石が用いられる。
しかしながら、フェライト系磁石はネオジム系磁石に比べて磁束量が少ないため、可動子の推力が低下する結果、ポンプの特性が低下するという課題があった。また、ポンプに使用する流体の種類を変更するたびに接液試験等を行なう必要があり、ポンプの使用範囲(用途)が限られてしまうおそれもあった。
【0009】
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、可動子の推力を高めてポンプの特性を向上させ、汎用性のある電磁式ポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
シリンダ内に移動可能に設けられた可動子をシリンダ外に配設された固定子との間の電磁駆動により前記可動子を往復動させてポンプ室より流体を送出及び吸込する動作を繰り返す電磁式ポンプであって、前記可動子は、少なくとも軟磁性体を含みかつ硬磁性体を含まない磁性体であって前記シリンダ内を仕切る仕切り壁として設けられ、前記固定子は、前記シリンダの外周側に所定間隔を設けて同心配置された一対の第1ヨークと、前記一対の第1ヨークを介して同磁極を対向させて同心配置された一対の固定子マグネットと、前記一対の第1ヨーク及び一対の固定子マグネットの外周側に同心配置された電磁コイルと、前記一対の固定子マグネット並びに電磁コイルの端面を各々覆って同心配置された一対の第2ヨークと、前記電磁コイル及び一対の第2ヨークの外周面を覆って同心配置された筒状のアウターヨークと、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、前記固定子マグネットの両磁極部に隣接する第1,第2ヨークと対向する可動子との間に各々形成される第1の磁気回路と、前記電磁コイルに電流方向を交互に切り換えて通電することにより前記アウターヨーク及び一対の第2ヨークと前記可動子との間に形成される第2の磁気回路の磁束を重畳させて磁気吸引力を前記固定子に設けられた一対の第1,第2ヨークのうちの一方側に交互に偏らせることにより前記可動子を往復動させることを特徴とする。
また、前記固定子マグネットは、ネオジム‐鉄‐ホウ素を含む永久磁石であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上述した電磁式ポンプを用いれば、シリンダの外周側に所定間隔で同心配置された一対の第1ヨークを介して同磁極を対向させて同心配置された一対の固定子マグネットが設けられ可動子にはマグネットが設けられていないので、固定子マグネットは流体に晒されることはない。よって、流体の種類によらず磁気吸引力の大きいネオジム系磁石を用いて可動子の推力を向上させることができ、ポンプの特性を向上させることができる。特に固定子マグネットとしてネオジム系焼結磁石を用いると、可動子の推力向上に寄与することができる。
【0013】
また、シリンダ内に設けられる可動子が少なくとも軟磁性体を含みかつ硬磁性体を含まない磁性体で構成されており、マグネットがポンプ室を通過する流体に晒されることがない。よって、液体、気体等の流体の種類に寄らずポンプを適用することができるので、可動子の構成を簡素化して耐久性を高めるとともにポンプの汎用性を高めることができる。
【0014】
また、一対の第1ヨーク及び一対の固定子マグネットの外周側に単一の電磁コイルが同心配置されているので、コイルの巻数をかせぐことができ、小型で可動子の推力向上に寄与することができる。
【0015】
また、一対の固定子マグネットの各マグネットは、両磁極部が第1ヨークと第2ヨークとに各々磁気的に吸着されてシリンダの外周に組み付けられるので、組立性が良く量産に適した電磁式ポンプを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る電磁式ポンプの最良の実施形態について添付図面とともに詳細に説明する。本実施形態の電磁式ポンプは円筒状に形成されたシリンダ内に仕切り壁として設けられた可動子(マグネットは含まず)をシリンダの軸線方向に摺動可能に配置し、シリンダの外周に配置したマグネット(ネオジム系磁石)と電磁コイルの電磁力を可動子に作用させ、当該可動子を往復動させることによってポンプ作用をなすように構成したものである。
【0017】
図3において、電磁式ポンプの全体構成について説明する。
先ず可動子1の構成について説明する。可動子1は密閉されたシリンダ2内に収容されてシリンダ2の軸線方向に往復動可能に設けられている。可動子1はシリンダ2内を仕切る仕切り壁1cの周縁部にはシリンダ内壁面に沿って両側に延出した延出部1a,1bが各々形成されている。この仕切り壁1cより延出した延出部1a,1bは、固定子3側から発生した磁束の磁束通路となる。可動子1は、少なくとも軟磁性体を含みかつ硬磁性体を含まない磁性体(例えばステンレススチール(SUS400系))が用いられ、マグネットは設けられていない。
【0018】
次に、固定子3の構成について説明する。非磁性材、例えば樹脂材からなるケース4内に非磁性材(例えば樹脂材、ステンレスなどの金属材)からなる筒状のシリンダ2が組み付けられて上下開口端が閉止されている。このシリンダ2内に上述した可動子1が往復動可能に収容されている。尚、シリンダ2は、例えばケース4が予め上ケースと下ケースに分割されてこれらの間でシリンダ2を挟み込んでねじ止めすることによって組み付けることができる。
【0019】
シリンダ2の両端面はケース4によって閉止され、可動子1の移動方向両側面との間に各々ポンプ室5,6が各々形成される。可動子1はシリンダ2の内面に接触した状態で、気密あるいは液密にシールした状態で摺動する。この可動子1の摺動性を良好にするため、磁性材の外周面にフッ素樹脂コーティング等の潤滑性と防錆力を兼ね備えたコーティングを施すことや、可動子1が周方向に回ることを防止する回り止めを設けても良い。
【0020】
尚、ケース4の両端面(内壁面)には図示しないダンパーが取り付けられていても良い。このダンパーは可動子1の移動方向両端面であって、ケース4の内壁面に当接する部位に設けてもよい。
【0021】
シリンダ2の上端面に相当するケース4の吸込用開口部及び送出用開口部には、吸込用逆止弁7a及び送出用逆止弁8aがポンプ室5を開閉可能に設けられている。シリンダ2の下端面に相当するケース4の吸込用開口部及び送出用開口部には、吸込用逆止弁7b及び送出用逆止弁8bがポンプ室6を開閉可能に設けられている。吸込用逆止弁7a,7bと送出用逆止弁8a,8bとは開口部に逆向きに各々取り付けられている。
【0022】
ケース4の上部には循環する流体のポンプへの吸込口9と、ポンプより流体を送り出す送出口10が形成されている。また、ケース4には、吸込口9と吸込用逆止弁7a,7bとの間を連通する吸込用流路11a,11bが各々設けられている。また、ケース4には、送出用逆止弁8a,8bと送出口10との間を連通する送出用流路12a,12bが各々設けられている。
【0023】
ここで上述した固定子3の構成を図1(a)乃至(c)を参照して詳細に説明する。シリンダ2の外周側にはリング状に形成された一対の第1ヨーク13a,13bが同心状に配置されている。また、リング状に形成された一対の固定子マグネット(ネオジム系磁石)14a,14bは、一端側が一対の第1ヨーク13a,13bを介して同磁極を対向させて同心状に近接配置されている。第1ヨーク13a,13bは後述するように固定子マグネット(ネオジム系磁石)14a,14bにより形成される第1磁気回路の磁路M11,M12を各々形成する。また、一対の固定子マグネット14a、14bの他端側にはリング状に形成された一対の第2ヨーク15a,15bが同心状に近接配置されている。第2ヨーク15a,15bは、第1ヨーク13a,13bとともに固定子マグネット14a、14bにより形成される第1磁気回路の磁路M11,M12を形成する。
【0024】
また、一対の第1ヨーク13a,13b及び一対の固定子マグネット14a,14bの外周側にはボビン16が同心状に配置されている。このボビン16には、電磁コイル17が巻き付けられている。電磁コイル17及び一対の第2ヨーク15a,15bの外周側には筒状のアウターヨーク18が設けられている。
【0025】
図1(b)(c)に示すように、アウターヨーク18は、第2ヨーク15a,15bと共に電磁コイル17へ通電することにより第2磁気回路M21,M22を形成する。固定子マグネット14a,14bの磁束による磁気吸引力と電磁コイル17に流れる電流によって発生する電磁力が重畳し、これらの反力が可動子1に作用して推力になる。
【0026】
次に、上述した電磁式ポンプに形成される第1,第2の磁気回路について図1及び図2を参照して説明する。尚、以下では、一対の固定子マグネット14a,14bは対向面側の磁極をS極として説明する。
【0027】
図1(a)において、電磁コイル17に非通電状態にあっては、固定子マグネット14a,第2ヨーク15a,延出部1a,第1ヨーク13aよりなる第1磁気回路M11並びに固定子マグネット14b,第2ヨーク15b,延出部1b,第1ヨーク13bよりなる第1磁気回路M12が各々形成される。このとき、図2(a)に示すように、可動子1は、固定子マグネット14a,14bの磁気吸引力のみでシリンダ2の長手方向中心位置で磁気的に安定するため停止する。尚、コイルが励磁される状態では、流体が吸込み若しくは送出しのいずれかが行なわれるため、シリンダ2の長手方向中心位置で停止することはない。
【0028】
図1(b)において、電磁コイル17に右向き(図1(b)を上方より見て時計回り方向)に通電すると、アウターヨーク18,第2リング状ヨーク15a,延出部1a,1b、第2リング状ヨーク15bよりなる第2磁気回路M21が形成される。
【0029】
このとき、第1磁気回路M11と第2磁気回路M21とは、第2ヨーク15a及び延出部1aで各々磁束が同じ向きで重畳して磁束密度が高まる。また第1磁気回路M12と第2磁気回路M21とは、第2ヨーク15b及び延出部1bで各々磁束が反対向きで重畳して磁束密度が減少する。また、図2(b)に示すように、可動子1はシリンダ2の長手方向上端側へ吸引されて移動する。
【0030】
図1(c)において、電磁コイル17に左向き(図1(c)を上方より見て反時計回り方向)に通電すると、アウターヨーク18,第2リング状ヨーク15b,延出部1b,1a、第2リング状ヨーク15aよりなる第2磁気回路M22が形成される。
【0031】
このとき、第1磁気回路M11と第2磁気回路M22とは、第2ヨーク15a及び延出部1aで各々磁束が反対向きに重畳して磁束密度が減少する。また第1磁気回路M12と第2磁気回路M22とは、第2ヨーク15b及び延出部1bで各々磁束が同じ向きに重畳して磁束密度が高まる。図2(c)に示すように、可動子1はシリンダ2の長手方向下端側へ吸引されて移動する。
【0032】
以上のように固定子マグネット15a,15bの両磁極に配設された第1ヨーク13a,13b、第2ヨーク15a、15bと対向する可動子1の延出部1a,1bとの間に各々恒常的に形成される第1の磁気回路M11,M12と、電磁コイル17に通電する電流方向を交互に切り換えて通電することによりアウターヨーク18及び一対の第2ヨーク15a,15bと可動子1の延出部1a,1bとの間に形成される第2の磁気回路M21,M22との磁束の重畳により磁気吸引力を一対の第1ヨーク13a,13b、第2ヨーク15a、15bのうちの一方側に交互に偏らせることにより可動子1を往復動させることができる。
【0033】
また、一対の第1ヨーク13a,13b及び一対の固定子マグネット14a,14bの外周側に同心状に単一の電磁コイル17が配置されているので、コイルの巻数をかせぐことができ、小型であっても可動子1の推力向上に寄与することができる。
【0034】
図4は、固定子マグネット14a,14bとしてネオジム磁石を用いた場合の可動子1に作用する推力特性と、従来のポンプ構造で、可動子にフェライト磁石を用いた場合の推力特性を示すグラフ図である。本実施例に係るネオジム磁石を用いた場合のほうがポンプ特性を向上できることが分かる。
尚、ネオジム(Nd‐Fe‐B)系磁石には、Nd‐Fe‐B系焼結磁石とNd‐Fe‐B系ボンド磁石が存在するが、Nd‐Fe‐B系焼結磁石を用いるほうが望ましい。
【0035】
また、一対の固定子マグネット14a,14bの各マグネットは、第1ヨーク13a,13bと第2ヨーク15a,15bに磁気的に吸着されてシリンダ2の外周に組み付けることができるので、組み立て工数も少なく、効率よく量産することができる。
【0036】
以上のように、可動子1は、電磁コイル17に交番電流を通電することにより発生する電磁力の作用により固定子3との間で発生する磁気吸引力に偏りを発生させて往復駆動(上下動)される。可動子1のストロークは、図示しない制御部により、電磁コイル17への通電時間、通電方向を制御することによって適宜調整することができる。
【0037】
また、本実施形態の電磁式ポンプは気体あるいは水や不凍液などの流体の輸送に使用することができ、流体の種類が限定されるものではない。また流体輸送用ポンプとして使用する際に、可動子1が一つでは輸送圧力が不足するような場合には、同形の単位可動子1を複数個連結し固定子3を各可動子に応じて設けた多段型の可動子1を使用するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】通電状態に応じた可動子−固定子間の磁気回路の模式説明図である。
【図2】可動子の移動動作を示す状態図である。
【図3】電磁式ポンプの断面説明図である。
【図4】従来のポンプと本実施例のポンプの可動子推力特性を示すグラフ図である。
【図5】従来の電磁式ポンプの断面説明図である。
【図6】図4のポンプの可動子と固定子の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 可動子
1a,1b 延出部
1c 仕切り壁
2 シリンダ
3 固定子
4 ケース
5,6 ポンプ室
7a,7b 吸込用逆止弁
8a,8b 送出用逆止弁
9 吸込口
10 送出口
11a,11b 吸込用流路
12a,12b 送出用流路
13a,13b 第1ヨーク
14a,14b 固定子マグネット
15a,15b 第2ヨーク
16 ボビン
17 電磁コイル
18 アウターヨーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ内に移動可能に設けられた可動子をシリンダ外に配設された固定子との間の電磁駆動により前記可動子を往復動させてポンプ室より流体を送出及び吸込する動作を繰り返す電磁式ポンプであって、
前記可動子は、少なくとも軟磁性体を含みかつ硬磁性体を含まない磁性体であって前記シリンダ内を仕切る仕切り壁として設けられ、
前記固定子は、前記シリンダの外周側に所定間隔を設けて同心配置された一対の第1ヨークと、前記一対の第1ヨークを介して同磁極を対向させて同心配置された一対の固定子マグネットと、前記一対の第1ヨーク及び一対の固定子マグネットの外周側に同心配置された電磁コイルと、前記一対の固定子マグネット並びに電磁コイルの端面を各々覆って同心配置された一対の第2ヨークと、前記電磁コイル及び一対の第2ヨークの外周面を覆って同心配置された筒状のアウターヨークと、を備えたことを特徴とする電磁式ポンプ。
【請求項2】
前記固定子マグネットの両磁極部に隣接する第1,第2ヨークと対向する可動子との間に各々形成される第1の磁気回路と、前記電磁コイルに電流方向を交互に切り換えて通電することにより前記アウターヨーク及び一対の第2ヨークと前記可動子との間に形成される第2の磁気回路の磁束を重畳させて磁気吸引力を前記固定子に設けられた一対の第1,第2ヨークのうちの一方側に交互に偏らせることにより前記可動子を往復動させる請求項1記載の電磁式ポンプ。
【請求項3】
前記固定子マグネットは、ネオジム‐鉄‐ホウ素を含む永久磁石であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電磁式ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−121494(P2010−121494A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294574(P2008−294574)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000106944)シナノケンシ株式会社 (316)
【Fターム(参考)】